JPH09184896A - 沸騰水型原子炉用の燃料バンドル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短寸燃料棒を有する原子炉燃料バンドルにお
いて、熱水力学的性能を向上させながら、同時に全寸燃
料棒の周りのボイド分率を低下させ、短寸燃料棒へのア
クセスを容易にする。 【解決手段】 短寸燃料棒（２２）の上端の上方に位置
する蒸気ベント領域（Ｖ）内にデフレクタを配置し、こ
のデフレクタにより、上向きに流れる液体を横方向外向
きに方向変更させて、蒸気ベント領域に隣接した全寸燃
料棒（２０）の間隙に流入させ、もって、全寸燃料棒の
間隙の液体をより高密度にすると共に、より密度の低い
蒸気を蒸気ベント空間内に流入させて燃料バンドルから
上向きに流出させる。デフレクタは、短寸燃料棒にアク
セスできるようにスペーサ（Ｓ５）又は上部タイプレー
トにより着脱自在に支持される。デフレクタは、平坦な
板（Ｐ）、倒立角錐（３０、３４）、倒立円錐（４
０）、多角錐（５０）又は渦形（７０）の構造にするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、核燃
料バンドル内の短寸（ｐａｒｔ ｌｅｎｇｔｈ）燃料棒
の上端の上方に位置する蒸気ベント（ｖｅｎｔ）領域に
関し、具体的には、短寸燃料棒の上方に配設されてい
て、燃料バンドルの上部領域の熱水力学的性能の改良を
可能にすると共に短寸燃料棒の取り出しを容易にするデ
フレクタ（ｄｅｆｌｅｃｔｏｒ）に関する。

【０００２】

【従来の技術】沸騰水型原子炉では、複数の核燃料バン
ドルが設けられており、各々の核燃料バンドルは直立す
る燃料棒のマトリクスを含んでいる。各々の燃料棒は、
ウランに富んだ積層した円筒状のペレットを多数収納し
ており、燃料棒の両端は密封されている。各燃料バンド
ル内の燃料棒は、下部タイプレート上に支持されてお
り、下部タイプレートから上方に伸びて上部タイプレー
トに達している。このように、燃料バンドルは、垂直に
伸び且つ横方向に間隔を空けて配設された全体的に平行
な燃料棒の行列格子によって画定されている。下部タイ
プレートは、燃料棒を支持するほか、燃料バンドル内に
冷却材又は減速材である水を流入させることができる。
上部タイプレートは、燃料棒のマトリクスを下部タイプ
レートから直立した状態に維持すると共に、加熱された
水及び発生された蒸気が燃料バンドルの内部から排出で
きるようにする。燃料バンドルはまた、燃料バンドルの
長さに沿って間隔をあけて設けられた（例えば７つの）
スペーサを含んでいる。スペーサは、燃料棒を互いに横
方向に間隔を空けた状態に維持する役目を果たしている
と共に、燃料棒の長さに沿って所定の間隔で設けられて
いる。チャンネルが、各燃料バンドルを取り囲んで、下
部タイプレートから上部タイプレートまで伸びている。
チャンネルは、水流を下部タイプレートから上部タイプ
レートまで局限する。複数の燃料バンドルは、炉心内で
下部炉心プレートと上方に位置する頂部ガイドとの間に
配置される。

【０００３】動作時には、水が、各燃料バンドル内にそ
の下部タイプレートを通って流入する。水は、冷却材と
しても減速材としても作用する。水は、冷却材として、
燃料棒との熱交換により加熱されて蒸気になる。また水
は、減速材として、核反応によって発生された高速の中
性子を減速して、燃料バンドル内で連鎖反応を続行する
ための低速中性子又は熱中性子にする。水が加熱される
につれて、燃料バンドルの上部の二相部分内の蒸気の割
合が増大する。

【０００４】核燃料バンドル内に、全寸（ｆｕｌｌ−ｌ
ｅｎｇｔｈ）燃料棒よりも短い複数の燃料棒を設けると
有益であることがわかっており、このような燃料棒は短
寸燃料棒と呼ばれる。これらの短寸燃料棒は、下部タイ
プレート上に支持されて、上部タイプレートに向かって
上方に伸びているが、上部タイプレートに到達しない
で、上部のスペーサのうちの１つ（例えば第５のスペー
サ又は第６のスペーサ）の所か又はその直ぐ上で終端し
ている。このようにして、上部タイプレートと短寸燃料
棒の上端との間にベント空間が画定される。このベント
空間内に蒸気ベント管及び液体デフレクタを設けること
が知られている。例えば、米国特許第５，０９１，１４
６号を参照されたい。しかし、この特許の蒸気ベント管
及び液体デフレクタには、その下方に位置する短寸燃料
棒にアクセスして該短寸燃料棒を取り出しできるように
する機能は設けられていない。

【０００５】

【本発明の開示】本発明によれば、上述した形式の核燃
料バンドル内の短寸燃料棒の上方の空間に配設されて、
熱水力学的性能を向上させながら核的性能を維持し、同
時に短寸燃料棒の取り出しを容易にするデフレクタが設
けられる。これを達成するために、デフレクタは、短寸
燃料棒の上端の上方の蒸気ベント領域を横切って配設さ
れる。結果的に、短寸燃料棒の間を上向きに流れる水の
すべてが、蒸気ベント領域から全寸燃料棒の間隙の方へ
向きを変えられる。より密度の高い液体が全寸燃料棒の
間隙内に維持される傾向を持ち、他方、より軽量で動き
易い蒸気がデフレクタの上方の開放した蒸気ベント領域
へ向かって移動する。その結果、全寸燃料棒を収納して
いる燃料集合体の上部二相領域のボイド分率が有利に低
下すると共に、臨界出力の制限が改良される。

【０００６】本発明によれば、このデフレクタは様々な
形態を有し得る。例えば、平坦な板を用いて、短寸燃料
棒の上端の上方に配置することができる。しかしなが
ら、平坦な板は、かなりの圧力低下を招くので最適な選
択ではない。倒立角錐形又は倒立円錐形の形状を持つデ
フレクタが好ましい。倒立角錐形デフレクタは、蒸気ベ
ントの四角な側面とそれぞれ整列した４つの側面を持つ
ものであってよく、これ場合、水が倒立角錐形デフレク
タの４つの側面から全寸燃料棒の間隙に向かって横方向
外向きに向きを変える。この倒立角錐形デフレクタはま
た、上向きに流れる液体が四角形のベント空間の各コー
ナ（隅）の方へ向きを変えるように、角錐の軸の周りに
約４５°回転していてもよい。倒立円錐形デフレクタも
同様に用いられ得ることが理解されよう。倒立円錐形デ
フレクタは、短寸燃料棒領域から流出する流れの分布を
均一にすることができるという利点を有している。倒立
円錐形デフレクタの利点を、追加の側面を有する角錐、
例えば８つの側面を有する角錐によって模することがで
き、これにより、類似の均一な横方向外向きの流れの分
布を生じさせることができる。渦式デフレクタも同様に
用い得る。渦式デフレクタは、デフレクタの下流に渦を
発生することができ、これにより蒸気ベント経路から外
に液体を継続的に分離する。デフレクタは、燃料バンド
ル内でスペーサに着脱自在に取り付けることもできる
し、燃料バンドルの上端を通してデフレクタを容易に取
り出せるように上部タイプレートから吊り下げられた１
つ又は複数の構造用ロッドに取り付けてスペーサの上方
に配置することもできる。デフレクタの更なる形態とし
て、デフレクタに、短寸燃料棒の上端又は少なくとも短
寸燃料棒の上部端栓を受け入れる開口を設けることもで
きる。

【０００７】本発明による好適な実施態様では、沸騰水
型原子炉用の燃料バンドルが提供される。この燃料バン
ドルは、水減速材の存在下で核分裂反応を発生するため
に、燃料バンドル内に垂直に整列して隔設された複数の
燃料棒と、この複数の燃料棒を支持すると共に、水減速
材を通過させて複数の燃料棒の間隙へ流入させる下部タ
イプレートと、複数の燃料棒を直立し且つ間隔を空けて
互いに並んだ関係に維持すると共に、水及び蒸気が当該
燃料バンドルの頂部から排出できるようにする上部タイ
プレートと、複数の燃料棒を取り囲んでいて、複数の燃
料棒に沿って下部タイプレートから上部タイプレートま
で減速材の流れを局限する燃料チャンネルとを備える。
複数の燃料棒のうちの少なくとも１つの燃料棒は、下部
タイプレートから垂直に伸びているが上部タイプレート
に到達しないで終端している短寸燃料棒であり、該１つ
の短寸燃料棒の上端は、周囲の燃料棒に対して、該短寸
燃料棒の上方且つ上部タイプレートの下方に位置する空
間を画定している。この空間内には、横方向に隣接した
燃料棒の間隙内のボイド分率を低下させるために液体の
流れを該空間から横方向に変えて燃料棒の間隙の中へ流
れさせるための少なくとも１つのデフレクタが、前記少
なくとも１つの短寸燃料棒と実質的に垂直に整合して配
設されている。該デフレクタは、燃料バンドルの頂部を
通して短寸燃料棒にアクセスして短寸燃料棒を取り出す
ことができるように、燃料バンドルに着脱自在に固定さ
れている。

【０００８】従って、本発明の主な目的は、原子炉燃料
バンドルの蒸気ベント領域のための新規で改良されたデ
フレクタであって、熱水力学的性能を向上させながら、
同時に全寸燃料棒の周りのボイド分率を低下させ、短寸
燃料棒へのアクセス及び短寸燃料棒の取り出しを容易に
するデフレクタを提供することにある。

【０００９】

【発明を実施するための最良の形態】ここで図面、特に
図１を参照すると、燃料バンドルが包括的に参照符号Ｂ
で図示されている。燃料バンドルＢは、複数の全寸燃料
棒２０及び短寸燃料棒２２を含んでいる。全寸燃料棒２
０は、下部タイプレート１４と上部タイプレート１６と
の間の全距離にわたって伸びている。短寸燃料棒２２
は、下部タイプレート１４から伸びて、燃料バンドルＢ
内で上部タイプレート１６に到達しないで終端してい
る。燃料バンドルの長さに沿って複数のスペーサが配設
されているが、図にはスペーサＳ５とスペーサＳ６が示
されている。さらに、チャンネルＣが、全寸燃料棒及び
短寸燃料棒のマトリクス、並びにスペーサを取り巻いて
おり、燃料バンドルを貫通する液体の流れを局限する。

【００１０】短寸燃料棒は上部タイプレートに到達しな
いで終端して、短寸燃料棒と上部タイプレートとの間に
１つ又は複数の蒸気ベント空間が画定されていることが
理解されよう。例えば、各グループが４つの短寸燃料棒
２２から成る４つの短寸燃料棒グループが図１に示され
ており、これらの短寸燃料棒グループは、参照符号Ｖ１
〜Ｖ４を付した４つの蒸気ベント空間を画定している。
図１には燃料棒の１０×１０の配列が示されているが、
燃料棒の他の配列、例えば９×９の配列を本発明に用い
得ること、及び短寸燃料棒と全寸燃料棒とをその他の形
式で組み合わせて燃料バンドル内部の様々な位置に配設
し得ることがわかるだろう。加えて、図１では、デフレ
クタＤがそれぞれの短寸燃料棒グループの上方の、燃料
バンドル内の横方向および軸方向位置に配置されるもの
として示されている。しかしながら、例えば短寸燃料棒
が燃料バンドルの中央部にのみ配設されている図３及び
図４の実施例に示すように中央の位置に、燃料バンドル
内に単一のデフレクタＤ又は一連のデフレクタを用い得
ることが理解されよう。

【００１１】図１及び図２に示すように、短寸燃料棒を
４つずつの短寸燃料棒から成るグループにわけて配設
し、これらの短寸燃料棒グループの上端の上方にデフレ
クタＤをそれぞれ配置することができる。また、図３乃
至図５に示すように、短寸燃料棒２０を、例えば４×４
の配列として燃料バンドル内の中央に配設し、周囲の燃
料棒を短寸燃料棒２０の周りに対称に配設することもで
きる。短寸燃料棒グループの上方の各々の蒸気ベント領
域Ｖは、核物質の存在しない領域であると共に、燃料バ
ンドル内の蒸気を上向きに排出して、例えば発電用ター
ビンを駆動するために燃料バンドルから流出させるため
の空間を形成する。

【００１２】臨界出力を改良するには、全寸燃料棒の間
隙に高密度の液体を保持すればよく、特に短寸燃料棒の
上端の上方の領域を含む核燃料バンドルの上部二相領域
の中の全寸燃料棒の間隙に高密度の液体を保持すればよ
いことが理解されよう。従って、燃料バンドル内の上向
きに流れる液体を全寸燃料棒の間隙に流入するように方
向変更させながら、同時に蒸気が燃料バンドルから排出
される経路を提供することが望ましい。これを達成する
ために、短寸燃料棒を用いる燃料バンドルにおいて、図
１乃至図５に示すように短寸燃料棒２２の上端の上方に
デフレクタＤを配置する。図３及び図５かからわかるよ
うに、短寸燃料棒は、あるスペーサ、例えばスペーサＳ
５で支持されて、そのスペーサのわずかに上方で終端し
ている。デフレクタＤは、短寸燃料棒２２の間隙内を上
向きに通過する液体を全寸燃料棒の間隙に向かって横方
向外向きに方向変更させるために短寸燃料棒２２の上端
の直ぐ上と、短寸燃料棒２２の上端の上方の複数の分布
した位置とに配置することができる。液体を横方向に方
向変更させることにより、液体は全寸燃料棒の間隙空間
内に留まる傾向を有するようになり、他方、より密度の
低い蒸気は全寸燃料棒の間隙空間からデフレクタＤの上
方の蒸気ベント領域Ｖへ流れ、そして上向きに流れて燃
料バンドルから流出することができる。燃料バンドル内
にデフレクタＤを位置決めするために、スペーサＳ５上
にクリップ２４を設けて、液体を横方向外向きに方向変
更するようにデフレクタＤを所定の位置に保持する。デ
フレクタＤをクリップから外して燃料バンドルから取り
外すことにより、短寸燃料棒２２に自由にアクセスする
ことができる。デフレクタをスペーサによってのみ着脱
自在に支持することもできるが、構造用支持ロッド３２
によって上部タイプレート１６からデフレクタ３０を支
持することもできる。この方式では、デフレクタを、上
部タイプレート中の対応する形に作られた開口を通して
引き出して、短寸燃料棒にアクセスすることができる。
デフレクタ３０はまた、デフレクタをスペーサに着脱自
在に固定するクリップと支持ロッド３２との組合せによ
って、着脱自在に支持することもできる。

【００１３】図１及び図２に示すように、デフレクタＤ
は、各グループの短寸燃料棒２２の上端を覆うように配
置された平坦な板Ｐ１〜Ｐ４で構成し得る。これらのデ
フレクタ板Ｐ１〜Ｐ４は同様に、短寸燃料棒の間隙から
流出する流体を全寸燃料棒の間隙に向かって横方向外向
きに方向変更する。ここで図６及び図７を参照して説明
すると、デフレクタＤは平坦な板以外の構成にすること
ができ、特に、圧力低下を最小限に抑えると共に液体方
向変更の有効性を向上させる構成にすることができる。
例えば図６及び図７では、全体的に倒立した角錐形の形
状のデフレクタ３０が、短寸燃料棒２２の上端の上方の
蒸気ベント空間Ｖに配置されている。周囲の全寸燃料棒
の境界内に画定されている蒸気ベント空間Ｖが実質的に
４つの側面を有しており、従って、角錐形デフレクタ３
０を倒立させて、この四角形の空間内に配置し得ること
が理解されよう。

【００１４】図８及び図９には、同様の倒立角錐形デフ
レクタ３４が示されている。しかしながら、このデフレ
クタ３４は、垂直軸の周りに約４５°（図６及び図７の
デフレクタと比較して）回転しており、平坦な三角形の
側面が直線的な形状の蒸気ベント空間Ｖの各コーナに対
向して配置されている。こうして、デフレクタ３４の全
体的に三角形の形状をした表面は、その底辺から上向き
に伸ばされて、蒸気ベント空間Ｖのコーナ区域を充填
し、これにより、デフレクタ３４の水平投影区域（面
積）は、蒸気ベント経路の水平方向の四角形の区域（面
積）と実質的に同一の広がりを有する。短寸燃料棒２２
の間隙から上向きに流れる液体は、これにより、倒立型
デフレクタ３４の平坦な側面によって全寸燃料棒２０間
の空間（間隙）へ方向変更されて、その領域において高
密度の液体を保持する。この場合も、デフレクタ３４を
上部タイプレートから垂下したロッド３６によって支持
することができ、デフレクタは、上部タイプレートを通
して容易に取り外しのできる例えばクリップ又はばねに
よって、スペーサＳに対してセンタリングされる。

【００１５】図１０及び図１１には、全体的に倒立円錐
形のデフレクタ４０が示されいる。このデフレクタ４０
は、前記の実施例と同様に、上部タイプレートからの構
造用支持ロッド４２によって支持されていると共に、ス
ペーサによってセンタリングされている。蒸気ベント空
間は断面形状が正方形であるので、倒立円錐形デフレク
タ４０は、図示したように蒸気ベント空間の各コーナに
向かって上向きに伸びることがわかる。即ち、デフレク
タ４０の円錐形状をした表面は、その全円底辺（蒸気ベ
ント空間の幅に対応した直径を有している）から上向き
に伸ばされて、蒸気ベント空間Ｖのコーナ区域を充填
し、これにより、デフレクタ４０の水平投影区域は、蒸
気ベント空間の四角形の区域と実質的に同一の広がりを
有する。この倒立円錐形デフレクタによって、全寸燃料
棒の間隙に向かって液体を実質的に均一に分配すること
ができる。

【００１６】図１２乃至図１４には、８個の側面を有す
る８角錐形状のデフレクタ５０が示されている。この構
造では、８角錐形デフレクタの平坦な区域（側面）５４
のうちの４つは、蒸気ベント空間のそれぞれ４つのコー
ナに対向して配設して、角錐の底辺を超えて上向きに伸
ばし、もって蒸気ベント空間の全断面積がデフレクタ５
０の各部分によって占有されるようにすることができ
る。従って、デフレクタ５０によって提供される水平投
影区域は、蒸気ベント空間の水平方向の四角な区域と実
質的に同一の広がりを有している。

【００１７】図１５を参照すると、倒立角錐形又は倒立
円錐形デフレクタ６０に、短寸燃料棒に整合する開口が
設けられている。この形態では、倒立角錐形デフレクタ
は、それぞれの整合開口を貫通して短寸燃料棒を受け入
れることにより、短寸燃料棒の上端よりも下方の位置に
配設される。その結果、上向きに流れる液体は、短寸燃
料棒の上端の高さに到達する前に、短寸燃料棒の間隙か
ら外向きに、全寸燃料棒の間隙に向かって方向変更され
る。

【００１８】図１６を参照すると、図１５に示したデフ
レクタ６０を覆うカバー又は蓋７０が設けられている。
このカバーは、倒立型デフレクタに対して対称の形態に
ある。例えば、倒立角錐形デフレクタ６０は、形状に関
してこのデフレクタ６０と対応する直立した角錐を備え
ており、これにより、デフレクタの圧力低下を抑えるの
を助けることができる。

【００１９】図１７には、渦型デフレクタが示されてい
る。この構造では、渦生成部分７０が、１つ又は複数の
スペーサの直上に配置されていると共に短寸燃料棒２２
の上方に位置している。燃料バンドルの上端を通して渦
型デフレクタを着脱するために、この場合にも支持ロッ
ド７４が設けられている。デフレクタのすべての形態に
おいて、デフレクタは、燃料バンドルから取り出すこと
ができ、そうでなかったとしても、短寸燃料棒へアクセ
スすること、及び燃料バンドルから短寸燃料棒を取り出
すことを可能にするような位置に取り外すことができ
る。

【００２０】現時点で最も実用的で好適な実施例である
と考えられる事柄と関連させて本発明を記載してきた
が、本発明は、ここに開示した実施例に限定されるもの
ではなく、逆に、特許請求の範囲の要旨に包含される種
々の改変及び均等構成を網羅しているものと理解された
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明をを用いた燃料バンドルの部分的に破断
し且つ部分的に切除した斜視図である。

【図２】図１に示した燃料バンドルの上部領域から見た
水平断面図であって、燃料バンドル格子内でのデフレク
タの位置を示す。

【図３】本発明のもう１つの実施態様に従って燃料バン
ドル内に配設されたデフレクタを備えた短寸燃料棒の上
方の蒸気ベント領域を示す拡大斜視図である。

【図４】図３のデフレクタの燃料バンドル内での位置を
示す断面図である。

【図５】図２に示したデフレクタの側面図である。

【図６】燃料バンドルの上部蒸気ベント領域の模式的な
側面図であって、デフレクタの更なる形態を示す。

【図７】図６の線７−７から見た図６のデフレクタの断
面図である。

【図８】本発明のデフレクタの更なる形態を示す模式的
な側面図である。

【図９】図８の線９−９から見た図８のデフレクタの断
面図である。

【図１０】本発明に従ったデフレクタの更なる形態を示
す模式的な側面図である。

【図１１】図１０の線１１−１１から見た図１０のデフ
レクタの断面図である。

【図１２】本発明の更なる実施態様のデフレクタを頂部
から見た図である。

【図１３】図１２のデフレクタの側面図である。

【図１４】図１３のデフレクタ板を４５°回転させた側
面図である。

【図１５】燃料バンドルの蒸気ベント領域の模式的な側
面図であって、本発明に従ったデフレクタの更なる形態
を示す。

【図１６】図１５に類似した図であって、本発明のデフ
レクタの更にもう１つの形態を示す側面図である。

【図１７】本発明の別の実施態様に従ってスペーサの上
方に配置された２つの渦式デフレクタと、デフレクタを
着脱するための支持ロッドとを示す側面図である。

【符号の説明】

１４ 下部タイプレート １６ 上部タイプレート ２０ 全寸燃料棒 ２２ 短寸燃料棒 ３０、３４ 倒立角錐形デフレクタ ３２、３６、４２、７４ 構造用支持ロッド ４０ 倒立円錐形デフレクタ ５０ ８角錐形デフレクタ ６０ 短寸燃料棒用の開口付きデフレクタ ７０ 渦生成部分 Ｂ 燃料バンドル Ｃ チャンネル Ｄ デフレクタ Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４ 平坦な板の形のデフレクタ Ｓ、Ｓ５、Ｓ６ スペーサ Ｖ、Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、Ｖ４ 蒸気ベント空間

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 沸騰水型原子炉用の燃料バンドルであっ
   て、 水減速材の存在下で核分裂反応を発生するために、垂直
   に整列して隔設された複数の燃料棒と、 前記燃料棒を支持すると共に、水減速材を通過させて前
   記複数の燃料棒の間隙へ流入させる下部タイプレート
   と、 前記複数の燃料棒を直立し且つ間隔を空けて互いに並ん
   だ関係に維持すると共に、水及び蒸気が当該燃料バンド
   ルの頂部から排出できるようにする上部タイプレート
   と、 前記複数の燃料棒を取り囲んでいて、前記複数の燃料棒
   に沿って前記下部タイプレートから前記上部タイプレー
   トまで減速材の流れを局限する燃料チャンネルとを備
   え、 前記燃料棒のうちの少なくとも１つの燃料棒は、前記下
   部タイプレートから垂直に伸びているが前記上部タイプ
   レートに到達しないで終端している短寸燃料棒であり、
   該１つの短寸燃料棒の上端は、周囲の前記燃料棒に対し
   て、該短寸燃料棒の上方且つ前記上部タイプレートの下
   方に位置する空間を画定しており、 前記空間内には、横方向に隣接した前記燃料棒の間隙内
   のボイド分率を低下させるために液体の流れを前記空間
   から横方向に変えて該間隙の中へ流れさせるための少な
   くとも１つのデフレクタが、前記少なくとも１つの短寸
   燃料棒と実質的に垂直に整合して配設されており、 該デフレクタは、当該燃料バンドルの頂部を通して前記
   短寸燃料棒にアクセスして前記短寸燃料棒を取り出すこ
   とができるように、当該燃料バンドルに着脱自在に固定
   されていることを特徴とする沸騰水型原子炉用の燃料バ
   ンドル。
2. 【請求項２】 前記燃料バンドルは、前記上部タイプレ
   ートに到達しないで終端した、互いに横方向に間隔を空
   けて設けられた複数の短寸燃料棒で構成された１つの短
   寸燃料棒グループを含み、該短寸燃料棒グループと前記
   上部タイプレートとの間には空間が画定されており、前
   記デフレクタが、減速材の流れを前記短寸燃料棒の上方
   の前記空間から横方向に変えるように前記短寸燃料棒グ
   ループに実質的に垂直に整合して配置されている請求項
   １に記載の燃料バンドル。
3. 【請求項３】 前記燃料バンドルは、各々が前記全寸燃
   料棒から横方向に間隔を空けて配置された少なくとも１
   つの短寸燃料棒で構成されている複数の短寸燃料棒グル
   ープを含んでおり、前記複数の短寸燃料棒グループの横
   方向の間には前記全寸燃料棒が位置していて、前記複数
   の短寸燃料棒グループと前記上部タイプレートとの間に
   複数の空間をそれぞれ画定しており、前記燃料バンドル
   は更に、減速材の流れを前記空間から横方向に方向変更
   して隣接した前記全寸燃料棒の間隙に流入させて、該間
   隙内のボイド分率を低下させるために、各々の前記短寸
   燃料棒グループ内の前記少なくとも１つの短寸燃料棒と
   実質的に垂直に整列した少なくとも１つのデフレクタを
   含んでいる請求項１に記載の燃料バンドル。
4. 【請求項４】 前記デフレクタが倒立円錐形である請求
   項１に記載の燃料バンドル。
5. 【請求項５】 前記デフレクタが倒立した多面体より成
   り、該多面体はその頂点を通る垂直軸の周りに複数の三
   角形の平坦な表面を有している請求項１に記載の燃料バ
   ンドル。
6. 【請求項６】 前記デフレクタが前記短寸燃料棒の上端
   の下方に伸びている請求項１に記載の燃料バンドル。
7. 【請求項７】 前記デフレクタが前記１つの短寸燃料棒
   の上端部を受け入れる開口を含んでおり、これにより前
   記デフレクタは、前記１つの短寸燃料棒の上端の下方に
   伸びている請求項１に記載の燃料バンドル。
8. 【請求項８】 前記デフレクタが、前記短寸燃料棒の上
   方で減速材の流れを渦にする渦形デフレクタで構成され
   ている請求項１に記載の燃料バンドル。
9. 【請求項９】 前記デフレクタは、前記燃料バンドル内
   に垂直方向に伸びていると共に、該デフレクタの水平投
   影区域が前記空間の水平方向の断面区域と実質的に同一
   の広がりを持つような形状を有している請求項１に記載
   の燃料バンドル。
10. 【請求項１０】 前記デフレクタが倒立多角錐形である
    請求項９に記載の燃料バンドル。
11. 【請求項１１】 前記デフレクタが倒立円錐形である請
    求項９に記載の燃料バンドル。
12. 【請求項１２】 前記デフレクタが、前記短寸燃料棒の
    上方で減速材の流れを渦にする渦形デフレクタで構成さ
    れている請求項９に記載の燃料バンドル。
13. 【請求項１３】 前記燃料バンドル内に前記デフレクタ
    を支持する支持体が、前記上部タイプレートから伸びて
    いる請求項１に記載の燃料バンドル。
14. 【請求項１４】 前記デフレクタが前記１つの短寸燃料
    棒の上端の上方に近接して隔たった関係に配置されてお
    り、前記空間には、燃料棒や前記燃料バンドルのその他
    の構造的部材が実質的に存在していない請求項１に記載
    の燃料バンドル。