JPH09128095A - クロック信号分配装置 - Google Patents

クロック信号分配装置

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JPH09128095A
JPH09128095A JP7283298A JP28329895A JPH09128095A JP H09128095 A JPH09128095 A JP H09128095A JP 7283298 A JP7283298 A JP 7283298A JP 28329895 A JP28329895 A JP 28329895A JP H09128095 A JPH09128095 A JP H09128095A
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JP
Japan
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clock signal
signal
transmission line
clock
phase
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JP7283298A
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English (en)
Inventor
Masahiro Horioka
正宏 堀岡
Shigeaki Iwasa
繁明 岩佐
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】等長配線と同じ程度にクロックスキューの発生
を抑えるとともに、耐障害性を実現するクロック信号分
配装置を提供する。 【解決手段】基本クロック信号を発生させる発振器(3
03,304)と、この発振器が発生させた基本クロッ
ク信号に基づいて所定の波形をもつ信号を発生させる波
形変換器(310,311)とを有してなるクロック信
号出力装置(301,302)を、正相伝送路104お
よび逆相伝送路103それぞれの一端に配置して、いず
れか一方のクロック信号出力装置(301,302)に
障害が発生したときに、他方のクロック信号出力装置が
発生させる信号によって各基板へのクロック信号の分配
を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フォールト・ト
レランス機能を有する計算機に適用して好適なクロック
信号分配装置に係り、特にスキューなしのクロック信号
の分配と耐障害性とを両立させたクロック信号分配装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】同期型論理回路は、クロック信号に同期
して処理・演算を行なうもので、デジタル回路理論の順
序回路として回路設計手法が確立しており、デジタル電
子機器、すなわち電子計算機や各種の制御機器に多く用
いられている。
【0003】デジタル回路理論では、入力と内部状態と
から次の時刻の内部状態と出力とを組合せ論理回路によ
り算出し、次のクロックに同期して新たな内部状態と出
力値とを更新する。
【0004】この同期型論理回路に供給されるクロック
信号は、周波数が安定していて、位相が揃っていること
が望まれる。なぜならば、更新を完了する前にクロック
周期が到達したり、クロック信号が遅れたために次の値
の算出が間に合わなかったりすると、本来、期待してい
る内部状態と出力値とを得ることができずに、システム
が不安定となるためである。
【0005】安定した周波数は、水晶発振器を用いるこ
とで容易に実現できるが、位相はクロック分配素子の遅
延ばらつきや、配線遅延のばらつきにより変動する。ク
ロック信号の位相の変動は、「クロックスキュー」と呼
ばれる。論理回路を安定、かつ高速に動作させるために
は、このクロックスキューを最小限に抑えると共に、ク
ロックスキューを見込んだ余裕のある回路設計が必須で
ある。
【0006】クロック分配素子による遅延が大きかった
従来では、動作周波数も十分低く、配線遅延のばらつき
よりも素子遅延のばらつきの方が大きいので、駆動能力
の大きな増幅器(バッファ)を用いて、一つの配線でク
ロック信号を分配する一括駆動方式が採用されていた。
なぜならば、一括駆動方法は、一つのバッファで駆動す
ることにより、素子のばらつきに影響されず、またクロ
ック信号用の配線が1本で良いという簡便さがあるため
である。
【0007】また、クロック信号用の配線では配線遅延
が発生するが、電気信号が光速(厳密には周囲の誘電率
の影響により光速の1/2〜1/3程度)で伝播するた
め、低い動作周波数では問題とならなかった。
【0008】たとえば、信号の伝播速度を光速の1/3
(約10nsec/m)として、クロックの配線長を5
0cmとすると、駆動バッファの近傍と遠端では5ns
ecのばらつきを生じるが、周波数10MHz(クロッ
ク周期100nsec)のシステムでは5%のばらつき
であり、遅延を見込んだ余裕のある設計が可能であっ
た。
【0009】一方、信頼性が求められるフォールト・ト
レラント計算機のクロック信号については、障害が発生
した場合に備えて発振器を多重化する方法が採用されて
いる。ここで、3枚のプロセッサボードを使用して多数
決方式によりフォールトレラントを実現している計算機
のクロックの分配方法(T.B.Smith,’High Performance
Fault Tolerant Real Time Computer Architecture
’,Digest of the 16thInternational Symposium on F
ault Tolerant Computing Systems,Vienna,Austria,pp.
14-19,July 1986)を説明する。各プロセッサボード上に
発振器を用意して、3個の発振器が作ったクロックから
多数決回路と同期回路を使用して同期用のクロック信号
を3箇所で各々作成する。この3本の同期用のクロック
信号を各プロセッサボード上で多数決を取り、クロック
信号と同期を取って各基板で使用するクロック信号を得
ている。この方法では基板間のクロックスキューをなく
してフォールトトレラントの機能を実現しているが、ク
ロックボードと同期用のクロック信号を作成する基板間
の接続本数が増加し、クロック信号の同期と多数決を行
なうための回路を各プロセッサ基板上に実装する必要が
ある。
【0010】また、近年では、素子の微細化が進み、素
子の遅延が短くなり、動作周波数が高速になってきてい
る。これに伴い、素子遅延のばらつきの絶対値は小さく
なり、配線による遅延のクロック周期に占める割合が急
激に増加している。
【0011】そこで、最近、分配するクロックのバラツ
キを小さくするために、2本のクロック信号を使用する
方法も用いられてきている。クロックを7個の素子に分
配する例を図4および図5を参照して説明する。
【0012】図4に示すように、クロック入力部には2
つの波形変換器105,106があり、方形波から三角
波への変換を行なって、正相伝送路104と逆相伝送路
103とのそれぞれに供給する。正相伝送路104と逆
相伝送路103とは近接して配線されており、電気的に
も同じ長さ(同じ遅延時間)となっている。
【0013】伝送路を伝播する三角波は伝送距離に伴っ
て位相が遅れて来る。正相信号と逆相信号は各々逆方向
に伝送されているので、A地点(差動増幅器113の設
置箇所)と比較すると、B地点(差動増幅器114の設
置箇所)では正相信号が遅れているが、逆相信号は進ん
でいる。両者は同じ距離だけ伝播しているので、遅れが
打ち消しあって、波形の交点はどの地点においても同じ
位相となる。したがって、この交点を各々の地点の差動
増幅器(コンパレータ)113〜119で検出すること
で、図5に示したように、位相の揃ったクロック信号を
各素子は得ることができる。
【0014】逆相PLL107は、入力クロック信号と
同じ周波数の信号を発生し、逆方向から伝送された逆相
伝送路の終端での交点電圧が基準電圧(Vref )となる
ように位相を自動調整する。Vref は、交点電位が全て
の位置で差動増幅器の同相入力範囲に納まるように設定
する。これにより、三角波の振幅が差動増幅器の同相入
力範囲を越える場合でも実施できる。
【0015】正相PLL108は、入力信号と同じ周波
数の信号を発生し、交点の位相が入力クロック信号の位
相と一致するように自動調整する。正相PLL108
は、この図4に示したクロック信号伝送回路を、入力信
号と位相の一致したクロック信号の分配を必要とするボ
ードが存在するシステムに適用する場合に用いる(シス
テム全体へのクロック分配に用いる場合には、入力信号
との位相の一致は必要なく、正相PLL108は不要と
なる)。交点位相は全ての位置で一致するので、交点検
出用の差動増幅器はどこに置いても良いが、差動増幅器
の出力から正相PLLまでの遅延を最小にする為にクロ
ック入力部の近傍の信号を用いる。また、この機構は逆
相側で実施してもスキューなしクロック伝送回路の有効
性に変わりはない。
【0016】また、逆相伝送路へ逆方向伝送を行なうに
は、クロック信号線を環状に敷設すれば良い。しかし、
バックプレーンの様に直線状のクロック信号線や反対側
の端がクロック入力部の近傍にない場合は、迂回伝送路
を設け、反対側の端まで逆相クロック信号を伝送する。
原理的に迂回伝送路は正相・逆相伝送路と別経路に設け
ても良いが、電磁誘導の観点からは、近接して設けるこ
とが望ましい。
【0017】なお、正相・逆相の伝送路には終端抵抗を
設け、終端での反射がないように整合する。また、波形
変換器の出力インピーダンスも反射がないように伝送路
に整合する。さらに、交点検出用の差動増幅器への分岐
線路は、位相遅延と信号の乱れを最小にするために可能
な限り短くする。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】フォールト・トレラン
ト計算機で使用するクロック信号において、各基板上で
発振器をもち、各々の基板上で多数決と同期を行なって
クロック信号を得る方法を採用した場合には、基板毎に
多数決/同期用の回路が必要となりクロック信号の接続
本数も増加する。また、この方法では、基板毎に多数決
回路と同期回路が必要となり、部品点数が増加し基板コ
ストと故障率が増加する。さらに、この方法では、3枚
の基板のフォールトトレラント用のクロック分配であ
り、他の基板へのクロック信号分配は別に用意しなけれ
ばならない。
【0019】また、最近採用され始め、より多く基板へ
スキュー無しクロック信号を分配する方法として、前述
した三角波などを使用したスキュー無しクロック信号分
配方法があり、この方法を採用すれば、バックプレーン
に接続する基板間でスキューなしのクロックの分配が可
能となる。しかしながら、クロック信号の分配装置の一
部分で障害が発生すると、計算機の機能停止や誤動作の
原因となりフォールトトレラント計算機のクロックには
使用できなかった。
【0020】このため、複数の基板間でのスキューなし
クロックの分配と、フォールトトレラント計算機用のク
ロックとを簡単に実現する方法が求められていた。この
発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、一
括駆動方式と同様の簡便さでありながら、クロックスキ
ューの発生を等長配線を用いる方式と同じ程度に止める
ことを実現する耐障害性をもったクロック分配装置を提
供することを目的とする。
【0021】すなわち、この発明は、スキューなしクロ
ック信号の分配装置を使用して、正常動作時にはスキュ
ーなしクロック分配を行ない、クロック信号分配装置や
伝送路に障害が発生した場合には、クロック信号の速度
を遅くしてクロックを分配することで、クロック分配装
置の1箇所で障害が発生してもクロックの分配を続ける
ことのできる装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明は、所定の波形
をもつ信号を正相信号として伝送する正相伝送路と、こ
の正相伝送路に近接して並行に配線され、前記正相信号
と逆の方向に前記所定の波形をもつ信号を逆相信号とし
て伝送する逆相伝送路と、各基板に対応して設けられ、
前記正相伝送路を伝送する信号の電圧と前記逆相伝送路
を伝送する信号の電圧とを比較して、これらの電位が一
致する時点で出力を反転させる差動増幅器とを備え、前
記各基板にスキューなしのクロック信号を分配するクロ
ック信号分配装置において、基本クロック信号を発生さ
せる発振器と、この発振器が発生させた基本クロック信
号に基づいて前記所定の波形をもつ信号を発生させる波
形変換器とを有してなるクロック信号出力装置を前記正
相伝送路および逆相伝送路それぞれの一端に配置して、
いずれか一方のクロック信号出力装置に障害が発生した
ときに、他方のクロック信号出力装置が発生させる信号
によって前記各基板へのクロック信号の分配を継続する
ことを特徴とする。
【0023】この発明によれば、所定の波形をもつ信号
を生成して伝送路に供給するクロック信号出力装置を、
正相伝送路および逆相伝送路のそれぞれに独立して設け
たため、いずれか一方のクロック信号出力装置に障害が
発生した場合であっても、他方のクロック信号出力装置
が出力する信号によって各基板へのクロック信号の分配
を継続することができ、正常時のスキューなしのクロッ
ク信号の分配と、障害発生時の耐障害性とを両立させる
ことが可能となる。なお、このクロック信号出力装置の
波形変換器が発生させる信号の波形は、たとえば三角波
や正弦波などといった、立上がりの傾きと立ち下がりの
傾きとが等しい波形であればいずれでもよい。
【0024】また、この発明は、前記正相伝送路を伝送
する信号の電圧と前記逆相伝送路を伝送する信号の電圧
とを比較して、これらの電位が一致する時点で出力を反
転させる第1の差動増幅器と、前記正相伝送路を伝送す
る信号の電圧の電位がその中間値を上回ったとき、およ
び下回ったときに出力を反転させる第2の差動増幅器
と、前記逆相伝送路を伝送する信号の電圧の電位がその
中間値の電圧を上回ったとき、および下回ったときに出
力を反転させる第3の差動増幅器と、前記第1乃至第3
の差動増幅器が出力するクロック信号の中からいずれか
の信号を選択するセレクタとを有してなるクロック信号
受信装置を各基板に対応して設けたことを特徴とする。
【0025】すなわち、この第1乃至第3の差動増幅器
の出力をセレクタにより選択可能とすることによって、
正相伝送路および逆相伝送路のいずれかに、なんらかの
原因で伝送すべき信号が供給されていない場合であって
も、各基板へのクロック信号の分配を継続することがで
きることとなる。
【0026】また、この発明は、前記クロック信号出力
装置は、互いに他方の伝送路を伝送する信号の電圧を監
視して、この他方の伝送路を伝送する信号が検出されな
いときに、前記波形変換器に入力する基本クロック信号
の周波数を前記各基板間でスキューを含んだまま通信可
能な周波数まで低下させることを特徴とする。
【0027】したがって、正相伝送路および逆相伝送路
のいずれかに、なんらかの原因で伝送すべき信号が供給
されていない場合であっても、他方のクロック信号出力
装置が、伝送路に出力する周波数を各基板間でスキュー
を含んだまま通信可能な周波数まで低下させるために、
各基板での処理動作が保証され、システムの信頼性は確
保される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は同実施形態に係るクロック
信号分配装置の概略構成を示す図である。図1に示すよ
うに、同実施形態のクロック信号分配装置は、正相伝送
路104および逆相伝送路103の2本の伝送路を有
し、正相伝送路104の終端には正相クロック出力装置
301と終端抵抗315とが、逆相伝送路103の終端
には逆相クロック出力装置302と終端抵抗314とが
それぞれ配置されている。
【0029】また、正相クロック出力装置301は、基
本クロック信号用発振器303、分周回路305、セレ
クタ306、クロック監視装置308、および波形変換
器310を備え、逆相クロック出力装置302は、予備
クロック信号用発振器304、ディレイライン312、
差動増幅器313、セレクタ307、クロック監視装置
309、および波形変換器311を備えている。
【0030】そして、正相伝送路104および逆相伝送
路103の双方からは、クロック受信装置316〜32
2に対し信号線が導出されている。基本クロック信号用
発振器303は、スキューなしクロック伝送の基準とな
る周波数fHzの発振器である。
【0031】予備クロック信号用発振器304は、なん
らかの障害が発生した場合に予備のクロック信号を出力
するための発振器であり、ここでは周波数f/2Hzで
あるものとする。
【0032】分周回路305は、発振器303の周波数
を分周するための回路であり、ここでは2分周するもの
とする。セレクタ306,307は、クロック監視装置
308,309の出力にしたがってクロック信号を選択
する装置である。
【0033】クロック監視装置308,309は、伝送
路103,104の双方のクロック信号を監視して、ク
ロックの一定時間以上の停止を検出する回路である。デ
ィレイライン312は、正相伝送路104のクロック信
号と逆相となるクロック信号を、逆相伝送路103に出
力するために信号の遅延時間の調整を行なう装置であ
る。
【0034】差動増幅器313は、正相伝送路104と
ref 120とを入力し、差動増幅して方形波を出力す
る。終端抵抗314,315は、伝送路の反射を防ぐた
めの抵抗である。
【0035】クロック受信装置316〜322は、A〜
Gの各基板に設けられ、クロック信号を受信するための
回路である。図2は同実施形態に係るクロック受信装置
の概略構成を示す図である。
【0036】差動増幅器401は、正相伝送路104を
伝送する信号と、逆相伝送路103を伝送する信号とを
入力して、各基板間でスキューのないクロック信号を出
力する。また、差動増幅器402,403は、Vref
20と、いずれか一方の伝送路を伝送する信号とを入力
してクロック信号を出力する。
【0037】クロック制御装置404は、差動増幅器4
01,402,403の出力を監視して、セレクタ40
5からどの信号を出力するかを決定する。セレクタ40
5は、クロック制御装置404の出力にしたがって、差
動増幅器401,402,403の出力の中から基板上
のクロックとして使用する信号を出力する。
【0038】ここで、正相伝送路104および逆相伝送
路103のいずれもが正常にクロック信号を伝送してい
る場合のスキューなしクロック信号分配の動作原理につ
いて説明する。
【0039】正相クロック出力装置301は、正相伝送
路104に正相のクロック信号(ここでは三角波とす
る)を出力するための回路であり、発振器303の発振
したクロック信号がセレクタ306で選択され、波形変
換器310により三角波に変換されて正相伝送路104
に出力される。このときのセレクタ306のセレクト信
号は、クロック監視装置308によって出力されてい
る。この正相伝送路104を通ってきたクロック信号
は、逆相クロック出力装置302で受信される。この正
相のクロック信号とVref 120とを差動増幅器313
に入力し、周波数fHzの方形波を得る。そして、この
方形波をディレイライン312に入力し、正相のクロッ
ク信号と逆相のクロック信号が逆相伝送路103に出力
されるように信号を遅れさせる。ディレイライン312
を通過したクロック信号は、セレクタ307によって選
択され、波形変換器302により三角波に変換されて逆
相伝送路103に出力される。セレクタ307は、クロ
ック監視装置309の出力により決定する。このとき、
正相伝送路104と逆相伝送路103とを流れるクロッ
ク信号は、図5で示した波形と同様の波形となり、各基
板上では基板間スキューのない同期クロック信号を得る
ことができる。なお、ここでは発振器303と、A〜G
の各基板上でのクロック信号の位相とを合わせる必要が
ないので、図4で示したPLL107,108などを使
用した位相合わせの回路は不要となる。
【0040】次に、セレクタ306,307の出力する
値を決定するクロック監視装置308,309について
説明する。クロック監視装置308,309の内部はモ
ノステーブル・マルチバイブレータ(TEXAS IN
STRUMENTS社 SN74S123,SN74S
121)などの一定時間入力信号が変化しない場合に出
力が切り替わるICを使用して、各々の伝送のクロック
を監視する。伝送路103,104のクロックの監視結
果と、セレクタ306,307の出力結果との関係を図
3に示す。
【0041】図3に示されるクロック監視結果は、正相
伝送路104と逆相伝送路103とのクロック監視結果
を示すものであり、’OK’はクロック信号が検出でき
た状態、’NG’はクロック信号が検出できなかった状
態を示している。また、セレクタ出力信号は、クロック
監視回路の検出結果によりセレクタ306とセレクタ3
07とで選択されるクロック信号を示している。さら
に、動作状態は、クロック監視結果とクロック伝送回路
の現在の動作状態との関係を示している。
【0042】すなわち、クロック監視結果は、各々の伝
送路のクロック信号が検出できれば’OK’、クロック
が一定時間以上止まっていれば’NG’とし、そのとき
の各々のセレクタから出力するクロックが、どこから来
ているクロックであるかをセレクタ出力信号の欄に示さ
れ、かつ回路全体の動作状態がどのようになっているか
が示されている。
【0043】たとえば、正常動作中に、逆相伝送路10
3に関する部分(差動増幅器313、ディレイライン3
12、セレクタ307、波形変換回路311、逆相伝送
路103・終端抵抗314)のいずれかで障害が発生し
たとする。その場合には、逆相伝送路にクロック信号が
出力されなくなる。このとき、クロック監視装置30
8,309は、このクロック信号の停止を検出し、セレ
クタ306,307の出力を決定する。このとき、セレ
クタ306は分周回路305のクロック信号を出力し、
セレクタ307は何も出力しない。
【0044】クロック監視装置308,309は、各々
のクロック信号を出力する伝送路と反対の伝送路のクロ
ックを監視している。まず、逆相伝送路103のクロッ
ク信号を監視するためのクロック監視装置308は、ク
ロック信号の検出をしているときには発振器303のク
ロックを選択する信号をセレクタ306に入力する。同
様に、正相伝送路104のクロック信号を監視するため
のクロック監視装置309は、クロック信号の検出をし
ているときには差動増幅器313の出力を選択する信号
をセレクタ306に入力する。このときが、正常時の動
作である。
【0045】次に、正相伝送路104および逆相伝送路
103のいずれかで障害が発生した場合の動作原理につ
いて説明する。正常時にはスキューなしのクロックで動
作しているので、基板間の通信も容易に行なえた。しか
し、障害が発生した場合には、伝送路が1本になってい
るために、スキューなしのクロック分配はできなくなっ
てしまう。したがって、1本の伝送路を使用して分配し
たクロック信号で計算機を動作させるには、クロック周
波数を遅くする必要がある。たとえば、逆相伝送路10
3側で障害が発生した場合には、分周回路305で発振
器303の信号を2分周したものを使用する。同様に、
正相伝送路104側で障害が発生した場合には、発振器
304のクロック信号を使用する。この発振器304の
周波数は予め発振器303の2分周した周波数の発振器
を使用する。なお、ここでは、発振器303の周波数を
2分周して説明しているが、計算機がスキューを含んだ
状態で動作可能な周波数であれば良いので、分周する値
は計算機の動作する最も早い周波数になるように設定す
るのが良い。
【0046】正相伝送路104と逆相伝送路103のク
ロック信号を受信する部分は、クロック受信装置316
〜322である。このクロック受信装置316〜322
は、各々の基板上に実装されている。クロック受信装置
316〜322の内部回路は、図2に示したように、正
相伝送路104と逆相伝送路103とから2本の三角波
を受けとり、3個の差動増幅器401,402,403
で3種類のクロック信号を作り、セレクタ405で選択
したクロック信号を基板上で使用する。
【0047】まず、差動増幅器401では、2本の伝送
路の三角波により基板間スキューのないクロック信号を
出力する。差動増幅器402,403ではそれぞれの伝
送路とVref により基板間でのスキューのあるクロック
信号を得る。この3本のクロック信号はクロック制御装
置404とセレクタ405とに入力される。クロック制
御装置404では、3本のクロック監視を行ない、選択
するクロック信号を決定する。クロックの決定の条件を
以下に示す。 (1)差動増幅器401のスキューなしクロック信号が
検出されているときは、このスキューなしクロックを使
用する。 (2)もし、差動増幅器401のスキューなしクロック
信号が検出されていない場合は、正相伝送路104およ
び逆相伝送路103のいずれかで障害が発生した場合で
ある。すなわち、クロック信号が一方しか受信できない
状態であるので、差動増幅器402,403の中のクロ
ック信号が出力されている方のクロックを選択する。
【0048】これにより、2本の伝送路が正常にクロッ
ク信号を伝送しているときには基板間スキューのないク
ロック信号を得ることができ、伝送路で障害が発生した
場合には周波数を遅くしたクロック信号で動作を続ける
ことが可能となる。
【0049】なお、このクロック受信装置は、基板上に
実装するときに、すべての基板で配線パターンを同じに
することが望ましい。また、ゲートアレイなどの内部に
クロック受信装置を実現して、基板上の配線をより短く
するほうが良い。これは、基板上の伝送路を短くし、接
続する負荷の量を減らすことによって正伝送路104お
よび逆相伝送路103への負荷を減らし、クロック信号
を安定させるためである。
【0050】また、障害が発生して、伝送路が1本で動
作を行なっているときには、速やかに障害の発生した部
分を正常なモジュールに交換する必要がある。その場
合、交換時に計算機全体を止めることなくモジュールの
交換を行なわなければならない。まず、電源は正相クロ
ック出力装置301と逆相クロック出力装置302とで
全て別の電源を使う必要がある。これは、電源で障害が
発生した場合に2本の伝送線路でクロックの供給が停止
することがないようにするためである。このとき、正相
クロック出力装置301および終端抵抗314の電源
と、逆相クロック出力装置302および終端抵抗315
の電源とは別としなければならない。ただし、終端抵抗
314の電源は、逆相クロック出力装置302の電源
や、クロック受信装置316〜322の電源と同じでも
良い。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、正
相信号を伝送する正相伝送路と、正相伝送路と同一の伝
送遅延が発生する逆相伝送路を設け、各伝送路に伝送方
向が逆となるようにそれぞれ三角波などの信号を伝送さ
せて、2つの信号の電圧が一致する時点で出力を反転さ
せることでクロック信号を発生することにより、伝送路
上の何れの位置においてもクロック信号の位相が一致す
るので、伝送路上の任意の位置からクロック信号を分配
することで、一括駆動方式と同様の簡便さでありなが
ら、等長配線を用いた構成と同じ程度の低いクロックス
キューを実現することが可能となり、かつ、正常動作時
にはスキュー無しクロック分配をおこない、クロック信
号分配装置や伝送路の1箇所で障害が発生した場合に
は、クロック信号の速度を遅くして計算機を動作させる
などといった耐障害性の確保も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクロック信号分配装置
の概略構成を示す図。
【図2】同実施形態に係るクロック受信装置の概略構成
を示す図。
【図3】同実施形態に係る伝送路のクロックの監視結果
とセレクタ306,307の出力結果との関係を示す
図。
【図4】スキューなしクロック信号伝送回路の一例を示
す図。
【図5】クロック信号伝送回路上のクロック信号の波形
を示す図。
【符号の説明】
103…逆相伝送路、104…正相伝送路、301…正
相クロック出力装置、302…逆相クロック出力装置、
303…基本クロック信号用発振器、304…予備クロ
ック信号用発振器、305…分周回路、306,307
…セレクタ、308,309…クロック監視装置、31
0,311…波形変換器、312…ディレイライン、3
13…差動増幅器、314,315…終端抵抗、316
〜322…クロック受信装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の波形をもつ信号を正相信号として
    伝送する正相伝送路と、この正相伝送路に近接して並行
    に配線され、前記正相信号と逆の方向に前記所定の波形
    をもつ信号を逆相信号として伝送する逆相伝送路と、各
    基板に対応して設けられ、前記正相伝送路を伝送する信
    号の電圧と前記逆相伝送路を伝送する信号の電圧とを比
    較して、これらの電位が一致する時点で出力を反転させ
    る差動増幅器とを備え、前記各基板にスキューなしのク
    ロック信号を分配するクロック信号分配装置において、 基本クロック信号を発生させる発振器と、この発振器が
    発生させた基本クロック信号に基づいて前記所定の波形
    をもつ信号を発生させる波形変換器とを有してなるクロ
    ック信号出力装置を前記正相伝送路および逆相伝送路そ
    れぞれの一端に配置して、いずれか一方のクロック信号
    出力装置に障害が発生したときに、他方のクロック信号
    出力装置が発生させる信号によって前記各基板へのクロ
    ック信号の分配を継続することを特徴とするクロック信
    号分配装置。
  2. 【請求項2】 前記波形変換器は、三角波や正弦波など
    を含む立上がりの傾きと立ち下がりの傾きとが等しい波
    形をもつ信号を発生させることを特徴とする請求項1記
    載のクロック信号分配装置。
  3. 【請求項3】 前記正相伝送路を伝送する信号の電圧と
    前記逆相伝送路を伝送する信号の電圧とを比較して、こ
    れらの電位が一致する時点で出力を反転させる第1の差
    動増幅器と、前記正相伝送路を伝送する信号の電圧の電
    位がその中間値を上回ったとき、および下回ったときに
    出力を反転させる第2の差動増幅器と、前記逆相伝送路
    を伝送する信号の電圧の電位がその中間値の電圧を上回
    ったとき、および下回ったときに出力を反転させる第3
    の差動増幅器と、前記第1乃至第3の差動増幅器が出力
    するクロック信号の中からいずれかの信号を選択するセ
    レクタとを有してなるクロック信号受信装置を各基板に
    対応して設けたことを特徴とする請求項1記載のクロッ
    ク信号分配装置。
  4. 【請求項4】 前記クロック信号出力装置は、互いに他
    方の伝送路を伝送する信号の電圧を監視して、この他方
    の伝送路を伝送する信号が検出されないときに、前記波
    形変換器に入力する基本クロック信号の周波数を前記各
    基板間でスキューを含んだまま通信可能な周波数まで低
    下させることを特徴とする請求項1記載のクロック信号
    分配装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010009628A (ja) * 2004-12-09 2010-01-14 Hitachi Ltd サーバ装置

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