JPH09122387A - 爆発安全装置付きドライクリーニング機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の爆発安全装置付きドライクリーニン
グ機械の課題は機内の爆発事故発生時に人への被害、火
災を防止できる爆発安全装置付きドライクリーニング機
械を提供するにある。 【解決手段】 石油系溶剤を使用するドライクリーニン
グ機械において、処理槽１０に天井へ向け配管された送
気ダクト５０と、前記送気ダクトの外端を塞いで取付け
られた前記処理槽より対圧の弱い破裂板５１と、前記破
裂板に仕掛けられた破裂検知装置５２と、前記破裂検知
装置として設けられた通電線５１ｃ又は対地絶縁して電
流を流された破裂板５１と、前記破裂検知装置に接続さ
れた消火剤噴射制御装置５３と、前記消火剤噴射制御装
置に制御される消火装置５４と、前記消火装置と前記送
気ダクトを連通する噴射管５５とを有することを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は石油系溶剤等の可燃
性溶剤を洗浄剤とするドライクリーニング機械の爆発火
災事故に対する安全装置を有するドライクリーニング機
械に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の衣料の洗浄・乾燥を１台の機械で
連続して行える、所謂ホットタイプの石油系ドライクリ
ーニング機械を、図４を用いて概説する。図４は従来例
の石油系ドライクリーニング機械の説明図である。図に
おいて先ずドア１から衣料２を投入し、ドア１を閉じて
運転を開始すると、一般には次の順序で工程が進行す
る。 （１）溶剤タンク３から溶剤４をバルブ５を介してポン
プ６で汲揚げ、バルブ７、フィルタ８から成る経路、又
はバルブ９から成る経路によって処理槽１０に溶剤４を
必要量送り込む。 （２）処理ドラム１１をゆっくり回し、溶剤４を処理槽
１０、ボタントラップ１２、バルブ１３、ポンプ６、バ
ルブ７、フィルタ８又はバルブ９から成る経路で循環し
て衣料２を洗浄する。

【０００３】（３）処理槽１０、ボタントラップ１２、
バルブ１３、ポンプ６、バルブ１４、回収管５０、蒸留
器１５の経路で排液し、続いて処理ドラム１１が高速回
転して衣料２中の溶剤４を遠心分離し、同様に排液す
る。 （４）前記（１）項、（２）項の工程を繰り返す。 （５）処理槽１０、ボタントラップ１２、バルブ１３、
バルブ５の経路で溶剤タンク３に排液し、続いて処理ド
ラム１１が高速回転して衣料２中の溶剤４を遠心分離
し、排液する。

【０００４】（６）再び処理ドラム１１をゆっくり回
し、ファン１６、エアクーラ１７、エアヒータ１８から
成るリカバリエアダクト１９と、処理槽１０の間を矢印
２０の向きでガスを循環し、衣料２を乾燥する。衣料２
から蒸発した溶剤ガスは、エアクーラ１７で凝縮し、回
収経路２１を経て水分離器２２に入り、溶剤配管２９を
通ってクリンタンク２４に入る。 （７）乾燥が終了すると、ダンパ２５，２６が破線の如
く開き、ダンパ２５から新鮮な空気を取り入れ、ダンパ
２８からエアクーラ１７では回収できない未凝縮溶剤ガ
スを排気し、衣料２中の溶剤臭を脱臭する。

【０００５】（８）前記（３）項の工程で蒸留器１５に
入った溶剤４は蒸発してコンデンサ２７で凝縮回収さ
れ、水分離器２２、溶剤配管２３を通ってクリンタンク
２４に入り、オーバフロー付仕切板２８から、溶剤タン
ク３に戻る。なお、水分離器２２で分離した水は水配管
２９によって系外へ排出する。 以上がホットタイプの石油系ドライクリーナの工程例で
ある。

【０００６】洗浄・乾燥工程中の防爆を図るために、図
示しない真空ポンプ等によって衣料２投入後の処理槽内
を減圧し、窒素ガスを送り込む方式のものもある。な
お、蒸留方式を採用しているものは、石油系溶剤４が比
較的高沸点（１７０〜１８０℃）であるため、同じく図
示しない真空ポンプ等によって、予め減圧する方式が採
用されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】可燃溶剤である石油系
溶剤は洗浄及び乾燥工程中に、その爆発燃焼範囲（概ね
０．６〜６．０ｖｏｌ％前後）の条件下になり、且つ衣
料同士の摩擦による静電気のスパーク等が着火源となり
爆発・火災が発生して、ドアが吹き飛んだりして人命が
失なわれることが時々ある。

【０００８】本発明の目的は前記従来の問題に鑑み、圧
力上昇に敏感に反応する破裂板を設けることにより、異
常爆発事故発生時に人身事故、火災を未然に防止するド
ライクリーニング機械を提供するにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の爆発安全
装置付きドライクリーニング機械は、石油等可燃性の溶
剤を貯留する溶剤貯留槽と可変速で回転される回転ドラ
ムを気密に収容した処理槽と前記処理槽内の溶剤蒸気を
凝縮除去する脱臭装置と前記溶剤貯留槽と前記処理槽と
を選択的に連通して前記処理槽へ溶剤の供給或は前記処
理槽から前記溶剤の排出を行う溶剤供給装置を備え洗濯
物を洗浄脱液脱臭処理を可能にした石油等可燃性溶剤を
用いたドライクリーニング機械において、処理槽１０の
内部と前記処理槽の外方で外部の大気へ連通する送気ダ
クト５０と、前記送気ダクトの大気側開口を塞ぐ前記処
理槽より耐圧力の低い破裂板５１とからなる爆発安全装
置とを有してなることを特徴としている。

【００１０】請求項２記載の爆発安全装置付きドライク
リーニング機械は請求項１において、破裂板５１の破裂
を検知する破裂検知装置５２と、送気ダクト５０に接続
された窒素ガス等の不燃性ガス貯留装置又は粉末乃至泡
噴射式消火器等の消火装置５４と、前記破裂検知装置の
作動にもとづき前記消火装置を作動させて消火剤を噴射
管５５を経て前記送気ダクト内に噴射させる消火剤噴射
制御装置５３とを備え、消火剤を前記送気ダクト内へ噴
射可能にしたことを特徴としている。

【００１１】請求項３記載の爆発安全装置付きドライク
リーニング機械は請求項２において、破裂板５１の大気
側に設けられ前記破裂板の破裂によって切断される通電
線５１ｃを具え、該通電線の切断により検知を行う破裂
検知装置５２を有してなることを特徴としている。

【００１２】請求項４記載の爆発安全装置付きドライク
リーニング機械は請求項２において、対地に絶縁され常
時通電状態に保たれた破裂板５１を具え前記破裂板の破
裂に伴う通電状態の変化により破裂を検知する破裂検知
装置５２を有してなることを特徴としている。

【００１３】爆発による異常圧力上昇に敏感に反応し破
裂する破裂板を作業者等に危害を与えない方向に開放す
る位置に設け、前記破裂板の破裂の検知装置と之に連動
する消火装置により爆発によるドア等の破損等による人
身事故及び火災による洗濯物家屋の焼失を防止する。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例によ
って説明する。第１実施例を図１を流用して説明する。
図１は本発明に係る第２実施例の爆発安全装置付きドラ
イクリーニング機械の説明図であって、図１から符号５
２，５３，５４，５５を付けられた要素を除いたものが
第１実施例の図になるのでこれを流用する。図１におい
て更に符号５０，５１を付けられた要素以外の要素及び
構造は公知であり前記符号５０，５１を付けられた要素
は前記公知の要素及び構造に変化を与えないのでその説
明を省く。

【００１５】図において５０は送気ダクトで公知の処理
槽１０の側壁にその内部に通じて取付けられた管で、外
の端は天井へ向いている。５１は破裂板で前記送気ダク
トの上端を塞いで取付けられた前記処理槽より耐圧力の
低い薄板で造られている。前記送気ダクトと破裂板で爆
発安全装置を構成している。

【００１６】次に以上の如く構成された第１実施例につ
いてその作用を説明する。図１において、先ずドア１か
ら衣料２を投入し、ドア１を閉じて従来例と同様に洗浄
・乾燥工程が進行するが、それらについての詳細な説明
は公知であるから省略し、爆発安全装置の作動状況につ
いて説明する。 （１）洗浄及び乾燥工程中に、使用している石油系溶剤
の爆発燃焼範囲（概ね０．６〜６．０ｖｏｌ％前後）に
処理槽１０、リカバリエアダクト１９を含む、ドライク
リーニング機械内に石油系溶剤ガスが充満することがあ
る。

【００１７】（２）この条件下において、合成繊維等静
電気の起きやすい衣料同士の摩擦により発生する静電気
や衣料２にまぎれ込んだ使い捨てガスライターの点火部
のスパーク等により着火、爆発する。 （３）爆発すると系内の圧力は瞬時に上昇するが、ドア
１等の本体主要部の耐圧設計値以下で設計された破裂板
５１が先に破裂・作動する破裂板５１を作業者に影響を
与えない方向、例えば天井に向け設置しておくことによ
り火災、風圧の作業者への影響はない。

【００１８】第２実施例を図１によって説明する。図１
は第２実施例の爆発安全装置付きドライクリーニング機
械の説明図である。図において５０は送気ダクト、５１
は破裂板で何れも前記第１実施例で説明した。５２は破
裂検知装置で前記破裂板に装着されている。５４は窒素
ガス等の不燃ガス又は粉末乃至泡噴射式消火器、５５は
噴出管で前記消火装置５４を前記送気ダクトへ連結す
る。５３は消火剤噴射制御装置で前記噴出管の途中に設
けられ且前記破裂検知装置が接続されている。

【００１９】消火装置５４が窒素ボンベであれば消火剤
制御装置５３は電磁弁でよい。消火装置５４が市販され
ている粉末又は泡消火器であれば、消火剤噴射制御装置
５３はソレノイド式プランジャを用い前記消火器の噴射
口のピンの解除とレバー操作を電気的に行うものでよ
い。

【００２０】前記第２実施例の作用を説明する。前記第
１実施例の項に記したと同様にして破裂板５１が破裂す
ると破裂検知装置５２が之を検知し之に応じて消火剤噴
射制御装置５３が作動し消火装置５４の消火剤を噴出管
５５を通して前記送気ダクトを経て処理槽１０内へ噴出
させ衣料２の焼失及び可燃性溶剤４への延焼を防ぐこと
ができる。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば可燃性溶剤を使用するド
ライクリーニング機械における万一の爆発事故に際して
も人への被害、火災を未然に防ぐことができる。従来爆
風を遠方に導く手段は講じられていなかった。破裂板は
多用されているが、微圧上昇で作動するものはなかっ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】第２実施例の爆発安全装置付きドライクリーニ
ング機械の説明図。

【図２】第３実施例の破裂検知装置の説明図。

【図３】第４実施例の破裂検知装置の説明図。

【図４】従来例の石油系ドライクリーニング機械の説明
図。

【符号の説明】

１…ドア、２…衣料、３…溶剤タンク、４…溶剤、５…
バルブ、６…ポンプ、７…バルブ、８…フィルタ、９…
バルブ、１０…処理槽、１１…処理ドラム、１２…ボタ
ントラップ、１３…バルブ、１４…バルブ、１５…蒸留
器、１６…ファン、１７…エアクーラ、１８…エアヒー
タ、１９…リカバリダクト、２０…矢印、２１…回収経
路、２２…ダンパ、２６…ダンパ、２７…コンデンサ、
２８…オーバフロー付仕切板、２９…水配管、４０…回
収管、５０…送気ダクト、５１…破裂板、５１ａ…絶縁
材、５１ｂ…取付具、５１ｃ…通電線、５２…破裂検知
装置、５３…消火剤噴射制御装置、５４…消火装置、５
５…噴出管。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 石油等可燃性の溶剤を貯留する溶剤貯留
   槽と可変速で回転される回転ドラムを気密に収容した処
   理槽と前記処理槽内の溶剤蒸気を凝縮除去する脱臭装置
   と前記溶剤貯留槽と前記処理槽とを選択的に連通して前
   記処理槽へ溶剤の供給或は前記処理槽から前記溶剤の排
   出を行う溶剤供給装置を備え洗濯物を洗浄脱液脱臭処理
   を可能にした石油等可燃性溶剤を用いたドライクリーニ
   ング機械において、処理槽（１０）の内部と前記処理槽
   の外方で外部の大気へ連通する送気ダクト（５０）と、
   前記送気ダクトの大気側開口を塞ぐ前記処理槽より耐圧
   力の低い破裂板（５１）とからなる爆発安全装置とを有
   してなることを特徴とする爆発安全装置付きドライクリ
   ーニング機械。
2. 【請求項２】 破裂板（５１）の破裂を検知する破裂検
   知装置（５２）と、送気ダクト（５０）に接続された窒
   素ガス等の不燃性ガス貯留装置又は粉末乃至泡噴射式消
   火器等の消火装置（５４）と、前記破裂検知装置の作動
   にもとづき前記消火装置を作動させて消火剤を噴射管
   （５５）を経て前記送気ダクト内に噴射させる消火剤噴
   射制御装置（５３）とを備え、消火剤を前記送気ダクト
   内へ噴射可能にしたことを特徴とする請求項１記載の爆
   発安全装置付きドライクリーニング機械。
3. 【請求項３】 破裂板（５１）の大気側に設けられ前記
   破裂板の破裂によって切断される通電線（５１ｃ）を具
   え、該通電線の切断により検知を行う破裂検知装置（５
   ２）を有してなることを特徴とする請求項２記載の爆発
   安全装置付きドライクリーニング機械。
4. 【請求項４】 対地に絶縁され常時通電状態に保たれた
   破裂板（５１）を具え前記破裂板の破裂に伴う通電状態
   の変化により破裂を検知する破裂検知装置（５２）を有
   してなることを特徴とする請求項２記載の爆発安全装置
   付きドライクリーニング機械。