JPH0897417A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0897417A
JPH0897417A JP23121294A JP23121294A JPH0897417A JP H0897417 A JPH0897417 A JP H0897417A JP 23121294 A JP23121294 A JP 23121294A JP 23121294 A JP23121294 A JP 23121294A JP H0897417 A JPH0897417 A JP H0897417A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
refractory metal
semiconductor device
gate electrode
impurity diffusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23121294A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Miyamoto
孝章 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP23121294A priority Critical patent/JPH0897417A/ja
Publication of JPH0897417A publication Critical patent/JPH0897417A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 Si基板1上にゲート絶縁膜3を介してn+
型ポリシリコンよりなるゲート電極4、サイドウォール
5が設けられ、上記Si基板1の表層部にBが導入され
てなるソース/ドレイン領域6が形成されたMOS−F
ETにおいて、上記ソース/ドレイン領域6表面と上記
ゲート電極4表面には、それぞれ、TiSix 膜9、T
iB2 膜8がこの順に設けられている。なお、このTi
Six 膜9は、ウェハ全面に亘ってTi膜7、TiB2
膜8を連続成膜した後、アニールによりシリコン露出面
に接するTi膜のみをシリサイド化して形成される。 【効果】 Ti膜7の酸化が防止され、十分なシリサイ
ド化が行えると共に、製造工程中もその後も、ソース/
ドレイン領域6からのBの外向拡散が防止されるため、
該ソース/ドレイン領域6表層部の不純物濃度が設定値
に維持され、コンタクトのオーミック性を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板中の不純
物拡散領域に対するコンタクト抵抗を低減させるため
に、該不純物拡散領域表面に高融点金属シリサイド膜を
形成した半導体装置に関し、特に、MIS型電界効果ト
ランジスタにおいて、ソース/ドレイン領域表層部の低
抵抗化を設計どおりに図るような構造に関する。また、
本発明は、このようなトランジスタを実現可能な半導体
装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路のさらなる高集積化に伴
い、ロジック系デバイスでは、低電圧下での動作の高速
化を実現するために、MIS型電界効果トランジスタの
構成材料の低抵抗化や低容量化が図られている。
【0003】こうした流れの中で、不純物拡散領域(ソ
ース/ドレイン領域)とゲート電極との表面を同時に自
己整合的にシリサイド化して低抵抗化する技術が注目さ
れている。この技術は、サリサイド(SALICID
E:Self-Aligned Silicide )技術と呼ばれ、ウェハ上
に高融点金属膜を成膜して熱処理を行うと、該ウェハの
シリコン露出面に接する領域に成膜された高融点金属膜
のみが自己整合的に高融点金属シリサイド膜に変化する
ことを利用したものである。なお、ソース/ドレイン領
域表面のみのシリサイド化も行われている。
【0004】ここで用いられる高融点金属膜としては、
チタン(Ti)膜、コバルト(Co)膜、ニッケル(N
i)膜、ジルコニウム(Zr)膜等が挙げられるが、い
ずれも酸化されやすい。特に、シリコン酸化物よりも安
定な酸化物を形成するTi膜、Co膜、Zr膜において
は、その表面が酸化されてしまうと、実効的な膜厚が減
少して、シリコン露出面上に形成された自然酸化膜を還
元できず、シリサイド化反応が起こらないことがある。
また、Ni膜においては、その表面が酸化されると、逆
に、過剰なシリサイド化反応が進み、ソース/ドレイン
領域における接合が破壊されるという問題が生じてしま
う。
【0005】上述のような酸化に伴う問題を解決する方
法としては、上記高融点金属膜を成膜したら、続けて直
ちに窒化チタン(TiN)膜を成膜し、高融点金属膜表
面の酸化を防止することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ソース
/ドレイン領域表面を高融点金属シリサイド化したMI
S型電界効果トランジスタの製造工程においては、上述
した酸化に伴う問題のみならず、シリサイド形成時の高
温プロセスにて、ソース/ドレイン領域に導入された不
純物が外向拡散してしまうという問題も抱えている。特
に、ソース/ドレイン領域が硼素(B)が導入されたp
型拡散層である場合、このBがソース/ドレイン領域の
上層に設けられている高融点金属シリサイド膜中に拡散
し、ソース/ドレイン領域表層部における不純物濃度が
低下してしまう。
【0007】特に、上記ソース/ドレイン領域表面にT
i膜を成膜し、これをシリサイド化する場合には、Ti
とBとが反応しやすいことから、Ti膜が該ソース/ド
レイン領域に導入されたBを吸い上げ、ソース/ドレイ
ン領域表層部における不純物濃度の低下が著しい。
【0008】そして、このように製造工程において、ソ
ース/ドレイン領域表層部の不純物濃度の低下が起これ
ば、製造されたMIS型電界効果トランジスタにおい
て、該ソース/ドレイン領域表層部の不純物濃度が設計
値からずれ、コンタクトのオーミック性が失われてしま
う。即ち、ショットキー・コンタクトに近くなり、電気
特性が大幅に劣化してしまう。
【0009】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、不純物拡散領域表層部の不純
物濃度が設計値どおりに維持され、コンタクトのオーミ
ック性が維持された半導体装置を提供することを目的と
する。また、このような半導体装置を製造するため、製
造工程中に、該不純物の外向拡散を起こさせない半導体
装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意検討を重ねた結果、高融点金属
硼化物膜が、不純物拡散領域からの不純物の外向拡散を
防止する効果を有することを見い出した。
【0011】即ち、本発明に係る半導体装置は、シリコ
ン基板表層部に選択的に形成された不純物拡散領域を有
し、該不純物拡散領域表面には、高融点金属シリサイド
膜、高融点金属硼化物膜がこの順に自己整合的に形成さ
れたものである。
【0012】このように、不純物拡散領域表面に高融点
金属シリサイド膜を設けると、コンタクト抵抗を低減で
きるが、本発明においてはさらに該高融点金属シリサイ
ド膜上に高融点金属硼化物膜を設け、これにより、不純
物拡散領域からの不純物の外向拡散をブロックする。特
に、不純物拡散領域に導入された不純物が硼素(B)で
ある場合に、不純物拡散領域からの不純物の外向拡散を
防止する効果が高い。
【0013】上述の半導体装置を製造するには、シリコ
ン基板表層部に不純物を選択的に導入して不純物拡散領
域を形成したら、少なくとも該不純物拡散領域の表面
に、高融点金属膜および高融点金属硼化物膜を続けて成
膜してから、熱処理によって、該不純物拡散領域上の高
融点金属膜を自己整合的にシリサイド化すればよい。
【0014】ところで、前記不純物拡散領域は、前記シ
リコン基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート
電極に対して自己整合的に形成され、MIS型電界効果
トランジスタのソース/ドレイン領域を構成するもので
あって好適である。
【0015】この場合、ゲート電極がシリコン系材料よ
り構成され、該ゲート電極上にも高融点金属シリサイド
膜が設けられれば、ゲート電極のシート抵抗を下げ、信
号遅延の少ない高速MIS型電界効果トランジスタとな
る。
【0016】そして、このようなMIS型電界効果トラ
ンジスタを製造するには、先ず、シリコン系材料よりな
るゲート電極をマスクとして不純物の導入を行ってソー
ス/ドレイン領域を形成した後、ソース/ドレイン領域
上のみならずゲート電極上にも前記高融点金属膜および
前記高融点金属硼化物膜を続けて成膜し、熱処理すれば
よい。これによって、シリコン露出面に接する領域上の
高融点金属膜のみがシリサイド化するため、不純物拡散
領域とゲート電極の表面のみに高融点金属シリサイド膜
を生成させることができる。
【0017】但し、上記高融点金属膜のシリサイド化に
際しては、ゲート電極を構成するシリコン系材料層や不
純物拡散領域がすべて高融点金属膜と反応してしまうこ
とがないように、該高融点金属膜の膜厚や熱処理条件が
適正化されていることが必要である。
【0018】なお、サイドウォール上や素子分離領域上
にシリサイド化せずに残った高融点金属膜は、例えば、
アンモニア/過酸化水素水混合液あるいは塩酸/過酸化
水素水混合液によってエッチング除去する。これによ
り、該未反応の高融点金属膜上の高融点金属硼化物膜も
同時に除去され、不純物拡散領域上とゲート電極上にの
み高融点金属シリサイド膜および高融点金属硼化膜が残
ることとなる。
【0019】ところで、前記高融点金属膜としては、T
i膜、Co膜、Ni膜、Zr膜のいずれかを成膜して好
適である。即ち、不純物拡散領域やゲート電極といった
シリコン露出面と接する領域では、チタンシリサイド
(TiSix)膜、コバルトシリサイド(CoSix
膜、ニッケルシリサイド(NiSix )膜、ジルコニウ
ムシリサイド(ZrSix )膜より選ばれるいずれかが
形成されて好適である。
【0020】一方、前記高融点金属硼化物膜としては、
硼化チタン(TiB2 )膜を成膜して好適である。
【0021】上記高融点金属膜や高融点金属硼化物膜の
成膜には、RFマグネトロン方式,DCマグネトロン方
式,対向ターゲット方式等のスパッタ法を適用して好適
である。また、連続成膜が容易で、カバレージにも優れ
る化学的気相成長(CVD)法を適用してもよく、平行
平板型プラズマCVDの他、低圧力下で高密度のプラズ
マを発生できる有磁場マイクロ波プラズマCVD(EC
R−CVD)、誘導結合プラズマCVD、ヘリコン波プ
ラズマCVD、TCP−CVD等が適用可能である。
【0022】
【作用】本発明に係る半導体装置においては、TiB2
膜に代表される高融点金属硼化物膜が、不純物拡散領域
からのBに代表される不純物の外向拡散をブロックして
いる。これは、高融点金属硼化物膜自身がBを固溶限界
まで含んでいて、これ以上のB等の不純物と反応でき
ず、不純物の吸い上げを起こさないからである。
【0023】このため、高融点金属硼化物膜が設けられ
た半導体装置においては、不純物拡散領域表層部におけ
る不純物濃度が設計値どおりに維持され、コンタクトの
オーミック性が確保できる。また、この特性が経時変化
する心配もない。
【0024】上述の半導体装置を製造するに際しては、
高融点金属膜成膜後、続けて直ちに高融点金属硼化物膜
を成膜しておくことにより、その後の熱処理等の工程で
不純物の外向拡散が起こるのを防止できるため、不純物
拡散領域表層部の不純物濃度を低下させずに済む。
【0025】なお、高融点金属膜成膜後、続けて高融点
金属硼化物膜を成膜すれば、高融点金属膜の酸化も防止
でき、その後のシリサイド化の精度と再現性を向上させ
ることもできる。
【0026】本発明をMIS型電界効果トランジスタに
適用する場合、ゲート電極をシリコン系材料より構成す
れば、該ゲート電極上に成膜された高融点金属膜も熱処
理によりシリサイド化される。このため、ソース/ドレ
イン領域表面とゲート電極表面の高融点金属シリサイド
膜は、同時に自己整合的に形成でき、ゲート電極および
ソース/ドレイン領域のシート抵抗を同時に下げ、信号
遅延の少ない高速MIS型電界効果トランジスタを構成
することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0028】実施例1 本実施例は、MOS型電界効果トランジスタ(以下、M
OS−FETとする。)に対して本発明を適用したもの
であり、ソース/ドレイン領域およびゲート電極表面に
TiSix 膜、TiB2 膜がこの順に設けられた構造を
有するものである。
【0029】このMOS−FETは、図1に示されるよ
うに、素子分離領域2およびゲート酸化膜3が形成され
たSi基板1上にて、n+ 型ポリシリコンよりなるゲー
ト電極4が形成されてなるものである。なお、該ゲート
電極4の側壁面にはサイドウォール5が設けられ、上記
Si基板1の表層部には、いわゆるLDD(Light-Dope
d Drain )構造を有するソース/ドレイン領域6が形成
されている。なお、該ソース/ドレイン領域6にはp型
不純物であるBが導入されている。
【0030】そして、上記ソース/ドレイン領域6表面
と上記ゲート電極4表面には、それぞれ、TiSix
9、TiB2 膜8がこの順に設けられている。
【0031】また、図示しないが、実際には、上記ウェ
ハ上に、層間絶縁膜を介してゲート電極4表面のTiS
x 膜9およびソース/ドレイン領域6表面のTiSi
x 膜9に電気的に接続する上層配線が設けられて、MO
S−FETが構成される。
【0032】ここで、本実施例のMOS−FETの特性
評価を行うため、TiB2 膜8が設けられていない以外
は同様の構成を有するMOS−FET(比較例1のMO
S−FETとする。)を用意し、該比較例1のMOS−
FETと本実施例のMOS−FETについて、二次イオ
ン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectroscopy :S
IMS)により、ソース/ドレイン領域6およびその上
層におけるBの濃度分布を分析した。この結果、本実施
例のMOS−FETについては図5に示すようなプロフ
ァイルが得られ、比較例1のMOS−FETについては
図6に示すようなプロファイルが得られた。なお、図
5、図6は縦軸、横軸とも目盛については省略されてい
るが、両図のスケーリングは等しいものである。
【0033】図5、図6より、本実施例のMOS−FE
Tでは、ソース/ドレイン領域6の表層部にてBの濃度
が最も高くなっているが、比較例1のMOS−FETで
は、TiSix 膜9におけるBの濃度が最も高く、ソー
ス/ドレイン領域6表層部のBの濃度が低下してしまっ
ていることがわかる。
【0034】また、電気特性について調べたところ、本
実施例のMOS−FETでは、コンタクトのオーミック
性が確保されているが、比較例1のMOS−FETで
は、オーミック性が損なわれて、ショットキー・コンタ
クトに近くなっていた。
【0035】これより、TiB2 膜8が設けられたMO
S−FETは、ソース/ドレイン領域6からのBの外向
拡散が防止され、電気特性が向上することがわかった。
【0036】さらに、本実施例のMOS−FETは、ゲ
ート電極4表面およびソース/ドレイン領域6表面にT
iSix 膜9が設けられていないトランジスタに比し
て、低抵抗化が図られているため、動作も高速化されて
いた。
【0037】実施例2 実施例1にて示されたMOS−FETは、下記のように
して製造することができる。以下、図2〜図4を用いて
製造プロセスについて説明する。
【0038】先ず、図2に示されるように、素子分離領
域2、ゲート酸化膜3が形成されたSi基板1上に、ポ
リシリコンよりなるゲート電極4、酸化シリコンよりな
るサイドウォール5を形成し、該Si基板1の表層部に
不純物が導入されてなるソース/ドレイン領域6を形成
した。
【0039】具体的には、素子分離領域2、ゲート酸化
膜3が形成されたSi基板1上にて、原料ガスとしてS
iH4 、PH3 を用い、550℃にてCVDを行って、
+型のポリシリコン層を70nmなる膜厚に成膜し
た。そして、該ポリシリコン層上にゲート電極形状のフ
ォトレジスト・パターンを形成した後、これをマスクと
して上記ポリシリコン層に対する反応性イオンエッチン
グ(RIE)を行って、ゲート電極4を形成した。その
後、該ゲート電極4をマスクとして、Si基板1に対し
て、イオン加速エネルギー20keV、ドース量6×1
12個/cm2 なる条件にてBF2 + イオンを注入する
ことにより、低濃度のBが導入された拡散領域を形成し
た。
【0040】続いて、ウェハ全面に亘って、CVDによ
りSiO2 層を150nm成膜した後、これをエッチバ
ックすることにより、ゲート電極4の側壁面を被覆する
サイドウォール5を形成した。そして、該サイドウォー
ル5をマスクとして、Si基板に対して、イオン加速エ
ネルギー20keV、ドース量3×1015個/cm2
る条件にてBF2 + イオンを注入することにより、高濃
度のBが導入された拡散領域を形成した。その後、10
50℃にて10秒間、ラピット・サーマル・アニール
(RTA)を行って、注入した不純物を活性化および拡
散させることによって、ソース/ドレイン領域6を形成
した。
【0041】次に、上述のウェハに対して、図3に示さ
れるように、Ti膜7およびTiB2 膜8の成膜を行っ
た。
【0042】具体的には、上述の処理がなされたウェハ
を希フッ酸洗浄した後、ECRプラズマCVD装置を用
い、ウェハ全面に亘って、下記の成膜条件にてTi膜
7、TiB2 膜8を連続成膜した。
【0043】Ti膜7の成膜条件 導入ガス : TiCl4 10〜20sccm H2 26〜100sccm Ar 170sccm ウェハ温度: 420℃ 圧力 : 0.25Pa 投入電力 : 2.8kW TiB2 膜8の成膜条件 導入ガス : TiCl4 10〜20sccm H2 26〜100sccm B2 6 5〜50sccm Ar 170sccm ウェハ温度: 420℃ 圧力 : 0.25Pa 投入電力 : 2.8kW なお、Ti膜7は2〜10nmなる膜厚に、TiB2
8は10〜30nmなる膜厚とした。
【0044】続いて、このウェハに対して熱処理を施す
ことにより、図4に示されるように、TiSix 膜9を
生成させた。
【0045】具体的には、上述の処理がなされたウェハ
に対して窒素雰囲気下にて600℃で60秒間、RTA
によるアニールを行うことによって、シリコン露出面に
接する領域のTi膜7、即ち、ソース/ドレイン領域6
表面およびゲート電極4表面のTi膜7をシリサイド化
して、TiSix 膜9を生成させた。
【0046】なお、このアニール前にも、多少のシリサ
イド化は起こっていたと思われるが、このアニールによ
り十分なシリサイド化が行われた。
【0047】その後、未反応のTi膜7およびその上層
のTiB2 膜8を除去し、再びアニールを行って、図1
に示されるMOS−FETを完成した。
【0048】具体的には、アンモニア/過酸化水素水混
合液あるいは塩酸/過酸化水素水混合液中にウェハを1
0分間浸し、未反応のTi膜7を溶解することによっ
て、該未反応のTi膜7とその上層のTiB2 膜8を除
去し、次いで、このウェハに対してAr雰囲気下にて8
00℃で60秒間、RTAによるアニールを行った。な
お、このアニールによって、既に形成されていたTiS
x 膜9が、さらに安定なC54構造のものに相転移し
た。
【0049】ここで、上述のようにして製造されたMO
S−FETについて、Ti膜7のシリサイド化のための
アニールや、相転移のためのアニールによって、ソース
/ドレイン領域6からBの外向拡散が起こったか否かを
調べた。
【0050】具体的には、Ti膜7およびTiB2 膜8
を成膜した直後のウェハについて、ソース/ドレイン領
域6およびその上層におけるBの濃度分布を調べ(プロ
ファイルを図7に示す。)、これを図5に示された完成
後のウェハにおけるプロファイルと比較した。なお、図
5と図7とは、等しいスケーリングにて示されている。
この結果、両者ともに、Bの濃度の最も高い深さ位置は
ソース/ドレイン領域6の表層部であり、その濃度はほ
とんど変化しなかったことがわかった。
【0051】また、比較例1のMOS−FETを製造す
るプロセスにおいても、アニールによってBの外向拡散
が起こるか否かを調べた。即ち、図8に示されるTi膜
7の成膜直後のウェハにおけるBの濃度分布と、図6に
示された完成後のウェハにおけるBの濃度分布とを比較
した。なお、図6と図8とは、等しいスケーリングにて
示されている。この結果、Ti膜7の成膜直後、Bの濃
度の最も高い深さ位置はソース/ドレイン領域6の表層
部にあったが、完成後、Bの濃度の最も高い深さ位置は
TiSix 膜9中に移動しており、ソース/ドレイン領
域6表層部のBの濃度が低下してしまっていることがわ
かった。これは、アニールにより、Bの外向拡散が起こ
ってしまっていることを示している。
【0052】以上の結果より、本実施例のようにTi膜
7上にTiB2 膜8を連続して成膜しておくことによ
り、ソース/ドレイン領域6からの不純物の外向拡散を
防止できることがわかった。
【0053】以上、本発明を適用した具体例について説
明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形変更が可能である。例えば、ソース/
ドレイン領域6に導入される不純物はp型のものに限定
されず、As等、n型のものであってもよい。この場合
には、p+ 型のポリシリコンよりなるゲート電極4と、
サイドウォール5とをそれぞれマスクとして、As+
オンをイオン注入することとなる。
【0054】また、Ti膜7の代わりにCo膜、Ni
膜、Zr膜のいずれかを成膜してもよいし、これらの高
融点金属膜やTiB2 膜8をスパッタ法によって連続成
膜してもよい。
【0055】Ti膜、Co膜、Ni膜、Zr膜のいずれ
かをスパッタ法にて成膜する場合、例えば、 温度 : 200〜500℃ 圧力 : 0.4Pa 導入ガス : Ar 40sccm RFバイアス: 50W DC電力 : 600W なる条件にて成膜可能である。
【0056】また、TiB2 膜8をスパッタ法によって
成膜する場合、反応性スパッタ法を適用するならば、 温度 : 200〜500℃ 圧力 : 0.4Pa 導入ガス : B2 6 10〜100sccm Ar 40sccm RFバイアス: 50W DC電力 : 600W ターゲット : Ti なる条件にて成膜でき、合金ターゲットスパッタ法を適
用するならば、 温度 : 200〜500℃ 圧力 : 0.4Pa 導入ガス : Ar 40sccm RFバイアス: 50W DC電力 : 600W ターゲット : TiB2 なる条件にて成膜できる。
【0057】さらに、本発明においては、ゲート電極4
をポリシリコンの代わりにアモルファスシリコンにて構
成する等、ウェハの構成や各材料層の成膜条件も上述し
た実施例に限られない。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
を適用すると、製造プロセス中に、高融点金属膜の酸化
が防止されて十分なシリサイド化を図ることができ、不
純物拡散領域表層部からの不純物の外向拡散も防止でき
るため、ゲート電極およびソース/ドレインのコンタク
ト抵抗が低減され、動作の高速化が図られた半導体装置
を提供できる。
【0059】また、製造後にも上記不純物の外向拡散は
防止されており、ソース/ドレイン領域表層部の不純物
濃度が設計値どおりに維持できるため、コンタクトのオ
ーミック性が確保できる。
【0060】しかも、このように非常に信頼性の高い半
導体装置は、大幅なコスト上昇を伴わずに提供可能であ
るので、工業的価値が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したMOS−FETを示す模式的
断面図である。
【図2】図1のMOS−FETの製造プロセスを示すも
のであり、ゲート電極およびソース/ドレイン領域が形
成された状態を示す模式的断面図である。
【図3】図2のウェハにおいて、Ti膜およびTiB2
膜が連続成膜された状態を示す模式的断面図である。
【図4】図3のウェハにおいて、シリコン露出面に接す
る領域のTi膜がシリサイド化された状態を示す模式的
断面図である。
【図5】本発明のMOS−FETにおける、深さ方向の
Bの濃度分布を模式的に示すプロファイル図である。
【図6】従来のMOS−FETにおける、深さ方向のB
の濃度分布を模式的に示すプロファイル図である。
【図7】本発明を適用してTiB2 膜を成膜したウェハ
における、深さ方向のBの濃度分布を模式的に示すプロ
ファイル図である。
【図8】従来法によりTi膜を成膜したウェハにおけ
る、後の深さ方向のBの濃度分布を模式的に示すプロフ
ァイル図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 素子分離領域 3 ゲート酸化膜 4 ゲート電極 5 サイドウォール 6 ソース/ドレイン領域 7 Ti膜 8 TiB2 膜 9 TiSix

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板表層部に選択的に形成され
    た不純物拡散領域を有し、該不純物拡散領域表面には、
    高融点金属シリサイド膜、高融点金属硼化物膜がこの順
    に自己整合的に形成されていることを特徴とする半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 前記不純物拡散領域は、前記シリコン基
    板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極に対
    して自己整合的に形成され、MIS型電界効果トランジ
    スタのソース/ドレイン領域を構成することを特徴とす
    る請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記ゲート電極がシリコン系材料よりな
    り、該ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜、該高融
    点金属硼化物膜がこの順に自己整合的に形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記不純物拡散領域は、硼素が導入され
    てなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいず
    れか1項に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記高融点金属シリサイド膜は、チタン
    シリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイ
    ド、ジルコニウムシリサイドより選ばれるいずれかより
    なることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    か1項に記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記高融点金属硼化物膜は、硼化チタン
    よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 シリコン基板表層部に不純物を選択的に
    導入して不純物拡散領域を形成する工程と、 少なくとも前記不純物拡散領域の表面に、高融点金属膜
    および高融点金属硼化物膜を続けて成膜する工程と、 熱処理によって、前記不純物拡散領域上の前記高融点金
    属膜を、自己整合的に高融点金属シリサイド膜に変化さ
    せる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記不純物拡散領域を形成するための不
    純物導入をシリコン系材料よりなるゲート電極をマスク
    として行い、 該ゲート電極上にも前記高融点金属膜および前記高融点
    金属硼化物膜の成膜を行ってから、 前記熱処理によって、前記ゲート電極上の前記高融点金
    属膜も、自己整合的に高融点金属シリサイド膜に変化さ
    せることを特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記不純物として、硼素を導入すること
    を特徴とする請求項7または請求項8に記載の半導体装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記高融点金属膜および高融点金属硼
    化物膜を化学的気相成長法により成膜することを特徴と
    する請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の半
    導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記高融点金属シリサイド膜として、
    チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、ニッケル
    シリサイド膜、ジルコニウムシリサイド膜より選ばれる
    いずれかを成膜することを特徴とする請求項7ないし請
    求項10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記高融点金属硼化物膜として、硼化
    チタン膜を成膜することを特徴とする請求項7ないし請
    求項11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方
    法。
JP23121294A 1994-09-27 1994-09-27 半導体装置およびその製造方法 Withdrawn JPH0897417A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23121294A JPH0897417A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23121294A JPH0897417A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 半導体装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0897417A true JPH0897417A (ja) 1996-04-12

Family

ID=16920093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23121294A Withdrawn JPH0897417A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 半導体装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0897417A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10284732A (ja) * 1997-04-07 1998-10-23 Lsi Logic Corp 2つのキャッピング層を用いて集積回路構造上に改良型ケイ化コバルト層を形成する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10284732A (ja) * 1997-04-07 1998-10-23 Lsi Logic Corp 2つのキャッピング層を用いて集積回路構造上に改良型ケイ化コバルト層を形成する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6329276B1 (en) Method of forming self-aligned silicide in semiconductor device
US6127267A (en) Fabrication method of semiconductor device equipped with silicide layer
US5449631A (en) Prevention of agglomeration and inversion in a semiconductor salicide process
US6383906B1 (en) Method of forming junction-leakage free metal salicide in a semiconductor wafer with ultra-low silicon consumption
US6461923B1 (en) Sidewall spacer etch process for improved silicide formation
KR20040029119A (ko) 니켈 규화물을 사용하여 개선된 k 값이 높은 유전체
US20060003534A1 (en) Salicide process using bi-metal layer and method of fabricating semiconductor device using the same
US6368949B1 (en) Post-spacer etch surface treatment for improved silicide formation
US6204136B1 (en) Post-spacer etch surface treatment for improved silicide formation
US7320938B2 (en) Method for reducing dendrite formation in nickel silicon salicide processes
JPH09320990A (ja) 半導体装置の製造方法
US20040132259A1 (en) Method of manufacturing a semiconductor device
US6171919B1 (en) MOS Transistor formation process including post-spacer etch surface treatment for improved silicide formation
JP2930042B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US6524939B2 (en) Dual salicidation process
JP2738371B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US5998286A (en) Method to grow self-aligned silicon on a poly-gate, source and drain region
JP3129867B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH05304108A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JPH0897417A (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR100588686B1 (ko) 반도체소자의 실리사이드막 제조방법
JPH08288241A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2910064B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH11195619A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH07201777A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115