JPH09166674A - 原子炉用炉心 - Google Patents

原子炉用炉心

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JPH09166674A
JPH09166674A JP7328597A JP32859795A JPH09166674A JP H09166674 A JPH09166674 A JP H09166674A JP 7328597 A JP7328597 A JP 7328597A JP 32859795 A JP32859795 A JP 32859795A JP H09166674 A JPH09166674 A JP H09166674A
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JP
Japan
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fuel
core
blanket
region
granular
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Application number
JP7328597A
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Inventor
Tsugio Yokoyama
次男 横山
Shinichiro Matsuyama
慎一郎 松山
Masaaki Iida
正明 飯田
Yasuyuki Moriki
保幸 森木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】出力分布の平坦化により燃料の最高温度を下
げ、炉心の安全性と経済性の向上を図る。 【解決手段】核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装荷さ
れた炉心燃料領域33と、この炉心燃料領域33を取り囲む
ように親物質を主成分とする軸方向ブランケット6と径
方向ブランケット7を設けた高速増殖炉用炉心におい
て、炉心燃料領域33を中心部から外側に向け低充填密度
領域34,中充填密度領域35,高充填密度領域36に区分し
て配置する。このように構成した炉心の内側は顆粒燃料
の充填密度が小さく、外側に向うに従って充填密度が大
きくなるため、核分裂反応率の領域間の差が小さく、炉
心全体の出力を同一として比較すると充填密度が一様な
場合に比較して最大出力が小さくなり、出力分布の平坦
化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顆粒燃料を使用して
出力分布を平坦化し、炉心の安全性と経済性を図ること
ができるように構成した原子炉用炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の顆粒燃料を用いた高速増殖炉用炉
心を図20により説明する。すなわち、図20に示すように
炉心1は炉心部2とブランケット部3とからなり、炉心
部2は内側炉心4と外側炉心5とからなり、ブランケッ
ト部3は軸方向ブランケット6と径方向ブランケット7
とからなっている。内側炉心4および外側炉心5は振動
充填された顆粒状の核分裂性物質を装荷した多数の炉心
燃料集合体とその外周に配置されるブランケット燃料集
合体から構成される。
【0003】炉心燃料集合体は図21および図22に示すよ
うに横断面が正六角形の筒状ラッパ管8内に多数本の燃
料要素9が支持部材10により固定され、ラッパ管8の上
端にハンドリングヘッド11が接続し、下端にエントラン
スノズル12が接続したものからなっている。なお、図21
は燃料集合体の横断面を示し、図22は図21のA−A矢視
方向に沿って切断した縦断面を示している。
【0004】燃料要素9は図23に示したように被覆管13
内の中間部に炉心燃料14と、この炉心燃料14の上部に上
部軸ブランケット15が配置され、炉心燃料14の下部に下
部軸ブランケット16と支持部材17が設置され、その下部
にガスプレナム18が設けられている。被覆管13の両端は
上部端線19と下部端線20により封止されている。
【0005】炉心燃料14は顆粒状の核分裂性物質(通常
はプルトニウム)と、顆粒状の親物質(通常は劣化ウラ
ン)が所定のプルトニウム富化度となるように均一に混
合され振動充填されている。上下部軸ブランケット15,
16は親物質のペレットからなっている。ガスプレナム18
は核分裂生成ガスによる被覆管13内の圧力上昇を防止す
るための空間である。
【0006】また、燃料の径方向の出力分布を平坦化す
ることにより、最大線出力密度を低減し、燃料の信頼性
と負荷率のより一層の向上を図ることを目的として、前
述した図20に示すように炉心部2の領域は内側炉心4お
よび外側炉心5の2領域に分けられ、外側炉心5に核分
裂性物質の富化度の高い燃料を配置している。
【0007】一方、従来の軸非均質型高速増殖炉の炉心
の垂直断面を図24により説明する。図24において炉心
は、炉心燃料部21と、この炉心燃料部21内に設けた内部
ブランケット部22と、炉心燃料部21の上下部に設けた上
部および下部軸ブランケット部23,24と、前記炉心燃料
部21および前記上下部軸ブランケット部23,24の外側に
設けた径ブランケット部25等から構成されている。
【0008】炉心燃料部21は主要核種として核燃料物質
(通常Pu)と親物質(通常U)が使用されている。内
部ブランケット部22、上部および下部の軸ブランケット
23,24および径ブランケット部25は通常劣化ウランが使
用される。
【0009】燃料集合体としては、図26(a)に示した
ように炉心燃料部21,内部ブランケット部22,上部およ
び下部の軸ブランケット部23,24を含む燃料要素28で構
成した炉心燃料集合体と、図26(b)に示したように炉
心燃料部21,上部および下部の軸ブランケット部23,24
を含む燃料要素29で構成した炉心燃料集合体および径ブ
ランケット部25のみで構成されている径ブランケット燃
料集合体がある。これらの各部分の燃料は酸化物燃料お
よび窒素物燃料の場合はペレット状のものが使用され、
また、金属燃料の場合はスラグ状のものが、使用されて
いる。
【0010】図25は図24における燃料集合体の横断面を
示している。すなわち、正六角形状の筒状ラッパ管26内
に多数本の燃料要素27が結束して組み込まれており、燃
料要素27間を冷却材が流れるように構成されている。
【0011】図26(a)は燃料集合体のラッパ管26内に
組み込まれる内部ブランケット22を有する炉心燃料要素
28の概略断面図であり、図26(b)は同じく内部ブラン
ケット22を有しない炉心燃料要素29の概略断面図であ
る。なお、図26中符号21は炉心燃料部,22は内部ブラン
ケット,23は上部軸ブランケット,24は下部軸ブランケ
ット,30は支持部材,31はガスプレナム,32は下部端栓
を示している。
【0012】これらの燃料要素28,29は前述したように
図25に示したラッパ管26内に組み込んで燃料集合体を構
成して炉心に装荷するが、これらの燃料要素間を冷却材
の液体金属ナトリウムが流れ冷却される。また、軸非均
質型炉心においては炉心燃料部のプルトニウム富化度は
通常一種類が使われている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】炉心燃料部21での出力
分布は図27に示すように、内部ブランケット部22側では
高く、軸方向および径方向共に外側方向へ行くと漸次減
少し、また、内部ブランケット部22での出力密度は炉心
燃料部21よりもかなり低い。
【0014】しかしながら、顆粒燃料を用いた高速増殖
炉の炉心では富化度領域が2領域であるため、炉心内の
出力分布は各領域内で勾配を持ち、半径方向にも軸方向
にも炉心の外側に向かって出力密度が減少する傾向があ
った。このため、炉心中心または外側炉心の最内層部に
生じる最大線出力点で燃料溶融までの温度裕度が小さ
く、安全性上の余裕が小さい課題がある。
【0015】また、この裕度を大きくしようとすると燃
料集合体の本数を増大させなければならないため、炉心
寸法が大きくなり、経済性が低下する。さらに、出力分
布に勾配があり、燃料集合体毎の出力が異なるため、燃
料集合体の出力に見合った冷却材流量を各燃料集合体毎
に配分する。これは燃料被覆管の最高温度を低減するた
めには有効であるが、しかしながら流量配分領域が分割
数が増大し、炉内構造が複雑になり、燃料交換時の炉心
運用が複雑となる等の課題がある。
【0016】従来の軸非均質型高速増殖炉の炉心ではプ
ルトニウム富化度領域が1領域であるため、炉心燃料部
21内の出力分布は勾配を持ち、半径方向にも軸方向にも
炉心の外側に向けて出力密度が図27に示したように減少
する傾向がある。
【0017】このため、内部ブランケット部22に接する
炉心燃料部21では最大線出力が発生し、その最大線出力
点では燃料溶融までの温度裕度が小さく、かつ燃料安全
性上の裕度が小さい。また、この裕度を大きくしようと
すると燃料集合体の本数を増大させ、その最大線出力を
下げなければならないため、炉心寸法が大きくなり、経
済性が低下する課題がある。
【0018】さらに、出力分布に勾配があり、燃料集合
体毎の出力が異なるため、燃料集合体の出力に見合った
冷却材流量を各集合体に配分することが、燃料被覆管の
最高温度を低減するためには有効であるが、しかしなが
ら流量配分領域の分割数が増大し、炉内構造が複雑にな
り、燃料交換時の炉心運用が複雑となる等の不利な課題
がある。
【0019】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、出力分布を目的に合わせて平坦化し、または
適切な分布を持たせ、あるいは燃料の中心温度を下げる
ことにより経済性と安全性の優れた高速増殖炉用炉心を
提供することである。
【0020】また、本発明は出力分布を目的に合わせて
平坦化し、また適切な分布を持たせて最大線出力を低減
し、燃料の中心温度を下げることにより経済性と安全性
の優れた軸非均質型原子炉用炉心を提供することであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装荷された炉心
燃料領域と、この炉心燃料領域を取り囲むように配置さ
れた親物質を主成分とする軸方向ブランケットと径方向
ブランケットからなるブランケット領域とを有する高速
増殖炉用炉心において、前記炉心燃料領域に組成の異な
る顆粒燃料を分布配置してなることを特徴とする。
【0022】請求項1に対応する発明によれば、炉心中
心付近では顆粒充填密度が小さい顆粒燃料要素を有し、
炉心周辺に向かって充填密度が大きい顆粒燃料要素から
なる。また、各々の顆粒燃料要素の軸方向充填密度分布
は炉心中心面では小さく、炉心上下面では大きい。一
方、中性子束分布は炉心中心付近では大きく、炉心周辺
では小さくなるため、中性子束分布と核分裂性物質密度
の積に比例する出力分布は炉心全領域で平坦となる。
【0023】請求項2に対応する発明は、前記炉心燃料
領域の半径方向または軸方向のうち少なくとも半径方向
内側では顆粒燃料の充填密度またはプルトニウム富化度
を小さく、外側に向けて大きくしてなることを特徴とす
る。
【0024】請求項2に対応する発明によれば、炉心中
心付近ではPu富化度が小さい顆粒燃料要素を有し、炉
心周辺に向かってPu富化度が大きい顆粒燃料要素から
なる。また、各々の顆粒燃料要素の軸方向Pu富化度分
布は炉心中心面では小さく、炉心上下面では大きい。一
方、中性子束分布は炉心中心付近では大きく、炉心周辺
では小さくなるため、中性子束分布とPu富化度の積に
比例する出力分布は炉心全領域で平坦となる。
【0025】請求項3に対応する発明は、核分裂性物質
を富化した顆粒燃料が装荷された複数本の燃料要素によ
り燃料集合体を構成し、この燃料集合体を多数本炉心内
に整列配置し、その炉心の外周にブランケット領域を配
置した高速増殖炉用炉心において、前記燃料集合体内に
組成の異なる顆粒燃料を充填した燃料要素を前記燃料集
合体のラッパ管内に配置してなることを特徴とする。
【0026】請求項3に対応する発明によれば、燃料集
合体の周辺では充填密度が大きく、内部では充填密度が
それにより小さい異なる充填密度の顆粒燃料要素を有す
る。一般に集合体の周辺は幾何学的形状の相違により燃
料要素1本当たりの流量が内部の燃料要素より大きいた
め、出力に見合った量よりも余分に流れ、そのために内
部の燃料要素の冷却剤流量が減少して被覆管温度があが
ることにつながったが、この方法では冷却材流量に見合
った燃料要素毎の出力を達成できる。
【0027】請求項4に対応する発明は、前記燃料集合
体内の半径方向内側には顆粒燃料の充填密度またはプル
トニウム富化度の小さい燃料要素を配置し、外側に向け
て顆粒燃料の充填密度またはプルトニウム富化度の大き
い顆粒燃料を充填した燃料要素を配置してなることを特
徴とする。
【0028】請求項4に対応する発明によれば、燃料集
合体の周辺ではPu富化度が大きく、内部ではPu富化
度がそれにより小さい異なるPu富化度の顆粒燃料要素
を有する。一般に集合体の周辺は幾何学的形状の相違に
より燃料要素1本当たりの流量が内部の燃料要素より大
きいため、出力に見合った量よりも余分に流れ、そのた
めに内部の燃料要素の冷却材流量が減少して被覆管温度
があがることにつながったが、この発明では冷却材流量
に見合った燃料要素毎の出力を達成できる。
【0029】請求項5に対応する発明は、核分裂性物質
を富化した顆粒燃料が装荷された複数本の燃料要素によ
り燃料集合体を構成し、この燃料集合体を多数本炉心内
に整列配置し、その炉心の外周にブランケット領域を配
置した高速増殖炉用炉心において、前記燃料集合体のう
ち、最大発熱集合体に収容された燃料要素に、組成の異
なる顆粒燃料を軸方向に分布配置してなることを特徴と
する。
【0030】請求項5に対応する発明によれば、最大発
熱集合体に、炉心中心面より下部では充填密度が大き
く、上部では充填密度がそれにより小さい異なる充填密
度領域からなる燃料要素を用いる。このため、事故時に
原子炉全出力が異常に増大した場合、燃料集合体の炉心
中心面の直下に軸方向の最大出力部が生じ、燃料が溶融
しはじめ重力落下するが、炉心下部の反応度が小さい領
域に燃料が落下するために炉は自動的に未臨界になり、
炉停止する。
【0031】請求項6に対応する発明は、前記燃料要素
の炉心燃料領域の軸方向中心から下部には充填密度、ま
たはプルトニウム富化度の大きい顆粒燃料を配置し、上
部には充填密度またはプルトニウム富化度の小さい顆粒
燃料を配置してなることを特徴とする。
【0032】請求項6に対応する発明によれば、最大発
熱集合体に、炉心中心面から下部ではPu富化度が大き
く、上部ではPu富化度がそれにより小さい異なるPu
富化度領域からなる燃料要素を用いる。このため、事故
時に原子炉全出力が異常に増大した場合、燃料集合体の
炉心中心面の直下に軸方向の最大出力部が生じ、燃料が
溶融しはじめ重力落下するが、炉心下部の反応度が小さ
い領域に燃料が落下するために原子炉は自動的に未臨界
となり、停止する。
【0033】請求項7に対応する発明は、核分裂性物質
を富化した顆粒燃料が装荷された炉心燃料領域と、この
炉心燃料領域を取り囲むように配置された劣化ウランを
主成分とする軸方向ブランケットと径方向ブランケット
からなるブランケット領域とを有する高速増殖炉用炉心
において、前記軸方向ブランケットと炉心燃料領域との
境界に、炉心燃料よりもプルトニウム富化度の小さい顆
粒燃料からなる緩衝層を設けてなることを特徴とする。
【0034】請求項7に対応する発明によれば、主にウ
ラン顆粒燃料で構成した軸ブランケット領域の炉心領域
との境界付近のみにPu顆粒を混入した顆粒燃料要素を
用いる。その結果、炉心と軸ブランケットの境界に極端
な温度差が無くなり、境界付近に低融点の核分裂生成物
が析出し難くなる。
【0035】請求項8に対応する発明は、核分裂性物質
を富化した顆粒燃料が装荷された炉心燃料領域と、この
炉心燃料領域を取り囲むように配置された軸方向ブラン
ケットと径方向ブランケットからなるブランケット領域
と、前記炉心燃料領域の中心部に配置された内部ブラン
ケットとを有する高速増殖炉用炉心において、前記内部
ブランケットと炉心燃料領域との軸方向境界に、炉心燃
料よりもプルトニウム富化度の小さい顆粒燃料からなる
緩衝層を設けてなることを特徴とする。
【0036】請求項8に対応する発明によれば、主にウ
ラン顆粒燃料で構成した内部ブランケット領域の炉心領
域との境界付近のみにPu顆粒を混入した顆粒燃料要素
を用いる。その結果、炉心と内部ブランケットの境界に
極端な温度差が無くなり、境界付近に低融点の核分裂生
成物が析出し難くなる。
【0037】請求項9に対応する発明は、前記燃料要素
に充填された組成の異なる顆粒燃料の軸方向の各領域の
境界に、多孔性物質からなる仕切部材を配設してなるこ
とを特徴とする。
【0038】請求項9に対応する発明によれば、半径方
向の中心部に空孔を有する顆粒燃料要素を用いる。その
結果、燃料中心の温度が低下し、溶融温度までの裕度が
増大する。
【0039】請求項10に対応する発明は、核分裂性物質
を富化した顆粒燃料が装荷された複数本の燃料要素を収
容した燃料集合体を多数本整列配置し、その外周にブラ
ンケット集合体を配置した高速増殖炉用炉心において、
前記燃料要素の顆粒燃料充填部の半径方向中心部に軸線
に沿う空孔を設けてなることを特徴とする。
【0040】請求項10に対応する発明によれば、燃料充
填密度またはPu富化度の異なる軸方向各領域の境界に
気体のみを透過する多孔性物質からなる仕切部材を配置
した顆粒燃料要素を用いる。この仕切部材により各領域
が区別されるために、燃料製造の振動充填時または輸送
時に振動により各領域の境界領域の組成が変動すること
を防止できる。
【0041】請求項11に対応する発明は、軸非均質型原
子炉用炉心において、内部ブランケット部を有する炉心
燃料集合体の内部ブランケット部に接する上下の炉心燃
料部のうち、全部または一部の炉心燃料部は顆粒状燃料
で構成され、さらにその上下の炉心燃料部はペレット状
またはスラグ状炉心燃料で構成された炉心燃料集合体を
有することを特徴とする。
【0042】請求項11に対応する発明によれば、軸非均
質型高速炉炉心での内部ブランケット部を有する炉心燃
料集合体において、その内部ブランケット部との境界付
近での炉心燃料部では、その着目する燃料集合体におい
て最大の線出力が発生する。そこで、その最大線出力の
発生する燃料部分に燃料密度がペレット状(酸化物燃料
および窒化物燃料使用の場合)もしくはスラグ状の燃料
(金属燃料使用の場合)の燃料密度より低い顆粒燃料を
装荷することにより、軸方向の出力分布を平坦化でき
る。
【0043】請求項12に対応する発明は、軸非均質型原
子炉用炉心において、内部ブランケット部を有しない炉
心燃料集合体のうち、径方向に内部ブランケット部を有
する炉心燃料集合体に接する全部または一部の炉心燃料
集合体の内部ブランケット部高さに相当する燃料部は顆
粒状燃料で構成され、その上下の炉心燃料はペレット状
またはスラグ状の炉心燃料で構成された炉心燃料集合体
を有することを特徴とする。
【0044】請求項12に対応する発明によれば、軸非均
質型高速炉炉心での内部ブランケットを有しない炉心燃
料集合体において、内部ブランケット部を有する炉心燃
料と接するその炉心燃料集合体では、炉心部径方向出力
密度で最大の線出力が発生する。そこで、その最大線出
力の発生するその炉心燃料集合体に燃料密度のやや低い
顆粒燃料を装荷することにより、径方向の出力分布を平
坦化できる。
【0045】請求項13に対応する発明は、軸非均質型原
子炉用炉心において、内部ブランケット部を有する炉心
燃料集合体の内部ブランケットの上下の炉心燃料部は、
炉心の軸方向外側に向けて燃料の充填密度、またはプル
トニウム富化度、あるいはマイナアクチド核種の充填密
度が大きくなるように燃料充填密度またはプルトニウム
富化度あるいはマイナアクチド核種の充填密度に分布を
持たせた顆粒燃料要素を用いることを特徴とする。
【0046】請求項13に対応する発明によれば、軸非均
質型高速炉炉心での内部ブランケット部を有する炉心燃
料集合体において、その炉心燃料部での軸方向出力密度
は、一般に炉心の外側方向に行くにつれて減少する。そ
こで、その炉心燃料集合体の炉心燃料部において、顆粒
燃料の充填密度を内部ブランケット部側を低く、炉心外
側方向へ高くすることにより、軸方向の出力分布を平坦
化できる。
【0047】その炉心燃料部での軸方向出力密度は、一
般に炉心の外側方向に行くにつれて減少する。そこで、
その炉心燃料集合体の炉心燃料部において、顆粒燃料の
Pu富化度を内部ブランケット部側を低く、炉心外側方
向へ高くすることにより、軸方向の出力分布を平坦化す
ることができる。
【0048】MA核種を含む炉心燃料部での軸方向出力
密度は、MA充填密度が一定の場合、炉心の外側方向に
行くにつれて減少する。そこで、その炉心燃料集合体の
炉心燃料部において、MA顆粒燃料の充填密度を内部ブ
ランケット部側を低く、炉心外側方向へ高くすることに
より、軸方向の出力分布を平坦化できる。
【0049】請求項14に対応する発明は、軸非均質型原
子炉用炉心において、内部ブランケット部を有しない炉
心燃料集合体は、炉心の径方向外側に向けて燃料の充填
密度、またはプルトニウム富化度、あるいはマイナアク
チド核種の充填密度が大きくなるように燃料集合体毎に
燃料の充填密度またはプルトニウム富化度あるいはマイ
ナアクチド核種の充填密度に分布を持たせた顆粒燃料要
素を用いることを特徴とする。
【0050】請求項14に対応する発明によれば、軸非均
質型高速炉炉心での内部ブランケットを有しない炉心燃
料集合体において、内部ブランケット部を有する炉心燃
料との境界でのその炉心燃料は、炉心部径方向出力密度
では最大の線出力が発生する。そこで、その最大線出力
の発生する炉心燃料集合体に充填密度の低い顆粒燃料を
装荷し、炉心外側方向へ充填密度の高い燃料を装荷する
ことにより、炉心燃料部の径方向の出力分布を平坦化で
きる。
【0051】内部ブランケット部を有する炉心燃料との
境界でのその炉心燃料は、炉心部径方向出力密度では最
大の線出力が発生する。そこで、その最大線出力の発生
する炉心燃料集合体にPu富化度の低い顆粒燃料を装荷
し、炉心外側方向へPu富化度の高い燃料を装荷するこ
とにより、炉心燃料部の径方向の出力分布を平坦化でき
る。
【0052】内部ブランケット部を有する炉心燃料と接
するその炉心燃料集合体では、MA充填密度が一定の場
合、炉心部径方向出力密度で最大の線出力が発生する。
そこで、その最大線出力の発生する炉心燃料集合体にM
A核種の充填密度の低い顆粒燃料を装荷し、炉心外側方
向へMA核種の充填密度の高い燃料を装荷することによ
り、炉心燃料部の径方向の出力分布を平坦化できる。
【0053】請求項15に対応する発明は、高速増殖炉用
炉心燃料集合体における炉心燃料部はペレット状または
スラグ状あるいは顆粒状の燃料で構成され、前記炉心燃
料部以外のTc99等の超長寿命核分裂生成物を装荷した
部分は顆粒状の燃料で構成され、この超長寿命核分裂生
成物を装荷した部分には水素化ジルコニウム等の中性子
減速材の含入率を炉心燃料部に近い部分をゼロもしくは
低くし、炉心の軸方向外側に向けて前記中性子減速材の
含入率が大きくなるように分布を持たせて炉心燃料集合
体を構成してなることを特徴とする。
【0054】請求項16に対応する発明は、高速増殖炉用
炉心に装荷する特殊燃料集合体において、ペレット状ま
たはスラグ状あるいは顆粒状の炉心燃料で構成された高
速増殖炉用炉心領域またはその外側領域に装荷したTc
99等の超長寿命核分裂生成物を有する特殊集合体の燃料
要素については水素化ジルコニウム等の中性子減速材の
含入率を炉心燃料部に近い燃料要素にはゼロもしくは低
くし、前記炉心燃料から離れた燃料要素については前記
中性子減速材の含入率が大きくなるように分布を持たせ
て特殊集合体を構成してなることを特徴とする。
【0055】請求項15および16に対応する発明によれ
ば、長寿命の核分裂生成物のTc99や、I129 を中性子
照射により他の安定な核種に変換することにより、効率
よく消滅させることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】図1により本発明に係る高速増殖
炉用炉心の第1の実施の形態を説明する。なお、図1
中、図20と同一部分には同一符号を付している。本実施
の形態の炉心1aは図20における炉心部2を核分裂性物
質を富化した顆粒燃料が装荷された炉心燃料領域33に置
き換えたことにある。すなわち、炉心燃料領域33を取り
囲むように親物質を主成分とする軸方向ブランケット6
と径方向ブランケット7を配置している。炉心燃料領域
33は中心部から低充填密度領域34,中充填密度領域35お
よび高充填密度領域36が順次区分して配置されたものか
らなっている。ここで、顆粒燃料の充填密度は低充填密
度領域34では60〜70%、中充填密度領域35では70〜80
%、高充填密度領域36では80〜90%であり、それぞれ組
成が異なっている。
【0057】つぎに本実施の形態に係る炉心の作用を説
明する。すなわち、高速増殖炉用炉心は通常運転時に炉
心燃料領域33で中性子により主に燃料内のPuが核分裂
反応して熱を発生する。中性子は炉心中心から外側に向
けて漏洩するため、中性子の分布は炉心中心で大きく、
周辺で小さくなり、燃料の充填密度が一様な場合には炉
心中心で発熱量が大きく、外側で小さくなる。
【0058】したがって、炉心全体の出力を一定に保つ
ためには炉心中心の出力を大きくする必要があるが、本
実施の形態によれば炉心の内側は充填密度が小さく、外
側に向うにしたがって充填密度を大きくしているため、
核分裂反応率の領域間の差が小さく、炉心全体の出力を
同一として比較すると、充填密度が一様な場合に比較し
て最大出力が小さくなり、炉心の出力分布を平坦化でき
る。
【0059】つぎに図2により本発明に係る高速増殖炉
用炉心の第2の実施の形態を説明する。本第2の実施の
形態の炉心1bは第1の実施の形態における炉心1aの
炉心燃料領域33の燃料充填密度領域の代りにPu富化度
領域を使用したことにある。すなわち、炉心燃料領域33
の半径方向または軸方向の内少なくとも半径方向内側で
は顆粒燃料のプルトニウム富化度を外側に向けて大きく
したことにある。図2において、符号37はプルトニウム
顆粒の量とウラン顆粒の量の比率を他の領域より小さく
した低Pu富化度領域で、この低Pu富化度領域37を包
囲して中Pu富化度領域38および高Pu富化度領域39が
順次配置されている。なお、プルトニウムの比率は低P
u富化度領域37で10〜20%、中Pu富化度領域38で20〜
25%、高Pu富化度領域39で25〜30%となっている。
【0060】つぎに本実施の形態の炉心1bの作用を説
明する。高速増殖炉の炉心は通常運転時に炉心燃料領域
33で中性子により主に燃料内のPuが核分裂反応して熱
を発生する。中性子は炉心中心から外側に向けて漏洩す
るため、中性子の分布は炉心中心で大きく、周辺で小さ
くなり、燃料のPu富化度が一様な場合には炉心中心で
発熱量が大きく、外側で小さくなる。炉心全体の出力は
一定に保たれるので、炉心中心の出力を大きくする必要
がある。
【0061】一方、本実施の形態では内側がPu富化度
が小さく、外側に向うにしたがってPu富化度が大きく
なるため、核分裂反応率の領域間の差が小さく、炉心全
体の出力を同一として比較すると、Pu富化度が一様な
場合に比較して最大出力を小さくして平坦化できる。
【0062】つぎに図3により本発明に係る第3の実施
の形態を説明する。図3は、本発明の第3の実施の形態
の高速炉炉心に装荷する燃料集合体40の横断面である。
図3に示したように本実施の形態の炉心燃料集合体40は
ラッパ管8内に燃料充填密度を小さくした多数本の低充
填密度燃料要素と、この低充填密度燃料要素41の外周側
を包囲するようにして配列した多数本の高充填密度燃料
要素42とからなっている。
【0063】つぎに実施の形態に係る燃料集合体の作用
を説明する。この炉心燃料集合体40は高充填密度燃料要
素42の周辺がラッパ管8で囲まれているが、ラッパ管40
と高充填密度燃料要素42の間に比較的大きな隙間がある
ため、高充填密度燃料要素42は内側の低充填密度燃料要
素41よりも冷却される。
【0064】一方、燃料要素の発熱量は燃料集合体内で
大きな差がないため、高充填密度燃料要素42に比較し
て、低充填密度燃料要素41は高温になり易い。燃料被覆
管温度を一定に制限値以下にするには周辺の高充填密度
燃料要素42を高出力にし、中心側の低充填密度燃料要素
41を低出力にすればよい。
【0065】本実施の形態によれば、ラッパ管8内周辺
の燃料要素を高充填密度燃料要素42とし、その他の燃料
要素を低充填密度燃料要素41とすることによって、各燃
料要素の出力と冷却材流量の比がほぼ一様になり、被覆
管の平均温度を低下させることができる。
【0066】つぎに図4により本発明に係る第4の実施
の形態を説明する。図4は、本発明の第4の実施の形態
の高速炉炉心に装荷する燃料集合体の横断面である。
【0067】本実施の形態の炉心燃料集合体40aは第3
の実施の形態における燃料要素の充填密度の代りにPu
富化度燃料要素を使用したことにある。図4において、
本実施の形態の炉心燃料集合体40aはラッパ管8内に燃
料Pu富化度を小さくした多数の低Pu富化度燃料要素
43と、この低Pu富化度燃料要素43の外周囲に配列した
多数の高Pu富化度燃料要素44とからなっている。
【0068】つぎに本実施の形態に係る集合体の作用を
説明する。炉心燃料集合体40aは周辺がラッパ管8で囲
まれているが、ラッパ管8と周辺の高Pu富化度燃料要
素44の間に比較的大きな隙間があるため、高Pu富化度
燃料要素44は一般に内側の低Pu富化度燃料要素43より
も冷却される。一方、燃料要素の発熱量は炉心燃料集合
体40a内で大きな差がないため、周辺の高Pu富化度燃
料要素44に比較して低Pu富化度燃料要素43は高温にな
り易い。
【0069】燃料被覆管温度を一定の制限値以下にする
には周辺の燃料要素を高出力にし、中心の燃料要素を低
出力にすればよいが、そのため、本実施の形態では周辺
の燃料要素に高Pu富化度燃料要素44を使用し、その他
の燃料要素に低Pu富化度燃料43を使用している。これ
によって各燃料要素の出力と冷却材流量の比がほぼ一様
になり、平均の被覆管の温度を低下させることができ
る。
【0070】つぎに図5により本発明の第5の実施の形
態を説明する。図5は、本第5の実施の形態の高速増殖
炉用炉心1cの縦断面を概略的に示しており、図1と対
応し同一部分には同一符号を付して、異なった部分のみ
説明する。すなわち、図5において、符号45は炉心1の
中央部に装荷した最大発熱燃料集合体を示しており、最
大発熱燃料集合体45は燃料要素内において充填密度を小
さくした低充填密度領域46と、炉心中心面48で区切られ
た高充填密度領域47とからなっている。
【0071】つぎに本実施の形態に係る炉心1cの作用
を説明する。最大発熱燃料集合体45は炉心1cの過出力
事故時にも一般に最大の発熱量となるが、その中でも高
充填密度領域47の炉心中心面48付近が最大発熱量を有
し、最高温度となる。過渡時に出力が増大し続けると、
この部分の燃料が溶融を始めるが下部が高充填密度領域
47であるため、炉心中心面48から下部に向けて溶融部分
が拡大し、重力落下で溶融した燃料が下部に落ち始め、
炉心中心面48から燃料がなくなって中心部に空洞ができ
るため、負の反応度が入って原子炉を自然に停止するこ
とができる。
【0072】つぎに図6により本発明の第6の実施の形
態を説明する。図6は、本第6の実施の形態の高速増殖
炉用炉心1dの縦断面を概略的に示しており、図2と対
応し同一部分には同一符号を付して異なった部分のみ説
明する。すなわち、図6において、符号45,45aは炉心
1の中央部に装荷した最大発熱燃料集合体を示してお
り、この最大発明燃料集合体45aは燃料要素内において
Pu富化度を小さくした低Pu富化度領域49と、炉心中
心面48で区切られた高Pu富化度領域50とからなってい
る。
【0073】つぎに本実施の形態に係る炉心1dの作用
を説明する。最大発熱燃料集合体45aは炉心の過出力事
故時にも一般に最大の発熱量となるが、その中でも高P
u富化度領域50の炉心中心面48付近が最大発熱量を有
し、最高温度となる。過渡時に出力が増大し続けると、
この部分が溶融を始めるが下部が高Pu富化度領域50で
あるため炉心1dの中心から下部に向かって溶融部分が
拡大し、重力落下で落ち始め、炉心中心面48から燃料が
なくなるために負の反応度が入って原子炉は自然に停止
する。
【0074】つぎに図7により本発明の第7の実施の形
態を説明する。図7は、本第7の実施の形態の高速増殖
炉用炉心1eの縦断面である。本実施の形態の炉心1e
は図7に示したように中央部の炉心領域55と、この炉心
領域55の上部に配置した上部軸ブランケット51と、下部
に配置した下部軸ブランケット52および径方向ブランケ
ット7とからなっている。上部軸ブランケット51はU顆
粒のみの外側上部軸ブランケット領域53と、Pu顆粒を
U顆粒に混入した領域でPu顆粒の比率が炉心領域55よ
り小さい内側上部軸ブランケット領域54とからなってい
る。下部軸ブランケットはU顆粒のみの外側下部軸ブラ
ンケット領域56とPu顆粒をU顆粒に混入した領域でP
u顆粒の比率が炉心領域55より小さい内側下部軸ブラン
ケット領域57とからなっている。
【0075】つぎに本実施の形態に係る炉心1eの作用
を説明する。従来、軸ブランケットにはPu顆粒が存在
しないため、炉心領域とは発熱量に大きな差があり、炉
心領域で発生し、高温により液化したセシウム等の低融
点核分裂生成物が低温の軸ブランケットとの境界付近で
析出固化し、被覆管との化学反応を生じて材質劣化を誘
起し構造健全性に悪影響を生じる恐れがある。
【0076】これに対して、本実施の形態では境界付近
にPu顆粒の混入層を配置することにより、炉心領域55
と上下部軸ブランケット51,52の領域境界の極端な温度
差が解消され、析出固化が集中しなくなり、被覆管との
反応も生じ難くなる。
【0077】つぎに図8により本発明の第8の実施の形
態を説明する。図8は、本第8の実施の形態の高速増殖
炉用炉心1fの縦断面である。図8において、55は炉心
領域、58は内部ブランケット、59はU顆粒のみの内側内
部ブランケット領域、60はPu顆粒をU顆粒に混入した
外側内部ブランケット領域で、Pu顆粒の比率は炉心領
域55より小さい領域である。
【0078】つぎに本実施の形態の炉心1fの作用を説
明する。従来、内部ブランケット58にはPu顆粒が存在
しないため、炉心領域とは発熱量に大きな差があり、炉
心領域で発生し、高温により液化したセシウム等の低融
点核分裂生成物が低温の内部ブランケットとの境界付近
で析出固化し、被覆管との化学反応を生じて構造健全性
に悪影響を生じる恐れがある。
【0079】これに対して、本実施の形態によれば、境
界付近にPu顆粒の混入層を配置することで、炉心領域
55と内外側内部ブランケット領域59,60との境界の極端
な温度差が解消され、析出固化が集中しなくなり、被覆
管との反応も生じ難くなる効果がある。
【0080】つぎに図9により本発明の第8の実施の形
態を説明する。図9は、本第9の実施の形態の高速増殖
炉用炉心に装荷する燃料集合体内に組み込む燃料要素9
aを示す縦断面である。図9において図23と同一部分は
同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0081】本実施の形態に係る燃料要素9aが従来例
の燃料要素9と異なる点は炉心燃料14の中心軸線に沿っ
て中空円柱状の空孔61を設けたことにある。この空孔61
を形成するには例えば被覆管13内に下部軸ブランケット
16を装填後、被覆管13内の中央部に円柱状の棒を挿入
し、炉心燃料14部の顆粒燃料を振動充填等により充填し
た後に、その棒を引き抜くことにより形成する。
【0082】つぎに本実施の形態における燃料集合体の
作用を説明する。燃料要素9a内の顆粒燃料は顆粒間に
形成される空隙のために熱伝導率が低く、中心温度が上
昇し易いが、空孔61を設けることにより、線出力が同一
の場合には空孔61を設けない燃料要素9に比較して中心
温度が低くなり、事故時に燃料が溶融しに難くなる効果
がある。
【0083】つぎに本発明の実施の形態を図10により説
明する。図10は、本発明の第10の実施の形態の高速増殖
炉用炉心に装荷する燃料集合体内に組み込む燃料要素9
bの縦断面を示す。図10において図23と同一部分は同一
符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0084】本実施の形態に係る燃料要素9bが従来例
の燃料要素9と異なる点は炉心燃料を第1の炉心燃料63
と、この第1の炉心燃料63の上下部に仕切部材62を介し
て第2の炉心燃料64を設けたことにある。ここで、仕切
部材62は気体状核分裂生成物を通過できるが顆粒燃料は
通過できない多孔性セラミックスあるいは金属メッシュ
等からなり、第2の炉心燃料64は第1の炉心燃料63と異
なる充填密度,Pu富化度等または組成の炉心燃料であ
る。
【0085】つぎに本実施の形態に係る燃料集合体の作
用を説明する。燃料要素内の顆粒燃料は燃料製造時には
一般に振動充填により充填するが、組成が異なった燃料
を同時に振動充填すると上下で混合して領域の別を構成
できなくなる可能性がある。そこで、仕切り部材62を組
成の異なる顆粒燃料間に配置することにより振動時の混
合を防止できるとともに、炉心運転時には気体状核分裂
生成物が通過してガスプレナム18に蓄積されるため、顆
粒燃料部の内圧の局所的上昇を防止できる。
【0086】つぎに軸非均質型原子炉用炉心について第
1の実施の形態を図11から図13により説明する。なお、
各図中、図24から図26と同一部分には同一符号を付して
重複する部分の説明は省略する。
【0087】軸非均質型原子炉炉心での中性子束は内部
ブランケットに接する付近の炉心燃料部で最大となり、
炉心燃料部の外側周辺に向かうと小さくなる。そのた
め、燃料の充填密度やPu富化度が一定の燃料では、中
性子束が最大となる炉心燃料部では出力密度が最大とな
り、中性子束が小さい周辺の炉心燃料部では出力密度は
低くなる。
【0088】この中性子束の分布を考慮して、中性子束
の大きい部分では燃料の充填密度やPu富化度を小さく
して出力密度を低くし、中性子束の小さい部分では燃料
の充填密度やPu富化度を大きくして出力密度を高く
し、炉心燃料部全体での出力分布を平坦化することがで
きる。
【0089】顆粒燃料の場合は燃料の充填密度等やPu
富化度を数多く変えて製造することはペレット状やスラ
グ状の燃料よりは比較的容易であるので、炉心燃料部で
の出力分布の平坦化はペレット状やスラグ状の燃料より
も比較的容易に達成することができる。
【0090】また、マイナアクチニド核種(MA)の場
合は、主として、Np237 の中性子捕獲により生成する
Pu238 の核分裂によりその燃料の出力密度が高くなる
ので、MAの充填密度が高い方が出力密度は高くなる。
したがって、出力密度の低い炉心燃料部外側領域に対し
てMAの充填密度を高くすることにより出力分布を平坦
化することができる。
【0091】図11(a)は内部ブランケット部22を有す
る炉心燃料集合体において、その内部ブランケット部22
との境界付近での炉心燃料部21にペレット状やスラグ状
の燃料の密度よりも充填密度の低い顆粒燃料65を装荷し
たものである。図11(b)は内部ブランケットを有しな
い炉心燃料集合体において、内部ブランケット部を有す
る炉心燃料と接する炉心燃料を、ペレット状やスラグ状
の燃料の密度よりも充填密度の低い顆粒燃料65としたも
のである。
【0092】これらの顆粒燃料65を一部含む炉心燃料を
装荷した炉心1gの構成図を図12に示した。図12に示す
ように顆粒燃料65は内部ブランケット22の外側周囲を囲
んでいる。このようにすることにより、径方向および軸
方向ともに出力分布を図13に示すように平坦化すること
ができる。
【0093】図13は炉心の出力分布図で、実線で示す従
来の炉心の出力分布と、破線で示す本発明の実施の形態
に係る炉心1gの燃料の充填密度やPu富化度を適切に
した顆粒状燃料炉心の出力分布を比較したものであり、
後者の炉心の方が出力分布が平坦化していることが認め
られる。
【0094】つぎに図14および図15により本発明に係る
軸非均質型原子炉の第2の実施の形態を説明する。内部
ブランケット部を有する炉心燃料集合体において、その
炉心燃料部での顆粒燃料の充填密度(Pu富化度は一
定)を図14に示すように内部ブランケット部側を低く、
炉心外側方向へ高くする。
【0095】すなわち、内部ブランケット部を有する炉
心燃料集合体の内部ブランケットの上下の炉心燃料部は
炉心の軸方向に向けて充填密度が大きくなるように燃料
充填密度に分布をもたせて顆粒燃料要素を構成し、ラッ
パ管内に組み込んで燃料集合体とし、炉心内に装荷す
る。
【0096】また、内部ブランケットを有しない炉心燃
料集合体において、内部ブランケット部を有する炉心燃
料との境界での炉心燃料集合体に充填密度(Pu富化度
は一定)の低い顆粒燃料を装荷し、炉心外側方向へ充填
密度の高い燃料を図15のように装荷する。
【0097】すなわち、内部ブランケットを有しない炉
心燃料集合体は炉心の径方向外側に向けて充填密度が大
きくなるように燃料集合体毎に燃料充填密度に分布をも
たせた顆粒燃料要素を構成し、ラッパ管内に組み込んで
燃料集合体とし、炉心内に装荷する。しかして、本実施
の形態によれば、炉心燃料部の径方向および軸方向の出
力分布を図13に示すように平坦化することができる。
【0098】つぎに図14および図15により本発明に係る
軸非均質型原子炉の第3の実施の形態を説明する。内部
ブランケット部を有する炉心燃料集合体において、その
炉心燃料部での顆粒燃料のPu富化度(燃料の充填密度
は一定)を図14に示すように内部ブランケット部側を低
く、炉心外側方向へ高くする。
【0099】すなわち、内部ブランケット部を有する炉
心燃料集合体の炉心燃料部は炉心の軸方向外側に向けて
Pu富化度が大きくなるようにPu富化度に分布をもた
せて顆粒燃料要素を構成し、ラッパ管内に組み込んで燃
料集合体とし、炉心内に装荷する。
【0100】また、内部ブランケットを有しない炉心燃
料集合体において、内部ブランケット部を有する炉心燃
料との境界での炉心燃料集合体にPu富化度(燃料の充
填密度は一定)の低い顆粒燃料を装荷し、炉心外側方向
へPu富化度の高い燃料を図15のように装荷する。しか
して、本実施の形態によれば、炉心燃料部の径方向およ
び軸方向の出力分布を図13に示すように平坦化すること
ができる。
【0101】つぎに図14および図15により本発明に係る
軸非均質型原子炉の第4の実施の形態を説明する。内部
ブランケット部を有する炉心燃料集合体において、その
炉心燃料部での顆粒燃料のMA含入率(燃料の充填密度
は一定)を図14に示すように内部ブランケット部側を低
く、炉心外側へ高くする。
【0102】すなわち、内部ブランケット部を有する炉
心燃料集合体の炉心部は炉心の軸方向外側に向けてMA
核種の充填密度が大きくなるようにMA核種の充填密度
に分布をもたせて顆粒燃料要素を構成し、ラッパ管内に
組み込んで燃料集合体とし、炉心内に装荷する。MA核
種はマイナーアクチニドの略称でNp,Am,Cm等を
指している。
【0103】また、内部ブランケットを有しない炉心燃
料集合体において、内部ブランケット部を有する炉心燃
料との境界での炉心燃料集合体にMA含入率(燃料の充
填密度は一定)の低い顆粒燃料を装荷し、炉心外側方向
へMA含入率の高い燃料を図15のように装荷する。
【0104】すなわち、内部ブランケット部を有しない
炉心燃料集合体は炉心の径方向外側に向けてMA核種の
充填密度が大きくなるように燃料集合体毎にMAの充填
密度に分布をもたせて顆粒燃料要素を構成し、ラッパ管
内に組み込んで燃料集合体とし、炉心内に装荷する。
【0105】しかして、本実施の形態によれば、主とし
てNp237 の中性子捕獲により生成する核分裂核種のP
u238 の量はMA高含入率の方が多く、その方が出力密
度が高くなるので、炉心燃料部の径方向および軸方向の
出力分布を図13に示すように平坦化することができる。
【0106】つぎに図16および図17により本発明に係る
高速増殖炉用炉心の第11の実施の形態を説明する。本実
施の形態は高速増殖炉用高速炉の炉心燃料集合体におい
て、炉心燃料部はペレット状あるいはスラグ状もしくは
顆粒状の燃料で構成され、かつ、炉心燃料部以外のTc
99等の超長寿命核分裂生成物を装荷した部分は顆粒状の
燃料要素で構成されている。
【0107】この超長寿命核分裂生成物を装荷した部分
において、水素化ジルコニウム等の中性子減速材の含入
率を炉心燃料部に近い部分にはゼロもしくは低くし、炉
心の軸方向外側に向けて水素化ジルコニウム等の中性子
減速材の含入率が高くなるように、水素化ジルコニウム
等の中性子減速材の含入率に分布をもたせた炉心燃料集
合体を炉心内に装荷する。本実施の形態によれば、長寿
命のTc99はI129 を中性子照射により他の安定な核種
に変換することにより効率よく消滅させることができ
る。
【0108】図16はTc99等の超長寿命核分裂生成物と
水素化ジルコニウム等の中性子減速材との混合領域66を
含む高速増殖炉用炉心の概略的縦断面図を示している。
この混合領域66は図24の従来炉心での上下部軸ブランケ
ット領域23,24に相当する。この混合領域66に含まれる
Tc99等の超長寿命核分裂生成物と水素化ジルコニウム
等の中性子減速材はそれぞれ顆粒状になっている。
【0109】それらの含入率は図17に示したように、水
素化ジルコニウムでは炉心燃料部に近い部分にはゼロも
しくは低くし、炉心の外側軸方向に向けて水素化ジルコ
ニウムの含入率が高い。顆粒状の場合は水素化ジルコニ
ウムの含入率を連続的に変えることができる。
【0110】水素化ジルコニウムの含入率を炉心燃料部
に近い部分にはゼロもしくは低くとる理由は、この混合
領域に接する炉心燃料の線出力を大幅に増大させないた
めであり、水素化ジルコニウムの含入率が高いと中性子
減速能が高くなり、熱中性子束の割合が増大し、そのた
め燃料の出力密度が大幅に増大するからである。
【0111】水素化ジルコニウムの含入率を高くした場
合は、この混合領域と炉心燃料との間に核分裂断面積の
小さい劣化ウランもしくは鉄やナトリウム等の核分裂断
面積を有しない物質を入れる必要があるが、この場合で
は燃料集合体が長くなる欠点がある。
【0112】炉心の外側軸方向に向けて水素化ジルコニ
ウムの含入率を高くする理由は、中性子束は炉心から遠
くなるとそのレベルが低下しTc99の中性子吸収反応が
低下し消滅効率が悪くなるが、これを補うために、この
混合領域での中性子スペクトルを軟らかくし、低エネル
ギーで占める割合を増加することにより、Tc99の実効
吸収面積を大きくし消滅効率を高めることができる。
【0113】水素化ジルコニウムの含入率を高くすると
Tc99の含入率は減少するが、水素化ジルコニウムは中
性子減速能が大きく、わずかな含入率でもTc99の実効
吸収断面積を大きくできる効率の良い中性子減速材であ
るので、Tc99を装荷した燃料要素内に水素化ジルコニ
ウムを混入させることはTc99の消滅効率を高めること
ができる。なお、炉心燃料部での燃料形態はペレット状
でも顆粒でもよく、また、炉心は軸非均質型炉心でも均
質型炉心でもよい。
【0114】本実施の形態はペレット状またはスラグ状
あるいは顆粒状の炉心燃料で構成された高速増殖炉の炉
心領域もしくはその外側領域に装荷したTc99等の超長
寿命核分裂生成物を有する特殊集合体の構成燃料要素に
おいて、水素化ジルコニウム等の中性子減速材の含入率
を炉心燃料に近い燃料要素にはゼロもしくは低くし、炉
心燃料から離れた燃料要素では水素化ジルコニウム等の
中性子減速材の含入率が高くなるように、特殊集合体内
の構成燃料要素において水素化ジルコニウム等の中性子
減速材の含入率に分布を持たせた特殊集合体を構成し、
炉心内に装荷する。本実施の形態によれば長寿命のTc
99やI129 を中性子照射により他の安全な核種に変換す
ることにより効率よく消滅させることができる。
【0115】つぎに図18および図19により本発明に係る
高速増殖炉用炉心の第12の実施の形態を説明する。図18
に示すように、高速炉の炉心領域もしくはその外側領域
にTc99等の超長寿命核分裂生成物を有する特殊集合体
67を装荷する。この特殊集合体67は図19に示すように六
角形状のラッパ管26内にTc99のみが入っている燃料要
素68と、中性子減速材として顆粒状のTc99と水素化ジ
ルコニウム(ZrH2 )が混合した燃料要素69とを組み
込んでいる。
【0116】この特殊集合体内の燃料要素において、水
素化ジルコニウムの含入率は炉心燃料集合体に接する特
殊集合体内の燃料要素にはゼロもしくは低くし、特殊集
合体の中心(特殊集合体が炉心領域に装荷された場合)
もしくは炉心燃料から離れる(特殊集合体が径ブランケ
ット領域に装荷された場合)に従い水素化ジルコニウム
が含入率が高い。水素化ジルコニウムの含入率は、これ
らが顆粒状の場合には燃料要素毎に比較的容易に変える
ことができる。
【0117】水素化ジルコニウムの含入率を炉心燃料集
合体に接する特殊集合体内燃料要素において、ゼロまた
は低くとる理由は、この混合領域に接する炉心燃料の線
出力を大幅に増大させないためであり、また水素化ジル
コニウムの含入率が高いと中性子減速能が高くなり、熱
中性子束の割合が増大し、そのため炉心燃料の出力密度
が大幅に増大するからである。
【0118】水素化ジルコニウムの含入率を高くした場
合は、この特殊集合体と炉心燃料集合体との間に核分裂
断面積の小さい劣化ウランもしくは鉄やナトリウム等の
核分裂断面積を有しない物質を有する集合体を入れる必
要があるが、この場合では炉心サイズが大きくなること
の欠点がある。
【0119】特殊集合体の中心(特殊集合体が炉心領域
に装荷された場合)または炉心燃料から離れる(特殊集
合体が径ブランケット領域に装荷された場合)に従い水
素化ジルコニウムの含入率を高くする理由は、中性子束
は炉心燃料から遠くなるとそのレベルが低下しTc99の
中性子吸収反応が低下し消滅効率が低下する。
【0120】これを補うために、混合領域での中性子ス
ペクトルを軟らかくし、低エネルギーで占める割合を増
加することにより、Tc99の実効吸収断面積を大きくし
消滅効率を高めることができる。
【0121】水素化ジルコニウムの含入率を高くすると
Tc99の含入率は減少するが、水素化ジルコニウムは中
性子減速能が大きく、わずかな含入率でもTc99の実効
吸収断面積を大きくできる効率の良い中性子減速材であ
るので、Tc99装荷ピンの中に水素化ジルコニウムを混
入させることはTc99の消滅効率を高めることができ
る。なお、炉心燃料部での燃料形態はペレット状でも顆
粒状でもよく、また、炉心は軸非均質型炉心でも均質型
炉心でもよい。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、顆粒燃料を用いた高速
増殖炉における炉心の出力分布の平坦化が達成できる。
また、燃料の溶融が生じ難くなり、燃料被覆管最高温度
を低減でき、過出力事故時の炉停止が受動的に行われ
る。さらに、燃料要素の構成が容易となり、燃料被覆管
の健全性が向上する。これらの結果、炉心のコンパクト
化、炉心冷却材の配分の簡素化および燃料の寿命延長に
よる経済性の向上および安全性の向上が達成できる。
【0123】また、核分裂生成物を装荷した燃料要素に
水素化ジルコニウムを適切に混入させることにより、T
c99等の超長寿命の核分裂生成物を炉心構成および炉心
特性に悪影響を与えることなく効率よく消滅させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第1の実施の
形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図2】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第2の実施の
形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図3】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第3の実施の
形態における燃料集合体を示す横断面図。
【図4】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第4の実施の
形態における燃料集合体を示す横断面図。
【図5】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第5の実施の
形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図6】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第6の実施の
形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図7】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第7の実施の
形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図8】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第8の実施の
形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図9】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第9の実施の
形態における燃料要素を示す縦断面図。
【図10】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第10の実施
の形態における燃料要素を示す縦断面図。
【図11】(a)は本発明に係る軸非均質型原子炉の第
1の実施の形態における燃料要素を概略的に示す縦断面
図、(b)は(a)における燃料要素の他の例を示す縦
断面図。
【図12】本発明に係る軸非均質型原子炉の第1の実施
の形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図13】本発明の実施の形態と従来例との出力密度分
布を比較して示す出力分布図。
【図14】本発明に係る軸非均質型原子炉の第2から第
4の実施の形態における顆粒燃料の充填密度、Pu富化
度およびMAの含入率の炉心中心での軸方向分布図。
【図15】図14と同じく炉心中心面での径方向分布図。
【図16】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第11の実施
の形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図17】図16における中性子吸収材の含入率を示す軸
方向分布図。
【図18】本発明に係る高速増殖炉用炉心の第12の実施
の形態における炉心を概略的に示す縦断面図。
【図19】図18における燃料集合体を示す横断面図。
【図20】従来の高速増殖炉用炉心の1例を概略的に示
す縦断面図。
【図21】図20における燃料集合体を示す横断面図。
【図22】図21におけるA−A矢視方向を切断し縮少し
て示す縦断面図。
【図23】図21における燃料要素を示す縦断面図。
【図24】従来の軸非均質型原子炉用炉心の1例を概略
的に示す縦断面図。
【図25】図24における燃料集合体を示す横断面図。
【図26】(a)は図25における燃料要素を概略的に示
す縦断面図、(b)は(a)の他の例を示す縦断面図。
【図27】図24における炉心の出力分布特性図。
【符号の説明】
1,1a〜1g…炉心、2…炉心部、3…ブランケット
部、4…内側炉心、5…外側炉心、6…軸方向ブランケ
ット、7…径方向ブランケット、8…ラッパ管、9,9
a,9b…燃料要素、10…支持部材、11…ハンドリング
ヘッド、12…エントランスノズル、13…被覆管、14…炉
心燃料、15…上部軸ブランケット、16…下部軸ブランケ
ット、17…支持部材、18…ガスプレナム、19…上部端
栓、20…下部端栓、21…炉心燃料部、22…内部ブランケ
ット、23…上部軸ブランケット、24…下部軸ブランケッ
ト、25…径ブランケット、26…ラッパ管、27…燃料要
素、28…内部ブランケットを有する炉心燃料要素、29…
内部ブランケットを有しない炉心燃料要素、30…支持部
材、31…ガスプレナム、32…下部端栓、33…炉心燃料領
域、34…低充填密度領域、35…中充填密度領域、36…高
充填密度領域、37…低Pu富化度領域、38…中Pu富化
度領域、39…高Pu富化度領域、40,40a…炉心燃料集
合体、41…低充填密度燃料要素、42…高充填密度燃料要
素、43…低Pu富化度燃料要素、44…高Pu富化度燃料
要素、45,45a…最大発熱燃料集合体、46…低充填密度
領域、47…高充填密度領域、48…炉心中心面、49…低P
u富化度領域、50…高Pu富化度領域、51…上部軸ブラ
ンケット、52…下部軸ブランケット、53…外側上部軸ブ
ランケット領域、54…内側上部軸ブランケット領域、55
…炉心領域、56…外側下部軸ブランケット領域、57…内
側下部軸ブランケット領域、58…内部ブランケット、59
…内側内部ブランケット領域、60…外側内部ブランケッ
ト領域、61…空孔、62…仕切部材、63…第1の炉心燃
料、64…第2の炉心燃料、65…充填密度の低い顆粒燃
料、66…Tc99とZrH2 との混合領域、67…Tc99含
入特殊集合体、68…Tc99のみが入っている燃料要素、
69…Tc99とZrH2 が混合している燃料要素。
フロントページの続き (72)発明者 森木 保幸 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装荷
    された炉心燃料領域と、この炉心燃料領域を取り囲むよ
    うに配置された親物質を主成分とする軸方向ブランケッ
    トと径方向ブランケットからなるブランケット領域とを
    有する高速増殖炉用炉心において、前記炉心燃料領域に
    組成の異なる顆粒燃料を分布配置してなることを特徴と
    する原子炉用炉心。
  2. 【請求項2】 前記炉心燃料領域の半径方向または軸方
    向のうち少なくとも半径方向内側では顆粒燃料の充填密
    度またはプルトニウム富化度を小さく、外側に向けて大
    きくしてなることを特徴とする請求項1記載の原子炉用
    炉心。
  3. 【請求項3】 核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装荷
    された複数本の燃料要素により燃料集合体を構成し、こ
    の燃料集合体を多数本炉心内に整列配置し、その炉心の
    外周にブランケット領域を配置した高速増殖炉用炉心に
    おいて、前記燃料集合体内に組成の異なる顆粒燃料を充
    填した燃料要素を前記燃料集合体のラッパ管内に配置し
    てなることを特徴とする原子炉用炉心。
  4. 【請求項4】 前記燃料集合体内の半径方向内側には顆
    粒燃料の充填密度またはプルトニウム富化度の小さい燃
    料要素を配置し、外側に向けて顆粒燃料の充填密度また
    はプルトニウム富化度の大きい顆粒燃料を充填した燃料
    要素を配置してなることを特徴とする請求項3記載の原
    子炉用炉心。
  5. 【請求項5】 核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装荷
    された複数本の燃料要素により燃料集合体を構成し、こ
    の燃料集合体を多数本炉心内に整列配置し、その炉心の
    外周にブランケット領域を配置した高速増殖炉用炉心に
    おいて、前記燃料集合体のうち、最大発熱集合体に収容
    された燃料要素に、組成の異なる顆粒燃料を軸方向に分
    布配置してなることを特徴とする原子炉用炉心。
  6. 【請求項6】 前記燃料要素の炉心燃料領域の軸方向中
    心から下部には充填密度、またはプルトニウム富化度の
    大きい顆粒燃料を配置し、上部には充填密度またはプル
    トニウム富化度の小さい顆粒燃料を配置してなることを
    特徴とする請求項5記載の原子炉用炉心。
  7. 【請求項7】 核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装荷
    された炉心燃料領域と、この炉心燃料領域を取り囲むよ
    うに配置された劣化ウランを主成分とする軸方向ブラン
    ケットと径方向ブランケットからなるブランケット領域
    とを有する高速増殖炉用炉心において、前記軸方向ブラ
    ンケットと炉心燃料領域との境界に、炉心燃料よりもプ
    ルトニウム富化度の小さい顆粒燃料からなる緩衝層を設
    けてなることを特徴とする原子炉用炉心。
  8. 【請求項8】 核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装荷
    された炉心燃料領域と、この炉心燃料領域を取り囲むよ
    うに配置された軸方向ブランケットと径方向ブランケッ
    トからなるブランケット領域と、前記炉心燃料領域の中
    心部に配置された内部ブランケットとを有する高速増殖
    炉用炉心において、前記内部ブランケットと炉心燃料領
    域との軸方向境界に、炉心燃料よりもプルトニウム富化
    度の小さい顆粒燃料からなる緩衝層を設けてなることを
    特徴とする原子炉用炉心。
  9. 【請求項9】 前記燃料要素に充填された組成の異なる
    顆粒燃料の軸方向の各領域の境界に、多孔性物質からな
    る仕切部材を配設してなることを特徴とする請求項1乃
    至請求項8のいずれかに記載の原子炉用炉心。
  10. 【請求項10】 核分裂性物質を富化した顆粒燃料が装
    荷された複数本の燃料要素を収容した燃料集合体を多数
    本整列配置し、その外周にブランケット集合体を配置し
    た高速増殖炉用炉心において、前記燃料要素の顆粒燃料
    充填部の半径方向中心部に軸線に沿う空孔を設けてなる
    ことを特徴とする原子炉用炉心。
  11. 【請求項11】 軸非均質型原子炉用炉心において、内
    部ブランケット部を有する炉心燃料集合体の内部ブラン
    ケット部に接する上下の炉心燃料部のうち、全部または
    一部の炉心燃料部は顆粒状燃料で構成され、さらにその
    上下の炉心燃料部はペレット状またはスラグ状炉心燃料
    で構成された炉心燃料集合体を有することを特徴とする
    原子炉用炉心。
  12. 【請求項12】 軸非均質型原子炉用炉心において、内
    部ブランケット部を有しない炉心燃料集合体のうち、径
    方向に内部ブランケット部を有する炉心燃料集合体に接
    する全部または一部の炉心燃料集合体の内部ブランケッ
    ト部高さに相当する燃料部は顆粒状燃料で構成され、そ
    の上下の炉心燃料はペレット状またはスラグ状の炉心燃
    料で構成された炉心燃料集合体を有することを特徴とす
    る原子炉用炉心。
  13. 【請求項13】 軸非均質型原子炉用炉心において、内
    部ブランケット部を有する炉心燃料集合体の内部ブラン
    ケットの上下の炉心燃料部は、炉心の軸方向外側に向け
    て燃料の充填密度、またはプルトニウム富化度、あるい
    はマイナアクチド核種の充填密度が大きくなるように燃
    料充填密度またはプルトニウム富化度あるいはマイナア
    クチド核種の充填密度に分布を持たせた顆粒燃料要素を
    用いることを特徴とする原子炉用炉心。
  14. 【請求項14】 軸非均質型原子炉用炉心において、内
    部ブランケット部を有しない炉心燃料集合体は、炉心の
    径方向外側に向けて燃料の充填密度、またはプルトニウ
    ム富化度、あるいはマイナアクチド核種の充填密度が大
    きくなるように燃料集合体毎に燃料の充填密度またはプ
    ルトニウム富化度あるいはマイナアクチド核種の充填密
    度に分布を持たせた顆粒燃料要素を用いることを特徴と
    する原子炉用炉心。
  15. 【請求項15】 高速増殖炉用炉心燃料集合体における
    炉心燃料部はペレット状またはスラグ状あるいは顆粒状
    の燃料で構成され、前記炉心燃料部以外のTc99等の超
    長寿命核分裂生成物を装荷した部分は顆粒状の燃料で構
    成され、この超長寿命核分裂生成物を装荷した部分には
    水素化ジルコニウム等の中性子減速材の含入率を炉心燃
    料部に近い部分をゼロもしくは低くし、炉心の軸方向外
    側に向けて前記中性子減速材の含入率が大きくなるよう
    に分布を持たせて炉心燃料集合体を構成してなることを
    特徴とする原子炉用炉心。
  16. 【請求項16】 高速増殖炉用炉心に装荷する特殊燃料
    集合体において、ペレット状またはスラグ状あるいは顆
    粒状の炉心燃料で構成された高速増殖炉用炉心領域また
    はその外側領域に装荷したTc99等の超長寿命核分裂生
    成物を有する特殊集合体の燃料要素については水素化ジ
    ルコニウム等の中性子減速材の含入率を炉心燃料部に近
    い燃料要素にはゼロもしくは低くし、前記炉心燃料から
    離れた燃料要素については前記中性子減速材の含入率が
    大きくなるように分布を持たせて特殊集合体を構成して
    なることを特徴とする原子炉用炉心。
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