JPH0860293A - 高張力鋼 - Google Patents

高張力鋼

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JPH0860293A
JPH0860293A JP19934294A JP19934294A JPH0860293A JP H0860293 A JPH0860293 A JP H0860293A JP 19934294 A JP19934294 A JP 19934294A JP 19934294 A JP19934294 A JP 19934294A JP H0860293 A JPH0860293 A JP H0860293A
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透 高山
Masahiko Hamada
昌彦 濱田
Yasuto Fukada
康人 深田
Yuichi Komizo
裕一 小溝
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高張力鋼、特に大入熱溶接や高エネルギー密度
熱源を用いた溶接を行って低温で使用される高張力鋼で
あって、溶接部の靱性および耐亜鉛めっき割れ性に著し
く優れた鋼の提供。 【構成】(1) MnO−Al2O3 −SiO2の3元状態図におい
て、MnOが23〜56%、Al2O3 が4〜27%およびSiO2が30
〜54%の各範囲が重複する領域内 (図1の斜線部)の組
成を持つ3元系酸化物を主体とする複合酸化物の粒子で
あり、かつ直径が 0.2μm未満の微細粒子が6個/mm2
上分散している鋼。 (2) 上記複合酸化物の微細粒子を構成する酸化物のO
(酸素)の5%以下がS(硫黄)と置換されている上記
(1) の鋼。上記の鋼は、C、Si、Mn、Al、酸素、Nb、
V、Nb、Cu、Cr、Mo、B、Ti、Zr、Ca、REM の所定量を
含むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力容器、船舶、橋
梁、建築物、海洋構造物およびラインパイプ等の溶接構
造物に使用される高張力鋼であって、特に溶接部(溶接
金属部および溶接熱影響部)の靱性および溶接熱影響部
の耐亜鉛めっき割れ性に優れ、低温での使用も可能な高
張力鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、氷海域に設置される海洋構造物や
寒冷地向けのラインパイプ、或いは船舶やLNGタンク
等の大型鋼構造物に供される溶接用高張力鋼に関して
は、材質特性の改善要求が厳しくなってきている。これ
らの用途向けの鋼材には、その使用目的に応じた十分な
強度が要求されることは勿論、特に溶接金属部の靱性、
溶接金属に接する母材の溶接熱影響部(以下HAZと記
す)での靱性、およびHAZの耐溶融亜鉛めっき割れ性
の改善についての要望が高い。
【0003】従来、高張力鋼のHAZ靱性に大きな影響
を及ぼすのは、溶接部のオーステナイト結晶粒径、
変態組織、微細な硬化相の析出状態、および鋼板中
の固溶N量、が主なものであることが知られており、こ
の知識を基に種々の対策が提案されてきた。
【0004】例えばおよびに関しては、Tiを微量添
加し、鋼中にTiNを微細析出させてオーステナイト結晶
粒の粗大化を抑制する方法(昭和54年6月発行の「鉄と
鋼」第65巻8号 1232 頁、参照)、Caを微量添加しCaS
およびCaOを生成させ、オーステナイト結晶粒の微細化
とCaS、CaOを核とした粒内フェライトの析出とにより
組織を微細化する方法(昭和58年2月発行の「溶接学会
誌」第52巻2号 49 頁)、希土類元素(以下REM と記
す)の酸化物により同様に結晶粒を微細化する方法(特
開昭64-15320号公報)、さらには、Ti酸化物粒子を核生
成サイトとして粒内フェライトを生成させて組織を微細
化する方法(特開昭57-51243号公報および特開昭61-797
45号公報)等が提案されている。
【0005】に関しては、低炭素当量化やSiおよびAl
(アルミニウム) を低減することにより硬化相の析出を
抑制する方法(特開平2-190423号公報)等が提案されて
いる。また、に関しては、鋼に含まれるN (窒素) 量
を下げる方法や過剰のAlを添加することによりAlNとし
てNを固定する方法等が提案されている。
【0006】しかし、以上のような対策において、TiN
は、1400℃以上に加熱される部分では大部分が母材に溶
解すると考えられており、特に大入熱溶接を行ったとき
の溶融線近傍のHAZにおけるオーステナイト結晶粒の
粗大化を免れ得ない。さらに、加熱過程で溶解したTiN
は冷却過程において再析出しない。すなわち、TiNが溶
解した部分では、冷却過程における粒内でのフェライト
変態が起こらず、さらには固溶窒素の増加をも招き、H
AZ靱性の劣化を避け得ないという欠点がある。
【0007】一方、Ca、REM およびTiの酸化物粒子の利
用については、これらを鋼中において微細に安定した状
態で溶製時に均一分散させることが非常に困難であり、
実生産上の問題が残る。また、仮にこれらの酸化物粒子
を分散させ得ても、その粒度は比較的大きく、フェライ
トの生成核としての機能を発揮させることは可能である
が、オーステナイト結晶粒を微細化するピニング効果
(ピン止め効果)を発揮させるまでには至らないと考え
られる。すなわち、1400℃以上の高温に加熱されるよう
な部分において、オーステナイト結晶粒の粗大化を抑制
するような技術は未だ開発されておらず、低炭素当量化
や低Si化、低Al化といった方法による微細硬化相の析出
形態制御や固溶N量の低減等の技術を併用してもHAZ
靱性の改善には自ずと限界がある。
【0008】脱酸金属であるAlは溶鋼中で酸素との反応
性が高く、アルミナ(Al2O3) を生成する。この Al2O
3(固体)は溶鋼(液体Fe)との界面エネルギーが高い
ため、生成した酸化物粒子が溶鋼中で凝集して粗大化
し、浮上するか、或いは数μm大の凝集した介在物とし
て鋼中に留まるため、鋼中で微細に分散させた状態に保
つことが困難であることはよく知られている。
【0009】また、Al含有鋼はベイナイト主体組織とな
る。このため、HAZの靱性を上げるという観点からは
低Al系の組成にするのがよいと考えられる。さらに、可
能であれば、Alを鋼中に留めないほどに極低Al化するこ
とが、HAZにおいて靱性を劣化させる島状マルテンサ
イトの生成を抑え、微細フェライト粒主体の組織として
HAZ靱性を向上させるのに望ましいとされてきた(平
成4年3月発行の「溶接学会論文集」第10巻3号 409
頁、参照)。
【0010】溶接構造物には、防錆能強化や美観向上手
段としてめっき処理が広く採用され、溶融亜鉛めっきは
優れた塗装性改善効果を発揮することから、最近でもそ
の適用範囲は拡大の傾向にある。しかし、溶融亜鉛めっ
きは溶接施工後の鋼材に対して施される場合が多く、鋼
材の組成、組み立てた構造物の形状、めっき浴への浸漬
方法などによっては「液体金属脆化(結晶粒界へ亜鉛が
侵入することに起因した脆化)による溶接熱影響部の割
れ」を発生することが多々あるとの指摘がなされ、問題
となっている。
【0011】特に、近年、鋼構造物の大型化や軽量化要
求に伴い鋼材の高強度化指向が高まってきたことから溶
接熱影響部での割れ発生事例が多くなり(55kgf/mm2
超える強度レベルになると割れの発生が目立つようにな
る)、液体金属脆化によるHAZの割れは大きな注目を
集めるようになってきた。そのため、液体金属脆化割れ
対策に関する研究も盛んに行われており、種々の報告あ
るいは提案がなされている。
【0012】例えば、「鉄と鋼、第70年(1984)、第10
号、 p.131〜137 」や「溶接学会論文集、第4巻(198
6)、第4号、p.93〜99」には「溶融亜鉛によるHAZの
液体金属脆化割れ防止には、HAZの硬さを低減させる
ことが有効である」との報告がなされている。しかし、
HAZの硬さを低減させることは、鋼材の合金成分量を
低減することであり、強度レベルを低下させることにな
り、高強度化指向に相反することとなる。
【0013】このような溶融亜鉛によるHAZの液体金
属脆化割れ防止対策として、例えば、特公平2−5814号
公報には、C、Mn、Si、Nb、V、Ti、Alの含有量を制限
し、かつ、93−8.8 ×103C(C−0.1)−63Si−38Mn+340V
≧42を満足させることによって、HAZの耐めっき割れ
性に優れた高強度低合金鋼が得られることを開示してい
る。
【0014】また、特開平2−57669 号公報には、B
(ボロン)を0.0002%以下に制限し、 C+Mn/10+Si/30+Cr/10+Mo/20+V/3 +Ti/5−1/
40000B≦0.19 を満足させることによって、耐めっき割れ性に優れた高
張力鋼が得られることを開示している。
【0015】しかし、これらの方法によっても、構造物
が大型化すると溶接残留応力やめっき時の熱応力が増大
するため、溶融亜鉛めっき割れの発生は皆無とはなら
ず、完全な防止対策が確立されるには至っていない。
【0016】次に、溶接金属部の靱性改善については、
炭素鋼、低合金鋼のアーク溶接後の溶接金属部の靱性を
確保するため、溶接金属部の組織を微細なアシキュラー
フェライト主体の組織とすることが必要であるとされて
いた。微細なアシキュラーフェライト組織を得るには溶
接金属中にTi、Bを添加するとともに酸素量の調整が重
要である。酸素量を 200〜400ppmに調整した場合、微細
なアシキュラーフェライト組織が得られるが、酸素量が
100ppm以下では焼入れ性が上昇し、上部ベイナイト組織
となり、逆に靱性が低下するとされている。(Toughnes
s Improvementin Weld Metal of Carbon and HSLA Stee
ls in Japan,First United States-Japan Sympo. Advan
ces in Welding Metallugy,(1991) p.227 〜250 参
照)。
【0017】現在の高エネルギー密度熱源を用いた電子
ビーム溶接とレーザービーム溶接は、アーク溶接に較べ
て狭いビード幅で深い溶け込みが得られる高能率な低入
熱溶接方法であり、溶接施工される板厚が厚くなるほど
コストメリットが発揮される。しかし、溶接ままの溶接
金属部の靱性は必ずしも良好でなく( 溶接学会誌、第54
巻(1985)、第2号、p.46〜50)、高エネルギー密度熱源
を用いた溶接方法の適用拡大を阻害している。
【0018】この溶接金属部の靱性を改善するには、溶
接後に熱処理を行う方法があるが、作業工程が増えるこ
とになり上述のコストメリットが得られなくなる。
【0019】この高エネルギー密度熱源を用いた溶接法
による溶接金属部の靱性低下の原因は、酸素含有量(酸
化物量)が低いため微細なアシキュラーフェライト組織
が得られないことによる。即ち、高エネルギー密度熱源
を用いた溶接方法では、アーク溶接法のようにスラグ
(フラックス)などの酸素源を用いず鋼材そのものを溶
融させて接合するため、得られる溶接金属部の組成は基
本的には母材と同じであり、酸素含有量も母材と同様10
0ppm以下となる場合が多い。従って、アーク溶接によっ
て良好な靱性を示す微細なアシキュラーフェライト組織
を得るのに必要な酸素量 200〜400ppmに比べはるかに少
ない。
【0020】これを解決する方法として、例えば特開昭
62−64486 号には、Ti酸化物を均一に分散させた鋼を電
子ビーム溶接法のような低酸素溶接法で溶接して溶接金
属部の高靱化を図る方法が提案されている。また、特開
昭63−126638号には、実質的にAlを含有しない鋼(Al≦
0.007 %) を高エネルギー密度溶接法で溶接して溶接金
属部のSol.Al含有量を適切な範囲に調整すれば、前記意
識的に非金属介在物(Ti酸化物)を導入することなく、
溶接金属部の靱性を向上させる方法が提案されている。
【0021】しかし、Ti酸化物を均一に分散させる方法
は、溶製法ではかなり困難であり、その粒子の大きさは
比較的大きく、冷却速度の速い高エネルギー密度熱源を
用いた溶接方法では十分なフェライト変態核としては作
用しない。
【0022】また、実質的にAlを含有しない鋼の効果と
して、変態中のフェライトから未変態オーステナイトへ
のCの排斥が抑制され、オーステナイト中のCの濃化が
軽減され、未変態オーステナイトのフェライト変態が阻
害されず、結果として微細な針状フェライト組織が得ら
れるとしている。しかし、冷却速度が極めて速い低入熱
の高エネルギー密度熱源を用いた溶接方法においては、
過冷度が大きく未変態オーステナイトは非金属介在物以
外の場所からフェライトが核生成するよりも、第二相
(炭化物あるいはマルテンサイト等)として析出する方
がエネルギー的に有利であり、その効果は非金属介在物
(酸化物)を利用する場合に比べ、著しく劣ることが明
らかである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前述したように溶接用
鋼板の諸性能の改善は、母材、溶接金属およびHAZに
ついて別々に検討され、それぞれの影響因子が明らかに
されている。
【0024】HAZ靱性を改善するためのTiNは、1400
℃以上に加熱される溶接部では、母材に溶解してオース
テナイト結晶粒の粗大化を抑制することができず、改善
効果が得られない。また、Ca、REM 、Ti酸化物は、溶製
時に均一に分散させることが難しく、オーステナイト結
晶粒を微細化するピニング効果が得られない。
【0025】耐溶融亜鉛めっき割れ性についても種々提
案されているが、構造物が大型化すると溶接残留応力や
めっき時の熱応力が増大するため、溶融亜鉛めっき割れ
の発生は皆無とはならず、完全な防止対策が確立される
には至っていない。
【0026】溶接金属部の靱性改善効果を有するという
Ti酸化物は、上述したように溶製時に均一に分散させる
ことが難しく、粒子が大きくなって高エネルギー密度熱
源を用いた溶接方法ではフェライト変態核としては作用
しない。また、Alを実質的に低減した鋼は、高エネルギ
ー密度熱源を用いた溶接方法では針状フェライト組織が
得られないという問題がある。
【0027】本発明の目的は、量産が可能で適切な大き
さで且つ適切な個数の介在物粒子を鋼中に分散させた鋼
材であって、1400℃以上の高温に加熱される溶融線近傍
の領域でもオーステナイト結晶粒の粗大化が抑制され、
溶接部全域にわたって組織が微細化され、良好な低温靱
性と耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた溶接用鋼材を提供
することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】従来、溶接用鋼板の諸性
能の改善は、母材、溶接金属およびHAZについて別々
に検討され、それぞれの影響因子が明らかにされてい
る。
【0029】本発明者らは上記の影響因子をさらに詳し
く検討した結果、次の知見を得た。
【0030】HAZの低温靱性の改善には、オーステ
ナイト粒の粗大化抑制による効果が大きい。
【0031】耐溶融亜鉛めっき割れ性の改善には、
「材料、第30巻(1981)、第 329号、p.83〜89、溶融亜鉛
中における鋼の溶接部強度と題する論文」に「破断位置
は溶接の熱影響により粒子が粗大化している箇所であ
る。溶融亜鉛中では粒界破壊が支配的であり、粗粒域は
粒界面積が細粒域に比べて小さいため亀裂が発生しやす
い。
【0032】そのためボンド部に近い粗粒域部から亀裂
が発生し、破断したものと考えられる。」と記載されて
いるように、溶融亜鉛めっきによる溶接熱影響部の割れ
は溶接による組織、即ちオーステナイト粒の粗大化に起
因しており、このオーステナイト粒の粗大化を抑制しな
いかぎり、本質的な解決策とはならない。
【0033】溶接金属部の低温靱性は、オーステナイ
ト粒の微細化による焼入れ性低減効果による粒内フェラ
イトの析出促進によって溶接金属の組織が微細化され、
低温靱性を改善できる。
【0034】この知見を基に、オーステナイト粒を微細
化する方法について検討した。
【0035】鋼の製造において、Alは脱酸および粒度調
整等を目的として添加される基本的な元素である。一
方、Ti添加鋼においては、Al量を低減した場合に焼入性
の低下および組織の微細化等の効果を通してHAZ靱性
の改善がなされるとの報告(溶接学会論文集、第10巻(1
992)、第3号、p.93〜99)も見られる。
【0036】そこで、本発明者らは、Ti無添加のC-Si-
Mn系の単純な組成の鋼を用いて、Alに着目した検討を行
った。その結果、『特定のMn−Al−Si−O(酸素)バラ
ンスを持つ微細介在物を分散させた鋼においては、1400
℃以上に加熱されても、オーステナイト粒の粗大化が抑
制される』という従来全く知られていない現象を見いだ
した。
【0037】本発明は、上記の新しい知見を基にしてな
されたもので、その要旨は下記(1)〜(5) の高張力鋼に
ある。なお、特に断らないかぎり、%は質量%を意味す
る。
【0038】(1) MnO−Al2O3 −SiO2の3元状態図にお
いて、MnOが23〜56%、Al2O3 が4〜27%およびSiO2
30〜54%の各範囲が重複する領域内の組成を持つ3元系
酸化物を主体とする複合酸化物の粒子であり、かつ直径
が 0.2μm未満の微細粒子が6個/mm2以上分散している
ことを特徴とする高張力鋼。
【0039】(2) 上記複合酸化物の微細粒子を構成する
酸化物のO(酸素)の5%以下がS(硫黄)と置換され
ている上記(1) の高張力鋼。
【0040】(3) 鋼の平均組成が、下記のとおりである
上記(1) または(2) の高張力鋼。
【0041】C: 0.01〜0.2 %、 Si: 0.01〜0.5
%、 Mn: 0.3 〜3.0 %、Sol.Al: 0.008 %以下、In
sol.Al: 0.0002〜0.005 %、O:0.001〜0.005 %、P:
0.02%以下、 S: 0.02%以下、 N: 0.01
%以下 Nb: 0 〜0.1 %、 V:0〜0.1 %以下、 Ni:0
〜3.0 %以下、Cu:0〜0.7 %以下、 Cr:0〜1.5 %
以下、 Mo:0〜0.7 %以下、残部がFe及び不可避的不
純物。
【0042】(4) 上記(3) に記載の成分の外にさらに、
Ti:0.006〜0.02%およびZr:0.005〜0.025%の一種また
は二種を含有する上記(1) または(2) の高張力鋼。
【0043】(5) 上記(3) または/および(4) に記載の
成分の外にさらに、Ca: 0.0005〜0.005%または/およ
び希土類元素(REM) の1種以上:0.005〜0.05%を含有す
る上記(1) または(2) の高張力鋼。
【0044】即ち、 (5)-1 C: 0.01〜0.2 %、 Si: 0.01〜0.5 %、 Mn:
0.3 〜3.0 %、Sol.Al: 0.008 %以下、Insol.Al: 0.00
02〜0.005 %、O:0.001〜0.005 %、P: 0.02%以下、
S: 0.02%以下、 N: 0.01%以下 Nb: 0 〜0.1 %、 V:0〜0.1 %以下、 Ni:0
〜3.0 %以下、Cu:0〜0.7 %以下、 Cr:0〜1.5 %
以下、 Mo:0〜0.7 %以下、を含有し、更にCa: 0.00
05〜0.005 %または/および希土類元素(REM) の1種以
上:0.005〜0.05%を含有し、残部がFe及び不可避的不純
物からなる上記(1)または(2) の高張力鋼。
【0045】(5)-2 C: 0.01〜0.2 %、 Si: 0.01〜0.5 %、 Mn:
0.3 〜3.0 %、Sol.Al: 0.008 %以下、Insol.Al: 0.00
02〜0.005 %、O:0.001〜0.005 %、P: 0.02%以下、
S: 0.02%以下、 N: 0.01%以下 Nb: 0 〜0.1 %、 V:0〜0.1 %以下、 Ni:0
〜3.0 %以下、Cu:0〜0.7 %以下、 Cr:0〜1.5 %
以下、 Mo:0〜0.7 %以下、を含有し、更にTi:0.006
〜0.02%およびZr:0.005〜0.025 %の一種または二種
と、Ca: 0.0005〜0.005 %または/および希土類元素(R
EM) の1種以上:0.005〜0.05%を含有し、残部がFe及び
不可避的不純物からなる上記(1) または(2)の高張力
鋼。
【0046】
【作用】本発明の基本的原理は、通常、溶鋼中で凝集
し、浮上分離するかまたは粒径が数μmの大きな介在物
となるMn−Al−Si系酸化物を 0.2μm未満の微細介在物
として鋼中に分散させることにより、HAZ靱性、HA
Zの耐亜鉛めっき割れ性、および溶接金属部の靱性、特
に高エネルギー密度熱源を用いた溶接における溶接金属
部の靱性を向上させるという点にある。以下、まずこの
基本原理について説明する。
【0047】既に述べたように、溶鋼との界面エネルギ
ーが高いAl2O3 は、鋼中で微細に分散させることが困難
であると考えられてきた。しかし、Alの添加量を微量に
して単独でのAl2O3 の生成を極く少量に抑えることによ
り、生成される複合酸化物の融点を低下させることが可
能となる。
【0048】図2はMnO−Al2O3 −SiO2の3元系状態図
である。同図から明らかなように、酸化物が複合化する
ことにより低融点になる。一般に、固/液界面と液/液
界面を比較すると、後者の方が界面エネルギーが低く、
微量な液体は多量な液体中で分散し、全体的として均一
に懸濁し易くなる。従って、鋼の溶製時に複合酸化物が
液体であれば、溶鋼と複合酸化物が液/液の界面で接す
るので、界面エネルギーが格段に低下し、複合酸化物は
凝集することなく、直径 0.2μm以下の微細な介在物と
して、溶鋼中で懸濁することになる。そして、この溶鋼
が凝固した後にも、複合酸化物は微細なまま鋼中に分散
した状態になる。
【0049】ここでいう複合酸化物とは、MnO−Al2O3
−SiO2の3元系酸化物を主体とする複合酸化物である。
「主体とする」というのは、MnO、SiO2および Al2O3
外に、これらの3元系酸化物の融点に実質的な影響を及
ぼさない程度の量の他の酸化物(例えば、CaO、MgO、
TiO2、ZrO2、(REM)O等)、あるいは硫化物(例えば、Mn
S、CuS、TiS、CaS等)、あるいはこれらの複合介在
物が含まれていてもよい、ということである。
【0050】特に、上記複合酸化物のO(酸素)の一部
をS(硫黄)で置換したもの、いい換えれば、MnOの一
部がMnSで置き換えられたものは、MnSが溶鋼と粒子の
界面エネルギーを低下させる作用を持つので、微細に分
散する粒子として好ましいものである。但し、酸化物中
のOのSによる置換率が高くなると、生成するMnSが凝
集して介在物の粗大化を招くので、この置換率は5%以
下であることが望ましい。
【0051】上記のようなMnO−Al2O3 −SiO2の3元系
酸化物を主体とする酸化物を、以下Mn−Al−Si系複合酸
化物と記す。
【0052】Mn−Al−Si系複合酸化物を構成する主要酸
化物であるMnO、 Al2O3およびSiO2の各酸化物の含有量
は、図1に示すMnO−Al2O3 −SiO23元系状態図で、Mn
O:23〜56%、Al2O3: 4〜27%、SiO2: 30〜54%の各範
囲が重複する領域内、即ち、図1の斜線を施した領域内
で選択する。この領域内の組成であれば、図2から明ら
かなように複合酸化物の融点は通常の高張力鋼組成の溶
鋼の融点(溶製温度)約1550℃よりも低い、1400℃以下
になるからである。
【0053】本発明の高張力鋼中の介在物は、Al−Si−
Mn系複合酸化物からなり、主たる介在物の粒径が 0.2μ
m未満の微細な介在物が、6個/mm2 以上、均一に分散
したものである。ここで、介在物の粒径が 0.2μm未満
でなければならない理由は、主たる介在物の粒径が 0.2
μm以上である場合、このような介在物は凝集して、大
型のクラスターを形成しやすく、オーステナイト粒微細
化の観点からは有効でない。また、介在物の生成量が6
個/mm2 未満であればオーステナイト粒は300μm以上
に成長する。
【0054】以上は鋼材を溶製する際の現象について述
べたが、同様の現象が溶接金属中でも起こり、この様な
鋼板を高エネルギー密度熱源を用いた溶接(溶融池の酸
素が低い)を行った場合でも、溶接金属中に直径 0.2μ
m以下の微細な複合酸化物を分散させ、溶接金属部の靱
性を改善することができる。また、このような材料を溶
接材料としても使用できる。
【0055】次に、本発明の鋼材の製造方法について説
明する。
【0056】前記の複合酸化物を微細に分散させるに方
法としては、以下に述べる方法がある。
【0057】(a) 図1の斜線部の組成になるように予め
配合した混合酸化物を加熱溶融させた1550℃以上の融液
を溶鋼中に注入する。
【0058】(b) 各酸化物の微粉末を図1の斜線部の組
成になるように配合した混合粉末を、1550℃以上の溶鋼
に添加する。
【0059】(c) 溶鋼の組成調製の段階でメタル−スラ
グ反応により生成する複合酸化物が図1の斜線部の組成
になるように調整する。
【0060】上記(a) および(b) の方法では、混合酸化
物の添加量は溶鋼1kg当たり 0.3〜10g が適当である。
添加された混合物は、溶鋼に浮上しているものはスラグ
として分離除去されるが、溶鋼中にあるものは凝固末期
まで液相で存在するため、凝固の段階で鋼中に残存した
ものが凝集粗大化せず、微細に分散する。
【0061】(c) の方法では、酸素との結合性(反応
性)が最も高い元素がAlであることから、溶製の初期に
Al2O3 が多量に生成することは好ましくなく、この点に
おいてAlおよびO量の調製並びにスラグの改質が非常に
重要である。
【0062】次に、本発明鋼のHAZ靱性、HAZの耐
溶融亜鉛めっき割れ性および溶接金属部の靱性が著しく
高い理由を説明する。
【0063】通常、Alは鋼材中において、固溶AlやAl窒
化物を含む酸可溶性Al(ここでは、Sol.Alと記す)およ
び主にMn-Al-Si系酸化物として存在する非酸可溶性Al
(ここでは、Insol.Al)として区別される。本発明鋼に
おける溶接部のオーステナイト結晶粒の粗大化抑制は、
主に微細に分散させた介在物 (Mn-Al-Si系複合酸化物)
によるピニング効果に基づく。
【0064】Mn-Al-Si系複合酸化物の大きさとしては、
前述のように 0.2μm未満であることが望ましく、ま
た、溶接金属部およびHAZの組織の微細化による靱性
向上の観点から、または耐亜鉛めっき割れ性向上の観点
から、できるだけ多くの粒子が分散することが望まし
い。しかし分散粒子の数としては 300万個/cm3 以上、
光学顕微鏡等の平面的な観察においては 6個/mm2 以上
存在すれば、現在要求されているHAZ靱性の水準を満
足できる。但し、分散粒子数は30個/mm2 以上の方が好
ましい。
【0065】本発明の高張力鋼は、上記のような介在物
の分散状態を特徴とするもので、合金成分については特
に制約はない。高張力鋼の使用目的とそこで要求される
機械的、化学的な特性に応じて合金成分とその含有量を
選べばよい。しかしながら、特に低温で使用され、高い
HAZ靱性が必要とされる高張力鋼として、先の(3)〜
(5) に記載した化学組成を持つものが好ましい。以下、
その鋼の成分について説明する。なお、本明細書におい
て「鋼の平均組成」というのは、前記の介在物を含めて
化学分析した場合の組成であり、成分含有量の%は質量
%を意味する。
【0066】C:Cは、鋼材の強度確保、およびNb、V
等の添加時に組織微細化の効果を生じさせるために添加
される。0.01%未満ではこれらの効果が十分でない。し
かし、Cが多過ぎると溶接部にマルテンサイト(α’)
や類似パーライト(α/Fe3C)を生成してHAZ靱性を
悪化させ、HAZでの溶融亜鉛めっき割れ感受性が増大
するとともに母材および溶接金属の靱性ならびに溶接性
にも悪影響を及ぼす。従って、Cは 0.2%以下とするの
が望ましい。
【0067】Si:Siは溶鋼の予備脱酸に有効な元素であ
るが、セメンタイト中に固溶しないため、多量に添加さ
れると未変態オーステナイト粒がフェライト粒とセメン
タイトに分解するのを阻害し、島状マルテンサイトの生
成を助長し、また、MnOとの複合によって粗大な酸化物
を生成する。これらの理由から、Siの添加は、鋼中含有
量が 0.5%以下となる範囲で行う。また、介在物中に含
有すべき最小のSi量を確保するため0.01%以上必要であ
る。
【0068】Mn:Mnは強度確保に必要な元素であるとと
もに、脱酸剤としても有効な元素で、且つ前述の Al2O3
の融点低下をもたらすMnOおよびMnSを生成させるため
にも必要である。このため、Mnの含有量は 0.3%以上と
する必要がある。しかし、Mnの過剰な添加は、Siと同様
に複合酸化物の粗大化を引き起こし、焼入れ性を増やし
て溶接性およびHAZ靱性を劣化させるので、その含有
量は 3.0%を超えるべきではない。
【0069】P:Pは鋼に不可避的に含有される不純物
元素であり、粒界偏析元素であるためにHAZにおける
粒界割れの原因となる。従って、0.02%以下で低いほど
好ましい。さらに母材靱性、溶接金属部とHAZの靱性
を向上させ、スラブ中心偏析も低減させるためには、そ
の含有量は0.01%以下とすることが望ましい。
【0070】S:Sは多量に存在する場合、溶接割れ起
点となるMnS単体の析出物を生成する。
【0071】このため、0.02%以下とする。但し、母材
靱性、溶接金属部とHAZの靱性を一層向上させ、スラ
ブ中心偏析も低減させるためには 0.005%以下とするこ
とが好ましい。一方、MnSとしてMn-Al-Si系酸化物の酸
素の一部と置換したSは、前述のように複合酸化物の界
面エネルギーを低下させる効果を有する。従って、上記
の上限値以下の範囲である程度の存在は、むしろ好まし
い。このSの作用効果を利用するためには、0.0002%以
上のSが含有されていることが望ましい。
【0072】Sol.Al:Sol.Alの増加はMn-Al-Si系複合酸
化物の微細分散に対してマイナス要因となる。すなわ
ち、Sol.Alが増加して全体的にAl量が増加するとMn-Al-
Si系酸化物が凝集、粗大化して所望のオーステナイト粒
成長抑制効果が得られなくなる。また、靱性に悪影響を
及ぼす微細硬化相である島状マルテンサイトの生成を抑
えるためにもSol.Alの低減は有効である。以上のような
観点から、Sol.Alはその含有量が低いほど好ましくその
上限を 0.008%とした。
【0073】Insol.Al:Alは前述のように多量に存在す
ると粗大なAl2O3 を生成する。従って、酸化物として添
加した量を含め、Insol.Alとしては鋼の清浄度を下げな
いように、0.005 %以下でなければならない。しかし、
前述のごとく、HAZ組織の微細化に必要な複合酸化物
を生成させて十分なオーステナイト結晶粒成長抑制効果
を得るには0.0002%以上が必要である。
【0074】O (酸素) :本発明の分散粒子は複合酸化
物が主体であり、Oが 0.001%未満では所望の介在物量
が得られない。しかし、多量に存在すると清浄度の劣化
が著しくなるため、母材、溶接金属部およびHAZとも
に実用的な靱性確保が困難となる。そこで、0.005 %以
下とする。
【0075】N (窒素) :Nは多量に存在すると、酸素
と同様、母材、溶接金属部およびHAZの靱性を悪化さ
せる。通常はTi添加によってTiN析出の形でNを無害化
しているが、本発明では特にTi添加を考える場合も、加
熱時にTiNが固溶して溶接金属部およびHAZの硬化を
招く恐れがあるため、また、窒化物が凝集により粗大化
する可能性があるため、上限を0.01%とした。なお、窒
化物を生成させない場合には、固溶Nの増加による溶接
金属部およびHAZの靱性の劣化が生じるため、 0.003
%以下とすることが好ましい。
【0076】本発明の高張力鋼の主要成分は上記のもの
であるが、これらの外に、さらに、Nb、V、Ni、Cu、C
r、MoおよびBからなる元素群、TiおよびZrからなる元
素群、ならびにCaおよびREM からなる元素群、から選ん
だ1種以上の元素を添加することができる。
【0077】V、Nb:VおよびNbは、鋼材の強度確保に
有効であるが、過剰に添加した場合、鋼の焼入れ性を過
度に高め、溶接金属部およびHAZ靱性を悪化させ、溶
融亜鉛めっき割れ感受性を増大させる傾向にある。従っ
て、添加する場合は、ともに 0.1%以下の含有量とす
る。なお、強度確保のために下限は、それぞれ 0.005%
が望ましい。
【0078】Cu、Ni:これらの元素は、いずれも鋼材の
強度及び靱性を高める上、溶接金属部およびHAZ靱性
に対する悪影響も少なく、また溶融亜鉛めっき割れ感受
性を増大させない。しかし、Cuの含有量が 0.7%を超え
ると、連続鋳造時および圧延時にスラブ表面割れを多発
し、安定した操業が困難となる。また、Niは添加量が増
すと製造コストの著しい上昇を招く。従って、Cuおよび
Niの含有量はそれぞれ 0.7%、3.0 %以下とする。望ま
しい下限は、それぞれ0.05%である。
【0079】Cr、Mo:CrとMoは、鋼材の焼入れ性を増
し、強度確保に有効であるが、溶接金属部およびHAZ
の硬化防止および溶接低温割れの抑制の観点からCrの含
有量は 1.5%以下、Moの含有量は0.7 %以下とする。望
ましい下限は、それぞれ0.03%である。
【0080】B:Bは鋼材の焼入れ性を増し、強度確保
に有効であるが、過剰に添加した場合、粒界偏析元素で
あるため、溶接低温割れ等の問題が生じる。従って、B
の含有量は 0.002%を超えないことが望ましい。なお、
Bの効果を積極的に利用する場合は、0.0003%以上の含
有量とするのが望ましい。
【0081】Ti:Tiは、鋼中のNと結合して窒化物を生
成し、1400℃未満に加熱される領域のオーステナイト結
晶粒の粗大化を抑制するとともに、フェライト粒の析出
核となって組織を微細化する作用を有する。このような
効果を利用する場合にはTiを添加する。しかし、0.006
%未満では前記作用を発揮せず、また0.02%を超える含
有量になると、母材靱性および溶接金属部およびHAZ
靱性に悪影響を及ぼす。なお、本発明鋼においてO (酸
素) はその大部分がAl−Si−Mn系酸化物として存在して
いるため、TiO2、Ti2O3 等の酸化物は生成せず、Al-Si-
Mn系酸化物のSi、Mnの一部にTiが置換した形態で存在す
る。
【0082】Zr:ZrはTiとほぼ同様の作用を持つ元素で
ある。Tiと同じ理由で、Zrを添加する場合は、その含有
量を 0.005〜0.025 %とするのがよい。
【0083】Ca:Caは粒内フェライトの析出核となる酸
化物、硫化物を生成する元素である。また、硫化物の形
態を制御し、低温靱性を向上させ、特にラインパイプ用
鋼等で重視される耐水素誘起割れ性の改善にも効果を発
揮する。このようなCaの効果を得るためには、0.005 %
以上の含有が必要となる。一方、0.01%を超える含有量
のなるとCa系の大型介在物やクラスターを生成して鋼の
清浄度を劣化させる REM :REM はCaと同様にフェライト析出核となる酸化
物、硫化物を生成し、かつ、硫化物の形態を制御して低
温靱性を向上させ、耐水素誘起割れ性の改善にも効果を
発揮する。しかし、0.005 %未満の含有量では上記作用
を発揮するには至らず、0.05%を超えると粗大な介在物
を形成し、靱性、溶接性を劣化させ、さらには清浄度を
も劣化させる本発明の高張力鋼は、特に高エネルギー密
度熱源を用いて溶接した場合、溶接金属部の靱性を高め
ることができるので、次に示すような使用方法がある。
【0084】本発明の高張力鋼の端面をI型開先に加
工し、高エネルギー密度熱源を用いて突き合わせ溶接す
る。
【0085】本発明の高張力鋼を他の材質の異なる鋼
材の接合端面に挿入し、高エネルギー密度熱源を用いて
突き合わせ溶接する。
【0086】本発明の高張力鋼を溶接材料(フィラー
ワイヤ)として用いる。
【0087】また、本発明の高張力鋼は溶接のままでの
溶接金属部の靱性を向上させるものであるが、溶接後に
熱処理を行ってもよい。
【0088】
【実施例】表1に示す化学組成の本発明鋼および比較鋼
の鋼片を準備した。本発明鋼および比較鋼のNo.16 〜19
は、いずれも1600℃の溶鋼に表2に示す組成の1600℃の
溶融酸化物を溶鋼1kg当たり 0.5〜8.0g、添加した後、
150kg の鋼塊に鋳造し、分塊法にて鋼片とした。この酸
化物添加によって鋼中に残存したもののみが、分散粒子
となった。比較鋼のNo.20 〜24は溶融酸化物を添加する
ことなく通常の溶解法で溶製した。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】上記の鋼片を下記(1) に述べるような圧
延、熱処理条件にて厚板50、30および15mmの鋼板とし
た。得られた鋼板の板厚中央部より各種試料片を採取
し、分散粒子数、粒子の平均的な組成および母材の機械
的性質について調査した。
【0092】また、分散粒子の粒子数及び平均的な組成
は下記(2) および(3) に示す試験方法によって求めた。
【0093】分散粒子の調査結果を表2に、母材の機械
的性質を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】板厚50mmの鋼板は、高エネルギー密度熱源
を用いた溶接を行い溶接金属部の靱性の調査に、30mmは
溶接再現熱サイクル試験によるHAS靱性の調査に、15
mmは拘束継手試験による溶融亜鉛めっき割れの調査に供
した。
【0096】A.HAZ靱性調査 板厚30mmの鋼板の板厚中央部から縦11mm、横11mm、長さ
60mmの試験材を採取し、下記(4) に示す溶接再現熱サイ
クルを付与し、下記(5) に示すシャルピー衝撃試験を実
施した。それらの結果を表4に示した。
【0097】
【表4】
【0098】B.溶融亜鉛めっき割れ性の試験 溶接熱影響部のめっき割れ再現試験として、拘束継手試
験を行った。この拘束継手試験片は、図4に示すよう
に、板厚15mmの3枚の鋼板(1) を十字に組合せ、交差す
る隅角部2位置に1パスの隅肉溶接(入熱量:17kJ/cm
、冷却時間: 約8秒)で試験ビード(6) を作製し、他
の交差する隅角部2位置に多層盛り溶接(盛り数20)に
よって拘束ビード(7) を設け、試験ビード(6) の表面に
鋼板の降伏応力に相当する残留応力が付与されて製作さ
れる。この拘束継手試験片を溶融亜鉛めっき浴(480℃)
中に30分間浸漬して、試験ビード表面(6) における割れ
発生の有無を検査する。また、割れを観察したのち、ボ
ンド部の硬さをビッカース硬度計で測定するとともにボ
ンド部のオーステナイト粒径をリニア・アナリシス法に
て測定した。それらの結果を表4に示した。
【0099】C.高エネルギー密度熱源を用いた溶接金
属部の靱性調査 板厚50mmの鋼板(1) にI開先加工を施し、同鋼種同士を
ルートギャップなしの突き合わせ溶接を行った。溶接条
件を下記(6) に示す。溶接のままの状態で、図3に示す
位置、即ち溶接金属部(4) およびHAZ(5) からシャル
ピー衝撃試験片(3、JIS 4号試験片)を採取し、−100
℃から0℃の範囲で、同じ温度で試験数を3として試験
を行った。それらの結果を表5に示す。
【0100】
【表5】
【0101】(1) 圧延、熱処理条件(表3の第2欄「処
理方法」に記載) N:通常の圧延の後、 850〜950 ℃×1h→空冷の焼なら
し QT:通常の圧延の後、 850〜950 ℃×1h→水冷→ 600
〜700 ℃×1h→空冷の焼入れ−焼戻し DQT:圧延仕上げ温度を 850〜950 ℃とし、直接焼入
れ(水冷)→630 ℃×1h→空冷の焼戻し 加速冷却:圧延仕上げ温度を 750〜800 ℃とし、 400か
ら 500℃まで水冷の後、空冷 (2) 直径 0.2μm未満の分散粒子の個数の調査 各鋼種についてエネルギー分散型X線検出器(EDS)
を備えた走査電子顕微鏡を用いて写真撮影し、試料面に
換算して約3mm2中の直径 0.2μm未満の分散粒子の数を
計数した。
【0102】(3) 直径 0.2μm未満の分散粒子の平均組
成の調査 さらに、各酸化物の組成をEDSによって分析した。但
し、組成分析におけるEDSの感度はO (酸素) に対し
て十分な精度がなく、また、微小介在物であるため、母
材のFeからの特性X線を検出することになる。このた
め、Mn、Al、Siの3元素についての定量値から各酸化物
MnO、Al2O3 、SiO2の量を換算し、これよりMn-Al-Si系
介在物の組成を求めた。得られた組成について鋼種ごと
に平均し、微細介在物の平均組成とした。また、Mn、A
l、Si量を酸化物換算したときのOの総量を求め、ED
S分析によって求めたSの定量値を、このO総量で割る
ことによってSのOに対する置換率とした。
【0103】(4) 溶接再現熱サイクル条件 条件1:最高加熱温度1400℃にて5秒保持の後、 800か
ら 500℃まで60秒で冷却 条件2:最高加熱温度1400℃にて5秒保持の後、 800か
ら 500℃まで 180秒で冷却 (各々、30mmの鋼板を 70kJ/cm、200kJ/cmの溶接入熱量
で溶接した場合の溶接線近傍の熱サイクルに相当す
る。) (5) 衝撃試験 溶接再現熱サイクル試験を鋼種毎に3本実施し、それぞ
れJIS4号シャルピー試験片に加工した。この試料につい
て、−60℃でのシャルピー衝撃試験を行ったときの吸収
エネルギー (vE-60)の平均値を求めた。
【0104】(6) 電子ビーム溶接条件 加速電圧:60kV ビーム電流:50mA 溶接速度: 500mm/min ワークディスタンス: 325mm a/b:0.9 (aは電子ビームの収束レンズ中央から電子ビームの焦
点著しくまでの距離bは収束レンズ中央から被溶接物表
面までの距離) 表2の介在物の平均組成を図1に示した。同図に示す●
が、本発明鋼(No.1〜15) のMn-Al-Si系酸化物の介在物
の組成であり、○が、比較鋼 (No.16 〜18、20〜24) の
介在物の組成であり、◎が、比較鋼(No.19 )の介在物
の組成でS含有量が10.5%と多いものである。
【0105】表2の分散粒子数から明らかなように、●
で示した本発明の範囲の介在物組成を持つ鋼は、 0.2μ
m以下の微細介在物を1mm2 あたり6個以上分散してい
るのに対して、○で示した比較鋼では 0.2μm以下の微
細介在物が少なく、 0.2μmを超えた粗大な介在物が多
く存在する。これは作用の項でも述べたように本発明範
囲の介在物は融点が低く、溶鋼と介在物の界面エネルギ
ーが低下したため微細に分散したと考えられる。なお、
◎で示したものは母材のS含有量が多いため、介在物中
の MnS量が増加し、凝集粗大したものと考えられる。
【0106】表3から、本発明鋼および比較鋼ともに引
張強さ、靱性(破面遷移温度)が優れていることがわか
る。
【0107】表4から、Mn-Al-Si系酸化物の介在物が前
記図1の斜線部内の組成をもち、かつ、その介在物が直
径 0.2μm未満の分散粒子が6個/mm2 以上存在してい
る本発明鋼(No.1〜15) は、溶接再現熱サイクル試験に
よるHAZ相当靱性が入熱45kJ/cm の場合 16 vE-60/kg
m 以上、入熱 100kJ/cm の場合 11 vE-60/kgm 以上が得
られ、HAZ靱性が著しく優れていることがわかる。な
お、本発明鋼の No.6、7および10に見られるように、
微細分散粒子の数が30個/mm2 以上であると、特に入熱
量の大きい溶接(溶接再現熱サイクル試験)でも 20 vE
-60/kgm 以上の吸収エネルギーが得られ、優れた靱性が
得られる。また、拘束継手試験片で溶融亜鉛めっき割れ
性を調査した結果では、本発明鋼(No.1〜15) には割れ
の発生は観察されなかった。さらに、高エネルギー密度
熱源を用いた溶接で得られた溶接金属部およびHAZ
も、優れた靱性を示すことがわかる。
【0108】これに対し比較鋼のNo.16 はSol.Al含有量
が0.010 %と高いため、介在物組成の Al2O3量が70%と
高くなり、 0.2μm以下の粒子数が5個と少なく、オー
ステナイト結晶粒径が 143μmと大きくなり、HAZお
よび溶接金属部の衝撃値が低く、溶融亜鉛めっき液への
浸漬で割れが観察された。
【0109】No.17 はAlを含有しない鋼であり、介在物
組成のMnO量が60%と高くなり、0.2 μm以下の粒子数
が3個と少なく、オーステナイト結晶粒径が 132μmと
大きくなり、HAZおよび溶接金属部の衝撃値が低く、
溶融亜鉛めっき液への浸漬で微小割れが観察された。
【0110】No.18 はSol.Al含有量が 0.030%と高いた
め、介在物組成の Al2O3量が40%、MnO量が20%と発明
の範囲から外れ、 0.2μm以下の粒子数が3個と少な
く、オーステナイト結晶粒径が 148μmと大きくなり、
HAZおよび溶接金属部の衝撃値が低く、溶融亜鉛めっ
き液への浸漬で割れが観察された。
【0111】No.19 はS含有量が 0.030%と高いため、
介在物組成のS量が10.5%と高くなり、粒子の形状が大
きくなり、 0.2μm以下の粒子数が2個と少なく、オー
ステナイト結晶粒径が 137μmと大きくなり、HAZお
よび溶接金属部の衝撃値が低く、溶融亜鉛めっき液への
浸漬で割れが観察された。
【0112】No.20 〜24は、混合酸化物を添加すること
なく通常の溶製を行った鋼であるため、介在物組成はい
ずれも発明の範囲から外れ、 0.2μm以下の粒子数が4
個以下と少なく、オーステナイト結晶粒径も 175〜199
μmと大きくなり、HAZおよび溶接金属部の衝撃値が
低く、溶融亜鉛めっき液への浸漬で微小割れまたは割れ
が観察された。
【0113】
【発明の効果】本発明の鋼は、高い母材靱性を有し、H
AZ靱性、HAZの耐溶融亜鉛めっき割れ性および溶接
金属部の靱性のいずれにも優れ、大入熱溶接法または高
エネルギー密度熱源を用いた溶接法を適用した溶接構造
物においても優れた低温靱性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋼の微細介在物の組成範囲 (斜線部) を
MnO−Al2O3 −SiO2系平衡状態図の上に示した図であ
る。
【図2】MnO−Al2O3 −SiO2系平衡状態図で、図中の細
線と数値は融点(℃)を示す。
【図3】電子ビーム溶接部から衝撃試験片を採取する位
置を示す図である。
【図4】拘束継手試験片を示す図である。
【記号の説明】
1.鋼板 2.溶接金属 3.
シャルピー衝撃試験片 4.溶接金属切欠位置 5.HAZ切欠位置 6.
試験ビード 7.拘束ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小溝 裕一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MnO−Al2O3 −SiO2の3元状態図におい
    て、質量%でMnOが23〜56%、Al2O3が4〜27%およびS
    iO2が30〜54%の各範囲が重複する領域内の組成を持つ
    3元系酸化物を主体とする複合酸化物の粒子であり、か
    つ直径が 0.2μm未満の微細粒子が6個/mm2以上分散し
    ていることを特徴とする高張力鋼。
  2. 【請求項2】上記複合酸化物の微細粒子を構成する酸化
    物のO(酸素)の5%以下がS(硫黄)と置換されてい
    る請求項1の高張力鋼。
  3. 【請求項3】鋼の平均組成が、質量%で下記のとおりで
    ある請求項1または2の高張力鋼。 C: 0.01〜0.2 %、 Si: 0.01〜0.5 %、 M
    n: 0.3 〜3.0 %、 Sol.Al: 0.008%以下、 Insol.Al: 0.0002〜0.005
    %、O:0.001〜0.005 %、 P: 0.02%以下、 S: 0.02%以下、
    N: 0.01%以下 Nb: 0 〜0.1 %、 V:0〜0.1 %以下、 N
    i:0〜3.0 %以下、 Cu: 0 〜0.7 %以下、 Cr:0〜1.5 %以下、 M
    o:0〜0.7 %以下、 残部がFeおよび不可避的不純物。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の成分の外に更に、Ti:0.0
    06〜0.02%およびZr:0.005〜0.025%の一種または二種
    を含有する請求項1または2の高張力鋼。
  5. 【請求項5】請求項3または/および請求項4に記載の
    成分の外に更に、Ca: 0.0005〜0.005 %または/および
    希土類元素の1種以上:0.005〜0.05%を含有する請求項
    3または4の高張力鋼。
JP19934294A 1994-08-24 1994-08-24 高張力鋼 Expired - Lifetime JP3287125B2 (ja)

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