JPH09187879A - 耐食性に優れた積層鋼板 - Google Patents

耐食性に優れた積層鋼板

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JPH09187879A
JPH09187879A JP97596A JP97596A JPH09187879A JP H09187879 A JPH09187879 A JP H09187879A JP 97596 A JP97596 A JP 97596A JP 97596 A JP97596 A JP 97596A JP H09187879 A JPH09187879 A JP H09187879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面耐食性と端面耐食性のいずれも向上させ、
屋根などの高耐食性を必要とする箇所へ適用できる積層
鋼板を提供することを目的とする。 【解決手段】高分子樹脂層を2枚の鋼板の間に挟持して
なる積層鋼板において、前記鋼板は表面にAlを40〜
60重量%含有するZn−Al合金化溶融めっき層を付
着量30〜150g/m2 で形成し、かつ少なくとも高
分子樹脂と接しない側の表層に、金属クロム換算で10
〜100mg/cm2 のクロメート樹脂層を有してお
り、高分子樹脂層はせん断密着力が90kgf/cm2
以上の架橋した高分子樹脂であることを特徴とする耐食
性に優れた積層鋼板

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐食性に極めて
優れた、高分子樹脂を2枚の鋼板の間に挟持してなる積
層鋼板に係り、例えば、自動車用や屋根などの建材用に
好適な積層鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】積層鋼板は、高分子樹脂を2枚の鋼板の
間に挟持したもので、この高分子樹脂の有する軽量性、
制振性などの特性を鋼板に付与したものである。特に、
近年では、自動車の騒音低減や建材の静粛性を目的とし
た制振鋼板が盛んに使用されている。自動車車体、屋根
などへの適用にあたっては、高い耐食性を付与すること
が必須であり、表皮鋼板に各種表面処理鋼板を用いて表
面の耐食性を向上する方法(例えば、特開昭63-205227
号公報、特開平1-280543号公報)や、貼合わせ面の耐食
性(端面耐食性)を向上する方法(特開昭58-90951号公
報、特開平6-71806 号公報)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高分子樹脂を挟持して
なる積層鋼板では、表面の耐食性は勿論のこと、加えて
貼合わせ面の耐食性(端面耐食性)に優れていることが
必須である。従来技術においても、冷延鋼板を使用した
場合に比べては両耐食性が優れているものの、特に屋根
などのような高表面耐食性と端面耐食性の両方を必要と
する箇所においては、その耐食性は未だ不十分である。
すなわち、表面耐食性の向上については、各種表面処理
鋼板の開発により、使用する表皮鋼板の表面耐食性をあ
る程度向上することができるが未だ不充分であり、表面
に塗装を施し適用されている。一方、近年では、表面耐
食性に優れたZn−Al合金化溶融めっき鋼板を用いた
積層鋼板が開発されたが、本鋼板は表面耐食性にすぐれ
る反面、積層鋼板においては端面の耐食性が著しく劣
り、屋根などへの適用については問題があった。このよ
うなことから、表面耐食性を向上させても、必ずしも端
面耐食性が向上するとは言えず、両耐食性を両立するこ
とは困難であった。
【0004】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、表面耐食性と端面耐食性のいずれも向
上させ、屋根などの高耐食性を必要とする箇所へ適用で
きる積層鋼板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すために、積層鋼板の表面耐食性と端面耐食性
を両立するために、表皮鋼板の種類や高分子樹脂の種類
の影響について鋭意検討を行った結果、本発明を完成す
るに至った。
【0006】すなわち第一の発明は、高分子樹脂層を2
枚の鋼板の間に挟持してなる積層鋼板において、前記鋼
板は表面にAlを40〜60重量%含有するZn−Al
合金化溶融めっき層を付着量30〜150g/m2 で形
成し、かつ高分子樹脂と接しない側の少なくとも一方の
表層に、金属クロム換算で10〜100mg/cm2
クロメート樹脂層を有しており、高分子樹脂層はせん断
密着力が90kgf/cm2 以上の架橋した高分子樹脂
であることを特徴とする耐食性に優れた積層鋼板であ
る。
【0007】第二の発明は、高分子樹脂層を2枚の鋼板
の間に挟持してなる積層鋼板において、前記鋼板はAl
を40〜60重量%含有するZn−Al合金化溶融めっ
き層を付着量30〜150g/m2 で形成し、かつ高分
子樹脂と接しない側の少なくとも一方の表層は、樹脂被
覆層を有しており、前記高分子樹脂層はせん断密着力が
90kgf/cm2 以上の架橋した高分子樹脂からなる
ことを特徴とする耐食性に優れた積層鋼板である。
【0008】第三の発明は、クロメート樹脂層上に樹脂
被覆層を有している。第四の発明は、上記鋼板におい
て、高分子樹脂がガラス転移に基づく損失正接(tan
δ)の極大値が0.3以上で、この極大値を示す温度が
−40〜80℃の範囲にあり、かつ積層鋼板としての極
大値が0.1以上で、この極大値を示す温度が0〜12
0℃の範囲にあるものである。
【0009】第五の発明は、上記鋼板において、高分子
樹脂層内に、圧潰前の平均粒径Dが高分子層の厚さTに
対してT≦D≦2Tの範囲で、ビッカース硬さが180
Hv以下で、融点が鋼板と同等以上の導電金属粉が、高
分子樹脂層に対して5〜20重量%添加され、電気抵抗
溶接可能な耐食性に優れた積層鋼板である。なお、本発
明では、樹脂被覆層はカラー塗膜を含む。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係る積層鋼板の概略断面図で、この積層
鋼板1は上下の表皮鋼板2,2の両面にそれぞれZn−
Al合金化溶融めっき層4,4を形成し、めっき層付表
皮鋼板間に高分子樹脂層3を挟んでいる。そして、表皮
鋼板2,2の高分子樹脂層に挟まれていない側にクロメ
ート樹脂層5(またはカラー塗膜)を形成している。
【0011】まず、表皮鋼板は、板厚が例えば0.2〜
0.8mm程度で、Alを40〜60重量%含有するZ
n−Al合金化溶融めっき層4を表面に形成した鋼板を
使用する。Zn−Al合金化溶融めっき層4にAlを添
加するのは、Al特有の不動態皮膜が形成されることや
不活性な腐食生成物が形成しやすいことなどの理由によ
り、めっき表面が極めて長期安定であり、屋根などで必
要な極めて優れた表面耐食性を有するからである。ま
た、Al含有量を40〜60重量%と限定する理由は、
40%未満では従来のZnめっき鋼板に対しては表面耐
食性向上効果があるものの、本発明の目的とする極めて
高い表面耐食性は得られず、また、60%を越えるとZ
nが欠乏するため端面において犠牲防食作用が乏しくな
り、そのため、エッヂクリープが広範囲に渡り発生し、
端面耐食性が著しく劣るからである。
【0012】めっき付着量は30〜150g/m2 とす
る。その理由は30g/m2 未満では表面耐食性、端面
耐食性がともに低下するし、また150g/m2 を越え
ると、生産安定性、コストの点などから実用的ではな
い。なお、特に屋根材への適用にあたっては耐食性の点
から70〜150g/m2 がより望ましい。
【0013】また,本発明に係る積層鋼板では,少なく
とも高分子樹脂層と接しない側の表層に、金属Cr換算
で10〜100mg/m2 のクロメート樹脂層5を有す
る。Zn−Al合金化溶融めっき鋼板は、Al含有量が
増すにしたがい、特に30重量%以上となると、プレス
成形時やロールフォーミング成形時に、成形金型や成形
ロールにめっきが付着しやすくなり、加工性を低下させ
る欠点がある。この対策と併せて、金型との潤滑性の向
上や耐食性の向上の点から、少なくとも高分子樹脂層と
接しない側の表層にクロメート樹脂層5を有する。上記
のように厚さを限定した理由は下限未満では上記効果を
発揮しない,また上限を越えても上記効果が飽和するで
ある。なお,クロメート樹脂層5に代えて或いはクロメ
ート樹脂層5上にポリエステル系、あるいはフッソ樹脂
系のカラー塗装や樹脂被覆などを加工性、密着性、耐食
性を考慮して、適宜選択して使用することも可能であ
る。
【0014】次に、前記高分子樹脂は、架橋された樹脂
(熱硬化型樹脂)であり、例えば30〜70μm程度の
厚みで積層鋼板中に挟持され、せん断密着力が90kg
f/cm2 以上とする。この理由はせん断密着力90k
gf/cm2 以上であれば端面耐食性の低下を防ぐが,
この下限未満では端面耐食性が低下するためである。こ
のことは本発明者の実験結果と考察を踏まえ、高分子樹
脂の種類、密着力の端面耐食性への影響について検討を
行った結果得られた。すなわち、Al含有量40〜60
重量%のZn−Al合金化溶融めっき鋼板はAlの有す
るバリアー効果により極めて優れた表面耐食性を有する
が、逆に端面ではAl含有量の増加に伴いZnが疎にな
るがために、広範囲のZnが端面の犠牲防食に使用され
るので、端面耐食性はZnめっき鋼板に比べて低下す
る。理由については定かではないが、樹脂の種類につい
ては、架橋(3次元分子結合状態)されていることによ
り鋼板と樹脂の界面がより緻密な結合状態になること、
また、樹脂そのものについても緻密な3次元分子結合状
態となることにより、水分などの腐食を促進させる物質
が侵入しにくい状態になったり、Znの溶出を防ぐ効果
があることなどにより、端面耐食性の低下を防ぐ効果が
あるものと推定される。一方、密着力については、従来
から、積層鋼板の測定方法としては、せん断密着力(せ
ん断応力下での破壊強度)とT−ピール密着力(引き剥
がし応力下での破壊強度)で代表されるが、このうちT
−ピール密着力は端面耐食性に無関係で、せん断密着力
が影響するという結果を得た。そして、せん断密着力9
0kgf/cm2 以上であれば、端面耐食性の低下を防
ぐ効果があるという知見を得た。理由は定かでないが、
鋼板界面と強固に接着することにより、水分などの侵入
を防ぐ効果があること、また、端面は通常切断加工のま
まであるので、切断時のせん断応力により端面近傍では
表皮鋼板がズレた状態となり、樹脂がダメージを受けて
いる状態であるので、同様の破壊メカニズムであるせん
断密着力の大きいものほど切断加工後の樹脂ダメージが
少なく、端面からの腐食物質の侵入を防ぐ効果があるこ
と、などと推定される。
【0015】高分子樹脂としては、例えば、アクリル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポ
キシ系樹脂等およびこれらとSBRなどのゴムとの重合
体等の架橋された樹脂(熱硬化型樹脂)が使用でき、そ
の他接着性を付与した架橋樹脂であれば特に限定しな
い。
【0016】このように本発明に係る積層鋼板は、めっ
き層及び高分子樹脂を上記のように特定することにより
表面耐食性と端面耐食性がいずれも優れたものとなる。
次に、制振性を必要とする場合は、高分子樹脂のガラス
転移に基づく損失正接(tanδ)の極大値が0.3以
上で、この極大値を示す温度が−40〜80℃の範囲に
あるようにして、積層鋼板としての損失係数の極大値が
0.1以上で、この極大値を示す温度が0〜120℃の
範囲にあるようにすれば良い。
【0017】また、溶接性の点からは、Al含有量40
〜60重量%のZn−Al合金化溶融めっき鋼板はAl
含有量が多いため溶接が容易ではないが、高分子樹脂層
内に、圧潰前の平均粒径Dが高分子層の厚さTに対して
T≦D≦2Tの範囲で、ビッカース硬さが180Hv以
下で、融点が鋼板と同等以上の導電金属粉を、高分子樹
脂層に対して5〜20重量%添加し、アップスロープ通
電方法などにより、溶接条件を選定すれば連続溶接性も
良好になる。
【0018】導電金属粉として、圧潰前の大きさが、高
分子樹脂層の厚さよりも大きいものを使用する理由は、
積層する際に、高分子樹脂層の厚さまで圧潰することに
より、上下の鋼板と接触させ、低い抵抗を得ることがで
きるからである。導電金属粉の大きさとして、平均粒径
Dが高分子樹脂層の厚さTに対して、T≦D≦2Tのも
のを用いるのは、D>2T以上では、導電金属粉を潰す
るが困難になる。一方、D<Tでは、充分な接触を得る
ことができない。
【0019】また、ビッカース硬さが180Hvを越え
ると潰すのが困難となる。また、金属粉の融点を鋼板と
同等以上とするのは、スポット溶接は表皮鋼板が溶融し
てなされるわけであるからして、金属粉は表皮鋼板が溶
融するまで上下の鋼板の短絡点の役割を果たす必要があ
るからである。導電金属粉の添加量を高分子樹脂に対し
て、5〜20重量%とするのは、過剰に添加すると潰す
のが困難となるばかりでなく、密着力の低下や制振性能
の低下をも招くので、上限は20重量%とする。また、
5重量%未満では、溶接性が劣る。金属粉の種類として
は、ニッケル粉、鉄粉などが適する。
【0020】この導電金属粉を含有する積層鋼板の場合
は、初期通電を取り入れた2段通電法により電気抵抗溶
接するのがよい。すなわち、本発明の表皮鋼板は、めっ
き中に多量のAlが添加されているので、それによる酸
化物などにより、従来の亜鉛メッキ鋼板などの場合に比
べて電気抵抗が大きいので、いきなり本通電(高電流を
印加)を行う1段通電法では、電極近傍での表皮鋼板の
スパークなどの溶接欠陥が発生しやすい。この対策は、
1段目で弱電流を印加して電極直下の高分子樹脂を排除
して、電極間の電気抵抗を極力小さくした状態を作り、
その後本通電(高電流を印加)を行う2段通電方法を採
用することが有効であり、この手法を採用することによ
り溶接性が改善される。
【0021】
【実施例】
(実施例1)各種表面処理鋼板を用いて、積層鋼板を作
製し、塩水噴霧試験(JIS Z2731に準拠)を行
い、表面耐食性および端面耐食性を評価した。試験条件
を下記に示す。
【0022】 (1)表皮鋼板 a.Zn−Al合金化溶融めっき鋼板(Al添加) 板厚0.4mmt b.Fe−Zn合金化溶融めっき鋼板(Alなし) 板厚0.4mmt c.溶融Znめっき鋼板(Alなし) 板厚0.4mmt d.冷延鋼板(Alなし) 板厚0.4mmt (2)高分子樹脂 a.ゴム変性アクリルエステル(熱硬化型) 厚み
0.05mmt ,せん断密着力90kgf/cm2 b.アクリル酸変性ポリエチレン(熱可塑型) 厚み
0.05mmt ,せん断密着力90kgf/cm2 (3)積層方法 a.熱硬化型樹脂については、樹脂をナイフ状のコータ
ーによって、鋼板表面に塗布し、その後他の鋼板を、一
対の樹脂ライニングロールにより、10〜20kgf/
cm2 の面圧を加えて積層し、170℃の温度で5分保
持して加熱硬化することにより作製した。 b.熱可塑型樹脂については、樹脂フィルムを120℃
に予熱した鋼板表面に、ラミネートロールを用いて貼合
わせ、その後、180℃(樹脂の融点以上)に加熱し、
別途180℃に加熱した他の鋼板とを、一対の樹脂ライ
ニングロールにより、10〜20kgf/cm2 の面圧
を加えて積層することにより作製した。
【0023】(4)耐食性の評価 a.表面耐食性 積層鋼板表面の白錆発生時間を目視により観察した。発
生時間によって、○(480Hr以上)、△(120H
r以上480Hr未満)、×(120Hr未満)、で評
価した。
【0024】b.端面耐食性 表皮鋼板を引き剥がし、端面からの錆侵入長さ(剥離長
さに相当)を測定した。480時間後の侵入長さによっ
て、○(5mm未満)、△(5mm以上10mm未
満)、×(10mm以上)で評価した。
【0025】(実施例2)表皮鋼板を本発明のAl含有
量55重量%のZn−Al合金化溶融めっき鋼板に限定
して、高分子樹脂の種類、密着力に着目して、実施例1
と同様に塩水噴霧試験(JIS Z 2731に準拠)
を行い、表面耐食性および端面耐食性を評価した。試験
条件を下記に示す。
【0026】(1)表皮鋼板 a.Zn−Al合金化溶融めっき鋼板(Al含有量55
重量%),板厚0.4mmt (2)高分子樹脂 a.ゴム変性アクリルエステル(熱硬化型) 厚み0.05mmt b.アクリル酸変性ポリエチレン(熱可塑型) 厚み0.05mmt (3)積層方法 実施例1に準拠 (4)耐食性の評価 実施例1に準拠 (5)高分子樹脂のtanδの測定 岩本製作所製粘弾性スペクトロメーター(VES−F
3)にて、50Hzでのtanδを測定 (6)積層鋼板の損失係数 25×220mmおよび25×280mmの試験片に
て、共振応答曲線からの半値幅法により、1000Hz
での損失係数を測定 (実施例3)次に、本発明の積層鋼板について、スポッ
ト溶接性を評価した。試験条件を下記に示す。 (1)表皮鋼板 Zn−Al合金化溶融めっき鋼板(Al含有量55重量
%),板厚0.4mmt (2)高分子樹脂 ゴム変性アクリルエステル(熱硬化型),厚み0.05
mmt (3)積層方法 実施例1に準拠 (4)溶接条件 a.電極;CF型で先端径5mmφ(積層鋼板側)、F
型で先端径16mmφ(単一鋼板側) b.加圧力;200kgf c.初期通電;5kA/6サイクル(一部の条件では初
期通電なし) d.電流;10kA e.通電時間;12サイクル(60Hz) f.制御方法;定電流制御(0.5サイクル制御) q.試験片組合わせ;30×100mmの試験片と0.
8mmの単一鋼板を重ね合わせて溶接した。 (5)溶接性の評価 積層鋼板1本につき1ヵ所のスポット溶接を500本行
い、溶接欠陥発生数を求めた。欠陥発生数によって、○
(0〜10本)、×(11本以上)で評価した。 実施例に基づいて実施した結果を下記に示す。
【0027】表1から、表皮鋼板が本発明の範囲内のZ
n−Al合金化溶融めっき鋼板のものは、表面耐食性に
極めて優れている。その中でゴム変性アクリルエステル
系は端面耐食性にも優れているが、アクリル酸変性ポリ
エチレン系は端面耐食性に劣る。
【0028】また、Zn−Fe合金化溶融めっき鋼板や
溶融めっき鋼板のものは、表面耐食性には劣る反面、樹
脂の種類によらず端面耐食性には優れる。このことか
ら、表面耐食性と端面耐食性を両立するには、Al含有
量40〜60重量%のZn−Al合金化溶融めっき鋼板
を用い、かつゴム変性アクリルエステル系を用いる必要
がある。
【0029】次に、表2から本発明の範囲内のものは、
表面耐食性および端面耐食性ともに優れており、また制
振性能も優れている。一方、高分子樹脂が熱硬化型であ
りながら、せん断密着力が本発明の範囲外のものや、せ
ん断密着力は高いが熱可塑型のものでは、端面耐食性が
劣っていた。表3からは、本発明の範囲内のものは、溶
接性に優れていることが判る。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、表面耐
食性と端面耐食性に優れた積層鋼板を得ることができる
ので、屋根材などの高耐食性を必要とする部材への適用
が可能になり、積層鋼板の品質向上と用途拡大、並びに
表面耐食性が極めて優れているため、表面に塗装する必
要がなくなるケースもあり、低コスト化が達成でき、工
業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す断面図。
【符号の説明】
1…積層鋼板、2…表皮鋼板、3…高分子樹脂、4…Z
n−Al合金化溶融めっき層、5…クロメート樹脂層ま
たはカラー塗膜。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子樹脂層を2枚の鋼板の間に挟持し
    てなる積層鋼板において、前記鋼板は表面にAlを40
    〜60重量%含有するZn−Al合金化溶融めっき層を
    付着量30〜150g/m2 で形成し、かつ高分子樹脂
    と接しない側の少なくとも一方の表層に、金属クロム換
    算で10〜100mg/cm2 のクロメート樹脂層を有
    しており、高分子樹脂層はせん断密着力が90kgf/
    cm2以上の架橋した高分子樹脂であることを特徴とす
    る耐食性に優れた積層鋼板。
  2. 【請求項2】 高分子樹脂層を2枚の鋼板の間に挟持し
    てなる積層鋼板において、前記鋼板はAlを40〜60
    重量%含有するZn−Al合金化溶融めっき層を付着量
    30〜150g/m2 で形成し、かつ高分子樹脂と接し
    ない側の少なくとも一方の表層は、樹脂被覆層を有して
    おり、前記高分子樹脂層はせん断密着力が90kgf/
    cm2 以上の架橋した高分子樹脂からなることを特徴と
    する耐食性に優れた積層鋼板。
  3. 【請求項3】 クロメート樹脂層上に樹脂被覆層を有し
    ていることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れ
    た積層鋼板。
  4. 【請求項4】 高分子樹脂がガラス転移に基づく損失正
    接(tanδ)の極大値が0.3以上で、この極大値を
    示す温度が−40〜80℃の範囲にあり、かつ積層鋼板
    としての極大値が0.1以上で、この極大値を示す温度
    が0〜120℃の範囲にある請求項1乃至3のいずれか
    1に記載の耐食性に優れた積層鋼板。
  5. 【請求項5】 高分子樹脂層内に、圧潰前の平均粒径D
    が高分子層の厚さTに対してT≦D≦2Tの範囲で、ビ
    ッカース硬さが180Hv以下で、融点が鋼板と同等以
    上の導電金属粉が、高分子樹脂層に対して5〜20重量
    %添加され、電気抵抗溶接可能な請求項1乃至4のいず
    れか1に記載の耐食性に優れた積層鋼板。
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