JPH08273832A - 電界発光素子 - Google Patents

電界発光素子

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JPH08273832A
JPH08273832A JP7097668A JP9766895A JPH08273832A JP H08273832 A JPH08273832 A JP H08273832A JP 7097668 A JP7097668 A JP 7097668A JP 9766895 A JP9766895 A JP 9766895A JP H08273832 A JPH08273832 A JP H08273832A
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JP
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electron
thin film
electrode
organic thin
layer
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JP7097668A
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Inventor
Tomoyuki Shirasaki
友之 白嵜
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 背面電極に断線の発生しにくい構造の電界発
光素子を提供する。 【構成】 透明基板11上に、透明電極12、P型有機
系薄膜13、発光材料を含むN型有機系薄膜14が順次
積層され、N型有機系薄膜14を発光させるべき部分上
に、N型有機系薄膜14の電子親和力との差の小さい仕
事関数を有する材料でなる電子注入電極部15Aが形成
され、この電子注入電極部15Aを覆うように、N型有
機系薄膜14の電子親和力との差の大きい仕事関数を有
する材料でなる配線用電極部15Bが形成された構造と
したことにより、背面電極15全体をN型有機系薄膜1
4に接合させて形成することを可能にした。このような
構造であるため、背面電極15に断線が発生するのを防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電界発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電界発光素子としては、例えば図
7および図8に示すような有機薄膜材料を用いた電荷注
入型のEL発光素子が知られている。この電界発光素子
は、図8に示すように、ガラスなどでなる透明基板1上
に、ITO(Indium Tin Oxide)でなるアノード電極と
しての透明電極2が形成され、この透明電極2上に正孔
被注入層(正孔輸送層)としてのP型有機薄膜層3と、
発光材料を含む電子被注入層(電子輸送層)としてのN
型有機薄膜層4とが順次積層され、さらにN型有機薄膜
層4の上に例えばアルミニウムからなるカソード電極と
しての背面電極5が形成されている。なお、背面電極5
は、図7および図8に示すように、N型有機薄膜4に接
合する電子注入電極部5Aと、N型有機薄膜4との間に
絶縁膜6が介在された配線用電極部5Bと、からなる。
このような電界発光素子にあっては、背面電極5の配線
用電極部5Bの下に絶縁膜6を介在させて背面電極5と
N型有機薄膜4との接合界面を制限することにより、背
面電極5からN型有機薄膜4への電子注入領域を規定し
ている。この電界発光素子においては、透明電極2から
P型有機薄膜3へ正孔が注入され、背面電極5の電子注
入電極部5AからN型有機薄膜4へ電子が注入され、P
型有機薄膜3とN型有機薄膜4との界面付近で電子と正
孔とが再結合し、このときのエネルギーにより界面近傍
のN型有機薄膜4中の発光材料が励起されて、図9に示
すような発光領域Fで発光を起こすようになっている。
なお、この発光領域Fは、電子注入電極部5AがN型有
機薄膜4に当接する領域に相当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の電界
発光素子においては、図10に示すように背面電極5を
形成する場合に、N型有機薄膜4の上に絶縁膜6を積層
し、発光させる領域部分の絶縁膜6をエッチングして接
合用開口部6Aを形成した後、例えばアルミニウムなど
の電極材料をスパッタ法などにより堆積させている。こ
のような電界発光素子をディスプレイデバイスとして用
いて、集積度の高いディスプレイを作成する場合、電界
発光素子でなる画素部の微細化に伴い、絶縁膜6の接合
用開口部6Aのアスペクト比が高くなる。このため、ス
パッタ法などにより形成された背面電極5が接合用開口
部6Aの段差部分で断線を起こし、歩留りが低下すると
いう問題点がある。また、断線を起こさないにしても接
合用開口部6A内に形成された電子注入電極部分5A内
にボイドが形成され、配線として不安定なものとなるな
どの問題が生じる。また、絶縁膜6の形成に伴い素子表
面上に段差が形成されることにより、背面電極5のパタ
ーン形成の際にエッチング残りなどが生じて短絡などが
発生するという問題点があった。
【0004】この発明は、上記したような問題点に着目
して案出されたものであって、所定の発光領域以外で発
光が生じることがなく、背面電極の断線などの不都合が
生じることのない、信頼性の高い電界発光素子を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
相対向するアノード電極とカソード電極との間に、前記
カソード電極と接合するように電子被注入層を備え、前
記カソード電極から注入された電子と前記アノードから
の正孔とが再結合する領域が発光する電界発光素子にお
いて、前記カソード電極が、前記電子被注入層に電子を
注入する電子注入電極部と、前記電子注入電極部に一体
的に設けられた配線用電極部と、からなり、前記電子注
入電極部の仕事関数と前記電子被注入層の電子親和力と
の差が、前記配線用電極部の仕事関数と前記電子被注入
層の電子親和力との差より小さいことを特徴としてい
る。請求項2記載の発明は、前記電子注入電極部がマグ
ネシウムの蒸着またはマグネシウムと銀の共蒸着により
形成されてなり、前記配線電極部がアルミニウムでな
り、前記電子被注入層が有機系薄膜でなることを特徴と
している。請求項3記載の発明は、前記アノード電極と
前記電子被注入層との間に、正孔被注入層が介在されて
いることを特徴としている。請求項4記載の発明は、前
記電子被注入層または前記正孔被注入層に発光材料が含
まれていることを特徴としている。請求項5記載の発明
は、前記電子被注入層と前記正孔被注入層との間に、両
性輸送性を有する再結合層が介在されていることを特徴
としている。請求項6記載の発明は、前記電子被注入層
が、発光材料を含む両性輸送性材料でなり、かつ前記ア
ノード電極と接合していることを特徴としている。
【0006】
【作用】請求項1記載の発明おいては、電子注入電極部
の仕事関数と電子被注入層の電子親和力との差が、配線
用電極部の仕事関数と電子被注入層の電子親和力との差
より小さく設定されているため、カソード電極における
電子注入電極部のみが電子被注入層に電子を注入するこ
とが可能となる。すなわち、電子被注入層との電子注入
障壁は、電子注入電極部の方が配線用電極部より小さい
ため(仕事関数と電子親和力との差が小さいため)、電
子注入電極部から電子被注入層へ障壁を越えて電子を注
入させ得るバイアス以上で、配線用電極部から電子被注
入層へ障壁を越えて電子の注入が行われない程度のバイ
アスに設定することにより、電子注入電極部のみが電子
被注入層に電子を注入することができる。これにより、
電子が注入された領域が、発光領域となる。また、上記
作用を有するため、カソード電極を構成する部分である
配線用電極部が直接電子被注入層に接合していてもよ
い。このため、カソード電極を形成する際に段差が存在
せず、カソード電極に断線が起きることを防止すること
ができる。
【0007】請求項2記載の発明においては、例えば有
機アルミニウム薄膜などの有機系薄膜の電子親和力と、
マグネシウム(Mg)や、マグネシウムと銀(Ag)と
の共蒸着物などの仕事関数との差は、同電子親和力とア
ルミニウム(Al)の仕事関数との差に比べて小さく、
電子注入電極部では電子注入障壁が小さいといえる。こ
のため、電子注入電極部をマグネシウムや、マグネシウ
ムと銀との共蒸着物で形成し、配線用電極部をアルミニ
ウムで形成することにより、電子注入電極部のみから電
子被注入層へ電子を注入することが可能となる。なお、
例えばマグネシウムの仕事関数は、約3.66eVであ
り、アルミニウムの仕事関数は、約4.28eVであ
る。このとき、電子被注入層を構成する有機系薄膜がア
ルミニウム系の薄膜である場合は、その光電子放出のエ
ネルギーしきい値は、ほぼ3.2eV程度である。
【0008】請求項3記載の発明においては、アノード
電極と電子被注入層との間に、正孔被注入層が介在され
ているため、アノード電極から正孔被注入層へ正孔が注
入され、この正孔が、電子被注入層へ電子注入電極部か
ら注入された電子と、正孔被注入層と電子被注入層との
界面で再結合する。また、請求項4記載の発明において
は、電子と正孔の再結合の際に生じるエネルギーによ
り、界面近傍の発光材料が励起されて発光を起こす作用
がある。さらに、請求項5記載の発明においては、前記
電子被注入層と前記正孔被注入層との間に、両性輸送性
を有する再結合層が介在されているため、この再結合層
で電子と正孔が再結合する。
【0009】請求項6記載の発明においては、電子被注
入層が、発光材料を含み、かつアノード電極と接合する
ため、電子被注入層はカソード電極とアノード電極とに
挟まれた構成であり、カソード電極の電子注入電極部か
ら電子が注入されると共に、アノード電極から正孔が注
入されるという両性輸送層としての機能を有する。この
電子被注入層に含まれた発光材料は、正孔と電子との再
結合によるエネルギーで励起されて発光する。
【0010】
【実施例】以下、この発明に係る電界発光素子の詳細を
図面に示す実施例に基づいて説明する。図1〜図4は、
この発明の電界発光素子の実施例を示している。図1
(A)は本実施例の電界発光素子の平面図、(B)は図
1(A)のX−X断面図、図2は図1(A)のY−Y断
面図である。また、図4はこの電界発光素子を構成する
各層の電子物性を示すダイアグラムである。図中10
は、電界発光素子であって、その構造は図1(B)およ
び図2に示すように、ガラスなどでなる透明基板11上
に、ITOでなるアノード電極としての透明電極12が
形成され、この透明電極12上に正孔被注入層(正孔輸
送層)としてのP型有機系薄膜13、電子被注入層(電
子輸送層)としてのN型有機系薄膜14が順次積層さ
れ、N型有機系薄膜14上に、電子注入電極部15Aと
配線用電極部15Bとからなる背面電極15が形成され
ることにより、大略構成されている。特に、本実施例
は、背面電極15を複数の電子注入電極部15Aと、こ
れらの電子注入電極部15Aを覆う配線用電極部15B
とから構成した。また、電子注入電極部15Aの仕事関
数とN型有機系薄膜14の電子親和力との差が、配線用
電極部15Bの仕事関数とN型有機系薄膜14の電子親
和力との差より小さくなるように設定したことを特徴と
している。
【0011】P型有機系薄膜13は、透明電極12と背
面電極15との間に電界を与えられた状態において透明
電極12から正孔が効率よく注入され得るものであり、
かつ注入された正孔を効率よく輸送することができる材
料でなる。本実施例においては、このP型有機系薄膜1
3の材料としてポリNビニルカルバゾール(PVCz)
を用いている。このP型有機系薄膜13は、スピンコー
ト法、ディップコート法などの塗布方法や、真空蒸着な
どの方法により、透明電極12上に形成することができ
る。
【0012】N型有機系薄膜14は、透明電極12と背
面電極15との間に電界を与えられた状態において背面
電極15からの電子注入効率がよく、かつ注入された電
子を効率よくP型有機系薄膜13側に輸送することがで
きる材料であることが必要である。本実施例では、N型
有機系薄膜14として8−ヒドロキシキノリンのアルミ
ニウム錯体を用いている。そして、このN型有機系薄膜
14の電子親和力(光電子放出のしきい値と等しい)は
3.2eV程度である。なお、このN型有機系薄膜14
には、例えばクマリンなど発光材料が均一に混ぜられて
いる。このように、N型有機系薄膜14に発光材料を含
ませたことにより、電子と正孔とがP型有機系薄膜13
とN型有機系薄膜14との界面で再結合したときのエネ
ルギーで界面近傍の発光材料が励起されて発光を起こす
ようになる。
【0013】本実施例では、透明基板11上に、透明電
極12、P型有機系薄膜13、N型有機系薄膜14が順
次形成されたものに対し、図1(A)、(B)および図
2に示すような背面電極15が形成されている。この背
面電極15は、複数(5つ)の電子注入電極部15A
と、これらを一体的に覆うように形成された配線用電極
部15Bとからなる。電子注入電極部15Aは、仕事関
数が3.66eVであるマグネシウム(Mg)で形成さ
れている。また、配線用電極部15Bは、仕事関数が
4.28eVであるアルミニウム(Al)で形成されて
いる。図1に示すように、それぞれの電子注入電極部1
5Aは、比較的膜厚の薄い円形(円筒形)にパターン形
成されている。配線用電極部15Bは、N型有機系薄膜
14上に、これらの電子注入電極部15Aを覆うように
Alを堆積させた後、同図に示すようにパターン形成さ
れている。
【0014】ここで、この電界発光素子10において、
そのN型有機系薄膜14が部分的に電子被注入層(電子
輸送層)および発光層として機能する原理を、図4の電
子物性を示すダイアグラムを用いて説明する。なお、同
図においては、仕事関数、イオン化ポテンシャルおよび
電子親和力の絶対値、バンドギャップをそれぞれWf、
Ip、Ea、Bgで表している。また、P型有機系薄膜
(正孔輸送層)13をHTL、N型有機系薄膜(電子輸
送層)14をETLで表している。
【0015】正孔注入については、透明電極(アノー
ド)12の仕事関数WfとP型有機系薄膜13のイオン
化ポテンシャルHTLIpと差に相当する大きさをもっ
たエネルギー障壁が存在するものの、この障壁も外部電
界に対し十分に小さいことから、正孔注入は容易に行わ
れる。そして、P型有機系薄膜13内に注入された正孔
は、外部電界によりN型有機系薄膜14との界面まで移
動する。また、P型有機系薄膜13からN型有機系薄膜
14への正孔注入は、より正孔のポテンシャルが小さく
なる方向にあるのでむしろ自発的に進行する。
【0016】ところで、N型有機系薄膜14に接触する
背面電極15のうちの配線用電極部15BからN型有機
系薄膜14への電子注入は、配線用電極部15Bの仕事
関数Wf2とN型有機系薄膜14の電子親和力ETLE
aとの差に相当するエネルギー障壁(4.28−3.2
=1.08eV)が大きいため、印加するバイアスを大
きくしないかぎり電子注入が起こらない。一方、背面電
極15のうちの電子注入電極部15AからN型有機系薄
膜14への電子注入は、電子注入電極部15Aの仕事関
数Wf1とN型有機系薄膜14の電子親和力ETLEa
との差に相当するエネルギー障壁(3.66−3.2=
0.46eV)が小さいため、配線用電極部15Bに比
べて電子注入が起こり易くなっている。このため、背面
電極15に電子注入電極部15AからN型有機系薄膜1
4へエネルギー障壁を越えて電子を注入させ得るバイア
ス以上で、配線用電極部15BからN型有機系薄膜14
へエネルギー障壁を越えて電子の注入が行われない程度
のバイアスに設定することにより、電子注入電極部15
AのみがN型有機系薄膜14に電子を注入することが可
能となる。すなわち、電子が注入される領域は、電子注
入電極部15Aに接合する部分のN型有機系薄膜15A
だけであり、この領域のN型有機系薄膜15AとP型有
機系薄膜13とが接合する部分だけで電子と正孔の再結
合が起こる。このため、上記した再結合のエネルギーに
より、N型有機系薄膜14の電子が注入された領域内の
発光材料のみが選択的に励起されて発光を起こし、発光
領域を規定することができる。図3は、透明基板11の
下方から見た場合の発光領域Fを示しめしている。
【0017】上記したように本実施例においては、背面
電極15を電子注入電極部15Aと配線用電極部15B
とで構成し、N型有機系薄膜14の電子親和力と電子注
入電極部15Aの仕事関数との差が、N型有機系薄膜1
4の電子親和力と配線用電極部15Bの仕事関数との差
より小さくなるように設定した構成とした。このため、
電子注入電極部15Aの方が、配線用電極部15Bに比
べ、N型有機系薄膜14へ電子注入し易くなり、背面電
極15に電子注入電極部15AからN型有機系薄膜14
へエネルギー障壁を越えて電子を注入させ得るバイアス
以上で、配線用電極部15BからN型有機系薄膜14へ
エネルギー障壁を越えて電子の注入が行われない程度の
バイアスに設定すれば、電子注入電極部15AのみがN
型有機系薄膜14に電子を注入することが可能となっ
た。すなわち、N型有機系薄膜14に対して、電子注入
電極部15Aと配線用電極部15Bとを共に載せた状態
で形成することが可能となった。このため、従来のよう
に背面電極を形成する前に電子被注入層の上に絶縁膜を
形成し、さらにこの絶縁膜に背面電極と電子被注入層と
が接合するための開口部を形成するなど工程を省略する
ことが可能となった。また、絶縁膜により大きい段差が
形成されることがないため、背面電極の断線が発生する
という問題も回避することができる。また、仕事関数の
低い材料は一般に酸化しやすいという性質を有するが、
電子注入電極部15Aを配線用電極部15Bで覆う構造
としたことにより、AlがMgを保護して素子の信頼性
を向上させることができる。さらに、複数の電子注入電
極部15Aに対しての配線用電極部15Bからの電荷供
給を均一に行える利点がある。このため、本実施例の電
界発光素子をマトリクス表示素子の画素として用いた場
合に、各画素間に供給する電荷を均一にできるため、表
示品質を向上させることができる。
【0018】以上、実施例について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、構成の要旨に付随す
る各種の設計変更が可能である。例えば上記実施例で
は、発光材料をN型有機系薄膜14に導入したが、逆に
P型有機系薄膜13に導入してもよい。また、上記実施
例では、有機系薄膜を2層構造としたが、発光材料を含
む有機系薄膜を1層だけとする構造のものにも本発明を
適用することが可能である。さらには、P型有機系薄膜
とN型有機系薄膜との間に両性輸送性を有する有機系薄
膜を介在しても勿論よい。上記実施例では、P型有機系
薄膜13としてポリNビニルカルバゾールを適用した
が、この他、例えばポリシラン、シラザン化合物や、各
種の正孔輸送性を有する芳香族アミン系化合物や、ヒド
ラゾン化合物などを適用することが可能である。また、
上記実施例では、N型有機系薄膜14として8−ヒドロ
キシキノリンのアルミニウム錯体を適用したが、この
他、例えば上記アルミニウム錯体以外の金属錯体、テト
ラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物、シクロペン
タジエン誘導体などの周知の各種有機化合物を適用する
ことが可能である。さらに、上記実施例では、電子注入
電極部15Aを5つ設けた場合について説明したが、本
発明は当然ながらこの数に限定されるものではない。そ
して、上記実施例では電子注入電極部15Aをマグネシ
ウム(Mg)で形成したが、マグネシウムと銀(Ag)
とを共蒸着させたものを用いてもよい。
【0019】また、電子注入電極部15Aと配線用電極
部15Bのと材料の組み合わせは、上記実施例のように
マグネシウムとアルミニウムに限定されるものではな
く、接合する電子被注入層とのエネルギー障壁が小さい
材料と、大きい材料との組み合わせるものであればよ
い。例えば、図5に示すように、透明基板11上に、透
明電極12を形成し、この透明電極12上に有機発光薄
膜(8−ヒドロキシキノリン錯体を用いている)16を
形成し、この有機発光薄膜16に形成する電極17の材
料を各種変えた場合の電圧と電流との関係を調べると、
図6に示すような結果が得られる。図6のグラフから判
るように、所定の電圧値での電流値は電極材料により大
きく異なる。このことは、言い換えれば電極材料から有
機発光薄膜16への電子の注入能力が異なることであ
り、比較して電子注入能力の大きい材料を電子注入電極
部15Aとして用い、電子注入能力の小さい材料を配線
用電極部15Bとして用いれば上記実施例と同様に電子
注入電極部15Aに対応する部分だけを発光させること
が可能となる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、素子表面に絶縁膜の形成を省略できるた
め、カソード電極に断線や短絡が発生するのを防止する
効果がある。また、電子注入電極部が複数ある場合に、
各電子注入電極部に供給する電荷が均一になるという効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の電界発光素子の実施例を示す
平面図、(B)は(A)のX−X断面図。
【図2】図1のY−Y断面図。
【図3】本実施例の電界発光素子における発光領域を示
す平面図。
【図4】本実施例の電界発光素子の各部の電子物性を示
すエネルギーダイヤグラム。
【図5】背面電極の電圧と電流との関係を調べるための
電界発光素子の概略構造を示す説明図。
【図6】背面電極の電圧と電流との関係を示すグラフ。
【図7】従来の電界発光素子を示す平面図。
【図8】図7のZ−Z断面図。
【図9】従来の電界発光素子の発光領域を示す平面図。
【図10】従来の問題点を示す断面図。
【符号の説明】
10 電界発光素子 12 透明電極 13 P型有機系薄膜 14 N型有機系薄膜 15 背面電極 15A 電子注入電極部 15B 配線用電極部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向するアノード電極とカソード電極
    との間に、前記カソード電極と接合するように電子被注
    入層を備え、前記カソード電極から電子が注入された電
    子と前記アノード電極からの正孔とが再結合する領域が
    発光する電界発光素子において、 前記カソード電極が、前記電子被注入層に電子を注入す
    る電子注入電極部と、前記電子注入電極部と一体的に設
    けられた配線用電極部と、からなり、前記電子注入電極
    部の仕事関数と前記電子被注入層の電子親和力との差
    が、前記配線用電極部の仕事関数と前記電子被注入層の
    電子親和力との差より小さいことを特徴とする電界発光
    素子。
  2. 【請求項2】 前記電子注入電極部がマグネシウムの蒸
    着またはマグネシウムと銀との共蒸着により形成されて
    なり、前記配線電極部がアルミニウムでなり、前記電子
    被注入層が有機系薄膜でなることを特徴とする請求項1
    記載の電界発光素子。
  3. 【請求項3】 前記アノード電極と前記電子被注入層と
    の間に、正孔被注入層が介在されていることを特徴とす
    る請求項1記載の電界発光素子。
  4. 【請求項4】 前記電子被注入層または前記正孔被注入
    層に発光材料が含まれていることを特徴とする請求項3
    記載の電界発光素子。
  5. 【請求項5】 前記電子被注入層と前記正孔被注入層と
    の間に、両性輸送性を有する再結合層が介在されている
    ことを特徴とする請求項3記載の電界発光素子。
  6. 【請求項6】 前記電子被注入層は、発光材料を含む両
    性輸送性材料でなり、かつ前記アノード電極と接合して
    いることを特徴とする請求項1記載の電界発光素子。
JP7097668A 1995-03-31 1995-03-31 電界発光素子 Pending JPH08273832A (ja)

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