JPH09106791A - ボタン形アルカリ電池及びその製造方法 - Google Patents
ボタン形アルカリ電池及びその製造方法Info
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- JPH09106791A JPH09106791A JP7261867A JP26186795A JPH09106791A JP H09106791 A JPH09106791 A JP H09106791A JP 7261867 A JP7261867 A JP 7261867A JP 26186795 A JP26186795 A JP 26186795A JP H09106791 A JPH09106791 A JP H09106791A
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- alkaline battery
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 負極合剤に水銀を添加しなくとも亜鉛の消耗
による電池内での水素ガス発生が抑えられ、水素ガス発
生による漏液が防止できるボタン形アルカリ電池を獲得
する。そのような電池は、水銀の使用が不要になるので
環境保護の点で非常に好ましいと言える。 【解決手段】 負極カップ６の負極合剤１側の表面をフ
ッ素系界面活性剤で被覆する。このフッ素系界面活性剤
としては、パーフルオロポリエーテル系化合物が好適で
ある。
による電池内での水素ガス発生が抑えられ、水素ガス発
生による漏液が防止できるボタン形アルカリ電池を獲得
する。そのような電池は、水銀の使用が不要になるので
環境保護の点で非常に好ましいと言える。 【解決手段】 負極カップ６の負極合剤１側の表面をフ
ッ素系界面活性剤で被覆する。このフッ素系界面活性剤
としては、パーフルオロポリエーテル系化合物が好適で
ある。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、水銀が不要なボタ
ン形アルカリ電池に関する。
ン形アルカリ電池に関する。
【０００２】
【従来の技術】ボタン形アルカリ電池は、電子腕時計や
電子卓上計算機等の小型電子機器の供給電源として多用
されており、これら小型電子機器の普及に伴って益々需
要が高まる方向にある。
電子卓上計算機等の小型電子機器の供給電源として多用
されており、これら小型電子機器の普及に伴って益々需
要が高まる方向にある。
【０００３】このボタン形アルカリ電池は、亜鉛を負極
活物質とし、二酸化マンガン、酸化銀等を正極活物質と
し、高濃度の水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶
液を電解液として用いる電池である。
活物質とし、二酸化マンガン、酸化銀等を正極活物質と
し、高濃度の水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶
液を電解液として用いる電池である。
【０００４】具体的には、粒状の亜鉛をゲル化剤、電解
液とともに混合し、ペレット状に成形してなる負極合剤
が負極カップ内に収容され、また粒状の二酸化マンガン
や酸化銀を、導電剤、電解液とともに混合し、ペレット
状に成形してなる正極合剤が正極缶内に収容され、これ
ら負極合剤と正極合剤がセパレータを介して積層され
る。そして、この負極合剤、正極合剤がそれぞれ収容さ
れた負極カップと正極缶とが、封口ガスケットを介して
かしめられることで電池が密封されている。
液とともに混合し、ペレット状に成形してなる負極合剤
が負極カップ内に収容され、また粒状の二酸化マンガン
や酸化銀を、導電剤、電解液とともに混合し、ペレット
状に成形してなる正極合剤が正極缶内に収容され、これ
ら負極合剤と正極合剤がセパレータを介して積層され
る。そして、この負極合剤、正極合剤がそれぞれ収容さ
れた負極カップと正極缶とが、封口ガスケットを介して
かしめられることで電池が密封されている。
【０００５】ここで、このようなボタン形アルカリ電池
では、負極活物質となる亜鉛粒が腐食しないように、負
極合剤中に水銀を亜鉛粒質量に対して１０質量％程度の
割合で添加するのが通常である。水銀を使用せずに負極
合剤を構成した場合には、亜鉛の自己消耗や腐食にとも
なって電池内で水素ガスが発生する。水素ガスが発生す
ると、それによって電池内圧が上昇し、ついには電池の
密閉性が損なわれ漏液が発生してしまう。
では、負極活物質となる亜鉛粒が腐食しないように、負
極合剤中に水銀を亜鉛粒質量に対して１０質量％程度の
割合で添加するのが通常である。水銀を使用せずに負極
合剤を構成した場合には、亜鉛の自己消耗や腐食にとも
なって電池内で水素ガスが発生する。水素ガスが発生す
ると、それによって電池内圧が上昇し、ついには電池の
密閉性が損なわれ漏液が発生してしまう。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水銀
は、環境問題の観点から、電池業界全体でできるだけ使
用を避けるような方向にある。このため、上記ボタン形
アルカリ電池においても水銀を不要とするための研究が
多くなされているが、水銀を全く使用せずに水素ガスの
発生を防止する技術は見い出されていないのが実情であ
る。
は、環境問題の観点から、電池業界全体でできるだけ使
用を避けるような方向にある。このため、上記ボタン形
アルカリ電池においても水銀を不要とするための研究が
多くなされているが、水銀を全く使用せずに水素ガスの
発生を防止する技術は見い出されていないのが実情であ
る。
【０００７】そこで、本発明者等が詳細に検討したとこ
ろ、水素ガスの発生は、主に図２の模式図で示すような
プロセスで生じていることが推察された。すなわち、亜
鉛から発生した電子ｅ-が負極カップ１１を介して電解
液中のＨ3Ｏ+に供給され、このＨ3Ｏ+に電子ｅ-が取り
込まれる際に水素ガスが発生する。したがって、このプ
ロセスが進行しないような工夫を施すことで、この水素
ガス発生が抑えられるものと考えられた。
ろ、水素ガスの発生は、主に図２の模式図で示すような
プロセスで生じていることが推察された。すなわち、亜
鉛から発生した電子ｅ-が負極カップ１１を介して電解
液中のＨ3Ｏ+に供給され、このＨ3Ｏ+に電子ｅ-が取り
込まれる際に水素ガスが発生する。したがって、このプ
ロセスが進行しないような工夫を施すことで、この水素
ガス発生が抑えられるものと考えられた。
【０００８】本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、負極合剤に水銀を添加しなくと
も、亜鉛の消耗による水素ガス発生が抑えられ、耐漏液
性が高く環境保護の点においても優れたボタン形アルカ
リ電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
案されたものであり、負極合剤に水銀を添加しなくと
も、亜鉛の消耗による水素ガス発生が抑えられ、耐漏液
性が高く環境保護の点においても優れたボタン形アルカ
リ電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のボタン形アルカリ電池は、負極カップ内
に収容された、亜鉛を含有する負極合剤と、正極缶内に
収容された正極合剤が、セパレータを介して積層されて
なるボタン形アルカリ電池であって、上記負極カップの
負極合剤側の表面が、フッ素系界面活性剤で被覆されて
いることを特徴とするものである。
めに、本発明のボタン形アルカリ電池は、負極カップ内
に収容された、亜鉛を含有する負極合剤と、正極缶内に
収容された正極合剤が、セパレータを介して積層されて
なるボタン形アルカリ電池であって、上記負極カップの
負極合剤側の表面が、フッ素系界面活性剤で被覆されて
いることを特徴とするものである。
【００１０】上記フッ素系界面活性剤としては、パーフ
ルオロポリエーテル構造を有する化合物、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロ第４級アンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加
物、パーフルオロアルキルオリゴマーのいずれか１種、
あるいはこれらの混合物等が使用できる。
ルオロポリエーテル構造を有する化合物、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロ第４級アンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加
物、パーフルオロアルキルオリゴマーのいずれか１種、
あるいはこれらの混合物等が使用できる。
【００１１】このフッ素系界面活性剤は、当該フッ素系
界面活性剤を溶剤に溶解して界面活性剤溶液を調製し、
この溶液中に負極カップを浸漬することで被覆すること
ができる。このとき、界面活性剤溶液の濃度は０．０１
〜０．５質量％であるのが望ましい。また、界面活性剤
を溶解させる溶剤としては、パーフルオロｎ−ヘキサ
ン、エタノール、アセトン等が使用できる。
界面活性剤を溶剤に溶解して界面活性剤溶液を調製し、
この溶液中に負極カップを浸漬することで被覆すること
ができる。このとき、界面活性剤溶液の濃度は０．０１
〜０．５質量％であるのが望ましい。また、界面活性剤
を溶解させる溶剤としては、パーフルオロｎ−ヘキサ
ン、エタノール、アセトン等が使用できる。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態につ
いて説明する。
いて説明する。
【００１３】本発明は、ボタン形アルカリ電池に適用さ
れる。
れる。
【００１４】ボタン形アルカリ電池は、亜鉛を負極活物
質とし、二酸化マンガン、酸化銀等を正極活物質とし、
高濃度の水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液を
電解液として用いる電池である。具体的には、図１に示
すように、粒状の亜鉛をゲル化剤、電解液とともに混合
し、ペレット状に成形してなる負極合剤２が負極カップ
６内に収容され、また粒状の二酸化マンガンや酸化銀
を、導電剤、電解液とともに混合し、ペレット状に成形
してなる正極合剤１が正極缶３内に収容され、これら負
極合剤２と正極合剤１がセパレータ４を介して積層され
る。そして、負極カップ６と正極缶３とが、封口ガスケ
ット５を介してかしめられることで電池が密封されてい
る。
質とし、二酸化マンガン、酸化銀等を正極活物質とし、
高濃度の水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液を
電解液として用いる電池である。具体的には、図１に示
すように、粒状の亜鉛をゲル化剤、電解液とともに混合
し、ペレット状に成形してなる負極合剤２が負極カップ
６内に収容され、また粒状の二酸化マンガンや酸化銀
を、導電剤、電解液とともに混合し、ペレット状に成形
してなる正極合剤１が正極缶３内に収容され、これら負
極合剤２と正極合剤１がセパレータ４を介して積層され
る。そして、負極カップ６と正極缶３とが、封口ガスケ
ット５を介してかしめられることで電池が密封されてい
る。
【００１５】本発明では、このようなボタン形アルカリ
電池において、負極カップ６の負極合剤２側の表面を、
フッ素系界面活性剤で被覆することとする。
電池において、負極カップ６の負極合剤２側の表面を、
フッ素系界面活性剤で被覆することとする。
【００１６】負極カップの負極合剤側の表面をフッ素系
界面活性剤で被覆すると この界面活性剤の溌水性によ
って負極カップ表面の負極水素過電圧が高くなる。その
結果、負極カップを介して亜鉛からＨ3Ｏ+に電子ｅ-が
供給されることによって引き起る水素ガスの発生が効果
的に抑えられ、水素ガスの発生によって生じる漏液が防
止されることになる。また、このアルカリ電池は、水銀
を負極合剤に添加していないので、環境保護の点からも
有利である。
界面活性剤で被覆すると この界面活性剤の溌水性によ
って負極カップ表面の負極水素過電圧が高くなる。その
結果、負極カップを介して亜鉛からＨ3Ｏ+に電子ｅ-が
供給されることによって引き起る水素ガスの発生が効果
的に抑えられ、水素ガスの発生によって生じる漏液が防
止されることになる。また、このアルカリ電池は、水銀
を負極合剤に添加していないので、環境保護の点からも
有利である。
【００１７】フッ素系界面活性剤の被覆は、当該フッ素
系界面活性剤を溶剤に溶解して界面活性剤溶液を調製
し、この溶液中に負極カップを浸漬するといった手法で
容易に行うことができる。
系界面活性剤を溶剤に溶解して界面活性剤溶液を調製
し、この溶液中に負極カップを浸漬するといった手法で
容易に行うことができる。
【００１８】このフッ素系界面活性剤としては、パーフ
ルオロポリエーテル構造を有する化合物、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロ第４級アンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加
物、パーフルオロアルキルオリゴマー等が好ましい。
ルオロポリエーテル構造を有する化合物、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロ第４級アンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加
物、パーフルオロアルキルオリゴマー等が好ましい。
【００１９】これらフッ素系界面活性剤は、化学的に安
定しているため、強アルカリ性である電解液中でも変質
せず、持続してその効果を得ることができる。また、な
かでもパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物
は、化学的に安定であるとともに、構造中にフレキシブ
ルなエーテル結合を有するため、低粘性であり負極カッ
プ内面へのコーティングが容易である。パーフルオロポ
リエーテル構造を有する化合物としては、具体的にはパ
ーフルオロポリエーテルアミドシラン、パーフルオロポ
リエーテルトリアジンアミド、パーフルオロポリエーテ
ルアルキルアミド、パーフルオロポリエーテルメルカプ
トベンゾチアゾールアミド等が挙げられる。なお、以上
のフッ素系界面活性剤は、それぞれ１種類単独で用いて
もよく、複数種を組み合わせて用いても良い。
定しているため、強アルカリ性である電解液中でも変質
せず、持続してその効果を得ることができる。また、な
かでもパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物
は、化学的に安定であるとともに、構造中にフレキシブ
ルなエーテル結合を有するため、低粘性であり負極カッ
プ内面へのコーティングが容易である。パーフルオロポ
リエーテル構造を有する化合物としては、具体的にはパ
ーフルオロポリエーテルアミドシラン、パーフルオロポ
リエーテルトリアジンアミド、パーフルオロポリエーテ
ルアルキルアミド、パーフルオロポリエーテルメルカプ
トベンゾチアゾールアミド等が挙げられる。なお、以上
のフッ素系界面活性剤は、それぞれ１種類単独で用いて
もよく、複数種を組み合わせて用いても良い。
【００２０】これらフッ素系界面活性剤を溶解する溶剤
としては、特に限定されず、フッ素系界面活性剤を溶解
できるものであればいずれでも良い。例えば、パーフル
オロｎ−ヘキサン、エタノール、アセトン、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられる。
としては、特に限定されず、フッ素系界面活性剤を溶解
できるものであればいずれでも良い。例えば、パーフル
オロｎ−ヘキサン、エタノール、アセトン、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられる。
【００２１】界面活性剤溶液の濃度は、０．０１〜０．
５質量％であるのが望ましい。界面活性剤溶液の濃度が
０．０１質量％未満である場合には、水素ガスの発生を
抑える効果が十分に得られない。また、界面活性剤溶液
の濃度が０．５質量％を越えてしまうと負極カップの集
電能力が損なわれ、電流特性が劣化する虞れがある。
５質量％であるのが望ましい。界面活性剤溶液の濃度が
０．０１質量％未満である場合には、水素ガスの発生を
抑える効果が十分に得られない。また、界面活性剤溶液
の濃度が０．５質量％を越えてしまうと負極カップの集
電能力が損なわれ、電流特性が劣化する虞れがある。
【００２２】
【実施例】本発明の実施例について実験結果に基づいて
説明する。
説明する。
【００２３】実施例１ 以下のようにしてボタン形アルカリ電池を作製した。
【００２４】まず、酸化銀を主成分とする混合物を加圧
成型することで正極合剤を作製し、この正極合剤を、ス
テンレススチールにニッケルメッキを施した正極缶（正
極端子）内に収納した。
成型することで正極合剤を作製し、この正極合剤を、ス
テンレススチールにニッケルメッキを施した正極缶（正
極端子）内に収納した。
【００２５】また、亜鉛粉末をゲル化剤とアルカリ電解
液とともに混合した混合物を成形することで負極合剤を
作製し、この負極合剤を、所定厚の銅，ステンレススチ
ール及びニッケルの３層クラッド板よりなり負極カップ
（負極端子）に収納した。なお、この負極カップの負極
合剤側の表面にはパーフルオロポリエーテルアミドシラ
ンが被覆されている。この被覆は、パーフルオロポリエ
ーテルを０．５質量％の濃度でパーフルオロｎ−ヘキサ
ン（溶剤）に溶解した界面活性剤溶液中に、負極カップ
を３〜５秒間浸漬することで行った。
液とともに混合した混合物を成形することで負極合剤を
作製し、この負極合剤を、所定厚の銅，ステンレススチ
ール及びニッケルの３層クラッド板よりなり負極カップ
（負極端子）に収納した。なお、この負極カップの負極
合剤側の表面にはパーフルオロポリエーテルアミドシラ
ンが被覆されている。この被覆は、パーフルオロポリエ
ーテルを０．５質量％の濃度でパーフルオロｎ−ヘキサ
ン（溶剤）に溶解した界面活性剤溶液中に、負極カップ
を３〜５秒間浸漬することで行った。
【００２６】そして、上記正極合剤、負極合剤を、不織
布，セロファン及びポリエチレンをグラフト重合した３
層膜からなるセパレータを間に挟んで積層し、正極缶と
負極カップをナイロン製のガスケットを介してかしめる
ことで電池（外径６．８ｍｍ、高さ２．６ｍｍ）を作製
した。
布，セロファン及びポリエチレンをグラフト重合した３
層膜からなるセパレータを間に挟んで積層し、正極缶と
負極カップをナイロン製のガスケットを介してかしめる
ことで電池（外径６．８ｍｍ、高さ２．６ｍｍ）を作製
した。
【００２７】実施例２〜実施例８ 負極カップに被覆するフッ素系界面活性剤として表１に
示すものを用いたこと以外は実施例１と同様にしてボタ
ン形アルカリ電池を作製した。
示すものを用いたこと以外は実施例１と同様にしてボタ
ン形アルカリ電池を作製した。
【００２８】比較例１ 負極カップをフッ素系界面活性剤で被覆しないこと以外
は実施例１と同様にしてボタン形アルカリ電池を作製し
た。
は実施例１と同様にしてボタン形アルカリ電池を作製し
た。
【００２９】比較例２ 負極合剤に水銀を添加するとともに、負極カップをフッ
素系界面活性剤で被覆しないこと以外は実施例１と同様
にしてボタン形アルカリ電池を作製した。
素系界面活性剤で被覆しないこと以外は実施例１と同様
にしてボタン形アルカリ電池を作製した。
【００３０】以上のようにして作製された電池を、温度
４５℃相対湿度９３％環境下で保存し、１００日後、１
２０日後、１４０日後、１６０日後での漏液発生数を調
べた。なお、調査に用いた電池の数は、それぞれ５０個
である。電池の漏液発生数を、使用したフッ素界面活性
剤の種類と併せて表１に示す。
４５℃相対湿度９３％環境下で保存し、１００日後、１
２０日後、１４０日後、１６０日後での漏液発生数を調
べた。なお、調査に用いた電池の数は、それぞれ５０個
である。電池の漏液発生数を、使用したフッ素界面活性
剤の種類と併せて表１に示す。
【００３１】
【表１】
【００３２】表１に示すように、負極カップをフッ素系
界面活性剤で被覆した実施例１〜実施例８の電池は、負
極合剤に水銀を添加した比較例１の電池と同等の耐漏液
性が得られる。これに対して、負極カップをフッ素系界
面活性剤で処理しなかった比較例１の電池は、１６０日
保存後で合計１５個に漏液が発生する。
界面活性剤で被覆した実施例１〜実施例８の電池は、負
極合剤に水銀を添加した比較例１の電池と同等の耐漏液
性が得られる。これに対して、負極カップをフッ素系界
面活性剤で処理しなかった比較例１の電池は、１６０日
保存後で合計１５個に漏液が発生する。
【００３３】このことから、負極カップをフッ素系界面
活性剤で被覆すると、水銀を使用しなくとも漏液が防止
できるようになり、水銀の添加が不要となることがわか
った。
活性剤で被覆すると、水銀を使用しなくとも漏液が防止
できるようになり、水銀の添加が不要となることがわか
った。
【００３４】フッ素系界面活性剤の被覆量の検討 負極カップを被覆するのに用いる界面活性剤溶液の濃度
を、表２に示すように変えたこと以外は実施例１と同様
にしてボタン形アルカリ電池を作製した。
を、表２に示すように変えたこと以外は実施例１と同様
にしてボタン形アルカリ電池を作製した。
【００３５】作製した電池について、耐漏液性及び電流
特性を評価した。
特性を評価した。
【００３６】なお、耐漏液性の評価は上述と同様な方法
で行った。
で行った。
【００３７】また、電流特性は、温度−１０℃下、負荷
抵抗２ｋΩで５秒間の放電を行い、その放電後の閉路電
圧を測定することで評価した。なお、この閉路電圧の測
定は、放電深度が０％、４０％及び８０％のそれぞれの
時点で行った。また、調査に用いた電池の数は２０個で
あり、データはそれらの平均値で記録した。
抵抗２ｋΩで５秒間の放電を行い、その放電後の閉路電
圧を測定することで評価した。なお、この閉路電圧の測
定は、放電深度が０％、４０％及び８０％のそれぞれの
時点で行った。また、調査に用いた電池の数は２０個で
あり、データはそれらの平均値で記録した。
【００３８】耐漏液液性の測定結果を表２に、電流特性
の測定結果を表３にそれぞれ示す。
の測定結果を表３にそれぞれ示す。
【００３９】
【表２】
【００４０】
【表３】
【００４１】まず、表２を見てわかるように、界面活性
剤溶液の濃度が、０．０１質量％未満になると、負極カ
ップを覆う界面活性剤の量が不足することから、漏液を
起こす電池が出てくるようになる。
剤溶液の濃度が、０．０１質量％未満になると、負極カ
ップを覆う界面活性剤の量が不足することから、漏液を
起こす電池が出てくるようになる。
【００４２】一方、表３に示すように、界面活性剤溶液
の濃度が０．５０質量％を越えると、負極カップの集電
能力が損なわれることから、電流特性が劣化してくる。
の濃度が０．５０質量％を越えると、負極カップの集電
能力が損なわれることから、電流特性が劣化してくる。
【００４３】このことから、負極カップの被覆に用いる
界面活性剤溶液の濃度は、０．０１〜０．５０質量％が
適当であることがわかった。
界面活性剤溶液の濃度は、０．０１〜０．５０質量％が
適当であることがわかった。
【００４４】以上、本発明の効果を実験により検討した
が、本実施例で用いた以外のフッ素系界面活性剤を用い
た場合にも同傾向の結果が得られるのは勿論である。
が、本実施例で用いた以外のフッ素系界面活性剤を用い
た場合にも同傾向の結果が得られるのは勿論である。
【００４５】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、ボタン形アルカリ電池において、負極カップの
負極合剤側の表面をフッ素系界面活性剤で被覆するの
で、負極合剤に水銀を添加しなくとも、亜鉛の自己消耗
による水素ガス発生が抑えられ、電池内での水素ガス発
生による漏液が防止できる。したがって、水銀の使用が
不要になるので、環境保護の点で非常に好ましいボタン
形アルカリ電池が得られる。
明では、ボタン形アルカリ電池において、負極カップの
負極合剤側の表面をフッ素系界面活性剤で被覆するの
で、負極合剤に水銀を添加しなくとも、亜鉛の自己消耗
による水素ガス発生が抑えられ、電池内での水素ガス発
生による漏液が防止できる。したがって、水銀の使用が
不要になるので、環境保護の点で非常に好ましいボタン
形アルカリ電池が得られる。
【図１】本発明を適用したボタン形アルカリ電池の１構
成例を示す断面図である。
成例を示す断面図である。
【図２】ボタン形アルカリ電池の水素ガス発生機序を説
明するための模式図である。
明するための模式図である。
１ 正極合剤 ２ 負極合剤 ３ 正極缶 ４ セパレータ ５ ガスケット ６ 負極カップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺嶋 英樹 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下１番地 の１ 株式会社ソニー・エナジー・テック 内
Claims (4)
- 【請求項１】 負極カップ内に収容された、亜鉛を含有
する負極合剤と、正極缶内に収容された正極合剤が、セ
パレータを介して積層されてなるボタン形アルカリ電池
において、 上記負極カップの負極合剤側の表面が、フッ素系界面活
性剤で被覆されていることを特徴とするボタン形アルカ
リ電池。 - 【請求項２】 フッ素系界面活性剤は、パーフルオロポ
リエーテル系化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸
塩、パーフルオロ第４級アンモニウム塩、パーフルオロ
アルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキ
ルオリゴマーのいずれか１種、あるいはこれらの混合物
であることを特徴とする請求項１記載のボタン形アルカ
リ電池。 - 【請求項３】 負極カップを、０．０１〜０．５質量％
なる濃度のフッ素系界面活性剤の溶液中に浸漬すること
で、負極カップの表面にフッ素系界面活性剤を被覆する
ことを特徴とするボタン形アルカリ電池の製造方法。 - 【請求項４】 フッ素系界面活性剤溶液の溶剤が、パー
フルオロｎ−ヘキサン、エタノール、アセトンのいずれ
かであることを特徴とする請求項３記載のボタン形アル
カリ電池の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7261867A JPH09106791A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ボタン形アルカリ電池及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7261867A JPH09106791A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ボタン形アルカリ電池及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09106791A true JPH09106791A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17367866
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7261867A Withdrawn JPH09106791A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ボタン形アルカリ電池及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09106791A (ja) |
-
1995
- 1995-10-09 JP JP7261867A patent/JPH09106791A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030107 |