JPH09241408A - ウェブの改質処理方法 - Google Patents

ウェブの改質処理方法

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JPH09241408A
JPH09241408A JP7317696A JP7317696A JPH09241408A JP H09241408 A JPH09241408 A JP H09241408A JP 7317696 A JP7317696 A JP 7317696A JP 7317696 A JP7317696 A JP 7317696A JP H09241408 A JPH09241408 A JP H09241408A
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JP
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web
roll
fluorine
gas
treatment
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JP7317696A
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Tetsuya Aya
哲也 綾
Mitsuaki Nishino
充晃 西野
Toshikazu Kasai
俊和 笠井
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一にウェブの改質処理を行うことが出来、
かつ、極めて高い安全性を確保することが出来るウェブ
の改質処理方法を提供する。 【解決手段】 処理空間(2,3)内を脱気し、減圧下
にて第1のロール(21)に巻かれた未処理のウェブ
(W)を第2のロール(22)に巻取る前工程と、処理
空間(3)内にフッ素含有ガスを導入して第2のロール
(22)に巻取られた未処理のウェブ(W)を第1のロ
ール(21)に巻戻しつつウェブ(W)の表面を改質処
理する処理工程と、処理空間(2,3)内のフッ素含有
ガスを吸引回収し、減圧下にて第1のロール(21)に
巻戻された処理済みのウェブ(W)を第2のロール(2
2)に巻取る後工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェブの改質処理
方法に関するものであり、詳しくは、ウェブ表面の改質
処理を均一に行うことが出来、かつ、極めて高い安全性
を確保することが出来るウェブの改質処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製のウェブ(フィルムの他、多
孔質膜、織布、不織布、紙などの各種のシート等)は、
フッ素含有ガスと接触させることにより表面の親水化処
理、疎水化処理が可能であり、種々の用途を見い出すこ
とが出来る。
【0003】この種のウェブの表面改質処理に関して
は、例えば、特開平4−59838号公報にその装置お
よび方法が開示されている。上記の表面改質装置は、未
処理のロール状のシート(ウェブ)を繰り出す保持室
(10)と、繰り出されたウェブが順次通過する第1ガ
ス処理室(30)および第2ガス処理室(40)と、こ
れらのガス処理室を通過した処理済みのウェブを巻き取
る巻き取り室(20)とを備えている。
【0004】前述の表面改質装置を使用した表面改質方
法においては、ウェブが第1ガス処理室(30)を通過
する際にSO2 を含むガスを接触させ、続いてウェブが
第2ガス室(40)を通過する際にF2 を含むガスを接
触させる様にしている。また、ウェブの材質やウェブ表
面の改質条件に基づき、フッ素含有ガスの組成の他、ガ
スの流量、ウェブの送り速度、すなわち、フッ素との接
触時間などを調整し、ウェブ表面の有機被膜に対するフ
ッ素の反応量をコントロールしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の表面
改質方法においては、ロール状に巻かれた保持室(1
0)内の未処理のウェブを単に一方向に巻取りつつその
移動過程でフッ素含有ガスを接触させる様にしている。
このため、未処理のウェブに巻き込まれていた空気や水
蒸気が第1ガス処理室(30)や第2ガス処理室(4
0)に混入する虞れがあり、均一なウェブの改質処理を
期待することが出来ない。しかも、巻き込まれていた水
蒸気とフッ素ガスとが反応して腐食性の極めて高いフッ
酸が生成される虞れもあり、装置の耐久性を低下する虞
れもある。
【0006】また、巻き取り室(40)に巻き取られた
処理済みのウェブにはフッ素含有ガスが巻き込まれてい
ることが懸念され、その場合には、毒性の極めて高いフ
ッ素ガスがウェブと共に外部に持ち出される虞れがあ
り、安全性の点で問題がある。
【0007】本発明は、上記の実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、均一にウェブの改質処理を行うこ
とが出来、かつ、極めて高い安全性を確保することが出
来るウェブの改質処理方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るウェブの改
質処理方法は、密閉された処理空間内にて第1、第2の
ロール間に掛け渡されたウェブの表面をフッ素含有ガス
との接触により改質処理する方法であって、処理空間内
を脱気し、減圧下にて第1のロールに巻かれた未処理の
ウェブを第2のロールに巻取る前工程と、処理空間内に
フッ素含有ガスを導入して第2のロールに巻取られた未
処理のウェブを第1のロールに巻戻しつつウェブの表面
を改質処理する処理工程と、処理空間内のフッ素含有ガ
スを吸引回収し、減圧下にて第1のロールに巻戻された
処理済みのウェブを第2のロールに巻取る後工程とを備
えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係るウェブの改質
処理方法に使用する処理装置の内部構造を示す一部破断
の正面図、図2は処理装置の概要を示す系統図である。
【0010】本発明に係るウェブの改質処理方法は、図
1および図2に示す処理装置を使用して実施される。ま
ず、斯かる処理装置について説明する。この処理装置
は、フッ素含有ガスによってウェブの表面を改質処理す
る装置、すなわち、ウェブの表面を疎水化処理したり、
親水化処理する装置である。ウェブとしては、塩化ビニ
ル、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン等の合成樹脂製のフィルムやシートが挙げられる。
シートには、溶融押し出しされた単層または積層構造の
シートの他、織布や不織布が含まれる。また、表面に有
機被膜を形成した金属シートであってもよい。
【0011】フッ素含有ガスとしては、例えば、フッ素
ガス:0.1〜70vol%、不活性ガス:0〜99v
ol%、好ましくは、それぞれ0.1〜30vol%、
10〜99vol%の組成のガス、または、上記の成分
に加え、酸素ガス:0.1〜99vol%、好ましくは
30〜70vol%を含む組成のガスが使用される。ま
た、目的によっては、フッ化オレフィンガス:0.1〜
99vol%、好ましくは10〜90vol%を含む組
成のガス等が使用される。上記フッ素含有ガスは、予め
混合ガスとして処理装置内に供給されるガスの他、上記
の各組成に相当する単一ガスとして処理装置内に供給さ
れ且つ混合されるガスを含む。
【0012】処理装置は、図2に示す様に、処理槽
(1)を主体に構成され、処理槽(1)の内部には、処
理空間としてのウェブ収容室(2)及びウェブ処理室
(3)が区画形成されている。
【0013】図1に示す様に、処理槽(1)は、円筒状
に形成され且つ気密可能になされた圧力容器であり、通
常は、その軸線を水平にした状態で設置される。処理槽
(1)の一端は側壁としての平板を含む鏡板によって封
止され、他端は扉としての平板を含む鏡板によって封止
される。
【0014】ウェブ収容室(2)は、処理槽(1)内の
略半円筒状の空間(例えば、下半分)に設けられる。ウ
ェブ収容室(2)には、未処理のウェブ(W)や処理済
みのウェブ(W)を巻取り、巻戻すための一対のロー
ル、すなわち、第1ロール(21)と第2ロール(2
2)とが備えられている。各ロール(21)、(22)
は、各々、槽外に設置された独立の駆動系により互いに
独立して回転可能であり、かつ、回転速度が可変に構成
される。そして、一方のロール(22)(又は(2
1))が回転してウェブ(W)を巻取り、または、巻戻
す際には、他方のロール(21)(又は(22))が適
度な抵抗を有して空回転し、ウェブ(W)を常に一定の
速度で巻取り、巻戻す様になされている。
【0015】ウェブ処理室(3)は、処理槽(1)内の
略半円筒状の他の空間(例えば、上半分)に設けられ
る。ウェブ処理室(3)内には、第1ロール(21)と
第2ロール(22)との間に巻き回されたウェブ(W)
の中間部分が駆け巡るパスラインが設けられており、斯
かるパスラインを通過する間にフッ素含有ガスによるウ
ェブ(W)の改質処理が行われる。改質処理に必要なガ
スは、ウェブ処理室(3)に挿入されたノズルとしての
導管(61b)、(62b)又は/及び(63b)から
供給される。なお、上記パスライン及びガスの供給系に
ついては後述する。
【0016】ウェブ処理室(3)は仕切板(23)によ
ってウェブ収容室(2)と区画されており、フッ素含有
ガスの効率的な利用を可能にしている。仕切板(23)
は、処理槽(1)の軸線に略沿って水平に配置され、通
常、処理槽(1)の扉が取り付けられた他端部側には、
仕切板(23)によって上下に仕切られるウェブ処理室
(3)の開放側面を閉じるための開閉板(図示せず)が
付設される。
【0017】更に、ウェブ処理室(3)においては、前
述したウェブ(W)のパスラインが可変に構成されてお
り、ウェブ(W)の効率的な処理を可能にしている。図
1に例示した装置では、ウェブ処理室(3)において異
なるパターンの2つのパスラインを設定し得る様になさ
れている。すなわち、図中のローラー(31)、(3
2)、(33)及び(34)が第1のパスラインを構成
し、ローラー(31)、(32)、(35)、(3
6)、(37)、(33)及び(34)が第2のパスラ
インを構成する。
【0018】各ローラー(31)、(32)…は、処理
槽(1)の側壁内面に取り付けられたフリーローラーで
ある。各ローラー(31)、(32)…の配置は、フッ
素含有ガスに対するウェブ(W)の接触長さを長くする
ことによって当該ウェブ(W)の移送速度を高めるた
め、出来る限り長いパスラインを構成し得る配置とされ
る。そして、各ローラー(31)、(32)…の中、各
パスラインに共用しないローラー(35)、(36)、
(37)は、後述する第2の処理室(38)としての箱
体の着脱を考慮し、チャック手段を備えた軸受けなどの
使用により着脱可能になされている。
【0019】また、図1中のローラー(31)、(3
4)は、その一部が仕切板(23)に設けられたスリッ
トに埋没する状態で配置され、ウェブ(W)がウェブ収
容室(2)からウェブ処理室(3)へ上記スリットを通
じて移動させられる際、ウェブ(W)の振れ(ばたつ
き)を規制し、仕切板(23)へのウェブ(W)の接触
を防止する機能をも有する。上記スリットを形成する仕
切板(23)の開口縁とローラー(31)、(34)の
周面との間隙は、ウェブ(W)が前記開口縁に接触しな
い範囲で出来る限り狭く設定される。
【0020】第2の処理室(38)は、例えば、処理槽
(1)の軸長と略同一の長さの偏平な箱体から成り、そ
の長さ方向を処理槽(1)の軸線と平行に且つその厚さ
方向を上下方向として配置される。そして、上記の長さ
方向(図面に対して垂直方向)及び厚さ方向(図の上下
方向)に対して直交する方向の第2の処理室(38)の
両側壁には、第1のパスラインを構成するローラー(3
1)とローラー(32)との間に略水平に掛け渡される
ウェブ(W)が接触することなく通過し得る程度の微小
な間隙のスリットが設けられる。
【0021】この様な第2の処理室(38)は、処理槽
(1)の側壁内面に設けられた係止手段により、必要に
応じて着脱し得る様になされている。そして、この第2
の処理室(38)内には、ウェブ(W)の表面を改質処
理するフッ素含有ガスの各組成ガスがノズルとしての導
管(61c)、(62c)又は/及び(63c)を介し
て直接導入される様になっている。
【0022】図2に示す様に、処理槽(1)には、例え
ば、処理ガスとしての酸素ガスと、窒素ガスと、窒素に
て希釈されたフッ素ガスの各供給系、および処理槽
(1)内に滞留する余剰ガスの排出系とが設けられる。
上記の各処理ガスは、各々、容器(41)、(42)及
び(43)からマスフローコントローラ(51)、(5
2)及び(53)を介し、管路(61)、(62)及び
(63)を通じて導管(61b)、(62b)及び(6
3b)、または、導管(61c)、(62c)及び(6
3c)に供給される。
【0023】導管(61b)、(62b)、(63b)
と、導管(61c)、(62c)、(63c)との流路
の切替え、すなわち、第2の処理室(38)を使用しな
い場合と使用する場合の切替えは、各管路に付設された
切替弁(61a)、(62a)及び(63a)によって
操作可能になされている。
【0024】また、処理槽(1)の内部を減圧したり、
ウェブ処理室(3)や第2の処理室(38)に滞留する
各種の余剰ガスを排出するために、ウェブ収容室(2)
の下部には排気用の導管(70)が接続されている。ウ
ェブ処理室(3)の排気は、仕切板(23)の各スリッ
トを介し、ウェブ収容室(2)を通じて行うことが出来
る。勿論、排気用の導管が直接ウェブ処理室(3)に接
続されている場合には、斯かる導管から直接排気しても
よい。
【0025】導管(70)は、除害装置(81)及び
(82)を介してロータリー式の真空ポンプ(90)に
接続されている。フッ素系ガスを安全に処理するため、
例えば、除害装置(81)及び(82)としては、フッ
素ガスを除去するためにアルミナが充填された吸着反応
槽、フッ素ガスから生成されるフッ化水素(フッ酸)を
除去するためにフッ化ナトリウムが充填された吸着反応
槽などが使用され、これらは順次に配置される。
【0026】なお、処理装置において、処理槽(1)の
内壁をはじめ、フッ素含有ガスに接触する各部材の表面
は、フッ酸に対する耐腐食機能を高めるため、フッ素樹
脂によるライニング又はコーティング処理が施されるこ
とが好ましい。また、処理槽(1)の側壁を貫通する第
1ロール(21)および第2ロール(22)の各端部
は、処理槽(1)の外側に配置された軸受け(図示せ
ず)によって支持され、斯かる軸受けは、フッ素含有ガ
スの漏洩を防止するため、通常、ケーシングに収納され
且つ処理槽(1)よりも高い圧力に加圧された窒素ガス
によってシールされる。
【0027】次に、本発明に係るウェブの改質処理方法
について説明する。先ず、前工程として、処理空間内を
脱気し、減圧下にて第1のロールに巻かれた未処理のウ
ェブを第2のロールに巻取る。次いで、処理工程とし
て、処理空間内にフッ素含有ガスを導入して第2のロー
ルに巻取られた未処理のウェブを第1のロールに巻戻し
つつウェブの表面を改質処理する。その後、後工程とし
て、処理空間内のフッ素含有ガスを吸引回収し、減圧下
にて第1のロールに巻戻された処理済みのウェブを第2
のロールに巻取る。
【0028】前記の前工程の準備として、予めロール状
に巻かれた未処理のウェブ(W)を、例えば、第1ロー
ル(21)に装着する。そして、ウェブ(W)の巻取り
端部を、例えば、第1のパスラインを構成する各ローラ
ー(31)、(32)、(33)及び(34)に巻回し
て第2ロール(22)に連結し、ウェブ(W)の中間部
を第2の処理室(38)内に臨ませる。
【0029】この様な準備の後、前工程として、処理槽
(1)の扉を閉じて処理空間であるウェブ収容室(2)
及びウェブ処理室(3)を密閉し、真空ポンプ(90)
の作動により導管(70)を介してウェブ収容室(2)
およびウェブ処理室(3)内の空気を吸引排出する。そ
して、ウェブ収容室(2)およびウェブ処理室(3)内
が、例えば、10Torr程度(好ましくは1Torr
程度)の減圧状態となったら、第2ロール(22)を回
転駆動することにより第1ロール(21)に巻かれた未
処理のウェブ(W)を一定速度で第2ロール(22)に
巻き取る。この前工程により、未処理のウェブ(W)に
巻き込まれていた僅かな空気や水蒸気も確実に排除され
る。
【0030】続いて、処理工程として、容器(41)内
の酸素ガス、容器(42)内の窒素ガス、及び容器(4
3)内の窒素にて希釈されたフッ素ガスを各々マスフロ
ーコントローラ(51)、(52)、(53)により流
量規定しつつ管路(61)、(62)、(63)から導
管(61c)、(62c)、(63c)を介してウェブ
処理室(3)内の第2の処理室(38)内に導入する。
この場合、各処理ガスは、酸素ガス、窒素ガス、窒素に
て希釈されたフッ素ガスの順に導入する。そして、各処
理ガスが混合した略大気圧のフッ素含有ガスが第2の処
理室(38)内に充満したら、第1ロール(21)を回
転駆動することにより第2ロール(22)に巻取られた
未処理のウェブ(W)を第1ロール(21)に一定速度
で巻戻しつつ、ウェブ(W)の表面にフッ素含有ガスを
接触させて疎水化または親水化などの所望の改質処理を
行う。
【0031】前記の処理工程においては、前工程により
未処理のウェブ(W)に巻き込まれていた僅かな空気や
水蒸気が確実に排除され、特に、水蒸気が確実に排除さ
れているため、フッ素ガスが水蒸気と反応することがな
い。このため、ウェブ(W)の表面にフッ素含有ガスが
邑なく接触し、ウェブ(W)の改質処理が均一に行なわ
れる。その際、水蒸気にフッ素が反応してフッ酸が生成
されることも無いので、処理装置の耐久性も向上する。
【0032】その後、後工程として、真空ポンプ(9
0)の作動により導管(70)を介してウェブ収容室
(2)及びウェブ処理室(3)内に滞留するフッ素含有
ガスの余剰分を吸引し、有害成分であるフッ素ガスやフ
ッ酸を除害装置(81)及び(82)に回収する。そし
て、ウェブ収容室(2)及びウェブ処理室(3)内が、
例えば、10Torr程度(好ましくは1Torr程
度)まで減圧されたら、第2ロール(22)を回転駆動
することにより第1ロール(21)に巻かれた処理済み
ウェブ(W)を一定速度で第2ロール(22)に巻き取
る。
【0033】前記の後工程により、処理済みのウェブ
(W)に巻き込まれていた未反応のフッ素含有ガスも確
実に吸引回収されるため、極めて高い安全性が確保され
る。同時に、処理済みのウェブ(W)の間に未反応のフ
ッ素含有ガスが残留して過反応することがないから、ウ
ェブ(W)の改質処理は、一層、目標値に維持される。
【0034】なお、後工程が終了したら、容器(42)
内の窒素ガスを管路(62)から導管(62b)または
導管(62c)を介してウェブ処理室(3)及びウェブ
収容室(2)内に充填し、ウェブ収容室(2)が略大気
圧となったら処理槽(1)の扉を開け、処理済みのウェ
ブ(W)を取り出して作業を完了する。
【0035】本発明によれば、前述の前工程を採用した
ことにより、処理工程ではウェブ(W)の改質処理が良
好に且つ均一に行われる。例えば、疎水性のあるウェブ
(W)に適度の親水性を付与する改質処理を施し、水滴
の接触角θおよび吸水高さhを多点測定したところ、接
触角θおよび吸水高さhのバラツキは、前工程のない場
合に較べて大幅に減少した。
【0036】
【実施例1】前工程の有る本発明の方法により親水性付
与の改質処理が施されたウェブ(W)につき、水滴の接
触角θを測定し、その平均値を未処理の場合および前工
程の無い場合と比較した。なお、ウェブ(W)の試料は
PE、PP、PETのフィルムであり、改質処理に使用
したフッ素含有ガスは、F2 :O2 :N2 =5:80:
15の組成比である。
【0037】比較結果は下表の通りであり、水滴の接触
角θの平均値は、前工程の無い場合に較べて前工程の有
る場合には大幅に小さくなり、親水性付与の改質処理が
良好に行われたことを示している。
【0038】
【表1】
【0039】
【実施例2】前工程の有る本発明の方法により親水性付
与の改質処理が施されたウェブ(W)につき、吸液高さ
hを測定し、その平均値を前工程の無い場合と比較し
た。なお、ウェブ(W)は、PE繊維50重量%、PP
繊維50重量%からなる不織布であり、これを幅20m
m、長さ200mmに切断した短冊片を試料とした。ま
た、改質処理に使用したフッ素含有ガスは、F2
2 :N2 =1:80:13の組成比である。
【0040】ウェブ(W)の試料を50°Cの湯中に1
時間浸漬して洗浄した後、乾燥機にて60°Cで6時間
乾燥し、この試料の下端5mmを30%のKOH水溶液
に浸漬して10分経過後の吸液高さhを測定した。吸液
高さhの平均値は、前工程の無い場合が38mmである
のに対し、前工程の有る場合には52mmと増大し、親
水性付与の改質処理が良好に行われたことを示してい
る。
【0041】
【発明の効果】本発明に係るウェブの改質処理方法によ
れば、未処理のウェブに巻き込まれていた僅かな空気や
水蒸気も前工程により確実に排除されるため、処理工程
においてフッ素含有ガスをウェブの表面に邑なく接触さ
せることが出来、ウェブの改質処理を均一に行うことが
出来る。その際、フッ酸の生成も未然に防止することが
出来、使用する装置の耐久性も向上することが出来る。
【0042】処理工程において処理済みのウェブに巻込
まれる僅かな未反応のフッ素含有ガスも後工程により確
実に吸引回収されるため、極めて高い安全性を確保する
ことが出来る。同時に、処理済みのウェブの間にフッ素
含有ガスが残留して過反応することがないから、ウェブ
の改質処理を一層、目標値に維持することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるウェブの改質処理方法の
一実施形態に使用する処理装置の内部構造を示す一部破
断の正面図である。
【図2】図2は、一実施形態に使用する処理装置の概要
を示す系統図である。
【符号の説明】
1:処理槽 2:ウェブ収容室 21:第1ロール 22:第2ロール 23:仕切板 3:ウェブ処理室 31、32、33、34、35、36、37:ローラー 38:第2の処理室 41、42、43:容器 90:真空ポンプ W:ウェブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉された処理空間内にて第1、第2の
    ロール間に掛け渡されたウェブの表面をフッ素含有ガス
    との接触により改質処理する方法であって、処理空間内
    を脱気し、減圧下にて第1のロールに巻かれた未処理の
    ウェブを第2のロールに巻取る前工程と、処理空間内に
    フッ素含有ガスを導入して第2のロールに巻取られた未
    処理のウェブを第1のロールに巻戻しつつウェブの表面
    を改質処理する処理工程と、処理空間内のフッ素含有ガ
    スを吸引回収し、減圧下にて第1のロールに巻戻された
    処理済みのウェブを第2のロールに巻取る後工程とを備
    えることを特徴とするウェブの改質処理方法。
JP7317696A 1996-03-04 1996-03-04 ウェブの改質処理方法 Withdrawn JPH09241408A (ja)

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