JPH09251971A - 物質表面の有機物の除去方法 - Google Patents

物質表面の有機物の除去方法

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JPH09251971A
JPH09251971A JP5949396A JP5949396A JPH09251971A JP H09251971 A JPH09251971 A JP H09251971A JP 5949396 A JP5949396 A JP 5949396A JP 5949396 A JP5949396 A JP 5949396A JP H09251971 A JPH09251971 A JP H09251971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地球環境に多大な負荷を及ぼすことがなく、
また従来の湿式洗浄で問題となる廃液処理を必要としな
い、半導体チップ等の電子部品や半導体ウエハやその搬
送器具の洗浄に適した新たな洗浄技術を提供すること。 【解決手段】 物質の表面に存在する有機物に大気圧低
温プラズマを照射して、前記有機物を前記表面から除去
する方法。大気圧低温プラズマは、電磁波を照射したエ
ネルギー変換体に酸素含有ガス、例えば、希ガスと酸素
との混合ガスまたは希ガスと酸素とフッ素含有ガスとの
混合ガスを接触させて発生させるプラズマである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物質の表面に存在
する有機物を大気圧低温プラズマにより除去する方法に
関する。特に本発明は、接着や接合を阻害する、電子材
料等の表面に付着している有機物を除去する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】物質表面に付着した有機物を洗浄除去す
る技術としては、一般的にハロン、エタン、フロン等を
用いた溶剤蒸気脱脂技術が用いられてきた。さらに、電
子部品、半導体関連では、アルカリによるケン化作用に
より水溶性石ケンとして溶解除去するアルカリ洗浄技術
がある。その他に、エマルジョン洗浄技術や乳化性溶剤
洗浄や電解脱脂洗浄等の技術も知られている。
【0003】しかし、フロンによるオゾン層破壊を代表
とする、地球環境に多大な負荷を及ぼし環境に悪影響を
与える洗浄剤は廃止される方向にあり、溶剤蒸気脱脂に
おいては、代替洗浄剤の使用も困難になりつつある。ま
た、アルカリ洗浄では、洗浄廃液の処理に問題があり、
環境重視の観点からすれば、コストの高騰は避けられな
い。エマルジョン洗浄は鉱物油の脱脂には効果がある
が、動・植物油の脱脂には効果がなく、適応範囲が限ら
れる。乳化性溶剤洗浄は、低沸点系炭化水素や芳香族炭
化水素の溶剤を用いる。そのため、乾燥後、溶剤が大気
中に放出されることがあり、環境保護上好ましくない。
また、乳化剤を配合して水で洗い流す場合、排水処理の
問題があり、さらに乾燥しにくい水の使用は、乾燥時に
乾燥機からの再汚染の可能性もある。電解脱脂洗浄は、
非常に優れた脱脂性を有する。しかし、処理物を陰極と
して電解液中で電気分解処理を施すため、電子部品の脱
脂洗浄には利用できない。
【0004】ところで、半導体チップは、樹脂封止され
パケージ外側にアウターリードが設けられている。パッ
ケージ内部にはダイボンディングされたICチップの各
電極から細いワイヤーでインナーリード端部にボンディ
ング接続されている。樹脂封止するのは水分の影響によ
るインナーリード接合部を腐食から保護する為である。
この様な構造をとるパッケージでは、リード部と封止樹
脂との密着性が重要となる。リードフレームの加工工程
後は電解脱脂が行われることから、この時点での清浄性
は良いと考えられるが、半導体チップを搭載する工程以
降に有機物の付着の可能性が十分ある。例えば、リード
フレームへのチップの接着や、インナーリードへのワイ
ヤーボンド時等、特に人間が係わる場合、皮脂付着の問
題が懸念される。樹脂と直接接するアウターリード部の
油脂等による汚染が残る場合、樹脂との密着性が非常に
悪くなり、水分の浸透を許してしまい、アルミパターン
の腐食の原因となる。しかし、ワイヤーボンディング後
に湿式の脱脂工程を入れることは不可能である。そこ
で、ワイヤーボンディング後の半導体チップ等、湿式脱
脂に不向きな対象に適した新たな脱脂方法に対する要望
がある。
【0005】半導体製造においては、超LSI等の小型
化、高速化、高容量化、高集積化等からウエハ表面の微
細化が進んでいる。そのため、半導体ウエハ表面及び半
導体ウエハ搬送器具類(キャリアやカセット等)の超精
密洗浄が必須となっている。超精密洗浄においては、前
工程の汚染要因を後工程に持ち込まないことが原則であ
る。そこで、ウエハの搬送に際して使用するカセット
を、超精密洗浄装置内で洗浄専用カセットに移し替える
方法がある。しかし、移し替えの機構が必要となり装置
が大きくなる。それに対して、汚染の要因となるカセッ
トを用いないカセットレス搬送も知られている。しか
し、カセットレス搬送では高い搬送位置精度が要求さ
れ、ウエハのチッピングや傷、割れ等が発生しやすい等
の問題がある。
【0006】半導体ウエハや搬送器具類の超精密洗浄と
しては、湿式洗浄法が用いられている。しかし、製造工
程での器具の汚染は製品の歩留りに大きく影響する深刻
な問題でもある。酸、アルカリや有機溶剤等の洗浄剤で
の対応では回避しきれない。更に、湿式洗浄法では、乾
燥工程が必須であるが、乾燥工程で再汚染される可能性
が高い。例えば、スピンドライヤによる乾燥では、回転
軸部からのミストの発生、ウエハとカセットの溝との摺
動による発塵やウエハのチッピングや割れ、遠心分離さ
れた水滴がミストとなって飛散しウエハに再付着する等
の問題がある。さらに、ウエハサイズの大型化に伴い、
洗浄装置の大型化及び洗浄液消費量の増大等、コスト面
でも超精密洗浄は大きな問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、本
発明は、地球環境に多大な負荷を及ぼすことがなく、ま
た従来の湿式洗浄で問題となる廃液処理を必要としな
い、半導体チップ等の電子部品や半導体ウエハやその搬
送器具の洗浄に適した新たな洗浄技術を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、物質の表面に
存在する有機物に大気圧低温プラズマを照射して、前記
有機物を前記表面から除去する方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法では、「大気圧低温
プラズマ」を使用して、油脂分等の有機物を主に水と二
酸化炭素に分解して物質表面の清浄化を行う。清浄化さ
れた表面は密着性、接着性、接合性等が向上する。また
は、大気圧下での処理であることから、減圧下でのプラ
ズマ処理のような真空排気系からの有機物に起因する炭
化水素系膜の重合による汚染の心配がない。さらに、洗
浄液の乾燥工程を必要としないことから、乾燥工程中の
再汚染の心配もない。また油脂分を溶剤で溶解したり、
ケン化後の水洗浄等を行わない為、VOC規制に観られ
る環境保護の動きに沿った優れた技術である。
【0010】本発明の方法においては、「大気圧低温プ
ラズマ」を用いる。ここで大気圧低温プラズマとは、例
えば、電磁波を照射したエネルギー変換体に、実質的に
大気圧下、酸素を含有するガス、例えば、希ガスと酸素
との混合ガス、希ガスと酸素とフッ素含有ガスとの混合
ガス等を接触させて発生させるプラズマである。大気圧
低温プラズマに含まれる酸素ラジカルの作用により、有
機物を効果的に除去することができる。
【0011】上記エネルギー変換体とは、電磁波のエネ
ルギーを吸収した後、エネルギーを放出し、希ガスと酸
素との混合ガスや希ガスと酸素とフッ素含有ガスとの混
合ガス等の酸素を含有するガスを励起するものである。
そのためエネルギー変換体には、結晶格子に欠陥があ
り、エネルギーを吸収し放出しやすいものが好適に使用
できる。エネルギー変換体としては、酸化物、炭化物、
窒化物、ホウ化物、ケイ化物などのセラミックスや炭素
材料を例示することができる。
【0012】エネルギー変換体のより具体的な例として
は、一般式が、MO・Fe2 3 (M=Ba2+、M
2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+)で表
されるフェライト類、SiO2 、Al2 3 、Na
2 O、K2 O、Fe2 3 、FeO、CaO、MgO、
ZrO2 、BeO等の少なくとも1種を含む酸化物、Y
BC(イットリウム、バリウム、カッパー)酸化物のよ
うな超伝導物質等を挙げることができる。
【0013】さらに、AサイトとBサイトとの組み合わ
せが1価と5価、2価と4価、3価と3価或いはとちら
かが6価であり、一般式がABO3 (A=Na+
+ 、Li+ 、Rb+ 、Ag2+、Ba2+、Sr2+、Cd
2+、Pb2+、Ca2+、La3+、Y3+、Sm3+、Lu3+
Gd3+、Pr3+、Nd3+、Bi3+、Ce4+、Th4+、B
=Mo6+、W6+、Re6+、Ta5+、Nb5+、Ti4+、Z
4+、Sn4+、Ce4+、Cr4+、Mn4+、Hf4+
4+、Mo4+、Fe4+、Ru4+、Ir4+、Pt4+、Sc
3+、Ti3+、Ru3+、Rh3+、Mn3+、Cr3+、N
3+、Co3+、Y3+、V3+、Fe3+、Mg2+、Cu2+
で表されるペロブスカイト型複合酸化物もエネルギー変
換体として使用できる。
【0014】中でもペロブスカイト型複合酸化物は、エ
ネルギーを放出し、プラズマを発生しやすいため、特に
好適に使用できる。ペロブスカイト型複合酸化物として
は、Aサイトがランタンである、LaCoO3 、LaT
iO3 、LaMnO3 、LaFeO3 、LaNiO3
LaCrO3 等や、Aサイトがストロンチウムである、
SrMoO3 、SrTiO3 、さらにAサイトがイット
リウムである、YNiO3 等が好ましい。また、Aサイ
ト、Bサイトを構成する金属イオンの一部を異なる原子
価の金属イオンで置換したペロブスカイト型複合酸化物
は、結晶格子に欠陥を持ち、エネルギーを放出してプラ
ズマを発生しやすいため、エネルギー変換体としてより
好適に使用できる。
【0015】また、炭素材料は層構造をもつため層間で
振動したり、層構造の欠陥により層間でひずみが生じ、
エネルギーを放出しやすいと考えられ、エネルギー変換
体として使用できる。炭素材料としてはガスカーボン、
スス、木炭、獣炭、コークスなどの無定形炭素や、炭素
原子を含む物質や無定形炭素を黒鉛化して得られるグラ
ファイトなどを例示することができる。また、炭素材料
表面を鉄、ニッケル、クロム、タングステン、ステンレ
ス合金、窒化チタンなどの高融点をもつ化合物により表
面を被覆しておけば、炭素材料の損失がないため、より
好ましい使用態様である。なお、上記エネルギー変換体
は、1種類のみではなく、2種類以上を混合して使用す
ることもできる。
【0016】上記エネルギー変換体は、ハニカム状に成
型したものや、多孔性の織物、編物、不織布、フェルト
などの支持体に担持させることができる。特に支持体を
用いると、酸素含有ガスが支持体を通過する際に、エネ
ルギー変換体からエネルギーを受け取って、酸素含有ガ
スの励起が起こりやすいので好ましい。また、このよう
な支持体を使用すると、エネルギー変換体の反対側でプ
ラズマが発生するため、エネルギー変換体への電磁波の
照射を妨害することなく、被処理物を連続的に処理する
ことが可能となる。
【0017】炭素材料も多孔性の織物、編物、不織布、
フェルトなどを保持体として保持させたり、ハニカム
状、炭素材料を使用して多孔性の織物、編物、不織布、
フェルトに加工することができる。このように空隙を有
する炭素材料を用いると、酸素含有ガスが炭素材料の空
隙を通過する際に、炭素材料からエネルギーを受け取っ
て、酸素含有ガスの励起が起こりやすいので好ましい。
また、空隙を有する炭素材料を使用すると、酸素含有ガ
スの流路において炭素材料の反対側でプラズマが発生す
るため、炭素材料への電磁波の照射を妨害することな
く、被処理物を連続的に処理することが可能となる。
【0018】プラズマ発生に用いる電磁波は、エネルギ
ー変換体にエネルギーを与え、エネルギー変換体からエ
ネルギーを放出させるものであればよい。そのような電
磁波としては、周波数が数キロヘルツ(KHz)〜数百
ギガヘルツ(GHz)の電磁波が使用できる。中でも周
波数が1〜数十ギガヘルツ(GHz)のマイクロ波はエ
ネルギー変換体がエネルギーを放出するのに十分なエネ
ルギーを持つために、特に好適に使用できる。
【0019】希ガスと酸素の混合ガスや希ガスと酸素と
フッ素含有ガスとの混合ガスのような酸素含有ガスは、
エネルギー変換体から放出されるエネルギーにより励起
され、プラズマを発生する。希ガスとしては、アルゴ
ン、ヘリウム、ネオンなどを例示できる。中でも、アル
ゴンはプラズマになりやすく、コスト的に優れているの
で好ましい。また、ヘリウムはプラズマ状態が連続的に
なりやすいという観点から好ましい。特に、アルゴン
は、ヘリウムよりも比重が空気により近く、大気圧下で
の取扱が容易であるため、より好適に使用することがで
きる。また、フッ素含有ガスとしては、例えば、フッ素
(F2)、四フッ化炭素(CF4)、六フッ化エタン(C2F6)
、トリフロロメタン(CHF3) 、テトラフロロエタン(C
2H2F4) 、及び六フッ化硫黄(SF6)等を例示することが
できる。また、これらのガスを組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0020】混合ガス中の酸素の量は、酸素ラジカルの
発生効率や有機物の除去性能を考慮して適宜決定でき
る。例えば、アルゴンと酸素の混合ガスの場合、酸素濃
度は例えば、1〜20%の範囲とすることができる。フ
ッ素含有ガスは、酸素ラジカルの寿命を延ばす作用があ
る。そこでフッ素含有ガスの含有量は、プラズマ発生装
置と被処理物との距離、プラズマの安定性、プロセスガ
スの流量や基板温度(通常室温)、処理時間等を考慮し
て適宜決定できる。例えば、アルゴンと酸素の四フッ化
炭素の混合ガスの場合、フッ素含有ガスの量は0.1〜
10%の範囲、好ましくは1〜5%の範囲とすることが
適当である。
【0021】酸素含有ガスとエネルギー変換体との接触
は、酸素含有ガスの少なくとも一部がプラズマ状態にな
る程度に行うことが適当である。そのため、ガスの流
量、電磁波の照射量、エネルギー変換体の量、形状等
は、酸素含有ガスの少なくとも一部がプラズマ状態にな
るように適宜決めることができる。又、ガス圧は、通常
は大気圧付近であることが、操作が容易であることから
好ましい。但し、必要により、減圧下、又は加圧下で操
作することも可能である。
【0022】本発明の方法では、前記「大気圧低温プラ
ズマ」を、清浄化する物質(被処理物)の表面に照射、
接触させる。接触方法に特に制限はない。但し、固定し
た被処理物にプラズマ状態のガス流を接触させるか、又
はプラズマ状態のガスを充填した容器(処理室)に被処
理物を連続的に導入することもできる。尚、処理室への
ガスの導入は、被処理物の面に対してできる限り直交
に、また面内に一様にするように工夫されることが好ま
しい。これは、プラズマ状態のガス(ラジカル)の処理
面への均一供給と、反応生成物の迅速な基板表面からの
除去のためである。
【0023】また、被処理物とプラズマ状態のガスとの
接触も通常、大気圧付近の圧力で行うことができる。但
し、プラズマ発生部からプラズマ状態のガス(ラジカ
ル)を処理部まで搬送する為に、若干の圧力が付加され
るか、もしくは処理室側を若干負圧にすることもでき
る。圧力付与の場合、ガスボンベの充填圧力を利用する
ことができる。一方、負圧にする場合、処理室の排気用
にロータリーポンプか送風機の利用ができる。また、プ
ラズマ発生部から、ラジカルはキャリアガスによって、
輸送管を通って処理室に運ばれることもできる。また処
理時間は、除去する有機物の性質や膜厚等に依存して、
適宜決定できる。
【0024】プラズマ状態のガスとの接触の際に、被処
理物は、特に加熱をする必要はない。但し、有機物の除
去速度は高温になる程早くなる傾向があるので、被処理
物の耐熱性や耐圧性を考慮して、予備加熱することで、
処理時間の短時間化を図ることはできる。尚、予備加熱
温度は、一般の電子部品では、部品の耐熱性を考慮する
と、通常、室温から数百℃程度の範囲が適当である。
【0025】本発明の方法により清浄化する被処理物に
は特に制限はない。例えば、半導体チップ等の電子部品
や電子部品のパッケージ材料、さらには半導体ウエハや
その搬送器具等を挙げることができる。ワイヤーボンデ
ィング後の半導体チップの清浄化は、輸送管を通してプ
ラズマ発生部から処理部までラジカルを輸送し、ボンデ
ィング部に照射することで容易に行うことができる。ま
た、半導体ウエハやその搬送器具の清浄化も同様に行う
ことができる。本発明の方法は、大気圧下で実施できる
ことから、大型の真空装置等を必要としないという利点
がある。本発明の方法は、半導体パッケージ以外の、例
えば、リードフレームに部品を搭載し、樹脂モールドさ
れるトランジスタ、センサ類、通信用トランス等の電子
部品全般に適用して、清浄化することができる。即ち、
本発明の方法によれば、半導体製造に於ける半導体チッ
プ上への微細パターン形成の障害となる有機物汚染や電
子部品のパッケージ材料である金属ステムキャンやリー
ドフレームの油汚れ等を除去し、表面を清浄化すること
で、密着性、接着性または接合性を改善することができ
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。 実施例1 以下に有機物汚染の一例として、皮脂の主成分の一つで
あるパルミチン酸の洗浄脱脂試験について説明する。パ
ルミチン酸(CH3(CH2)14COOH(沸点390℃)を10m
g被覆した直径10mmのガラス板に、図1に示す装置を
用いて、大気圧下で本発明の方法によりプラズマを照射
した。電磁波としてマイクロ波を用い、エネルギー変換
体としてペロブスカイト型複合酸化物(LaCoO3
1gを用いた。図中、1はマイクロ波発生装置、2は導
波路、3は石英管、4はサンプル台、5は被処理物(ガ
ラス板)、6はペロブスカイト型複合酸化物をそれぞれ
示す。
【0027】パルミチン酸の除去の程度は水の液滴の広
がりを肉眼で観察すること及びフーリエ変換赤外分光装
置(FT−IR)を用いた表面残留カルボキシル基の分
析により行った。ガラスは表面に水酸基を有することか
ら、清浄な表面は非常に高い親水性を示す。このため、
表面をパルミチン酸が被覆しているときは水の接触角が
大きく、液滴は広がらない。それに対して、清浄化され
た表面は、水の接触角が小さく、液滴は広がる。ガラス
板上に均一な液滴が広がった時点で表面の清浄化が完了
したと判断した。また、フーリエ変換赤外分光装置(F
T−IR)を用いた表面残留カルボキシル基の分析に
は、高感度全反射型セルを用い、表面残留カルボキシル
基の吸収が消失した時点で表面の清浄化が完了したと判
断した。
【0028】実験条件は、マイクロ波の出力を200W
〜400Wの間で変化させ、かつガスとしては酸素とア
ルゴンの混合ガス(流量:600ml/min)を用
い、酸素の混合比を5〜20%の範囲で変化させた場合
の清浄化完了に必要な時間を測定した。結果を図2に示
す。尚、エネルギー変換体とガラス板との間の距離は4
cmとした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で用いた大気圧低温プラズマ
発生及び処理装置の説明図。
【図2】 実施例1の清浄化実験結果。
【符号の説明】
1・・・マイクロ波発生装置 2・・・導波路 3・・・石英管 4・・・サンプル台 5・・・被処理物(ガラス板) 6・・・ペロブスカイト型複合酸化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 繁田 進 東京都練馬区東大泉町1丁目19番43号 株 式会社タムラ製作所中央研究所内 (72)発明者 増田 二紀 東京都練馬区東大泉町1丁目19番43号 株 式会社タムラ製作所中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質の表面に存在する有機物に大気圧低
    温プラズマを照射して、前記有機物を前記表面から除去
    する方法。
  2. 【請求項2】 大気圧低温プラズマが、電磁波を照射し
    たエネルギー変換体に酸素含有ガスを接触させて発生さ
    せるプラズマである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸素含有ガスが希ガスと酸素との混合ガ
    スまたは希ガスと酸素とフッ素含有ガスとの混合ガスで
    ある請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 エネルギー変換体がペロブスカイト型複
    合酸化物及び炭素材料からなる群から選ばれる少なくと
    も1種の物質であり、電磁波がマイクロ波である請求項
    2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 フッ素含有ガスが、フッ素(F2)、四フ
    ッ化炭素(CF4)、六フッ化エタン(C2F6) 、トリフロロ
    メタン(CHF3) 、テトラフロロエタン(C2H2F4)、及び
    六フッ化硫黄(SF6)からなる群から選ばれる1種以上の
    ガスである請求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
    法により、電子部品の表面を清浄化する方法。
  7. 【請求項7】 電子部品が半導体チップである請求項6
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
    法により、半導体ウエハの表面または半導体ウエハ搬送
    器具の表面を清浄化する方法。
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