JPH08302045A - 金属との固着防止効果のあるゴム成形物及びその 製造方法 - Google Patents

金属との固着防止効果のあるゴム成形物及びその 製造方法

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JPH08302045A
JPH08302045A JP13267395A JP13267395A JPH08302045A JP H08302045 A JPH08302045 A JP H08302045A JP 13267395 A JP13267395 A JP 13267395A JP 13267395 A JP13267395 A JP 13267395A JP H08302045 A JPH08302045 A JP H08302045A
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JP
Japan
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rubber
hydrocarbon compound
olefinic hydrocarbon
rubber molded
molded product
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JP13267395A
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Koichiro Hara
浩一郎 原
Katsuya Yamaguchi
勝也 山口
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスケット、オイルシール、Oリング等のゴ
ムで成形されるシール材、ゴム製防振材、鉄道軌道用ゴ
ムパッド等のゴム緩衝材、さらには伝動用ゴムベルト、
コンベヤ用ゴムベルト等金属面と直接接して用いられる
ゴム成形物を金属面と長期間接触ないしは圧接さても固
着を生じないゴム成形物及びそのような金属との固着防
止効果のあるゴム成形物を製造することを目的とする。 【構成】 ゴム配合物 100重量部に対し、融点が 100〜
160 ℃のオレフィン系炭化水素化合物を 3〜20重量部添
加配合し、該成形物によりゴム成形物を加硫成形しその
後オレフィン系炭化水素化合物の融点以上の温度で前記
ゴム成形物を加熱熟成してオレフィン系炭化水素化合物
を滲出、冷却固化させ、離型性皮膜を一体に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は金属との固着防止効果
のあるゴム成形物及びその製造方法に関し、詳しくは、
ガスケット、オイルシール、Oリング等のゴムで成形さ
れるシール材、ゴム製防振材、鉄道軌道用ゴムパッド等
のゴム緩衝材、さらには伝動用ゴムベルト、コンベヤ用
ゴムベルト等金属面と直接接して用いられるゴム成形物
の改良及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムで成形されるシール材、ゴム製防振
材、鉄道軌道用ゴムパッド等のゴム緩衝材等のゴム製品
は、金属面と接触又は加圧された状態で接触して用いら
れることが多い。従って、これらのゴム製品は長年使用
している間に、接触していた金属面と固着してしまい、
交換時に固着ゴムを除去するのに多大の時間と労力を要
する問題があった。伝動用ゴムベルト、コンベヤ用ゴム
ベルトなどであっても長年使用している間にプーリとの
接触面にゴムが固着することがあり、特に長期間装置を
停止していた場合などはゴムの固着が生じ、ベルト交換
時に前述と同様な問題が生じることがある。
【0003】従来、このようなゴムの固着を防止する手
段として、 (1) ゴム成形物に芳香族アミド、可塑剤、ポリオルガノ
シロキサン系の物質等を含有させておき、これらを製品
表面に順次ブルームさせることにより固着を防止する方
法 (2) 製品をフッ素ガス雰囲気下で処理し、表面に離型性
皮膜を形成する方法 (3) ポリオルガノシロキサン系の液体を製品表面に塗布
あるいは浸漬することにより新たな離型性皮膜を形成す
る方法 (4) プラズマ、放射電、紫外線照射、スパッタリング、
イオンプレーティング、真空蒸着などの皮膜形成技術に
より製品表面に離型性皮膜を形成する方法 (5) パーオキシド加硫によるシリコンゴムを製品表面に
シーティングにより複合して離型性皮膜を形成する方法
などがある。
【0004】
【従来技術の問題点】しかしながら、上記技術の内(1)
に記載の技術は、ブルームした物質によって周囲が汚染
され、またブルームする物質が消費され尽くされれば、
固着防止効果が消失する欠点がある。可塑剤をブルーム
させる場合は流出し易いので上記欠点が著しく、ポリオ
ルガノシロキサン系の物質は高価である欠点と、ゴムと
ブレンドする場合、ゴム成形物に対し分散性の良い組合
わせのものに限定され、汎用性が低い欠点があった。
【0005】また、(2) に示した技術は表面処理のため
の装置を新たに必要とする他、フッ素ガスが猛毒である
ため、その安全な取扱のため多大な経費を要し、安価に
製造できない欠点があった。(3) に示した技術は材料自
身が高価である上、上述と同様塗布又は浸漬のために新
たに装置を必要としさらに皮膜の乾燥硬化などの工程に
時間を費やすため生産効率が悪い欠点があった。
【0006】(4) に示した技術は、(2) に示したのと同
様そのための装置を新たに必要とする他ランニングコス
トが高く、安価に製造するのが困難となる欠点があっ
た。(5) に示した技術はシーティング、加硫などに多く
の工程を別途必要とし、さらに組合わされるゴムの種類
によってはシリコンゴムの接着性が劣る欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記問題
点に鑑み、金属面と長期間接触ないしは圧接させても固
着を生じないゴム成形物の改良及びそのような金属との
固着防止効果のあるゴム成形物の製造方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1に記載の
金属との固着防止効果のあるゴム成形物は、金属面と接
して用いられるゴム成形物において、該ゴム成形物本体
表面に融点 100〜160 ℃のオレフィン系炭化水素化合物
よりなる離型性皮膜を一体に形成してなることを特徴と
するものである。上記において、ゴム成形物とは、ゴム
組成物より加硫成形されるガスケット、オイルシール、
Oリング等シール材やゴム製防振材、鉄道軌道用ゴムパ
ッド等のゴム緩衝材、さらには伝動用ゴムベルト、コン
ベヤ用ゴムベルトなどであり、金属と圧接されて使用さ
れるものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の金属との固着防止効果のあるゴム成形物を製造する方
法に関し、ゴム配合物 100重量部に対し、融点が 100〜
160℃のオレフィン系炭化水素化合物を 3〜20重量部添
加配合し、該組成物を前記オレフィン系炭化水素化合物
の融点以上の温度で加圧加熱して加硫成形し、表面に前
記オレフィン系炭化水素化合物を滲出、冷却固化させ離
型性皮膜を一体に形成することを特徴とするものであ
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、同じく請求項1
に記載の金属との固着防止効果のあるゴム成形物を製造
する方法に関し、ゴム配合物 100重量部に対し、融点が
100〜160 ℃のオレフィン系炭化水素化合物を 3〜20重
量部添加配合し、該組成物より加硫成形してゴム成形物
を得、その後オレフィン系炭化水素化合物の融点以上の
温度で前記ゴム成形物を加熱熟成して、前記ゴム成形物
表面に前記オレフィン系炭化水素化合物を滲出、冷却固
化させ離型性皮膜を一体に形成することを特徴とするも
のである。
【0011】上記請求項2又は3に記載の発明におい
て、ゴム配合物としては、例えば天然ゴム、スチレンブ
タジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブ
タジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリウレタン
ゴム等の架橋性エラストマーやオレフィン系、エステル
系、エーテル系、アミド系、ウレタン系等の熱可塑性エ
ラストマーに補強剤、充填剤、軟化剤、架橋剤、老化防
止剤等を加え混練したものである。また、この発明にお
けるゴム組成物とは、上記ゴム配合物にオレフィン系炭
化水素化合物を添加し、混合したものである。
【0012】また、製品の成形法は従来と同様な方法で
あって、例えば金型による成形法、プレス成形あるいは
射出成形などが適用される。なお、ゴム成形物を成形す
る際の加硫成形温度がオレフィン系炭化水素化合物の融
点以上の場合には請求項2のように加熱加硫時に、また
成形温度が融点以下の場合は請求項3のように加熱熟成
工程により滲出させる。
【0013】請求項4に記載の方法は、請求項2、3に
おける製造方法において、加熱加硫又は加熱熟成工程
を、真空中で行うことを特徴とするものであり、請求項
5に記載の方法は、請求項3における製造方法におい
て、加熱熟成工程を不活性ガス雰囲気内で行うことを特
徴とするものである。なお、この不活性ガスは窒素ガス
等が好適に使用される。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1〜4又
は請求項5に記載の発明においてオレフィン系炭化水素
化合物が、エチレンを主成分とする密度0.95以上の重合
体であることを特徴とするものであり、請求項7に記載
の発明は同じくオレフィン系炭化水素化合物が、プロピ
レンを主成分とする重合体であることを特徴とするもの
である。
【0015】
【作用】請求項1において、ゴム成形物表面には融点 1
00〜160 ℃のオレフィン系炭化水素化合物よりなる離型
性皮膜がゴム成形物と一体的に形成されているため、こ
の離型性皮膜により金属面との固着が防止される。ま
た、この離型性皮膜は融点が 100〜160 ℃と高いため、
常温域では軟化や劣化が起こり難く、長期間にわたって
固着防止できるのである。なお、オレフィン系炭化水素
化合物の融点は 100℃より低いと、離型性皮膜の強度が
低下しこのため次第に固着が生じやすくなり、この発明
の目的が達せられなくなり、また融点を160 ℃より高く
しても固着防止効果の点では良いものの、このようなオ
レフィン系炭化水素化合物は高価となり不経済であるた
め上記温度範囲とすることが好適である。
【0016】請求項2において、ゴム成形物表面に離型
性皮膜を成形するにあたり、融点が100〜160 ℃のオレ
フィン系炭化水素化合物をゴム配合物 100重量部に対
し、3〜20重量部添加配合し、この組成物をオレフィン
系炭化水素化合物の融点以上の温度で加熱加圧して加硫
する。この加熱加圧加硫時にオレフィン系炭化水素化合
物が滲出し、この滲出した前記オレフィン系炭化水素化
合物により製品表面に軟化温度の高い離型性皮膜が一体
に形成される。
【0017】請求項3において、ゴム成形物表面に離型
性皮膜を成形するにあたり、融点が100〜160 ℃のオレ
フィン系炭化水素化合物をゴム配合物 100重量部に対
し、3〜20重量部添加配合し、一旦該組成物によりゴム
成形物を加硫成形し得た後、オレフィン系炭化水素化合
物の融点以上の温度で前記製品を加熱熟成するため、こ
の熟成時にオレフィン系炭化水素化合物が滲出し、この
滲出した前記オレフィン系炭化水素化合物によりゴム成
形物表面に軟化温度の高い離型性皮膜が一体に形成され
る。
【0018】上記請求項2又は3において、オレフィン
系炭化水素化合物の融点限定の理由は請求項1と同じで
あるが、その添加量をゴム成形物 100重量部に対し、3
〜20重量部とするのは、 3重量部より少ないと、製品表
面への滲出量が不足し、十分な厚さの離型性皮膜が形成
できないためであり、また20重量部より多くすると、オ
レフィン系炭化水素化合物の添加によるゴム成形物への
影響が大きくなり、具体的には、ゴムの弾性が低下した
り、均一に混合するための手間が掛かり、生産効率が低
下するなどの弊害が生じるためである。
【0019】請求項4において、請求項2又は3におけ
る製造方法の加熱熟成工程を、真空中で行うのは、オレ
フィン系炭化水素化合物の酸化劣化を防止し、固着の原
因となる酸化劣化に起因する官能基を生成させないため
である。真空度は必ずしも絶対的な真空とする必要はな
く、上記劣化を生じさせない範囲の真空度とされる。
【0020】また、請求項5は、同じくオレフィン系炭
化水素化合物の酸化による劣化を防止するものであり、
窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気内で行う。この場合、
加熱熟成雰囲気は真空とする必要はなく単に空気を不活
性ガスに置換すれば良いだけであるので、装置が簡単に
済む。
【0021】請求項6は、請求項1〜4又は請求項5に
記載の発明においてオレフィン系炭化水素化合物とし
て、エチレンを主成分とする密度0.95以上の重合体を用
いる。エチレンを主成分とする重合体とする理由は、エ
チレンは酸化劣化されにくく得られた皮膜が長期的に安
定であることと、分子量の違いに応じて融点が異なるの
で、ゴムの種類や成形温度に応じて使い分けることによ
り最も有効な皮膜厚さとすることができるからである。
【0022】また、その密度を0.95以上とするのは、高
密度ポリエチレンを用いることを意味し、比較的低極性
である天然ゴムやEPM、EPDMに対しても相分離す
るので、容易に滲出して皮膜を成形し得るからである。
低密度ポリエチレンは、天然ゴムやEPM、EPDMに
対してはある程度相溶性があるので皮膜を成形しにく
い。ただし他のゴム配合物についてはこの限りではな
い。
【0023】請求項7に記載の発明は同じく請求項1〜
4又は請求項5に記載の発明においてオレフィン系炭化
水素化合物として、プロピレンを主成分とする重合体を
用いる。プロピレンを主成分とする重合体とする理由
は、天然ゴムやEPM、EPDMに対しても相分離し、
容易に滲出して皮膜を形成し得ることと、融点が高いの
で加硫の際に融解し成形物表面にアバタを生じることが
ないからである。また、加硫と熟成を完全に独立させ、
それぞれ最適のコンディションで処理を行うことができ
るからである。
【0024】
【実施例】次にこの発明の実施例を説明する。
【0025】ゴム配合物として、下記EPDM系及びS
BR系の配合を用いた。 記 EPDM系 SBR系 EPDM*1 100 重量部 SBR*2 100 重量部 HAFブラック 67.5 〃 HAFブラック 50.0 〃 ナフテン油 35 〃 酸化亜鉛 5 〃 酸化亜鉛 5 〃 ステアリン酸 1 〃 ステアリン酸 1 〃 加硫促進剤(TBBS) 1 〃 加硫促進剤(TMTM) 1.5 〃 硫 黄 1.75 〃 同 上(MBT) 0.5 〃 硫 黄 1.5 〃 *2 日本合成ゴム社製「SBR 1500」 *1 日本合成ゴム社製「EP33」
【0026】〔実施例1〕上記EPDM系のゴム配合物
100 重量部に対し、融点 100〜160 ℃のオレフィン系炭
化水素化合物として、融点 122℃、密度0.97の高密度ポ
リエチレンワックス(三井石油化学社製 ハイワックス
200 P)を3重量部添加し、それぞれを均一混合してゴ
ム組成物を得た。次いで、このゴム組成物を金型に充填
して加硫し、厚さ1cm、縦横15×15cmの板状ゴム成形物
(以下「試験片」という)を得た。
【0027】次いで、この試験片を4つのグループに分
けて加熱釜に入れ、第1のグループは 125℃×4時間空
気中で、第2のグループは 125℃×24時間空気中で、第
3のグループは 125℃×24時間真空中で、第4のグルー
プは 125℃×24時間窒素ガス中で加熱熟成し、添加した
高密度ポリエチレンワックスを試験片表面に滲出させて
離型性皮膜を成形した。
【0028】〔実施例2〕高密度ポリエチレンワックス
の添加量を12重量部にした以外は実施例1と同様にして
表面に離型製皮膜を形成した試験片を得た。
【0029】〔実施例3〕高密度ポリエチレンワックス
の添加量を20重量部にした以外は実施例1と同様にして
表面に離型製皮膜を形成した試験片を得た。
【0030】〔実施例4〕SBR系のゴム配合物を用
い、高密度ポリエチレンワックスの添加量を12重量部に
した以外は、実施例1と同様にして表面に離型製皮膜を
形成した試験片を得た。
【0031】〔実施例5〕低密度ポリエチレンワックス
(三井石油化学社製「ハイワックス 110P」密度0.92、
融点109 ℃)を用い熟成温度を110 ℃にした以外は実施
例2と同様にして試験片を得た。
【0032】〔実施例6〕ポリプロピレンワックス(三
井石油化学社製「ハイワックス NP105」密度0.90、融点
149 ℃)を用い熟成温度を150 ℃にした以外は実施例1
と同様にして試験片を得た。
【0033】〔実施例7〕ポリプロピレンワックスの添
加量を12重量部とした以外は実施例6と同様にして試験
片を得た。
【0034】〔実施例8〕ポリプロピレンワックスを用
い熟成温度を150 ℃にした以外は実施例2と同様にして
試験片を得た。
【0035】〔比較例1〕オレフィン系炭化水素とし
て、ミクロクロスタリンワックス(大内新興化学社製
「サンノック」密度0.90、融点 65 ℃)を用い、熟成温
度を70℃にした以外は実施例2と同様にして試験片を得
た。
【0036】〔比較例2〕オレフィン系炭化水素化合物
を用いないで、EPDM系ゴム配合物のみで実施例1と
同様に熟成して試験片を得た。
【0037】〔比較例3〕高密度ポリエチレンワックス
の添加量を25重量部にした以外は実施例1と同様にして
試験片を得た。
【0038】〔比較例4〕ポリプロピレンワックスの添
加量を25重量部にした以外は実施例6と同様にして試験
片を得た。
【0039】上記実施例1〜8及び比較例1〜4につい
て、ASTMD−395 に準拠したコンプレッションセッ
トA法試験機を用いて固着試験を実施した。コンプレッ
ションセットA法試験機は図1に示すように、上下に対
向させた2枚のS45Cのステンレス盤1A、1Bと、下ス
テンレス盤1Bを支持する強力バネ2と、上ステンレス
盤1Aを上下移動させ試験片5を圧接する加圧ネジ3と
からなるものを使用した。
【0040】試験は下ステンレス盤1Bに不織布4を敷
いた上に試験片5を置き、上ステンレス盤1Aを直接試
験片5に接触するようにして加圧ネジ3を操作し、2k
Nの圧力を試験片5に加え室温20℃±5 ℃下で一週間保
持して上ステンレス盤1Aの金属面に対する固着性を試
験した。試験結果は表1に示す通りであった。
【0041】表1において、◎は、一週間経過後、加圧
ネジ3を操作して上ステンレス盤1Aを上昇させても、
上ステンレス盤1Aに試験片5が全く固着することなく
下ステンレス盤1B上に乗っていたままの状態であった
ことを示す。○は、試験片5が僅かに上ステンレス盤1
Aと共に動いたが、直ちに自重で落下しステンレス盤1
B上に乗った状態であったことを示す。△は、試験片5
が上ステンレス盤1Aと共に完全に上昇したが、暫くし
て自重で下ステンレス盤1B上に落下した状態であった
ことを示す。×は、試験片5が完全に上ステンレス盤1
Aにくっつき、僅かでも力を加えなければ剥がれなかっ
た状態であったことを示す。また備考欄は、熟成温度条
件を示す。
【0042】表1より明らかなように、比較例1、2に
比べ実施例1〜2の融点 100〜160℃のオレフィン系炭
化水素化合物が3,8,15,20 重量部の場合は固着が生じ難
いか全く生じず、また比較例3のように余り添加量を多
くしても無駄であることが判明した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明
は、ゴム製品表面に軟化温度の高い離型性皮膜を形成し
たため、ゴム製品を長期間金属面と圧接した状態で使用
しても殆ど固着することがなく、交換作業等も非常に容
易にできる効果を有する。また、請求項2、3の発明に
よれば、離型性皮膜をゴム成形物内から高融点のオレフ
ィン系炭化水素化合物を高温熟成により滲出させて形成
するので、ゴム製品表面全面に均一かつ薄膜として成形
することができ、容易に離型性皮膜を成形することがで
きる効果を有する。
【0045】そして、上記方法を実施するに際し、請求
項4及び5に記載の方法によれば、滲出させる高融点の
オレフィン系炭化水素化合物の酸化による劣化を防止で
き、固着の原因となる官能基の生成を防止しつつ離型性
皮膜を形成できるので、それだけ強靱な皮膜を形成する
ことができる効果を有する。
【0046】また、請求項6の発明によれば、オレフィ
ン系炭化水素化合物として、エチレンを主成分とする密
度0.95以上の重合体を使用するので、酸化劣化されにく
く得られた皮膜が長期的に安定であり、分子量の違いに
応じて融点が異なるので、ゴムの種類や成形温度に応じ
て遣い分けることにより最も有効な皮膜厚さとすること
ができる。また、その密度を0.95以上としたため、比較
的低極性である天然ゴムやEPM、EPDMに対しても
相分離し滲出して皮膜を成形しやすい。
【0047】請求項7の発明によればオレフィン系炭化
水素化合物として、プロピレンを主成分とする重合体を
使用するので、天然ゴムやEPM、EPDMに対しても
相分離し、滲出して皮膜を形成し得ることと、融点が高
いので加硫の際に融解し成形物表面にアバタを生じるこ
とがなく表面状態の良い金属に非固着なゴム成形物を得
ることができ、また、加硫と熟成を完全に独立させ、そ
れぞれ最適のコンディションで処理を行うことができる
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例をコンプレッションセットA
法で試験する試験機の側面図である。
【符号の説明】
1A…上ステンレス盤 1B…下ステンレス盤 2…強力バネ 3…加圧ネジ 4…不織布 5…試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:24 B29L 31:26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属面と接して用いられるゴム成形物にお
    いて、該ゴム成形物本体表面に融点 100〜160 ℃のオレ
    フィン系炭化水素化合物よりなる離型性皮膜を一体に形
    成してなることを特徴とする金属との固着防止効果のあ
    るゴム成形物。
  2. 【請求項2】ゴム配合物 100重量部に対し、融点が 100
    〜160 ℃のオレフィン系炭化水素化合物を 3〜20重量部
    添加配合し、該組成物を前記オレフィン系炭化水素化合
    物の融点以上の温度で加圧加熱して加硫成形し、表面に
    前記オレフィン系炭化水素化合物を滲出、冷却固化させ
    離型性皮膜を一体に形成することを特徴とする金属との
    固着防止効果のあるゴム成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】ゴム配合物 100重量部に対し、融点が 100
    〜160 ℃のオレフィン系炭化水素化合物を 3〜20重量部
    添加配合し、該組成物より加硫成形してゴム成形物を
    得、その後オレフィン系炭化水素化合物の融点以上の温
    度で前記ゴム成形物を加熱熟成して、前記ゴム成形物表
    面に前記オレフィン系炭化水素化合物を滲出、冷却固化
    させ離型性皮膜を一体に形成することを特徴とする金属
    との固着防止効果のあるゴム成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】加熱熟成工程を、真空中で行うことを特徴
    とする請求項2又は3に記載の金属との固着防止効果の
    あるゴム成形物の製造方法。
  5. 【請求項5】加熱熟成工程を、不活性ガス雰囲気内で行
    うことを特徴とする請求項3に記載の金属との固着防止
    効果のあるゴム成形物の製造方法。
  6. 【請求項6】オレフィン系炭化水素化合物が、エチレン
    を主成分とする密度0.95以上の重合体であることを特徴
    とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請
    求項5に記載の金属との固着防止効果のあるゴム成形物
    又はその製造方法。
  7. 【請求項7】オレフィン系炭化水素化合物が、プロピレ
    ンを主成分とする重合体であることを特徴とする請求項
    1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載
    の金属との固着防止効果のあるゴム成形物又はその製造
    方法。
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JP13267395A Pending JPH08302045A (ja) 1995-05-02 1995-05-02 金属との固着防止効果のあるゴム成形物及びその 製造方法

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002326319A (ja) * 2001-05-02 2002-11-12 Dainippon Printing Co Ltd 熱硬化性樹脂化粧材
JP2011148879A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 耐ジメチルエーテル性ゴム組成物
CN102285045A (zh) * 2011-08-08 2011-12-21 宿迁市福达塑胶有限公司 异型胶管免切头工具
KR101355227B1 (ko) * 2010-03-30 2014-01-24 코오롱인더스트리 주식회사 무단 벨트

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