JPH08279134A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08279134A
JPH08279134A JP7917495A JP7917495A JPH08279134A JP H08279134 A JPH08279134 A JP H08279134A JP 7917495 A JP7917495 A JP 7917495A JP 7917495 A JP7917495 A JP 7917495A JP H08279134 A JPH08279134 A JP H08279134A
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JP
Japan
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magnetic
recording medium
film
magnetic recording
lubricant
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Application number
JP7917495A
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Makoto Sato
佐藤  誠
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高記録密度に対応する為、低浮上量を容易に
する表面粗さが極めて小さなディスクであっても、耐久
性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。 【構成】 最大突起高さRpから50Åの深さで切った
時の山の数PC50が30〜200本/mmの表面特性を
有する磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク等の磁気
記録媒体に関する。
【0002】
【発明の背景】コンピュータ等の外部記憶装置に使用さ
れる磁気ディスクにおいては、磁気ディスクと磁気ヘッ
ドとの間の距離、すなわち磁気ヘッドの浮上高さを低く
することが再生出力などの点から求められている。従っ
て、磁気ディスクの表面は平滑であることが好ましいと
言える。しかし、表面が平滑すぎると、磁気ヘッドが磁
気ディスクに貼り付き、磁気ディスクや磁気ヘッドに損
傷の恐れが有る。よって、表面を適度な粗さにする為、
テクスチャ処理が基板(支持体)に施されることにな
る。
【0003】このテクスチャ処理として、従来より幾つ
かの手法が提案されている。例えば、アルミニウム基板
に対しては機械的研磨法が提案されている。ガラス基板
に対しては、化学的エッチング法や、微粒子含有塗料の
塗布法が提案されている。又、カーボン基板に対して
は、熱酸化法などが提案されている。そして、テクスチ
ャ処理の基準として、テクスチャの粗さ曲線の中心線を
基準とした高さXμm以上の凹凸の、該粗さ曲線250
0μm当たりの数をPc2(X)とした場合、Pc2(0.01)
は100以上で、Pc2(0.035) は0となるよう支持体に
テクスチャ処理を行う技術(特開平4−251436号
公報)や、半径方向における表面粗さが、基準長さ25
0μmの間においてPc(+100Å)≧30(ここ
で、Pc(+100Å)とは、粗さ曲線の中心線に対し
上側に100Åの位置に、中心線に対して平行な1本の
ピークカウントレベルを設けた時、中心線と粗さ曲線が
交差する2点間においてピークカウントレベルと粗さ曲
線が交差する点が1回以上存在する場合一山とし、基準
長さにおいての山の合計数を表す)となるよう支持体に
テクスチャ処理を行う技術(特開平6−223354号
公報)が提案されている。
【0004】しかし、これらの技術は、磁気記録媒体に
注目した技術であり、磁気ヘッドに対する考察がなされ
ていない為、低浮上量化と耐久性向上の両立が十分では
なかった。
【0005】
【発明の開示】本発明者らは、鋭意研究を行った結果、
磁気ヘッドの浮上高さや吸着性を決める因子は磁気ディ
スク側の凹凸のみではなく、磁気ヘッド側の凹凸にもよ
ることを見出した。そこで、現在、市販されている複数
の磁気ヘッドについてのヘッド表面粗さを調べ、低浮上
量化と耐久性向上の両立を達成するのには、磁気記録媒
体に対して最大突起高さRpから50Åの深さで切った
時の山の数PC50が30〜200本/mmの表面特性を
有するようにテクスチャ処理を行っておけば良いことが
判って来た。
【0006】本発明は上記知見を基にして達成されたも
のであり、その目的は、高記録密度に対応する為、低浮
上量を容易にする表面粗さが極めて小さなディスクであ
っても、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することに
ある。この本発明の目的は、最大突起高さRpから50
Åの深さで切った時の山の数PC50が30〜200本/
mmの表面特性を有することを特徴とする磁気記録媒体
によって達成される。
【0007】特に、最大突起高さRpから50Åの深さ
で切った時の山の数PC50が30〜200本/mmの表
面特性を有する支持体の上に磁性膜が設けられてなるこ
とを特徴とする磁気記録媒体によって達成される。尚、
上記PC50は30〜80本/mmが好ましく、特に40
〜70本/mmが一層好ましい。又、上記発明の磁気記
録媒体におけるRpは50〜300Åであることが好ま
しい。より好ましくは50〜100Åである。又、径方
向および周方向の凹凸が等方的であって、径方向と周方
向の中心線平均粗さRa1 ,Ra2の比(Ra1 /Ra
2 )が0.8〜2.0であることが好ましい。より好ま
しくは0.8〜1.4である。
【0008】本発明で用いる支持体は、磁性を有するも
のでも非磁性のものでも良いが、一般的には非磁性のも
のが用いられる。例えば、カーボン、強化ガラス、結晶
化ガラス、アルミニウム及びアルミニウム合金、チタン
及びチタン合金、セラミックス、樹脂、あるいは前記材
料の複合材料が用いられる。中でも、カーボン、更にガ
ラス状カーボン、特に曲げ強度が24kgf/mm2
上、弾性率が2500kgf/mm2 以上、密度が1.
4〜1.8g/cm3 のガラス状カーボンが好ましい。
【0009】このような支持体、例えばカーボン製の支
持体の表面に微粒子を噴射し、テクスチャ処理を施し、
上記した表面特性を有するものにする。表面に微粒子を
噴射してテクスチャ処理する方法は、パウダービーム加
工方法と呼ばれ、平均粒径が数十μm以下の微粒子を気
体と共に噴射し、被加工物の表面に衝突させる方法であ
る。この方法で、被加工物の表面に微小な凹凸を形成し
たり、被加工物の表面を削ることで形状を変えることが
出来る。本発明者は、ガラス状カーボン基板で、CSS
特性が充分で、かつ、低グライドハイトの記録媒体を製
造する為、ガラス状カーボン基板の表面に上記した表面
特性の凹凸を形成する為のテクスチャ処理方法としてパ
ウダービーム加工方法が適切なことを見出した。尚、パ
ウダービーム加工方法によるテクスチャ処理は、ガラス
状カーボン基板の表面に磁性膜などを設ける前に行う。
そして、テクスチャ処理後、洗浄し、処理時に付いた微
粒子などを除去してから、磁性膜などを設ける。本処理
に用いられる微粒子の材質は、パウダービーム加工方法
に不適切な大きさ、硬さ、形状のものでなければ、何で
も良い。例えば、研磨砥粒として一般的に用いられてい
る炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン等の炭化
物系、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物系、アルミナ
系、ダイヤモンド系のものが用いられる。この他にも、
適度な硬さや大きさを持つ金属酸化物、金属、セラミッ
クスを使用できる。又、研磨砥粒に限らず、適当な大き
さ、硬さ、形状を持つものであれば、自由に用いること
が出来る。尚、好ましくは炭化ケイ素系砥粒やアルミナ
系砥粒である。
【0010】パウダービーム加工方法以外にも、Al−
M(Mはカーバイドを形成し得る金属)系合金粒子をス
パッタ等のPVD(フィジカルベーパーデポジション)
によって堆積させる方法を採用することも出来る。Al
−M系合金の具体例としては、MがSi,Cr,Ta,
Ti,Zr,Y,Mo,W,V等の元素の中から選ばれ
る少なくとも一種以上を含むAl−M系合金が挙げられ
る。例えば、Al−Si系合金(好ましくはSiが0.
2〜15wt%、より好ましくはSiが1〜10wt
%)、Al−Cr系合金(好ましくはCrが0.1〜1
0wt%、より好ましくはCrが1〜5wt%)、Al
−Ta系合金(好ましくはTaが0.1〜3wt%、よ
り好ましくはTaが1〜2wt%)、Al−Ti系合金
(好ましくはTiが0.5〜15wt%、より好ましく
はTiが1〜10wt%)、Al−Zr系合金(好まし
くはZrが0.1〜9wt%、より好ましくはZrが1
〜5wt%)、Al−Y系合金(好ましくはYが0.1
〜10wt%、より好ましくはYが1〜5wt%)、A
l−Mo系合金(好ましくはMoが0.2〜10wt
%、より好ましくはMoが1〜5wt%)、Al−W系
合金(好ましくはWが0.2〜10wt%、より好まし
くはWが1〜8wt%)、Al−V系合金(好ましくは
Vが0.5〜10wt%、より好ましくはVが1〜5w
t%)等が挙げられる。又、Al−5wt%Si−5w
t%Cr系合金、Al−5wt%Si−3wt%Mo系
合金、Al−5wt%Si−3wt%W系合金などの三
元以上の系のAl合金も挙げられる。尚、中でも好まし
いものはAl−Si系合金、Al−Cr系合金である。
【0011】又、上記パウダービーム法やPVD法以外
にも、研磨テープを用いる方法を採用することも出来
る。例えば、テープ種日本ミクロコーティング社製のW
A♯4000フラットタイプ、テープ送り速度400m
m/分、加工圧力2.2kg/cm2 、テープ揺動46
0往復/分、ローラゴム硬度60度、ワーク回転数50
rpm、加工時間10〜40秒、ジョンソン社製JS6
02の3wt%研磨液と言った条件下で支持体にテクス
チャ加工を施して良い。尚、研磨テープの種類や遊離砥
粒の種類、研磨時間、研磨時の圧力などの条件を適宜変
更することが可能である。
【0012】尚、いずれのテクスチャ処理によるも、本
発明が規定する表面特性のものにすることが肝要であ
る。上記表面特性を有する支持体の上に、必要に応じて
PVD手段によりCr膜などの下地膜を設ける。尚、こ
の下地膜を設けた後に、上記テクスチャ処理を行い、本
発明が規定する表面特性のものにしても良い。
【0013】本発明が規定する表面特性を有する支持体
の上に、金属薄膜型の磁性膜がPVD手段により20〜
50nm厚さ設けられる。磁性膜を形成する材料は、例
えばCoCr,CoNi,CoCrX,CoCrPt
X,CoSm,CoSmX,CoNiX,CoWX(X
としては、Ta,Pt,Au,Ti,V,Cr,Ni,
W,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,L
i,Si,B,Ca,As,Y,Zr,Nb,Mo,R
u,Rh,Ag,Sb,Hf等から選ばれる一種あるい
は二種以上)等で表されるCoを主成分とするCo系の
磁性合金あるいはバリウムフェライト系の磁性合金が挙
げられる。
【0014】金属薄膜型の磁性膜上に保護膜が設けられ
る。この保護膜は、耐磨耗性の観点から硬度の高いもの
が選ばれる。例えば、Al,Si,Ti,Cr,Zr,
Nb,Mo,Ta,W等の金属の酸化物、窒化物、炭化
物、あるいはカーボンやボロンナイトライド等が挙げら
れる。この他にも、例えば特開平5−217154号公
報、特開平5−217156号公報、特開平5−225
555号公報、特開平5−225557号公報、特開平
5−282661号公報、特開平6−25840号公
報、特願平4−268952号明細書、特願平5−17
20号明細書、特願平5−217156号明細書、特願
平5−40142号明細書に開示されているものを用い
ることが出来る。中でも好ましいものは炭素、炭化ケイ
素、炭化ホウ素、炭化タングステン、酸化ケイ素、酸化
ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、あるいはこれ
らの材料の複合されたものである。特に好ましいものは
カーボン、特にダイヤモンドライクカーボンである。こ
の保護膜は、厚さが5〜25nmが好ましい。保護膜
は、スパッタ等のPVD手段により形成できる。
【0015】上記保護膜上に潤滑剤膜が設けられる。例
えば、厚さが5〜100Å程度の潤滑剤膜が設けられ
る。潤滑剤としては、分子中に極性基を持つ潤滑剤と極
性基を持たない潤滑剤とを単独で用いても良いが、併用
することが好ましい。例えば、極性基を持つ潤滑剤溶液
を塗布した後、極性基を持たない潤滑剤溶液を塗布した
り、極性基を持つ潤滑剤と極性基を持たない潤滑剤との
混合溶液を塗布し、主として保護膜側に近い下層側に極
性基を持つ潤滑剤を、上層側に極性基を持たない潤滑剤
を存在させるようにしても良い。用いられる極性基を持
つ潤滑剤は、分子量が2000〜4000のパーフロロ
ポリエーテル系のものであり、末端に芳香族環を持つも
のが好ましい。すなわち、−(CF2 CF2 O)n
(CF2 O) m −の骨格を有し、末端に芳香族環を持
ち、分子量が2000〜4000であるものが好まし
い。具体例としては、フォンブリンAM2001(モン
テカチーニ社製)やデムナムSP(ダイキン工業社製)
等が挙げられる。末端に極性基を持たない潤滑剤は、分
子量が2000〜10000のパーフロロポリエーテル
系のものが好ましい。すなわち、CF3 −(CF2 CF
2 O)n −(CF2 O)m −CF3 で表され、分子量が
2000〜10000であるものが好ましい。具体例と
しては、フォンブリンZ03(モンテカチーニ社製)等
が挙げられる。
【0016】又、塗布手段で潤滑剤膜を形成する代わり
に、気相反応で形成しても良い。例えば、プラズマ重合
で形成される潤滑剤膜、CVD(ケミカルベーパーデポ
ジション)を用いた表面重合で形成される潤滑剤膜、C
VDを用いた気相重合で形成される潤滑剤膜などが考え
られる。中でも好ましい潤滑剤膜は気相重合で形成され
たものである。例えば、潤滑剤分子が当該媒体の最表面
に固定された固定潤滑剤分子と潤滑剤分子が当該媒体の
最表面には固定されていないフリー潤滑剤分子との混成
でなり、この混成潤滑剤膜が気相重合で形成されたもの
が好ましい。この場合、潤滑剤膜の厚さは2〜200Å
が好ましい。又、混成潤滑剤膜おけるフリー潤滑剤分子
/固定潤滑剤分子が重量比で1/10〜10/1(より
好ましくは、2/5〜5/1)の割合のものが好まし
い。ここで、固定潤滑剤分子とは、保護膜に化学的また
は物理的に強固に固着されているものを意味し、例えば
商品名「フロン113(フッ素系溶剤)」を用いて洗浄
しても洗い流されないものを言う。一方、フリー潤滑剤
分子とは、「フロン113」を用いて洗浄した場合に洗
い流されてしまうものを言う。気相重合にはフッ化炭素
系の化合物を用いる。フッ化炭素系化合物としては、C
=C(C−C二重結合)を有するものが好ましい。特
に、下記一般式(I),(II),(III)で表され
る化合物群の中から選択されるものが好ましい。
【0017】 CF2 =CFRf 1 (I) 〔式(I)中、Rf 1 はフッ素原子、パーフルオロアル
キル基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化アル
キル基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロアリ
ール基、又は部分フッ素化アリール基を表す。〕 CF2 =C(Rf 2 )(Rf 3 ) (II) 〔式(II)中、Rf 2 ,Rf 3 は水素原子、フッ素原
子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル
基、部分フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルケニル
基、パーフルオロアリール基、又は部分フッ素化アリー
ル基を表す。
【0018】Rf 2 とRf 3 とは同一でも、異なってい
ても良い。〕 CF2 =CFO(Rf 4 ) (III) 〔式(III)中、Rf 4 はフッ素原子、パーフルオロ
アルキル基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化
アルキル基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロ
アリール基、部分フッ素化アリール基、又はパーフルオ
ロアルコキシアルキル基を表す。〕 又、上記フッ化炭素系化合物の他にも酸素を用いること
が好ましい。上記フッ化炭素系化合物と酸素との使用割
合は、フッ化炭素系化合物/酸素(モル比)が、好まし
くは1/0.5〜1/100であり、更に好ましくは1
/1〜1/10であり、最も好ましくは1/2〜1/8
である。
【0019】上記フッ化炭素系化合物と酸素との気相重
合により得られた重合体は、主として−(CF2 O)−
の構造単位を有する重合体であり、その分子量は、好ま
しくは1500〜30000である。上記重合体の構造
は必ずしも明確でないが、下記構造式が推定される。 X-(CF2 O) l -(CF2 CF2 CF2 O) m -(CF
(CF3)CFO) n X’ 〔ここで、l,m,nは、l≫m,l≫nを満たす正の
整数。X,X’はアルコール、エーテル結合、エステル
結合、又はウレタン結合などを含む末端基であり、Xと
X’とは同じでも異なっていても良い。〕 上記重合体における−(CF2 O)−の構造単位の含有
率は、全構造単位中70%以上であることが好ましく、
上記構造式で表される重合体においては、〔l/(l+
m+n)〕×100が70以上であることが好ましい。
【0020】そして、上記のような表面特性の支持体上
に磁性膜、そして必要に応じて保護膜や潤滑剤膜が設け
られた磁気記録媒体は、再生エラーや消去エラーが少な
く、記録・再生特性が優れたものである。かつ、ヘッド
浮上量が低く、更にはCSS耐久性に優れた特長を奏す
る。以下、実施例により本発明を更に具体的に説明す
る。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〜6及び比較例1〕密度1.5g/cm3
曲げ強度29.8kg/mm2 、弾性率2500kgf
/mm2 のガラス状カーボン製の基板(サイズ1.8イ
ンチ、厚さ25ミル)を、中心線平均粗さRaが1.0
nmに鏡面研磨し、そして微粒子(アルミナ)を用いた
表−1に示す条件でテクスチャ処理(パウダービーム加
工)した。
【0022】尚、このテクスチャ処理は、図1に示すよ
うに行われる。図1中、1はガラス状カーボン製の基板
であり、この基板1は回転する駆動軸11の端部に固定
されており、一定の回転数(500rpm)で、あるい
はノズル12の位置に合わせて回転数をコントロールし
ながら回転する。ノズル12は、その噴出口が基板1に
対向すると共に、基板1の半径方向に細長い形状をして
おり、装置本体から供給される微粒子を基板1の表面に
向けて噴射する。そして、ノズル12は、基板1の半径
方向に移動することで、基板1の全面に微粒子を衝突さ
せる。尚、この処理は表と裏とで繰り返されるが、ノズ
ルを複数設けて表と裏とを同時に処理しても良い。
【0023】 表−1 微粒子平均粒径 微粒子噴出圧力 処理時間 (μm) (kg/cm2 ) (sec) 実施例1 1.0 2 10 実施例2 1.0 1 16 実施例3 2.0 2 16 実施例4 0.5 1 16 比較例1 0.2 1 16 このテクスチャ処理によって得られたカーボン製基板1
の表面特性は表−2に示す通りであった。
【0024】 表−2 PC50(本/mm) Rp(Å) 径方向のRa/周方向のRa 実施例1 43 95 1.3 実施例2 101 93 1.1 実施例3 40 110 1.1 実施例4 180 81 1.2 実施例5 63 84 1.3 実施例6 51 64 1.2 比較例1 27 51 1.1 この後、DCマグネトロンスパッタによりArガス雰囲
気中で100nm厚さのTi膜及び50nm厚さのCr
下地膜2をカーボン製基板表面に設け、次いで40nm
厚さのCoCrTa系の磁性膜3を設けた。続いて、ガ
ラス状カーボン製ターゲットを装着した対向ターゲット
型のスパッタ装置を用い、室内を排気し、そして2mT
orrのガス圧となるようArガスを導入し、磁性膜上
に150Å厚のガラス状カーボンからなる保護膜4を設
けた。
【0025】この後、CVD装置のチャンバ内に所定の
間隔を設けて立設し、チャンバ内を5×10-2Torr
に排気した後、分圧が10Torrのヘキサフルオロプ
ロペンと60Torrの酸素とを導入し、ArFエキシ
マレーザ(波長193nm)からのレーザ光(パワー1
50mJ、繰り返し速度2Hz)を12.5分間かけて
1500パルス照射した。尚、この間、磁気ディスクを
回転していた。
【0026】この後、チャンバ内に100Torrの大
気(湿度60%)を導入した。大気導入後、再び、チャ
ンバ内を1×10-2Torrに排気した後、分圧が10
Torrのヘキサフルオロプロペンと60Torrの酸
素とを導入し、上記と同じレーザ光を12.5分間かけ
て1500パルス照射した。合計3000パルスのレー
ザ光照射を行った。
【0027】尚、レーザ光は磁気ディスクに直接照射さ
れないように照射した。又、上記光CVD処理に際し
て、磁気ディスクの温度は室温(22℃)であった。以
上の工程により、保護膜4表面に化学結合により分子の
一部が固定された固定潤滑剤分子(18Å)と、潤滑剤
分子が表面には固定されていないフリー潤滑剤分子(1
1Å)との混成からなる厚さ29Åの混成潤滑剤膜5が
形成された。
【0028】尚、混成潤滑剤膜5が固定潤滑剤分子とフ
リー潤滑剤分子との混成からなることは、フッ素系溶剤
で10分間超音波洗浄することによる重量減少により確
認された。かつ、潤滑剤分子が残存していることはES
CA(VGサイエンス社製のESCALAB 200
C、AlKα線使用)分析により確認された。フリー潤
滑剤分子/固定潤滑剤分子の割合は重量比で9/20で
あった。又、混成潤滑剤膜5についてのESCA分析に
よればC1sについて294.8〜250eVにピークが
認められ、これは市販の潤滑剤の−(CF2O)n −(CF2C
F2O)m −の(CF2O)n ユニットのC1sスペクトルと一致
したので、潤滑剤分子は−(CF2O)n −の構造単位を有
するものであると考えられる。但し、−CF2O−由来と考
えられるC1s,F1s,O1sのスペクトル強度比は、C:
F:O=1.0:5.21:2.86なので、−(CF
2O)n −の構造単位以外のものが存在する可能性もあ
る。
【0029】〔実施例7〜12及び比較例2〜5〕密度
1.5g/cm3 、曲げ強度29.8kg/mm2 、弾
性率2500kgf/mm2 のガラス状カーボン製の基
板(サイズ1.8インチ、厚さ25ミル)を、中心線平
均粗さRaが1.0nmに鏡面研磨し、このカーボン製
基板上に、Arガス圧2〜3mTorr、カーボン基板
温度を225〜300℃の条件でDCマグネトロンスパ
ッタリングにより20〜60Å厚さのAl−1wt%S
i合金層を設けた。尚、このAl−1wt%Si合金層
は、下層部分が連続し、表面は多島海状の表−3に示す
表面特性のものであった。
【0030】 表−3 PC50(本/mm) Rp(Å) 径方向のRa/周方向のRa 実施例7 73 85 1.0 実施例8 115 128 1.1 実施例9 84 225 0.9 実施例10 180 78 1.0 実施例11 33 61 1.0 実施例12 53 63 1.0 比較例2 243 89 1.1 比較例3 28 155 1.0 比較例4 248 53 0.9 比較例5 27 85 1.0 この後、実施例1に準じて行い、磁気ディスクを得た。
【0031】尚、保護膜は、SiCを25at.%含有
したガラス状カーボンターゲットを用いて、磁性膜上に
150Å厚さ設けたSiC複合材からなる。 〔実施例13〜16及び比較例6,7〕密度1.5g/
cm3 、曲げ強度29.8kg/mm2 、弾性率250
0kgf/mm2 のガラス状カーボン製の基板(サイズ
1.8インチ、厚さ25ミル)を、中心線平均粗さRa
が1.0nmに鏡面研磨し、表−4に示す条件でテープ
テクスチャ処理を施した。
【0032】表−4 テープ;日本ミクロコーティング社製♯3000〜♯8
000フラットタイプ テープ送り速度;100〜600mm/分 加工圧力;1〜2kg/cm2 テープ揺動;0〜500往復/分 ローラゴム硬度;60度 ワーク回転数;50〜数百rpm 加工時間;5〜60秒 研磨液;ジョンソン製のJS602 3wt%研磨液 このテープテクスチャ処理によって得られたカーボン製
基板の表面特性は表−5に示す通りであった。
【0033】 表−5 PC50(本/mm) Rp(Å) 径方向のRa/周方向のRa 実施例13 51 235 1.4 実施例14 37 178 1.3 実施例15 195 210 1.3 実施例16 62 73 1.0 比較例6 12 205 1.3 比較例7 426 181 1.2 この後、実施例1に準じて行い、磁気ディスクを得た。
【0034】〔特性〕上記各例で得た磁気ディスクにつ
いて、CSSテスト、グライドハイトテストGHT、及
びエラー特性について調べたので、その結果を表−6に
示す。 表−6 CSSテスト 1.5μインチのGHT エラー特性 実施例1 0.4 S S 実施例2 0.6 S S 実施例3 0.6 S S 実施例4 0.6 S S 実施例5 0.5 S S 実施例6 0.4 S S 比較例1 1.8 S S 実施例7 0.6 S S 実施例8 0.5 A S 実施例9 0.4 B A 実施例10 0.6 S S 実施例11 0.6 S A 実施例12 0.5 S S 比較例2 1.8 S S 比較例3 1.8 B A 比較例4 1.6 S S 比較例5 1.8 S S 実施例13 0.5 A A 実施例14 0.7 A A 実施例15 0.6 A A 実施例16 0.4 S S 比較例6 2.0以上 B A 比較例7 2.0以上 A C *CSSテスト;ヤマハ社製の薄膜ヘッドを用い、ヘッ
ド荷重3.5g、ヘッド浮上量2.8μインチ、450
0rpmで5秒間稼働、5秒間停止のサイクルを2万回
繰り返して行い、その際の静摩擦係数の増加を調べた。
【0035】*GHT ;PROQUIP社製MG
150Tを用い、50%スライダヘッドを用いて行っ
た。1.5μインチの浮上高さの通過率が90%以上の
ものをS、通過率が50〜90%のものをA、通過率が
30〜50%のものをB、通過率が30%以下のものを
Cで表示した。 *エラー特性;PROQUIP社製のMG−150T装
置を用い、70%スライダーヘッドを使用し、記録密度
51KFCZの条件で評価した。スライスレベルは70
%とし、16ビット未満のミッシングエラーの個数をカ
ウントした。面当たり5個以内をS、6〜15個をA、
16〜45個をB、46個以上をCとした。この表−6
から、本発明になるものは、1.5μインチの極めて厳
しいGHT特性を満たし、かつ、CSSテストに優れた
結果を示していることが判る。すなわち、ヘッドと磁性
層との間のスペーシングロスを少なく出来、電磁変換特
性に優れているのみならず、耐久性にも優れたものであ
る。又、再生エラーや消去エラーが少なく、記録・再生
特性が優れたものであった。
【0036】尚、表−6からすると、PC50が30〜2
00本/mmの表面特性を有するようにするテクスチャ
処理はパウダービーム法かPVD法(スパッタ法)が好
ましい。
【0037】
【効果】極めて安定した高レベルのCSS耐久性を示
し、又、超低グライドハイト特性を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パウダービーム加工によるテクスチャ処理の概
略図
【図2】磁気ディスクの概略図
【符号の説明】
1 カーボン製基板 2 下地膜 3 磁性膜 4 保護膜 5 潤滑剤膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大突起高さRpから50Åの深さで切
    った時の山の数PC50が30〜200本/mmの表面特
    性を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 最大突起高さRpから50Åの深さで切
    った時の山の数PC50が30〜200本/mmの表面特
    性を有する支持体の上に磁性膜が設けられてなることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 Rpが50〜100Åであることを特徴
    とする請求項1または請求項2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体が磁気ディスクであり、径
    方向および周方向の凹凸が等方的であって、径方向の中
    心線平均粗さRa/周方向の中心線平均粗さRaが0.
    8〜2.0であることを特徴とする請求項1〜請求項3
    いずれかの磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5903531B2 (ja) * 2013-12-26 2016-04-13 Hoya株式会社 磁気ディスク用基板、磁気ディスク、及び磁気ディスクドライブ装置
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