JPH09174470A - ロボットの制御方法および装置 - Google Patents

ロボットの制御方法および装置

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JPH09174470A
JPH09174470A JP33712995A JP33712995A JPH09174470A JP H09174470 A JPH09174470 A JP H09174470A JP 33712995 A JP33712995 A JP 33712995A JP 33712995 A JP33712995 A JP 33712995A JP H09174470 A JPH09174470 A JP H09174470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロボットをコンプライアンス制御しながら、
外力とは別の能動的な動作を可能とする。 【解決手段】 産業用ロボット1のハンド2は、ワーク
4の穴21に部品3を嵌め合わせる。部品3を穴21に
挿入したとき、わずかの偏心があっても、コンプライア
ンス動作によって、挿入方向に垂直な方向にずれる変位
が可能である。部品3の先端と穴21の斜面との接触部
から、挿入位置を矯正する反力が発生するので、部品3
は変位して嵌め合いを容易に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用ロボット、
特に、外力の影響を受けてコンプライアンス動作を行わ
せるためのロボットの制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、産業用ロボットでは、高速度
かつ高精度での位置制御の実現を目的として、位置剛性
を高めるような制御が行われている。このような位置剛
性が高い状態のロボットでは、外力が加わるときに、そ
の外力に反抗して予め定めた指令位置を保持しようとす
る。たとえば、部品間のはめ合いを伴う組み立て作業を
位置剛性が高い産業用ロボットを使って行おうとする場
合、一方の部品の位置を少し変えれば容易に組み立てが
可能なときでも、そのような柔軟性のある動作を行うこ
とができない。
【0003】ロボットに外力が加わる場合に、位置剛性
を緩和し、予め定める一定の方向への逃げ追従動作を可
能とするような制御方法は、コンプライアンス動作とし
て実現されている。コンプライアンス動作についての先
行技術の1つは、たとえば特開昭58−45891に開
示されている。この先行技術では、ロボットの手首に、
専用のコンプライアンスツールを装着し、その弾力性を
利用して2つの部品を、よじれを生じることなく円滑に
嵌め合わせる動作を達成することができる。
【0004】他の先行技術は、たとえば特開昭63−1
39678に開示されている。この先行技術では、ロボ
ットのハンドに把持された一方の部品による他方の組立
部品への接触力を力センサで検出し、その力センサから
の出力によってコンプライアンス動作を達成する。さら
に他の先行技術は、たとえば特開昭60−132213
に開示されている。この先行技術では、ロボットの制御
系のパラメータを調整することによって、装置の見掛け
のスチフネスを変えるようにプログラム制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−4589
1の先行技術のように専用のコンプライアンスツールを
装着したり、特開昭63−139678の先行技術のよ
うに力センサによる接触力の検出に基づいてコンプライ
アンス動作を達成する構成では、ロボット本来の構成に
新たな構成を付加する必要があり、ロボットとしての汎
用性を損なう。
【0006】特開昭60−132213の先行技術のよ
うに、ロボットの制御系のパラメータを調整してコンプ
ライアンス動作を実現する手法では、外力を正確に検出
してコンプライアンス動作を行わせることはできず、し
たがって制御系の中に力制御系を組込むことは困難であ
る。しかも、あくまでも外力による受動的な動作であ
り、ロボットの機能を能動的に利用して動作させること
はできない。
【0007】本発明の目的は、ロボットの本来の構成を
有効に利用してコンプライアンス動作を行わせることが
可能で、しかもコンプライアンス動作中も外力とは別の
能動的な動作を行わせることができるロボットの制御方
法および装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め指定され
るロボットの手首の動作目標位置Pe および単位処理段
階当たりの移動幅wに従うロボットの制御方法であっ
て、コンプライアンス動作開始直前に、手首に装着され
たツールの初期姿勢Sおよび手首の初期位置Ps を算出
し、ロボットのベース座標系から見た移動ベクトルを、
動作目標位置Pe および初期位置Ps から算出し、ベー
ス座標系で予め定める方向を、算出された移動ベクトル
に平行とするような変換行列Qを算出しておき、コンプ
ライアンス動作中のロボットの各軸角度θ1 を検出し、
各軸角度θ1 から手首の現在位置Pr を算出し、現在位
置Pr に変換行列Qを掛けて、Q座標系での位置qPr=
Q・Pr を算出する段階と、位置qPrの前記予め定める
方向の成分に前記移動幅wを加算した位置qPr’を算出
し、ベース座標系での手首位置Pr'=Q-1qPr’と初
期姿勢Sとに基づく姿勢行列を含む位置指令値Tを算出
する段階と、位置指令値Tを逆変換し、各軸指令値を算
出した後、各軸を駆動する段階とをロボットの手首が動
作目標位置Pe に到達するまで繰返すことを特徴とする
ロボットの制御方法である。 本発明に従えば、コンプライアンス動作によって外力に
沿った動きを行うロボットのコンプライアンス動作開始
直前に、ロボットの動作指定軸に装着されたツールの初
期姿勢Sおよび初期位置Ps が算出される。また、ロボ
ットのベース座標系から見た移動ベクトルを、予め指定
される動作目標位置Pe および初期位置Ps から算出
し、ベース座標系で予め定める方向を、算出された移動
ベクトルに平行とするような変換行列Qを算出してお
く。コンプライアンス動作中は、ロボットの各軸角度θ
1 が検出され、各軸角度θ1 から手首の現在位置Pr を
算出し、現在位置Pr に変換行列Qを掛けて、Q座標系
での位置qPr=Q・Pr を算出する。Q座標系で、位置
qPrの予め定める移動方向の成分のみに移動幅wを加算
したQ座標系での位置qPr’に対応するベース座標系で
の手首の移動位置は、Pr'=Q-1qPr’として算出さ
れる。移動位置qPr’および初期姿勢Sに基づいて、コ
ンプライアンス動作を可能とする位置指令値Tが算出さ
れる。位置指令値Tを逆変換し、各軸指令値を算出する
ことによって、予め定める方向に能動的に動作させなが
ら、コンプライアンス動作が可能となる。
【0009】また本発明でコンプライアンス動作時の軸
ゲイン値は、任意に設定可能であることを特徴とする。 本発明に従えば、コンプライアンス動作時の軸ゲイン値
が任意に指定可能であるので、ゲインを小さくしてコン
プライアンスを大きくしたり、ゲインを大きくしてスチ
フネスを大きくしたりして、コンプライアンス度の調整
が可能となる。
【0010】また本発明で、コンプライアンス動作中の
移動は、検出した各軸角度θ1 が予め定める動作制限角
度を超えるとき、またはベース座標系およびツール座標
系での移動量が予め定める移動範囲を超えるときに制限
されることを特徴とする。 本発明に従えば、コンプライアンス動作中の移動範囲
は、各軸角度θ1 、またはベース座標系でのxyz方
向,ツール座標系でのxyz方向の移動量として設定す
ることができる。移動量が予め設定される移動範囲を超
えると、移動が制限されるので、ロボットに備えられて
いる安全機能をコンプライアンス動作中も活用すること
ができる。
【0011】また本発明は、コンプライアンス動作中に
重力補償演算を行い、演算結果を各軸のトルク指令値に
加算することを特徴とする。 本発明に従えば、コンプライアンス動作中に重力補償演
算を行って、演算結果を各軸のトルク指令値に加算する
ので、コンプライアンス動作中にロボットの各軸の姿勢
が変化しても、その姿勢に対応した重力補償を正確に行
うことが可能になる。重力補償のために制御系に積分器
を用いる必要がなくなるので、コンプライアンス制御と
通常制御との切換えの際に急激な動作を行う可能性を解
消させることができる。
【0012】さらに本発明は、ロボットの手首にツール
が装着され、駆動源によって駆動されるロボットの各軸
角度θ1 を軸角度検出手段によって検出し、検出した軸
角度θ1 と軸角度の指令値との偏差が零になるように駆
動源を負帰還制御するロボットの制御装置において、コ
ンプライアンス動作開始直前に、ツールの初期姿勢Sお
よび初期位置Ps を算出し、ロボットのベース座標系か
ら見た移動ベクトルを、動作目標位置Pe および初期位
置Ps から算出し、ベース座標系で予め定める方向を、
算出された移動ベクトルに平行とするような変換行列Q
を算出する第1演算手段と、コンプライアンス動作中の
ロボットの各軸角度θ1 を検出し、各軸角度θ1 から手
首の現在位置Pr を算出し、現在位置Pr に変換行列Q
を掛けて、Q座標系での位置qPr=Q・Pr を算出する
第2演算手段と、第2演算手段からの位置qPrの予め指
定される方向の成分に、予め指定される移動幅wを加算
した位置qPr’を算出し、ベース座標系での手首位置P
r'=Q-1qPr’と初期姿勢Sとに基づく姿勢行列を含
む位置指令値Tを算出する第3演算手段と、第3演算手
段の出力に応答し、位置指令値Tに基づく前記駆動源の
負帰還制御を、ロボットの手首が動作目標位置Pe に到
達するまで行う第4演算手段とを含むことを特徴とする
ロボットの制御装置である。 本発明に従えば、第1演算手段によってコンプライアン
ス動作開始直前に、ツールの初期姿勢S、初期位置Ps
、および変換行列Qが算出される。第2演算手段は、
コンプライアンス動作中のロボットの各軸角度θ1 を検
出し、Q座標系で予め定める移動方向のみに移動幅wを
加算し、対応するベース座標系の移動位置Pr'を算出
し、初期姿勢Sに基づく姿勢行列を含む位置指令値Tを
算出する。第3演算手段は、第2演算手段からの位置指
令値Tを逆変換し、各軸指令値を算出後、各軸を駆動す
る。第4演算手段は、第3演算手段の出力に応答し、位
置指令値Tに含まれる軸角度の指定値と、軸角度検出手
段によって検出される軸角度θ1 とを偏差が零になるよ
うに駆動源を負帰還制御する。第4演算手段の負帰還制
御によって、外力に沿ったコンプライアンス動作を行い
ながら、予め定める移動方向についての能動的な作業を
行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態に
用いる産業用のロボット1の構成を示す。この産業用の
ロボット1は、先端のハンド2を用いて部品3をワーク
4に挿入する作業を自動的に行う。ロボット1は、床面
5に設置されるベース6上のアーム7およびアーム8を
有し、アーム8の先端のフランジ9には、ツール装着用
アーム部10が接続される。ベース6は、床面5に垂直
な第1軸11まわりに角変位可能である。アーム7およ
びアーム8は、ベース6およびアーム7に対して、床面
5に平行な第2軸12および第3軸13まわりにそれぞ
れ角変位可能である。ツール装着用アーム部10は、ア
ーム8の中心を通る第4軸14まわりに角変位可能であ
る。ツール装着用アーム部10は、第5軸15および第
6軸16まわりに各変位可能な回転関節を有し、これら
によって連結されるアーム17,18,19を有する。
アーム19内には歯車機構が設けられ、第6軸16と平
行な軸線2aの延長上に手先であるハンド2が装着さ
れ、部品3を把持することができる。ハンド2によって
把持された部品3は、作業台20上に保持されるワーク
4に設けられる穴21に挿入され、嵌め合わされる。
【0014】図2は、部品3をワーク4の穴21に挿入
する過程を示す。なお、説明の便宜上、ハンド2は図示
を省略する。図2(1)では、部品3を穴21に接近さ
せる状態を示す。図2(2)では、部品3と穴21とが
偏心しているので、部品3の先端が穴21の斜面に接触
し、反力によるコンプライアンス動作に従って、挿入方
向とは異なる偏心を矯正する方向に移動する状態を示
す。図2(3)では、穴21の斜面で部品3の先端が案
内され、ワーク4の穴21内に正しく挿入されている状
態を示す。部品3とワーク4の当接面では、部品3の挿
入による押付力と反力とがつり合う位置で停止する。
【0015】図3は、ロボット1を位置制御動作および
コンプライアンス動作させるための制御系の構成を簡略
化して示す。ロボット1の各軸毎の制御回路22には、
サーボ制御回路23が接続され、さらにホスト制御回路
24が接続される。各軸毎の制御回路22は、第1〜第
6軸11〜16毎に設けられ、それらは類似の構成を有
しているので、代表として1つの制御回路22について
の説明を行う。各軸を角変位駆動する駆動源であるサー
ボモータ25には、ベースアンプと呼ぶことができる増
幅回路26から、駆動電流が与えられ、これによってサ
ーボモータ25が対応する各軸を駆動する。各軸の回転
角はエンコーダ27によって検出される。
【0016】図4はサーボ制御回路23の具体的な電気
的構成を示す。ホスト制御回路24からライン28を介
して各軸毎の位置指令値が減算手段29の一方の入力に
与えられる。エンコーダ27からの各軸の回転角を表す
信号は、ライン30から、減算手段29の他方の入力に
与えられる。減算手段29の出力は、係数器31に与え
られ、ここで位置ゲインKpで増幅され、加算手段32
に与えられる。位置ゲインKpを0または0に近い値に
すれば、コンプライアンス動作を行わせることができ
る。エンコーダ27の出力はまた、微分回路33で微分
され、係数器34で速度ゲインKvで増幅され、加算手
段32に与えられる。加算手段32の出力は、積分器3
5に与えられ、積分演算が行われる。積分器35のゲイ
ンG1は、次の第1式で示される。
【0017】
【数1】
【0018】ここでKxは定数であり、sは演算子であ
る。積分器35の出力は位相補償器36に与えられて位
相制御動作時に位相補償の演算が行われ、このゲインG
2は、次の第2式で示される。
【0019】
【数2】
【0020】ここでαは定数である。位相補償器36の
出力は、もう1つの加算手段37に与えられる。加算手
段37には、エンコーダ27の出力に応答する重力補償
演算回路38からの出力がライン38aを介して与えら
れて加算され、その加算出力はライン39から各軸のト
ルク指令値として制御回路22の増幅回路26に入力さ
れる。重力補償を行うことによって、コンプライアンス
動作時は積分器35の機能を停止させても、ロボットの
各アームなどが落下するのを防ぐことができる。積分器
35の機能を停止させることによって、コンプライアン
ス動作と通常動作とを切換えるときに、アームに予期し
ない急激な運動を生じさせるおそれを解消することがで
きる。
【0021】図5は、制御回路22の構成および動作を
示す。ライン39を介するサーボ制御回路23からの各
軸のトルク指令値を表す信号は、ライン39を経て増幅
回路26に与えられ、これによってサーボモータ25が
駆動される。モータ25の負荷であるアームには、参照
符41で示されるように重力が作用する。したがってモ
ータ25によって駆動されるアームなどの負荷には、重
力41による影響が加わる。その重力41による影響
は、等価的に減算手段42による引き算として表される
けれども、重力補償演算回路38の出力によってキャン
セルするように補償され、アームなどの移動が行われ
る。アームなどの慣性力43の角加速度は、積分手段4
4によって積分されることによって、角速度が求められ
る。さらに積分手段45によってその角速度を積分する
ことによって、アームなどの回転角が求められる。この
回転角は、エンコーダ27によって前述のように検出さ
れる。
【0022】次に、ベース座標系でのz軸方向に移動幅
wで移動させながら、コンプライアンス動作をさせる原
理を説明する。コンプライアンス動作を開始したときの
ツール座標系の原点位置をtPΣt(θ0)とする。ロボ
ットに外力が加わったとき、ツール座標系の原点位置が
tPΣt(θ1)に移動したとすると、次の第3式が得ら
れる。なお、括弧の右肩の「T」は、転置記号を示す。
【0023】 tPΣt(θ1)=(dtPΣt.xtPΣt.ytPΣt.zT …(3) このとき、移動方向がベースz方向なので変換行列Qに
よる座標変換は省略するが、tPΣtを変更することによ
って、z軸方向にのみ移動するようにする。x,y軸成
分の位置指令値は零とし、z軸成分の位置指令値に外力
により移動したz軸成分を与えると、次の第4式が得ら
れる。
【0024】 tPΣt.com = (0 0 dtPΣt.z+w)T …(4) 姿勢の指令値は、コンプライアンス動作開始時の初期姿
勢の値を与える。この位置と姿勢の指令値を逆変換する
ことにより、各軸の角度指令値θcom を求めることがで
きる。この角度指令値をサーボモータ25のための制御
回路22に指令することによりz軸方向へのみツール座
標系の原点が移動し、その姿勢を維持することができ
る。
【0025】図6は、より一般的な場合についての本実
施形態によるコンプライアンス動作を示す。ステップa
1から動作を開始し、ステップa2に移って各軸角度θ
0 を検出する。ステップa3では、第5式および第6式
にそれぞれ示すツール初期位置Ps およびツール初期姿
勢Sを検出し、第7式に示すようなR行列を求める。
【0026】
【数3】
【0027】ステップa4では、本件ロボット1の各制
御回路22,23,24への重力補償を開始する。ま
た、これらの制御回路22,23,24の係数器31,
34および増幅回路などのゲインを小さく変更して設定
する。たとえばツール10が装着される第6軸16の位
置ゲインKpおよび速度ゲインKvを、小さく設定し、
また積分器35のゲインKi を零とし、この積分器35
の内容を零にクリアし、さらに位相補償器36の機能を
停止する。換言すると、減算手段32の出力をそのまま
加算手段37に与えたときの状態とする。ステップa5
では、各軸移動範囲を設定する。ステップa6では、直
線動作時の移動範囲を設定する。ステップa7では、移
動幅wを指定する。次にステップa8でコンプライアン
ス動作を開始し、ステップa9で動作目標位置Pe を指
定し、ステップa10で移動ベクトルRseを算出する。
さらに次の第8式に示す変換によって移動ベクトルRse
を座標変換するとき、変換されたQ座標系で移動ベクト
ルが座標軸x’y’z’のうちの一つ、たとえばx’軸
と平行になるような変換を表す変換行列Qを算出する。
【0028】 qPse=Q・Pse …(8) ステップa11では終了のときの時間を設定し、ステッ
プa12で設定時間が経過していると判断されないとき
は、ステップa13で、第1軸11〜第6軸16につい
ての各軸角度θ1 を、次の第9式のように検出する。
【0029】 θ1 = (θJT1.1 θJT2.1 θJT3.1 θJT4.1 θJT5.1 θJT6.1T …(9) ステップa14で各軸値が設定範囲内であると判断され
るときは、ステップa15でさらに各軸角度θ1 に従っ
て、手首の現在位置Pr を算出する。次にステップa1
6に移り、次の第10式に従って、現在位置Pr をQ座
標系に変換する。
【0030】 qPr = Q・Pr …(10) ステップa17では目標位置に到達したか否かを判断す
る。すなわちステップa12と併せて、次の,のう
ちのいずれかの条件を満たしているか否かで、動作終了
を判断する。 手首の現在位置Pr が動作目標位置Pe に到達してい
るか。 動作開始後、予め設定される時間が経過したか。
【0031】ステップa18で移動量が設定範囲内であ
ると判断されるときは、ステップa19に移り、Q座標
系で、移動幅wだけ、たとえばx’方向に移動した位置
qPr’を求める。ステップa20では、Q座標系の移動
位置qPr’を次の第11式に従ってベース座標系に変更
し、ベース座標系での移動位置Pr'を算出する。
【0032】 Pr'=Q-1qPr' …(11) ステップa21では、移動位置Pr'および姿勢Sに対応
するR行列を求め、逆変換により各軸の位置指令値Tを
生成する。ステップa22では、生成された各軸の位置
指令値Tに基づいて、各軸の駆動を行う。次にステップ
a13に戻り、以下ステップa22までの動作を繰返
す。
【0033】ステップa12で設定時間経過と判断され
るときは、ステップa23でコンプライアンス動作を終
了する。ステップa14で各軸値が設定範囲内でないと
判断されるときは、ステップa24で動作を終了する。
ステップa17で目標位置到達と判断されるときは、ス
テップa25で動作を終了する。ステップa18で移動
量が設定範囲内でないと判断されるときは、ステップa
26で動作を終了する。
【0034】図7は、変換行列Qによる座標変換の状態
を簡略化して示す。初期位置Ps から動作目標位置Pe
までの移動ベクトルPseに、x軸をQ座標系に変換した
x’軸が平行になるような変換として、変換行列Qを求
める。x’y’z’のいずれか1軸に平行に変換するこ
とによって、移動幅wの加算処理が容易となる。変換行
列Qは、第7式に示したように4行×4列で表される。
このうち、第4行目を除く部分をQ’とすれば、次の第
12式が得られる。
【0035】 Q’=[n,o,a,p]T …(12) ここで、pは零ベクトルであり、n,o,aは、次の第
13、14および15式でそれぞれ表されるベクトルで
ある。
【0036】
【数4】
【0037】図8は、本発明の実施の他の形態を概略的
に示す。本実施形態では、産業用ロボット51のハンド
52が被研磨材53を把持し、研磨装置54によって研
磨する。研磨装置54では、研磨ベルト55がプーリ5
6,57間に掛け渡され、高速度で搬送される。産業用
ロボット51は、被研磨材53を設定した移動幅に比例
した一定の押圧力で研磨ベルト55に押し付ける動作
を、コンプライアンス動作を行いながら実現する。産業
用ロボット51の制御系の構成は、図3〜図5に示した
ものと同様であり、コンプライアンス動作中は積分器3
5を切っておく。研磨ベルト55からのベルト反力が変
動しても、偏差が一定となるように位置フィードバック
され、偏差量が押し付け量に比例するので、安定した研
磨作業か可能である。
【0038】以上説明したような動作は、6軸型ロボッ
トなどの多軸型ロボットや、他の形式のロボットで同様
に適用可能である。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、予め定め
る移動方向についての能動的な動作と、外力を逃がすよ
うなコンプライアンス動作による追従動作とを容易に行
うことができる。
【0040】また本発明によれば、能動的な動作による
移動方向は、外力の作用する方向と逆方向であるので、
外力の大きさに応じて、移動方向への移動の継続、停
止、移動方向と逆方向への戻りが切り換えられるような
動作を行うことが可能となる。
【0041】また本発明によれば、コンプライアンス動
作時の軸ゲイン値が任意に指定可能であるので、外力の
発生状態に応じて位置剛性とコンプライアンスとの調整
を行うことができる。
【0042】また本発明によれば、コンプライアンス動
作中でも、各軸角度θ1 やベース座標系およびツール座
標系での移動量がそれぞれ予め定める範囲内に制限され
るので、ツールを作動させてもロボット自身の動作範囲
を超えるような動作を行うことがなく、安全性や信頼性
を容易に確保することができる。
【0043】また本発明によれば、各軸のトルク指令値
には重力補償演算結果が加算されるので、コンプライア
ンス動作中に姿勢が変わっても正確に重力補償を行うこ
とができる。
【0044】さらに本発明によれば、コンプライアンス
動作開始直前に、ツールの初期姿勢S、初期位置Ps 、
および変換行列Qが算出される。コンプライアンス動作
中には、ロボットの各軸角度θ1 が検出され、各軸角度
θ1 に基づく現在位置Pr に対して、Q座標系で予め定
める移動方向のみに移動幅wが加算され、対応するベー
ス座標系での移動位置Pr'が算出され、初期姿勢Sに基
づく姿勢行列を含む位置指令値Tが算出される。位置指
令値Tに含まれる軸角度の指定値と、検出される軸角度
θ1 とを偏差が零になるように駆動源が負帰還制御され
るので、外力に沿ったコンプライアンス動作を行いなが
ら、予め定める移動方向についての能動的な作業を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の産業用ロボット1の正
面図である。
【図2】図1の部品3とワーク4との関係を示す簡略化
した断面図である。
【図3】図1の産業用ロボット1の簡略化した電気的構
成を示すブロック図である。
【図4】図3のサーボ制御回路23の具体的構成を示す
電気的回路図である。
【図5】図3の制御回路22の機能を説明するためのブ
ロック図である。
【図6】図3のサーボ制御回路21およびホスト制御回
路22の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6の動作におけるQ座標系への変換の考え方
を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の他の形態を示す簡略化した正面
図である。
【符号の説明】
1,51 産業用ロボット 2,52 ハンド 3 プロテクタ 4 パイプ 10 ツール 11 第1軸 12 第2軸 13 第3軸 14 第4軸 15 第5軸 16 第6軸 21 穴 22 制御回路 23 サーボ制御回路 24 ホスト制御回路 25 サーボモータ 26 増幅回路 27 エンコーダ 29 減算手段 31,34 係数器 32,37 加算手段 38 重力補償回路 53 被研磨材 54 研磨装置 55 研磨ベルト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め指定されるロボットの手首の動作目
    標位置Pe および単位処理段階当たりの移動幅wに従う
    ロボットの制御方法であって、 コンプライアンス動作開始直前に、手首に装着されたツ
    ールの初期姿勢Sおよび手首の初期位置Ps を算出し、 ロボットのベース座標系から見た移動ベクトルを、動作
    目標位置Pe および初期位置Ps から算出し、 ベース座標系で予め定める方向を、算出された移動ベク
    トルに平行とするような変換行列Qを算出しておき、 コンプライアンス動作中のロボットの各軸角度θ1 を検
    出し、各軸角度θ1 から手首の現在位置Pr を算出し、
    現在位置Pr に変換行列Qを掛けて、Q座標系での位置
    qPr=Q・Pr を算出する段階と、 位置qPrの前記予め定める方向の成分に前記移動幅wを
    加算した位置qPr’を算出し、ベース座標系での手首位
    置Pr'=Q-1qPr’と初期姿勢Sとに基づく姿勢行列
    を含む位置指令値Tを算出する段階と、 位置指令値Tを逆変換し、各軸指令値を算出した後、各
    軸を駆動する段階とをロボットの手首が動作目標位置P
    e に到達するまで繰返すことを特徴とするロボットの制
    御方法。
  2. 【請求項2】 コンプライアンス動作時の軸ゲイン値
    は、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1記
    載のロボットの制御方法。
  3. 【請求項3】 コンプライアンス動作中の移動は、検出
    した各軸角度θ1 が予め定める動作制限角度を超えると
    き、またはベース座標系およびツール座標系での移動量
    が予め定める移動範囲を超えるときに制限されることを
    特徴とする請求項1または2に記載のロボットの制御方
    法。
  4. 【請求項4】 コンプライアンス動作中に重力補償演算
    を行い、演算結果を各軸のトルク指令値に加算すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロボット
    の制御方法。
  5. 【請求項5】 ロボットの手首にツールが装着され、駆
    動源によって駆動されるロボットの各軸角度θ1 を軸角
    度検出手段によって検出し、検出した軸角度θ1 と軸角
    度の指令値との偏差が零になるように駆動源を負帰還制
    御するロボットの制御装置において、 コンプライアンス動作開始直前に、ツールの初期姿勢S
    および初期位置Ps を算出し、ロボットのベース座標系
    から見た移動ベクトルを、動作目標位置Pe および初期
    位置Ps から算出し、ベース座標系で予め定める方向
    を、算出された移動ベクトルに平行とするような変換行
    列Qを算出する第1演算手段と、 コンプライアンス動作中のロボットの各軸角度θ1 を検
    出し、各軸角度θ1 から手首の現在位置Pr を算出し、
    現在位置Pr に変換行列Qを掛けて、Q座標系での位置
    qPr=Q・Pr を算出する第2演算手段と、 第2演算手段からの位置qPrの予め指定される方向の成
    分に、予め指定される移動幅wを加算した位置qPr’を
    算出し、ベース座標系での手首位置Pr'=Q-1qPr’
    と初期姿勢Sとに基づく姿勢行列を含む位置指令値Tを
    算出する第3演算手段と、 第3演算手段の出力に応答し、位置指令値Tに基づく前
    記駆動源の負帰還制御を、ロボットの手首が動作目標位
    置Pe に到達するまで行う第4演算手段とを含むことを
    特徴とするロボットの制御装置。
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