JPH08287537A - 光磁気記録媒体及び該媒体を用いた情報再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及び該媒体を用いた情報再生方法

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JPH08287537A
JPH08287537A JP7089402A JP8940295A JPH08287537A JP H08287537 A JPH08287537 A JP H08287537A JP 7089402 A JP7089402 A JP 7089402A JP 8940295 A JP8940295 A JP 8940295A JP H08287537 A JPH08287537 A JP H08287537A
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magnetic
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Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
Naoki Nishimura
直樹 西村
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    • G11B11/10515Reproducing

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学系の変更を伴わずに高密度光メモリを実
現する。 【構成】 3層の磁性層から構成され、中間層のMsを
非常に大きくし、室温からキュリー温度まで面内磁化膜
となる組成にしておく。中間層Tc以下では中間層、再
生層ともに面内磁化膜でマスクとなり、中間層Tc以上
の温度では再生層が垂直磁化膜となると共にメモリ層と
再生層の交換結合が切れ、メモリ層に蓄積された情報が
静磁結合により再生層に転写される。また、再生層の補
償温度以上まで再生パワーを上げると、高温部分では再
生層の磁区がコラプスしてリアマスクが生じ、ダブルマ
スク構造となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ビームを用いて光学的
に情報の記録及び再生を行う光磁気記録媒体及び該媒体
の情報再生方法に関し、特に媒体の高密度化を可能とす
る光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録方式として、
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて、磁性薄膜に磁
区を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いて、
この情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。
又、近年、この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に
大容量の記録媒体とする要求が高まっている。この光磁
気記録媒体等の光ディスクの線記録密度は、再生光学系
のレーザー波長λ、対物レンズの開口数NAに大きく依
存する。すなわち、再生光波長と対物レンズの開口数が
決まるとビームウエストの径が決まるため、最短マーク
長はλ/2NA程度が再生可能な限界となってしまう。
一方トラック密度は、主として隣接トラック間のクロス
トークによって制限され、最短マーク長と同様に再生ビ
ームのスポット径に依存している。したがって、従来の
光ディスクで高密度化を実現するためには、再生光学系
のレーザー波長を短くするか、対物レンズの開口数NA
を大きくする必要がある。しかしながら、レーザーの波
長を短くするのは素子の効率、発熱などの問題で容易で
はなく、又、対物レンズの開口数を大きくするとレンズ
の加工が困難になるだけでなく、レンズとディスクの距
離が近づき過ぎてディスクと衝突する等の機械的問題が
発生する。このため、記録媒体の構成や読み取り方法を
工夫し、記録密度を改善する技術が開発されている。例
えば、特開平4−229432号公報に開示された光磁
気記録媒体では、再生光の光学的な分解能以上の記録密
度を実現する超解像技術として、図8に示すような媒体
構成が提案されている。図8(a)は、そこで示されて
いる超解像技術の一例である光ディスクの断面図を示し
ている。基板1は通常ガラスあるいはポリカーボネート
の様な透明な材料であり、あらかじめ情報トラックを案
内するための案内溝や案内マークが形成されている。情
報はこれらの案内溝や案内マークに沿って記録再生し、
同心円状又はらせん状の情報トラックを形成している。
【0003】基板1上に干渉層2、第一の磁性層(以下
再生層と称する)3、第三の磁性層(以下中間層と称す
る)4、第二の磁性層(以下メモリ層と称する)5、保
護層6の順に積層する。干渉層2はカー効果を高めるた
め、保護層6は磁性層の保護のために用いられるもので
ある。磁性層中の矢印は、膜中の鉄族元素副格子磁化の
向きを表し、磁化の向きが反対を向く境界位置には、膜
面と垂直にブロッホ磁壁が存在する。メモリ層5は例え
ばTbFeCoやDyFeCoなどの垂直磁気異方性の
大きい膜で、記録情報はこの層の磁化が膜面に対して上
向きか下向きかによって磁区を形成し、保持される。再
生層3は例えばGdFeCoなど保磁力が小さく、キュ
リー温度が高い膜である。中間層4はキュリー温度が再
生層3、メモリ層5よりも低く設定されており、再生パ
ワー程度の昇温でキュリー温度に達する。
【0004】これらの3つの磁性膜は室温においては交
換結合しており、またこの時メモリ層5の保磁力が最も
強いことから、メモリ層5に蓄えられた情報を表す磁区
が再生層3に転写された形になっている。このような媒
体構成のディスクに基板1側から情報再生用の光を照射
すると、データトラック中心での温度勾配は図8(c)
に示すようになり、これを基板1側から見ると、図8
(b)の様にスポット内に所定温度T1の等温線が存在
することになる。温度T1は、中間層4がほぼキュリー
温度に達して再生層3とメモリ層5の交換結合が切断さ
れる温度であり、ここに再生磁界Hrを印加すると温度
T1以上の領域、すなわち図8(b)のマスク17で示
した領域はメモリ層5の磁化の向きに関わらずHrの向
きに倣う。したがってこの部分は信号再生には寄与せ
ず、実質的にアパーチャ16で示した領域のみで信号再
生することになるので、スポット11に比べて小さい記
録マーク14を再生することが出来る。
【0005】又、特開平3−93058号公報及び特開
平4−255946号公報に開示された超解像再生方法
では、図9に示すように再生層3、中間層4、メモリ層
5からなる媒体を用いる。情報再生に先立って初期化磁
界Hbにより再生層3の磁化の向きを一方向に揃えてメ
モリ層5の磁区情報をマスクしておく。その時メモリ層
5の磁化の向きが、再生層3の初期化の向きとは反対向
きの部分では、膜面に平行に界面磁壁エネルギーが存在
する。中間層4はこの界面磁壁を中間層内に閉じこめ
て、磁壁エネルギーを調整する作用も持つ。その後光ス
ポット11を照射し、その際に生じる媒体の温度分布の
うち、低温領域では再生層3に初期化状態を維持させ
(フロントマスク15を形成する)、中間層4のキュリ
ー温度以上の高温領域では再生層3を再生磁界Hrの方
向に強制的に配向させ(リアマスク17を形成する)、
中温領域のみでメモリ層5の磁区情報が転写されるよう
にして再生スポットの実効的な大きさを小さくすること
により、光の回折限界以下の記録マーク14を再生可能
とし、線密度の向上を図っている。
【0006】これらの公知の超解像方式では、低温領域
でのフロントマスク15が隣接するトラックの方向にの
びているために、線記録密度と同時にトラック密度の向
上をも試みている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−229432号公報に開示された超解像再生方法で
はリアマスク17のみを用いるために、解像度の改善が
十分でないと同時に、ディスク半径方向へのアパーチャ
の制限がなされないために、トラック密度の高密度化が
期待できないという問題があった。又、特開平3−93
058号公報及び特開平4−255946号公報に開示
された方法では、信号品質を落とさずに解像力を上げら
れる反面、情報再生に先立って再生層3の磁化を一方向
に揃えなければならず、そのための初期化磁石Hini
を従来の装置に追加することが必要となる。
【0008】以上のように、従来の超解像再生方法は、
解像力が十分上げられなかったり、光磁気記録再生装置
が複雑化し、コストが高くなる、小型化が難しい等の問
題点を有している。
【0009】本発明は、このような問題点の解決を図る
ものとして、再生時に初期化磁界及び再生磁界を必要と
しない簡易な構成で、光の回折限界以下の記録マーク
を、高い信号品質で再生可能な光磁気記録媒体及び該媒
体を用いた光学的情報再生方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の前記目
的は、少なくとも第一の磁性層と第三の磁性層と第二の
磁性層とを、上記の順に基板上に積層して成る光磁気記
録媒体に於いて、前記第一の磁性層は室温で面内磁化膜
であり、室温より高い温度で垂直磁化膜となり、前記第
二の磁性層は垂直磁化膜で、前記第二の磁性層のキュリ
ー温度は前記第一の磁性層のキュリー温度よりも低く、
前記第三の磁性層のキュリー温度よりも高く、前記第三
の磁性層は室温からキュリー温度まで面内磁化膜であ
り、前記第三の磁性層のキュリー温度Tc3と等しいま
たはTc3よりも高い所定温度Tth以上の温度で、前
記第一の磁性層と前記第二の磁性層は静磁結合させるこ
とにより達成される。
【0011】又、少なくとも第一の磁性層と第三の磁性
層と第二の磁性層とを、上記の順に基板上に積層して成
る光磁気記録媒体であって、前記第一の磁性層は室温で
面内磁化膜であり、室温より高い温度で垂直磁化膜とな
り、前記第二の磁性層は垂直磁化膜で、前記第二の磁性
層のキュリー温度は前記第一の磁性層のキュリー温度よ
りも低く、前記第三の磁性層のキュリー温度よりも高
く、前記第三の磁性層は室温からキュリー温度まで面内
磁化膜である光磁気記録媒体に光ビームを用いて記録さ
れた情報を再生する情報再生方法において、前記第一の
磁性層側から光ビームを照射し、前記光ビームのスポッ
ト内の、前記第三の磁性層のキュリー温度Tc3と等し
いまたはTc3よりも高い所定温度Tth以下の部分に
おける前記第一の磁性層を面内磁化膜のままとし、前記
スポット内の所定温度Tth以上の部分で前記第一の磁
性層を垂直磁化膜として前記第二の磁性層と静磁結合さ
せ、前記第一の磁性層に前記第二の磁性層に蓄積された
情報を転写し、前記光ビームの反射光を検出することに
より前記第二の磁性層に蓄積された情報の再生を行うこ
とにより達成される。
【0012】
【実施例】
(第一の実施例)以下、本発明の第一の実施例について
図面を用いて詳細に説明する。
【0013】図1は本実施例における光磁気記録媒体
(以下光ディスクと称す)の断面図を示す。図1に示す
ように、本実施例に用いる光ディスクでは、基板1上に
干渉層2、第一の磁性層(以下再生層と称する)3、第
三の磁性層(以下中間層と称する)4、第二の磁性層
(以下メモリ層と称する)5、保護層6の順に積層して
いる。基板1は通常ガラスあるいはポリカーボネートの
様な透明な材料が使われる。これらの各層は、マグネト
ロンスパッタ装置による連続スパッタリング、あるいは
連続蒸着などによって被着形成できる。干渉層2は磁気
光学効果を高めるために設けられ、例えばSi3N4、
AlN、SiO2、SiO、ZnS、MgF2などの透
明な誘電体材料が用いられる。保護層6は磁性層の保護
のために用いられるもので、干渉層2と同様の材料が用
いられる。干渉層2及び保護層6は本発明の本質とは無
関係であるので、構成上省略しても差し支えなく、又、
ここでは詳細な説明は省略する。又、図には示していな
いが、膜の保護、あるいは磁界変調オーバーライト用磁
界ヘッドを用いるために、保護層6にさらに紫外線硬化
樹脂などのハードコート材を塗布しても良い。
【0014】メモリ層5は記録情報を保持する層で、1
um以下の微小な磁区を安定に保持できることが必要で
ある。メモリ層5の材料としては、垂直磁気異方性が大
きく安定に磁化状態が保持できるもの、例えばTbFe
Co、DyFeCo,TbDyFeCoなどの希土類−
鉄族非晶質合金、ガーネット、あるいは、白金族−鉄族
周期構造膜、例えばPt/Co、Pd/Co、また白金
族−鉄族合金、例えばPtCo、PdCoなどであって
も良い。メモリ層5のキュリー温度は情報の記録に必要
なレーザパワーに直接関わるもので、あまり高すぎると
記録感度が悪化するため望ましくは280℃以下、より
望ましくは240℃以下がよい。
【0015】再生層3は、メモリ層5に保持した磁化情
報の再生を担う層で室温においては面内磁化膜で、室温
とキュリー温度の間の所定温度以上で垂直磁化膜となる
磁化特性を備える。なお、この面内から垂直に遷移する
温度は中間層のキュリー温度近傍、具体的には±50℃
以内にあることが望ましく、さらに±30℃以内がより
望ましい。又、再生層3は、中間層4、メモリ層5に比
べて光の入射に近い側に位置し、再生時にカー回転角が
劣化しないようにキュリー温度は少なくとも中間層4、
メモリ層5よりも高く270℃以上、より望ましくは3
00℃以上がよい。再生層3は希土類−鉄族元素非晶質
合金で垂直磁気異方性が小さいもの、具体的にはGdF
eCoが望ましい。また、これに短波長でのカー回転角
を大きくするためにNd,Pr,Smなどの軽希土類金
属を添加してもよい。好ましくは、室温とキュリー温度
の間に補償温度があるものが望ましい。
【0016】再生層3とメモリ層5は、フェリ磁性の希
土類−鉄族元素非晶質合金薄膜を用いる場合、室温で、
再生層3が希土類元素副格子磁化優勢で、メモリ層5が
鉄族元素副格子磁化優勢であるか、若しくは再生層3、
メモリ層5ともに希土類元素副格子磁化優勢とすればよ
い。フェリ磁性の希土類−鉄族元素非晶質合金薄膜は、
容易に上記構成が実現するので、本発明の媒体の磁性層
には好適である。
【0017】次に、中間層4の設けられる目的は、以下
の2つである。 (1)室温から中間層4のキュリー温度Tc3付近まで
の温度範囲において、再生層3とメモリ層5の間の磁壁
エネルギーを緩和し、再生層3が面内磁化膜となるのを
助ける。これは結果として再生層3の膜厚低減にも寄与
する。 (2)中間層4のキュリー温度Tc3付近以上では、再
生層3とメモリ層5の間の交換結合を切断する。
【0018】これらの目的を達成するために、中間層4
は再生層3とメモリ層5の間に位置し、キュリー温度T
c3を室温より高く、再生層3及びメモリ層5のキュリ
ー温度Tc1,Tc2より低くする。中間層4のキュリ
ー温度Tc3は、再生時程度のパワーの光スポットで交
換結合力を切断できる程度に低く、具体的には80℃以
上で220℃以下が良く、より望ましくは100℃以上
で180℃以下が良い。中間層4の材料としては、例え
ば希土類−鉄族非晶質合金、具体的にはGdFeCoが
良い。又キュリー温度を低減するためにCr,Al,S
i,Cuなどの非磁性元素を添加しても良い。
【0019】再生層3と中間層4とメモリ層5には、A
l,Ti,Pt,Nb,Crなどの耐食性改善のための
元素添加を行なっても良い。また、熱伝導性改良のため
Al,AlTa,AlTi,AlCr,Cuなどの熱伝
導性の良い層を設けても良い。また、光変調オーバーラ
イトを行なうために磁化を一方向に揃えた初期化層、交
換結合力または静磁結合力を調節するための記録補助、
再生補助のための補助層を設けても良い。
【0020】本発明の光ディスクへのデータ信号の記録
は、媒体を移動させると同時に、一定方向の磁界を印加
しながらレーザパワーを変調して行う(光変調記録)
か、もしくはメモリ層5がキュリー温度Tc2前後にな
るような一定のパワーのレーザ光を照射しながら外部磁
界を変調して行う(磁界変調記録)。
【0021】前者の場合、光スポット内の所定領域のみ
がTc2になるようにレーザ光の強度を調整すれば、光
スポット径より小さい記録磁区が形成でき、その結果光
の回折限界以下の周期の信号を記録する事が出来る。ま
た後者の場合は磁界の変調周波数を光スポットと媒体と
の相対速度(線速)に比較して高周波にすることで、小
さい記録磁区が形成できる。
【0022】図2は本発明の光ディスクにレーザ光を照
射しながら、向かって右にディスクが移動させたときの
スポットの様子及び各磁性層の磁化状態を示している。
図中、各磁性層中の黒矢印は鉄族元素副格子磁化の向
き、白抜きの矢印は正味の磁化の向きを表している。こ
の時ディスクはおよそ5〜15m/s程度で移動してお
り、レーザ照射による熱の蓄積効果によって、膜温度が
最大となる位置はレーザスポットの中心よりもレーザス
ポット進行方向において後ろ側になる。
【0023】図3は再生層3の異方性エネルギーの温度
依存性を表す図である。ここでは、室温で希土類元素副
格子磁化優勢で飽和磁化Ms1を比較的大きくしている
ので、キュリー温度との間の補償温度に向かって飽和磁
化が急激に減少し、したがって磁化を膜面内に向けよう
とするエネルギー2πMs12も室温から補償温度に向
かって急激に減少する。一方、再生層3の垂直磁気異方
性Ku1は室温からキュリー温度に向かって緩やかに減
少していく。ここで、再生層単層の場合でのエネルギー
と磁化の方向は、 2πMs12>Ku1・・・数1 が成り立つ場合に再生層3の磁化が膜面内となることが
一般的に知られている。しかし、本発明の再生層3で
は、飽和磁化が十分大きく室温からキュリー温度まで面
内磁化膜であるような中間層4と積層しているので、中
間層4から再生層3に及ぼす交換力Ew13が、再生層
3の垂直磁気異方性Ku1を減少させる方向に働く。E
w13は中間層4のキュリー温度に向かって減少するた
め、正味の垂直磁気異方性Ku1−Ew13は図に示す
ようなカーブを描く。
【0024】したがって、本発明の積層膜の場合は、 2πMs12>Ku1−Ew13・・・数2 が成り立つ場合に再生層3の磁化は膜面内となる。すな
わち、磁性層の温度を上昇させていくと、図3に示すよ
うにTthの温度を境界として面内磁化膜から垂直磁化
膜に遷移する。
【0025】また、この再生層3の極カー効果によるカ
ー回転角の温度依存性を図4に示す。このように室温付
近では面内磁化膜となっているためにカー回転角θkは
ほとんど現れず、Tthまで温度が上がると再生層3の
磁化は垂直に遷移して急激にカー回転角が現れる。
【0026】本発明の光磁気記録媒体では、再生層3が
垂直磁化膜に遷移する際の、メモリ層5との静磁結合に
よる磁区の転写を利用してアパーチャを形成する。図5
は、静磁結合した状態の各層の磁化状態を示している。
図中、白抜き矢印は各層の正味の磁化の方向を表してお
り、図5の下向きが消去方向、上向きが記録方向として
説明する。記録情報はメモリ層5の磁化の向きの形で蓄
えられているので、再生中の温度ではメモリ層5の磁化
は影響を受けないような組成にしている。中間層4はキ
ュリー温度に達しているので再生層3とメモリ層5との
間に交換結合力は働いておらず、静磁的なエネルギーの
バランスによって再生層3の磁化の向きが決定する。
【0027】図5はメモリ層5の磁区が再生層3に転写
された状態を示し、転写された磁区には図中の3つの磁
界が加わる。まず、Hleakは再生層3の消去方向の
磁区から発生する漏れ磁界で、磁区が転写されていると
きに磁気回路が閉じるので、磁区の転写を助長する方向
に働く。Hwbはブロッホ磁壁エネルギーにより生じる
磁界であり、具体的には Hwb=σwb/2Ms1r・・・数3 で表される。ここで、σwbはブロッホ磁壁エネルギ
ー、rは磁区の半径である。ブロッホ磁壁エネルギー
は、ブロッホ磁壁の体積が減少する方向がエネルギー的
に安定なので、Hwbは転写された磁区を収縮させる方
向となる。これらの磁界と、メモリ層5からの静磁界H
stを合わせたエネルギーバランスを考えると、 Hst+Hleak>Hwb・・・数4 が成立する場合は、昇温しながら再生層3が面内磁化膜
から垂直に遷移するときにメモリ層5の磁区が再生層3
に転写される。逆に(数4)が成立しない場合は再生層
3に記録磁区は転写されず、再生層3の磁区はメモリ層
5とは無関係に一様に消去方向を向く。
【0028】すなわち、本発明の光磁気記録媒体では、
Hst及びHleakを大きくする必要がある。これら
はそれぞれメモリ層5、再生層3の飽和磁化に比例する
ので、再生中の温度すなわちTth付近の温度において
再生層3、メモリ層5の飽和磁化が50emu/cc以
上、望ましくは100emu/cc以上とする。
【0029】図2に示したように、スポット11の進行
方向に対して前縁側では、媒体の温度は比較的低温でT
th以下であり、再生層3、中間層4共に面内磁化膜と
なっている。ここで中間層4を垂直磁化膜としても、再
生層3の面内異方性を強めて面内マスクとすることによ
り本発明の磁気超解像は実現できる。しかし、望ましく
は中間層4の飽和磁化を再生層3よりもさらに大きくし
て界面磁壁エネルギーを吸収する作用を持たせることに
より、中間層4が垂直磁化膜の場合に比べて、再生層3
の膜厚を薄くした場合でも磁化の向きが膜面内になるの
で、メモリ層5の磁化は転写されずにフロントマスクを
安定に形成することが出来る。スポットの後方側のTt
h以上に昇温した領域では、再生層3が垂直磁化膜に遷
移しながらメモリ層5の磁区が転写され、アパーチャを
形成する。
【0030】以上説明したように、本発明の光磁気記録
媒体を用いることにより、情報再生用スポットよりも小
さい範囲だけを情報再生に用いることが出来るので、光
磁気記録媒体の線記録密度を増大させることが出来る。
また、図2のアパーチャ形状から明らかなように、トラ
ック幅方向にもアパーチャを制限することが出来るので
トラック密度を上げられると言う効果もある。すなわ
ち、本発明により線密度、トラック密度の双方を高密度
化する事が出来るので、全体の記録容量を著しく増大さ
せることが出来る。
【0031】(第二実施例)本発明の第二の実施例を図
を用いて説明する。
【0032】本実施例の磁性層で用いる具体的な材料
は、第一実施例徒歩簿同様の材料が使用できるが、Gd
FeCoを再生層3に用いた場合、再生層の補償温度は
特に希土類元素(Gd)の組成に強く依存するので、主
にGdFeCoを含む磁性層を再生層3に用いた場合に
は、好ましくは、Gdの量を24ー35at%に設定す
るのが望ましい。
【0033】本実施例の媒体では、後述のように光スポ
ット内の温度によって3つの領域(フロントマスク、ア
パーチャ、リアマスク)に分割して解像力を高める。フ
ロントマスクとアパーチャの境界温度をTth1とした
場合、中間層4のキュリー温度Tc3はTth1近傍に設
定する。一方、アパーチャとリアマスクの境界温度をT
th2とした場合、再生層の補償温度Tcomp1はT
th2近傍に設定する。尚、信号再生時に十分なアパー
チャ領域を確保するためには、Tcomp1はTc3よ
りも20℃以上、望ましくは30℃以上高くする必要が
ある。一方、再生中にメモり層5の記録磁区が破壊され
ないためには、メモリ層5のキュリー温度Tc2は再生
層3の補償温度Tcomp1よりも10℃以上、望まし
くは、20℃以上高くしておく必要がある。更に、再生
層3の補償温度以上の領域では、再生層3の正味の磁化
をアパーチャ領域の再生層3のそれとは逆向きに反転さ
せ、再生層3とメモリ層5を反静磁結合状態としてリア
マスクを形成するため、メモリ層5の方は、少なくとも
再生層3がメモり層5と静磁結合する温度以上には補償
温度を有しないことが必要がある。これにより、アパー
チャ領域とリアマスク領域で、同じ磁化状態を保存でき
る。
【0034】尚、本実施例の媒体の場合でも、情報記録
方法は第一の実施例と同様に、レーザパワーを変調して
行う方法または外部磁界を変調する方法が用いられる。
【0035】また、後述のメカニズムから明らかなよう
に、本実施例の超解像が安定して機能するためには、記
録マークの周囲の磁化がマークと逆の方向を向いている
必要がある。もっとも一般的な光変調記録では、まず一
定の磁界を印加した状態でレーザパワーをハイパワーで
一定とし、記録しようとするトラックの磁化を初期化
(消去動作)し、その後磁界の向きを反転した状態でレ
ーザパワーを強度変調して所望の記録マークを形成す
る。その時、記録マークの周囲に磁化の向きがランダム
な部分があると、再生の際ノイズの原因となるため、再
生信号品質を上げるためには記録マークよりも広い幅で
消去しておくことが一般に行われている。したがって、
記録された磁区の周囲の磁化は必ず磁区と逆を向いてい
ることになるため、本発明の超解像は従来の光変調記録
のもとでは安定に動作する。
【0036】また、光変調記録のもう一つの方式とし
て、光変調オーバーライトがある。これは、特開昭62
−175948に記載されているような構成の媒体を用
いるもので、記録に先立つ消去動作を必要としないもの
である。この媒体は記録情報を保持するメモリ層5の他
に、記録に先立って磁化が一方向に向けられている書き
込み層を備えている。この媒体に記録を行う場合には、
書き込み層とは逆向きの一定の磁界を印加しながら記録
情報に応じてレーザ強度をPh,Pl(Ph>Pl)の
間で変調する。媒体がPhに相当する温度Thまで昇温
すると、Thは書き込み層のTcとほぼ等しく設定され
ているので、メモリ層5と書き込み層の磁化は外部磁界
の方向を向いて磁区を形成し、媒体がPl相当の温度T
lまでしか昇温しないとメモリ層5の磁化の向きは書き
込み層と同じ向きとなる。このプロセスはあらかじめ記
録されていた磁区とは無関係に起こる。ここで、媒体に
Phのレーザを照射した時を考えると、記録磁区を形成
する部分はThに昇温しているが、この時の温度分布は
2次元的に広がった形となっているので、レーザをPh
まで上げたとしても磁区の周囲には必ずTlまでしか昇
温しない部分が生じる。したがって記録磁区の周囲には
反対向きの磁化を持った部分が存在することになる。す
なわち、本発明の超解像は従来の光変調オーバーライト
記録のもとでも安定に動作する。
【0037】さらに別の記録方法として先述の磁界変調
記録が挙げられる。これは、レーザをハイパワーでDC
照射しながら外部磁界の向きを交番状に変化させるもの
であるが、前に記録されていた磁区の履歴を残さずに新
たな情報を記録するためには、磁区を形成する幅は常に
一定にしなければならない。したがって、この場合は何
らかの処置を施さなければ記録磁区の周囲に磁化の向き
がランダムな領域が存在してしまい、本発明の超解像は
安定に動作しないことになる。したがって、磁界変調記
録を行う場合には、媒体の出荷時あるいは一回目の記録
に先立って、通常の記録パワーよりも大きいパワーで記
録領域に対して初期化動作を行っておくか、ディスクに
全面的に磁化の初期化を行う必要がある。
【0038】図6で、フロントマスクの部分とアパーチ
ャの部分は第一の実施例で説明したのと同じメカニズム
で生成される。すなわち、フロントマスクの部分は再生
層3、中間層4共に面内磁化膜となっているためにカー
効果には寄与しない。磁性層が昇温してTth以上の温
度になると、再生層3は垂直磁化膜になると同時にメモ
リ層5の磁区と静磁結合する。
【0039】本実施例では、媒体が更に昇温して再生層
3の補償温度以上の部分でリアマスクを形成するもので
ある。リアマスク形成のメカニズムについて図を用いて
説明する。
【0040】再生層3の補償温度Tcomp1以下でメ
モリ層5と静磁結合した磁区が、再生層3の補償温度以
上の温度に達している高温領域にはいると、再生層3の
正味の磁化は逆向きとなる。このため、記録磁区はメモ
リ層5から反平行の静磁力を受けるようになる。よって
Hstは、Hwbと同じように記録磁区を反転させるよ
うに働くようになる。図7はまだ再生層3の磁区が反転
していないときの磁化状態を表している。この場合は、
面内磁化膜から垂直に遷移しながら磁区が転写される場
合と違って、既に垂直の状態で転写された磁区を反転さ
せるので、(数4)で説明した項目に再生層3の保磁力
Hc1が加わる。この時(数5)が成立すると、転写さ
れた磁区のブロッホ磁壁は磁区が収縮する方向に移動す
る。
【0041】 Hwb+Hst+Hleak>Hc1・・・数5
【0042】ここで、Hleakは再生層3の磁区周辺
部分からの漏れ磁界であるが、Tcomp1よりも低温
部分と高温部分で漏れ磁界の向きが異なり、磁区を収縮
させる磁界と保持させる方向の磁界が混在する。したが
って(数5)中のHleakはそれらの総和を表してい
るので、プラスマイナスどちらの符号も取りうる。
【0043】このように、スポット中の高温部分で(数
5)が成立すると、図6に示すように高温部分で再生層
3の磁化が消去方向に揃ったリアマスクを形成する。す
ると、フロントマスクと合わせて前後にマスクが存在す
るダブルマスク構造の超解像が実現する。
【0044】また、上述のメモリ層5からの静磁界Hs
tは、消去方向の磁化にも働く。しかし消去方向の磁化
は、Hstによって反転した場合、高温領域5の広範囲
にわたって磁壁が形成されるため磁壁エネルギーが大き
く上昇する。したがって磁化反転せずに同じ消去方向の
磁化を保つ。このため高温領域においては常に消去方向
に磁化配向した領域が生成し、ここがリアマスクとな
る。
【0045】なお、従来の超解像方法は、特開平4−2
55947に記載されているように外部磁界Hrを用い
て(数6)の関係によってマスクを形成する。
【0046】Hr>Hc1+Hwi・・・数6
【0047】ここで、Hwiは再生層3とメモリ層5の
間の界面磁壁エネルギーである。本発明では外部磁界H
rの代わりに媒体内部の実効的磁界、主にHstの影響
を変えることによりマスクを形成するため外部磁界が不
要となる。
【0048】また、Hstの値は、円筒形磁区を想定し
記録磁区の半径、メモリ層5の磁区からの距離、メモリ
層5の磁化Ms2を用いて、大まかに計算することがで
きる(名古屋大学博士論文,1985.3月”希土類−
鉄族非晶質合金薄膜及びその複合膜の磁性と磁気光学効
果に関する研究”小林正のP40〜41参照)。Hst
は、メモリ層5の飽和磁化Ms2に比例する(数7)。
【0049】Hst∝Ms2・・・数7 そのため、Ms2は記録情報の安定性が保たれる程度に
大きく、消去磁化が反転しない程度に小さくするのが望
ましい。
【0050】(実験例1)直流マグネトロンスパッタリ
ング装置に、Si、Gd,Tb,Fe,Coの各ターゲ
ットを取り付け、直径130mmのガラス基板及びプリ
グルーブ付きのポリカーボネイト基板をターゲットから
の距離が150mmになる位置に設置された基板ホルダ
ーに固定した後、1×10−5Pa以下の高真空になる
までチャンバー内をクライオポンプで真空排気した。真
空排気をしながらArガスを0.4Paとなるまでチャ
ンバー内に導入した後、SiN干渉層を90nm、Gd
FeCo再生層を40nm、GdFe中間層を10n
m、TbFeCoメモリ層を35nm、SiN保護層を
70nm、各々順々に成膜して図の構成の本発明の第一
実施例を実現する光磁気記録媒体を得た。各SiN誘電
体層成膜時には、Arガスに加えてN2ガスを導入し、
その混合比を調節しながら屈折率が2.1となるように
反応性スパッタにより成膜した。
【0051】GdFeCo再生層の組成は、Gd30
(Fe60Co40)70として、室温でREリッチで
Msは280emu/cc,補償温度は250℃、キュ
リー温度は300℃以上であった。この再生層は、室温
で面内磁化膜であった。
【0052】GdFe中間層の組成は、Gd45Fe5
5として、室温でREリッチでMsは540emu/c
c、キュリー温度は160℃で補償温度を持たない。中
間層も、室温で面内磁化膜である。
【0053】TbFeCoメモリ層の組成は、Tb20
(Fe80Co20)80として、室温でTMリッチで
Msは−200emu/cc、キュリー温度は250℃
であった。
【0054】この媒体を用いて次のように評価を行っ
た。
【0055】まず、この光磁気記録媒体に0.78μm
のマーク長の磁区を記録した後、偏光顕微鏡で磁区観察
を行なった。再生層、中間層が室温で面内磁化膜である
ことから、記録磁区は全く観測できなかった。次に78
0nmの半導体レーザーにより光照射しながら媒体温度
を上げると、あるレーザーパワーにおいては光スポット
の中心部(高温の領域)においてメモリ層の磁区が転写
され、磁区観察可能な領域が出来た。また、この時のコ
ントラストから、再生層の磁化の向きはメモリ層の磁化
の向きと同一であることが確認できた。
【0056】次に、この光磁気記録媒体を用いて、記録
再生特性を測定した。測定は、対物レンズのNAは0.
55、レーザー波長は780nmとし、記録パワーは7
〜13mW,再生パワーは3.0〜4.0mWの範囲内
で、CNRが最も高くなるように設定した。線速度は9
m/sとした。初めに、媒体の全面を消去した後にメモ
リ層に5.8,11.3,15MHzの信号(それぞれ
マーク長0.78μm,0.40μm,0.30μmに
相当する)を記録して、CNRのマーク長依存性を調べ
た。
【0057】さらに、隣接トラックとのクロストーク
(以下、クロストークと称する)の測定を行なった。こ
れは、ランド部に上述の方法でマーク長0.78μmの
信号を記録た時のキャリアレベル(これをC1とする)
をスペクトラムアナライザで測定した後、消去済の隣の
グルーブ部にトラッキングをかけて隣のランドから漏れ
混んでくる信号(これをC2とする)を測定しそれらの
比(C2/C1)として表した。つまりランド、グルー
ブの両方にデータを記録することを想定して実験を行な
っているので実効的なトラックピッチは0.8μmであ
る。CNR、クロストーク共に初期化磁界、再生磁界を
印加せずに測定した。
【0058】結果を表1に示す。短いマーク長におい
て、高いCNRが得られているとともに、従来のディス
クに比べてクロストークも改善されていることがわか
る。
【0059】なお、中間層の組成をGd47Fe53と
した場合も、同様の良好な特性が得られた。
【0060】(実験例2)実験例1と同様に基板上にS
iN干渉層を90nm、GdFeCo再生層を40n
m、GdFe中間層を10nm、TbFeCoメモリ層
を40nm、SiN保護層を70nm、各々順々に成膜
して図の構成の本発明の光磁気記録媒体を得た。
【0061】中間層、メモリ層は実験例1と同一の組成
とし、GdFeCo再生層の組成は、Gd28(Fe6
0Co40)72として、室温でREリッチでMsは2
00emu/cc,補償温度は220℃、キュリー温度
は300℃以上とした。この再生層は、室温で面内磁化
膜であった。
【0062】本実験例で作成した媒体についても、まず
偏光顕微鏡による磁区観察を行った。加熱用のレーザを
点灯していない場合は実験例1と同様に磁区が観察され
ず、徐々にレーザパワーを上げていくとメモリ層の磁区
が転写されて磁区観察が行えた。さらにレーザパワーを
上昇していくと、光スポットの中心部(高温の領域)に
おいて転写されていた記録磁区が収縮して消去方向に磁
化が配向することが確認された。
【0063】この光磁気記録媒体に実験例1と同様の評
価を行った。結果を表1に示す。この場合には、アパー
チャがスポット中心よりになりリアマスクでアパーチャ
が狭まるのでCNRはさらに改善される。クロストーク
は、アパーチャがトラック幅方向にも伸びてしまうため
に実験例1と比べて若干劣るが、従来の記録媒体に比べ
ると改善されている。
【0064】次に公知例の磁気超解像光磁気記録媒体を
作成して、以上の実験例と同じ装置で同様の評価測定を
行った。
【0065】(比較実験例1)まず、特開平3−930
56号記載の媒体と同様の媒体を作成して評価した。実
験例1と同様の成膜機、成膜方法で、ガラス基板上にS
iN干渉層を90nm、GdFeCo再生層を30n
m、TbFeCoAl中間層を10nm、TbFeCo
メモリ層を40nm、SiN保護層を70nmを各々順
々に成膜して比較実験例1の光磁気記録媒体を得た。
【0066】GdFeCo再生層の組成は、室温でTM
リッチでMsは−180emu/cc、キュリー温度は
300℃以上となる様に設定した。
【0067】TbFeCoAl中間層の組成は、室温で
TMリッチでMsは−160emu/cc、キュリー温
度は140℃となる様に設定した。
【0068】TbFeCoメモリ層の組成は、室温でT
MリッチでMsは−150emu/cc、キュリー温度
は250℃となる様に設定した。
【0069】次に、この光磁気記録媒体を用いて、実施
例1と同様に記録再生特性を測定した。ただしこの場
合、再生中に媒体に垂直方向の再生磁界を0、200、
400Oeに変えて印加して測定した。結果を表1に示
した。
【0070】(比較実験例2)次に、特開平3−255
946号記載の媒体と同様の媒体を作成して評価した。
実験例1と同様の成膜機、成膜方法で、同様にガラス基
板上にSiN干渉層を90nm、GdFeCo再生層を
30nm、TbFeCoAl中間層を10nm、GdF
eCo補助層を16nm、TbFeCoメモリ層を40
nm、SiN保護層を70nmを各々順々に成膜して比
較実験例の光磁気記録媒体を得た。
【0071】GdFeCo再生層の組成は、室温でTM
リッチでMsは−160emu/cc、キュリー温度は
300℃以上となる様に設定した。
【0072】TbFeCoAl中間層の組成は、室温で
TMリッチでMsは−160emu/cc、キュリー温
度は140℃となる様に設定した。
【0073】GdFeCo補助層の組成は、室温でTM
リッチでMsは−160emu/cc,キュリー温度は
280℃となる様に設定した。
【0074】TbFeCoメモリ層の組成は、室温でT
MリッチでMsは−150emu/cc、キュリー温度
は250℃となる様に設定した。
【0075】次にこの光磁気記録媒体を用いて実施例1
と同様に記録再生特性を測定した。ただしこの場合、再
生前に媒体に垂直方向の初期化磁界を0、1000、2
000Oeに、また再生磁界を0、200、400Oe
に変えて印加して測定した。結果を第1表に示した。
【0076】以上説明したように、本発明の光磁気記録
媒体においては、再生磁界もしくは初期化磁界及び再生
磁界の両方を印加することなしに、CNRとクロストー
クの両方を改善することが可能となり、線記録密度およ
びトラック密度の両方を向上することが可能となった。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体及び再生方法を
用いることにより、再生磁界又は初期化磁界が不要な簡
素な装置を用いて、ビームスポット径よりも小さい磁区
の再生が可能になると同時に、隣接トラックからのクロ
ストークを抑制することにより、線記録密度及びトラッ
ク密度の双方を大幅に向上し、高密度記録再生を行うこ
とが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の光磁気記録媒体の断面
図。
【図2】本発明の原理を示す図。
【図3】図1図示の再生層における温度とエネルギーと
の関係を示す図。
【図4】図1図示の再生層におけるカー回転角の温度依
存性を示す図。
【図5】図2図示のアパーチャ部分で転写された磁区に
加わる磁界を示した図。
【図6】本発明の第2の実施例における光磁気記録媒体
及び再生原理を示す図。
【図7】本発明の第2の実施例におけるリアマスクにお
ける磁界状態を示す図。
【図8】従来の超解像の1例を示す図。
【図9】従来の懲戒像の他の例を示す図。
【符号の説明】
1 基板 2 干渉層 3 再生層 4 中間層 5 メモリ層 6 保護層 11 再生スポット 12 情報トラック 14 記録ピット 15 フロントマスク 16 アパーチャ 17 リアマスク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第一の磁性層と第三の磁性層
    と第二の磁性層とを、上記の順に基板上に積層して成る
    光磁気記録媒体に於いて、 前記第一の磁性層は室温で面内磁化膜であり、室温より
    高い温度で垂直磁化膜となり、 前記第二の磁性層は垂直磁化膜で、 前記第二の磁性層のキュリー温度は前記第一の磁性層の
    キュリー温度よりも低く、前記第三の磁性層のキュリー
    温度よりも高く、 前記第三の磁性層は室温からキュリー温度まで面内磁化
    膜であり、 前記第三の磁性層のキュリー温度Tc3と等しいまたは
    Tc3よりも高い所定温度Tth以上の温度で、前記第
    一の磁性層と前記第二の磁性層は静磁結合することを特
    徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記第一の磁性層の補償温度以上の温度では、前記第一
    の磁性層の磁化は一方向に揃えられる。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記第一の磁性層はGdFeCoを主体として構成され
    る。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記第三の磁性層はGdFeを主体として構成される。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記第二の磁性層はTbFeCoを主体として構成され
    る。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 前記第二の磁性層はDyFeCoを主体として構成され
    る。
  7. 【請求項7】 少なくとも第一の磁性層と第三の磁性層
    と第二の磁性層とを、上記の順に基板上に積層して成る
    光磁気記録媒体であって、前記第一の磁性層は室温で面
    内磁化膜であり、室温より高い温度で垂直磁化膜とな
    り、前記第二の磁性層は垂直磁化膜で、前記第二の磁性
    層のキュリー温度は前記第一の磁性層のキュリー温度よ
    りも低く、前記第三の磁性層のキュリー温度よりも高
    く、前記第三の磁性層は室温からキュリー温度まで面内
    磁化膜である光磁気記録媒体に光ビームを用いて記録さ
    れた情報を再生する情報再生方法において、 前記第一の磁性層側から光ビームを照射し、前記光ビー
    ムのスポット内の、前記第三の磁性層のキュリー温度T
    c3と等しいまたはTc3よりも高い所定温度Tth以
    下の部分における前記第一の磁性層を面内磁化膜のまま
    とし、前記スポット内の所定温度Tth以上の部分で前
    記第一の磁性層を垂直磁化膜として前記第二の磁性層と
    静磁結合させ、前記第一の磁性層に前記第二の磁性層に
    蓄積された情報を転写し、前記光ビームの反射光を検出
    することにより前記第二の磁性層に蓄積された情報の再
    生を行うことを特徴とする情報再生方法。
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