JPH08281361A - 網状配筋材溶接装置 - Google Patents

網状配筋材溶接装置

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JPH08281361A
JPH08281361A JP10717195A JP10717195A JPH08281361A JP H08281361 A JPH08281361 A JP H08281361A JP 10717195 A JP10717195 A JP 10717195A JP 10717195 A JP10717195 A JP 10717195A JP H08281361 A JPH08281361 A JP H08281361A
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松男 岡崎
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Sanyo Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 溶接機本体1の長さ方向と直交せしめて入側
コンベア2と出側コンベア3を設け、この入側コンベア
を出側コンベア幅の2分の1未満の幅とした固定コンベ
ア21溶接機本体の長さ方向にそって移動する移動コン
ベア22によって形成し、入側コンベアと出側コンベア
の側方に駆動連結部材5を取付けた駆動手段6を設け、
この駆動連結部材に入側コンベア2および出側コンベア
3上に位置せしめられる配筋材セット治具4を係脱可能
に設ける。 【効果】 多様な網状配筋材を、同じ溶接機構で配筋材
セット治具を交換し、被検知手段の設定位置を変更する
程度で、自在に即応製造することができる。また、施工
現場の素材配筋材をコンパクトに整理した状態で搬入し
各施工条件に即応した網状配筋材を順次に溶接して提供
し得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は網状配筋材溶接装置に係
り、コンクリート構造体の補強目的その他に用いられる
網状配筋材として寸法、形態の異った各種の製品を的確
に溶接せしめて能率的に得ることができ、更にはコンク
リート施工現場や一般的コンクリート製品製造工場など
において適切に溶接作業のできる網状配筋材溶接装置を
提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】現場打ちであると、プレキヤストである
とに拘わらず、コンクリート構造体に鉄筋を採用するこ
とは不可欠的である。即ち圧縮強度においては優れてい
ても引張ないし曲げ強度において鋼材などに比較し相当
に劣っていることの明かなコンクリート製品において配
筋、特に網状配筋を用いることが、その不利点をカバー
し有利な利用を図る所以であることから広く採用されて
いることは周知の如くである。
【0003】従って上記のような網状配筋材を得ること
については古くから種々に検討工夫が重ねられて来たと
ころであって、古くは針金などの細い金属線で交点を結
束し網状配筋構造とすることが行われていたがその工数
が大であり、また溶接技術および溶接機器の発展普及に
伴い鉄筋交点を溶接して網状構造体とすることが普及し
ている。即ち鉄筋を交叉状に配置し、その交点を溶接電
極間に送り込んで溶接するものであって相当の大きさの
網状配筋材でも円滑且つ正確に溶接することができ、今
日においてはそうした溶接網状配筋材が一般化されつつ
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように溶接によ
る網状配筋材は広く採用されているとしてもその製作は
大型の溶接設備を必要とし、設備的に特別な工場におけ
る高価な溶接機械を採用することが不可欠である。即
ち、幅が1m前後で長さが2m前後のようなそれなりに
大型の網状配筋を用いることが一般的となるから、その
ような規定寸法の大きさを満足するように配筋を配置し
且つそうした各配筋を固定化し溶接部に送り込んで順次
に溶接し、溶接の終ったものは次々に送り出しつつ全体
を溶接操作することが必要であるからその溶接設備とし
ては幅が数mで、長さが10m前後にも達し、また相当
のスピードで作業するために素材たる鉄筋の供給、得ら
れた製品の取出しなどを含めた設備も必要で、著しく巨
大、高額の設備とならざるを得ない。
【0005】ところが、夫々のコンクリート構造体に必
要とされる網状配筋材は現場打ちであるとプレキヤスト
製品であるとを問わず種々に変化したものとなることが
多く、仮りに大部分のものが一定寸法のものであっても
補助的に相当数の規定寸法以外のものを必要とすること
が一般的であり、それらの各種製品がなければ具体的な
コンクリート施工を完成し得ないことが通例である。然
して前記規定寸法の網状配筋材については上記したよう
な大型且つ高額の溶接設備によって略充分な供給がなさ
れるとしても規定寸法以外の網状配筋材に関しては網状
配筋材として殆んど供給がないところから実際の施工現
場などにおいてはこの規定寸法を外れた網状配筋材を得
るために規定寸法網状配筋材を切断し、あるいは更に溶
接連結するなどの加工をなし、更には全く別個に特別な
寸法の網状配筋材を携行式溶接機で溶接し、あるいは古
くからの金属線材を用いた結縛方式によって特別に形成
し連結しなければならない。
【0006】上記したような規定寸法以外の網状配筋材
を得るための手法は何れにしても工数が大で著しく時間
を必要とするものであって、また特別な溶接台などの存
しない条件下での溶接となるからかがみ込んだような不
利な作業姿勢による非能率的作業とならざるを得ず、施
工現場などにおける全般の作業能率を著しく阻害し、コ
スト的にも不利とならざるを得ないことは明かである。
【0007】更に上記したような大型且つ高額な規定寸
法による網状配筋材の溶接設備は実質的に溶接専門工場
における設備とせざるを得ないところから、実際のコン
クリート施工現場やコンクリート製品生産工場において
はそうした溶接専門工場で生産された網状配筋材を夫々
搬入することが必要であり、成程鋼材製品であるにして
も溶接して得られた網状配筋材は素材自体に比すれば相
当に嵩高いものとなり、トラック輸送のための荷役操作
や運送作業上の作業量は大であって、交通渋滞などの原
因とならざるを得ない。
【0008】またコンクリート施工現場やコンクリート
製品製造工場においても、上記のようにして搬入された
嵩高い網状配筋材を適切に保管管理し、且つ区分して夫
々の利用に備えることが必要で、その取扱いや、整理に
相当の工数と設備を必要とし、またそのための特別な荷
役機器なども不可避的に必要となるような不利がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解消することについて検討を重
ね、比較的簡易且つコンパクトな構成によって寸法や形
態が種々に異った網状配筋材を簡易に変換して単一の設
備により適切に溶接して得しめ、また夫々のコンクリー
ト施工現場やコンクリート製品製造工場などにおいて上
記したような夫々の網状配筋材を必要状態に即応せしめ
適宜に溶接して製造し得るようにしたものであって、以
下の如くである。
【0010】(1) 溶接機本体の両側に入側コンベアと
出側コンベアを配設し、入側コンベアによって搬入され
た交叉状素材の交点に対し前記溶接機本体において溶接
してから出側コンベアに搬出するようにされたものにお
いて、上記した溶接機本体の長さ方向と直交せしめて入
側コンベアと出側コンベアを設け、該入側コンベアを出
側コンベア幅の2分の1未満の幅とした固定コンベアと
溶接機本体の長さ方向にそって移動する移動コンベアに
よって形成し、前記入側コンベアと出側コンベアの側方
に走行駆動手段を設け、該走行駆動手段に駆動連結部材
を取付け、該駆動連結部材に上記入側コンベアおよび出
側コンベア上に位置せしめられる配筋材セット治具を係
脱可能に設けたことを特徴とした網状配筋材溶接装置。
【0011】(2) 溶接機本体部分と入側コンベアにお
ける固定コンベア先端部分に設けられたコンベア受台を
それぞれ溶接機本体の長さ方向をカバーする如く形成
し、それらのコンベア受台に形成されたガイド部に入側
コンベアにおける移動コンベアをスライド可能として設
けたことを特徴とした前記(1)項に記載の網状配筋材
溶接装置。
【0012】(3) 配筋材セット治具における配筋材セ
ット位置に対して被検知手段を着脱可能に配設し、溶接
機本体には該被検知手段に対する検知機構を設けて走行
駆動手段による入側コンベア移送作動を制御するように
したことを特徴とする前記(1)項または(2)項の何
れか1つに記載の網状配筋材溶接装置。
【0013】(4) 配筋材セット治具における配筋材セ
ット位置に対して減速用被検知手段と停止用被検知手段
を夫々着脱可能に配設したことを特徴とする前記(3)
項に記載の網状配筋材溶接装置。
【0014】(5) 溶接機本体の長さ方向にそって上下
電極の移動を案内するためのガイド手段を設け、それら
のガイド手段に係合したスライド部材にそれぞれ2本の
上部電極または下部電極を配設し、前記スライド部材に
対しそれは上下部電極を配筋部材の交点位置に移動操作
するための駆動手段を設けたことを特徴とする前記
(1)〜(4)項の何れか1つに記載の網状配筋材溶接
装置。
【0015】(6) ガイド手段に駆動手段を設けたスラ
イド部材とは別の同様に2本の上部電極または下部電極
を配設した予備スライド部材を設け、それら両スライド
部材に相互に連結するための連結部を設けたことを特徴
とする前記(5)項に記載の網状配筋材溶接装置。
【0016】
【作用】溶接機本体の両側に入側コンベアと出側コンベ
アを配設し、入側コンベアによって搬入された交叉状素
材の交点に対し前記溶接機本体において溶接してから出
側コンベアに搬出するようにされたものにおいて、上記
した溶接機本体の長さ方向と直交せしめて入側コンベア
と出側コンベアを設け、該入側コンベアを出側コンベア
幅の2分の1未満の幅とした固定コンベアと溶接機本体
の長さ方向にそって移動する移動コンベアによって形成
した、ことによって入側コンベアの幅を固定コンベアの
みによる狭小たものから移動コンベアの移動によって得
られる多様な配筋材幅に即応せしめ適宜に選ばしめて設
定し、それらの幅が多様な配筋材の溶接を可能ならしめ
る。
【0017】前記入側コンベアと出側コンベアの側方に
走行駆動手段を設け、該走行駆動手段に駆動連結部材を
取付け、該駆動連結部材に上記入側コンベアおよび出側
コンベア上に位置せしめられる配筋材セット治具を係脱
可能に設けたことにより配筋材セット治具を適宜に交換
せしめて種々に寸法を異にした網状配筋材を得しめ、し
かもこのような配筋材セット治具を入側コンベアから溶
接機本体を介して出側コンベアにより搬送し溶接機本体
による溶接を行わしめることによって目的の配筋材を能
率的作業条件で、しかも的確に得しめる。
【0018】溶接機本体部分と入側コンベアにおける固
定コンベア先端部分に設けられたコンベア受台をそれぞ
れ溶接機本体の長さ方向をカバーする如く形成し、それ
らコンベア受台に形成されたガイド部に入側コンベアに
おける移動コンベアをスライド可能として設けたことに
より入側コンベアにおける移動コンベアを得ようとする
夫々の網状配筋材の幅に応じて適宜にスライドして設定
せしめ、しかも上記コンベア受台の設定域内に作業者が
適宜進入して素材たる配筋線材や製品ため網状配筋材の
取扱い操作を可能ならしめ比較的コンパクトな設備によ
り多様な製品を円滑に溶接し製作せしめる。
【0019】配筋材セット治具における配筋材セット位
置に対して被検知手段を着脱可能に配設し、溶接機本体
には該被検知手段に対する検知機構を設けて走行駆動手
段による入側コンベア移送作動を制御するようにしたこ
とによって配筋材セット位置を適宜に変化せしめて配筋
せしめ,しかもそうして変化した配筋材のセット位置を
溶接機本体の検知機構で適切に検知した溶接電極などの
溶接手段の作動を可能とし、配設筋間隔の変化した各種
製品を的確に溶接生産せしめる。
【0020】配筋材セット治具における配筋材セット位
置に対して減速用被検知手段と停止用被検知手段を夫々
着脱可能に配設したことによって配筋材セット治具の移
動操作を比較的高速に行わしめた作業条件で、しかも減
速用被検知手段によって減速せしめた条件が停止用検知
手段による停止作動を行わせることが可能となり、それ
らの結果として常に的確な停止を図って数百mmのような
大きな間隔を採って配設される配筋材をも能率的で、し
かも正確な溶接作業を行わしめ得る。
【0021】溶接機本体の長さ方向にそって上下電極の
移動を案内するためのガイド手段を設け、それらのガイ
ド手段に設けたスライド部材にそれぞれ2本の上部電極
または下部電極を配設し、前記スライド部材に対しそれ
は上下部電極を配筋部材の交点位置に移動操作するため
の駆動手段を設けたことによって2本の上下電極による
同時溶接を行わしめ前記のように多様な製品をそれぞれ
能率化して溶接操作せしめる。
【0022】ガイド手段に駆動手段を設けたスライド部
材とは別の同様に2本の上部電極または下部電極を配設
したスライド部材を設け、それら両スライド部材に相互
に連結するための連結部を設けたことにより適宜に両ス
ライド部材を連結して操作することを可能ならしめて更
に一層能率化された溶接を実施せしめ、しかもこれらス
ライド部材の連結を解脱して各4本の上下電極による溶
接をなし得ない条件下における溶接をも可能とし、多様
でしかも夫々の条件下で高能率性を確保した網状配筋材
の溶接を行わせる。
【0023】
【実施例】上記したような本発明によるものの具体的な
実施態様を添附図面に示すものについて説明すると、本
発明に従った網状配筋材溶接装置の1例についての全般
的な構成は図1と図2に示す如くである。即ち溶接機本
体1の両側に夫々ローラコンベアである入側コンベア2
と出側コンベア3とが対設されており、その入側コンベ
ア2部分については別に図3として更に拡大して示すよ
うに固定コンベア21と移動コンベア22とによって構
成されている。
【0024】上記したような入側コンベア2および出側
コンベア3に対しては本発明において、別に配筋材セッ
ト治具4が用いられ、該配筋材セット治具4としては目
的とする配筋材の外形的寸法に即応した長さおよび幅を
もった適宜の大きさのものを随時に交換して採用するも
ので、該治具4自体は単純な枠形をなし、具体例として
は別に図4の上部に一部を示すように、治具4の内側に
縦横の配筋材10、10aに対する配筋材支持部材41
を磁性などを用いてセットせしめて各配筋材10、10
aの端部を支持するようになっていて該支持部材41の
セット間隔を変えることにより配筋材10、10aの配
筋間隔を変化し得る。またそうした配筋材支持部材41
における配筋材10のセット位置に合致せしめて被検知
手段40を同じく磁石などを用いて着脱可能に設けるよ
うに成っている。
【0025】前記した出側コンベア3は溶接機本体1の
全作動範囲をカバーするような幅員を採って形成されて
いるローラコンベアであるのに対し、前記入側コンベア
2はその幅がこの出側コンベア3の幅の2分の1未満と
された固定コンベア21と移動コンベア22から成り、
これらのコンベア21、22は図2に示すように溶接機
本体1の入側に配設された入側支持材23、23によっ
て支持されているが移動コンベア22についてはそれら
の支持材23、23に取付けられたガイド部材24によ
ってその溶接機本体1の長さ方向にそった移動が案内さ
れるように成っている。なお出側コンベア3については
出側支持材33上に支持設定されている。
【0026】図1や図3において図示した固定コンベア
21および移動コンベア22の幅はそれぞれ出側コンベ
ア3の幅の4分の1程度であり、ガイド部材24が出側
コンベア3の全幅員をカバーする長さを有していて両コ
ンベア21、22により溶接機本体1の全長をカバー
し、あるいは図示のようにその2分の1程度の範囲にお
ける入側にセットされるようになっているが、斯うした
両コンベア21、22上には幅が上記の範囲内で適宜に
選ばれた配筋材セット治具4が配装される。両コンベア
21、22間に間隙の存する場合においても該セット治
具4によって一連の配筋材セット域が形成され目的とす
る製品幅の変化に有効に即応する。固定コンベア21お
よび出側コンベア3の側方には支持台17に設けられた
モータのような原動機構7で駆動されるチェーンのよう
な駆動手段6が設けられ、該駆動手段6には板状の駆動
連結部材5が取付けられ、該駆動連結部材5を介して前
記治具4をコンベア21、22上で移動操作するように
なっている。
【0027】前記駆動連結部材5は駆動手段6がチエー
ンである図示実施態様のものにおいて取付子26が図4
に示す如く駆動手段6に係止し、また該駆動連結部材5
の一側に形成された連結部51に対し上記治具4の側面
に取付けられた連結金具8を重合状態に位置せしめ、連
結ピン9を挿着して連結したものであり、この連結ピン
9を抜き取ることによって治具4は駆動連結部材5から
解脱される。なお治具4と駆動手段6部分との間には駆
動連結部材5と共にもう1つの係接部材5aが設けられ
ていて適切に案内移動される。即ち治具4としては目的
とする網状配筋材の輪廓的寸法に即応したものが適宜に
採用されて駆動手段6に取付けられることは明かである
が、そうした治具4の寸法変化によっても有効な連繋駆
動および案内が行われる。
【0028】前記原動機構7としてはブレーキのような
制動機構つきモータが採用され、また駆動手段6として
上記のようにチエーンを採用した図示実施態様のものに
おいて原動機構7で駆動されるスプロケット29がチエ
ーンである駆動手段6に係合することにより該駆動手段
6の作動距離は原動機構7の作動量で決定される。即ち
原動機構7には既述した配筋材セット治具4の被検知手
段40で溶接機本体1に設けられた検出手段30により
得られる検出信号が送られ制動されるので原動機構7の
回転量と正確に合致したものとなり、該駆動手段6で移
動せしめられる治具4の移動量を上記被検知手段40の
配設問題で正確に決定することは明かである。
【0029】なお図4に示された実施態様においては上
記したような作動せしめられる駆動連結部材5の両側に
係合転子45、45が配設されていて、機枠46の両側
に形成されたレール部47、47と係合し、安定な状態
で走行され、治具4の移動操作も安定である。前記した
係接部材5aは駆動手段6に対し連結ピン9で連結され
ていない外は駆動連結部材5と同じであり、係合転子4
5、45でレール部47、47に係合し安定に治具4を
走行させる。即ち安定に走行する治具4が溶接機本体1
内を移動することによって、その被検知手段40が溶接
機本体1に図3で示すように設けられた検知手段30で
検知されることになり原動機構7に付設された既述のよ
うな制動手段が作用し、該検出位置に停止する作用が繰
返され、配筋材10、10aの交点に対する溶接が順次
に行われる。
【0030】溶接機本体1における溶接電極は図2に示
されるように上部電極11と下部電極12とを対設した
ものであるが、本発明における好ましい構成としては別
に図5として示すように2本の上下電極11、11と1
2、12を並設したものとして実施され、これらの上下
電極11、11および12、12は溶接機本体1の上下
に設けられたレール13、14にそって移動操作され
る。このような上下電極11、11および12、12の
移動操作をなすために溶接機本体1には移動操作用モー
タ15が設けられ、図2と図5に示すような連動軸16
を介し、ベベルギヤなどを用いて移動軸18、19を回
動し、上部電極11、11と下部電極12、12とを共
に移動操作する。
【0031】上記した上部電極11と下部電極12の関
係については、例えば図5に示すように上部電極11、
11aより下部電極12、12aを大径としたものを採
用することが好ましく、このように下部電極12、12
aを大径とすることによって配筋材交点を支持するに適
し、上部電極11、11aの圧下によって有効な挾圧状
態を形成し、安定した溶接をなすことができる。
【0032】なお本発明においては上記のように移動操
作用モータ15で移動操作される上部電極11、11お
よび下部電極12、12に対し、別に図5において退避
状態として示すように予備上部電極11a、11aと予
備下部電極12a、12aが移動軸18、19に対して
遊装され、しかも移動軸18、19およびレール13、
14に対する係合部材20と嵌合部材25(係合部材2
0は螺合し、嵌合部材25は遊装されて移動軸18、1
9をガイドとする)には対向した連結部27、28が対
設されている。即ち図5において仮想線で示すように上
部電極11、11a、下部電極12、12aを図5の中
央部に仮想線で示すように近接させ連結部27、28を
重合させた状態で連結ピンを連結部27、28に上下方
向で挿着して連結することにより、上下の両電極11、
11、11a、11aと12、12、12a、12aを
一体化し、移動操作は前記モータ15で行われ、上下に
おける4電極間の同時溶接と図って倍増された溶接能率
を得しめることができる。
【0033】また本発明によるものは図4で示したよう
な被検知手段40に関して図5に示すように停止検出セ
ンサー38の前後に減速センサー39、39を併用する
ことができ、それによって被検知手段40から得られる
信号を、減速信号と停止信号として原動機構7に作用さ
せることができる。即ち減速信号を先ず原動機構7に作
用させてから停止信号で停止させることにより、相当の
高速でセット治具4が送られる場合においても正確に停
止させることができ、配筋材10または10aが相当に
大きい間隔で配設されたような条件下においても好まし
い高速作業性と的確な所定位置における停止(それに伴
う溶接)を確保した溶接作業を有効に行わせる。
【0034】上述したような本発明の具体的設備として
は平面的に幅2.5mで長さが7m程度の装置として輸送
手段で夫々の施工現場に搬入設定し得るような機構を得
しめ、このものにおいて縦筋10および横筋10aとし
て径6〜13mmの鉄筋を用い、長さ500〜4000mm
の縦筋と500〜2200mmの横筋を交叉配設して溶接
する作業を検討した。
【0035】即ち溶接電源として例えばAC−200V
−60Hzで50〜125KVA を採用し上記したような範
囲で寸法が種々に異る各種網状配筋材を溶接したが、最
大径である13mmの縦筋と横筋を溶接し且つ200mm宛
を移送する行程が4秒以内に実施でき、コンクリート施
工現場やプレキヤストコンクリート製品製造工場の如き
において単に鉄筋材を供給するだけで夫々の施工条件な
いし作業条件に略即応した網状配筋材を有効に製産し提
供し得ることが確認された。
【0036】作業者50は一般的に図1と図3に示す如
く移動コンベア22と溶接機本体1の交叉部分に位置す
ることにより入側コンベア2と溶接機本体1の作業状態
を有効に監視し、送入される配筋材セット治具4におけ
る配筋状態を適宜に修正せしめて作業することができ
た。従って一般的には作業者50が1人のみで円滑な溶
接をなすことが可能であり、また上記したような溶接電
源は一般的な作業現場やプレキヤストコンクリート製品
の製造工場で通常的に供給を受けることができ、何れに
しても平易に作業し得るものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
多様な網状配筋材を、同じ溶接機構において単に配筋材
セット治具を変換し、被検知手段の設定位置を変更する
程度で、自在に即応せしめ、また夫々の施工現場や一般
的コンクリート工場などで普通に得られる電源を利用し
て適切に運転し得ることから、そうした施工現場に素材
たる配筋材をコンパクトに整理した状態で搬入し各施工
条件に即応した網状配筋材を順次に溶接して提供し得る
こととなり、何れにしてもこの種コンクリート施工用網
状配筋材の製作提供状態を根本的に変革した有利な製造
を得しめるものであるから工業的にその効果の大きい発
明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による網状配筋材溶接装置の全般的構成
を示した平面図である。
【図2】図1に示したものの側面図である。
【図3】図1および図2に示した入側コンベア部分につ
いての拡大平面図である。
【図4】図3に示した入側コンベア駆動部分についての
具体的構成を示した斜面図である。
【図5】溶接機本体部分の構成関係を示した正面図であ
る。
【符号の説明】
1 溶接機本体 2 入側コンベア 3 出側コンベア 4 配筋材セット治具 5 駆動連結部材 5a 係接部材 6 駆動手段 7 原動機構 8 連結金具 9 連結ピン 10 配筋材 11 上部電極 11a 予備上部電極 12 下部電極 12a 予備下部電極 13 上部ガイドレール 14 下部ガイドレール 15 移動操作用モータ 16 連動軸 17 支持台(原動機構7の) 18 上部移動軸 19 下部移動軸 20 係合部材 21 固定コンベア 22 移動コンベア 23 入側支持材 24 ガイド部材 25 嵌合部材 26 取付子 27 連結部 28 連結部 29 スプロケット 30 検知手段 33 出側支持材 38 停止センサー 39 減速センサー 40 被検知手段 41 配筋材支持部材 42 連結部 43 連結ピン 45 係合転子 46 機台 47 レール部 50 作業者

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接機本体の両側に入側コンベアと出側
    コンベアを配設し、入側コンベアによって搬入された交
    叉状素材の交点に対し前記溶接機本体において溶接して
    から出側コンベアに搬出するようにされたものによい
    て、上記した溶接機本体の長さ方向と直交せしめて入側
    コンベアと出側コンベアを設け、該入側コンベアを出側
    コンベア幅の2分の1未満の幅とした固定コンベアと溶
    接機本体の長さ方向にそって移動する移動コンベアによ
    って形成し、前記入側コンベアと出側コンベアの側方に
    走行駆動手段を設け、該走行駆動手段に駆動連結部材を
    取付け、該駆動連結部材に上記入側コンベアおよび出側
    コンベア上に位置せしめられる配筋材セット治具を係脱
    可能に設けたことを特徴とした網状配筋材溶接装置。
  2. 【請求項2】 溶接機本体部分と入側コンベアにおける
    固定コンベア先端部分に設けられたコンベア受台をそれ
    ぞれ溶接機本体の長さ方向をカバーする如く形成し、そ
    れらのコンベア受台に形成されたガイド部に入側コンベ
    アにおける移動コンベアをスライド可能として設けたこ
    とを特徴とした請求項1に記載の網状配筋材溶接装置。
  3. 【請求項3】 配筋材セット治具における配筋材セット
    位置に対して被検知手段を着脱可能に配設し、溶接機本
    体には該被検知手段に対する検知機構を設けて走行駆動
    手段による入側コンベア移送作動を制御するようにした
    ことを特徴とする請求項1または2の何れか1つに記載
    の網状配筋材溶接装置。
  4. 【請求項4】 配筋材セット治具における配筋材セット
    位置に対して減速用被検知手段と停止用被検知手段を夫
    々着脱可能に配設したことを特徴とする請求項3に記載
    の網状配筋材溶接装置。
  5. 【請求項5】 溶接機本体の長さ方向にそって上下電極
    の移動を案内するためのガイド手段を設け、それらのガ
    イド手段に係合したスライド部材にそれぞれ2本の上部
    電極または下部電極を配設し、前記スライド部材に対し
    それら上下部電極を配筋部材の交点位置に移動操作する
    ための駆動手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4
    の何れか1つに記載の網状配筋材溶接装置。
  6. 【請求項6】 ガイド手段に駆動手段を設けたスライド
    部材とは別の同様に2本の上部電極または下部電極を配
    設した予備スライド部材を設け、それら両スライド部材
    に相互に連結するための連結部を設けたことを特徴とす
    る請求項5に記載の網状配筋材溶接装置。
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