JPH09108156A - カーペットクリーナー及びカーペットの清浄化方 法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトな一体型高能率システムのカーペ
ットクリーナー及びカーペットの清浄化方法を提供する
こと。 【解決手段】洗浄剤泡の連続発生装置、２軸回転ブラシ
による摩擦洗浄装置、余剰洗浄剤と泡のカーペット面か
らの真空除去装置及び僅かに洗浄剤泡の残留したカーペ
ット面の高温高速ジェットエアーによる瞬間乾燥装置を
含んでなるカーペットクリーナー及びカーペットの清浄
化方法方法であり、１人で安全、簡単、迅速かつ確実に
カーペットの洗浄が可能であり、洗浄終了後、カーペッ
トは即時使用可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、業務用カーペット
クリーナーに関する。

【０００２】

【従来の技術】カーペットクリーナーに関する我国の特
許、実用新案１１件の公報記載の内容を、本願の発明と
対比して、内容の類似性の有無を対比すれば、下表の如
くである。

【表１】 上記公報記載の多くは家庭用の乾式小型カーペットクリ
ーナーに関するもので、いづれも本発明の目的である、
泡発生供給、回転ブラシ洗浄、泡吸引、高速乾燥機能を
揃って有する業務用カーペットクリーナーにかかるもの
ではない。

【０００３】次に、米国のカーペットクリーナー関連特
許は下記のように、１）発泡洗浄剤（Ｆｏａｍ）、又は
シャンプー（Ｓｈａｍｐｏｏ）方式、２）蒸気又は熱水
方式、３）発泡洗浄剤又はシャンプー方式と熱水の組合
せ方式、４）関連特許（床面樹脂塗布機等）に４分類さ
れる。 １）発泡洗浄剤又はシャンプー方式。 ＵＳＰ３，０７９，２８５、ＵＳＰ３、３６４、６２
７、ＵＳＰ３，３９２，４１８、ＵＳＰ４，０００，５
３７、ＵＳＰ４，１６７，７９８、ＵＳＰ２，９１０，
７２０ ２）蒸気又は熱水方式。 ＵＳＰ３，６１４，７９７、ＵＳＰ３，６９９，６０
７、ＵＳＰ３，９１９，７２９、ＵＳＰ３，９１９，７
２９、ＵＳＰ３，９５９，８４４、ＵＳＰ３，９７４，
５４１ ３）発泡洗浄剤またはシャンプーと熱水方式の組合わせ
方式。 ＵＳＰ４，１６７，７９９、ＵＳＰ４，３５３，１４５ ４）関連特許（床面樹脂塗布機等）。 ＵＳＰ５，１６９，４４５ これら４タイプの機械装置は、モーターフレーム、車
輪、洗浄剤のカーペット面供給装置、半自動運転機構等
から構成されるが、業務用カーペットクリーナーとして
は夫々一長一短がある。特に洗浄時に、水分を多く含む
多量の洗浄剤をカーペット面に供給するため、真空吸引
後も多量の水分がカーペット内に残留し、高温高速空気
による乾燥工程もないので長時間の自然乾燥を要し、洗
浄作業後直ちに使用出来ないという欠点がある。ＵＳＰ
４，１６７，７９８記載の発泡洗浄剤型カーペット洗浄
装置の発明は、ブロワの排出空気を２分し、一方は発泡
用の空気にあて、他方は洗浄用ブラシの駆動に利用する
というものであるが、本発明の如き、極微細な泡生成の
記載がなく、また高温高速の空気で瞬間乾燥する機能が
なく、洗浄作業後直ちに使用出来ないという欠点があ
る。更に、ＵＳＰ５，１６９，４４５の床面樹脂塗布機
では、コーティング皮膜の６０℃熱風乾燥、常温空気吹
付け乾燥装置が組込まれているが、毛足の長い厚手のカ
ーペット面の乾燥には全く効果がない。カーペットの繊
維間の水分は毛管現象で強く吸着され乾燥困難であるか
らである。結局、現在の多くのカーペット清掃業界が待
望しているコンパクトな一体型高能率システムのカーペ
ットクリーナーのヒントすら与えられず、従って業務用
一体型実用機は市場に存在しない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】生活様式の洋風化か
ら、住宅、事務所、ホテルなどの床面は、木製フロア、
プラスチックタイル張からカーペット張に急速に変化し
つつある。しかし、汚れたカーペットの洗浄作用は技術
的に容易でない。そこでカーペット清掃の専門業が誕生
した。その作業方法は、１）洗浄剤の手動散布、２）カ
ーペット面での泡立て、水平回転ブラシによる摩擦洗
浄、３）余剰洗浄剤の真空ノズルによる吸引、４）５乃
至６時間放置によるカーペット面の自然乾燥の順序で数
人掛りで行なうのが一般的である。今日、高コスト、重
労働、長時間労働の改善が清掃作業者、清掃業界の双方
から望まれている。現在カーペット洗浄、乾燥を一体化
した効率的自動乾燥機がないため、代表的清掃業者も機
械的合理化、省力化が全くできていない。また、上記の
従来の技術の記載を見ても、これらの市場要求に対応す
る実用機が存在しないことから、本発明者らは、研究の
結果、従来の技術の欠点を解決し、作業者１人で簡単に
操作できる待望の業務用高機能半自動カーペットクリー
ナーの発明を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、化学洗浄剤を
含んでなる極微細で長時間安定な泡の製造及び吹出しを
する装置、該泡を吹出し散布したカーペット面を回転ブ
ラシで摩擦洗浄する装置、カーペット上の及び回転ブラ
シ上の残存洗浄剤泡を吸引して消泡タンク内に導入、泡
の２次発生を防止する装置、及び洗浄されたカーペット
面を、高温、高速風により急速乾燥する装置、を含んで
なるカーペットクリーナー、である。殊に、極微量の洗
浄剤で、カーペットの深部まで完全に洗浄できる高洗浄
力で、極微細な安定性の良い嵩高の泡洗浄剤の製造装置
と、そのカーペット面への供給装置、ブラッシング洗浄
後、残留泡と水分の完全な真空吸引、カーペット面及び
回転ブラシ上の残存洗浄剤泡を７０℃〜２００℃、４ｍ
／ｓｅｃ〜２０ｍ／ｓｅｃ程度の高温、高速風により瞬
間に乾燥する高温、高風速のジェット乾燥装置を一体と
して構成したカーペットクリーナーを提供しようとする
ものである。また、本発明の他の態様としては下記があ
る。 １）化学洗浄剤を含んでなる極微細で長時間安定な泡の
多段階発泡法による製造及び吹出しをする装置。 ２）化学洗浄剤を含んでなる極微細で長時間安定な泡を
吹出し散布したカーペット面を回転ブラシで摩擦洗浄す
る装置。 ３）カーペット上の及び回転ブラシ上の残存洗浄剤泡を
吸引して消泡タンク内に導入、泡の２次発生を防止する
装置。 ４）洗浄されたカーペット面を、高温、高速の風により
急速乾燥する装置。

【０００６】更に、本発明は、化学洗浄剤配合物から複
数段階発泡法により極微細な泡を安定的に連続製造し、
床面カーペットに供給、回転ブラシで摩擦洗浄した後、
カーペット上の残留洗浄剤と泡を密閉タンク内に吸引
し、タンク内の泡の２次発生を防止しつつ洗浄剤タンク
内の液面を自動的に一定水準に保ち、真空ポンプによっ
てタンクから吸引排出される空気と新な大気中の空気と
を合流してターボファンによって高速空気流とし、７０
℃〜２００℃、４ｍ／ｓｅｃ〜２０ｍ／ｓｅｃ程度の高
温に加熱、ジェットエアーノズルで更に加速、高温、高
速風として噴出し、急速にカーペットを乾燥するカーペ
ットの清浄化方法、を提供するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明につき、以下図１乃至図６
に基づき説明する。図１は本発明のローラー回転ブラシ
を用いたカーペットクリーナーの側面模式図例であり、
図２は底面から見た本発明カーペットクリーナー用ロー
ラー回転ブラシの植付方向を示す模式図例であり、図３
は本発明カーペットクリーナー用ギヤポンプ２８乃至ス
プリングバルブ３５近傍の拡大断面図例であり、図４は
本発明カーペットクリーナー用ベンチュリノズル２９付
近の拡大断面図例を示す。図５は本発明で円盤状水平回
転ブラシを用いたカーペットクリーナーの底面より見た
模式図である。図６は本発明カーペットクリーナーカー
トの上面図例である。本発明カーペットクリーナーカー
ト４１は、移動用装置としてフレーム２４に走行用車輪
２５及び自在キャスター２６を取付けてある。フレーム
２４には、更に下記の装置を取付け、セットしてある。 １） 化学洗浄剤を含んでなる極微細で長時間安定な泡
の製造及び吹出しをする装置。 この装置としては、フレーム２４上に開放型発泡洗剤タ
ンク９を取付け、このタンク９底部より逆止弁３３−
１、加圧ポンプ２８、発泡スペース３４、スプリングバ
ルブ３５を導管４２により順次接続し、更に導管４２に
よりメタルメッシュ部３０及び発泡用スポンジ７を有す
る発泡洗剤ノズル８に接続し、ノズル８の先端がカーペ
ット２７表面付近に開口するようにしてある。ここでメ
タルメッシュ部３０には金属性金網で、好ましくは５０
〜１００メッシュのものが使用でき、発泡用スポンジ
は、ウレタンホーム等の微細連通孔を有するプラスチッ
クスポンジが好ましく使用できる。また、加圧ポンプ２
８は、例えばギヤポンプであり、フレーム２４上に設置
したギヤードモーター６により駆動されるベルト３−３
により回転するように構成してある。発泡洗剤タンク９
には発泡洗剤液１０を入れ、該洗浄剤液１０は、発泡洗
剤タンク９の底部より導管４２、それに続く逆止弁３３
−１、次いでベルト３−３で駆動される加圧ポンプ２８
を経てスプリングバルブ３５で約１〜２Ｋｇ／ｃｍ2の
圧力に維持された発泡スペース３４内に送り込む。

【０００８】本発明の第１段階で重要なのは、強い洗浄
力を有し、極微細で長時間安定な泡を発生させる化学洗
浄剤の処方である。即ち発泡剤としては例えばアルキル
硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩
等の１）陰イオン界面活性剤、アルキルフェノール系他
の２）非イオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢
酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド等の
３）両面活性剤、４）高級アルコール、５）陰イオン界
面活性剤と両面活性剤との組合わせ等があり、更に１）
２）３）４）５）間の２種以上の適切な組合せも採用出
来る。

【０００９】次に、フィルターサイレンサー１４を経て
コンプレッサー１３により得られた中程度（約２〜３Ｋ
ｇ／ｃｍ²）の圧縮空気は、エヤータンク１２へ送り、
次いで電磁弁１１−１を開とし、導管４３により発泡ス
ペース３４中に吹き込んで加圧下に発泡洗剤液１０を１
次発泡させ（泡の直径約５〜１０ｍｍ程度。）、発泡ス
ペース３４の内圧力が１〜２Ｋｇ／ｃｍ²を越えた時ス
プリングバルブ３５が開き、その下部に続くメタルメッ
シュ部３０で１次発泡した洗浄剤泡を２次発泡させ（泡
の直径は１〜２ｍｍ程度となる。）、発泡洗剤ノズル８
を通過した泡を発泡用スポンジ７で極微細な３次泡（泡
の直径０．５ｍｍ以下となる。）とする３段階発泡によ
って、微量で洗浄効果が高く見掛け比重の低い長時間安
定な泡を床面に連続的に供給する。ここで泡の直径は、
顕微鏡ミクロメーター法によって測定することができ
る。次に、電磁弁１１−１を閉、加圧ポンプ２８を停止
とすれば、スプリングバルブ３５と逆止弁３３−１は自
動的に閉となり、発泡システムは停止する。従って、洗
浄剤が床面に漏れたり圧縮空気が発泡洗剤タンク９内に
吹き上げることはない。タンク９内液面は、液面計３９
−１により外部から確認できる。加圧ポンプ２８は、ギ
ヤポンプが好ましいが、ギヤポンプに代るベーンポン
プ、その他のポンプを採用できる。スプリンブバルブ３
５は、ダイヤフラムバルブ、その他を採用することがで
きる。発泡スペース３４は、球形であることが好ましい
が、それに代る円筒形、円錐形、長方形などその他の形
状のものを採用できる。前記は３段階発泡法を述べた
が、洗浄剤の直径０．５ｍｍ以下程度の極微小泡が生成
するならば、洗浄剤を前記の１次発泡及び２次発泡のみ
の組合わせとし、或は１次発泡と３次発泡などの組合わ
せ、更には希望すればより多段階の発泡手段を任意に組
合わせ、採用することも出来る。上記の発泡方法によ
り、泡の嵩比重は０．０１ないし０．１ｇ／ｍｌ程度、
好ましくは０．０３ｇ／ｍｌ前後で、１ｇの洗浄剤液が
約３３ｍｌの嵩となり、少量の洗浄剤で広いカーペット
面を洗浄できる。泡は極めて安定で、真夏の３５℃の高
温下でも最初の泡の嵩の５０％水準を２０分間以上維持
できる。

【００１０】２） 化学洗浄剤を含んでなる極微細で長
時間安定な泡を吹出し散布したカーペット面を回転ブラ
シで摩擦洗浄する装置。 フレーム２４上に設けたギヤードモーター６の回転によ
り、ピニオンギヤー５、プーリー４、ベルト３−１及び
３−２、プーリー２−１及び２−２を経て、夫々第１段
ローラー回転ブラシ１−１及び第２段ローラー回転ブラ
シ１−２が回転し得る様に設けてある。ここで、第１段
ローラー回転ブラシ１−１及び第２段ローラー回転ブラ
シ１−２は回転することより、発泡洗剤ノズル８により
泡を散布したカーペット２７面を摩擦洗浄する。更に、
好ましくは図２に示すように、前記ローラー回転ブラシ
の植毛方向を工夫したローラー回転ブラシ１−１、同１
−２に於て、使用中圧縮されて毛並が乱れたカーペット
を、第１段ローラー回転ブラシ１−１では、ローラー中
心から左右対称に内方向に約２０〜６０°の直線状に植
毛された回転ブラシで摩擦洗浄、次いで第２段ローラー
回転ブラシ１−２では前後方向に直列に植毛された回転
ブラシで摩擦洗浄しつつカーペットの毛並みを進行方向
に平行に揃えて、洗浄効果を高めると共に最終段階の乾
燥を容易にする。ここで、ローラー回転ブラシ１−１及
び同１−２とカーペット２７との接触圧力、水分の吸引
ノズル１５とカーペット２７との接触間隔、更にジェッ
トエヤーノズル２３とカーペット２７との間隔は、カー
ペットの材質、毛足の長さに応じて調節できるように構
成される。ローラー回転ブラシは、図示の２段のローラ
ー回転ブラシの他、３本以上の多段のものを使用するこ
とができる。

【００１１】ここで、図５に示す様に、ローラー回転ブ
ラシに代えて複数の、床面に水平に回転する円盤状水平
回転ブラシを使用することも出来る。円盤状水平回転ブ
ラシ５２−１、同５２−２及び同５２−３は、図示の様
に、伝動されるピニオンギヤ５５、ベルト５４、プーリ
ー５３により、円盤状水平回転ブラシ５５−１、同５５
−２は底面より見て時計方向へ、円盤状水平回転ブラシ
５５−３は反時計方向へ回転する様に配列してある。こ
の様に、円盤状水平回転ブラシも、２軸かそれより多く
の多軸のものを交互に逆回転する如くして配列するのが
好ましい。なお、回転する円盤状水平回転ブラシの中心
から渦巻状に植毛されたものを使用することができる。

【００１２】３） カーペット上の及び回転ブラシ上の
残存洗浄剤泡を吸引して消泡タンク内に導入、泡の２次
発生を防止する装置。 この装置は、前記ローラー回転ブラシ１−１、同１−２
でカーペット２７を洗浄後、カーペット２７上に残留し
た小量の、汚れ及び洗浄剤を含む泡は、第２ローラー回
転ブラシ１−２直後に開口する、ゴミフィルター４０を
附した泡吸引ノズル１５から導管４４を経て消泡タンク
１７上部に設けた真空ポンプ１９により真空吸引されて
消泡タンク１７底部に導入される。ここで、ゴミフィル
ター４０としては、好ましくは前段に粗い繊維を使用し
たやや粗なロック状材料を使用し、後段にはウレタンホ
ーム等のプラスチックを使用した微細連通孔を有する材
料を使用することが好ましい。消泡タンク１７内には、
タンク１７の底面からタンクの約１／４乃至３／４位の
間の適当な高さまで例えば０．００１〜０．０１％のポ
リオキシアルキルグリコール、又はシリコーンペースト
など、消泡剤を含有する消泡剤液、好ましくは消泡剤水
溶液１８を満たす。吸引された泡は、消泡剤液１８の作
用により瞬時にして消滅し、背後の真空ポンプ１９を汚
染することはない。

【００１３】洗浄剤を含む泡を吸収した結果、タンク１
７内の消泡剤液面が上昇すると、液面検知フロート３１
が上昇して、その端子が２枚の液面検知スイッチ３２の
上面に触れて電気的に電磁弁１１−２、同１１−３が開
き、ベンチュリーノズル２９が作動して、その陰圧によ
って逆止弁３３−２が開き、消泡タンク１７より消泡剤
液１８が排出する。タンク１７内液面が一定以下にまで
下降すると、前記と逆に検知スイッチ３２が検知し、電
磁弁１１−２、同１１−３が閉じ、逆止弁３３−２が閉
じて、消泡液１８の排出は停止する。これによりタンク
１７内液面が一定水準に保たれる。タンク１７内に泡が
発生した時は、タンク内の電気式泡検知機３６で検知し
て、その信号により、手動でタンク１７内液を下部排出
口３７から排出、タンク１７上部給水口３８から新に水
と消泡剤をタンク内に供給する。この液面検知手段は、
上記以外、場合により機械的或は手動的等その他の手段
で行うことも出来る。前記のローラー回転ブラシに代え
て２軸乃至多軸円盤状水平回転ブラシを採用するとき
は、泡吸引ノズル１５は最終段の水平回転ブラシの直後
に開口し、ローラー回転ブラシの場合と同様にカーペッ
ト面残留泡の吸引処理を行なう。真空ポンプ１９の排気
管４５は、最終段階の高風速ターボファン２１の吸気部
に接続してエネルギー節減を図ることが好ましい。

【００１４】４） 洗浄されたカーペット２７面を、高
温、高速風により急速乾燥する装置。 この装置としては、真空吸引後尚カーペット２７上に残
留する微量の洗浄剤泡を、瞬時に乾燥するため、前段階
の真空ポンプ１９による排気及び／又は別の吸気口４６
からフィルター２０を通過した外気を吸引して必要に応
じ合流した空気をターボファン２１に導き、導管４７内
に設置した電気ヒーター２２で空気を７０℃乃至２００
℃に加熱、カーペット２７面の近傍に設けたジェットエ
ヤーノズル２３で４乃至２０ｍ／ｓｅｃ程度の高速に加
速した高温高速の空気を前記カーペット面に吹きつけ、
瞬時にしてカーペット面を乾燥させる。これによって洗
浄されたカーペットは即時使用することができる。

【００１５】図１及び図６に示様にす本発明カーペット
クリーナーカート４１において、機械本体はプラスチッ
クカバー４８で被覆され、プラスチックカバー４８は数
カ所でフレーム２４にネジ止めされ、容易に脱着できる
様に構成される。運転操作盤５０の上面には、電源用メ
インスイッチ５１の他に、ヒーター２２用スイッチ、コ
ンプレッサー１３用スイッチ、真空ポンプ１９用スイッ
チ、ギヤードモーター６用スイッチ、ターボファン２１
用スイッチ、電磁弁１１用スイッチ等が配列される。運
転操作盤５０は、図１に示す如く、フレーム２４の後端
部において、上下に可動の如くボルトでフレームにアッ
プライトで固定されたハンドル４９と一体に構成され、
カーペットクリーナーカート４１全体を手で押して動か
すのに使われる。カーペットクリーナーの運転時は、電
源用メインスイッチ５１を入れ、次にコンプレッサー１
３用スイッチ、真空ポンプ１９用スイッチ、ギヤードモ
ーター６用スイッチ、ターボファン２１用スイッチ、電
磁弁１１用スイッチを入れると、洗浄剤泡が床面に供給
され、カーペット清浄作業が開始されるので、最後にヒ
ーター２２用スイッチを入れ、カーペットの乾燥工程ま
での作業が進行する。カーペットクリーナーの停止時の
スイッチの閉鎖は運転時の逆に操作する。

【００１６】

【実施例】図１乃至図４及び図６記載の装置を使用し、
０．１％ラウリル硫酸エステルナトリウムに０．００５
％ラウリルアルコールを添加した発泡液を発泡剤タンク
９に入れ、導管４２により順次洗浄剤を逆止弁３３−
１、ベルト３−３で駆動されるギアポンプ２８を経てス
プリングバルブ３５で約１〜２Ｋｇ／ｃｍ²の圧力に維
持された球形の発泡スペース３４に送りこみ、該部に２
〜３Ｋｇ／ｃｍ²の加圧空気を吹込んで加圧下に１次発
泡させる。球形の発泡スペース３４中に吹き込んで加圧
下に発泡洗剤液１０を１次発泡させ、球形の発泡スペー
ス３４の内圧力が１〜２Ｋｇ／ｃｍ² を越えた時スプリ
ングバルブ３５が開き、その下部に続くステンレススチ
ール製８０メッシュの金網を用いたメタルメッシュ部３
０で、１次発泡した洗浄剤泡を２次発泡させ、発泡洗剤
ノズル８を通過した泡を発泡用連通孔ウレタンホームポ
ンジ７で極微細な３次泡（直径０．５ｍｍ以下）とする
３段階発泡によって、微量で洗浄効果が高く嵩比重の低
い長時間安定な泡をカーペット２７面に連続的に供給す
る。

【００１７】洗浄用泡の吹出しと同時に第１段ローラー
回転ブラシ１−１と、第２段ローラー回転ブラシ１−
２、真空吸引装置及び高温高風速ジェットエヤー瞬間乾
燥装置を起動させ、カーペットクリーナーカート４１を
手で押して前進させることにより、カーペット２７面が
洗浄剤泡と第１段、第２段ローラー回転ブラシで摩擦洗
浄され、床面に残留した泡と液状洗浄剤は、泡吸引ノズ
ル１５を介し、粗大ゴミをゴミフィルター４０で除去
し、消泡タンク１７の下部に導入され、タンク１７のほ
ぼ１／３の高さまで満たした０．００３％のポリオキシ
アルキルグリコール消泡剤を含む水溶液１８によって瞬
時に泡が消滅する。運転時間の経過と共に消泡剤液面が
上昇すると、液面検知フロート３１が上昇して、その端
子が２枚の液面検知スイッチ３２の上面にふれて電気的
に電磁弁１１−２、同１１−３が開き、ベンチュリーノ
ズル２９が作動して、その陰圧によって消泡剤液１８
が、逆止弁３３−２を介して外部に排出される。液面が
適正水準に下り、液面検知フロートの端子が液面検知ス
イッチ３２の下面に触れたら電気的に電磁弁１１−２、
同１１−３が閉となり、排水が停止される。

【００１８】消泡剤液１８中の回収洗浄剤が消耗して、
タンク１７内に２次泡が発生すれば、電気式泡検知器３
６により検知され、その警報によって手動でタンク１７
内液を下部排出口３７から排出、タンク１７上部３８か
ら新に水と消泡剤をタンク１７内に供給する。液面は液
面計３９−２によって常時外部から確認出来る。消泡剤
タンク１７内の空気は、デミスター１６で水滴飛沫を除
去し、真空ポンプ１９を介して床面カーペット２７乾燥
用ターボファン２１に導入される。これに加えて外気が
フィルター２０を介してターボファン２１からヒーター
２２を通り、１２０℃程度にまで加熱され、高温高速流
となり、床面吹出口手前のジェットエアノズル２３でさ
らに加速され、４〜２０ｍ／ｓｅｃ程度の高温高速のジ
ェット気流となり、僅かに残留したカーペット２７上の
洗浄剤泡を瞬時に乾燥させる。これによって清浄済カー
ペット２７は、即時使用可能である。

【００１９】洗浄剤の極微細泡の発生、床面カーペット
２７上への泡供給、平行２軸ローラー回転ブラシによる
摩擦洗浄、残留洗浄剤と泡の真空吸引、消泡剤タンク１
７内の回収洗浄剤による２次発生泡の自動消泡、カーペ
ット２７面の瞬時高温高速ジェットエヤー乾燥等、カー
ペット洗浄の各段階の作業が、１人の作業者によるカー
ペットクリーナーカートの１回の走行で、簡単、迅速、
かつ確実に実施され、作業終了後直ちにカーペットを使
用することができる。この様に高度にシステム化、自動
化された業務用カーペットクリーナーは市場にはなく、
当該市場関係者の要求に答え得るものと考える。円盤状
水平回転ブラシの場合も同様である。

【００２０】

【発明の効果】近年、美観の点から住宅、事務所、ホテ
ル等の床面がカーペット張りに急速に変化する中で、現
状のカーペットの清掃作業は、１）洗浄剤の散布、２）
カーペット面での泡立て、水平回転ブラシによる摩擦洗
浄、３）余剰洗浄剤と泡の真空吸引までの３段階と、手
作業と機械で、２〜３名の作業員を要するという旧来の
方法から一歩も進歩していない。且つこの場合、カーペ
ットが乾燥するまで４〜５時間使用が出来ないという不
便さがあった。昨今、カーペット清掃コストの大半は高
額の人件費で占められる。本発明のカーペットクリーナ
ーの完成により１）微細洗浄剤泡の連続発生とその泡の
カーペット面への供給、２）多軸回転ブラシによる摩擦
洗浄、３）余剰洗浄剤と泡のカーペット面からの真空除
去、４）僅かに洗浄剤泡の残留したカーペット面の高温
高速ジェットエヤーによる瞬間乾燥、の４段階が１人の
作業者によるコンパクトにまとめたカーペットクリーナ
ーの１回の走行で、安全、簡単、迅速かつ確実に実施さ
れ、作業終了後即時、カーペットを使用できるのであ
る。本発明装置及び方法の使用によって、カーペット清
掃作業の労働生産性は少なくとも従来の手作業と機械複
合の５倍以上に高められることが期待される。また従来
法の場合、作業者が斜行しやすい水平回転ブラシの方向
維持のため腰を痛めるなどの問題も、本発明装置を使用
すれば全くなくなろう。さらに従来２〜３人組の業務用
カーペット清掃作業には、必ず１名は若く力のある男性
作業者を要したが、本発明の場合、機械を作業現場まで
運搬すれば、女子や老齢者でも容易に操作可能で、カー
ペット清掃作業コストを格段に低下させることができ、
コストダウンによるカーペット清掃業の拡大と飛躍が期
待される。

【００２１】従来、微細な化学洗浄剤泡は、一般に洗浄
剤と高圧天然ガスを高圧金属容器に封入して、これを大
気中に吹出し微細な泡状にするのが一般的である。本発
明では、好ましくは作業者の安全のために、発泡洗剤タ
ンク９は高圧タンクを使用することなく、安全な常圧タ
ンクを使用し、極微細泡の製造を極制限された範囲に限
定して製造することを可能としたものである。なお、従
来のカーペットクリーナー用回転ブラシは、水平方向に
回転する円盤状の１軸が多いため、カーペットクリーナ
ー本体が斜行し易く、直進を維持するため、運転者が腰
を痛めることが多く、老齢者や婦女子では操作が困難で
あった。これに対し本発明装置は２軸またはそれよりも
多軸の水平回転ブラシを使用するときは、２軸かそれよ
りも多軸のものが交互に逆回転する如くして、カーペッ
トクリーナーの斜行を防止する如く配列するので常に直
進し、その様な操作上の問題はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のローラー回転ブラシを用いたカーペッ
トクリーナーの側面模式図例である。

【図２】底面から見た本発明カーペットクリーナー用ロ
ーラー回転ブラシの植付方向を示す模式図例である。

【図３】本発明カーペットクリーナー用ギヤポンプ２８
乃至スプリングバルブ３５近傍の拡大断面図例である。

【図４】本発明カーペットクリーナー用ベンチュリノズ
ル２９付近の拡大断面図例である。

【図５】本発明で円盤状水平回転ブラシを用いたカーペ
ットクリーナーの底面より見た模式図例である。

【図６】本発明カーペットクリーナーカートの上面図例
である。

【符号の説明】

１ ローラー回転ブラシ ２ プーリー ３ ベルト ４ プーリー ５ ピニオンギヤ ６ ギヤードモーター ７ 発泡用スポンジ ８ 発泡洗剤ノズル ９ 発泡洗剤タンク １０ 発泡洗剤 １１ 電磁弁 １２ エヤータンク １３ コンプレッサー １４ フィルターサイレンサー １５ 泡吸引ノズル １６ デミスター １７ 消泡タンク １８ 消泡剤溶液 １９ 真空ポンプ ２０ フィルター ２１ ターボファン ２２ ヒーター ２３ ジェットエヤーノズル ２４ フレーム ２５ 走行用車輪 ２６ 自在キャスター ２７ カーペット ２８ ギヤーポンプ ２９ ベンチュリノズル ３０ メタルメッシュ ３１ 液面検知フロート ３２ 液面検知スイッチ ３３ 逆止弁 ３４ 発泡スペース ３５ スプリングバルブ ３６ 電気式泡検知器 ３７ 排出口 ３８ 供給口 ３９−１ 液面計 ３９−２ 液面計 ４０ ゴミフィルター ４１ カーペットクリーナーカート ４２ 導管 ４３ 導管 ４４ 導管 ４５ 排気管 ４６ 吸気口 ４７ 導管 ４８ プラスチックカバー ４９ ハンドル ５０ 運転操作盤 ５１ スイッチ ５２ 円盤状水平回転ブラシ ５３ プーリー ５４ ベルト ５５ ピニオンギヤ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤根 弘之 大阪府寝屋川市池田中町23番３号 大淀小 松株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】化学洗浄剤を含んでなる極微細で長時間安
   定な泡の製造及び吹出しをする装置、該泡を吹出し散布
   したカーペット面を回転ブラシで摩擦洗浄する装置、カ
   ーペット上の及び回転ブラシ上の残存洗浄剤泡を吸引し
   て消泡タンク内に導入、泡の２次発生を防止する装置、
   及び洗浄されたカーペット面を、高温、高速風により急
   速乾燥する装置、を含んでなるカーペットクリーナー。
2. 【請求項２】化学洗浄剤配合物から複数段階発泡法によ
   り極微細な泡を安定的に連続製造し、床面カーペットに
   供給、回転ブラシで摩擦洗浄した後、カーペット上の残
   留洗浄剤と泡を密閉タンク内に吸引し、タンク内の泡の
   ２次発生を防止しつつ洗浄剤タンク内の液面を自動的に
   一定水準に保ち、７０℃乃至２００℃、４ｍ／ｓｅｃ乃
   至２０ｍ／ｓｅｃの高速空気流を高温、高速風として噴
   出し、急速にカーペットを乾燥するカーペットの清浄化
   方法。