【発明の詳細な説明】
酸性流を中和する方法および装置
本発明は酸性水流を水酸化カルシウムによって中和する方法、とくに塩酸流を
水酸化カルシウムによって中和する方法に関する。本発明の別の特徴は本発明の
方法が実施され得る装置に関する。
塩酸は世界中で広く製造され、実際きわめて多くの工業的工程の副産物として
製造される。とくに弗素が塩素と置換される塩素含有化合物と弗化水素との反応
における副産物として製造され、その多くが世界中で実施されている。
塩酸自体が商品であるにしても長期間大量に貯蔵することは実際的でなく、し
たがって、もし即時の需要がなければ塩酸の処分が必要である。酸の処分はまず
酸性流を中和し、ついで中和された排水が排出することによりなされる。
従来、これまで一般に実施された排水のpHの環境的制御が厳重でなかったため
、そのような酸性流の中和は、近年より問題が起こることが少なかった。しかし
ながら、そのような中和された酸性流の排水のpH制御は、ますます厳重となり、
とくに酸性流を中和する間のpH制御の問題が生じた。
酸性流は通常水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウムを含む基礎的薬剤によ
って中和される。これらの各薬剤はある種の利点および欠点を有する。しかして
、水酸
化ナトリウムは水溶性が大きく水溶液の形式で使用できるため使用するのに便利
であるが、水酸化カルシウムよりいちじるしく高価でかつ、ナトリウムイオンの
存在によりpHメータに、また滴定曲線が特異で中和範囲におけるきわめて少量の
水酸化ナトリウムの添加の際pHがきわめて急激に変化するため制御に有害な作用
を及ぼす。他方、安価ではあるが、酸化または水酸化カルシウムの使用は水にお
ける水酸化カルシウムの低い溶解度に関連して、水酸化カルシウムは酸性流に添
加されるときもっぱら固体の形式で存在するというような、種々の問題が生ずる
。とくに、水酸化カルシウムが酸と十分に反応し、固体薬剤の下流へのキャリオ
ーバーよび引続く反応が中和工程の後でpHの増加を生じないようにすることにお
いて制御の問題が生ずる。
本発明の方法は中和剤として水酸化カルシウムの使用を前提としている。
従来、中和反応の制御は酸濃度が通常約5〜10%になる希釈装置において達
成された。しかしながら、酸希釈装置による中和はきわめて大形の容器の使用を
必要とし、それにより工程全体の経費を増大する。またアルカリ性の状態は水中
における水酸化カルシウムの溶解量を増加すると信じて、中和工程を一層よく達
成するため、最初に十分な水酸化カルシウムを添加してアルカリ性溶液を得るこ
とにより酸性流を中和することすなわち中性点を行過ぎ酸をさらに添加すること
により中性点に向か
ってpHを下げることが提案された。しかしながら、この操作は固体の沈澱を増加
し、そのことはアルカリ性の状態においては一層普通であり、中和工程の正確な
観察を確実に達成するのに使用されるpHメータの性能に悪影響を及ぼす。
これら公知の方法は通常一連の連続攪拌槽反応容器(CSTR)を使用して実施さ
れ、各槽はフィードバック制御装置を備え、それによって槽内の溶液の測定され
たpHは、pHが各容器内で確実に正確に制御されるように、しばしば酸ならびにア
ルカリの添加を制御する。 本発明によれば酸性流を中和する方法が提供され、
その方法は酸性流および水酸化カルシウムを第1反応区域を通して第2反応区域
に供給し、水酸化カルシウムは第2反応区域への流れの供給中酸性流を部分的に
中和し、第2反応区域は第2反応区域内の溶液のpHを測定する装置および第2反
応区域に水性基材(aqueousbase)を供給する装置を備えている。
第1反応区域は酸性流および水酸化カルシウム流体を供給する導管を有し、酸
および水酸化カルシウム流は合流し導管を通って一緒に第2反応区域に流れる。
本発明の方法によって中和される酸性流は中和の前に希釈する必要はなく、し
たがって酸性流は通常濃縮流、たとえば少なくとも重量で10%の酸濃度の、と
くに重量で25%の酸濃度の、酸性流である。重量で35%または45%までの
濃度の酸性流は、本発明の方法による満足す
べき制御によって中和することができる。酸性流は好ましくは酸の流れであり、
そのカルシウム塩は水溶液として溶解可能である。しかして酸性流は、少量の他
の酸たとえば硫酸および弗化水素酸をも含有することができるが、通常塩酸また
は硝酸である。
第1反応区域に供給される水酸化カルシウムは好ましくは水酸化カルシウムの
水性スラリの形式である。水酸化カルシウムの水性スラリは、スラリ化工程中発
生する熱の量を減少し、したがって薬剤の温度を下げるため、好ましくは粉末の
消石灰から得られる。スラリ中の固体の割合は広い範囲に変化するが、好ましく
は水酸化カルシウムスラリは重量で約10%から重量で約40%、とくに重量で
約15%から重量で約25%の固体を含有する。
スラリの水酸化カルシウム成分は、酸に対する水酸化カルシウムの迅速な反応
を促進するため、平均粒子サイズが約1ミクロンから約10ミクロンの範囲にあ
り、粒子の約0.1%以下の粒子は約250ミクロンより大きいサイズを有する
。
好ましくは、第1反応区域はプラグ流れ反応装置を有する。第2反応区域は好
ましくは攪拌槽反応装置である。
プラグ流れ反応装置および攪拌槽反応装置はこの技術において普通のものであ
り、これらの反応装置のいかなる構造のものも本発明の方法に使用することがで
きる。
反応装置は好ましくは接触する化学薬品流に耐性を有
する材料から構成される。しかして、反応装置はゴム、過弗化コポリマ、たとえ
ばポリテトラフロロエチレン、または同様に内部の化学薬品流に耐性を有する合
金材料、たとえば適当なハステロイ (Hastelloy)またはインコーネル(Incon
el)を使用して構成することができる。反応装置はこれらの材料の内張りを有す
るたとえば鋼よりなっている。実際上、ゴム被覆炭素鋼が好ましい。
所定の反応装置容積に対して反応量を最大にするのに役立つプラグ流れ反応装
置を有する第1反応区域を設けることは、水酸化カルシウムのもっとも有効な反
応の達成を可能にし、水酸化カルシウムの満足すべき変換に必要な反応装置容積
を減少し、未反応の水酸化カルシウムが中和工程からキャリオーバーされる傾向
を減少する。酸性状態において見られる水酸化カルシウムの加速された反応はプ
ラグ流反応装置の使用によって一層促進される。
本発明方法に使用されたプラグ流反応装置は、好ましくは静的混合装置を備え
その中に酸および水酸化カルシウムが供給され、ついで十分に長い管が水酸化カ
ルシウムょ適当に反応させる。プラグ流れ反応区域の最善の容量は酸性流のおよ
び水酸化カルシウムの特性とくに水酸化カルシウム薬剤の粒子サイズ分布に依存
する。さらに、多くの商業的に利用しうる形式の水酸化カルシウムは炭酸カルシ
ウム不純物を包含し、それらは処理中二酸化炭素を発生する。そのような二酸化
炭素の存在はまたプラ
グ流れ反応装置の所要の容量に影響を及ぼす。しかしながら、十分な長さのプラ
グ流反応装置を使用して、反応区域内の滞留時間を少なくとも30秒、好ましく
は35秒とくに40秒にするのが好ましい。
好ましくは、酸性流および水酸化カルシウムは第1反応区域に、第1反応区域
において実施される中和の程度を制御するため、流量フィードフオワード制御の
もとで供給される。
流れの流量フィードフオワード制御は、たとえば、酸性流の濃度または電導度
をモニターし、酸性流の酸濃度をえること、または流れの流量をモニターするこ
とによって達成される。第1反応区域における(下記に記載する)所要の第1の
中和の程度を達成するのに理論的に必要な水酸化カルシウムスラリの流れが計算
され、その水酸化カルシウムの流れが第1反応区域に供給される。
第1反応区域における所要の中和の程度は広い範囲で変化するが、好ましくは
十分な水酸化カルシウムが全体の中和割合のできるだけ多い部分を実施するため
第1反応区域に送られ、第2反応区域に添加されるのに必要なそれ以上の水性基
材の量を最少にし、第1反応区域を通じてかなりの酸濃度が維持され水酸化カル
シウムのキャリーオーバーしたがってpHが過度になる機会を最少にする。第1反
応区域に供給される水酸化カルシウムの量は好ましくは少なくとも80%、一層
好ましくは少なくとも90%とくに約95%の中和を実施するのに十分な量であ
る
のが好ましい。
好ましくは、第1反応区域への水酸化カルシウムスラリおよび酸の流量は、第
2反応区域に添加される水性基材の割合のフィードバック制御ループによって調
節され、それにより第1反応区域に供給される水酸化カルシウムの濃度の変化を
補償し、第1反応区域に添加される水酸化カルシウムの所要の割合を維持する。
第1反応区域の製品は、攪拌槽反応装置、好ましくは連続式攪拌槽反応装置(
CSTR)を有する第2反応区域に供給され、そこにさらに水性基材がさらに、第2
の所要の中和の程度を達成するのに十分な量、好ましくは攪拌槽反応装置内の溶
液のpHを観察する装置からのフィードバック制御のもとで、添加される。第2の
所要の中和の程度を達成するのに必要な水性基材の量は、第1反応区域に供給さ
れる水酸化カルシウムの量に依存するが、pHメータのよみを信頼性あるものとす
るため、添加される水性基材の量は、少なくともpHが1好ましくは1.5の溶液
が第2反応区域から回収されるようになることが好ましい。さらに、第2反応区
域から回収された溶液中の水酸化カルシウムまたは他の水性基材のキャリーオー
バーを最少にするため、添加される水性基材の量は4以上でない好ましくは3以
上でない溶液を製造するようなものである。 第2反応区域に添加される水性基
材は、第2反応区域ならびに第1反応区域における水酸化カルシウムの使用が前
記のように緩衝効果を促進するため水酸化カルシウムとするの
が好ましい。しかしながら、もし望むならば他の水性基材たとえば水酸化ナトリ
ウムも使用可能である。
本発明の好ましい実施例によれば、(a)流量フィードフォワード制御のもと
で中和されるべき酸性流および十分な水酸化カルシウムを、プラグ流れ反応装置
を有する、第1反応区域に供給しそれにより (前記のような)第1の所要程度
の中和が実施される工程、(b)前記第1工程の生産物を槽内の溶液のpHを測定
する装置を備えた攪拌槽反応装置を有する第2反応区域に供給しまたその区域に
水酸化カルシウムを供給し、pH測定装置のフイードバックループ制御装置は第2
の所要の程度の中和を実施するため槽への十分な水酸化カルシウムの添加を制御
する工程および(c)第2反応区域から約1から約3のpHを有する溶液を回収す
る工程を有する、酸性流を中和する方法が提供される。
工程(c)から回収された溶液はついで第3の反応区域に通され、そこで6と
9の間のpHへの溶液の微調整がフィードバック制御のもとで水性基材の少量を添
加することにより実施される。使用される水性基材は水酸化カルシウムとするか
、または他の水性基たとえば水酸化ナトリウムとすることができる。排出要求に
適合するため第3反応区域における所要のpH制御を達成することは、中和の大部
分が実施される第1反応区域における中和薬剤として、また第2反応区域に添加
される水性基材として水酸化カルシウムを使用するとき観察される、強い緩衝
効果(濃度変化に対するpHの低下した感度)によって促進される。この緩衝効果
は水酸化カルシウムまたは水酸化ナトリウムの使用によって第3反応区域におい
て利用される。きわめて少量が所要のpH調節を達成するため添加され、かつその
ような少量の制御された添加が水性スラリ(水酸化カルシウム)よりも基材の水
性溶液(水酸化ナトリウム)の使用によって促進されるため、とくに水酸化ナト
リウムを使用することが好ましい。
本発明の方法を実施する間、発生する激しい発熱反応および稀釈がほとんどな
いことにより、装置を通って流れる溶液の温度の上昇が起こる。実際、装置を通
って流れる溶液の温度は約80℃の温度に上昇する。信頼しうる制御の完全な利
益を維持しかつ大きい濃度において中和を実施することによって設備を最小にす
るため、第3反応区域のpHは、固体除去および冷却の際pHを排出液に許容される
pHの規制限界内に抑えるため、水酸化カルシウム/酸装置の化学的特性の研究に
よって決定された値に制御されるのが好ましい。したがって、冷却は、引続いて
冷却される流れにおけるpH調節の必要なしに、また酸性流および/または水酸化
カルシウム流の予冷の必要なしに最終的に中和された流れにおいて実施され、そ
のすべてはその中で冷却される酸性媒質に対する抵抗性を有する特殊な材料から
構成された装置の使用を必要とする。冷却はたとえば蒸発冷却によって実施され
る。
研究によれば、第3反応区域から回収される最終の中
和された溶液のpHは、観察されたpHの減少と温度上昇により排出されるべき冷却
された溶液に対して所望されるものよりも低いことが分かった。好ましくは、第
3反応区域に使用されるpH感知装置はpHにおける温度低下(冷却)の効果に対し
て補償するように予設定されている。したがって予冷された溶液のpHは、冷却後
排出されるべき中和された流れが約7.5から約8.5のpHを有するように、約6.5か
ら約7.5とされる。
本発明の別の特徴によれば、酸性流および水酸化カルシウムを流量フィードフ
ォワード制御のもとで供給する装置を備えた第1プラグ流反応区域および中の溶
液のpHを測定する装置、水性基材供給装置およびそこへの水性基材の添加を制御
するフィードバック制御装置を備えた連続攪拌槽反応装置を有する第2反応区域
を有する、水酸化カルシウムによって酸性流を中和する装置が提供される。
以下、本発明の第2の特徴による装置の好ましい実施例および別の特徴は、本
発明の第1の方法の特徴に関連して記載される。
本発明は、本発明の方法が実施される装置の略流れ線図である図面に図示され
ているが、ただしそれに限定されるものではない。
図において、プラグ流れ反応装置1は静的ミキサ2およびゴム内張り炭素鋼か
ら構成されたパイプライン3を有する。
静的ミキサ2への塩酸供給ライン4は電導度メータ5および流量メータ6を備
えている。電導度メータおよび流量メータの出力側は流量フィードフオワード制
御ユニット7に連結されている。静的ミキサ2への水酸化カルシウム供給ライン
8は流量メータ9および弁10を備えている。流量メータ9および弁10は流量
フィードフオワード制御ユニット7の出力側に連結されている。
パイプライン3の出口11は、攪拌器13,pHメータ14および水酸化カルシ
ウム供給ライン15を備えた連続攪拌槽反応装置(CSTR)12に入る。水酸化カ
ルシウム供給ライン15は、pHメータ14に連結されたフィードバック回路17
によって制御される弁16を備えている。攪拌槽反応装置出口18は、攪拌器2
1,pHメータ22および水酸化ナトリウム供給ライン23を備えた連続攪拌槽反
応装置(CSTR)の入口に連結されている。水酸化ナトリウム供給ライン23は、
pHメータ22に連結されたフィードバック回路25によって制御される弁24を
備えている。攪拌槽反応装置20の出口26は(図示しない)下流の冷却および
固体除去装置に連結されている。
装置の作用において、塩酸供給流はライン4、電導度メータ5および流量メー
タ6を通して静的ミキサ2に供給される。電導度および流量測定は、流量フイー
ドフオワード制御ユニット7に供給され、ユニット7は、測定された流量および
濃度を有する酸性流を中和するのに必
要な所要量に理論的に基づいた数学的流量処理を実施して弁10および流量メー
タを制御し、中和を実施するのに必要な水酸化カルシウムの理論的量の95%を
得るのに十分な水酸化カルシウムの流れをライン8を通して静的ミキサ2に供給
する。水酸化カルシウムおよび塩酸の流れは静的ミキサ2において混合され、パ
イプ内に40秒の滞留時間が得られるのに十分な容量のパイプライン3を通って
流れる。ついで混合流は攪拌槽反応装置12に入り、そこで攪拌器13によって
攪拌される。攪拌槽反応装置内の溶液のpHはpHメータ14によって連続的に観察
され、攪拌槽反応装置への水酸化カルシウムの添加はpHメータ14から弁16へ
のフィードバック回路17よって制御され、約2のpHを有する溶液が得られる。
溶液は重力によって攪拌槽反応装置12の出口から攪拌槽反応装置20の入口に
またその中に流れる。攪拌槽反応装置20内の溶液のpHは、pHメータ22から水
酸化ナトリウム供給ライン23の弁24まで設けられたフィードバック回路25
の制御のもとでのライン23を通る水酸化ナトリウムの添加により、pH7.5に調
節される。出口26からの中和された流れは下流に流れ、そこで残留固体は除去
され、流れは冷却されその結果pHを約8に増加する。
以下本発明を下記に記載する実験室の装置によって実施された下記の例によっ
てさらに詳細に説明する。 装置は長さ15cm,直径10mmのガラス管の内側に設定
された
アール・エス・コンポーネント社(R.S. Con-ponent Ltd)から市販の503/385型
150mm(6″)らせんプラスチックミキサを有し、それぞれ蠕動ポンプを有する
塩酸および水酸化カルシウム供給入口を備えている。長さ2mのゴム管がガラス
管の出口と流体連通的に取付けられ、ガラスおよびゴム管は一緒にプラグ流れ反
応装置を構成し、ゴム管は中に中和作用中に発生した二酸化炭素の通気孔を有す
る。
ゴム管の出口は、pH1に設定されたpHメータ、ガラス管への水酸化カルシウム
の流量を制御するため水酸化カルシウム供給管に連結された電子回路を有するpH
制御装置を備えた50ml容器に供給した(この装置は酸性流からの水酸化カルシウ
ムの流量フイードフオワード制御に対応する、小型の、寿命の短い装置を提供す
る)。
50ml容器の下には、pH2に設定されたpHメータおよび水酸化カルシウム供給ラ
インを有するpHフイードバック制御装置を備えた容量3.5リットルの攪拌槽が設
けられている。pH制御装置は槽内の溶液に対してpH2を達成するためこの攪拌槽
の水酸化カルシウムの供給を制御する。槽の出口は第2の容量3.25リットルの攪
拌槽に連結され、また水酸化ナトリウム供給ラインおよびpH 6.1に設定されたpH
フィードバック制御装置を備えている。pHフィードバック制御装置は槽内の溶液
に対して6.1の測定されたpHを達成するため、この攪拌槽への水酸化ナトリウム
の供給を制御する。この第2の攪拌槽の出口はpHメータ
を備えた第3の容器に連結され、その中で中和された生産物の溶液のpHが測定さ
れる。
5時間に亘る連続運転において、塩酸の33%w/w溶液は3.6Kg/時の流量で
、中和を達成するため必要な理論的に計算された石灰の量の85%に対応する、そ
して40秒の滞留時間がブラグ流れ反応区域にえられるような流量で10.6Kg/時の
石灰スラリの10%w/w溶液のとともにガラス管に供給される。
プロセス流は50ml容器に連続的に流入し、その中で溶液のpHはガラス管への水
酸化カルシウムの流量を制御するため測定され、この容器内の溶液に対してpH1
を達成する。容器からの溢流は容器の下の第1攪拌槽に流れ、その中で溶液は15
分の滞留時問を有し、そこにさらに(約1.1Kg/時)水酸化カルシウムが、タン
クから出る溶液に対してpH2の測定されたpHを達成するためpHメータからのフィ
ードバック制御のもとで添加される。第1攪拌槽から出る溶液は連続的に第2攪
拌槽に流れ、その中で溶液は15分の滞留時間を有し、それに対して水酸化ナトリ
ウムが、槽を出る溶液に対して6.1のpHを達成するためフィードバック制御のも
とで添加される。第2攪拌槽を出る溶液は第3槽に流れ、その中で中和された生
産物の流れのpHが測定される。
5時間以上に亘って、中和された流れが発生し、その中で生産物のpHは6.9と7
.4の間で変化した。
前記記載および実験から、濃縮された酸の流れが流れ
を最初に稀釈することなく中和され、所要の反応器容積および関連する反応装置
価格を直接減少し、その一方中和された排出物に対して許容されるpH制御におけ
るますます厳しくなる環境法制の要求に適合するため、所要の制御を提供する。
水溶液中の水酸化カルシウムの反応の割合は実際酸性状態によって促進され、こ
の効果は所要の反応装置容積と価格を一層減少させることは明らかである。さら
に、通常の高カルシウム石灰からえられた水酸化カルシウムを使用するとき、重
要な利点が緩衝効果によって得られ、それは中和に対する有効かつ信頼性ある制
御を可能にするものである。
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フロントページの続き
(72)発明者 アネルス,デービツド,ヒユー
イギリス国.チエシヤー・シイダブリユ
8・2テイエス.クラウトン.オンスト
ン・レーン.ガルオンス・ラツプ(番地な
し)
(72)発明者 ハーキン,ジヨン,ジヨセフ
イギリス国.マンチエスター・エム21・1
キユテイ.コールトン.バツキンガム・ロ
ード.67