JPH0890778A - ノズルプレートの撥水膜形成方法 - Google Patents

ノズルプレートの撥水膜形成方法

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JPH0890778A
JPH0890778A JP23475494A JP23475494A JPH0890778A JP H0890778 A JPH0890778 A JP H0890778A JP 23475494 A JP23475494 A JP 23475494A JP 23475494 A JP23475494 A JP 23475494A JP H0890778 A JPH0890778 A JP H0890778A
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water
nozzle plate
film
repellent film
ink
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JP23475494A
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Mitsuru Muto
満 武藤
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録装置に用いられるノズル
プレート上に、撥水膜を容易に且つ適切に形成する手法
を提供することを目的とする。 【構成】 固定側型板104と可動側型板101を型開
きした状態で、前記固定側型板104のノズルプレート
1のノズル2が形成される面に相当する面に撥水液11
のスプレー12により湿潤被膜を形成し、固定側型板1
04の熱エネルギーを利用して前記湿潤被膜を乾燥被膜
化させ、型締めされた射出成形金型のキャビティー内に
溶融樹脂を射出し、ノズルプレート1に撥水膜20であ
る前記乾燥被膜をインサート成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクが噴射される複
数のノズルが形成されたインクジェットヘッドのノズル
プレートに、撥水膜を形成する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ドロップオンデマンド方式のイン
クジェットヘッドとして、例えば、圧電セラミックスの
変形によってインク流路の容積を変化させ、その容積減
少時にインク流路内のインクをノズルから液滴として噴
射し、容積増大時にインク導入口からインク流路内にイ
ンクを導入するようにしたものがある。そして、所要の
印字データに従って所要の位置のノズルからインク滴を
噴射させることにより、インクジェットヘッドと対向す
る紙面上等に所望する文字や画像を形成するものであ
る。
【0003】この種のインクジェットヘッドとしては、
例えば特開昭63−247051号公報に記載されてい
るものがある。このインクジェットヘッドは、圧電セラ
ミックスの隔壁によって隔てられた複数の平行なインク
流路を形成し、前記インク流路の一端をノズルプレート
の前記ノズルに連通し、他端をインクを供給するインク
供給手段に接続し、前記隔壁の変形によってインク流路
の容積を変化させて前記ノズルからインクを噴射するも
のである。
【0004】上述のようなインクジェットヘッドのノズ
ルプレートの製造方法として、例えば、特開平3−29
7651号公報に開示されているように、高分子樹脂材
料で射出成形した後、ノズルをレーザ加工により形成す
る方法が知られている。
【0005】また、ノズル孔周縁部がインクで濡れる
と、インクの吐出方向が曲げられるため、安定噴射が行
えない。この問題を解決するためにノズルプレートのイ
ンク噴射面の少なくともノズル孔周縁部には撥水膜が形
成される。
【0006】そして、上述のような射出成形法などで製
造されるノズルプレートに撥水膜を形成する方法として
は、転写法、スピンコート法、スプレー法などがあげら
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなノズルプレートに撥水膜を形成する周知の方法
では、撥水膜形成工程をノズルプレート製造工程とは別
工程にして製造を行っているので、工程数及び製造設備
が多くなり、製造コストが高かった。また、大量生産性
が悪い。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、製造コストが低く大量生産性に
優れたノズルプレートの撥水膜形成方法を提示すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のノズルプレートの撥水膜形成方法は、射出成
形法により形成され、インクジェットヘッドに使用され
るノズルプレートの表面に撥水膜を形成する手法であ
り、それは、前記ノズルプレートのインク噴射面が形成
される面に相当する型板に、撥水膜の素材となる撥水液
を用いて被膜を形成する工程と、前記型板をはじめとす
る金型により型締めをする工程と、型締めされた射出成
形金型のキャビティー内に溶融樹脂を射出し、前記被膜
をインサート成形する工程と、前記被膜がインサートさ
れた前記ノズルプレートを金型から取り出す工程とから
なる。
【0010】尚、前記撥水膜となる撥水液をスプレー法
により塗布して前記被膜を形成してもよい。
【0011】尚、前記被膜は、前記撥水膜となる撥水液
を予め所定の温度に温調された前記型板上に塗布して形
成されるものであってもよい。
【0012】
【作用】上記の構成を有する本発明のインクジェットヘ
ッドの撥水膜形成方法においては、前記ノズルプレート
のインク噴射面が形成される面に相当する型板に、撥水
膜の素材となる撥水液によりあらかじめ被膜が形成され
る。そして、その被膜が形成された型板を用いて型締め
が為された後に、その金型へ射出成形が行われ、ノズル
プレートが形成される。すると、前記被膜がインサート
成形され、且つノズルプレートのインク噴射側面に撥水
膜として定着される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0014】図3、図4及び図5に示すように、インク
ジェットヘッド300は、圧電セラミックスプレート3
02とカバープレート320とノズルプレート1とマニ
ホールド部材301とから構成されている。
【0015】その圧電セラミックスプレート302は、
チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)等のセラミックス材
料で形成され、圧電セラミックスプレート302には、
ダイヤモンドブレード等により切削加工された複数の横
溝303が形成されている。また、その横溝303の側
面となる隔壁306は矢印305の方向に分極されてい
る。それらの横溝303は同じ深さであり、かつ平行で
あり、圧電セラミックスプレート302の対向する端面
302a、302bに開口して加工されている。
【0016】また、圧電セラミックスプレート302の
端面302aには、縦溝311aが横溝303に連通す
るように1つ置きに形成されている。圧電セラミックス
プレート302の端面302bには、縦溝311bが横
溝303に連通するように1つ置きに形成されている。
そして、縦溝311a、311bは交互に形成されてお
り、縦溝311aと縦溝311bとは、隣合う横溝30
3に形成されている。尚、縦溝311aは、両外側の横
溝303に設けられている。また、圧電セラミックプレ
ート302の横溝303加工側に対して反対側の面30
2cには、パターン324、325が形成されている。
【0017】そして、圧電セラミックスプレート302
の溝加工面、且つ端面302aに対して斜め上方の位置
に配置されたスパッタリング等の蒸着源(図示せず)か
ら金属電極308、309、310が形成される(矢印
330a、330bの方向から蒸着される)。尚、圧電
セラミックスプレート302の端面302a及び隔壁3
06の天頂部に金属電極が形成されないようにマスクし
ておく。すると、図3に示すように、金属電極308は
横溝303の両側面の上半分の領域に形成され、金属電
極309は、縦溝311aが形成されていない横溝30
3の端面302a側の側面の一部及び底面の一部に形成
され、金属電極310は縦溝311aの側面のうち端面
302a側に形成される。尚、金属電極308と金属電
極309とは電気的に接続され、金属電極308と金属
電極310とは電気的に接続されている。
【0018】次に、圧電セラミックスプレート302の
面302c、且つ端面302bに対して斜め上方の位置
に配置されたスパッタリング等の蒸着源(図示せず)か
ら金属電極316、317が形成される(矢印331
a、331bの方向から蒸着される)。尚、圧電セラミ
ックスプレート302の端面302b及び面302cの
パターン324、325が形成された領域に金属電極が
形成されないようにマスクしておく。すると、図5に示
すように、その金属電極316は、圧電セラミックスプ
レート302の面302cにおいて縦溝311aの底面
より端面302a側の領域及び縦溝311a内面の側面
の一部に形成される。このとき、縦溝311aに形成さ
れた金属電極310上にも金属電極316が形成され
て、縦溝311aの側面に形成された金属電極316が
金属電極310を介して金属電極308と電気的に接続
される。このため、縦溝311aが形成された横溝30
3aの片側の隔壁306に形成された金属電極308
が、その隔壁306によって構成される横溝303bを
挟む他の横溝303aにおける前記横溝303bを構成
するもう一つの隔壁306に形成された金属電極308
と電気的に接続される。また、金属電極316はパター
ン324に電気的に接続される。
【0019】そして、図4及び図5に示すように、金属
電極317は、圧電セラミックスプレート302の面3
02cにおいて縦溝311bの底面より圧電セラミック
スプレート302の中央側から端面302b側の領域、
縦溝311b内面の側面の全部及び縦溝311bの端面
302b側に形成される。このとき、縦溝311bと連
通する横溝303bの金属電極308上にも金属電極3
17が形成されて、縦溝311bの側面に形成された金
属電極317と電気的に接続される。このため、縦溝3
11bが形成された横溝303bの全ての金属電極30
8が金属電極317によって電気的に接続される。ま
た、金属電極317はパターン325に電気的に接続さ
れる。
【0020】次に、前記圧電セラミックスプレート30
2の少なくとも金属電極308、309、317をスピ
ンコート法によりエポキシ樹脂の保護膜77(図7)で
被覆する。
【0021】尚、スピンコート法によるエポキシ樹脂膜
のほか、ディッピング法、CVD法、などによりアクリ
ル樹脂などの他の有機材質或はSiO2などの無機材質
の保護膜77で被覆してもよい。
【0022】尚、金属電極310及び後述する空気室3
27を形成する横溝303aに形成されている金属電極
308はインクに接しないので、保護膜77により必ず
しも被覆する必要はない。
【0023】次に、カバープレート320はセラミック
ス材料、ガラス材料または樹脂材料等から形成されてお
り、圧電セラミックスプレート302の横溝303加工
側の面と、カバープレート320とをエポキシ系接着剤
120(図7)によって接着する。従って、インクジェ
ットヘッド300には、横溝303の上面が覆われて、
縦溝311bと連通するインク室304(図7参照)及
び縦溝311aと連通する非噴射領域としての空気室3
27(図7参照)が構成される。尚、インク室304は
横溝303bに対応しており、空気室327は横溝30
3aに対応している。インク室304及び空気室327
は長方形断面の細長い形状であり、全てのインク室30
4はインクが充填され、空気室327は空気が充填され
る領域である。
【0024】そして、圧電セラミックスプレート302
の端面302a及びカバープレート320の端面に、各
インク室304の位置に対応した位置にノズル2が設け
られたノズルプレート1を接着する。このノズルプレー
ト1に形成されているノズル2は、図8に示すようにテ
ーパ部3及びオリフィス部4から成る。そして、ノズル
プレート1のインク噴射側の面5の表面には撥水膜20
が形成されている。
【0025】そして、図5に示すように、マニホールド
部材301が、圧電セラミックスプレート302の端面
302b及び圧電セラミックスプレート302の面30
2cにおける縦溝311b側に接着される。マニホール
ド部材301にはマニホールド322が形成されてお
り、そのマニホールド322は縦溝311bを包囲して
いる。
【0026】圧電セラミックスプレート302の面30
2cに形成されたパターン324、325は、図示しな
いフレキシブルプリント基板の配線パターンと接続され
る。そのフレキシブルプリント基板の配線パターンは、
後述する制御部に接続された図示しないリジット基板に
接続されている。
【0027】次に、制御部のブロック図を示す図6によ
って、制御部の構成を説明する。圧電セラミックスプレ
ート302の面302cに形成されたパターン324、
325は、前記フレキシブルプリント基板、前記リジッ
ト基板を介して各々個々にLSIチップ151に接続さ
れ、クロックライン152、データライン153、電圧
ライン154及びアースライン155もLSIチップ1
51に接続されている。LSIチップ151は、クロッ
クライン152から供給された連続するクロックパルス
に基づいて、データライン153上に現れるデータか
ら、どのノズル12からインク滴の噴射を行うべきかを
判断し、噴射するインク室304の両側の空気室327
の金属電極308に導通するパターン324に、電圧ラ
イン154の電圧Vを印加する。また、他のパターン3
24及びインク室304の金属電極308に導通するパ
ターン325をアースライン155に接続する。
【0028】次に、本実施例のインクジェットヘッド3
00の動作を説明する。図7(b)のインク室304b
からインク滴を噴射するために、そのインク室304b
の両側の空気室327b、327cのインク室304b
側の金属電極308c、308fに対し電圧パルスをパ
ターン324を介して与え、他の金属電極308には、
他のパターン324、パターン325を介して接地す
る。すると、隔壁306bには矢印113b方向の電界
が発生し、隔壁306cには矢印113c方向の電界が
発生して、隔壁306bと306cとが互いに離れるよ
うに動く。インク室304bの容積が増えて、ノズル1
2付近を含むインク室304b内の圧力が減少する。こ
の状態をL/aで示される時間だけ維持する。すると、
その間縦溝311bを介してマニホールド322からイ
ンクがインク室304bに供給される。尚、上記L/a
は、インク室304内の圧力波が、インク室304の長
手方向(縦溝311bからノズルプレート14まで、ま
たはその逆)に対して、片道伝播するに必要な時間であ
り、インク室304の長さLとインク中での音速aによ
って決まる。
【0029】圧力波の伝播理論によると、前記の立ち上
げからちょうどL/aの時間経つとインク室304b内
の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミング
に合わせて電極308c、308fに印加されている電
圧を0Vに戻す。すると、隔壁306bと306cは変
形前の状態(図7(a))に戻り、インクに圧力が加え
られる。その時、前記正に転じた圧力と隔壁306b、
306cが変形前の状態に戻って、発生した圧力とがた
し合わされ、比較的高い圧力がインク室304b内のイ
ンクに与えられて、インク滴がノズル12から噴出され
る。
【0030】また、前記実施例においては、まず駆動電
圧をインク室304bの容積が増加する方向に印加し、
次に駆動電圧の印加を停止しインク室304bの容積を
自然状態に減少してインク室304bからインク滴を噴
射していたが、まず駆動電圧をインク室304bの容積
が減少するように印加してインク室304bからインク
滴を噴射し、次に駆動電圧の印加を停止してインク室3
04bの容積を前記減少状態から自然状態へと増加させ
てインク室304b内にインクを供給してもよい。
【0031】ここで、上述のノズルプレート1の製造方
法を説明する。まず、図9に示すような概略構造の射出
成形金型によりノズルプレート本体10(図2)を製造
する。図9(b)は図9(a)のA−A断面を示す。図
9中、コア110に形成された山部103は、前記ノズ
ルプレート本体10の有底孔6に対応し(図2参照)、
山部103が連なった形状をワイヤカットで形成し、そ
の後ダイシング加工を用いてノズル2に対応するように
個々に分断することにより形成することができる。
【0032】まず、図1に示すように固定側型板104
と可動側型板101を型開きした状態で、前記固定側型
板104の少なくともノズル2が形成される領域に相当
する領域近傍に対して、撥水膜20となる撥水液11と
しての溶媒可溶性アモルファスフッ素樹脂サイトップC
TX(旭硝子製)を膜厚0.5〜5μm程度にスプレー
12により塗布する。すると、前記固定側型板104に
はサイトップCTXによる湿潤被膜が形成される。本実
施例において、固定側型板104は後述するノズルプレ
ート1の射出成形に備えて、図示しないカートリッジヒ
ータにより予め150℃に温調されている。よって、撥
水液11のスプレー12により塗布された前記湿潤被膜
は、その熱を受けて約20秒で乾燥被膜となる。
【0033】次に、固定側型板104と可動側型板10
1を型締めする。そして、図2に示すように射出成形材
料である溶融したポリサルホンがゲート100から導入
され、固定側型板104、可動側型板101、山部10
3が形成されたコア110とで形成される空間に充填さ
れる。尚、このときの金型温度は150℃であり、材料
温度は370℃であり、樹脂材料を充填する圧力は12
00〜1500kg/cm2 である。
【0034】その後、固定側型板104と可動側型板1
01とを型開きする。そして、エジェクトピン102を
矢印106の方向に移動し、撥水膜20がインサートさ
れたノズルプレート本体10を可動側型板101より取
り出す。
【0035】なお、これにより撥水膜20がインサート
されたノズルプレート本体10が完成するが、その後撥
水膜20をより強固に定着させるために、所定の温度に
制御された加熱オーブンに挿入して熱処理を施してもよ
い。
【0036】次に、ノズルプレート本体10の有底孔6
にエキシマレーザビームを照射するなどしてオリフィス
部4を形成する。
【0037】以上の方法により、図8に示すようにイン
ク噴射側の面5に撥水膜20が形成され、テーパ部3、
オリフィス部4から成るノズル2を有するノズルプレー
ト1が製作される。
【0038】なお、ノズルプレート1の材質としては、
ポリサルホンのほか、液晶ポリマー、ポリアセタール、
ポリフェニルサルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサ
ルホン、ポリカーボネートなどの樹脂材料を用いること
ができる。
【0039】一方、撥水膜20の素材としてはサイトッ
プCTXのほか、フッ素シリコーン系コーティング剤、
テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重
合体、ジパーフルオロアルキルフマレートスチレン共重
合体、四フッ化エチレンビニルエステル共重合体などを
用いることができる。また、撥水膜20の素材として、
湿潤被膜を形成せず、常温にて、塗布後直ちに自然乾燥
するような撥水液を使用することも可能である。
【0040】上述のインサート成形時において、本実施
例の撥水膜20は塗布時に比べ若干(約1%程度)の成
形収縮を生ずる為、その塗布面より剥離し易くなり、前
記金型の型開き時に固定側型板104に撥水膜20が残
留するようなことはない。しかし、固定側型板104の
撥水液塗布部に鏡面加工を施したり、離型剤を予め塗布
しておく等の、撥水膜20が型板より剥離し易くするよ
うな加工をしておくことが望ましい。
【0041】また、上述したようなノズルプレート1の
各材質にはそれぞれ、ある程度の温度幅を持って適切な
金型温度がある。また、同様に撥水膜20の材質に関し
ても適切な定着温度域がある。よって、それらが合致し
たノズルプレート1の材質、撥水膜20の材質を選定す
ることが望ましい。
【0042】さらに、撥水膜20を形成する方法とし
て、スプレー法のほか、転写法などを用いることができ
る。
【0043】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々の変更
が可能である。例えば、本実施例では、オリフィス部4
が形成されていないノズルプレート本体10が製造され
てから、オリフィス部4を形成していたが、射出成形時
にオリフィス部4を形成してもよい。
【0044】また、隔壁306は、圧電セラミックスで
形成されていたが、隔壁の上半分の領域を圧電セラミッ
クスで形成し、下半分をアルミナ等の圧電セラミックス
でない材料で形成してもよい。
【0045】更に、本実施例では、隔壁306の上半分
の領域による圧電変形によって、インク室304からイ
ンクを噴射していたが、隔壁の上半分の領域の圧電セラ
ミックスの分極方向と反対方向の分極方向である圧電セ
ラミックスで隔壁の下半分の領域を形成し、隔壁の側面
全面に金属電極を形成して、隔壁全体の圧電変形によっ
て、インク室からインクを噴射させてもよい。
【0046】また、本実施例では、圧電セラミックスを
用いたインクジェットヘッドであったが、周知のバブル
ジェット式のインクジェットヘッドであっても良い。
【0047】以上説明したように、本実施例では、ノズ
ルプレート1の射出成形時に撥水膜20を形成できるの
で、製造コスト上昇が比較的小さい。
【0048】また、特に本実施例のように、前記撥水液
11に塗布時には湿潤被膜を形成するような素材を用い
ても、金型の予熱により自然と乾燥被膜化が行われるた
め、撥水膜20の形成の為に別途加熱を行うなどの工程
を追加する必要が無い。よって、上記手法により、様々
な撥水素材を使用して撥水膜20を形成することを可能
にし、製造コストを更に低くでき、大量生産が可能とな
る。
【0049】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のノズルプレートの撥水膜形成方法によれば、前記
ノズルプレートのノズルが形成される面に相当する型板
に予め撥水液の被膜を形成し、その後、型締めされた射
出成形金型のキャビティー内に溶融樹脂を射出し、前記
被膜をインサート成形する。つまり、撥水膜の形成とノ
ズルプレートの成形を一連の手順にて行う。よって、射
出成形法により形成されたインクジェットヘッドのノズ
ルプレートに、撥水膜形成工程を別途追加しないため製
造コストを低減でき、且つ大量生産性が高い。
【0050】また、前記撥水膜となる撥水液をスプレー
法により塗布して前記湿潤被膜を形成すれば、製造設備
の構成が容易となり、さらに製造コストの低減、大量生
産性に優れる。
【0051】また、予め所定温度に温調された型板上に
撥水液を塗布すれば、乾燥性の悪い撥水液を用いた場合
においても、改めて加熱加工を行わずとも、前記撥水液
による湿潤被膜を速やかに乾燥被膜化させて撥水膜を形
成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の撥水膜形成方法を示す説明
図である。
【図2】前記実施例のノズルプレート本体の製造方法を
示す説明図である。
【図3】前記実施例のインクジェットヘッドを示す斜視
図である。
【図4】前記実施例の圧電セラミックスプレートを示す
斜視図である。
【図5】前記実施例のインクジェットヘッドを示す斜視
図である。
【図6】前記実施例のインクジェットヘッドの制御部を
示すブロック図である。
【図7】前記実施例のインクジェットヘッドの作動状態
を示す説明図である。
【図8】前記実施例のインクジェットヘッドのノズル部
を示す断面図である。
【図9】前記実施例のノズルプレート本体を製造するた
めの射出成形金型を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ノズルプレート 2 ノズル 12 スプレー 11 撥水液 20 撥水膜 101 可動側型板 102 エジェクトピン 104 固定側型板 110 コア 300 インクジェットヘッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形法により形成され、インクジェ
    ットヘッドに使用されるノズルプレートの表面に撥水膜
    を形成するノズルプレートの撥水膜形成方法において、 前記ノズルプレートのインク噴射面が形成される面に相
    当する型板に、撥水膜の素材となる撥水液を用いて被膜
    を形成する工程と、 前記型板をはじめとする金型により型締めをする工程
    と、 型締めされた射出成形金型のキャビティー内に溶融樹脂
    を射出し、前記被膜をインサート成形する工程と、 前記被膜がインサートされた前記ノズルプレートを金型
    から取り出す工程とからなることを特徴とするノズルプ
    レートの撥水膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記撥水膜となる撥水液をスプレー法に
    より塗布して前記被膜を形成することを特徴とする請求
    項1記載のノズルプレートの撥水膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記被膜は、前記撥水膜となる撥水液を
    予め所定の温度に温調された前記型板上に塗布して形成
    されることを特徴とする請求項1記載のノズルプレート
    の撥水膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1120173A (ja) * 1997-07-01 1999-01-26 Brother Ind Ltd 記録ヘッドのノズルプレートの製造方法

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