JPH08326828A - 油圧緩衝器におけるストッパ係止構造及び係止組立装置 - Google Patents
油圧緩衝器におけるストッパ係止構造及び係止組立装置Info
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- JPH08326828A JPH08326828A JP7155442A JP15544295A JPH08326828A JP H08326828 A JPH08326828 A JP H08326828A JP 7155442 A JP7155442 A JP 7155442A JP 15544295 A JP15544295 A JP 15544295A JP H08326828 A JPH08326828 A JP H08326828A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ピストンロツドへのストッパ溶接時の不良品の
発生及び作動油の汚染を防止できる油圧緩衝器のストッ
パ係止方法とその係止組立装置を提供すること。 【構成】最伸時の取付け長を規制すべく、ピストンロッ
ドの外周面にストッパを位置決め固定してなる油圧緩衝
器において、ピストンロッドの所定の位置に素材から突
出した膨径条痕を形成するとともに、該膨径条痕にスト
ッパを圧入して係止すること。
発生及び作動油の汚染を防止できる油圧緩衝器のストッ
パ係止方法とその係止組立装置を提供すること。 【構成】最伸時の取付け長を規制すべく、ピストンロッ
ドの外周面にストッパを位置決め固定してなる油圧緩衝
器において、ピストンロッドの所定の位置に素材から突
出した膨径条痕を形成するとともに、該膨径条痕にスト
ッパを圧入して係止すること。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の懸架装置な
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器に係わり、詳しくは
その最伸時の取付け長を規制するストッパの係止構造及
びその係止組立装置の改良に関するものである。
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器に係わり、詳しくは
その最伸時の取付け長を規制するストッパの係止構造及
びその係止組立装置の改良に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図６に従来の油圧緩衝器の内部構造を示
す。一般に車体と車輪との間に結合部材を介して取付け
られる油圧緩衝器は、ピストンロッドアッセンブリー１
Ａにピストンバルブ９を組み付け、それを摺動自在に収
容するとともに下端部にベースバルブ１０を装着したシ
リンダ７を外筒８に収容し、外気を遮断するシール４と
ともにロッドガイド５を嵌挿したパッキンケース３を外
筒８の上部から圧入した後、外筒８の上端部を溶接等に
より密封して形成されている。そして、シリンダ７と外
筒８の間にはタンク室Ｃが形成される。
す。一般に車体と車輪との間に結合部材を介して取付け
られる油圧緩衝器は、ピストンロッドアッセンブリー１
Ａにピストンバルブ９を組み付け、それを摺動自在に収
容するとともに下端部にベースバルブ１０を装着したシ
リンダ７を外筒８に収容し、外気を遮断するシール４と
ともにロッドガイド５を嵌挿したパッキンケース３を外
筒８の上部から圧入した後、外筒８の上端部を溶接等に
より密封して形成されている。そして、シリンダ７と外
筒８の間にはタンク室Ｃが形成される。
【０００３】作動油の充満したシリンダ７内をピストン
ロッドアッセンブリー１Ａが上昇する際には、密閉され
たピストン上部室Ａの作動油は、ピストンバルブ９を介
して、ピストン下部室Ｂに流出する。この際の通路抵抗
が伸長側減衰力となる。ピストンロッドアッセンブリー
１Ａの上昇によって不足する退出体積分の作動油は、前
記シリンダ７の下端部に配設されるベースバルブ１０に
取り付けられた吸込み弁１１を介してタンク室Ｃより吸
入される。
ロッドアッセンブリー１Ａが上昇する際には、密閉され
たピストン上部室Ａの作動油は、ピストンバルブ９を介
して、ピストン下部室Ｂに流出する。この際の通路抵抗
が伸長側減衰力となる。ピストンロッドアッセンブリー
１Ａの上昇によって不足する退出体積分の作動油は、前
記シリンダ７の下端部に配設されるベースバルブ１０に
取り付けられた吸込み弁１１を介してタンク室Ｃより吸
入される。
【０００４】ピストンロッドアッセンブリー１Ａは、ピ
ストンロッド１の最伸時の取付け長（以下最伸長と言
う）を規制するストッパ２を嵌挿し、その円筒部２Ａを
数ヶ所スポット溶接等によりピストンロッド１に結合す
ることにより構成される。図６の油圧緩衝器は、ピスト
ンロッド１に結合されたストッパ２の上部にリバウンド
クッション６が載置され、リバウンドクッションの上面
がロッドガイド５に当接してこれ以上伸長できない所謂
最伸長状態を示している。
ストンロッド１の最伸時の取付け長（以下最伸長と言
う）を規制するストッパ２を嵌挿し、その円筒部２Ａを
数ヶ所スポット溶接等によりピストンロッド１に結合す
ることにより構成される。図６の油圧緩衝器は、ピスト
ンロッド１に結合されたストッパ２の上部にリバウンド
クッション６が載置され、リバウンドクッションの上面
がロッドガイド５に当接してこれ以上伸長できない所謂
最伸長状態を示している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、ストッパ
２はピストンロツド１にスポット溶接等により結合され
るのであるが、ピストンロッド１は、車輪側から加わる
大きな曲げモーメントに耐えるために、高炭素鋼（例え
ばＳ４５Ｃ）が使われる一方、ストッパ２にはプレス加
工性の良い低炭素鋼板（例えばＳＰＨＣ）が使用され
る。この場合ピストンロッド１が高炭素鋼であるのと両
部品の熱容量の差が大きいこともあって、溶接条件の許
容変動範囲が狭く、許容範囲を越えると不良品が発生す
る。またスポット溶接等においては、ストッパの板厚に
制約がある他、溶接部からスパッタの発生をなくするこ
とが困難であるため、作動油汚染の原因ともなる。
２はピストンロツド１にスポット溶接等により結合され
るのであるが、ピストンロッド１は、車輪側から加わる
大きな曲げモーメントに耐えるために、高炭素鋼（例え
ばＳ４５Ｃ）が使われる一方、ストッパ２にはプレス加
工性の良い低炭素鋼板（例えばＳＰＨＣ）が使用され
る。この場合ピストンロッド１が高炭素鋼であるのと両
部品の熱容量の差が大きいこともあって、溶接条件の許
容変動範囲が狭く、許容範囲を越えると不良品が発生す
る。またスポット溶接等においては、ストッパの板厚に
制約がある他、溶接部からスパッタの発生をなくするこ
とが困難であるため、作動油汚染の原因ともなる。
【０００６】本発明は以上の様な実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、ピストンロツド
へのストッパ溶接時の不良品の発生及び作動油の汚染を
防止できる油圧緩衝器のストッパ係止構造とその係止組
立装置を提供することである。
ものであり、その目的とするところは、ピストンロツド
へのストッパ溶接時の不良品の発生及び作動油の汚染を
防止できる油圧緩衝器のストッパ係止構造とその係止組
立装置を提供することである。
【０００７】
【問題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明の採った第一の手段としてのストッパ係止構
造は、実施例において使用する符号を付して説明する
と、「最伸時の取付け長を規制すべく、ピストンロッド
１の外周面にストッパ２を位置決め固定してなる油圧緩
衝器において、ピストンロッド１の所定の位置に突出し
た膨径条痕を形成するとともに、該膨径条痕にストッパ
２を圧入して係止する」ことである。
めに本発明の採った第一の手段としてのストッパ係止構
造は、実施例において使用する符号を付して説明する
と、「最伸時の取付け長を規制すべく、ピストンロッド
１の外周面にストッパ２を位置決め固定してなる油圧緩
衝器において、ピストンロッド１の所定の位置に突出し
た膨径条痕を形成するとともに、該膨径条痕にストッパ
２を圧入して係止する」ことである。
【０００８】また第２の手段としてのストッパ係止組立
装置は、ピストンロッド１に形成した膨径条痕がピスト
ンロッドの軸心に対し傾斜している場合に、「ピストン
ロッドを支持すべく介在された基台Ｅに一端が位置決め
支持される該ピストンロッド１に沿って配設され、基端
部が押圧シリンダ等に連結される圧入治具Ｊを基台Ｅに
対して上下動自在に駆動するストッパ係止組立装置にお
いて、ピストンロッド１の小径端を受容して垂直に起立
保持するための基台Ｅと、該基台の上方に設けられ、起
立したピストンロッド１の軸線と同芯状に上下動する押
圧シリンダに取り付けられ且つピストンロッド１を受容
する円筒状の圧入治具Ｊとからなり、該圧入治具のスト
ッパ２との当接部又は基端部の少なくとも一方に、スト
ッパ２の回転を許容する回転許容部材Ｋ1を備えてい
る」ことである。
装置は、ピストンロッド１に形成した膨径条痕がピスト
ンロッドの軸心に対し傾斜している場合に、「ピストン
ロッドを支持すべく介在された基台Ｅに一端が位置決め
支持される該ピストンロッド１に沿って配設され、基端
部が押圧シリンダ等に連結される圧入治具Ｊを基台Ｅに
対して上下動自在に駆動するストッパ係止組立装置にお
いて、ピストンロッド１の小径端を受容して垂直に起立
保持するための基台Ｅと、該基台の上方に設けられ、起
立したピストンロッド１の軸線と同芯状に上下動する押
圧シリンダに取り付けられ且つピストンロッド１を受容
する円筒状の圧入治具Ｊとからなり、該圧入治具のスト
ッパ２との当接部又は基端部の少なくとも一方に、スト
ッパ２の回転を許容する回転許容部材Ｋ1を備えてい
る」ことである。
【０００９】更に第３の手段としてのストッパ係止組立
装置は、「ピストンロッドを支持すべく介在された基台
Ｅに一端が位置決め支持される該ピストンロッド１に沿
って配設され、基端部が押圧シリンダ等に連結される圧
入治具Ｊを基台Ｅに対して上下動自在に駆動するストッ
パ係止組立装置において、該基台Ｅとピストンロッド１
との間にピストンロッドの回転を許容する回転許容部材
Ｋ2を備えている」ことである。
装置は、「ピストンロッドを支持すべく介在された基台
Ｅに一端が位置決め支持される該ピストンロッド１に沿
って配設され、基端部が押圧シリンダ等に連結される圧
入治具Ｊを基台Ｅに対して上下動自在に駆動するストッ
パ係止組立装置において、該基台Ｅとピストンロッド１
との間にピストンロッドの回転を許容する回転許容部材
Ｋ2を備えている」ことである。
【００１０】
【発明の作用】本発明に係るストッパ係止構造及びその
係止組立装置を、図５Ａ及び図１Ａに示す第１実施例に
基づいて説明すると、まずピストンロッド１の所定の位
置にローレット加工等の転造加工によって膨径条痕１ａ
を形成する。次にピストンロッド１の小径段付部１ｃを
基台Ｅに垂直に固定し、ピストンロッド１の上端から嵌
挿したストッパ２を円筒状の圧入治具Ｊにより下方に押
し下げる。ストッパ２が前記膨径条痕１ａと係合開始後
は、前記ストッパ２の円筒部内径Ｄ1が膨径条痕により
塑性変形を受けながら一体的に結合され、図５ＡのＬで
示す所定の位置迄圧入される。膨径条痕１ａとの係合長
が増大するに従い圧入荷重も増え、所定の位置迄圧入さ
れたとき最大圧入荷重Ｗ1となる。
係止組立装置を、図５Ａ及び図１Ａに示す第１実施例に
基づいて説明すると、まずピストンロッド１の所定の位
置にローレット加工等の転造加工によって膨径条痕１ａ
を形成する。次にピストンロッド１の小径段付部１ｃを
基台Ｅに垂直に固定し、ピストンロッド１の上端から嵌
挿したストッパ２を円筒状の圧入治具Ｊにより下方に押
し下げる。ストッパ２が前記膨径条痕１ａと係合開始後
は、前記ストッパ２の円筒部内径Ｄ1が膨径条痕により
塑性変形を受けながら一体的に結合され、図５ＡのＬで
示す所定の位置迄圧入される。膨径条痕１ａとの係合長
が増大するに従い圧入荷重も増え、所定の位置迄圧入さ
れたとき最大圧入荷重Ｗ1となる。
【００１１】ここで油圧緩衝器のピストンロッド１に圧
入されたストッパ２が、リバウンドクッション６を介し
てロッドガイド５に当接したときの最大伸切り荷重をＷ
2（車種にもよるが、約５００ｋｇ程度）とした場合
に、前記最大圧入荷重Ｗ1が、 Ｗ1≧αＷ2 ここでα：安全率 （１） となる様に、膨径条痕１ａの外径Ｄ2とストッパ２の内
径Ｄ1の圧入代（Ｄ2−Ｄ1）及び圧入長さＺを設定すれ
ば、最大伸切り荷重Ｗ2が加わった時でも、ストッパ２
はピストンロッド１に対して位置づれせずに所定の位置
に保持される。
入されたストッパ２が、リバウンドクッション６を介し
てロッドガイド５に当接したときの最大伸切り荷重をＷ
2（車種にもよるが、約５００ｋｇ程度）とした場合
に、前記最大圧入荷重Ｗ1が、 Ｗ1≧αＷ2 ここでα：安全率 （１） となる様に、膨径条痕１ａの外径Ｄ2とストッパ２の内
径Ｄ1の圧入代（Ｄ2−Ｄ1）及び圧入長さＺを設定すれ
ば、最大伸切り荷重Ｗ2が加わった時でも、ストッパ２
はピストンロッド１に対して位置づれせずに所定の位置
に保持される。
【００１２】
【実施例】次に、本発明のストッパ係止構造を図面に示
した実施例に基づいて説明する。図５Ａ及び図５Ｂは本
発明係わるピストンロッド１とストッパ２とからなるス
トッパ係止構造で、膨径条痕が異なる実施例を示すもの
であり、ピストンロッド１にストッパ２が所定位置Ｌま
で圧入された状態を示している。
した実施例に基づいて説明する。図５Ａ及び図５Ｂは本
発明係わるピストンロッド１とストッパ２とからなるス
トッパ係止構造で、膨径条痕が異なる実施例を示すもの
であり、ピストンロッド１にストッパ２が所定位置Ｌま
で圧入された状態を示している。
【００１３】図１Ａに示すストッパ係止組立て装置は、
図５Ａに示すストッパ係止構造に関する第１実施例に適
用されるものである。まず、外径Ｄ0を有するピストン
ロッド１の所定の位置にＤ0よりも大きい外径Ｄ2の膨径
条痕１ａを形成する。膨径条痕１ａはローレット加工具
（図示省略）をピストンロッド１の所定位置に押し当
て、両者を互いに逆向きに回転させる所謂転造により突
出させて成形する。この実施例では条痕はピストンロッ
ド１の軸線と平行である。このローレット加工による転
造の場合、条痕は図１Ｂの１ａに示す様に３角状であ
り、谷部は圧縮されてピストンロッドの外径Ｄ0より小
さくなり、外径Ｄ2は逆に盛り上がってピストンロッド
の外径Ｄ0より大きくなる。条痕の谷部及び頂部にはロ
ーレット加工具の選択により適当な丸味をつけることが
できる。
図５Ａに示すストッパ係止構造に関する第１実施例に適
用されるものである。まず、外径Ｄ0を有するピストン
ロッド１の所定の位置にＤ0よりも大きい外径Ｄ2の膨径
条痕１ａを形成する。膨径条痕１ａはローレット加工具
（図示省略）をピストンロッド１の所定位置に押し当
て、両者を互いに逆向きに回転させる所謂転造により突
出させて成形する。この実施例では条痕はピストンロッ
ド１の軸線と平行である。このローレット加工による転
造の場合、条痕は図１Ｂの１ａに示す様に３角状であ
り、谷部は圧縮されてピストンロッドの外径Ｄ0より小
さくなり、外径Ｄ2は逆に盛り上がってピストンロッド
の外径Ｄ0より大きくなる。条痕の谷部及び頂部にはロ
ーレット加工具の選択により適当な丸味をつけることが
できる。
【００１４】上記ピストンロッド１へのストッパ２の結
合に際しては、図１Ａに示すようにピストンロッド１の
小径段付部１ｃを基台Ｅの支持孔に挿入して垂直に起立
保持し、ピストンロッド１の上端から嵌挿したストッパ
２を圧入治具Ｊにより下方に押し下げ、膨径条痕１ａに
圧入する。圧入治具Ｊは、基台Ｅの支持孔軸線（ピスト
ンロッドの起立軸線）と同芯状に配置された図示しない
押圧シリンダ等に基端部が連結され、前記ピストンロッ
ド１に沿って配設し基台Ｅに対して上下動自在に駆動さ
れるものである。ストッパ２の圧入部は膨径条痕１ａに
より塑性変形されて拡径し、しっかりと結合する。
合に際しては、図１Ａに示すようにピストンロッド１の
小径段付部１ｃを基台Ｅの支持孔に挿入して垂直に起立
保持し、ピストンロッド１の上端から嵌挿したストッパ
２を圧入治具Ｊにより下方に押し下げ、膨径条痕１ａに
圧入する。圧入治具Ｊは、基台Ｅの支持孔軸線（ピスト
ンロッドの起立軸線）と同芯状に配置された図示しない
押圧シリンダ等に基端部が連結され、前記ピストンロッ
ド１に沿って配設し基台Ｅに対して上下動自在に駆動さ
れるものである。ストッパ２の圧入部は膨径条痕１ａに
より塑性変形されて拡径し、しっかりと結合する。
【００１５】膨径条痕１ａはストッパ２に対する適正な
圧入荷重と安定した保持機能を発生させるのが目的であ
るから、本例に示したローレット加工に限らず、ピスト
ンロッド外径から突出成形可能なものであればスプライ
ン軸の如き歯形等であっても良い。
圧入荷重と安定した保持機能を発生させるのが目的であ
るから、本例に示したローレット加工に限らず、ピスト
ンロッド外径から突出成形可能なものであればスプライ
ン軸の如き歯形等であっても良い。
【００１６】図２Ａに示すストッパ係止組立装置は、図
５Ｂに示すストッパ係止構造に関する第２実施例に適用
されるものである。この場合はピストンロッド１に加工
した膨径条痕１ｂをピストンロッド１の軸線に対しθだ
け傾斜して形成したものである。図１Ａと同じ係合長Ｚ
であっても条痕の長さはＺ／ｃｏｓθと長くなる一方、
伸切り荷重Ｗ2が、条痕に沿う分力Ｐと条痕に直角な分
力Ｑに分解されるので、条痕１ｂに沿うづれ力としての
分力Ｐが、伸切り荷重Ｗ2より小さくなることもあっ
て、両者の結合はより安定する。
５Ｂに示すストッパ係止構造に関する第２実施例に適用
されるものである。この場合はピストンロッド１に加工
した膨径条痕１ｂをピストンロッド１の軸線に対しθだ
け傾斜して形成したものである。図１Ａと同じ係合長Ｚ
であっても条痕の長さはＺ／ｃｏｓθと長くなる一方、
伸切り荷重Ｗ2が、条痕に沿う分力Ｐと条痕に直角な分
力Ｑに分解されるので、条痕１ｂに沿うづれ力としての
分力Ｐが、伸切り荷重Ｗ2より小さくなることもあっ
て、両者の結合はより安定する。
【００１７】ストッパ２が膨径条痕１ｂに係合する過程
では、ストッパ２はピストンロッド１に形成した膨径条
痕１ｂに沿ってねじ込まれる様に回転するので、ピスト
ンロッド１とストッパ２は相対回転自由でなければなら
ない。圧入治具Ｊの下端に配設した回転許容部材として
の軸受けＫ1はこの目的のために配設されたもので、軸
方向の荷重の伝達と両者の相対回転が可能であれば良い
ので、例えばスラストベアリングやスラストワッシャで
も良い。また、図示は省略するが、圧入治具Ｊそのもの
を回転自由にしても目的は達せられるので、回転許容部
材は圧入治具Ｊの図示しない基端部に設けても良い。
では、ストッパ２はピストンロッド１に形成した膨径条
痕１ｂに沿ってねじ込まれる様に回転するので、ピスト
ンロッド１とストッパ２は相対回転自由でなければなら
ない。圧入治具Ｊの下端に配設した回転許容部材として
の軸受けＫ1はこの目的のために配設されたもので、軸
方向の荷重の伝達と両者の相対回転が可能であれば良い
ので、例えばスラストベアリングやスラストワッシャで
も良い。また、図示は省略するが、圧入治具Ｊそのもの
を回転自由にしても目的は達せられるので、回転許容部
材は圧入治具Ｊの図示しない基端部に設けても良い。
【００１８】更に圧入治具Ｊとして上下動しかできない
ものを使用する場合には、図４に示す様に圧入治具Ｊに
対してピストンロッドそのものを基台Ｅに対して相対回
転自由に起立保持すれば圧入が可能であるので、ピスト
ンロッド１の小径段付部１ｃと基台Ｅとの間に回転許容
部材Ｋ2を配設しても良い。即ち圧入治具Ｊとピストン
ロッド１の相対回転を許容できさえすれば、回転許容部
材は設備のレイアウト上都合の良いいづれかの位置を選
択して設ければ良いのである。相対回転を許容するため
の回転許容部材は最低１ヶ所あれば良いのであるが、相
対回転不良による生産ライン停止等の不具合を避ける目
的で２ヶ所以上に設けることも、勿論差支えない。
ものを使用する場合には、図４に示す様に圧入治具Ｊに
対してピストンロッドそのものを基台Ｅに対して相対回
転自由に起立保持すれば圧入が可能であるので、ピスト
ンロッド１の小径段付部１ｃと基台Ｅとの間に回転許容
部材Ｋ2を配設しても良い。即ち圧入治具Ｊとピストン
ロッド１の相対回転を許容できさえすれば、回転許容部
材は設備のレイアウト上都合の良いいづれかの位置を選
択して設ければ良いのである。相対回転を許容するため
の回転許容部材は最低１ヶ所あれば良いのであるが、相
対回転不良による生産ライン停止等の不具合を避ける目
的で２ヶ所以上に設けることも、勿論差支えない。
【００１９】図３Ａに示すストッパ係止組立装置は、図
示を省略したストッパ係止構造に関する第３実施例に適
用されるものである。ピストンロッド１に形成した膨径
条痕１ｄ（形状：図３Ｂ）を、ピストンロッドの上端側
の外径Ｄ3に対し下端側の外径Ｄ4を大きく（Ｄ3＜Ｄ4）
テーパ状に形成したものである。該膨径条痕１ｄを第
１，第２実施例に示した円筒部内径が一定のストッパ２
と組合わせる場合には、膨径条痕との係合長が短い圧入
初期から所定位置Ｌ迄の圧入荷重の増加割合を、図２Ａ
に示した前述の第２実施例より大きくすることができる
ので、最大伸切り荷重に対するストッパの保持力の確保
が容易になる。またストッパ１２の如く円筒部１２Ｂを
テーパ状に形成し、第１，第２実施例に示した膨径条痕
１ａ，１ｂと組合わせる場合にも同様の効果が得られ
る。更に図３Ａのストッパ１２及び膨径条痕１ｄに示す
如く双方ともテーパ状に形成した組合わせにすれば、そ
の効果はより顕著になる。
示を省略したストッパ係止構造に関する第３実施例に適
用されるものである。ピストンロッド１に形成した膨径
条痕１ｄ（形状：図３Ｂ）を、ピストンロッドの上端側
の外径Ｄ3に対し下端側の外径Ｄ4を大きく（Ｄ3＜Ｄ4）
テーパ状に形成したものである。該膨径条痕１ｄを第
１，第２実施例に示した円筒部内径が一定のストッパ２
と組合わせる場合には、膨径条痕との係合長が短い圧入
初期から所定位置Ｌ迄の圧入荷重の増加割合を、図２Ａ
に示した前述の第２実施例より大きくすることができる
ので、最大伸切り荷重に対するストッパの保持力の確保
が容易になる。またストッパ１２の如く円筒部１２Ｂを
テーパ状に形成し、第１，第２実施例に示した膨径条痕
１ａ，１ｂと組合わせる場合にも同様の効果が得られ
る。更に図３Ａのストッパ１２及び膨径条痕１ｄに示す
如く双方ともテーパ状に形成した組合わせにすれば、そ
の効果はより顕著になる。
【００２０】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
上記実施例にて例示した如く、ピストンロッドの膨径条
痕にストッパを最大伸切り荷重に耐え得る保持力を持た
せて圧入する係止構造であるため、従来例に見られた溶
接条件が厳しいことに伴う不良品の発生や溶接時のスパ
ッタに起因する作動油の汚染がない。また、ストッパの
内径や膨径条痕の外径等の寸法及び形状管理さえ十分に
行えば、ストッパの保持力が保証されるので、品質の安
定化が容易であるとともに、不良品の発生が防止される
ことにより製造コストを削減できる。更にピストンロッ
ドとストッパとが相対回転自由となるストッパ係止組立
装置を用いて両者を結合するので、条痕がピストンロッ
ド軸線に対し傾斜している膨径条痕を採用することがで
き、ストッパの保持力確保が容易になる。
上記実施例にて例示した如く、ピストンロッドの膨径条
痕にストッパを最大伸切り荷重に耐え得る保持力を持た
せて圧入する係止構造であるため、従来例に見られた溶
接条件が厳しいことに伴う不良品の発生や溶接時のスパ
ッタに起因する作動油の汚染がない。また、ストッパの
内径や膨径条痕の外径等の寸法及び形状管理さえ十分に
行えば、ストッパの保持力が保証されるので、品質の安
定化が容易であるとともに、不良品の発生が防止される
ことにより製造コストを削減できる。更にピストンロッ
ドとストッパとが相対回転自由となるストッパ係止組立
装置を用いて両者を結合するので、条痕がピストンロッ
ド軸線に対し傾斜している膨径条痕を採用することがで
き、ストッパの保持力確保が容易になる。
【図１Ａ】本発明の第１実施例に係る要部縦断面図であ
る。
る。
【図１Ｂ】本発明の第１実施例に係る膨径条痕の断面図
である。
である。
【図２Ａ】本発明の第２実施例に係る要部縦断面図であ
る。
る。
【図２Ｂ】本発明の第２実施例に係る膨径条痕の断面図
である。
である。
【図３Ａ】本発明の第３実施例に係る要部縦断面図であ
る。
る。
【図３Ｂ】本発明の第３実施例に係る膨径条痕の断面図
である。
である。
【図４】 本発明の係止組立装置に係る要部縦断面図で
ある。
ある。
【図５Ａ】，
【図５Ｂ】本発明に係るピストンロッドとストッパの結
合状態を示す要部縦断面図である。
合状態を示す要部縦断面図である。
【図６】従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図である。
１ ピストンロッド １ａ，１ｂ，１ｄ 膨径条痕 ２，１２ ストッパ Ｋ1，Ｋ2 回転許容部材 Ｅ 基台 Ｊ 圧入治具
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成７年１１月１０日
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図１】（Ａ）本発明の第１実施例に係る要部縦断面図
である。 （Ｂ）本発明の第１実施例に係る膨径条痕の断面図であ
る。
である。 （Ｂ）本発明の第１実施例に係る膨径条痕の断面図であ
る。
【図２】（Ａ）本発明の第２実施例に係る要部縦断面図
である。 （Ｂ）本発明の第２実施例に係る膨径条痕の断面図であ
る。
である。 （Ｂ）本発明の第２実施例に係る膨径条痕の断面図であ
る。
【図３】（Ａ）本発明の第３実施例に係る要部縦断面図
である。 （Ｂ）本発明の第３実施例に係る膨径条痕の断面図であ
る。
である。 （Ｂ）本発明の第３実施例に係る膨径条痕の断面図であ
る。
【図４】 本発明の係止組立装置に係る要部縦断面図で
ある。
ある。
【図５】（Ａ），（Ｂ）本発明に係るピストンロッドと
ストッパの結合状態を示す要部縦断面図である。
ストッパの結合状態を示す要部縦断面図である。
【図６】 従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図であ
る。
る。
【符号の説明】 １ ピストンロッド １ａ，１ｂ，１ｄ 膨径条痕 ２，１２ ストッパ Ｋ１，Ｋ２ 回転許容部材 Ｅ 基台 Ｊ 圧入治具
【手続補正３】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
Claims (7)
- 【請求項１】 最伸時の取付け長を規制すべく、ピスト
ンロッドの外周面にストッパを位置決め固定してなる油
圧緩衝器において、ピストンロッドの所定の位置に突出
した膨径条痕を形成するとともに、該膨径条痕にストッ
パを圧入して係止することを特徴とする油圧緩衝器にお
けるストッパ係止構造。 - 【請求項２】 膨径条痕がピストンロッドの軸線に平行
であることを特徴とする請求項１記載の油圧緩衝器にお
けるストッパ係止構造。 - 【請求項３】 膨径条痕がピストンロッド軸線に対し傾
斜していることを特徴とする請求項１記載の油圧緩衝器
におけるストッパ係止構造。 - 【請求項４】 膨径条痕をピストンロッドの下端側が上
端側に対して大となるテーパ状に形成したことを特徴と
する請求項１記載の油圧緩衝器におけるストッパ係止構
造。 - 【請求項５】 ストッパの円筒部内径を下端側が上端側
に対して大となるテーパ状に形成したことを特徴とする
請求項１記載の油圧緩衝器におけるストッパ係止構造。 - 【請求項６】 ピストンロッドを支持すべく介在された
基台に一端が位置決め支持される該ピストンロッドに沿
って配設され、基端部が押圧シリンダ等に連結される圧
入治具を基台に対して上下動自在に駆動するストッパ係
止組立装置において、ピストンロッドの小径端を受容し
て垂直に起立保持するための基台と、該基台の上方に設
けられ、起立したピストンロッドの軸線と同芯状に上下
動する押圧シリンダに取り付けられ且つピストンロッド
を受容する円筒状の圧入治具とからなり、該圧入治具の
ストッパとの当接部又は基端部の少なくとも一方に、ス
トッパの回転を許容する回転許容部材を備えていること
を特徴とする油圧緩衝器におけるストッパ係止組立装
置。 - 【請求項７】 ピストンロッドを支持すべく介在された
基台に一端が位置決め支持される該ピストンロッドに沿
って配設され、基端部が押圧シリンダ等に連結される圧
入治具を基台に対して上下動自在に駆動するストッパ係
止組立装置において、該基台とピストンロッドとの間に
ピストンロッドの回転を許容する回転許容部材を備えて
いることを特徴とする油圧緩衝器におけるストッパ係止
組立装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15544295A JP3661020B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 油圧緩衝器におけるストッパ係止組立装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15544295A JP3661020B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 油圧緩衝器におけるストッパ係止組立装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08326828A true JPH08326828A (ja) | 1996-12-10 |
| JP3661020B2 JP3661020B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=15606130
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15544295A Expired - Fee Related JP3661020B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 油圧緩衝器におけるストッパ係止組立装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3661020B2 (ja) |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS50152028U (ja) * | 1974-06-05 | 1975-12-17 | ||
| JPS5830510A (ja) * | 1981-08-14 | 1983-02-23 | 三井東圧化学株式会社 | はめあい部材 |
| JPS59112041U (ja) * | 1983-01-19 | 1984-07-28 | トヨタ自動車株式会社 | 液圧緩衝器 |
| JPS60129412A (ja) * | 1983-12-14 | 1985-07-10 | 斉藤 光司 | 圧入ピン |
| JPH05172209A (ja) * | 1991-12-26 | 1993-07-09 | Mitsubishi Materials Corp | カムシャフト |
-
1995
- 1995-05-29 JP JP15544295A patent/JP3661020B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3661020B2 (ja) | 2005-06-15 |
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