JPH09116382A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH09116382A
JPH09116382A JP34134695A JP34134695A JPH09116382A JP H09116382 A JPH09116382 A JP H09116382A JP 34134695 A JP34134695 A JP 34134695A JP 34134695 A JP34134695 A JP 34134695A JP H09116382 A JPH09116382 A JP H09116382A
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acoustic wave
surface acoustic
resonator
electrode
filter
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JP34134695A
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Hideo Sato
秀雄 佐藤
Tsuyoshi Sugawara
強 菅原
Mina Sawamura
三奈 澤村
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一圧電基板上に構成された弾性表面波フィ
ルタおよび弾性表面波共振子において、発振回路のオン
・オフに関わらずノイズを発生させない。 【解決手段】 圧電基板と、この圧電基板の 1主面に載
置された少なくとも 2組のトランスデューサ電極によっ
て構成される少なくとも 1つの弾性表面波フィルタと、
1主面に載置された少なくとも 1組のトランスデューサ
電極および 2組の反射器電極によって構成される少なく
とも 1つの弾性表面波共振子とよりなる弾性表面波装置
において、弾性表面波フィルタは、その各トランスデュ
ーサ電極の内の弾性表面波共振子に近接する側の電極が
全て接地電位にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波装置に係
り、とくに同一の圧電基板上に形成された発振回路や他
の弾性表面波フィルタの影響を受けることのない弾性表
面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波フィルタと弾性表面波共振子
とを同一の圧電基板上に構成することは既に知られてい
る(特開平 4-68907号公報)。この技術は同一の圧電基
板に第1中間周波数フィルタおよび第2局部発振用共振
子を構成することからなり、スパーヘテロダイン検波回
路を想定している。また、この技術の要旨はフィルタの
中心周波数と発振周波数を常に合わせることであり、そ
のために、周波数温度特性が同一である回路を構成する
ように、弾性表面波フィルタと弾性表面波共振子を同一
の基板上に構成している。
【0003】ここで弾性表面波フィルタについて下記に
説明する。弾性表面波フィルタは、圧電基板と、この圧
電基板主面上に載置された入出力トランスデューサ電
極、これらを納めるパッケージ、および圧電基板とパッ
ケージとを電気的に接続するボンディング・ワイヤとか
ら構成される。ここで、圧電基板は弾性表面波を伝搬す
る基板であり、入力トランスデューサ電極は電気信号を
弾性表面波(機械信号)に変換する電極であり、出力ト
ランスデューサ電極は弾性表面波(機械信号)を電気信
号に変換する電極であり、パッケージは金属またはプラ
スチックまたはセラミックスから構成され、ボンディン
グ・ワイヤはアルミニウム材料または金材料などから構
成されている。
【0004】弾性表面波フィルタは回路上に発生するあ
らゆる信号の内、本来の処理に必要な周波数成分のみを
瀘波抽出するために用いられる。すなわち入力トランス
デューサ電極の電極ピッチと圧電基板の弾性表面波伝搬
速度とで決まる周波数を中心周波数とし入力トランスデ
ューサ電極の本数で決まる通過帯域幅の周波数成分の電
気信号のみを圧電基板上に弾性表面波として励振し得
る。また励振された弾性表面波は入力トランスデューサ
電極から出力トランスデューサ電極へ到達し、やはり出
力トランスデューサ電極のピッチと圧電基板の弾性表面
波伝搬速度と出力トランスデューサ電極本数とから決ま
る周波数成分のみ弾性表面波から電気信号へ変換し得る
ことができ、またパッケージの端子を通して外部に電気
信号として排出し得る。このとき入力トランスデューサ
電極または出力トランスデューサ電極のいづれかにその
交差幅の重みづけを掛けることでフィルタの振幅特性や
位相特性(群遅延特性)を所望の特性に変更する事が可
能である。また弾性表面波フィルタに入力された電気信
号の内、先の入力トランスデューサ電極のピッチと圧電
基板の弾性表面波伝搬速度と入力トランスデューサ電極
の本数とから決められた中心周波数および周波数帯域幅
の範囲に無い電気信号は入力トランスデューサ電極にて
弾性表面波に変換されず、したがって圧電基板上に弾性
表面波として励振されないために出力トランスデューサ
電極において電気信号として瀘波抽出されることはな
い。
【0005】一般の弾性表面波フィルタの応用では、例
えば日本のテレビの中間周波数回路に於ける映像信号
(58.75MHz)や音声信号(54.25MHz)の検出すなわち隣
接映像信号や隣接音声信号の除去に用いられたり、また
は衛星放送受信機の第2中間周波数抽出(402.78MHz )
に用いられてきた。最近ではデジタル化された信号を検
波する前段のロールオフ・フィルタとして用いられる応
用も増えてきている。
【0006】次に弾性表面波共振子について説明する。
弾性表面波共振子は主に 1ポート共振子と 2ポート共振
子とに分類することができる。 1ポート共振子は圧電基
板上に載置された 1対のトランスデューサ電極とこれを
弾性表面波の伝搬方向に挟む形で配置された 1組の反射
器電極とで形成される。 1ポート共振子では圧電基板の
弾性表面波伝搬速度とトランスデューサ電極のピッチと
で共振周波数が決められる。弾性表面波フィルタの中心
周波数が圧電基板の弾性表面波伝搬速度とトランスデュ
ーサ電極のピッチの比で決まったことに対して、弾性表
面波共振子では一般に反射器電極の弾性表面波反射効率
を上げるために電極を構成する金属薄膜の膜厚を高くし
ているためトランスデューサ電極の内部で表面波の反射
が生じ、したがってトランスデューサ電極自身の放射コ
ンダクタンスは周波数が低い方にシフトした形になる。
1ポート共振子はトランスデューサ電極を 1対のみ持つ
ために弾性表面波フィルタとは異なり入力から出力にか
けての電気信号の遅延時間を持たないことが特徴であ
る。
【0007】また 2ポート共振子では前述の反射器電極
に挟まれて 2対のトランスデューサ電極を合わせ持つ。
動作は前述の弾性表面波フィルタに近く、一方のトラン
スデューサ電極は入力された電気信号を弾性表面波に変
換、励振する。励振された弾性表面波は出力トランスデ
ューサ電極で受信される以上に両側の反射器電極で反射
され各電極が載置された圧電基板上にQの高い定在波を
生じる。出力トランスデューサ電極は定在波の腹に位置
する位相関係で圧電基板上に配置され、高い出力の電気
信号を取り出すことが可能である。
【0008】1ポート、 2ポートのいづれにおいても弾
性表面波共振子は発振回路に用いられる。一般的にはト
ランジスタ等の増幅回路を用いコルピッツ形の発振回路
を構成する。図4に 1ポート共振子を用いた発振回路の
例を示す。弾性表面波共振子41からみたトランジスタ
42を中心とした回路は容量性に見えているので、弾性
表面波共振子41がインダクター性に見える周波数、す
なわち 1ポート共振子の直列共振点と並列共振点の間の
いづれかで発振が生じる。
【0009】弾性表面波共振子を用いた発振回路はCA
TVや衛星放送受信機などで広く用いられている。CA
TVにおいてはセットトップ・コンバータの第2ローカ
ル発振器に用いられる。これは第1中間周波数と第2ロ
ーカル発振器信号とのミキシングによりテレビのチャン
ネル周波数に合わせることに用いられる。また衛星放送
受信機では第2中間周波数フィルタに弾性表面波フィル
タを用い、第3ローカル発振器に弾性表面波共振子を用
いることがある。
【0010】近年では様々な放送、通信がディジタル信
号化されて行われている。特に衛星放送においても未来
の通信とのデータの共有化を目指してディジタル化が進
んでいる。さてディジタル衛星放送の受信機においては
第2中間周波数を 479.5MHzに設定することが一般化さ
れている。ディジタル信号はπ/4QPSK信号として送
信されてくる。この信号を受信、検波するためには図5
の様な回路を必要とする。図5はディジタル変調された
信号の検波回路の例である。図5において51は第2中
間周波数弾性表面波フィルタ、52は第3ローカル弾性
表面波発振器、53はπ/2位相変換器、54は第3ミキ
サー、55は検波回路である。51に用いられる弾性表
面波フィルタには次のような性能が求められる。まず中
心周波数は第2中間周波数である 479.5MHz 近傍でなく
てはならない。さらに信号が拡散している周波数帯域 3
2MHzを通過させる帯域幅が必要であり、前後段のゲイン
・プロファイルの問題から弾性表面波フィルタの電圧損
失は 20dB 程度が望ましい。また信号の電圧レベルを常
に一定に保つために振幅偏差(リップル)は 0.1〜0.2d
B 程度、また信号の検波誤り率を低く保つために群遅延
時間偏差は通過帯域内で 2〜4ns に保つことが望まし
い。52に用いられる弾性表面波共振子には発振回路に
実装した際に前述の弾性表面波フィルタの中心周波数で
発振することが求められる。したがって一般的にはその
共振周波数は弾性表面波フィルタの中心周波数とは一致
するとは限らない。前述のように発振周波数は弾性表面
波共振子のインピーダンスがインダクタ性に見える周波
数になるが、それは直列共振周波数と並列共振周波数の
間にあり、いわゆるインピーダンスの最も低く見える共
振周波数ではインダクター性には見えない。すなわち直
列共振周波数は前記弾性表面波フィルタの中心周波数よ
りは低く、並列共振周波数は前記の弾性表面波フィルタ
の中心周波数よりも高くなる。このように、ディジタル
衛星放送においては第2中間周波数フィルタに厳密なロ
ールオフ特性を求めるために、第2中間周波数の中心周
波数と第3ローカル発振周波数とが厳密に一致すること
が重要となる。
【0011】しかし、第2中間周波数フィルタである弾
性表面波フィルタは、その中心周波数に温度特性を持っ
ている。広く用いられているY軸カットX軸伝搬ニオヴ
酸リチウムを圧電基板として用いた 479.5MHz の弾性表
面波フィルタの場合、中心周波数の温度係数が -90ppm/
℃なので 25 ℃に対して、 +60℃では 1.5MHz も中心周
波数が下がることになる。またX軸カット 112°Y軸伝
搬タンタル酸リチウムを圧電基板にした場合には温度係
数が -18ppm/℃であるため、 25 ℃に対して、+60℃で
は中心周波数が 302kHz も下がることになる。このとき
第3ローカル発振器にも同等の周波数温度係数を持たせ
る必要がある。そのために発振器を構成する発振素子に
は、第2中間周波に用いられた弾性表面波フィルタと同
等材料を用いた弾性表面波共振子が用いられる。一般的
に弾性表面波共振子を用いた発振回路の周波数温度係数
は弾性表面波共振子自体の温度係数が支配的であり、共
振子の材料を意図的にフィルタと合わせている限り、フ
ィルタの温度係数と同等になる。
【0012】このため、弾性表面波フィルタと弾性表面
波共振子を同一の材料で構成する場合、同一の基板上に
それぞれの電極を構成することはすでに知られている
(特開平 4-68907号公報)。図6に一般的な構成例を示
す。図6の上段は第2中間周波数を抽出する弾性表面波
フィルタ2、下段は第3ローカル発振器の発振素子であ
る弾性表面波共振子3である。それぞれは同一の圧電基
板1上に載置されている。前述の特開平 4-68907号公報
で説明されている技術は第1中間周波フィルタ以降の検
波方式はいわゆるスーパーヘテロダイン方式である。本
方式では第1中間周波フィルタの中心周波数と発振回路
の周波数とは異なる。たとえば第1中間周波フィルタ以
降の第3ローカル周波数は 10 MHz 程度に設定されるこ
とが多い。この場合、第1中間周波フィルタの中心周波
数に対して発振回路を構成する第2局部発振用共振子の
共振周波数は 10 MHz 程度低い。この技術は第1中間周
波フィルタを通過した信号を直接検波する方式に用いら
れるが、前述の特開平 4-68907号公報ではヘテロダイン
方式に用いられる点が異なる。
【0013】一方、弾性表面波フィルタと弾性表面波共
振子との組合わせでなく、少なくとも 2個の弾性表面波
フィルタを組合わせるデュアルタイプの弾性表面波装置
がある。このような弾性表面波装置の従来例を図8に示
す。図8において、圧電基板1のチップサイズが大きい
ので、弾性表面波フィルタAの出力側電極9aと弾性表
面波フィルタBの入力側電極8bとの間の距離と弾性表
面波フィルタBの出力側電極9bと弾性表面波フィルタ
Aの入力側電極8aとの間の距離とが等しくなるように
弾性表面波フィルタAおよびBを配置できる。この配置
においては、出力側外部回路に差動増幅器を使用しても
2つの入力側電極に同時に信号が加えられたとき、誘導
をキャンセルすることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
おいて、実際に発振回路を構成し、弾性表面波共振子3
を用いて発振させた状態で弾性表面波フィルタ2の振幅
特性を観測してみると図7の様になった。図7(a)は
振幅特性であり、共振子が発振状態での振幅(実線)で
は通過帯域内にノイズ11が見られる。発振を止めた場
合の振幅特性は点線の様になり、帯域内のノイズが発振
回路による影響であることがわかる。図7(b)の群遅
延特性の場合も同様である。発振回路の影響と考えられ
るノイズ11が帯域内に見られるディジタル信号の検波
の場合、特に群遅延特性のノイズ11の影響は大きい。
群遅延の帯域内偏差は 15ns 程度が限度であり、ノイズ
の影響でこれを超える偏差を生じた場合には映像や音声
にノイズが生じる。
【0015】以上のように同一圧電基板上に弾性表面波
フィルタおよび弾性表面波共振子を構成し、弾性表面波
共振子を発振素子として発振回路を構成しまた発振させ
た状態では、弾性表面波フィルタの振幅、群遅延特性に
ノイズが発生し、特にディジタル信号検波回路において
は影響が考えられるという問題がある。
【0016】前述の特開平 4-68907号公報の技術を弾性
表面波フィルタの中心周波数 479.5MHz 、弾性表面波共
振子の共振周波数 469.0MHz で構成して同様に受信回路
を構成してみた。弾性表面波共振子を用いた発振回路を
動作させ、弾性表面波フィルタの通過特性を観察したと
ころ、図7(a)および図7(b)で示されたノイズは
観察されなかった。これは発振回路の影響が弾性表面波
フィルタに及んでいないことを示している。発振回路の
周波数が弾性表面波フィルタの中心周波数とは10 MHz
以上も異なるために、弾性表面波フィルタの帯域内にノ
イズとして現れないものと考察される。
【0017】請求項1ないし請求項3の発明はこのよう
な問題に対処するためになされたもので、同一圧電基板
上に構成された弾性表面波フィルタおよび弾性表面波共
振子において、発振回路のオン・オフに関わらずノイズ
のない弾性表面波フィルタ特性が得られる弾性表面波装
置を提供することを目的としている。
【0018】一方、デュアルタイプの弾性表面波装置に
おいて、チップサイズをできる限り小さくしようとした
とき、弾性表面波フィルタAおよびBの配置は図9に示
すようになる。図9において、圧電基板1のチップサイ
ズが小さいので、弾性表面波フィルタAの出力側電極9
aと弾性表面波フィルタBの入力側電極8bとの間の距
離は、弾性表面波フィルタBの出力側電極9bと弾性表
面波フィルタAの入力側電極8aとの間の距離より長く
なってしまう。また、図9における弾性表面波装置の引
き回しパターンを図10に示す。図10に示すように引
き回しパターンは、外部回路にあわせ単純化するため、
弾性表面波フィルタAの入力側ホット電極11は、弾性
表面波フィルタB側に配置してあった。このような配置
において、弾性表面波フィルタAおよびBのそれぞれの
入力側電極に同時に信号が加えられたとき、弾性表面波
フィルタAの入力側ホット電極11よりの信号が弾性表
面波フィルタBの出力側電極9bに漏れ混む。その結
果、差動増幅器7に大きさの異なる信号が入ることによ
り差動のバランスが崩れ誘導をキャンセルすることがで
きなくなり、帯域外減衰量の低減等の周波数特性の劣化
が生じるという問題がある。
【0019】請求項4の発明はこのような問題に対処す
るためになされたもので、同一圧電基板上に構成された
複数個の弾性表面波フィルタを有する場合において、差
動増幅器への入力信号のバランスがとれて誘導をキャン
セルすることができる弾性表面波装置を提供することを
目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の弾性表面波装
置は、圧電基板と、この圧電基板の 1主面に載置された
少なくとも 2組のトランスデューサ電極によって構成さ
れる少なくとも 1つの弾性表面波フィルタと、 1主面に
載置された少なくとも 1組のトランスデューサ電極およ
び 2組の反射器電極によって構成される少なくとも 1つ
の弾性表面波共振子とよりなる弾性表面波装置におい
て、弾性表面波フィルタは、その各トランスデューサ電
極の内の弾性表面波共振子に近接する側の電極が全て接
地電位にあることを特徴とする。
【0021】請求項2の弾性表面波装置は、請求項1の
弾性表面波装置において、弾性表面波共振子が 2ポート
共振子であることを特徴とする。
【0022】請求項3の弾性表面波装置は、請求項1ま
たは請求項2の弾性表面波装置において、弾性表面波フ
ィルタの出力電極が接地電位にならない差動出力タイプ
であって、弾性表面波フィルタのトランスデューサ電極
の間に位置するシールド電極が弾性表面波フィルタと弾
性表面波共振子との間に位置するまで引き延ばされてい
ることを特徴とする。
【0023】請求項4の弾性表面波装置は、圧電基板
と、この圧電基板の 1主面に少なくとも 2組のトランス
デューサ電極によって構成される弾性表面波フィルタが
複数個近接して載置され、かつ弾性表面波フィルタが相
互に異なる周波数特性を有する弾性表面波装置におい
て、近接して載置された弾性表面波フィルタの一方の出
力側電極と他方の入力側電極との間の距離と、この他方
の出力側電極と一方の入力側電極との間の距離が異なる
とき、これらの距離の短いほうに位置する弾性表面波フ
ィルタの入力側電極の接地電極を近接する弾性表面波フ
ィルタ側に配置することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】請求項1ないし請求項3に係る弾
性表面波装置について説明する。同一圧電基板上に構成
された弾性表面波フィルタおよび弾性表面波共振子にお
いて、発振回路のオン・オフにより発生するノイズの原
因は発振回路で発生しているスペクトラムの回り込みと
考えられる。それは発振回路をオン・オフした場合に、
振幅や群遅延特性に発生するノイズの状態が変わること
で考察される。発振回路の内、弾性表面波フィルタに最
も近いのは同一圧電基板上に構成された弾性表面波共振
子である。したがって弾性表面波共振子を通過する発振
出力が誘電率の高い圧電基板を通過して弾性表面波フィ
ルタ側に漏れていると考えられる。
【0025】図6を用いて現象を説明する。誘電率の高
い圧電基板1上に形成された弾性表面波共振子3は外部
の回路とともに発振回路を構成している。このとき弾性
表面波のエネルギー(定在波)は共振子によってトラッ
プされてはいるが、実は共振子の外に若干漏れている。
漏れてはいるが共振子が構成する導波路から離れること
無く、周辺にトラップされた形で伝搬している。さて、
同一圧電基板1上に形成された弾性表面波フィルタ2で
は電気信号が入力される電極4および電気信号が出力さ
れる電極5は弾性表面波共振子側に配置されており、一
方の対である電極6および電極7は接地電位になってい
る。この構成で弾性表面波共振子3をつなぐ回路を発振
させて弾性表面波フィルタ2のフィルタ特性を観察する
と図7の実線のようになった。また発振を止めると図7
の点線の通りとなった。これは弾性表面波共振子3から
発振回路のエネルギーがもれ、フィルタ側の電極4、電
極5に漏れこんだためと考えられる。弾性表面波フィル
タ2と弾性表面波共振子3の間には互いの電位を妨げる
ものが無い。したがって誘電率の高い圧電材料で結合
し、漏れこんだものと考えられる。
【0026】この漏れ混みを防ぐための実施例について
図1を用いて説明する。図1では、誘電率の高い基板1
上に形成された弾性表面波フィルタ2と弾性表面波共振
子(1ポート共振子)3との位置関係は変わっていない
が、入出力電極と接地電極との位置関係をかえている。
すなわち、図6の入力電極4に対応する位置に、図1で
は接地電極6が置かれ、これは接地電位にある。また同
様に図6の出力電極5の位置に、図1では接地電極7が
ありこれも接地電位にある。かわって図1の入力電極4
は接地電極6の内側の位置に変わり、これは弾性表面波
共振子3とは離れた位置にあると言えるばかりか、弾性
表面波共振子3との間には接地電位にある接地電極6お
よび接地電極7を挟んで静電的結合を阻止している。
【0027】実際に同一基板上に弾性表面波フィルタ2
および弾性表面波共振子3を構成し、弾性表面波共振子
3を発振回路に接続、発振させた状態で弾性表面波フィ
ルタ2のフィルタ特性を観察すると、図7に示す点線の
通りとなり、また発振を止めてフィルタ特性を観測する
と変わること無く点線の通りの特性となった。これは発
振回路の影響を受けていないことを示している。これは
弾性共振子を用いた発振回路のエネルギーの漏れが弾性
表面波フィルタの接地電位にある電極によって遮断さ
れ、トランスデューサ電極の一方の対である、図1の入
力電極4や出力電極5に影響していないものと考えられ
る。
【0028】しかも図7に示す実線の特性に現れたノイ
ズは静電的な結合によるものであり、実際に弾性表面波
自身が共振子からフィルタに向かって漏れ出ているわけ
では無いことを示している。なぜならば弾性表面波自身
が漏れ出ているのならば、フィルタの共振子に近接する
側のトランスデューサ電極の一方の対を接地電位にして
も他方の電極ではノイズとして出力されるはずだからで
ある。
【0029】図2に本発明の変形例を示す。図2で弾性
表面波フィルタ2は図1と同様に共振子に近接するトラ
ンスデューサ電極を接地電位として、弾性表面波共振子
3は2ポート共振子として構成されている。 2ポート共
振子を用いた発振回路はその位相特性を利用して構成さ
れることが多く、そのために 2組のトランスデューサ電
極をそれぞれ入力電極、出力電極として用いる。共振子
の入力電極や出力電極においても接地電位に設定するの
は弾性表面波フィルタとは近接する側に設定してある。
本変形例においても図1と同様の効果が確認できた。 2
ポート弾性表面波共振子を用いた発振回路を動作させた
ままで弾性表面波フィルタの通過特性を確認すると図7
に示す点線の特性を確認した、また発振を止めても同様
にノイズの無い点線通りの特性が得られ、発振のオン・
オフに連動してフィルタの特性が変わることはなかっ
た。
【0030】図3に本発明の他の変形例を示す。図3に
記載の弾性表面波フィルタは図1、図2と構成的には変
わらないが、入力トランスデューサ電極8を非作動と
し、出力トランスデューサ電極9を作動としている。ま
た弾性表面波共振子3は図1と同様に 1ポート共振子の
構成である。このとき入力のトランスデューサ電極8は
前述までの理由で弾性共振子を含んだ発振回路の影響を
受けないが、出力トランスデューサ電極9は発振回路の
影響を受けることになる。これを除去するために入力ト
ランスデューサ電極8と出力トランスデューサ電極9と
の間に載置されたシールド電極10(接地電位)を引き
延ばし、弾性表面は共振子と出力トランスデューサ電極
との間に接地電位の壁を設けた。やはり、図7の点線で
示した周波数特性を実現し、発振回路のオン・オフに関
わらずノイズの無い特性を実現している。
【0031】請求項4に係る弾性表面波装置を図11に
より説明する。図11は誘電率の高い基板上に形成され
た弾性表面波フィルタとその電極の引き回しパターンを
示す。図11において、弾性表面波フィルタAとBとの
位置関係は図10に示す従来例と変わっていないが、弾
性表面波フィルタAにおける入力側ホット電極11と入
力側接地電極12との位置関係を変えている。すなわ
ち、図10における弾性表面波フィルタAの入力側ホッ
ト電極11に対応する位置に、図11では接地電極12
が置かれている。
【0032】この結果、弾性表面波フィルタBの出力側
電極10bと弾性表面波フィルタAの入力側ホット電極
11との間の距離が遠くなり、入力側ホット電極11よ
りの信号の漏れ混みを防ぐことができる。
【0033】実際に同一圧電基板上に弾性表面波フィル
タAおよびBを構成し、両方の弾性表面波フィルタのフ
ィルタ特性を観察した結果を図12に示す。図10に示
す従来例では、図12に示す点線の通りとなり、また図
11に示す本実施例では、実線の通りの特性となり、帯
域外減衰量が大きく良好なフィルタ特性が得られた。
【0034】
【発明の効果】請求項1ないし請求項3の弾性表面波装
置は、同一圧電基板上に構成された弾性表面波フィルタ
および弾性表面波共振子において、弾性表面波共振子を
用いて発振回路を構成し、その発振回路を動作させた状
態でも発振回路の影響を受けることの無い弾性表面波弾
性表面波装置を得ることができる。
【0035】請求項4の弾性表面波装置は、同一圧電基
板上に構成された複数の弾性表面波フィルタにおいて、
近接する入力側ホット電極からの漏れ混みを防ぐことに
より、差動増幅器への入力信号のバランスがとれ誘導が
キャンセルされて、帯域外レベルが良好である弾性表面
波装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発振回路からのエネルギー漏れ混みを防ぐため
の実施例を示す図である。
【図2】図1に示す実施例の変形例を示す図である。
【図3】図1に示す実施例の他の変形例を示す図であ
る。
【図4】1ポート共振子を用いた発振回路の例を示す図
である。
【図5】ディジタル変調された信号の検波回路の例を示
す図である。
【図6】従来例の弾性表面波装置を示す図である。
【図7】弾性表面波装置のフィルタ特性を示す図であ
る。
【図8】従来例のデュアルタイプの弾性表面波装置を示
す図である。
【図9】デュアルタイプの弾性表面波装置における弾性
表面波フィルタの配置を示す図である。
【図10】図9における弾性表面波装置の引き回しパタ
ーンを示す図である。
【図11】本実施例における弾性表面波装置の引き回し
パターンを示す図である。
【図12】弾性表面波フィルタのフィルタ特性を示す図
である。
【符号の説明】
1……圧電基板、2……弾性表面波フィルタ、3……弾
性表面波共振子、4……入力電極、5……出力電極、6
……接地電極、7……接地電極、8……入力トランスデ
ューサ電極、9……出力トランスデューサ電極、10…
…シールド電極、11……ノイズ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、この圧電基板の 1主面に載
    置された少なくとも 2組のトランスデューサ電極によっ
    て構成される少なくとも 1つの弾性表面波フィルタと、
    前記 1主面に載置された少なくとも 1組のトランスデュ
    ーサ電極および2組の反射器電極によって構成される少
    なくとも 1つの弾性表面波共振子とよりなる弾性表面波
    装置において、 前記弾性表面波フィルタは、その各トランスデューサ電
    極の内の前記弾性表面波共振子に近接する側の電極が全
    て接地電位にあることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の弾性表面波装置におい
    て、前記弾性表面波共振子が 2ポート共振子であること
    を特徴とする弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の弾性表面
    波装置において、前記弾性表面波フィルタの出力電極が
    接地電位にならない差動出力タイプであって、前記弾性
    表面波フィルタのトランスデューサ電極の間に位置する
    シールド電極が前記弾性表面波フィルタと前記弾性表面
    波共振子との間に位置するまで引き延ばされていること
    を特徴とする弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 圧電基板と、この圧電基板の 1主面に少
    なくとも 2組のトランスデューサ電極によって構成され
    る弾性表面波フィルタが複数個近接して載置され、かつ
    前記弾性表面波フィルタが相互に異なる周波数特性を有
    する弾性表面波装置において、 前記近接して載置された弾性表面波フィルタの一方の出
    力側電極と他方の入力側電極との間の距離と、前記他方
    の出力側電極と前記一方の入力側電極との間の距離が異
    なるとき、これらの距離の短いほうに位置する弾性表面
    波フィルタの入力側電極の接地電極を近接する弾性表面
    波フィルタ側に配置することを特徴とする弾性表面波装
    置。
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