JPH08302962A - 複合タイル及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型化及び製造が容易で加工性に優れた複合
タイルを提供する。 【構成】 複数のタイル小片１の側面同士が突き合わさ
れて融着により結合されてなる複合タイル２。発泡素地
組成の小片成形体の側面同士を突き合わせて焼成する。 【効果】 小片成形体は、小型の成形装置で容易に成形
できる。焼成時の不均一な収縮による割れ、亀裂の問題
がなく、大型のものであっても歩留り良く、容易に製造
できる。融着結合部に沿って折り割ることにより、施工
対象に合わせて、現場にて容易に切断加工できる。発泡
剤が焼成中に発泡して素地が膨張し、タイル小片同士が
融着結合する。特別な装置や技術を要することなく、容
易に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、大型化及び製造が容易
で加工性に優れた複合タイル及びその製造法に関する。

【０００２】

【従来の技術】タイルは、一般にタイル素地をプレス成
形又は押出成形により所定のタイル形状に成形し、得ら
れた成形体を焼成することにより製造されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の通常のタイ
ル製造法により大型タイルを製造する場合、 大型の成形体を製造するために、成形装置が大型化
する上、成形体の取り扱いが容易ではない； 素地や成形体を高度に均質なものにしないと、焼成
時の収縮が不均一なものとなり、割れや亀裂が発生し易
いが、大型成形体を均質に成形することは、技術的に容
易ではない；などの問題があり、大型タイルを歩留り良
く製造することは、容易ではなかった。

【０００４】本発明は上記従来の問題点を解決し、大型
タイルであっても容易に製造することができる複合タイ
ル及びその製造法を提供することができる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の複合タイル
は、複数のタイル小片の側面同士が突き合わされて融着
により結合されてなることを特徴とする。

【０００６】請求項２の複合タイルの製造法は、発泡素
地組成の小片成形体の側面同士を突き合わせて焼成する
ことにより上記請求項１の複合タイルを製造することを
特徴とする。

【０００７】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。

【０００８】図１は本発明の複合タイルの一実施例を示
す平面図であり、複数のタイル小片１の側面同士が突き
合わされて融着により結合されて１枚の複合タイル２と
なっている。

【０００９】このような複合タイル２は、本発明の製造
法に従って、発泡素地組成の小片成形体を平板状のセッ
タの上に、成形体の側面同士を突き合わせた状態で所定
の枚数整列配置して焼成することにより、容易に製造す
ることができる。

【００１０】この成形体を構成する発泡素地としては、
一般的な陶磁器組成で調合された素地材料に対して、発
泡剤として０．０２〜０．１８重量％、好ましくは０．
０４〜０．１２重量％のＳｉＣを所望の比重が得られる
ように添加したものを用いることができる。

【００１１】成形方法としては、通常の乾式プレス、押
出成形法を採用することができる。

【００１２】また、小片成形体の焼成条件としては特に
制限はなく、当該発泡素地に適当な焼成条件が採用さ
れ、焼成による素地の発泡で、隣接するタイル小片同士
が融着結合されて、本発明の複合タイルが製造される。
通常のローラーハースキルンの場合、焼成は１１５０〜
１２５０℃で６０分〜１２０分程度行われる。

【００１３】本発明において、融着結合されるタイル小
片の大きさや形状、その結合枚数には特に制限はなく、
例えば、タイル小片形状としても、図１に示す如く、平
面視形状が正方形のタイル小片１の他、図２に示す如
く、長方形のタイル小片３を融着結合した複合タイル４
とすることもできる。また、図３に示す如く、正方形の
タイル小片５と長方形のタイル小片６とを併用した複合
タイル７とすることもできる。更に、三角形や六角形の
タイル小片を用いることもできる。

【００１４】また、複合タイルの大きさや形状について
も特に制限はなく、図１〜３に示す如く、平面視形状が
正方形の複合タイル２，４，７の他、図４に示すような
異形の複合タイル８とすることもできる。

【００１５】更に、図５に示す如く、厚さの異なるタイ
ル小片９，１０を用い、肉厚の厚いタイル小片９の凸部
を有する複合タイル１１とすることもできる。

【００１６】タイル小片の着色も任意に行うことがで
き、素地に顔料を混合して着色しても良く、また、釉薬
による施釉面とすることもできる。この場合、異なる色
のタイル小片を用いることにより、意匠性の高い、変化
に富んだ複合タイルを製造することができる。

【００１７】本発明の複合タイルは、その運搬、施工に
際しては、十分に取り扱いに耐える強度を有するが、施
工対象の形状に応じて切断加工が必要な場合には、融着
部分に沿って手で折り割ることにより、工具を用いるこ
となく容易に切断加工することができる。

【００１８】このような本発明の複合タイルは、５０〜
１５０ｍｍ×５０〜１５０ｍｍのタイル小片が融着結合
された、３００〜１２００ｍｍ×３００〜１２００ｍｍ
程度の大型の複合タイルとする場合に特に有効である。

【００１９】

【作用】本発明の複合タイルは、タイル小片の側面同士
を融着結合したものであるため、小片成形体を成形すれ
ば良いため、小型の成形装置で良く、成形も容易であ
る。また、従来の大型タイルのように、焼成時の不均一
な収縮による割れ、亀裂の問題はない。このため、大型
のものであっても歩留り良く、容易に製造することがで
きる。

【００２０】しかも、タイル小片の大きさ、形状、整列
配置方法、更には着色、厚さ等を変えることにより、様
々な形状、大きさ、意匠性のものを容易に製造すること
ができる。

【００２１】また、タイル小片間の融着結合部は、通常
の運搬や施工における取り扱いにおいては十分に耐え得
る強度を有するが、この融着結合部に沿って折り割るこ
とにより容易に切断することができるため、施工対象の
形状や大きさに合わせて、現場にて工具を用いることな
く容易に切断加工することができる。

【００２２】本発明の製造法によれば、発泡素地の発泡
剤が、焼成中に発泡して素地が膨張し、これにより、小
片成形体同士が密着接合した状態で焼結することによ
り、タイル小片同士が融着結合した本発明の複合タイル
を、特別な装置や技術を要することなく、容易に製造す
ることができる。

【００２３】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。

【００２４】実施例１〜７ 表１に示す原料配合にて調合した素地を表１に示す大き
さに乾式プレス成形して小片成形体を製造した。この小
片成形体を表１に示す枚数、その側面同士を突き合わせ
てセッタの上に整列配置して、表１に示す条件でローラ
ーハースキルンにて焼成した。ただし、実施例６ではト
ンネルキルンで焼成した。

【００２５】その結果、いずれの場合も、タイル小片の
側面同士が突き合わされて融着により結合された複合タ
イルを製造することができた。得られた複合タイルの比
重は表１に示す通りであった。

【００２６】この複合タイルは、いずれも、運搬、施工
等の通常の取り扱い時に融着部分で割れたりすることは
なく、通常の大型タイルと同様に、良好な作業性のもと
に施工することができた。

【００２７】また、加工が必要な際には、融着部分に沿
って折り割ることにより、容易に所望の大きさに切断加
工することができた。

【００２８】

【表１】

【００２９】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の複合タイル
及びその製造法によれば、任意の大きさ、形状及び意匠
性を有し、軽量で加工性に優れ、製造が容易な複合タイ
ルが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の複合タイルの一実施例を示す平面図で
ある。

【図２】本発明の複合タイルの他の実施例を示す平面図
である。

【図３】本発明の複合タイルの別の実施例を示す平面図
である。

【図４】本発明の複合タイルの異なる実施例を示す平面
図である。

【図５】本発明の複合タイルの更に別の実施例を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１，３，５，６ タイル小片 ２，４，７，８ 複合タイル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美濃部 好數 岐阜県土岐郡笠原町字梅平4022番地 株式 会社笠原イナックス内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のタイル小片の側面同士が突き合わ
   されて融着により結合されてなる複合タイル。
2. 【請求項２】 発泡素地組成の小片成形体の側面同士を
   突き合わせて焼成することを特徴とする請求項１に記載
   の複合タイルの製造法。