JPH09271515A - 血液浄化器の製造方法 - Google Patents

血液浄化器の製造方法

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JPH09271515A
JPH09271515A JP8082189A JP8218996A JPH09271515A JP H09271515 A JPH09271515 A JP H09271515A JP 8082189 A JP8082189 A JP 8082189A JP 8218996 A JP8218996 A JP 8218996A JP H09271515 A JPH09271515 A JP H09271515A
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JP
Japan
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hollow fiber
chlorofluorohydrocarbon
blood purifier
mixed solution
manufactured
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Application number
JP8082189A
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English (en)
Inventor
Ichiro Fukui
一郎 福井
Toshiaki Masuda
利明 増田
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Nissho Corp
Original Assignee
Nissho Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜内部に存在する脂溶性物質を洗浄
し、中空糸膜の微細孔に水溶性物質を残存させる洗浄工
程を含む血液浄化器の製造方法を提供すること。 【解決手段】 塩化フッ化炭化水素とフッ化炭素からな
る混合溶液で、中空糸膜を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液浄化器の製造
方法に関し、詳しくは、環境に無害な洗浄剤による中空
糸膜洗浄工程を含む血液浄化器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜の製造方法としては、溶融紡糸
法,乾式紡糸法,乾湿式紡糸法が挙げられる。いずれの
紡糸法も基本的には、中空糸の原料に、微細孔膜形成
剤,膨潤剤等を加えた後、混合し、加温し、これを2重
ノズルより押し出し、中空糸を形成する。この際、その
真円度を確保する目的で、中空糸内部へ毒性のない脂溶
性物質を充填しながら紡糸を行う。次に、空気中または
水溶液中で微細孔膜形成剤,膨潤剤等を拡散、溶出させ
ながら、中空糸形成材料を凝固させて中空糸膜が完成す
る。さらに、この中空糸膜を温水で洗浄した後、乾燥に
よる微細孔の変形や膜の経時的変化を防止する目的で、
膜の微細孔に取り込まれている水を水溶性物質のグリセ
リンに置換する。最後に、乾燥し、血液浄化器用の中空
糸膜が完成する。
【0003】血液透析が行われる際、前記中空糸に充填
された物質で血液が汚染されないように、中空糸に充填
された物質は除去されていなければならない。グリセリ
ンはプライミングの際に生理食塩水で流されて除去され
る。ところが、脂溶性物質は生理食塩水で除去すること
はできないので、血液浄化器の製造過程で除去されるの
が好ましい。
【0004】そこで従来技術において、中空糸の内部に
塩化フッ化炭化水素を流して中空糸内部に存在するオク
チルアルコール,イソプロピルミリステート等の油状物
質を選択的に洗浄除去すると共に、グリセリンを中空糸
に残存させた中空糸の処理方法が知られている(特公昭
56−22541号公報参照)。この処理方法では、フ
ロンの一種であるCCl2 FCClF2 (以下「F−1
13」という)が、血液浄化器を形成する中空糸膜の洗
浄剤として使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フロン
は非分解性のため、そのまま成層圏にまで拡散し、オゾ
ン層を破壊するという環境問題に直面し、その使用が制
限されている現在、F−113に代わる洗浄剤による、
血液浄化器を形成する中空糸膜の洗浄方法が求められて
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題を
解決すべく鋭意研究の結果、塩化フッ化炭化水素とフッ
化炭素からなる混合溶液が、F−113と同等の効果を
有することを見出し、本発明に到達した。すなわち本発
明は、塩化フッ化炭化水素とフッ化炭素からなる混合溶
液で、中空糸膜を洗浄する工程を含む血液浄化器の製造
方法である。
【0007】本発明における中空糸の原料としては、セ
ルロース,合成高分子等が挙げられる。脂溶性物質とし
ては、毒性が無く、膜の性能あるいは材質に影響を与え
ず、中空糸の横断面形状が真円に近い形状を維持するた
めのものであれば限定はないが、流動パラフィンあるい
はミリスチン酸イソプロピルが好ましい。水溶性物質と
しては、毒性がなく、膜の保護剤となり、乾燥による微
細孔の変形や膜の経時的変化を防止するものであれば限
定はないが、沸点が290℃と高く常温では蒸発しない
性質を有するグリセリンが好ましい。
【0008】本発明における塩化フッ化炭化水素として
は、オゾン破壊係数が極めて小さい、CF3 CF2 CH
Cl2 (以下「塩化フッ化炭化水素I」という)とCC
lF2 CF2 CHClF(以下「塩化フッ化炭化水素I
I」という)との混合物が好ましい。この混合物におい
て、塩化フッ化炭化水素Iの割合は全体の30〜70重
量%である。しかし、塩化フッ化炭化水素Iと塩化フッ
化炭化水素IIとの混合物は、脂溶性物質に対しF−11
3と同等の洗浄効果を有するが、水溶性物質のギリセリ
ンを溶出してしまい、さらに血液浄化器本体ケースの材
質も破壊してしまうので、単独では血液浄化器を形成す
る中空糸膜の洗浄剤としては不適である。フッ化炭素と
しては、オゾン破壊係数がゼロであるフッ化ヘキサンが
好ましい。しかし、フッ化ヘキサンは不活性のため脂溶
性物質を洗浄することができず、単独では血液浄化器を
形成する中空糸膜の洗浄剤としては不適である。塩化フ
ッ化炭化水素Iと塩化フッ化炭化水素IIとの混合物と、
フッ化ヘキサンは、単独で使用してもF−113と同等
の効果を得られないが、混合することにより、血液浄化
器本体ケースの材質の破壊を抑え、F−113と同等の
洗浄効果を得ることができる。この混合溶液において、
フッ化ヘキサンの割合は全体の30〜70重量%、好ま
しくは40〜60重量%である。塩化フッ化炭化水素I
と塩化フッ化炭化水素IIとの混合物の沸点は54℃、フ
ッ化ヘキサンの沸点は56℃であり、2種類の溶液の沸
点がほぼ等しいので、この混合溶液は共沸混合物とな
る。この混合溶液を共沸させ、蒸留させることにより、
清浄化して再利用が可能となる。さらに、2種類の溶液
の沸点は、F−113の沸点47.6℃と大きな差はな
いので、F−113の清浄化装置と同じ装置を利用する
ことが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
具体的に説明する。 〔実施例1〕内径200μm,肉厚15μmのセルロー
ストリアセテートからなる中空糸膜(東洋紡社製)を有
効膜面積1.1m2 となるように8500本束ねて切断
し、ポリカーボネートからなるケース内に収容し、中空
糸束の両端をポリウレタンで固着した後、固着部の端部
を切断した。そして、アサヒクリンAK−225(旭硝
子社製、塩化フッ化炭化水素Iと塩化フッ化炭化水素II
との混合物の商品名)と、PF−5060(住友スリー
エム社製フッ化ヘキサンの商品名)を重量比50:50
で混合した溶液で中空糸膜を洗浄し、ヘッダーを取り付
け、血液浄化器を製造した。このようにして得られた血
液浄化器の性能試験結果を表1に示す。
【0010】〔比較例1〕実施例1の洗浄剤の代わりに
F−113(ダイキン工業社製)を使用して、実施例1
と同一の処理を施し、血液浄化器を製造した。このよう
にして得られた血液浄化器の性能試験結果を表1に示
す。
【0011】
【表1】
【0012】表1の結果より、実施例1の血液浄化器の
性能は、F−113で洗浄した比較例1の血液浄化器の
性能と同等であった。すなわち、本発明の洗浄方法によ
る膜性能の低下はほとんど見られなかった。
【0013】〔実施例2〕内径200μm,肉厚15μ
mのセルロースジアセテートからなる中空糸膜(東洋紡
社製)を有効膜面積1.1m2 となるように8500本
束ねて切断し、ポリカーボネートからなるケース内に収
容し、中空糸束の両端をポリウレタンで固着した後、固
着部の端部を切断した。そして、アサヒクリンAK−2
25(旭硝子社製、塩化フッ化炭化水素Iと塩化フッ化
炭化水素IIとの混合物の商品名)と、PF−5060
(住友スリーエム社製フッ化ヘキサンの商品名)を重量
比50:50で混合した溶液で中空糸膜を洗浄し、ヘッ
ダーを取り付け、血液浄化器を製造した。このようにし
て得られた血液浄化器の性能試験結果を表2に示す。
【0014】〔比較例2〕実施例2の洗浄剤の代わりに
F−113(ダイキン工業社製)を使用して、実施例2
と同一の処理を施し、血液浄化器を製造した。このよう
にして得られた血液浄化器の性能試験結果を表2に示
す。
【0015】
【表2】
【0016】表2の結果より、実施例2の血液浄化器の
性能は、F−113で洗浄した比較例2の血液浄化器の
性能と同等であった。すなわち、本発明の洗浄方法によ
る膜性能の低下はほとんど見られなかった。
【0017】〔比較例3〕内径200μm,肉厚15μ
mのセルロースジアセテートからなる中空糸膜(東洋紡
社製)を有効膜面積1.5m2 となるように10350
本束ねて切断し、ポリカーボネートからなるケース内に
収容し、中空糸束の両端をポリウレタンで固着した後、
固着部の端部を切断した。そして、アサヒクリンAK−
225(旭硝子社製、塩化フッ化炭化水素Iと塩化フッ
化炭化水素IIとの混合物の商品名)のみで中空糸膜を洗
浄し、ヘッダーを取り付け、血液浄化器を製造した。こ
のようにして得られた血液浄化器の残留流動パラフィン
及び性能試験結果を表3に示す。
【0018】〔比較例4〕比較例3の洗浄剤の代わりに
F−113(ダイキン工業社製)を使用して、比較例3
と同一の処理を施し、血液浄化器を製造した。このよう
にして得られた血液浄化器の残留流動パラフィン及び性
能試験結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】表3の結果より、比較例3の血液浄化器の
流動パラフィンに対する洗浄能力は、F−113で洗浄
した比較例4の血液浄化器の流動パラフィンに対する洗
浄能力と同等であった。しかし、比較例3の血液浄化器
の性能は、比較例4の血液浄化器の性能より劣ってい
た。特に、UFRは20%弱も劣っていた。これは、比
較例3の洗浄工程において、中空糸膜性能を維持するた
めに微細孔に存在したグリセリンが若干溶出したためで
ある。
【0021】
【発明の効果】本発明により、中空糸膜内部に存在した
脂溶性物質が洗浄され、中空糸膜の微細孔に水溶性物質
が残存した血液浄化器が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化フッ化炭化水素とフッ化炭素からな
    る混合溶液で、中空糸膜を洗浄する工程を含む血液浄化
    器の製造方法。
  2. 【請求項2】 フッ化炭素が、完全にフッ素化された炭
    化水素である請求項1に記載の血液浄化器の製造方法。
  3. 【請求項3】 塩化フッ化炭化水素が、CF3 CF2
    HCl2 とCClF2 CF2 CHClFとの混合物であ
    る請求項1または請求項2に記載の血液浄化器の製造方
    法。
JP8082189A 1996-04-04 1996-04-04 血液浄化器の製造方法 Pending JPH09271515A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013248334A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Nikkiso Co Ltd 血液浄化装置及びそのプライミング方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013248334A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Nikkiso Co Ltd 血液浄化装置及びそのプライミング方法

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