JPH09193953A - 泡噴出ポンプ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 泡噴出が終るとノズル管内の残泡を自動的に
内部に逆流させてノズル管の目詰まりを防止し、また混
合室の導入部において気液を数条の細流に分流させて気
液の混合、従って造泡が効果的に行なわれる信頼性の高
い泡噴出ポンプ容器を得る。 【解決手段】 液体シリンダー15底部開口に設けられる
吸込み弁４にこのシリンダー15軸芯部を立上がり先端が
排液管５内下部に摺接して入り込む棒体16を設け、排液
管５が泡噴出時押下げられたとき棒体16の挿入量を増大
して内容積が減縮し、上昇する復帰時棒体16の挿入量が
低減して内容積が増大して負圧化し、この負圧化でノズ
ル管23内残泡を内部に吸引させ、また混合室21の導入部
を周方向数個の導入窓22に形成し、混合室21に導入され
る気、液流を数流に細かく分流させ気液混合を容易かつ
充分となるようにした構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗剤やシャンプー
等の発泡性液体を空気と混合させ発泡させて噴出する泡
噴出ポンプ容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種泡噴出ポンプ容器は従来から多数
提案されてよく知られており、比較的最近のものてとし
て特願平2-515082号（国際公開番号ＷＯ 92／08657 )
がある。

【０００３】この従来例は、液を収容した容器体の口部
に取付ける泡噴出ポンプを、液体シリンダーと空気シリ
ンダーの２重形とし、これらシリンダーの一体化した液
用ピストン、空気用ピストンから液流路、空気流路を２
重管状に上方に立上げ、これら流路を合流させて泡を発
生させる混合室を形成し、この混合室を泡均一化用の多
孔シート状体を経て頂部の噴出ノズルに連通結合し、液
系には吸込み弁と吐出弁を、空気系には排気弁と吸気弁
を配し、そして液体シリンダーに可動部押上げの復帰ば
ねを内装し、泡噴出時には復帰ばねに抗し噴出ノズルを
介し液用ピストン、空気用ピストンを押下げて液、空気
を加圧し、これらを吐出弁、排気弁の開弁により混合室
に導入して泡状とし、この後多孔シート状体を通し泡を
均一化して噴出ノズルから外部に噴出させるものであ
る。

【０００４】泡噴出後押下げを停止すると、液用ピスト
ン、空気用ピストンは復帰ばねにより上方の原位置に復
帰し、この復帰で液体シリンダー、空気シリンダーが負
圧化することから吸込み弁が開弁して液体シリンダーに
は容器体から液が吸上げられ、また吸気弁が開弁して空
気シリンダーには外気が導入され、次回の噴出に備え
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、泡を
噴出すると、ノズル管内に付着して残った泡が乾燥して
固化し、目詰まりを起こすおそれがあり、このため泡噴
出終了の度に止め栓等でノズル管を閉塞し、残泡が固化
しないよう留意する必要があり、保守に手を要してい
た。

【０００６】また泡は混合室で気液を混合させて造るわ
けであるが、液体シリンダーから圧送される液流は１つ
の流れの所謂棒状なので、加圧空気と充分な混合がなさ
れない部分が生じ、泡質及び造泡効率の面で改良の余地
があった。

【０００７】本発明は、泡噴出が終るとノズル管内の残
泡を自動的に内部に逆流させてノズル管の目詰まりを防
止し、また混合室の導入部において気液を数条の細流に
分流させて気液の混合、従って造泡が効果的に行なわれ
るようにした信頼性の高い泡噴出ポンプ容器を得るにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の泡噴出ポンプ容
器は、容器体１と、頂壁中央部を開孔11して前記容器体
１口頸部12に螺合されたねじキャップ２と、上半部を大
径の空気シリンダー13に、軸芯下半部を、底部開口に容
器体１内に垂下する吸上げ管14を連通結合した小径の液
体シリンダー15に形成し、前記ねじキャップ２から容器
体１内上部に垂設されたシリンダー部材３と、前記液体
シリンダー15底部開口部に、このシリンダー15内軸芯部
を中途まで立上がる棒体16を起立して僅かの距離上下動
可能に配設され、液体シリンダー15底部内面に接離する
下端面を弁体17とした吸込み弁４と、下端部内面を前記
棒体16外面に摺接し、かつ下部に吐出孔18を開孔して液
体シリンダー15から前記空気シリンダー13軸芯部を経て
上方外部に立上がり、泡噴出の下降時前記棒体16の挿入
量を増大して容積が減縮する排液管５と、筒状であっ
て、前記排液管５外面と液体シリンダー15内面に摺接し
て前記吐出孔18を塞ぐ吐出弁兼用の追随形の液体ピスト
ン６と、前記空気シリンダー13のドーナツ状の空気室に
上下スライド可能に内装され、一部に吸気弁19を設けた
空気ピストン７と、この空気ピストン７内周縁から前記
排液管５外囲を立上がり、上部を、少なくとも出口開口
に泡均一化用ネット20を張った混合室21に形成し、この
混合室21導入部を周方向とびとび数個の導入窓22に垂下
形成して導入気液を細流に分流させる排気管８と、一側
にノズル管23を突出して前記排気管８上部に連通結合し
た押下げヘッド９と、前記液体シリンダー15に内装さ
れ、前記排液管５を介し可動部を上方に押上げ付勢する
復帰ばね10とで構成している。

【０００９】図１は、可動部が上方限まで押上げられて
いる常時状態を示しており、この状態で液体ピストン６
は吐出孔18を塞いで吐出弁閉であり、そして空気シリン
ダー13には空気が、液体シリンダー15には液体が充満し
ている。

【００１０】泡を噴出させるときは、押下げヘッド９を
介し空気ピストン７と排気管８の一体物、排液管５、液
体ピストン６の可動部を復帰ばね10に抗して押下げる。

【００１１】すると、空気シリンダー13内の空気が加圧
され、吸気弁19が閉弁するので、加圧空気は排気管８か
ら混合室21の導入部に圧送され、一方液体系は、当初液
体ピストン６はそのままに、まず排液管５が先行して同
体に押下げられ、このため排液管５下端部と液体ピスト
ン６間に隙間が生じ、これにより液体シリンダー15内は
その隙間そして吐出孔18を通し排液管５内に連通する。
つまり吐出弁が開弁し、この開弁状態で液体ピストン６
は排液管５により押下げられて追随下降することから液
体シリンダー15内液を加圧し、この加圧液は排液管５か
ら混合室21導入部に圧送される。

【００１２】混合室21の導入部には窓22が周方向とびと
びに設けてあるので、液体流と空気流はシャワー状に数
流に分流されて混合室21に導入されることになり、気液
は容易かつ充分に混合されて泡となり、この後泡均一化
用ネット20により均一化されてノズル管23から外部に噴
出される。

【００１３】泡噴出が終り、押下げを停止すると、可動
部は復帰ばね10により押上げられて原位置に復帰する。
この復帰で、空気シリンダー13内の空気室が負圧化し、
従って吸気弁19が開弁し、外気は排気管８とねじキャッ
プ２の開孔11間の隙間を通り吸気弁19から空気室内に吸
気される。

【００１４】一方、液体シリンダー15では、排液管５の
下端部が隙間分遅れて液体ピストン６下面に接触し、つ
まり吐出弁が閉じ、この後液体ピストン６を同体に押上
げるので負圧化し、またこの排液管５上昇で棒体16を介
し吸込み弁４が引上げられ開弁するので、吸上げ管14を
通し容器体１内から液体を吸上げ、次の噴出に備える。

【００１５】この場合、上昇する排液管５は吸込み弁４
の棒体16の挿入量が低減しその分容積が増大することか
ら負圧化し、従ってノズル管23内の残泡を吸引する。即
ち、ノズル管23には泡が残らないので、放置しておいて
も泡の固化により目詰まりを起すようなことはない。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して一実施例を説
明するに、本考案の泡噴出ポンプ容器は容器体１、ねじ
キャップ２、シリンダー部材３、吸込み弁４、排液管
５、液体ピストン６、空気ピストン７、排気管８、押下
げヘッド９及び復帰ばね10の主部材で構成している。

【００１７】容器体１は適宜任意の形状でよいが、口頸
部12は大径に形成している。

【００１８】ねじキャップ２は、上端に内向きフランジ
を設けて前記口頸部12に螺着される取付け周壁24と、中
央の開孔11から螺筒25を垂設した頂板26とを別部材で形
成して組合わせている。

【００１９】シリンダー部材３は、上半部を大径の空気
シリンダー13に、軸芯下半部を、底部開口に容器体１内
下方に垂下する吸上げ管14を連通結合した小径の液体シ
リンダー15に形成したいわゆる２重シリンダー形の形状
であり、上端の外向きフランジを前記容器体１口頸部に
掛け、この外向きフランジを前記取付け周壁24上端の内
向きフランジで押え固定されて容器体１内上部に垂設さ
れている。

【００２０】また頂部の外向きフランジの上面からは補
助周壁27を立設し、この周壁27に前記頂板26を係合固定
している。

【００２１】なお、28は頂部にパッキングを設けた筒状
の弾性弁で、泡噴出後、液体が液体シリンダー15に吸上
げられ容器体１内が負圧化すると開弁し、吸気孔29から
外気を容器体１内に吸気してこの容器体１の負圧化を防
止する。

【００２２】吸込み弁４は、下半部を筒状体に、そして
この筒状体下端面を弁体17とし、また上半部を液体シリ
ンダー15軸芯部をその中間部まで届く棒体16として液体
シリンダー15内底部開口部に上下動可能に配設され、弁
体17が底部開口の内壁面である弁座に接離して開閉弁す
る。この吸込み弁４は下部外面に突子30を突出し、この
突子30が液体シリンダー15内面からの内向きのストッパ
ー31に係止して僅かの距離上下動するよう設けられてい
る。

【００２３】排液管５は、上部材と下部材とを一体的に
嵌合して形成され、下端部を液体シリンダー15内面に摺
接する摺接部32として空気シリンダー13軸芯部を通って
上方外部に立上げられている。摺接部32は一部断面がＨ
形の形状で、外周縁に周方向とびとびに通液溝を切欠い
て上下を連通させてあり、またこの摺接部32の直上両側
に吐出孔18を開孔し、そして中腹部外面には下方に垂下
する径の大きい係合筒33を分岐している。また摺接部32
は内周に弾性周壁を設け、この弾性周壁を前記棒体16外
面にスライド可能に圧接させてある。

【００２４】液体ピストン６は筒状で、内外周縁を弾性
周壁とした一部断面がＨ形の形状のものであり、前記吐
出孔18部で排液管５外面と液体シリンダー15内面に上下
スライド可能に摺接配置され、常時は吐出孔18を閉塞
し、吐出弁を兼用している。

【００２５】この液体ピストン６はフリーであり、排液
管５にワンテンポ遅れて追随して上下動する。即ち図１
は常時の閉弁状態であるが、泡噴出の押下げ時排液管５
が先行下降し、この当初液体ピストン６は下降せず、こ
のため排液管５の係合筒33に入り込み、これにより液体
ピストン６と排液管５下端の摺接部32間に隙間ができて
液体シリンダー15が吐出孔18を通し排液管５に連通す
る、つまり吐出弁が開弁し、この後液体ピストン６は係
合筒33により押下げられる。

【００２６】空気ピストン７は、前記空気シリンダー13
の空気室に合致したドーナツ状のもので、一部に玉弁に
よる吸気弁19を設け、外周縁の弾性周壁を空気シリンダ
ー13内壁に摺接させて上下動可能に設けられている。

【００２７】排気管８は、前記空気ピストン７の内周縁
から排液管５外囲をこの排液管５上方まで立上がり、排
液管５を抜け出た上部を混合室21に形成している。この
混合室21の導入部は、図２に拡大して示すように、内向
きフランジ34内周縁から逆さ摺鉢状の垂下部を設け、こ
の垂下部の傾斜周壁に周方向とびとびに、、例えば四方
に導入窓22を設けており、この垂下部を前記排液管５上
端開口に一部を残して挿入係止し、この排液管５上端と
の間に空気導入路35を設けている。従って空気流、液体
流はいずれも導入窓22によりシャワー状に分流されて混
合室21に導入されることになる。

【００２８】なお、混合室21は別部材の筒体を嵌入して
形成しており、泡均一化用ネット20は入口、出口両方に
張ってある。またこの排気管８の内面には下向き段部が
あり、この下向き段部に排液管５の上向き段部が係合
し、実質的に一体に上下動するようにしてある

【００２９】押下げヘッド９は、一側からノズル管23を
突出し、下面の結合筒36を排気管８上部に外嵌固定して
連通させてある。なお、結合筒36外面にはねじ37が切っ
てあり、流通時には図３に示すように可動部を押下げ、
このねじ37を前記螺筒25に螺合して可動部の不用意な押
下げを防止し、泡噴出がなされないようにしてある。ま
た、このとき排液管５下端の摺接部32の外部周縁が液体
シリンダー15下部の小径部内面に圧接し、このシリンダ
ー15底部開口を閉塞する。

【００３０】復帰ばね10はコイル状のもので、前記スト
ッパー31と排液管５下端の摺接部32間に介挿して液体シ
リンダー15に内装され、排液管５を介し可動部を上方限
まで押上げている。

【００３１】この実施例によれば、液体シリンダー15内
の底部開口部に設ける吸込み弁４から液体シリンダー15
軸芯部に立上がり先端が排液管５下部に入り込む棒体16
を起立し、泡噴出時の可動部押下げ時、下降する排液管
５内の棒体16挿入量を増大させてこの排液管５の容積を
減縮させ、泡噴出後の復帰時上昇する排液管５の棒体16
挿入量を低減させてその分容積を増大させ、これにより
負圧化し、ノズル管23の残泡を内部に吸引させるように
したので、このノズル管23に残泡が付着するのが防止で
き、従って残泡が固化して目詰まりを起すことが防止で
きる。

【００３２】また混合室21導入部を、周方向とびとびに
数個の導入窓22に形成し、導入される空気流、液体流を
シャワー状に細流に分流させるようにしたので、気液混
合が容易かつ充分となり、泡質と造泡効率を高めること
が可能となる。

【００３３】

【発明の効果】上記した如く、本発明の泡噴出ポンプ容
器では、吸込み弁４に液体シリンダー15軸芯部を立上が
り先端が排液管５下部に入り込む棒体16を設け、泡噴出
時の押下げで下降し、復帰時に上昇する排液管５を棒体
16の挿入量の増減により内容積を減増変化させ、復帰時
には負圧化させて噴出ノズル管23内の残泡を内部に吸引
するようにしたので、ノズル管23の残泡固化による目詰
まりが防止でき、泡噴出の度に止め栓等を装着する手間
が不要となり扱いが便利となる。

【００３４】また混合室21には数個の導入窓22を通すこ
とにより空気流、液体流を細流に分流して導入させるよ
うにしたので、気液混合が容易かつ充分となり、泡質、
造泡効率が高まり、信頼性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の縦断面図である。

【図２】同実施例の要部拡大図である。

【図３】同実施例の流通段階時を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 容器体 ２ ねじキャップ ３ シリンダー部材 ４ 吸込み弁 ５ 排液管 ６ 液体ピストン ７ 空気ピストン ８ 排気管 ９ 押下げヘッド 10 復帰ばね 16 棒体 22 導入窓

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器体１と、頂壁中央部を開孔11して前
   記容器体１口頸部12に螺合されたねじキャップ２と、上
   半部を大径の空気シリンダー13に、軸芯下半部を、底部
   開口に容器体１内に垂下する吸上げ管14を連通結合した
   小径の液体シリンダー15に形成し、前記ねじキャップ２
   から容器体１内上部に垂設されたシリンダー部材３と、
   前記液体シリンダー15底部開口部に、このシリンダー15
   内軸芯部を中途まで立上がる棒体16を起立して僅かの距
   離上下動可能に配設され、液体シリンダー15底部内面に
   接離する下端面を弁体17とした吸込み弁４と、下端部内
   面を前記棒体16外面に摺接し、かつ下部に吐出孔18を開
   孔して液体シリンダー15から前記空気シリンダー13軸芯
   部を経て上方外部に立上がり、泡噴出の下降時前記棒体
   16の挿入量を増大して容積が減縮する排液管５と、筒状
   であって、前記排液管５外面と液体シリンダー15内面に
   摺接して前記吐出孔18を塞ぐ吐出弁兼用の追随形の液体
   ピストン６と、前記空気シリンダー13のドーナツ状の空
   気室に上下スライド可能に内装され、一部に吸気弁19を
   設けた空気ピストン７と、この空気ピストン７内周縁か
   ら前記排液管５外囲を立上がり、上部を、少なくとも出
   口開口に泡均一化用ネット20を張った混合室21に形成
   し、この混合室21導入部を周方向とびとび数個の導入窓
   22に垂下形成して導入気液を細流に分流させる排気管８
   と、一側にノズル管23を突出して前記排気管８上部に連
   通結合した押下げヘッド９と、前記液体シリンダー15に
   内装され、前記排液管５を介し可動部を上方に押上げ付
   勢する復帰ばね10とからなる泡噴出ポンプ容器。