JPH09197686A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH09197686A
JPH09197686A JP800796A JP800796A JPH09197686A JP H09197686 A JPH09197686 A JP H09197686A JP 800796 A JP800796 A JP 800796A JP 800796 A JP800796 A JP 800796A JP H09197686 A JPH09197686 A JP H09197686A
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JP
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group
formula
photosensitive layer
resin
methyl group
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JP800796A
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Hiroshi Nakamura
博史 中村
Kazuyuki Nakamura
和行 中村
Takaaki Kimura
高明 木村
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長期間繰り返し使用しても、高い耐久性,特
に耐摩耗性を有すると共に、電子写真特性が安定して維
持される優れた電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を設けた電子写
真用感光体であって、該感光層の結着樹脂として、下記
式(I)で表される繰り返し構造単位及び下記式(II)
で表される繰り返し構造単位を有するケイ素含有官能基
を持つアクリル系共重合樹脂を含有してなることを特徴
とする電子写真用感光体。 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 はアルキ
ル基を示す。) [式中、R3 は水素原子またはメチル基、R4 はCn
2n(nは1〜4の整数である。)およびR5 はメチル基
またはエチル基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期間にわたって優れ
た耐久性及び電子写真特性を有する電子写真用感光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真技術は、高速、かつ高印
字品質が得られるという利点を有するために、複写機に
加えてレーザープリンターおよびファクシミリ等の分野
において広く応用されている。これらの電子写真技術に
おける電子写真用感光体としては、従来は無機光導電材
料が用いられてきたが、現在では安価で製造性および廃
棄性の点で優れた利点を有する有機光導電性材料を用い
た電子写真用感光体の研究開発が活発に行われている。
特に、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸
送する電荷輸送層を積層する機能分離型の有機積層型感
光体は、感度、帯電性および繰り返し安定性等の電子写
真特性が優れていることから、多くの提案がなされ、ま
た実用化されている。
【0003】しかしながら、これらの有機感光体は、上
記した電子写真特性に関しては十分な性能を有するもの
が開発されているが、大部分が有機材料で構成されてい
るために機械的外力に対する耐久性が劣ること、すなわ
ち、トナー、現像剤、用紙、クリーニング部材、さらに
最近では帯電ロール等からの直接的負荷による感光体表
面の磨耗や傷等の発生およびトナーフィルミング等の異
物付着等によって、画像欠陥が生じる問題、またはコロ
ナ放電によって発生するオゾン、窒素酸化物等による表
面層の変質や、コピー用紙から発生する紙粉等が感光体
表面に付着蓄積することから引き起こされる高温高湿下
での画像流れ等の問題があり、感光体寿命を制限してい
る。また、複写機、プリンター等のデジタル化に伴い、
半導体レーザーを用いて露光するために、感光体の感光
波長域の感度を近赤外の半導体レーザー波長域において
最大となるように工夫すること、さらには、カラー化、
高速化、小型化に伴って1プロセスがさらに短時間で行
われる傾向にあるため、より速い光応答性と長期的な電
気的安定性が要求されてきている。このように、電子写
真用感光体は、プロセスの複雑化、高ストレス化の点か
らも、さらなる高耐久性が要求されている。これらの問
題を解消するために、電子写真用感光体における感光層
の結着樹脂について、従来から多数の材料について検討
されており、例えば、ポリカーボネート樹脂を用いるも
のが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来提案さ
れた樹脂を結着樹脂として用いると、比較的良好な耐久
性を有する電子写真用感光体が得られるが、未だ十分満
足できるものではない。すなわち、それらの樹脂を用い
て形成された電子写真用感光体は、機械的強度が十分で
ないために、複写機中で長期間繰り返し使用されると、
感光層の表面が磨耗して感光体の膜厚が変化することに
より、帯電電位が低下し、光感度が変化するために、コ
ピーにカブリが生じたり、コピー濃度が低下する。ま
た、感光体の表面が磨耗することによる画像欠陥も発生
する。そこで、結着樹脂として重合性のモノマーまたは
オリゴマーを用い、その重合プロセスの終了後に機械的
強度が十分な感光層を得るための試みがなされてきた。
しかしながら、モノマーやオリゴマーさらにはその重合
生成物と電荷輸送剤との相溶性、重合反応時の電荷輸送
剤の劣化等の問題が発生し、感光体特性が満足されなか
った。本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたも
のであつて、本発明の目的は、長期間繰り返し使用して
も、高い耐久性,特に耐摩耗性を有すると共に、電子写
真特性が安定して維持される優れた電子写真用感光体を
提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真用感光
体は、導電性支持体上に感光層を設けた電子写真用感光
体であって、該感光層の結着樹脂として、下記式(I)
で表される繰り返し構造単位および下記式(II)で表さ
れる繰り返し構造単位を有するケイ素含有官能基を持つ
アクリル系共重合樹脂を含有してなることを特徴とす
る。
【化4】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 はアルキ
ル基を示す。)
【化5】 [式中、R3 は水素原子またはメチル基、R4 はCn
2n(nは1〜4の整数である。)およびR5 はメチル基
またはエチル基を示す。] また、上記感光層の電荷輸送材料として、下記式(III)
で表されるトリアリールアミン系化合物の少なくとも1
種以上を含有することが好ましい。
【化6】 (式中、R6 は水素原子またはメチル基を示し、Ar 1
及びAr 2 は、それぞれ置換または無置換アリール基を
示す。また、kは1または2の整数である。)さらに、
感光層の電荷発生材料として、フタロシアニン系顔料を
1種以上含有することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の電子写真用感光体は、導電性支持体上に
形成される感光層として、少なくとも電荷発生材料、電
荷輸送材料および結着樹脂を含有するものであり、その
感光層の結着樹脂には、ケイ素含有官能基を持つアクリ
ル系共重合樹脂を使用する必要がある。感光層が電荷発
生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造のもので
ある場合には、少なくとも電荷輸送層の結着樹脂とし
て、ケイ素含有官能基を持つアクリル系共重合樹脂を使
用する。さらに、その電荷輸送材料としてはトリアリー
ルアミン系化合物を、また、その電荷発生材料としては
フタロシアニン系顔料を、それぞれ用いることが好まし
い。図1は、本発明の電子写真用感光体の一例を示す模
式的断面図である。図1は、導電性支持体1の上に、下
引き層2を介在させて、電荷発生層3およびその上に電
荷輸送層4からなる感光層が設けられているものであ
る。
【0007】導電性支持体としては、電子写真用感光体
において公知のものならば如何なるものでも使用でき
る。具体的に例示すると、アルミニウム、ニッケル、ク
ロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、
チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バ
ナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を
設けたプラスチックフィルム等、または導電性付与剤を
塗布または含浸させた紙およびプラスチックフィルム等
が使用できるものとして挙げられる。これらの導電性支
持体は、ドラム状、シート状等の適宜の形状のものとし
て使用されるが、これらに限定されるものではない。更
に、必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に影響を
及ぼさない範囲で各種の処理を行うことができる。例え
ば、表面の酸化処理、薬品処理および着色処理等また
は、砂目立て等の乱反射処理等を行うことができる。
【0008】その導電性基体の上には、下引き層が形成
されてもよい。下引き層に用いられる結着剤としては、
ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロー
ス樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン
−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン樹脂等の高分子化合物のほかに、ジルコニ
ウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン
等を含有する有機金属化合物等が主として用いられる。
これらの材料は単独または2種以上を混合して用いるこ
とができる。さらに、酸化チタン、酸化アルミニウム、
酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シ
リコーン樹脂等の微粒子と混合することができる。下引
き層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーテ
ィング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコー
ティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング
法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティン
グ法等の通常の方法が採用される。下引き層の膜厚は、
0.01〜10μm、特に0.05〜2μmの範囲が適
当である。
【0009】本発明の電子写真用感光体において、導電
性支持体上に形成される感光層は、単層構造のものであ
っても、または電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離さ
れた積層構造のものであってもよい。また、その感光層
が積層構造のものであるときには、電荷発生層と電荷輸
送層のいずれが上層であってもよい。以下、感光層が、
上記した積層構造のものであり、電荷輸送層が上層とし
て形成される場合について詳述する。
【0010】本発明の電子写真用感光体における電荷発
生層は、電荷発生材料を真空蒸着により形成するか、ま
たは有機溶剤中の結着樹脂に電荷発生材料を分散する塗
布液を塗布することにより形成することができる。本発
明において使用される電荷発生材料としては、非晶質セ
レン、結晶性セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、
その他のセレン化合物およびセレン合金、粒状セレン、
酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電性材料、フタロ
シアニン系、スクアリウム系、アントアントロン系、ペ
リレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリ
リウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料および染料が
用いられる。これらの中でも、フタロシアニン顔料、特
に無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ガ
リウムフタロシアニンを用いた感光体は、近赤外の半導
体レーザー波長領域において光感度が高く、長期に渡っ
て安定な電気特性を示す。また、可視光波長領域におい
ては、アントアントロン系顔料が長期にわたって安定な
電気特性を示し、また、粒状セレン、特に粒状三方晶系
セレンは長期にわたって安定な電気特性を示すととも
に、さらに高光感度特性を示す。
【0011】電荷発生層における結着樹脂としては、広
範な絶縁性樹脂から選択されるが、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレ
ン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーからも選択す
ることもできる。使用することが好ましい結着樹脂とし
ては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹
脂、(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニ
ルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ
ビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることがで
きるが、これらに限定されるものではない。これらの結
着樹脂は、単独または2種以上を混合して用いることが
できる。電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量比)
は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。
【0012】本発明において、有機溶剤中の結着樹脂に
電荷発生材料を分散させる方法としては、ボールミル分
散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常
の方法を用いることができるが、この際、分散によって
結晶型が変化しない条件を選択することが必要である。
ちなみに本発明において実施する上記の分散法では、い
ずれも分散前と結晶型が変化していないことが確認され
ている。さらに、この分散に用いる粒子径は、0.5μ
m以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは
0.15μm以下であることが望ましい。これらの分散
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロラ
イド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通
常の有機溶剤を単独または2種以上混合して用いること
ができる。電荷発生層を形成する際に用いる塗布方法と
しては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング
法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング
法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いるこ
とができる。また、本発明で用いる電荷発生層の膜厚
は、通常0.1〜5μmであり、0.2〜2.0μmの
範囲が好ましい。
【0013】本発明の電子写真用感光体における電荷輸
送層は、電荷輸送材料を適当な結着樹脂中に含有させる
か、または電荷輸送性ポリマーと電荷輸送材料を結着樹
脂と混合して形成される。電荷輸送材料としては、2,
5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1−
[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリア
リールアミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級ア
ミノ化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−
(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、
4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1′−ジフ
ェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、p−(2,
2′−ジフェニルビニル)−N,N′−ジフェニルアニ
リン等のα−スチルベン誘導体等を用いることができ
る。また、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘
導体、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポ
リビニルアクリジン、ポリ−9−ビフェニルアントラセ
ン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾー
ル−ホルムアルデヒド樹脂等の半導性高分子も用いるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの電荷輸送材料は単独でまたは2種以上を混
合して用いることもできる。
【0014】本発明においては、上記した電荷輸送材料
の中で、トリアリールアミン系化合物が好ましく使用さ
れる。これらのトリアリールアミン系化合物としては、
下記式(III) で表される化合物が特に好ましく使用され
る。
【化7】 (式中、R6 は水素原子またはメチル基を示し、Ar1
およびAr2 は、それぞれ置換または未置換のアリール
基を示す。また、kは1または2の整数である。) これらのトリアリールアミン系化合物の具体例を、それ
ぞれ表1〜表3に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】電荷輸送材料として使用するトリアリール
アミン系化合物は、上記表1〜表3に示した化合物に限
定されるものではないし、また、これらのトリアリール
アミン系化合物は単独で、またはこれらの2種以上を混
合して用いてもよい。
【0019】本発明において使用する機能分離型感光層
において、電荷輸送層における結着樹脂としては、下記
式(I)で表される繰り返し構造単位と下記式(II)で
表される繰り返し構造単位を有するケイ素含有官能基を
持つアクリル系共重合樹脂を含有する。
【化8】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
1〜6のアルキル基を示す。)
【化9】 [式中、R3 は水素原子またはメチル基、R4 はCn
2n(ただし、nは1〜4の整数である。)、R5 はメチ
ル基またはエチル基を示す。] その結着樹脂としては、式(I)で表される繰り返し構
造単位および式(II)で表される繰り返し構造単位の組
成比が、それぞれ5〜95%の範囲にあるケイ素含有官
能基を持つアクリル系共重合樹脂が使用される。上記ア
クリル系共重合樹脂は、加湿または加熱のいずれか一方
または両者によって硬化反応が進行する。この反応に従
来公知のシラノール縮合触媒を添加すると、硬化反応を
促進させることができる。その触媒としては、例えば、
有機チタネート系化合物、有機アルミニウム系化合物、
有機スズ化合物、カルボン酸金属塩等が挙げられ、特に
有機スズ化合物が好ましく、その添加量は全樹脂中0.
001〜20重量%の範囲である。
【0020】本発明に使用するケイ素含有官能基を持つ
アクリル系共重合樹脂において、式(I)で表される繰
り返し構造単位を形成する単量体としては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸i−ブチル、アクリル
酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ウ
ラリル等が例示できる。また、これらの単量体は共重合
させるために使用してもよく、特に、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチルを単量体とする共重合に使用する
ことが好ましい。 また、そのアクリル系共重合樹脂に
おいて、式(II)で表される繰り返し構造単位を形成す
る単量体であり、上記アクリル酸アルキルエステルまた
はメタクリル酸アルキルエステルとともに高分子主鎖を
形成し、ケイ素含有官能基を持つ有機ケイ素単量体成分
としては、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が
例示できる。本発明の上記したアクリル系共重合樹脂の
重量平均分子量は、1,000〜60,000、好まし
くは2,000〜40,000の範囲のものである。
【0021】電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量
比)は、10:1〜1:5の範囲が好ましい。電荷輸送
層を形成する際に用いる溶剤としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素
類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族
炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の
環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を
単独で、または2種以上混合して用いることができる。
その塗布液を塗布する方法としては、ブレードコーティ
ング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーテ
ィング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング
法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティン
グ法等の通常の方法を用いることができる。本発明で用
いる電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μmであり、1
0〜30μmの範囲が好ましい。
【0022】本発明の電子写真用感光体には、複写機中
で発生するオゾンや酸化性ガス、または光、熱による加
工体の劣化を防止することを目的として、感光層中に酸
化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加するこ
とができる。その酸化防止剤としては、例えば、ヒンダ
ードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジ
アミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロク
ロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機
硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。光安定剤の
例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジ
チオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体
が挙げられる。また、光感度の向上、残留電位の低減、
繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも
1種の電子受容性物質を含有させることができる。
【0023】本発明の感光体に使用可能な電子受容性物
質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、
ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム
無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキ
ノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベン
ゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニト
ロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p
−ニトロ安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。
これらの中で、フルオレノン系、キノン系やCl,C
N,NO2 等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導
体が特に好ましい。また、電荷輸送層を塗布する際に、
ユズ肌、へこみ等の表面欠陥のない平滑な表面が得られ
るように、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン等のシリコーンオイルを含有させてもよ
い。さらに、電荷輸送層のクリーニング性を向上させる
ために、固体の潤滑剤を分散させてもよい。使用される
代表的な潤滑剤としては、ポリエチレン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニ
ル、タルク、SiO2 、シリコーン樹脂粉体等が挙げら
れる。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、下記の例における「部」は、いずれも重量部を意味
する。 実施例1 ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エレックスBM−
S、積水化学社製)4部、ジルコニウム化合物(商品
名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)3
0部およびシラン化合物(商品名:A1110、日本ユ
ニカー社製)3部とn−ブタノール170部を混合攪拌
し、下引き層の塗布液を得た。この塗布液を液体ホーニ
ング処理されたアルミニウム支持体上に塗布し、室温で
5分間の風乾を行った後、50℃で10分間支持体の昇
温を行い、次いで50℃、85%RH(露点47℃)の
恒温恒湿槽中に入れて20分間加湿硬化促進処理を行っ
た後、さらに170℃で10分間加熱乾燥することによ
り、膜厚約1.0μmの下引き層を形成させた。次に、
電荷発生材料として、チタニルフタロシアニン1部、ポ
リビニルアセタール系のポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エレックスBM−S、積水化学社製)1部および
シクロヘキサノン100部との混合物をガラスビーズと
共にサンドミルで1時間分散処理し、得られた塗布液を
上記下引き層上に塗布し、100℃において10分間加
熱乾燥させることにより、膜厚約0.2μmの電荷発生
層を形成した。次に、下記式(IV)で示されるメタクリ
ル酸メチル、アクリル酸ブチル、γ−メタクロキシプロ
ピルトリメトキシシランの3つの単量体成分の組成比が
38:35:27であり、数平均分子量11,000、
重量平均分子量34,000であるケイ素含有官能基を
持つアクリル系共重合樹脂(商品名:SA246、三洋
化成社製)12部とトリアリールアミン系化合物(表中
の化合物番号: III−28)の電荷輸送材料8部とをキ
シレン100部に溶解し、さらに硬化反応開始触媒とし
て、有機スズ化合物(商品名:S−Cat.24、三共
有機合成社製)0.3部を加えた。上記のようにして得
られた塗布液を上記電荷発生層上に塗布し、140℃に
おいて60分間加熱乾燥することにより、膜厚約20μ
mの電荷輸送層を形成した。
【化10】
【0025】以上により作製された電子写真用感光体に
ついて、次のように電子写真特性を測定した。まず、コ
ロナ放電器を用いて、電子写真用感光体の初期表面電位
が800Vになるように帯電させた。その後、モノクロ
メーターを用いて780nmに分光したタングステンラ
ンプ光の5mJ/m2 を感光体表面に照射し、その時の
表面電位VL を測定した。この電子写真特性の測定は、
高温高湿(28℃、85%RH)、常温常湿(20℃、
40%RH)および低温低湿(10℃、15%RH)の
環境下で行った。また、この電子写真用感光体を接触帯
電ロール方式のプリンター(PC−PR100/4R、
日本電気社製)に装着し、常温常湿下において連続1
0,000枚のプリントアウトを行い、画質の評価およ
びプリントアウト前後における感光体の磨耗量を測定し
た。これらの結果を表4に示す。
【0026】実施例2 実施例1における電荷輸送量の塗布液に有機スズ化合物
を添加しないことおよび電荷輸送層の乾燥時間を6時間
としたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感
光体を作製し、実施例1と同様の測定を行った。その結
果を表4に示す。
【0027】比較例1 実施例1における式(IV)で示されるケイ素含有官能基
を有するアクリル系共重合樹脂の代わりに、下記式
(V)で示される重量平均分子量30,000のアクリ
ル系共重合樹脂とすること以外は、実施例1と同様にし
て電子写真用感光体を作製し、実施例1と同様の測定を
行った。
【化11】 比較例2 実施例1における式(IV)で示されるケイ素含有官能基
を有するアクリル系共重合樹脂の代わりに、下記式(V
I)で示されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量
40,000、三菱瓦斯化学社製)を用い、電荷輸送層
の乾燥条件を115℃、60分間とした以外は、実施例
1と同様にして電子写真用感光体を作製し、実施例1と
同様の測定を行った。その結果を表4に示す。
【化12】
【0028】実施例3 実施例2における電荷輸送層の電荷輸送材料として、ト
リアリールアミン系化合物(同化合物番号: III−2
8)の代わりにトリアリールアミン系化合物(同化合物
番号: III−7)を用いた以外は、実施例2と同様にし
て感光体を作製し、実施例1と同様の測定を行った。そ
の結果を表4に示す。
【0029】実施例4 実施例2における電荷輸送層の電荷輸送材料として、ト
リアリールアミン系化合物(同化合物番号: III−2
8)の代わりに下記式(VII)で示されるベンジジン系化
合物を用いた以外は、実施例2と同様にして感光体を作
製し、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表4
に示す。
【化13】
【0030】比較例3 比較例2における電荷輸送層の電荷輸送材料として、ト
リアリールアミン系化合物(同化合物番号: III−2
8)の代わりに上記式 (VII)で示されるベンジジン系化
合物を用いた以外は、比較例1と同様にして感光体を作
製し、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表4
に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】本発明は、電子写真用感光体の感光層ま
たは該感光層が積層構造の電荷輸送層において、結着樹
脂として、特定の繰り返し構造単位を有するケイ素含有
官能基を持つアクリル系共重合樹脂を用いることによ
り、高い耐摩耗性を有する電子写真用感光体が得られ
る。また、その結着樹脂と電荷輸送材料としてトリアリ
ールアミン系化合物および電荷発生材料としてフタロシ
アニン系顔料とを用いることにより、表4からも明らか
なように、複写機およびプリンター中で長期間繰り返し
使用しても、感光層に問題を発生することなく、繰り返
し安定性等の電子写真特性を維持しており、優れた画質
のコピー画像を得ることができる高い耐久性を有する電
子写真用感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真用感光体の一例を示す模式
的断面図である。
【符号の説明】
1…導電性支持体、2…下引き層、3…電荷発生層、4
…電荷輸送層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を設けた電子写
    真用感光体において、該感光層の結着樹脂として、下記
    式(I)で表される繰り返し構造単位および下記式(I
    I)で表される繰り返し構造単位を有するケイ素含有官
    能基を持つアクリル系共重合樹脂を含有してなることを
    特徴とする電子写真用感光体。 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 はアルキ
    ル基を示す。) 【化2】 [式中、R3 は水素原子またはメチル基、R4 はCn
    2n(nは1〜4の整数である。)及びR5 はメチル基ま
    たはエチル基を示す。]
  2. 【請求項2】 感光層の電荷輸送材料として、下記式(I
    II) で表されるトリアリールアミン系化合物を少なくと
    も1種以上含有する請求項1に記載の電子写真用感光
    体。 【化3】 (式中、R6 は水素原子またはメチル基を示し、Ar1
    及びAr2 は、それぞれ置換または無置換アリール基を
    示す。また、kは1または2の整数である。)
  3. 【請求項3】 感光層の電荷発生材料として、フタロシ
    アニン系顔料を1種以上含有することを特徴とする請求
    項1または2に記載の電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 感光層が、硬化反応を促進させる触媒を
    含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の電子写真用感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001305772A (ja) * 2000-04-18 2001-11-02 Fuji Xerox Co Ltd 電子デバイス、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置

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JP2001305772A (ja) * 2000-04-18 2001-11-02 Fuji Xerox Co Ltd 電子デバイス、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置

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