JPH08305440A - 通常車輪型全方向移動ロボットの運動制御のための制御装置および方法 - Google Patents
通常車輪型全方向移動ロボットの運動制御のための制御装置および方法Info
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- JPH08305440A JPH08305440A JP7112130A JP11213095A JPH08305440A JP H08305440 A JPH08305440 A JP H08305440A JP 7112130 A JP7112130 A JP 7112130A JP 11213095 A JP11213095 A JP 11213095A JP H08305440 A JPH08305440 A JP H08305440A
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Abstract
に固定された相対的な座標系においてその運動を記述
し、ODVを効率的に制御することを目的とする。 【構成】 ODV20の車体の4つの各頂点に、それぞ
れ独立に操舵可能なオフセットリンクを介して駆動用の
車輪が接続される。これらのオフセットリンクの存在に
より、車体が静止状態にある場合にも各車輪をすえ切り
なしに操舵することができる。車体の中心には、進行速
度v、旋回半径ρ、車体の横軸と進行方向がなす角度φ
により定義される相対座標系が設けられ、これらの相対
変数によりODVの運動を指定する。指定された車体の
運動は、逆運動学により車輪の変位λi の時間変化(駆
動速度)と車輪の操舵角度qi とに変換され、対応する
制御入力が車輪の駆動装置に与えられる。その結果、車
体は点oC を中心として旋回半径ρで旋回する。こうし
て、車体自身を基準とした制御指示に基づく制御が可能
になる。また、車輪の駆動速度と操舵角度の計測結果を
順運動学により上記相対変数に変換して、実際に行われ
た車体の運動を認識することができる。
Description
ロボットの運動を認識し、その運動を制御する制御装置
およびその方法に関する。
ロボットシステムの2大構成要素を成すものである。こ
れまでに様々な移動ロボットが考案されてきたが、それ
らは車輪型、クローラ(crawler )型、脚型、体幹型な
どに大別される。車輪型移動ロボットは1つ以上の車輪
を備えた移動ロボットで、平面上での移動に適してお
り、クローラ型移動ロボットはキャタピラなどの移動用
ベルトを備えた移動ロボットで、段差等のある不整地で
の移動に適している。また、脚型移動ロボットは人間等
の生物に見られるような脚を備えた移動ロボットであ
り、体幹型移動ロボットはへびやみみずのように体を接
地させて移動する移動ロボットである。これらの移動ロ
ボットはより生物に近い動きを実現することができる。
ネルギー効率が高く、また機構も簡単であることから、
車輪型移動ロボットが最も広く研究されている。その中
心は3車輪型のものであり、その中にさらに2つの型が
ある。まず、1つは2駆動輪と1補助輪から成るもの
で、操舵は2つの独立な駆動輪の回転差によって実現さ
れる。もう1つは1組の共通駆動輪と1操舵輪から成る
もので、2つの駆動輪は差動歯車などを介して互いに結
合される。なお、4車輪型のものは3車輪型の変形とし
て捉えることができる。これらの3ないし4車輪型の移
動ロボットは基本的には駆動と操舵の2入力を有する非
ホロノミックなシステムとして捉えることができる。
拘束条件が代数方程式によって記述されるとき、その拘
束をホロノミックな(holonomic )拘束と呼び、そうで
ないとき非ホロノミックな(nonholonomic)拘束と呼
ぶ。また、ホロノミックな拘束を伴うシステムをホロノ
ミックなシステムと呼び、非ホロノミックな拘束を伴う
システムを非ホロノミックなシステムと呼ぶ。物体の運
動に関しては、その位置に対する拘束条件が代数方程式
で記述される時、ホロノミックなシステムであり、微分
方程式等でしか表現できない時、非ホロノミックなシス
テムである。例えば、水平面上を滑らずに転がる鉛直な
円盤は非ホロノミックなシステムの一例としてよく知ら
れている。このため、このような円盤と同じ役目を果た
す車輪をその機構として備える車輪型移動ロボットの多
くは、非ホロノミックなシステムとなる。
ク性により、これらの3ないし4車輪型の移動ロボット
は、我々の身近にある自動車と同様に、位置の2自由度
と方向の1自由度から成る平面3自由度内の任意の位置
に任意の姿勢で到達することができる。しかしながら、
そのためには非常に複雑な軌道を計画しなければなら
ず、現在、種々の手法が研究されている。特に、病院や
オフィス、工場などの屋内の狭い空間がこれらの移動ロ
ボットの活動の場として期待されているが、このような
場合、その軌道を設計する運動計画は一層その困難さを
増してしまう。
ために、もう1つの試みとして、車輪のすえ切りなしに
任意の方向に移動することができる全方向移動ロボット
(omni-directional vehicle:ODV)が考案された
(中野栄二,新井健生,橋野賢,山羽和夫,“全方向移
動試験車の機構(全方向移動車の開発:第1報),”日
本機械学会関西支部第55期定時総会講演会論文集,1
980年3月,pp. 61-63.)。車輪のすえ切りとは、例
えば車輪の接地点を中心にして、その場で強制的に車輪
の向きを変える操作をいう。その後、様々なODVが研
究されてきたが、それらはホロノミックなODVと非ホ
ロノミックなODVとに大別される(中村仁彦,“非ホ
ロノミックロボットシステム,”日本ロボット学会誌,
vol. 11, no. 4-7, pp. 521-528, 655-662, 837-844, 9
99-1005, 1993, vol. 12, no. 2, pp. 231-239, 1994.
)。
例を示している。図15のODVは3つの車輪1−1、
1−2、および1−3を持ち、それらの回転軸が互いに
120°間隔で一点で交差するように配置されている。
このODVは、任意の位置および姿勢から直ちに任意の
方向に移動を開始することができ、そのために図16に
示すような特殊な車輪機構を用いている。図16におい
て、車輪1−1の周上には4つのローラ2−1、2−
2、2−3、および2−4が設けられ、これらのローラ
を用いて、接地したままで車輪の回転軸の方向に移動す
ることが可能になっている。
ような特殊な車輪機構を用いず、タイヤ製車輪に代表さ
れるような通常の車輪を用いることによって、機構的な
頑強さの実現、積載能力の増大、路面における小段差の
克服などを図っている。しかし、通常の車輪機構である
ため、任意の方向に移動を開始するためには車輪の準備
操舵を必要とする。
様々な車輪型の移動ロボットの統一的な運動学の一般理
論は、車輪型移動ロボットに関する築島らの論文に記述
されている(築島隆尋,高野政晴,佐々木健,井上健
司,“車輪式移動ロボットの運動学および動力学の一般
理論に関する研究,”日本ロボット学会誌,vol.8, no.
6, pp. 59-71, 1990 )。ここで、一般に、運動学(kin
ematics)とは順運動学(direct kinematics )と逆運
動学(inverse kinematics)の2つを合わせて総称する
ものである。非ホロノミックなシステムとして特徴づけ
られる通常の車輪を用いたODVの場合、順運動学の方
程式を用いることによって、センサによって測定された
車輪の駆動速度や操舵角度の値から車体の進行速度や旋
回半径の値を計算することができる。また、車輪の駆動
速度や操舵角度の限界によって生じる車体の進行速度や
旋回半径の限界値を導出することもできる。一方、逆運
動学の方程式を用いることによって、与えられた車体の
運動を実現するのに必要な各車輪の運動を導き出すこと
ができる。この一般理論においては、車体の運動は外部
環境に固定された絶対的な座標系において記述されてい
る。
ような従来の非ホロノミックなODVの運動記述方法に
は、以下のような問題がある。
とは、様々な車輪型移動ロボットを統一的に扱うために
は必然的であったと考えられる。一方、実際に個々の移
動ロボットを制作し、動作させる状況においては、ロボ
ット自身に固定された相対的な座標系においても車体の
運動を指定できた方が便利である。例えば、部屋の中を
移動する移動ロボットが、自身に搭載されているセンサ
からの情報により付近に障害物を検知し、それを回避す
るように移動する状況を考える。この場合、例えばその
部屋に固定されている絶対的なxy座標系において、現
在位置から(x,y)座標がm単位で(12.34, 56.78)
の位置に移動せよという命令よりも、ロボットに対して
相対的な座標系において、現在位置から右45°の方向
に6cmだけ進めという命令の方がずっと分かりやすい。
を絶対的な座標系と相対的な座標系の両方において、記
述および指定できることが望ましい。しかし、通常の車
輪型の全方向移動ロボットにおいては、未だそのような
相対的な座標系は考案されていないため、絶対的な座標
系でしか運動を指定することができない。
な座標系においてその運動を記述し、ODVを効率的に
制御する制御装置およびその方法を提供することを目的
とする。
制御装置の原理図である。図1の制御装置は、記憶手段
11、変換手段12、モード指定手段13、駆動手段1
4、および計測手段15を備える。
た相対座標系の相対変数を用いて車体の運動を指定した
制御指示を記憶する。記憶手段11が記憶する上記相対
変数としては、例えば、車体の進行速度、車体の旋回半
径、車体の進行方向を表す角度などが挙げられる。
逆運動学の計算により、上記制御指示をODVの車輪の
運動に変換して、車輪の運動を記述する駆動用変数を求
め、得られた駆動用変数に対応する制御信号を出力す
る。変換手段12が求める上記駆動用変数は、例えば、
車輪の駆動速度、車輪の操舵角度などである。
御信号を受け取り、上記制御指示を実現するために上記
車輪を駆動または操舵する。モード指定手段13は、上
記旋回半径の大きさにより区別される前記ODVの複数
の運動モードのうちの1つを選択し、選択した運動モー
ドを変換手段12に伝える。このとき、変換手段12
は、受け取った運動モードに対応する上記駆動用変数を
求める。
測し、計測結果を変換手段12に出力する。このとき、
変換手段12は、受け取った計測結果を、順運動学の計
算により上記相対変数に変換して、その相対変数により
記述される車体の運動を認識し、認識結果を出力する。
また、記憶手段11は、その認識結果を記憶する。
るメモリ53に相当し、変換手段12およびモード指定
手段13はCPU(中央処理装置)52に相当する。ま
た、駆動手段14は、ブレーキ制御部56、モータ駆動
部57、および図3におけるブレーキ33、モータ31
に相当し、計測手段15は、走行距離検出用エンコーダ
34および操舵角検出用エンコーダ32に相当する。
径、車体の進行方向を表す角度は、それぞれ、例えば図
8に示すv、ρ、φに相当する。このうち、車体の進行
方向を表す角度については、車体に固定された任意の軸
と車体の進行方向とがなす角度として、自由に定義する
ことができる。上記車輪の駆動速度、車輪の操舵角度
は、それぞれ、例えば図8に示す車輪の変位λi の時間
微分、操舵角度qi に相当する(i=1,2,3,
4)。
絶対座標系ではなく、ODVの車体に設定された相対座
標系で指定される。これにより、変換手段12は、車体
の運動に対する制御指示を、車体の位置と姿勢を基準に
して解釈することができる。例えば車体の進行速度、車
体の旋回半径、車体の進行方向を表す角度などの相対変
数を用いて車体の運動を指定することが可能になり、O
DV自身が検知した障害物を回避するための制御指示を
与える場合などに有効である。
動学の計算により上記制御指示をODVの車輪の運動に
変換して、指定された運動を実現するために必要な駆動
用変数を求める。これにより、実際に車輪が実現すべき
駆動速度、操舵角度などが得られる。駆動手段14は、
得られた駆動用変数に対応する制御信号を変換手段12
から受け取り、制御入力を車輪に与えて、車輪を駆動ま
たは操舵する。こうして、相対座標系で指定された運動
がODVにより行われる。
半径の大きさにより複数の運動モードに分類される。し
たがって、旋回半径の大きさを適当に指定すれば、その
うちの1つの運動モードを指定することができる。モー
ド指定手段は、指定された旋回半径の大きさから1つの
運動モードを選択して、変換手段12に伝える。変換手
段12は、受け取った運動モードに対応する逆運動学の
計算により、適切な駆動用変数を求めて、駆動手段14
を制御する。これにより、運動モードの切り替えによる
ODVの制御が可能になる。
の結果動作した車輪の駆動用変数の値を計測する。変換
手段12は、計測手段15から計測結果を受け取り、順
運動学の計算により上記相対変数に変換して、車体の運
動を認識する。これにより、認識結果を上記制御指示の
内容と比較して、指定した運動が行われたかどうかを確
認することができる。また、記憶手段11が認識結果を
記憶しておけば、変換手段12が次の制御指示を変換し
て制御信号を生成する時に、認識結果を反映した制御を
行うこともできる。
詳細に説明する。本実施例においては、非ホロノミック
なシステムとして特徴づけられる通常の車輪型のODV
(Normal Wheeled Omni-Directional Vehicle : NW−
ODV)の順運動学および逆運動学の方程式を系統的に
導くことを試みる。ここでは、これまでに研究開発され
てきた種々のNW−ODVが目指している理想的なNW
−ODVの1つのモデルを対象とする。その結果、逆運
動学によって、与えられた車体の運動を実現するのに必
要な各車輪の運動が導き出され、また、順運動学によっ
て、車輪の駆動速度や操舵角度の限界によって生じる車
体の進行速度や旋回半径の限界値が導き出される。
述および指定するために絶対座標系と相対座標系の両方
を導入する。相対座標系は、車体に搭載されたセンサか
らの情報に基づいて付近の障害物を回避する場合などに
有効となる。また、相対座標系は、直進、旋回、あるい
は回転といったこの種のロボットに特有な運動モードと
深く関係することが示される。相対座標系を用いること
により、運動モードの概念と車体の運動との間の関係が
明らかになり、非ホロノミックなシステムの運動計画と
いう難問への1つの手掛かりが与えられる。
図である。図2のODV20は、車体(ボディ)21、
車輪機構22−1、22−2、22−3、および22−
4、ホイール23−1、23−2、23−3、および2
3−4から成る。ボディ21には、各車輪機構を支える
サスペンション機構24−1、24−2、24−3、お
よび24−4、バッテリー25、制御装置26、および
センサ27が搭載されている。車輪機構22−1、22
−2、22−3、および22−4は、ホイール23−
1、23−2、23−3、および23−4の駆動および
駆動結果の計測を行う。制御装置26は車輪機構22−
1、22−2、22−3、および22−4を制御し、バ
ッテリー25は車輪機構22−1、22−2、22−
3、22−4、および制御装置26に電力を供給する。
センサ27は障害物を検知して、制御装置26に伝え
る。
23−1の構成図である。図3において、車輪機構22
−1の回転軸用歯車42はステアリング軸41を介して
ボディ21に固定され、モータ31、操舵角検出用エン
コーダ32、走行距離検出用エンコーダ34、およびブ
レーキ33を備える。モータ31の動力はモータ歯車4
4と中間歯車45を介して、ホイール23−1に固定さ
れたホイール歯車46に伝えられる。ホイール歯車46
のホイール軸43は車輪機構22−1に固定されてい
る。ブレーキ33を開いた時、ホイール23−1はステ
アリング軸41を中心として回転し、操舵角度が変化す
る。そして、ブレーキ33を閉じた時、操舵角度は固定
され、モータ31がホイール23−1を駆動する。
43の操舵角度を検出し、走行距離検出用エンコーダ3
4はホイール23−1の回転角度(駆動角度)を検出し
て、走行距離に変換する。他の3組の車輪機構とホイー
ルについても同様である。
4の制御装置26はトランスピュータボード51、ブレ
ーキ制御部56、およびモータ駆動部57を備える。ト
ランスピュータボード51上には、CPU52、メモリ
53、およびI/O(入出力)ポート54が搭載されて
いる。CPU52は、I/Oポート54を介して入力さ
れる操舵角検出用エンコーダ32および走行距離検出用
エンコーダ34からの情報をもとにODV20の運動を
認識し、認識結果をメモリ53に格納する。また、与え
られたプログラムを実行して、ユーザにより指定された
運動を実現する制御信号をI/Oポート54を介してブ
レーキ制御部56およびモータ駆動部57に与える。障
害物に関する情報は、センサ27からI/Oポート54
を介して入力される。CPU52が実行するプログラム
の開発は外部のワークステーション上で行われる。ブレ
ーキ制御部56は、CPU52からの制御信号に基づい
てブレーキ33を開閉し、モータ駆動部57は、CPU
52からの制御信号に基づいてモータ31を駆動する。
テーションとODV20の接続を示している。図5にお
いて、ワークステーション61とODV20は、イーサ
ネット・ケーブル(Ethernet Cable)63、リンクボッ
クス62、およびリンク線64を介して接続される。ワ
ークステーション61で開発されたプログラムは、イー
サネット・ケーブル63により制御装置26のトランス
ピュータボード51にダウンロードされメモリ53に格
納されて、CPU52により実行される。
ら、CPU52の処理とそれにより実現されるODV2
0の運動の例について説明する。図6は、CPU52に
よる制御処理のフローチャートである。図6において処
理が開始されると、まずCPU52はユーザによりプロ
グラムに記述された命令を解釈し(ステップS1)、O
DV20の動作を生成する(ステップS2)。ステップ
S1においては、メモリ53に記憶されている過去の運
動の記録をもとに必要に応じて命令を変更・解釈し、大
局的な運動を決定する。ここでは、例えば運動モードの
選択などが行われる。ステップS2においては、メモリ
53に記憶されている過去の運動の記録と、センサ27
からの障害物に関する情報とをもとに、必要に応じて命
令解釈の結果を補正し、より具体的な動作を決定する。
ここでは、例えば離散的な通過点の座標の系列と、それ
らの間を結ぶ経路の大まかな形等が決められる。
軌道をODV20の位置や速度の関数として生成し(ス
テップS3)、それが絶対座標で記述されているか相対
座標で記述されているかを判定する(ステップS4)。
目標軌道が相対座標の変数で記述されていれば、逆運動
学により、それらの変数から車輪に要求される動作を求
め(ステップS5)、絶対座標の変数で記述されていれ
ば、それらの変数から車輪の動作を求める(ステップS
6)。そして、得られた車輪の動作に対応する制御信号
をブレーキ制御部56とモータ駆動部57に与えて(ス
テップS7)、処理を終了する。この制御処理により、
ブレーキ制御部56とモータ駆動部57がそれぞれブレ
ーキ33とモータ31に制御入力を与え、指定されたO
DV20の運動を実現する。
ーチャートである。図7の認識処理は、図6の制御処理
が終了した後に行われる。図7において処理が開始され
ると、まずCPU52は操舵角検出用エンコーダ32と
走行距離検出用エンコーダ34から車輪の動作の計測結
果を受け取り(ステップS11)、制御処理においてO
DV20の目標軌道が絶対座標で指定されたか相対座標
で指定されたかを判定する(ステップS12)。目標軌
道が相対座標の変数で指定されていれば、計測結果から
順運動学によりそれらの変数を用いた車体軌道を求め
(ステップS13)、絶対座標の変数で指定されていれ
ば、それらの変数を用いた車体軌道を求める(ステップ
S14)。
に通過した通過点の座標の系列とそれらの間を結ぶ経路
の形等を求め(ステップS15)、ODV20の動作を
解釈して各通過点の間における運動モードを推定する
(ステップS16)。ここで得られた解釈の結果はメモ
リ53に記憶されて、次回の制御処理のステップS2で
参照される。また、解釈結果を吟味してODV20が行
った大局的な運動を決定して、それを認識結果としてメ
モリ53に格納し(ステップS17)、処理を終了す
る。
御処理のステップS1で指定された運動と大きく異なる
場合には、例えば図示されないランプを点灯させたり、
異常音を発したりして、ユーザに異常を知らせ、ODV
20の運動を停止させる。そして、次回の制御処理にお
いて命令解釈の際に適切な補正を行う。
0のモデルを用いて、図6のステップS5、S6の処
理、および図7のステップS13、S14の処理につい
て詳しく説明する。
0のモデルを上方から模式的に示したものである。長方
形(正方形を含む)型の車体の4つの各頂点に、それぞ
れ独立に操舵可能な関節を介して、等長なオフセットリ
ンクの一端が接続され、その残りの一端はそれぞれ独立
に駆動可能な同型の車輪の中心に結合されている。車体
の中心から各頂点までの長さをl、各頂点からそれぞれ
対応する車輪の中心までのオフセットリンクの長さを
a、車体を形成する長方形の対角線がその横軸となす角
度をαとする。車体の中心の座標を(x,y)とし、ま
た、車体の横軸がx軸となす角度をθとする。このと
き、車体の位置および方向は(x,y,θ)により一意
に記述される。
回りに順に第1番目、第2番目、第3番目、第4番目の
車輪とし、第i番目の車輪(i=1,2,3,4)に対
応するオフセットリンクおよび関節を、それぞれ第i番
目のオフセットリンクおよび第i番目の関節とする。さ
らに、第i番目の関節の角度をqi とし、第i番目の車
輪に、局所的な並進座標系(λi ,μi )および回転座
標系ψi を図8に示されるように設定する。なお、点o
C および変数v,ρ,φについては後述する。以下の数
式の記述において、任意の変数Xの1階の時間微分を
外1 (Xドッ
2 (Xダブルドットと記す)と表す
i ドット(i=1,2,3,4)をその限界内で、ま
た、操舵角度qi (i=1,2,3,4)をその可動範
囲内で、各々独立に設定することができ、これらを適切
に設定し制御することによって、広範な平面3自由度
(位置の2自由度と方向の1自由度)の運動を達成する
ことができる。また、オフセットリンクの存在により、
車体が静止状態にある場合にも各車輪をすえ切りなしに
操舵することができる。なお、このODV20は、(古
典)力学的には非ホロノミックなシステムとして特徴づ
けられる。
般理論によれば、NW−ODVの一理想モデルの運動学
の基礎方程式は次式のようになる。
式により定義される定数である。
び操舵角度(操舵角速度)[λ1 ドット,λ2 ドット,
・・・ ,λ4 ドット,μ1 ドット,μ2 ドット,・・・ ,μ
4 ドット,ψ1 ドット,ψ2 ドット,・・・ ,ψ4 ドッ
ト,q1 ドット,q2 ドット,・・・ ,q4 ドット]から
車体の位置(速度)および方向(角速度)[xドット,
yドット,θドット]への変換を順運動学といい、その
逆変換を逆運動学という。一般に、ロボットアームの場
合には、関節の変位および角度の値から先端の位置およ
び姿勢の値を求める順運動学の方が、逆運動学よりも容
易である。一方、NW−ODVの場合には、(1)式に
見られるように、車体の位置および姿勢から各車輪の駆
動速度および操舵角度を求める逆運動学の方が、順運動
学よりも容易である。そこで、まず逆運動学について考
察し、その後、順運動学について検討する。
用いることによって、与えられた車体の運動(目標軌
道)を実現するのに必要な各車輪の運動を導き出すこと
ができる。なお、導出の過程において、ODVの運動を
絶対座標系と相対座標系の両方において指定および記述
することを考える。また、NW−ODVの運動を特徴づ
ける運動モード、すなわち、直進、旋回、および、回転
モードと、車体の運動軌道との関係を明らかにする。
ト(i=1,2,3,4)と操舵角度qi (i=1,
2,3,4)を制御することによって動作する。駆動速
度λiドットおよび操舵角度qi は、第i番目の車輪を
駆動するモータ31により与えられる。そこで、まず絶
対座標系で記述された車体の動作[xドット, yドッ
ト,θ]から各車輪の駆動速度および操舵角度[λ1 ド
ット,λ2 ドット,・・・,λ4 ドット,q1 ,q2 ,
・・・,q4 ]への変換としての逆運動学について考察
する。この逆運動学の方程式は、運動学の基礎方程式
(1)に、各車輪が横方向にスリップしないという条件
て得られる。このとき、式の数(=3×4+1×4=1
6)が変数λ1 ドット、λ2 ドット、・・・、λ4 ドッ
ト、μ 1 、μ2 ドット、・・・、μ4 ドット、ψ1 ドッ
ト、ψ2 ドット、・・・、ψ4ドット、q1 、q2 、・
・・、q4 の数(=4×3+4×1=16)と一致する
ため、構成される連立方程式の係数行列が正則であれ
ば、各変数は一意に決定される。そのとき、ODV20
の動作は[xドット,yドット,θ]を指定することに
よって完全に決定される。
される。
・,4)は次式により定義され、
算される。
と、次式のようになる。
号同順であり、これらの複号は、各車輪の操舵角度qi
が互いにπだけずれた2通りの解を有するということに
起因する。
るセンサ27からの情報により付近に障害物を検知し、
それを回避するように移動する状況を考える。このよう
な場合には、環境に対して絶対的な座標系よりも、むし
ろ、ロボットに対して相対的な座標系において運動を指
定できた方が便利である。このような観点から、ここで
は、ODV20の運動を記述するための相対的な座標系
を新たに導入する。そして、その相対座標系において記
述された車体の動作[v,ρ,φ]から各車輪の駆動速
度および操舵角度[λ1 ドット,λ2 ドット,・・・,
λ4 ドット,q 1 ,q2 ,・・・,q4 ]への変換とし
ての逆運動学について考察する。
示されている。点oC は車体の旋回中心である。変数v
およびρは元々曲線理論においてそれぞれ曲線の接線速
度および曲率半径として定義されている量であり、ここ
では、それぞれ車体の進行速度および旋回半径を表すこ
とになる。また、φは車体の横軸と進行方向がなす角度
である。このとき、[xドット,yドット,θ]から
[v,ρ,φ]への変換は次式のようになり、
|ρ|=0のとき、車体はその場で回転し、0<|ρ|
<∞のとき旋回し(ρ>0のとき反時計回り、ρ<0の
とき時計回り)、また|ρ|=∞のとき直進する。ここ
で、|ρ|はρの大きさを表している。また、0<φ<
πのとき車体は前進し、0>φ>−πのとき後退する。
したがって、|ρ|=0、0<|ρ|<∞、|ρ|=∞
のときは、それぞれ回転モード、旋回モード、直進モー
ドに対応しており、ρの大きさをそのように設定するこ
とにより、NW−ODVを特徴づけるいずれかの運動モ
ードを陽に指定することができる。
ット,・・・,λ4 ドット,q1 ,q2 ,・・・,
q4 ]への逆運動学の方程式は、(4)、(5)、
(6)式に(9)式を代入することにより得られ、次の
ようになる。
・,4)は次式のようになり、
る。
すると、次式のようになる。
4)式は、ρとφが定数であることを表している。この
とき、(13)式は次のようになる。
→ρ・θドットとなり、(15)式は次のようになる。
式は次のようになる。
ぞれ0<|ρ|<∞、|ρ|=0、|ρ|=∞の各場合
に相当する。つまり、条件(14)が成り立場合には、
旋回、回転、および直進の各運動モードにおける逆運動
学の方程式が、それぞれ(15)、(16)、および
(17)式によって簡潔に記述されることが分かる。
ード、旋回モード、直進モードにおけるODV20を示
している。図9において、点oC は車体の中心にあり、
(16)式から分かるように、各車輪のオフセットリン
クは車体の中心の方向を向いている。そして、ODV2
0は点oC を中心として回転する。また、図10におい
て、点oC は車体の外部にあり、各車輪のオフセットリ
ンクは点oC の方向を向いている。そして、ODV20
は点oC を中心として速度vで旋回する。また、図11
において、点oC は車体から無限に遠い位置にあり、各
車輪のオフセットリンクはその点oC の方向を向いてい
る。点oC は無限に遠いため、(17)式からも分かる
ように、すべてのオフセットリンクは平行になる。そし
て、ODV20はρ軸に垂直な方向に速度vで直進す
る。
ップS3で[xドット,yドット,θ]が指定された場
合と[v,ρ,φ]が指定された場合とを、図12に示
すように統合することができる。
θ]の時間依存性が時刻tの関数として指定されると、
それらから[xダブルドット,yダブルドット,θドッ
ト]が計算され、次に(8)式を用いて[v,ρ,φ]
が求められる。そして、[vドット,ρドット,φドッ
ト]およびφダブルドットが計算され、(11)、(1
2)、(10)式、あるいは(13)式により、
[qi ,qi ドット,λi ドット]の時間依存性が求め
られる。また、[v,ρ,φ]の時間依存性が時刻tの
関数として指定されると、(8)式を用いることなく
[vドット,ρドット,φドット]およびφダブルドッ
トが計算され、(11)、(12)、(10)式、ある
いは(13)式により、[qi ,qi ドット,λi ドッ
ト]の時間依存性が求められる。
する。順運動学の方程式を用いることによって、走行距
離検出用エンコーダ34、操舵角検出用エンコーダ32
により測定された車輪の駆動速度や操舵角度の値から車
体軌道(車体の運動)を計算することができる。車体の
運動は、絶対座標系においては[xドット,yドット,
θドット]の組により表され、相対座標系においては
[v,ρ,φ]の組により表される。また、車輪の駆動
速度や操舵角度の限界によって生じる車体の進行速度や
旋回半径の限界値を導出することもできる。ただし、N
W−ODVの順運動学の方程式の導出は一般に非常に困
難であるため、ここでは、ある条件が成り立つ場合につ
いてのみ考察することにする。
ット,qi ドット](i∈{1,2,・・・,4})か
ら[xドット,yドット,θドット]への順運動学の方
程式について考える。この順運動学の方程式は、運動学
の基礎方程式である(1)式を[xドット,yドット,
θドット]について解くことによって得られ、次式のよ
うになる。
る。まず1つ目の問題は、右辺にψドットが含まれてい
るということである。通常、ψドットの値の制御は困難
であり、実用的には、[xドット,yドット,θドッ
ト]の表現にψドットを含めることは望ましくない。2
つ目の問題は、右辺に含まれる行列の中に依然としてθ
が含まれているということである。このため、一般に
(18)式を数値的に解くことは可能であるが、解析的
に解くことは困難である。
角度の値から車体の進行速度や旋回半径の値を計算する
場合には、数値的に解くだけでも十分な意味を持つ。こ
の場合には、(1)式におけるλi ドットおよびμi ド
ット(i=1,2,・・・,4)に関する8つの方程式
の中から、係数行列が正則になるような3つの方程式を
選び出し、それらを連立させて[xドット,yドット,
θドット]について解けばよい。
よって生じる車体の進行速度や旋回半径の限界値を導き
出すためには、解析的に解かれた表現が必要になる。そ
のために、ここでは[λi ドット,qj ,qk ](i,
j,k∈{1,2,・・・,4},j≠k)から[v,
ρ,φ]への順運動学の方程式を求めることを考える。
ただし、前述したように、一般的な場合についての導出
は非常に困難であるため、特に条件(14)が成り立つ
場合についてのみ検討する。
式は、(15)式の第1および第3式群、すなわち、
得られる。ところで、(19)式は8つの式(2×4=
8)を含むのに対して、求めるべき変数[v,ρ,φ]
の数は3であるため、これらの式は冗長である。このこ
とは、言い換えると、例えば任意の[λi ドット,
qj ,qk ](i,j,k∈{1,2,・・・,4},
j≠k)のみを指定すれば、[v,ρ,φ]を決定でき
ることを意味する。すなわち、[λi ドット,qj ,q
k ]をすべてのi、j、kについて指定しなくとも、O
DV20の運動を完全に決定することができる。得られ
た[v,ρ,φ]の値をそのときの運動モードに従っ
て、(15)、(16)、(17)式のいずれかに代入
すれば、残りの変数の値を得ることができる。最終的
に、この順運動学は次式のようになる。
トや操舵角度qi の限界値に対応する車体の進行速度v
や旋回半径ρの限界値を求めることができる。(14)
式はρおよびφが一定であることを意味するが、時間を
短い区間に分割して各区間において近似的に(14)式
が成り立つと仮定すれば、(20)式はρおよびφが変
化する場合にも適用可能である。言い換えれば、(2
0)式は、車輪の運動の計測結果から車体の運動を近似
的に導出する1つの方法を与えている。
[xドット,yドット,θ]への順運動学について考え
る。[xドット,yドット,θ]は、(20)式によっ
て得られた[v,ρ,φ]を(9)式に代入することに
よって計算される。ただし、その結果も、条件(14)
が成り立つ場合のものである。
ら、ODV20の運動モードの制御方法とその具体例に
ついて説明する。図13は、CPU52によるモード制
御処理のフローチャートである。図13のモード制御処
理は、車体の運動が相対座標の変数で指定され、さらに
条件(14)が指定された場合に行われる。この処理
は、図6においては、ステップS5およびS7の処理に
対応している。図13において処理が開始されると、ま
ずCPU52は|ρ|=0と指定されているかどうかを
判定する(ステップS21)。|ρ|=0の場合は、
(16)式に示される回転モードの逆運動学により車輪
の動作を求め(ステップS23)、対応する制御信号を
ブレーキ制御部56とモータ駆動部57に与えて(ステ
ップS26)、処理を終了する。
定されているかどうかを判定する(ステップS22)。
|ρ|=∞の場合は、(17)式に示される直進モード
の逆運動学により車輪の動作を求め(ステップS2
5)、対応する制御信号をブレーキ制御部56とモータ
駆動部57に与えて(ステップS26)、処理を終了す
る。また、|ρ|≠0の場合は、0<|ρ|<∞である
ので、(15)式に示される旋回モードの逆運動学によ
り車輪の動作を求め(ステップS24)、対応する制御
信号をブレーキ制御部56とモータ駆動部57に与えて
(ステップS26)、処理を終了する。
を示している。図14において、4つの点P1、P2、
P3、P4は、例えば図6のステップS2で生成される
通過点の系列を表す。今、ODV20は点P1から出発
して点P2、P3を順に通過し点P4に到達するよう
に、その運動を指定されたとする。まず、区間P1−P
2において|ρ|=∞と指定され、ODV20は点P1
から点P2まで直進モードで制御される。さらに、区間
P2−P3においても|ρ|=∞と指定され、点P2で
一旦車輪の操舵角度を変更して、車輪の切り換えを行
う。そして、点P3まで直進モードで制御される。
されたため、ODV20は回転モードに入り、車体の向
きを変える。次に、区間P3−P4においては、|ρ|
=∞、0<|ρ|<∞、|ρ|=∞の順に指定され、直
進モード、旋回モード、直進モードの順に制御される。
旋回モードにおいては、車体の位置とともに向きが変化
し、点P4を目指すことになる。このように、相対座標
の変数で目標軌道を表し、旋回半径ρを定数により指定
すれば、3つの運動モードの切り替えによりODV20
の運動を制御することができる。
は回転といったNW−ODVに特有な運動モードの概念
と、車体の運動との関係が明らかになった。一般に、非
ホロノミックなシステムの運動計画は非常に難しい問題
である。NW−ODVも非ホロノミックなシステムでは
あるが、運動モードの概念を導入することにより、その
運動計画は適切な運動モードの選択と、1つの運動モー
ドから他の運動モードへの切り替えの問題に置き換えら
れる。このことは、NW−ODVが非ホロノミックなシ
ステムであっても、同じく非ホロノミックなシステムで
ある従来の3車輪ないし4車輪型の移動ロボットより
は、格段に運動計画が容易であることを意味している。
言い換えると、ODVでない従来の車輪型移動ロボット
よりもNW−ODVの方が制御しやすく、運動性能も高
いということができる。
た相対的な座標系において、その運動を指定することが
可能になる。したがって、車体に搭載されるセンサから
の情報に基づいて障害物を回避するような場合に、効率
の良い制御が行われる。また、ODVの車体の運動を記
述する座標系を、絶対座標系または相対座標系から必要
に応じて選択することもできる。特に、相対座標系はO
DVの運動モードと直接関係しており、これを用いるこ
とにより運動モードを陽に指定することができる。
る。
る。
続を示す図である。
チャートである。
チャートである。
る。
ある。
ある。
ーチャートである。
の具体例を示す図である。
ある。
ョン機構 25 バッテリー 26 制御装置 27 センサ 31 モータ 32 操舵角検出用エンコーダ 33 ブレーキ 34 走行距離検出用エンコーダ 41 ステアリング軸 42 回転軸用歯車 43 ホイール軸 44 モータ歯車 45 中間歯車 46 ホイール歯車 51 トランスピュータボード 52 CPU 53 メモリ 54 I/Oポート 56 ブレーキ制御部 57 モータ駆動部 61 ワークステーション 62 リンクボックス 63 イーサネット・ケーブル 64 リンク線
Claims (16)
- 【請求項1】 通常の車輪を用いて任意の方向に移動を
開始することのできる車輪型の全方向移動ロボットの運
動を制御するシステムにおいて、 前記全方向移動ロボットの車体に設定された相対座標系
の相対変数を用いて該車体の運動を指定した第1の制御
指示を記憶する記憶手段と、 前記相対座標系を用いた逆運動学の計算により、該第1
の制御指示を前記全方向移動ロボットの車輪の運動に変
換して、該車輪の運動を記述する駆動用変数を求め、得
られた該駆動用変数に対応する制御信号を出力する変換
手段とを備えることを特徴とする制御装置。 - 【請求項2】 前記記憶手段は、前記車体の進行速度、
該車体の旋回半径、および該車体の進行方向を表す角度
のうち少なくとも1つを、前記相対変数として記憶し、
前記変換手段は、前記車輪の駆動速度と操舵角度のうち
少なくとも1つを、前記駆動用変数として前記相対変数
から求めることを特徴とする請求項1記載の制御装置。 - 【請求項3】 前記変換手段は、前記車輪の駆動速度お
よび操舵角度の時間依存性を、前記第1の制御指示によ
り指定された前記車体の進行速度、車体の旋回半径、お
よび車体の進行方向を表す角度の時間依存性を用いて計
算することを特徴とする請求項2記載の制御装置。 - 【請求項4】 前記制御信号を受け取り、前記第1の制
御指示を実現するために前記車輪を駆動または操舵する
駆動手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載
の制御装置。 - 【請求項5】 前記車輪の運動を計測し、計測結果を前
記変換手段に伝える計測手段をさらに備え、該変換手段
は、受け取った該計測結果を前記相対変数を用いて記述
された車体の運動に変換し、前記記憶手段は、該計測結
果から得られた車体の運動を記憶し、該変換手段は、前
記第1の制御指示の内容と該計測結果から得られた車体
の運動の違いを用いて第2の制御指示を変換することを
特徴とする請求項1記載の制御装置。 - 【請求項6】 前記記憶手段は、さらに環境に設定され
た絶対座標系の絶対変数を用いて前記車体の運動を指定
した第3の制御指示を記憶することができるように構成
され、前記変換手段は、前記相対座標系および前記絶対
座標系を統合した逆運動学の計算により、前記第1また
は第3の制御指示から前記駆動用変数を求めることを特
徴とする請求項1記載の制御装置。 - 【請求項7】 前記記憶手段により前記車体の旋回半径
が前記相対変数として記憶されているとき、該旋回半径
の大きさにより区別される前記全方向移動ロボットの複
数の運動モードのうちの1つを選択し、選択した第1の
運動モードを前記変換手段に伝えるモード指定手段をさ
らに備え、該変換手段は、該第1の運動モードに対応す
る前記駆動用変数を求めることを特徴とする請求項1記
載の制御装置。 - 【請求項8】 前記モード指定手段は、前記旋回半径の
大きさがゼロのとき前記第1の運動モードとして回転モ
ードを指定し、前記旋回半径の大きさが無限大のとき前
記第1の運動モードとして直進モードを指定し、前記旋
回半径の大きさが有限のとき前記第1の運動モードとし
て旋回モードを指定することを特徴とする請求項7記載
の制御装置。 - 【請求項9】 前記変換手段は、前記第1の運動モード
が前記回転モードのとき、前記車体が回転するような前
記車輪の駆動速度および操舵角度を前記駆動用変数とし
て求め、前記第1の運動モードが前記直進モードのと
き、前記車体が特定の方向に直進するような前記車輪の
駆動速度および操舵角度を前記駆動用変数として求め、
前記第1の運動モードが前記旋回モードのとき、前記車
体が特定の点を中心として前記旋回半径で旋回するよう
な前記車輪の駆動速度および操舵角度を前記駆動用変数
として求めることを特徴とする請求項8記載の制御装
置。 - 【請求項10】 前記記憶手段は、前記第1の制御指示
に続いて第2の制御指示を記憶し、前記モード指定手段
は、前記第1の運動モードを選択した後、該第2の制御
指示により指定される第2の運動モードを選択して、前
記変換手段に伝える運動モードを切り替えることを特徴
とする請求項8記載の制御装置。 - 【請求項11】 通常の車輪を用いて任意の方向に移動
を開始することのできる車輪型の全方向移動ロボットの
運動を制御するシステムにおいて、 前記全方向移動ロボットの車輪の運動を記述する駆動用
変数の値を計測し、計測結果を出力する計測手段と、 該計測結果を、順運動学の計算により前記全方向移動ロ
ボットの車体に設定された相対座標系の相対変数に変換
して、該相対変数により記述される該車体の運動を認識
し、認識結果を出力する変換手段と、 該認識結果を記憶する記憶手段とを備えることを特徴と
する制御装置。 - 【請求項12】 前記計測手段は、前記車輪の駆動速度
と操舵角度のうち少なくとも1つを、前記駆動用変数と
して計測し、前記変換手段は、前記車体の進行速度、該
車体の旋回半径、および該車体の進行方向を表す角度の
うち少なくとも1つを、前記相対変数として求めること
を特徴とする請求項11記載の制御装置。 - 【請求項13】 前記変換手段は、前記車体の進行速
度、車体の旋回半径、および車体の進行方向を表す角度
の時間依存性を、前記車輪の駆動速度および操舵角度の
時間依存性による近似的な表現を用いて計算することを
特徴とする請求項12記載の制御装置。 - 【請求項14】 前記変換手段は、得られた前記車体の
進行速度、車体の旋回半径、および車体の進行方向を表
す角度の時間依存性を、環境に設定された絶対座標系の
絶対変数の時間依存性に変換し、該絶対変数により表さ
れる前記車体の位置および向きを認識することを特徴と
する請求項13記載の制御装置。 - 【請求項15】 通常の車輪を用いて任意の方向に移動
を開始することのできる車輪型の全方向移動ロボットの
運動を制御する方法において、 前記全方向移動ロボットの車体に設定された相対座標系
の相対変数を用いて該車体の運動を指定し、 前記相対座標系を用いた逆運動学の計算により、該第1
の制御指示を前記全方向移動ロボットの車輪の運動に変
換して、該車輪の運動を記述する駆動用変数を求め、 得られた該駆動用変数を用いて、前記車輪の運動を制御
することを特徴とする制御方法。 - 【請求項16】 通常の車輪を用いて任意の方向に移動
を開始することのできる車輪型の全方向移動ロボットの
運動を制御する方法において、 前記全方向移動ロボットの車輪の運動を記述する駆動用
変数の値を計測し、 得られた計測結果を、順運動学の計算により前記全方向
移動ロボットの車体に設定された相対座標系の相対変数
に変換して、該相対変数により記述される該車体の運動
を認識し、 認識結果を用いて、前記車体の運動を指定することを特
徴とする制御方法。
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