JPH08322512A - 卵白組成物及び卵白含有加工食品 - Google Patents

卵白組成物及び卵白含有加工食品

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JPH08322512A
JPH08322512A JP7132266A JP13226695A JPH08322512A JP H08322512 A JPH08322512 A JP H08322512A JP 7132266 A JP7132266 A JP 7132266A JP 13226695 A JP13226695 A JP 13226695A JP H08322512 A JPH08322512 A JP H08322512A
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JP
Japan
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egg white
sodium sulfite
hydrogen sulfide
composition
egg
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JP7132266A
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English (en)
Inventor
Akihiro Handa
明弘 半田
Hiroyuki Shidara
弘之 設楽
Yoko Oki
陽子 大木
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QP Corp
Original Assignee
QP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硫化水素臭の低減化した卵白組成物及び硫化
水素臭の少ない風味が良好な卵白含有加工食品を提供す
ること。 【構成】 卵白に亜硫酸ナトリウムが添加してある卵白
組成物及び亜硫酸ナトリウムが添加してある卵白含有加
工食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卵白組成物及び卵白含
有加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】卵白を原料とする加工食品(卵白含有加
工食品)としてはかまぼこ、めん類、卵焼き、茶わん蒸
し、卵豆腐等があるが、これらの加工食品を製造するに
当り、加熱処理した場合、原料として用いた卵白に起因
する硫化水素臭が発生し、その結果卵本来のもつ好まし
い風味や食感が損なわれてしまう。そのため、この硫化
水素臭を防ぐ方法として、従来では種々のフレーバーを
添加し、マスキングする技術が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のマスキング法では硫化水素臭の完全除去は難しく、
また添加したフレーバーにより、食品本来の風味が変化
してしまうという問題があった。
【0004】従って本発明の目的は、加熱処理しても硫
化水素臭の発生がなく、しかも卵のもつ好ましい風味や
食感を損なわない卵白組成物、及び卵白含有加工食品を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達するために種々検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明の卵白組成物は亜硫酸ナトリウムを添加
してなるものであり、また卵白含有加工食品は、亜硫酸
ナトリウムを添加してあるものである。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。なお、本発
明において、「%」はすべて「重量%」を意味する。本
発明において卵白組成物とは、卵白を主原料とし、これ
に亜硫酸ナトリウム等の他の素材を少量添加して、加工
食品用原料としてそのまま使用できるように仕上げたも
のを言い、他の素材として亜硫酸ナトリウムのみを添加
してあるものを含むものである。ここで言う卵白とは、
鶏卵等の家禽卵を割卵して卵黄を分離したもののほか、
これに全卵程度まで卵黄が混入したものを言い、生の状
態の生卵白であってもよいし、乾燥又は凍結したもので
もよい。また、本発明で、亜硫酸ナトリウムとは分子式
Na2SO3で表され、通常は食品添加物として漂白剤及び酸
化防止剤の目的で使用される無色及び白色の結晶又は白
色の粉末を言うが、この粉末を清水等に溶解したものを
使用しても差し支えない。また、卵白含有加工食品とは
かまぼこ、めん類、卵焼き、茶わん蒸し、卵豆腐等の卵
白を原料の一つとして使用して加熱処理等適宜加工を施
して得られる食品を言う。
【0007】本発明の卵白組成物を得るには、まず家禽
卵を割卵して卵白を得る。そして、この卵白に亜硫酸ナ
トリウムを添加する。卵白に対する亜硫酸ナトリウムの
添加量は後に示す試験例からも明らかなように、生卵白
換算で卵白に対して0.001%〜0.1%が適当であ
り、特に0.005%〜0.05%が好ましい。0.0
01%未満では加熱処理後の卵白凝固物の硫化水素臭が
抑えにくく、0.1%を超えると卵白を加熱凝固させた
ときに、風味・食感が異なる傾向が生じるからである。
亜硫酸ナトリウムの添加の方法は任意である。通常は亜
硫酸ナトリウムの粉体を卵白に溶解させればよい。
【0008】液状の卵白組成物を乾燥品とする場合に
は、亜硫酸ナトリウムを添加した卵白組成物をスプレー
ドライ等の方法により乾燥すればよい。また市販の乾燥
卵白に直接亜硫酸ナトリウムを添加混合してもよい。な
お、本発明に係る卵白組成物は、卵白の加熱凝固性を損
なわない限り、他の任意の成分・原料を添加してさしつ
かえない。このような成分・原料としては例えば大豆蛋
白質、ラクトアルブミン、小麦蛋白質、ゼラチン、多糖
類などがあげられる。
【0009】このようにして得られた卵白組成物は、例
えば茶わん蒸しの原料として使用する場合、卵白組成物
に全卵、卵黄等の卵液を加え、さらにだし汁、みりん、
しょう油等の液体原料、また食塩、グルタミン酸ナトリ
ウム等を好みにより加え、常法により加熱すれば茶わん
蒸しが製造できる。本発明の卵白組成物はかまぼこ、ち
くわ等の水産練製品、ハム、ソーセージ等の畜産加工食
品、ラーメン、うどん等のめん製品、ぎょうざやしゅう
まいの皮などの卵白含有食品の原料として使用できる。
また厚焼き卵、茶わん蒸し、プリン等各種の卵白含有加
工食品用の原料として通常の卵白の代わりに使用するこ
ともできる。なお、本発明の卵白含有加工食品は上記卵
白組成物を原料として使用しなくても得ることができ
る。例えば、卵白含有加工食品の諸原料を調合する際に
亜硫酸ナトリウムを単体で添加し、これを加熱処理して
も目的の卵白含有加工食品が得られる。
【0010】
【作用】本発明の卵白組成物は、それが液状品の場合は
そのまま、また乾燥品の場合は水戻してから、それぞれ
加熱凝固させると、亜硫酸ナトリウムが添加してあるた
め硫化水素臭の少ない卵白のゲル化物を製造することが
できる。また本発明の卵白含有加工食品は、亜硫酸ナト
リウムが添加してあるため加熱処理しても硫化水素臭が
少なく、その結果味の良好な製品に仕上げることができ
る。その原理や機構については定かでなはないが、硫化
水素の発生源である蛋白質の活性チオール基が亜硫酸ナ
トリウムによってスルフィン酸、スルホン酸等へ置換が
促進されるため、硫化水素の生成を抑制するためであろ
うと推察される。亜硫酸ナトリウムは酸化型であり、従
来の還元型の食品添加物とは、その消臭作用が異なるも
のと考えられるからである。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。実施例1 卵白液340gと卵黄液170g(又は全卵として51
0g)、だし汁100g、上白糖30g、食塩5g、亜
硫酸ナトリウム0.05gを加え均一に混合した後、成
形容器に充填し、5分間焼成し、卵焼きを製造した。次
いで、−20℃に冷凍し1月間貯蔵後、蒸し解凍した結
果を以下の亜硫酸ナトリウム添加区に示す。この時卵白
に対する亜硫酸ナトリウムの含有量は0.015%であ
った。なお、亜硫酸ナトリウムのみ除いた配合の卵焼き
を対照区とした。
【0012】
【表1】
【0013】実施例2 下記の配合で、原料を均一に混合し、アルミカップに充
填し、蒸し器にて20分間蒸し、茶わん蒸しを製造し
た。この時卵白に対する亜硫酸ナトリウムの含有量は
0.003%であった。なお、亜硫酸ナトリウムのみ除
いた配合の茶わん蒸しを対照区とした。 卵白 16.2 卵黄 8.1 だし汁 72.9995 みりん 1.22 食塩 0.73 薄口しょう油 0.5 グルタミン酸ナトリウム 0.25 亜硫酸ナトリウム 0.0005 100.0%
【0014】
【表2】
【0015】実施例3 卵白500gに亜硫酸ナトリウム0.1gを添加し、均
一混合した後、成形容器に入れ、90℃で15分間ボイ
ルし、冷却した。1センチメートル立方のダイス状に
し、茹卵の卵白部のみのダイスカットをつくった。この
時卵白に対する亜硫酸ナトリウムの含有量は0.02%
であった。なお、亜硫酸ナトリウムのみ除いた配合のダ
イス状の卵白を対照区とした。評価は、酢酸鉛法による
硫化水素の測定(注1)とパネル試験(注2)を行っ
た。なお、酢酸鉛紙法においては静置は室温にて7分間
とした。
【0016】
【表3】
【0017】注1)硫化水素の測定方法 試料を、蓋の裏に酢酸鉛紙を貼った広口瓶に入れ、室温
で一定時間静置し、酢酸鉛紙の着色度を下記判定基準で
評価した。 着色度の判定基準 +++: 黒色(硫化水素が非常に発生している) ++ : こげ茶色(硫化水素が発生している) + : 薄茶色(硫化水素が僅かに発生している) − : 白色(硫化水素が発生していない) また、酢酸鉛紙の着色度(Z値)を色差計(日本電色工
業(株)製、ND−1001DPモデル)で測定し、未
着色の酢酸鉛紙のZ値との差を硫化水素の発生量とし
た。 硫化水素発生量=着色した酢酸鉛のZ値−未着色の酢酸
鉛のZ値 注2)パネル試験 10人のパネラーによる官能試験を行った。評価は5段
階評価とし、10人の平均スコアーを求めた。 評価基準 5:非常に強く硫化水素臭を感じる 4:強く硫化水素臭を感じる 3:硫化水素臭を感じる 2:僅かに硫化水素臭を感じる 1:硫化水素臭を感じない
【0018】実施例4 殻付き卵を90℃で15分間ボイル後冷却した。卵黄部
を250g回収し、実施例3のダイス状の卵白部500
g、及び耐熱性マヨネーズ250gと混練し、卵スプレ
ッドを調整した。この卵スプレッドをレトルトパウチに
充填し、121℃で16分間レトルト殺菌をし、検査に
供した。なお、亜硫酸ナトリウムのみ除いた配合の卵ス
プレッドを対照区とした。評価は、酢酸鉛法による硫化
水素の測定(注1)とパネル試験(注2)を行った。な
お、酢酸鉛紙法においては静置は室温にて60分間とし
た。
【0019】
【表4】
【0020】実施例5 下記の配合で、かまぼこを試作した。サイレントカッタ
ーでらいかい後、成形容器に充填し、蒸し器にて30分
間蒸した。この時卵白に対する亜硫酸ナトリウムの含有
量は0.005%であった。なお、亜硫酸ナトリウムの
み除いた配合のかまぼこを対照区とした。評価は、酢酸
鉛法による硫化水素の測定(注1)とパネル試験(注
2)を行った。なお、酢酸鉛紙法においては静置は70
℃にて60分間とした。 卵白 12.3 摺身 61.5 澱粉 4.9 みりん 4.9 食塩 1.5 グルコース 1.8 グルタミン酸ナトリウム 0.6 氷水 12.4994 亜硫酸ナトリウム 0.0006 100.0%
【0021】
【表5】
【試験例】試験例1 試験方法 亜硫酸ナトリウムの量を生卵白に対し、0、0.00
1、0.01、0.1%配合したものをそれぞれpHを
9.0に調製後、成形容器にて100g充填し、これら
を試料として80℃の熱水中で40分加熱した際の硫化
水素の発生、及び硫化水素臭の有無を調べた。評価は、
酢酸鉛法による硫化水素の測定(注1)とパネル試験
(注2)を行った。なお、酢酸鉛紙法においては静置は
室温にて7分間とした。 試験結果 表6に示すとおりである。すなわち、表より亜硫酸ナト
リウムを含む卵白凝固物は対照品と比べ硫化水素臭が少
なく、風味・食感ともに良好な卵白ゲル化物となること
が理解できる。
【0022】
【表6】
【0023】試験例2 試験方法 亜硫酸ナトリウムの量を生卵白に対し、0、0.00
1、0.01、0.1%配合したもの各々100gに卵
黄50gを混合し、pHを9.0に調製後、成形容器に
充填し、これらを試料として80℃の熱水中で40分間
加熱し卵白凝固物を得た。各々を試験例1と同様に卵白
ゲル化物とし、硫化水素の発生、及び硫化水素臭の有無
を調べた。評価は、酢酸鉛法による硫化水素の測定(注
1)とパネル試験(注2)を行った。なお、酢酸鉛紙法
においては静置は室温にて60分間とした。 試験結果 表7に示すとおりである。亜硫酸ナトリウムの添加割合
を卵白に対し0.001〜0.1%とすると、硫化水素
臭が少なく、風味・食感ともに良好な卵白ゲル化物が得
られることが理解できる。
【0024】
【表7】
【0025】試験例3 試験方法 亜硫酸ナトリウムの量を生卵白に対し、0、0.000
125、0.00125、0.0125%配合したも
の、各々10kgをスプレードライ処理により乾燥卵白
を得た(亜硫酸ナトリウム含有量は各0、0.001、
0.01、0.1%)。この各乾燥卵白10gに対し、
水70gを加え混合し、pHを9.0に調整後、試験例
1と同様に卵白凝固物を得た。測定項目とその方法は試
験例1と同様に調べた。評価は、酢酸鉛法による硫化水
素の測定(注1)とパネル試験(注2)を行った。な
お、酢酸鉛紙法においては静置は室温にて7分間とし
た。 試験結果 表8に示すとおりである。すなわち、表より亜硫酸ナト
リウムを含む乾燥卵白を添加すると硫化水素臭が少な
く、風味良好あるも、やや固めの食感を有していた。
【0026】
【表8】
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の卵白組成物
によれば硫化水素臭の発生が少なく、かつ風味・食感の
良好な卵白ゲル化物を製造することができるので、卵白
含有加工食品用の原料として最適である。また本発明の
卵白含有加工食品は加熱処理時に硫化水素臭の発生が少
なく、その結果風味の良好な製品に仕上げることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸ナトリウムを添加してある卵白組
    成物。
  2. 【請求項2】 亜硫酸ナトリウムが生卵白換算で卵白に
    対して、0.001〜0.1重量%添加してある卵白組
    成物。
  3. 【請求項3】 亜硫酸ナトリウムを添加してある卵白含
    有加工食品。
JP7132266A 1995-05-30 1995-05-30 卵白組成物及び卵白含有加工食品 Pending JPH08322512A (ja)

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