JPH09263750A - 表面処理アルミ缶 - Google Patents

表面処理アルミ缶

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JPH09263750A
JPH09263750A JP7476196A JP7476196A JPH09263750A JP H09263750 A JPH09263750 A JP H09263750A JP 7476196 A JP7476196 A JP 7476196A JP 7476196 A JP7476196 A JP 7476196A JP H09263750 A JPH09263750 A JP H09263750A
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JP
Japan
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acid
metal surface
chemical formula
phenol
aluminum
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Pending
Application number
JP7476196A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Sugata
智之 菅田
Atsuhiko Masanaka
敦彦 當仲
Yasuhiro Shibata
康弘 柴田
Susumu Maekawa
進 前川
Kiyotada Yasuhara
清忠 安原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面処理アルミ缶の未塗装時の滑り性、処理
外観維持性(着色性)、耐食性、塗膜密着性を改良す
る。 【解決手段】 下記化1に示すフェノール誘導体と下記
化2に示すジアルキルベンゼングリコール類と下記化3
に示すアミン類とホルムアルデヒドとの重縮合物又はそ
の塩を含む金属表面処理剤で処理されたことを特徴とす
る表面処理アルミ缶である。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、特に耐食性、塗膜密着
性、滑り性(潤滑性)や処理外観維持性(着色性)に優
れた表面処理アルミ缶に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金板を絞りしごき加工
(Drawing & Ironig)することにより
形成されるアルミニウムDI缶に塗装、印刷を施す前
に、当該缶の表面に優れた耐食性と塗料密着性を付与
し、かつ缶のコンベヤー搬送の円滑化に必要な優れた滑
り性(以下単に滑り性という)をも付与するために金属
表面処理剤を用いる。この金属表面処理剤の組成物の一
例が以下の公報に示されている。
【0003】例えば、特開平2−609号公報の「炭水
化物変性多価フェノール化合物による金属の処理及び後
処理」には、下記の化4に示す重合体等からなる単独重
合体又は共重合化合物が記載されている。
【0004】
【化4】 上記炭水化物変性多価フェノール化合物(アミンオキシ
ド含有多価フェノール化合物)は、アルミニウム、鋼及
び亜鉛の金属表面を含めた種々の金属表面を処理する金
属表面処理剤であって、金属表面に腐食抵抗及びペイン
ト付着特性を付与する化合物である。
【0005】また、特開平7−278410号公報の
「金属材料表面処理用重合体組成物及び処理方法」に
は、酸性化合物と、下記化5に示す式(I)の重合体
[X=H,C1-5 アルキル、C1-5 ヒドロキシアルキ
ル、下記化6に示す式(II)の基など、R1 ,R2
H,OH,C1-10アルキル、C1-10ヒドロキシアルキル
基など、Y1 ,Y2 =H又は下記化7に示す式(III)又
は下記化8に示す式(IV)のZ基、R3 〜R7 =C1-10
アルキル、C1-10ヒドロキシアルキル基など、重合体分
子中の各ベンゼン環の置換Z基数平均値=0.2〜1.
0,n=5〜50]とを含み、pH=2.0〜6.5の
水溶液と、金属表面とを接触させる処理方法が開示され
ている。
【0006】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 また、特開平7−278836号公報の「アルミニウム
含有金属材料用表面処理組成物及び表面処理方法」に
は、りん酸イオン、縮合りん酸イオン及び水性重合体
を、1〜30:0.1〜10:0.2〜20の重量配合
割合で含み、2.0〜6.5のpHを有する表面処理液
と、上記材料表面とを、30〜65℃において、5〜6
0秒間接触させ、水洗し、加熱乾燥する表面処理方法が
開示されている。ここで、上記水溶性重合体は、下記化
9に示す式(V)の化学構造を有し、式(V)中Y1
2 は、H原子又は下記化10式(VI)又は式(VII)の
Z基であり、重合体分子中のベンゼン環の平均Z基置換
数0.2〜1.0である。
【0007】
【化9】
【化10】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平2−609号公報に開示されたアミンオキシド含有
多価フェノール化合物(上記化10に示す化合物)を含
有する表面処理剤を用いて表面処理した場合、このアミ
ンオキシド含有多価フェノール化合物は、親水性が高い
ために、皮膜の滑り性が悪くなってしまう。更に、皮膜
を乾燥させると、フェノールの共役発色により皮膜が着
色してしまうという問題があった。
【0009】また、上記特開平7−278410号公報
及び特開平7−278836号公報に開示された水溶性
重合体は、いずれもノボラック型の重合体であって、上
記同様、重合体の親水性が高く、皮膜の滑り性が悪くな
ってしまう。更に、皮膜を乾燥させると、フェノールの
共役発色により皮膜が着色してしまうという問題があっ
た。また、ビスフェノール共重合体では、耐食性が劣っ
てしまう。
【0010】上述のように滑り性が悪い場合には、缶の
搬送時に滞溜してしまい(以下ジャミング)、コイルコ
ーティングにおいては、潤滑性に欠けるという問題点が
あった。また、皮膜が着色すると、後工程、例えば塗装
工程にも支障をきたすおそれがあった。
【0011】本発明は上記従来の課題に鑑みたものであ
り、その目的は、未塗装時の滑り性、処理外観維持性
(着色性)、耐食性、塗膜密着性に優れた表面処理アル
ミ缶を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の表面処理アルミ缶は、前記化1に示す
フェノール誘導体と前記化2に示すジアルキルベンゼン
グリコール類と前記化3に示すアミン類とホルムアルデ
ヒドとの重縮合物又はその塩を含む金属表面処理剤で処
理されている。
【0013】上記フェノール誘導体にジアルキルベンゼ
ングリコール類を重縮合させることにより、親水性を抑
えることができ、皮膜の滑り性が良好となる。更に、皮
膜を乾燥させた場合、皮膜中のフェノール骨格が少ない
ため、例えフェノールの共役発色が起きたとしても、皮
膜が着色するおそれはない。このため、滑り性が良好と
なり、ジャミングの発生を防止することができ、更にコ
イルコーティングにおいては、潤滑性を有することとな
る。また、皮膜の着色を防止できるので、後工程、例え
ば塗装工程にも支障をきたすおそれがない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る金属表面処理剤の前
記化1に示すフェノール誘導体と前記化2に示すジアル
キルベンゼングリコール類と前記化3に示すアミン類と
ホルムアルデヒドとの重縮合物又はその塩は、例えば下
記化11に示す構造式を有するフェノール類の1モルに
対し、下記化12の構造式を有するジアルキルベンゼン
グリコール類を0.02〜0.6モルと、前記ジアルキ
ルベンゼングリコール類との和が0.7〜0.9モルと
なる量のホルムアルデヒドと、を有機酸又は無機酸を触
媒として反応させてフェノール縮合化合物を得て、前記
フェノール縮合化合物に、下記化13に示す構造式を有
するアミン類を0.5〜2.0モルと、前記アミン類と
同モル量のホルムアルデヒドとを反応させて(アミノメ
チル化反応,マンニッヒ反応により)得られるフェノー
ル樹脂組成物である。
【0015】
【化11】
【化12】
【化13】 ここで、フェノール類としては、例えばフェノール、ク
レゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピル
フェノール、ブチルフェノール、レゾルシン、ピロガロ
ール等が挙げられ、これらの単独又は2種類以上の組み
合わせで使用してもよい。
【0016】また、ジアルキルベンゼングリコール類と
しては、パラキシレングリコールジメチルエーテル、パ
ラキシレングリコール、メタキシレングリコールジメチ
ルエーテル、メタキシレングリコール、オルソキシレン
グリコールジメチルエーテル、オルソキシレングリコー
ルなどがあり、これらを単独又は2種類以上組み合わせ
て使用しても良い。
【0017】重縮合触媒としては、蓚酸、パラトルエン
スルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン
酸などの有機酸や、塩酸、硫酸などの無機酸を用いるこ
とができる。触媒の添加量は、フェノール類とジアルキ
ルベンゼングリコール類の仕込み量の和に対して、0.
01〜3.0重量%の範囲である。
【0018】上記化11に示すフェノール類1モルに対
して、ジアルキルベンゼングリコール類のモル数は0.
02〜0.6が好ましく、より好ましくは、0.03〜
0.5である。ジアルキルベンゼングリコール等のモル
数が0.6を越えると、得られたフェノール化合物の金
属表面処理剤の液安定性が低下する。更には、酸に不溶
となり、目的の金属表面処理が行えなくなる場合があ
る。一方、ジアルキルベンゼングリコール等のモル数が
0.02未満の場合には、得られたフェノール化合物の
液溶解性が高くなり、表面処理における樹脂付着量が低
下して、耐食性、滑り性が低下する。
【0019】また、上記化11に示すフェノール類1モ
ルに対して、ジアルキルベンゼングリコール類とホルム
アルデヒドのモル数の和は、0.7〜0.9が最適であ
る。ジアルキルベンゼングリコール等とホルムアルデヒ
ドのモル数の和が、0.9を越えると重縮合反応中にゲ
ル化してしまう。一方、ジアルキルベンゼングリコール
等とホルムアルデヒドのモル数の和が、0.7未満の場
合には重縮合物自体の溶液粘度(又は分子量)が上がら
ず、処理液安定が良くなり過ぎて、処理表面への樹脂の
付着量が低下し、耐食性、滑り性が低下する。
【0020】また、上記化11に示すフェノール類1モ
ルに対して、上記化13に示すアミン類は、0.5〜
2.0モルが好ましく、より好ましくは0.7〜1.5
である。アミン類のモル数が2.0を越える場合には、
処理液安定が良くなり過ぎて、処理表面への樹脂の付着
量が低下し、耐食性、滑り性が低下する。また、未反応
のアミン類、ホルムアルデヒドが残存する可能性があ
り、廃水処理の付加が大きくなる。一方、アミン類のモ
ル数が0.5未満の場合には、得られたフェノール化合
物の疎水性が高くなり、処理液安定性が低下し、また金
属表面処理液に不溶となって目的の表面処理アルミ缶が
得られない場合がある。
【0021】ここで、アミン類としては、ジエタノール
アミン、N−メチルアミノエタノール、ケチミン、ジケ
チミンなどが挙げられ、これらの単独又は2種類以上を
組み合わせても良い。
【0022】また、前記化1に示すフェノール誘導体と
前記化2に示すジアルキルベンゼングリコール類と前記
化3に示すアミン類とホルムアルデヒドとの重縮合物又
はその塩は、金属表面処理剤に対して0.01〜10g
/lを含有することが好ましい。より好ましくは0.1
〜5g/lである。上記重縮合物の含有量が0.01g
/l未満の場合には、樹脂皮膜量は不十分であり、不膜
のバリヤー効果が低下する。一方、上記重縮合物の含有
量が10g/lを越える場合には、表面処理時の樹脂析
出性が抑制されず、皮膜外観不良を起こすと共に耐食性
が劣化する。
【0023】無機酸 無機酸としては、リン酸、硝酸等が挙げられるが、リン
酸が最も好ましく。その酸の塩としては、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム等の塩が好ましい。リン酸の濃
度としては、金属表面処理剤に対して0.01〜10g
/lであることが好ましく、より好ましくは0.25〜
5g/lである。リン酸の含有量が0.01g/l未満
の場合には、酸性度が不十分となり前記重縮合物が溶解
しにくくなり、一方10g/lを越えると、表面処理時
の樹脂析出性が抑制され耐食性が劣化する。
【0024】酸化剤 酸化剤としては、過酸化水素、亜硝酸塩、過ホウ酸塩、
塩素酸塩、臭素酸塩等が挙げられ、好ましくは過酸化水
素、亜硝酸塩である。酸化剤の金属表面処理剤に対する
含有量は、0.01〜10g/lであることが好まし
く、より好ましくは0.1〜2g/lである。酸化剤の
含有量が0.01g/l未満の場合には、酸化剤として
の効果、すなわちリン酸もしくはフッ酸等の酸により金
属表面をエッチングするときに金属表面が高酸化状態に
なって安定化するという効果が発揮できず、耐食性が劣
り、一方10g/lを越えると、酸化剤としての効果が
緩和され、不経済となる。
【0025】重金属 本発明の金属表面処理剤は、重金属を含有しても良く、
重金属としては、Zr,Nb,Ni,Co,Mn,T
i,Ta,Mo,Wの1種又は2種類以上組み合わせて
も良い。上記金属の錯フッ化物が好ましく、その他硝酸
塩、リン酸塩等が挙げられる。重金属の金属表面処理剤
に対する含有量は、10g/l未満であることが好まし
い。重金属の含有量が10g/lを越えると、耐食性、
塗膜密着性や滑り性が低下する。
【0026】本発明の金属表面処理剤は、必要に応じて
以下のエッチング剤、エッチング助剤、多価アニオンを
含有しても良い。
【0027】エッチング剤 エッチング剤としては、フッ化水素及びその塩が挙げら
れる。エッチング剤の金属表面処理剤に対する含有量
は、0.005g/l〜5g/lが好ましい。エッチン
グ剤の含有量が0.005g/l未満の場合には、金属
表面のエッチング不足となり、樹脂皮膜が金属表面に析
出しにくくなり、耐食性が劣る。一方、エッチング剤の
含有量が5g/lを越える場合には、エッチング過多と
なり、やはり樹脂皮膜が金属表面に析出しにくくなり、
耐食性が低下し、滑り性も不十分となる。
【0028】エッチング助剤 エッチング助剤としては、ケイフッ酸、ホウフッ酸及び
その塩が挙げられる。エッチング助剤の金属表面処理剤
に対する含有量は、0.003g/l〜5g/lが好ま
しい。エッチング助剤の含有量が0.003g/l未満
の場合には、金属表面のエッチング不足となり、樹脂皮
膜が金属表面に析出しにくくなり、耐食性が劣る。一
方、エッチング助剤の含有量が5g/lを越える場合に
は、エッチング過多となり、やはり樹脂皮膜が金属表面
に析出しにくくなり、耐食性が低下し、滑り性も不十分
となる。
【0029】多価アニオン 多価アニオンとしては、縮合リン酸(ピロリン酸、トリ
ポリリン酸、テトラリン酸等)、モリブデン酸、タング
ステン酸等及びその塩が挙げられる。多価アニオンの金
属表面処理剤に対する含有量は、0.003g/l〜1
0g/lが好ましい。多価アニオンの含有量が0.00
3g/l未満の場合には、金属表面のエッチング不足と
なり、樹脂皮膜が金属表面に析出しにくくなり、耐食性
が劣り、滑り性が低下する。一方、多価アニオンの含有
量が10g/lを越える場合には、処理液安定性が低下
する。
【0030】処理条件と処理方法 上記金属表面処理剤のpHは、約2.0〜5.0であ
り、好ましくは2.5〜4.5である。この時、pHの
調整は、NaOH、アンモニア水溶液、硝酸等により行
う。本発明の金属表面処理剤と金属材料との接触温度
は、20〜90℃が好ましく、より好ましくは35〜6
5℃である。
【0031】金属材料に対してスプレー塗布の場合に
は、約5秒間〜5分間、好ましくは10〜60秒間であ
る。その他、浸漬法、フローコート法、ロールコート法
で接触させても良い。
【0032】上記のように、表面処理を施された金属材
料は、乾燥工程が入るが、乾燥前に水洗があっても良
い。乾燥温度は150〜240℃であり、乾燥温度が1
50℃未満では、耐食性が劣る。
【0033】アルミニウム表面上への本発明の樹脂の析
出機構を以下に述べる。
【0034】酸性水溶液中ではこの樹脂の含有する窒素
原子(アミン)が陽イオン性を呈する。そしてアルミニ
ウム面をエッチングした際のアルミニウム界面のpH上
昇によりこの陽イオン性が失われアルミニウム表面に本
願の樹脂が凝集沈着する。
【0035】更に、この窒素原子のローン・ペア(孤立
電子対)をアルミニウムと共有(キレート化)すること
によってもアルミニウム面への樹脂の析出が生ずる。
【0036】更に、本発明の好ましい他の実施態様を以
下に示す。
【0037】1.本発明に係る金属表面処理剤の前記化
1に示すフェノール誘導体と前記化2に示すジアルキル
ベンゼングリコール類と前記化3に示すアミン類とホル
ムアルデヒドとの重縮合物又はその塩は、例えば上記化
11に示す構造式を有するフェノール類の1モルに対
し、上記化12の構造式を有するジアルキルベンゼング
リコール類を0.02〜0.6モルと、前記ジアルキル
ベンゼングリコール類との和が0.7〜0.9モルとな
る量のホルムアルデヒドと、を有機酸又は無機酸を触媒
として反応させてフェノール縮合化合物を得て、前記フ
ェノール縮合化合物に、上記化13に示す構造式を有す
るアミン類を0.5〜2.0モルと、前記アミン類と同
モル量のホルムアルデヒドとを反応させて(マンニッヒ
反応により)得られるフェノール樹脂組成物である。
【0038】2.上記フェノール類は、フェノール、ク
レゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピル
フェノール、ブチルフェノール、レゾルシン、ピロガロ
ールの単独又は2種類以上の組み合わせである。
【0039】3.上記ジアルキルベンゼングリコール類
は、パラキシレングリコールジメチルエーテル、パラキ
シレングリコール、メタキシレングリコールジメチルエ
ーテル、メタキシレングリコール、オルソキシレングリ
コールジメチルエーテル、オルソキシレングリコールの
単独又は2種類以上の組み合わせである。
【0040】4.上記重縮合触媒は、蓚酸、パラトルエ
ンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホ
ン酸からなる有機酸、又は塩酸、硫酸からなる無機酸で
ある。
【0041】5.上記重縮合触媒の添加量は、フェノー
ル類とジアルキルベンゼングリコール類の仕込み量の和
に対して、0.01〜3.0重量%の範囲である。
【0042】6.上記フェノール類1モルに対して、ジ
アルキルベンゼングリコール類のモル数は0.03〜
0.5である。
【0043】7.上記フェノール類1モルに対して、ア
ミン類の添加量は0.7〜1.5である。
【0044】8.上記アミン類は、ジエタノールアミ
ン、N−メチルアミノエタノール、ケチミン、ジケチミ
ンの単独又は2種類以上の組み合わせである。
【0045】9.前記化1に示すフェノール誘導体と前
記化2に示すジアルキルベンゼングリコール類と前記化
3に示すアミン類とホルムアルデヒドとの重縮合物又は
その塩は、金属表面処理剤に対して0.1〜5g/lを
含有する。
【0046】10.無機酸は、リン酸又は硝酸である。
【0047】11.リン酸の濃度としては、金属表面処
理剤に対して0.25〜5g/lである。
【0048】12.酸化剤は、過酸化水素、亜硝酸塩、
過ホウ酸塩、塩素酸塩、臭素酸塩のいずれか1種であ
る。
【0049】13.酸化剤は、過酸化水素又は亜硝酸塩
である。
【0050】14.酸化剤の金属表面酸化剤に対する含
有量は、0.1〜2g/lである。
【0051】15.重金属は、Zr,Nb,Ni,C
o,Mn,Ti,Ta,Mo,Wの1種又は2種類以上
の組み合わせである。
【0052】16.金属表面処理剤は、必要に応じての
エッチング剤、エッチング助剤、多価アニオンを含有す
る。
【0053】17.上記エッチング剤は、フッ化水素及
びその塩である。
【0054】18.上記エッチング剤の金属表面処理剤
に対する含有量は、0.005g/l〜5g/lであ
る。
【0055】20.上記エッチング助剤は、ケイフッ
酸、ホウフッ酸及びその塩である。
【0056】21.上記エッチング助剤の金属表面処理
剤に対する含有量は、0.003g/l〜5g/lであ
る。
【0057】22.上記多価アニオンは、縮合リン酸
(ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸等)、モ
リブデン酸、タングステン酸等及びその塩である。
【0058】23.上記多価アニオンの金属表面処理剤
に対する含有量は、0.003g/l〜10g/lであ
る。
【0059】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【0060】実施例1〜10及び比較例1〜6 <重縮合物Aの製造方法>表1に示す配合で反応を行っ
た。攪拌装置、還流冷却機及び温度計を備えた反応装置
にm−クレゾール1モル(108g)、m−キシレング
リコールジメチルエーテル0.03モル(5g)、p−
トルエンスルホン酸0.3gを仕込み、160℃で2時
間反応させた。内温を100℃まで下げ、37%ホルム
アルデヒド水溶液0.75モル(61g)を1時間かけ
て添加し、100℃で2時間還流反応を行い、140℃
まで常圧脱水反応を行った。次いで、真空脱水を行い、
系内の温度が160℃まで昇温したところで重縮合反応
を終了とした。次いで、表2に示すように120℃まで
温度を下げ、ブチルセルソルブ194gを添加し、重縮
合物を完全に溶解させ、純水194gを100℃以下で
添加し、系内の温度が50℃まで下がったところで、N
−メチルアミノエタノール1モル(75g)を添加し、
37%ヒルムアルデヒド水溶液1モル(81.1g)を
1時間かけて逐添し、50℃で1時間反応させ、更に9
0℃で1.5時間反応させた。得られた樹脂溶液は、粘
度が0.11Pa・s、遊離ホルムアルデヒドが0%、
遊離フェノールが0%、180℃1時間の不揮発分が3
1.2%あり、pH2のリン酸水溶液に溶解した。
【0061】<重縮合物B〜Dの製造方法>表1及び2
に示した配合で重縮合物Aの製造方法に準じて反応を行
い、表2に示す一般特性を有する樹脂溶液を得た。
【0062】<重縮合物Eの製造方法>表1に示す配合
で反応を行った。攪拌装置、還流冷却機及び温度計を備
えた反応装置にフェノール1モル(94g)、p−トル
エンスルホン酸0.3gを仕込み、内温を100℃まで
上げ、37%ホルムアルデヒド水溶液0.8モル(65
g)を1時間かけて添加し、100℃で2時間還流反応
を行い、140℃まで常圧脱水反応を行った。次いで、
真空脱水を行い、系内の温度が160℃まで昇温したと
ころで重縮合反応を終了とした。次いで、表2に示すよ
うに120℃まで温度を下げ、ブチルセルソルブ156
gを添加し、重縮合物を完全に溶解させ、純水156g
を100℃以下で添加し、系内の温度が50℃まで下が
ったところで、N−メチルアミノエタノール1モル(7
5g)を添加し、37%ヒルムアルデヒド水溶液1モル
(81.1g)を1時間かけて逐添し、50℃で1時間
反応させ、更に90℃で3.5時間反応させた。得られ
た樹脂溶液は、粘度が0.12Pa・s、遊離ホルムア
ルデヒドが0%、遊離フェノールが0.2%、180℃
1時間の不揮発分が31.2%あり、pH2のリン酸水
溶液に溶解した。
【0063】<重縮合物F,Gの製造方法>表1及び2
に示した配合で重縮合物Aの製造方法に準じて反応を行
い、表2に示す一般特性を有する樹脂溶液を得た。
【0064】<重縮合物Hの製造方法>表1に示した配
合で反応を行った。攪拌装置、還流冷却機及び温度計を
備えた反応装置にブチルセロソルブ200g、ポリビニ
ルフェノール(重量平均分子量(Mw)=3,000)
1モル(フェノール繰り返し分子量をフェノールの森数
として120g)を仕込み、内温を110℃まで上げ1
時間撹拌し、ポリビニルフェノールを完全に溶解させ
た。系内の温度を下げ、100℃以下になったところ
で、ジエタノールアミン1モル(105g)を添加し、
50℃で1時間反応させ、更に90℃で3時間反応させ
た。得られた樹脂溶液は、粘度が0.12Pa・s、遊
離ホルムアルデヒドが0.7%、遊離フェノールが0
%、180℃1時間の不揮発分が30.3%あり、pH
2のリン酸水溶液に溶解した。
【0065】
【表1】
【表2】 (1)被処理物:Al−Mn系(JIS−A3004)
アルミニウム合金板をDI加工等して得られた成型缶。
【0066】(2)塗装下地用皮膜評価方法: a)耐沸水黒変性:本実施例及び比較例の処理剤によっ
て表面処理を行った被処理物を沸騰水道水中に30分間
浸漬した後の外見評価を次の基準で行った。
【0067】 ○ : 外観の変化なし △ : 僅かに黒変 × : 黒変 b)塗装下地用皮膜表面のすべり性:本実施例の方法で
表面処理を行った被処理物を「HEIDON−14」型
試験機で荷重50g、触針速度300mm/min.で
動摩擦係数を求めた。
【0068】 ○ : 0.7未満 △ : 0.7〜0.8 × : 0.8を超える場合 c)塗膜密着性:バーコータによってBASF社製塗料
(EB−70−001N 150mmg/m2 /EB−
69−002N 60mmg/m2 )を被処理物に塗装
する。そしてこの塗装された被処理物を、ウェッジベン
ディング加工し、折れ曲り部をニチバン製セロテープに
よりテープ剥離した時の塗膜剥離評価を次の基準で行っ
た。
【0069】 ○ : テープ剥離長さが15mm未満 △ : テープ剥離長さが15〜20mm × : テープ剥離長さが20mmを超える d)処理外観維持性(着色性):化成処理後、210
℃、3分乾燥後の外観を目視観察した。
【0070】 ○ : 着色なし × : 着色あり e)処理液安定性:液作成時の状態を目視観察した。
【0071】 ○ : 白濁なし △ : 白濁 × : 沈降、凝集物あり f)廃水処理性:廃水付加の有無を遊離フェノール及び
遊離ホルムアルデヒドの樹脂溶液中に含まれるトータル
%で評価した。
【0072】 ○ : トータル0.5%未満 △ : トータル0.5〜5% × : トータル5%を超える (3)処理条件;Al−Mn系(JIS−A3004)
成型缶を酸性脱脂剤(「サーフクリーナーNHC25
0」日本ペイント(株)製)30g/lの濃度で75
℃、60秒スプレー脱脂した後、水洗し、表3に示す配
合からなる金属表面処理剤でpH3.5、50℃、20
秒スプレー化成処理後、水洗し190℃、2分間乾燥を
行った評価結果を表4に示す。
【0073】
【表3】
【表4】 これらの結果から、本発明の表面処理アルミ缶によれ
ば、耐食性(耐沸水黒変性)、耐レトルト性、滑り性、
上塗塗膜密着性のいずれの性能も従来のものに比べ向上
していることが判明した。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る表面処理ア
ルミ缶によれば、フェノール誘導体にジアルキルベンゼ
ングリコール類を重縮合させた金属表面処理剤で処理す
る。このフェノール樹脂組成物は、親水性が抑えられて
いるため、缶表面に形成された皮膜の滑り性が良好とな
り、ジャミングの発生を防止できる。更に、皮膜を乾燥
させた場合、皮膜中のフェノール骨格が少ないため、例
えフェノールの共役発色が起きたとしても、皮膜が着色
するおそれがなく、後工程、例えば塗装工程にも支障を
きたすおそれがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 進 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 安原 清忠 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1に示すフェノール誘導体と下記
    化2に示すジアルキルベンゼングリコール類と下記化3
    に示すアミン類とホルムアルデヒドとの重縮合物又はそ
    の塩を含む金属表面処理剤で処理されたことを特徴とす
    る表面処理アルミ缶。 【化1】 【化2】 【化3】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003097899A2 (en) * 2002-05-17 2003-11-27 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Non-chromate conversion coating compositions, process for conversion coating metals, and articles so coated

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