JPH09120816A - アルミニウム非水電解液二次電池 - Google Patents

アルミニウム非水電解液二次電池

Info

Publication number
JPH09120816A
JPH09120816A JP7303512A JP30351295A JPH09120816A JP H09120816 A JPH09120816 A JP H09120816A JP 7303512 A JP7303512 A JP 7303512A JP 30351295 A JP30351295 A JP 30351295A JP H09120816 A JPH09120816 A JP H09120816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
secondary battery
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
halide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7303512A
Other languages
English (en)
Inventor
Sunao Senoo
直 妹尾
Kazuhiro Noda
和宏 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP7303512A priority Critical patent/JPH09120816A/ja
Publication of JPH09120816A publication Critical patent/JPH09120816A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム又はアルミニウム合金を負極
とする、充放電可能なアルミニウム非水電解液二次電池
を構成できるようにする。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
なる負極と、アルミニウムハロゲン化物と有機ハロゲン
化物と非水溶媒とを含有する非水電解液と、アルミニウ
ムを含有するアニオンを吸蔵・放出することが可能な正
極とからアルミニウム非水電解液二次電池を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム又は
アルミニウム合金を負極に用いたアルミニウム非水電解
液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは、単位体積および単位質
量当たりの電気容量が高く、特に体積基準ではリチウム
の約4倍に相当する理論エネルギー密度を持っている。
また、元素存在比も多く低コストで容易に入手が可能で
ある。従って、アルミニウム又はアルミニウム合金を電
池の負極に用いることができれば高エネルギー密度の電
池を低コストで実現できることになる。このため、アル
ミニウム又はアルミニウム合金を負極に用いる電池は今
後の有望な電池の一つとなっており、その開発が試みら
れている。また、アルミニウムの電極電位が−1.66
V(vs.標準水素電極)と卑であることから、適切な
正極活物質と組み合わせることにより、既存の常温作動
のアルカリ乾電池,酸化銀電池、Ni-Cd電池、Ni
水素電池等との互換性を実現できる可能性があり、この
点からもアルミニウム又はアルミニウム合金を電池の負
極に用いた電池、特に常温作動の二次電池の開発が望ま
れている。
【0003】ところで、アルミニウムは熱力学的に水素
よりも著しく還元されにくいために、水溶液系の電解液
を使用してアルミニウムを負極とするアルミニウム二次
電池を構成することは非常に困難であることが知られて
いる。また、アルミニウムは酸素原子と強い親和性を有
するために、その表面には強固で緻密な高絶縁性の不働
態自然酸化被膜が存在する。従って、放電時にアルミニ
ウムの溶出が極めて困難となり放電特性が低下する。そ
の結果、分極が大きくなり、また、放電時に負極に不働
態被膜が更に成長することも容易に推察される。
【0004】このように、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金を負極とする常温作動の二次電池を開発するに際
しては、非水電解液の開発がポイントとなる。また、そ
のような非水電解液に適した正極活物質の開発も重要と
なっている。
【0005】従来、アルミニウム又はアルミニウム合金
を負極とする二次電池の非水電解液としては、例えば、
リチウム電池に用いられているような有機溶媒系の非水
電解液や、エーテル系又は高温溶融塩系の非水電解液を
使用することが提案されている。また、近年ではアルミ
ニウムハロゲン化物/N−アルキルピリジニウムハロゲ
ン化物又はアルミニウムハロゲン化物/N−アルキルイ
ミダゾリウムハロゲン化物からなる常温溶融塩系の非水
電解液を使用することも提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、非水電解液
は、一般に、従来の水溶液系の電解液よりも導電率が1
〜2桁低いという問題がある。例えば、リチウム電池に
用いられているような有機溶媒系の非水電解液で電池を
構成した場合には、電解液の導電率が低いために電池の
負荷特性が低下するという問題があった。導電率に関す
る問題に加えて、エーテル系の非水電解液の場合には、
使用するエーテルが可燃性であるために取扱に注意を要
するという問題があった。高温溶融塩系の非水電解液の
場合には、作動時に200℃以上にしなければならず、
常温での作動は不可能であるという問題があった。ま
た、常温溶融塩系の非水電解液の場合には、作動可能な
温度の範囲が非常に狭く、しかも一度その作動可能温度
範囲を逸脱してしまうと電解液が固化したり、電解液中
の錯イオンの種類や濃度が変化したりするという安定性
上の問題があった。
【0007】一方、正極活物質については、アルミニウ
ム非水電解液二次電池に好適な非水電解液が知られてい
ないために、どのような材料から正極活物質を構成すべ
きであるか具体的に提案されていないというのが現状で
ある。
【0008】本発明は、このような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、高いエネルギー密度を有す
るアルミニウムの可逆的な折出・溶解を可能とする非水
電解液と正極活物質とを開発し、それらを用いてアルミ
ニウム又はアルミニウム合金を負極とするアルミニウム
非水電解液二次電池を構成することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、負極とし
てアルミニウム又はアルミニウム合金を使用し、非水電
解液として非水溶媒にアルミニウムハロゲン化物と第四
級アンモニウム塩やN−アルキル置換ピリジニウム塩等
の第四級アンモニウム塩又は第四級ホスホニウム塩等の
有機ハロゲン化物とを含有させたものを使用し、そし
て、正極活物質としてアルミニウムを含有するアニオン
を吸蔵・放出することが可能な材料を使用することによ
り上述の目的が達成できることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金からなる負極と非水電解液と正極とを備えた
アルミニウム二次電池において、非水電解液が非水溶媒
とアルミニウムハロゲン化物と有機ハロゲン化物とを含
有し、且つ正極活物質がアルミニウムを含有するアニオ
ンを吸蔵・放出することが可能な材料であることを特徴
とするアルミニウム非水電解液二次電池を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明で使用する非水電解液は、非水溶媒
にアルミニウムハロゲン化物と有機ハロゲン化物とを含
有させたものである。
【0013】アルミニウムハロゲン化物としては、一般
式AlX3(式中、XはCl、Br又はIである)で表
される無水の化合物を好ましく使用することができる。
このようなアルミニウムハロゲン化物の濃度は、アルミ
ニウムハロゲン化物の濃度が低すぎるとアルミニウムの
充電効率が低下するいう問題があり、また、濃度が高す
ぎると溶解しなくなるという問題があるため、一般的に
は0.1〜10.0mol/lとすることが好ましく、
6.0〜7.5mol/lとすることがより好ましい。
【0014】非水電解液に含有させる有機ハロゲン化物
とは、アルミニウムハロゲン化物にハロゲンイオン等の
アニオンを供与できる化合物であり、第四級アンモニウ
ム塩や第四級ホスホニウム塩を好ましく例示することが
できる。中でも、次式(1)又は(2)
【0015】
【化2】 で表される無水の化合物を好ましく使用することができ
る。
【0016】ここで式(2)中、Aは窒素原子又はリン
原子である。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6及び
7はそれぞれ独立的に炭化水素基、好ましくは炭素数
10以下の炭化水素基である。このような炭化水素基と
しては、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の場合、メチ
ル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニ
ル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基
などを例示することができる。R7としては、メチレン
基、エチリデン基、プロピリデン基などのアルキリデン
基を例示することができる。また、R1とR2又はR5
7とが互いに結合して環を形成してもよく、例えば、
Aが窒素原子である場合、R1とR2とでピロリジン環や
ピペリジン環を形成してもよく、また、R5とR7とでピ
リジン環やイミダゾール環を形成してもよい。これらの
炭化水素基はトリフルオロメチル基などの種々の置換基
を有していてもよい。また、R1、R2、R3、R4、R5
及びR6は同一であってもよく異なっていてもよい。対
アニオンY-としては過塩素酸イオンなどの種々のアニ
オンを必要に応じ選択することができるが、Cl-、B
-、I-などのハロゲンイオンを好ましく使用すること
ができる。
【0017】このような第四級アンモニウム塩の具体例
としては、テトラメチルアンモニウムクロライド;トリ
メチルエチルアンモニウムクロライド;トリメチルフェ
ニルアンモニウムクロライド;トリメチルベンジルアン
モニウムクロライド;テトラエチルアンモニウムクロラ
イド;トリエチルメチルアンモニウムクロライド;トリ
エチルフェニルアンモニウムクロライド;トリエチルベ
ンジルアンモニウムクロライド;N,N−ジメチルピロ
リジニウムクロライド;N−n−ブチルピリジウムクロ
ライド;1−エチル−3−メチルイミダリウムクロライ
ドなどを挙げることができる。
【0018】また、第四級ホスホニウム塩の具体例とし
ては、テトラ−n−ブチルフェニルホスホニウムクロラ
イド;テトラエチルホスホニウムクロライド;テトラフ
ェニルホスホニウムクロライド;トリフェニルエチルホ
スホニウムクロライド;トリメチルベンジルホスホニウ
ムクロライド等を挙げることができる。
【0019】また、有機ハロゲン化物とアルミニウムハ
ロゲン化物との比率は、好ましくは0.2〜1.0、よ
り好ましくは0.5〜0.75とする。これは、以下の
理由による。
【0020】即ち、非水電解液中では、アルミニウムハ
ロゲン化物はルイス酸として機能し、有機ハロゲン化物
はルイス塩基として機能する。そのため、有機ハロゲン
化物がアルミニウムハロゲン化物より過剰な場合には中
性イオンであるAlY4 -イオンが主として生成し、逆の
場合には酸性イオンであるAl27 -イオンが主として
生成する。このAl27 -イオンは、AlY4 -イオンに
比べ、構造的に歪んでおり、電気化学的に不安定なイオ
ン種であり、比較的容易にアルミニウムを電析させるこ
とができる。従って、アルミニウムの電析を好ましく進
行させるためには、アルミニウムハロゲン化物濃度を有
機ハロゲン化物濃度よりも高くする。例えば、電解質と
してAlCl3とトリメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド(TMBAC)とを使用し、非水溶媒として1,
2−ジクロロベンゼンを使用して非水電解液を調製した
場合、有機ハロゲン化物のアルミニウムハロゲン化物に
対するモル比(TMBAC/AlCl3)が1.0より
大きく、電解液が塩基性であるときにはAlCl4 -が支
配的に生成しているのでアルミニウムの電析効率は低
く、逆にモル比が1.0以下で、電解液が酸性であると
きにはAl2Cl7 -イオンが高濃度で存在するので、ア
ルミニウムが可逆的に電析できるようになる。
【0021】このような有機ハロゲン化物とアルミニウ
ムハロゲン化物とを溶解させる非水溶媒としては、脱水
処理を施したドナーナンバー5以下の有機溶媒を好まし
く使用することができる。ここで、ドナーナンバーと
は、溶媒のルイス塩基性の尺度を表し、1,2−ジクロ
ロエタン中において1×10-3mol・dm-3の五塩化
アンチモンを基準の受容体として選び、それと供与体
(溶媒)との反応に対するモルエンタルピー値(kca
l・mol-1)として定義されるものであり、この数値
が小さい程、塩基性が低いことを意味する。
【0022】ドナーナンバー5以下の有機溶媒として
は、1,2−ジクロロエタン、メチレンクロライド、ベ
ンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、
1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼ
ン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、
1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベン
ゼン、それらの混合物などを例示することができる。中
でも、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロベン
ゼン、1,3−ジクロロベンゼンを好ましく使用するこ
とができる。
【0023】このようなドナーナンバー5以下の有機溶
媒中におけるアルミニウムハロゲン化物の挙動を以下に
説明する。
【0024】即ち、アルミニウムハロゲン化物を構成す
るハロゲンXと、式(1)又は(2)を構成するハロゲ
ンYとが同種の原子からなる場合、非水電解液は、アル
ミニウムを含む錯イオンとしてAlY4 -イオンとAl2
7 -イオンとを主として含有することになる。このうち
のAlY4 -イオンはテトラヘドラル構造を有するために
対称性が高く、電気化学的に比較的安定なイオン種であ
る。従って、AlY4 -イオンを還元してアルミニウムを
電析させようとしても、アルミニウムの還元反応以外の
反応が優先的に起こるのでアルミニウムの電析効率が低
くなる。
【0025】一方、前述したように、他方のAl27 -
イオンは、AlY4 -イオンに比べ、構造的に歪んでお
り、電気化学的に不安定なイオン種であり、比較的容易
にアルミニウムを電析させることができる。
【0026】従って、効率よくアルミニウムを充電によ
り析出させるためには、AlY4 -イオンよりもAl27
-イオンを支配的に非水電解液中に存在させることが必
要となる。このためには、塩基性の低い溶媒、即ち低い
ドナーナンバーの溶媒を使用することが必要となるので
ある。
【0027】ところで、有機ハロゲン化物としてのハロ
ゲン原子とアルミニウムハロゲン化物のハロゲン原子と
は同種となるようにしてもよく、異種になるようにして
もよい。好ましくは、以下に説明するように、それらの
ハロゲン原子を異ならせるようにする。即ち、それらの
ハロゲン原子が異なる場合には、例えば、AlBr3
TMBACとを用いた場合には、酸性電解液組成下では
Al2Br6Cl-イオンのような混合ハロゲン含有錯イ
オンが生成すると考えられる。このような混合ハロゲン
含有錯イオンは、同じハロゲン原子から形成されている
錯イオンに比べ、構造的に歪みがあるので、電極上での
電気化学的反応性がより高くなり、アルミニウムの析出
がスムーズに進行する。また、有機ハロゲン化物とアル
ミニウムハロゲン化物との濃度比を大きくすることがで
きる。従って、両者のハロゲン原子を異ならせることが
好ましい。
【0028】次に正極活物質について説明する。
【0029】本発明において、正極活物質としては、ア
ルミニウムを含有するアニオンを吸蔵・放出可能な材料
を使用する。このような材料としては、黒鉛や導電性ポ
リマーを好ましく挙げることができる。
【0030】ここで、正極活物質として使用できる黒鉛
としては、天然黒鉛あるいは人造黒鉛のいずれを使用し
てもよく、これらをテフロン系のバインダーと混練させ
て正極合材として使用してもよい。
【0031】また、正極活物質として使用できる導電性
ポリマーとしては、アルミニウムを含有するアニオンを
吸蔵・放出する能力が高いポリアニリンを好ましく挙げ
ることができるが、これに限定されず、ポリチオフェ
ン、ポリピロールなどの公知の導電性ポリマーも使用す
ることができる。
【0032】このような導電性ポリマーを正極活物質と
して用いる場合、導電性ポリマーを単独で使用すること
もできるが、他の導電性物質を混合したものや、更にバ
インダーを添加したものなども使用することができる。
また、これらの材料は、種々の形状、例えばフィルム状
に成型して用いてもよく、集電体上に塗布、乾燥した形
状で使用してもよい。
【0033】また、上述の正極活物質に吸蔵・放出され
るアニオン種としては、AlY4 -イオンもしくはAl2
7 -イオン、又はAlY3Y'-イオンもしくはAl26
Y'-イオンであることが予想される。特に、有機ハロゲ
ン化物とアルミニウムハロゲン化物との比率が1.0よ
り小さい場合には主としてAl27 -イオンあるいはA
26Y'-イオンが正極活物質に吸蔵・放出されると考
えられる。ここで、Y'としては、アニオン中のYと異
なるハロゲン原子である。
【0034】本発明のアルミニウム非水電解液二次電池
は、負極としてアルミニウム又はアルミニウム合金を使
用する。ここで、アルミニウム合金としては、Al-M
g(97〜99Wt%/Al)やJIS規格アルミニウム
合金などを使用することができる。
【0035】なお、本発明のアルミニウム非水電解液二
次電池は、負極と正極活物質と非水電解液とを上述で説
明した構成とすること以外のセパレータや電池ケース、
集電体などの他の構成は適宜選択することができる。
【0036】以上説明したように、本発明のアルミニウ
ム非水電解液二次電池は、非水電解液として、非水溶媒
にアルミニウムハロゲン化物と、それにハロゲンイオン
などのアニオンを供与できる有機ハロゲン化物とを含有
する。従って、非水電解液においては、アルミニウムを
含有するアニオン(主としてAl27 -イオン)が生成
する。一方、正極活物質としてアルミニウムを含有する
アニオンを吸蔵・放出可能な材料、例えば黒鉛や導電性
ポリマーを使用する。従って、電池の充放特性を向上さ
せることができる。
【0037】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0038】実施例1 正極活物質として充分に乾燥させた天然黒鉛を使用し、
それに結着剤としてポリテトラフルオロエチレン系粉末
とを重量比85:15の比率で混合することにより正極
合剤を得た。この正極合剤の所定量をモリブデンメッシ
ュ集電体に加圧成型して付着させることにより正極を作
製した。
【0039】負極活物質として5%リン酸水溶液で洗浄
した0.1mm厚のアルミニウム板(純度99.99
%)を用意した。
【0040】非水電解液は、脱水処理した1,2−ジク
ロロベンゼンに無水の塩化アルミニウム及びトリメチル
フェニルアンモニウムクロライドをそれぞれ6.67m
ol/dm3及び3.33mol/dm3の割合で溶解さ
せて調製した。
【0041】以上の正極、負極及び非水電解液を用い
て、図1に示すような、正極端子1が接続された正極2
と、負極端子3が接続された負極4とがガスケット5を
挟んで対向し、そして、両極はポリテトラフルオロエチ
レン系セパレータ6で隔てられ、かつ両極の間には非水
電解液が充填されている構造のアルミニウム非水電解液
二次電池を構成した。
【0042】得られたアルミニウム非水電解液二次電池
に対し、電流密度0.1mA/cm2で電池電圧が2.
0Vになるまで定電流充電を行った。その後、電流密度
0.1mA/cm2で電池電圧が1.0Vになるまで定
電流放電を行った。図2に、この電池の充放電特性曲線
を示す。
【0043】次に、この充放電サイクルを繰り返し、各
サイクルの充放電効率(充電容量に対する放電容量の
比)の関係を調べた。その結果を図3に示す。同図から
わかるように、2サイクル目以降、30サイクル程度ま
で80%以上の充放電効率で繰り返し充放電が可能であ
った。
【0044】実施例2 正極活物質には、0.5mol/dm3のアニリンを実
施例1で用いた非水電解液に添加した電解液中から、白
金板上に電解重合させたポリアニリン膜を用いた。負極
活物質、非水電解液及び電池構成は実施例1と同様のも
のを使用した。
【0045】得られたアルミニウム非水電解液二次電池
に対し、電流密度0.1mA/cm2で、電池電圧が
0.5Vになるまで定電流放電を行った。その後、電流
密度0.1mA/cm2で電池電圧が1.5Vになるま
で定電流充電を行った。図4に、この電池の充放電特性
曲線を示す。
【0046】次に、この充放電サイクルを繰り返し、各
サイクルの充放電効率(充電容量に対する放電容量の
比)の関係を調べた。その結果を図5に示す。同図から
わかるように、20サイクル程度まで70%以上の充放
電効率で繰り返し充放電が可能であることがわかった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、高いエネルギー密度を
有するアルミニウム又はアルミニウム合金を負極とす
る、充放電の可能なアルミニウム非水電解液二次電池を
構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製したアルミニウム非水電解液二
次電池の断面図である。
【図2】実施例1で作製したアルミニウム非水電解液二
次電池の充放電特性図である。
【図3】実施例1で作製したアルミニウム非水電解液二
次電池の充放電サイクル特性図である。
【図4】実施例2で作製したアルミニウム非水電解液二
次電池の充放電特性図である。
【図5】実施例2で作製したアルミニウム非水電解液二
次電池の充放電サイクル特性図である。
【符号の説明】
1 正極端子 2 正極 3 負極端子 4 負極 5 ガスケット 6 セパレータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる負極と非水電解液と正極とを備えたアルミニウム二
    次電池において、非水電解液が非水溶媒とアルミニウム
    ハロゲン化物と有機ハロゲン化物とを含有し、且つ正極
    活物質がアルミニウムを含有するアニオンを吸蔵・放出
    することが可能な材料であることを特徴とするアルミニ
    ウム非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 正極活物質が黒鉛である請求項1記載の
    アルミニウム非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 正極活物質が導電性ポリマーである請求
    項1記載のアルミニウム非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 アルミニウムハロゲン化物が、AlX3
    (式中、XはCl、Br又はIである)で表される請求
    項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム非水電解液二
    次電池。
  5. 【請求項5】 アルミニウムハロゲン化物の濃度が、
    0.1〜10.0mol/lである請求項4記載のアル
    ミニウム非水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】 有機ハロゲン化物が、第四級アンモニウ
    ム塩又は第四級ホスホニウム塩である請求項1〜5のい
    ずれかに記載のアルミニウム非水電解液二次電池。
  7. 【請求項7】 有機ハロゲン化物が次式(1)又は
    (2) 【化1】 (式(1)又は(2)中、Aは窒素原子又はリン原子で
    あり、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7はそれぞ
    れ独立的に炭化水素基であり、ここでR1とR2又はR5
    とR7とで環を形成してもよく、Y-は対アニオンであ
    る)で表される請求項1〜6のいずれかに記載のアルミ
    ニウム非水電解液二次電池。
  8. 【請求項8】 対アニオンY-が、Cl-、Br-又はI-
    である請求項7記載のアルミニウム非水電解液二次電
    池。
  9. 【請求項9】 有機ハロゲン化物のアルミニウムハロゲ
    ン化物に対するモル比が、0.2〜1.0である請求項
    1〜8のいずれかに記載のアルミニウム非水電解液二次
    電池。
  10. 【請求項10】 アルミニウムハロゲン化物のハロゲン
    原子と有機ハロゲン化物における対アニオンのハロゲン
    原子とが異なる請求項7〜9のいずれかに記載のアルミ
    ニウム非水電解液二次電池。
  11. 【請求項11】 非水溶媒がドナーナンバー5以下の有
    機溶媒である請求項1〜10のいずれかに記載のアルミ
    ニウム非水電解液二次電池。
  12. 【請求項12】 ドナーナンバー5以下の有機溶媒が、
    1,2−ジクロロエタン、メチレンクロライド、ベンゼ
    ン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,
    3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、フ
    ルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3
    −ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン又
    はそれらの混合物である請求項11記載のアルミニウム
    非水電解液二次電池。
JP7303512A 1995-10-26 1995-10-26 アルミニウム非水電解液二次電池 Pending JPH09120816A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303512A JPH09120816A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 アルミニウム非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7303512A JPH09120816A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 アルミニウム非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09120816A true JPH09120816A (ja) 1997-05-06

Family

ID=17921878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7303512A Pending JPH09120816A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 アルミニウム非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09120816A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001185213A (ja) * 1999-12-28 2001-07-06 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質電池およびその製造方法。
US6855457B2 (en) 2001-10-29 2005-02-15 Sanyo Electric Co., Ltd. Nonaqueous electrolyte secondary battery with a molten salt electrolyte
WO2010122909A1 (ja) * 2009-04-23 2010-10-28 ソニー株式会社 電解質および二次電池
WO2012053325A1 (ja) * 2010-10-21 2012-04-26 ソニー株式会社 電解質および二次電池
WO2013012017A1 (ja) 2011-07-21 2013-01-24 日本曹達株式会社 アルミニウム-ハロゲン燃料電池
WO2014069200A1 (ja) * 2012-10-30 2014-05-08 ソニー株式会社 アルミニウム二次電池及び電子機器
JP2014222609A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 学校法人 関西大学 アルミニウム二次電池
JP2017506812A (ja) * 2014-02-28 2017-03-09 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー 超高速再充電可能金属イオンバッテリ
JP2017208340A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 財團法人工業技術研究院Industrial Technology Research Institute 金属イオンバッテリー
JP2018501607A (ja) * 2014-11-12 2018-01-18 インテック・エナジー・ストレージ・コーポレイションIntec Energy Storage Corp. 非水電解液を用いた電気エネルギー貯蔵装置
CN109962289A (zh) * 2017-12-22 2019-07-02 财团法人工业技术研究院 电解质组合物及包含其的金属离子电池
JP2020507898A (ja) * 2017-02-13 2020-03-12 ナノテク インストゥルメンツ, インコーポレイテッドNanotek Instruments, Inc. 高容量及び高エネルギーカソードを有するアルミニウム二次電池及び製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60133669A (ja) * 1983-11-30 1985-07-16 アライド・コーポレーシヨン 室温で溶融性の1,2,3―トリアルキルイミダゾリウムハロゲン化物
JPS60136180A (ja) * 1983-12-23 1985-07-19 Showa Denko Kk 二次電池
JPS63264878A (ja) * 1986-12-25 1988-11-01 Tosoh Corp 常温溶融塩系電解液を用いるAl/導電性高分子型二次電池
JPH01264182A (ja) * 1988-04-15 1989-10-20 Tosoh Corp 電池
JPH01296572A (ja) * 1988-05-24 1989-11-29 Tosoh Corp 電池
JPH03238769A (ja) * 1990-02-16 1991-10-24 Nisshin Steel Co Ltd アルミニウム二次電池
JPH04112461A (ja) * 1990-08-31 1992-04-14 Toshiba Corp 非水電解液二次電池
JPH06293991A (ja) * 1992-08-14 1994-10-21 Sony Corp アルミニウム非水電解液並びにそれを用いた電池及びアルミニウム電析方法
JPH07272755A (ja) * 1994-03-28 1995-10-20 Sony Corp アルミニウム非水電解液二次電池

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60133669A (ja) * 1983-11-30 1985-07-16 アライド・コーポレーシヨン 室温で溶融性の1,2,3―トリアルキルイミダゾリウムハロゲン化物
JPS60136180A (ja) * 1983-12-23 1985-07-19 Showa Denko Kk 二次電池
JPS63264878A (ja) * 1986-12-25 1988-11-01 Tosoh Corp 常温溶融塩系電解液を用いるAl/導電性高分子型二次電池
JPH01264182A (ja) * 1988-04-15 1989-10-20 Tosoh Corp 電池
JPH01296572A (ja) * 1988-05-24 1989-11-29 Tosoh Corp 電池
JPH03238769A (ja) * 1990-02-16 1991-10-24 Nisshin Steel Co Ltd アルミニウム二次電池
JPH04112461A (ja) * 1990-08-31 1992-04-14 Toshiba Corp 非水電解液二次電池
JPH06293991A (ja) * 1992-08-14 1994-10-21 Sony Corp アルミニウム非水電解液並びにそれを用いた電池及びアルミニウム電析方法
JPH07272755A (ja) * 1994-03-28 1995-10-20 Sony Corp アルミニウム非水電解液二次電池

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4710099B2 (ja) * 1999-12-28 2011-06-29 株式会社Gsユアサ 非水電解質二次電池
JP2001185213A (ja) * 1999-12-28 2001-07-06 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質電池およびその製造方法。
US6855457B2 (en) 2001-10-29 2005-02-15 Sanyo Electric Co., Ltd. Nonaqueous electrolyte secondary battery with a molten salt electrolyte
US9819052B2 (en) 2009-04-23 2017-11-14 Sony Corporation Electrolyte and secondary battery
WO2010122909A1 (ja) * 2009-04-23 2010-10-28 ソニー株式会社 電解質および二次電池
JP2010257704A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Sony Corp 電解質および二次電池
JP2012089410A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Sony Corp 電解質および二次電池
WO2012053325A1 (ja) * 2010-10-21 2012-04-26 ソニー株式会社 電解質および二次電池
WO2013012017A1 (ja) 2011-07-21 2013-01-24 日本曹達株式会社 アルミニウム-ハロゲン燃料電池
KR20140027462A (ko) 2011-07-21 2014-03-06 닛뽕소다 가부시키가이샤 알루미늄-할로겐 연료 전지
US9368848B2 (en) 2011-07-21 2016-06-14 Nippon Soda Ltd., Co. Aluminum-halogen fuel cell
WO2014069200A1 (ja) * 2012-10-30 2014-05-08 ソニー株式会社 アルミニウム二次電池及び電子機器
JPWO2014069200A1 (ja) * 2012-10-30 2016-09-08 ソニー株式会社 アルミニウム二次電池及び電子機器
US10355307B2 (en) 2012-10-30 2019-07-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Aluminum secondary battery and electronic device
JP2014222609A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 学校法人 関西大学 アルミニウム二次電池
JP2017506812A (ja) * 2014-02-28 2017-03-09 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー 超高速再充電可能金属イオンバッテリ
JP2018501607A (ja) * 2014-11-12 2018-01-18 インテック・エナジー・ストレージ・コーポレイションIntec Energy Storage Corp. 非水電解液を用いた電気エネルギー貯蔵装置
JP2017208340A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 財團法人工業技術研究院Industrial Technology Research Institute 金属イオンバッテリー
US10418663B2 (en) 2016-05-17 2019-09-17 Industrial Technology Research Institute Metal-ion battery
JP2020507898A (ja) * 2017-02-13 2020-03-12 ナノテク インストゥルメンツ, インコーポレイテッドNanotek Instruments, Inc. 高容量及び高エネルギーカソードを有するアルミニウム二次電池及び製造方法
CN109962289A (zh) * 2017-12-22 2019-07-02 财团法人工业技术研究院 电解质组合物及包含其的金属离子电池
CN109962289B (zh) * 2017-12-22 2022-03-11 财团法人工业技术研究院 电解质组合物及包含其的金属离子电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4064324A (en) Metal-Halogenelectrochemical cell
CN105322229B (zh) 用于镁可再充电电池的电解质及其制备方法
JP3380930B2 (ja) アルミニウム非水電解液二次電池
JP2001516130A (ja) 蓄電池用の電解質
JPS60133669A (ja) 室温で溶融性の1,2,3―トリアルキルイミダゾリウムハロゲン化物
CN101821892A (zh) 锂储能装置
JP2000067852A (ja) リチウム二次電池
JPH09120816A (ja) アルミニウム非水電解液二次電池
JP2000353543A (ja) 非水電解液二次電池
JP3324101B2 (ja) アルミニウム非水電解液並びにそれを用いた電池及びアルミニウム電析方法
Reynolds et al. Primary and secondary room temperature molten salt electrochemical cells
US3508966A (en) Electrochemical cell with non-aqueous electrolyte
US7824800B1 (en) Lithium-ion cell with a wide operating temperature range
US6083647A (en) Non-aqueous electrolyte comprising an aluminum compound and a method for the electrodeposition of aluminum from the electrolyte
US20030186124A1 (en) Secondary battery and capacitor utilizing indole compounds
US4128702A (en) Cell with N,N-bis (substituted phenyl)-4,4- dipyridinium salt depolarizer
JPH09259892A (ja) アルミニウム非水電解液二次電池
JP3123749B2 (ja) 非水系電解液二次電池
EP0239976A2 (en) Molten salt secondary battery
US6678150B2 (en) Capacitor element using quinoxaline compound
JPH0654686B2 (ja) 二次電池
CA2060712C (en) High voltage lithium rechargeable electrochemical cell
JP2819201B2 (ja) リチウム二次電池
JPH0487155A (ja) 非水系電解液電池
JPH01296572A (ja) 電池

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20031212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040727

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041207