JPH08263149A - 電圧自動切換方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 低圧用と高圧用のスイッチングレギュレータ
の電源電圧を切換える電源電圧自動切換方法と装置に関
し、異なる電圧に対応するスイッチングレギュレータを
備えた複数種類の電子機器を混載生産する場合におい
て、自動的に適正なＡＣ電圧を供給し、機能等の検査を
迅速に行える電圧自動切換方法及び装置を提供する。 【構成】 低圧電源が印加されたスイッチングレギュレ
ータ２０への入力電流を検出する入力検出手段１００
と、入力検出手段１００の出力の立上り時間が所定時間
以上であるか否かを判別する時間判別手段２００と、時
間判別手段２００の出力が上記所定時間より長い場合に
低圧電源印加状態を維持し、短い場合には高圧電源に印
加状態を切換え制御する電圧切換制御手段３００と、電
圧切換制御手段３００によって制御される低圧電源と高
圧電源を選択的に切換える電源電圧選択手段４００とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電源電圧自動切換回路に
関し、特に、低圧用と高圧用のスイッチングレギュレー
タの電源電圧を切換える電源電圧自動切換方法と装置に
関するものである。

【０００２】

【従来技術】近年の電子機器は、商用のＡＣ電源を接続
するだけで作動させることができるようにスイッチング
レギュレータを内蔵するものが増加している。この場
合、仕向先国等あるいは用途に応じた電圧のＡＣ電源電
圧用のスイッチングレギュレータが用いられることにな
る。

【０００３】このような状況下で複数種類の電子機器を
混載生産する場合、生産ラインには電源電圧の異なるス
イッチングレギュレータを内蔵した電子機器が流れるこ
とになる。従って、例えば、ＡＣ１００Ｖ用のスイッチ
ングレギュレータを備えた電子機器およびＡＣ２００Ｖ
用のスイッチングレギュレータを備えた電子機器を混載
生産する場合に、各電子機器の機能等を検査するため
に、従来はＡＣ１００Ｖの電源装置とＡＣ２００Ｖの電
源装置をスイッチングレギュレータの使用電圧に応じて
交換接続し、電圧を供給するようにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のよう
に、スイッチングレギュレータの電源電圧に応じて電源
装置を交換接続する場合は、煩雑な作業を必要とするば
かりか、もし、誤って間違った電源装置を接続し、低圧
電源用のスイッチングレギュレータに高圧の電源電圧を
供給してしまうと電子機器の部品を破壊するおそれがあ
るので、取扱いに細心の注意を払う必要があった。

【０００５】例えば、ＡＣ２００Ｖ用スイッチングレギ
ュレータにＡＣ１００Ｖの電源電圧を供給した場合に
は、突入電流しか流れないので部品を破壊する心配はな
いが、一方、ＡＣ１００Ｖ用スイッチングレギュレータ
にＡＣ２００Ｖの電源電圧を供給してしまうと広範囲に
部品を破壊することになる。

【０００６】また、実開平２−１１１８１８号公報に
は、電子機器側に電圧切換回路を内蔵し、ユーザーが高
圧、あるいは低圧のいずれのＡＣ電源を接続しても即座
に適正な電圧に換えて対応できるようにした構成が開示
されている。ところが、スイッチングレギュレータに加
えて上記のような電圧調整回路を各電子機器に付加する
ことはコストアップになり、全ての電子機器にそのよう
な回路が備えられているわけではなく、上述したような
問題点を解決することはできない。

【０００７】また、上記のような電圧切換回路は、個々
の電子機器にそれぞれ設けられるものであるため、適用
されている電子機器に固有の入力電圧に切り換えるよう
構成されており、従って直接入力電圧を検出し、該検出
結果がその電子機器固有の電圧になってないときには、
該入力電圧を固有の電圧になるよう切り換えるように構
成する。

【０００８】ところが、上記のように電子機器の種類あ
るいは仕向国によりそれぞれ異なる電圧を供給する必要
がある場合においては、上記のような電圧切換回路を適
用することはできない。

【０００９】本発明は上記従来の事情に鑑みて提案され
たものであって、異なるＡＣ電圧用のスイッチングレギ
ュレータを備えた複数種類の電子機器を混載生産する場
合において、自動的に適正なＡＣ電圧を供給し、機能等
の検査を迅速に行える電圧自動切換方法及び装置を提供
することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の手段を採用している。すなわち、スイ
ッチングレギュレータに対して、適正圧の電源を印加し
た場合と、適正圧より低圧の電源を印加したときの入力
電流の立上りから立下りまでの時間の長さの相違に応じ
て、上記スイッチングレギュレータの電源電圧を切換え
るようにしたものである。

【００１１】上記方法を実現するために本発明は図１に
示すように、低圧電源が印加されたスイッチングレギュ
レータ２０への入力電流を検出する入力検出手段１００
と、上記入力検出手段１００の出力の立上りから立下り
までの時間が所定時間以上であるか否かを判別する時間
判別手段２００と、上記時間判別手段２００の出力が上
記所定時間より長い場合に低圧電源印加状態を維持し、
短い場合には高圧電源に印加状態を切換え制御する電圧
切換制御手段３００と、上記電圧切換制御手段３００に
よって制御される低圧電源と高圧電源を選択的に切換え
る電源電圧選択手段４００とより構成している。

【００１２】また、上記時間判別手段２００は上記入力
検出手段１００の出力の立上りより所定時間を計数する
タイマ２３と、上記入力検出手段１００の出力の立上り
を検出する立上り検出手段２４と、上記入力検出手段１
００の出力の立下りを検出する立下り検出手段２６と、
上記立上り検出手段２４の出力の立上りより上記所定時
間内に発生する立下り信号を通過させ、電圧切換制御手
段３００を起動するスイッチ手段Ｑ₆ とよりなる構成と
する。

【００１３】

【作用】スイッチングレギュレータに適正な電源電圧を
印加した場合には所定の電流が継続して流れることにな
るが、印加される電源電圧が極端に低い場合（例えば半
分である場合）には電源電圧を印加した瞬間に突入電流
しか流れないことになる。

【００１４】そこで、電源電圧選択手段４００は低圧電
源（１００Ｖ）が初期設定されている。この状態で低圧
用スイッチングレギュレータ２０が接続されると、入力
検出手段１００がその出力を“Ｈ”とするとともに、そ
の状態を継続する。

【００１５】時間判別手段２００がこの入力検出手段１
００の“Ｈ”出力が所定時間より長いと判断したときに
は、適正電圧のスイッチングレギュレータ２０が接続さ
れているときであるので、上記電源電圧選択手段４００
の上記初期状態を変更する必要はない。従って、このと
きは、電圧切換制御手段３００は作動しない。

【００１６】スイッチングレギュレータ２０に対して適
正電圧より著しく低い電源電圧が印加されたときには、
スイッチングレギュレータ２０には突入電流しか流れ
ず、従って入力検出手段１００の出力もそれに対応した
短い時間“Ｈ”となる。そこで、時間判別手段２００が
上記入力検出手段１００の“Ｈ”出力が所定時間より短
いと判断したときには、高圧電源用のスイッチングレギ
ュレータ２０が接続されているときであるので、電圧切
換制御手段３００は電源電圧選択手段４００を高圧電源
選択状態にする。

【００１７】

【実施例】図２は本発明の一実施例ブロック図、図３は
低圧（例えばＡＣ１００Ｖ）用スイッチングレギュレー
タ接続時のタイムチャート、図４は高圧（例えばＡＣ２
００Ｖ）用スイッチングレギュレータ接続時のタイムチ
ャートである。

【００１８】電源電圧選択手段４００としてのリレーＲ
Ｌ１は初期状態として低圧電源を選択するようになって
いる。この状態で、低圧電源用スイッチングレギュレー
タ２０が誤接続報知ブザー１０とリレーＲＬ１を介して
低圧電源に接続される。

【００１９】ここで、スイッチングレギュレータ２０の
スイッチＳＷが図３(a) に示すように、時刻ｔ₁₀でオン
にされると、リレーＲＬ１を流れるＡＣ低圧電流はスイ
ッチングレギュレータ２０に入力されるとともに、検出
手段１００を構成する検出コイル１３より電流検出手段
１１に入力され電流が検出される。

【００２０】この出力は図３(d) に示すように、コンパ
レータ１２に入力されて適正な電圧に変換され、時間判
別手段２００を構成する立上り検出手段２４に入力され
る。これによって立上り検出手段２４は、スイッチング
レギュレータ２０のスイッチをオンしたときに線路に流
れる電流（図３(c))の立上りを検出し、図３(e) に示す
ようにその出力を“Ｈ”にする。この立上り検出手段２
４の“Ｈ”出力は、後に説明する立下り遅延リセット手
段２５によってリセットされる。

【００２１】上記タイマ２３は上記電流検出手段１１に
よる検出電流の立上りによって起動し、所定時間ｔ
₁ （例えば200ms)を計数する。タイマ２３が上記所定時
間ｔ₁ を計数すると、図３(h) に示すように、その出力
を立上げ、このときスイッチＱ₆をオフにして立下り検
出手段２６の出力を遮断する。この状態は後に説明する
立下り遅延リセット手段２５によってリセットされる。

【００２２】次いで、時刻ｔ₁₁でスイッチングレギュレ
ータ２０のスイッチＳＷをオフにすると、リレーＲＬ１
に流れる電流もオフになる。これによって図３(d) に示
すコンパレータ１２の出力が“Ｌ”に立下がったとき
（電流検出手段１１の出力が“Ｌ”になってから、コン
パレータ１２内の時定数によって所定時間ｔ₀ 〔例えば
100ms 〕遅れて立下がる）、立下り検出手段２６がその
立下りを検出して図３(f) に示すように、その出力を
“Ｈ”とする。この立下り検出手段２６の状態はコンパ
レータ１２の出力が再び“Ｈ”に立上るか、または立上
り検出手段２４が立下り遅延リセット手段２５によって
リセットされる迄継続する。

【００２３】上記立下り検出手段２６の出力は次段のス
イッチＱ₆ がオンである限りにおいて電圧切換制御手段
３００に入力されるが、該スイッチＱ₆ はタイマ２３が
作動中（タイマ２３の出力が“Ｌ”）のときのみオンと
なる。従って、上記のように低圧用スイッチングレギュ
レータ２０を接続した場合には、立下り検出手段２６が
“Ｈ”となっているときに、スイッチＱ₆ がオンになる
ことはないので、リレーＲＬ１は低圧電源を供給する状
態を維持する。

【００２４】コンパレータ１２の出力は立下り遅延リセ
ット手段２５にも入力され、コンパレータ１２の出力が
立上ると、図３(j) に示すように立下り遅延リセット手
段２５の出力は一旦“Ｌ”となる。次いで、コンパレー
タ１２の出力が立下ると、所定時間ｔ₂ 後（図３では20
0ms 後）に立上り検出手段２４、タイマ２３及び電圧切
換制御手段３００にリセットをかけるようになってい
る。

【００２５】図４は高圧用（例えば２００Ｖ）のスイッ
チングレギュレータを接続した場合のタイムチャートを
示すものである。まず、リレーＲＬ１の接点は低圧側に
初期設定されており、高圧用のスイッチングレギュレー
タ２０を接続した場合にもこの状態は変わりない。しか
しながら、高圧用スイッチングレギュレータ２０に低圧
用電源を接続した状態でスイッチングレギュレータ２０
のスイッチＳＷをオンにした場合には、図４(c) 時刻ｔ
₂₀に示すように、突入電流しか流れない。この突入電流
対応の電圧は、図４(d) に示すように、コンパレータ１
２で所定時間（すなわちコンパレータ１２の時定数に対
応した時間）ｔ₀ 保持されて、立下る。

【００２６】次段の立上り検出手段２４は図４(e) に示
すように、上記突入電流に対応して、その出力を立上
げ、上記低圧用電源を用いた場合と同様、立下り遅延リ
セット手段２５によってリセットされる。

【００２７】一方、立下り検出手段２６は上記所定時間
ｔ₀ 経過後に立下がる図４(d) に示すコンパレータ出力
を受けて、図４(f) に示すようにその出力を立上げる。
一方、上記時刻ｔ₂₀のコンパレータ１２の立上げ出力に
よってタイマ２３が起動され、所定時間ｔ₁ 計数後にそ
の出力を立上げる。このタイマ２３の設定時間ｔ₁ は上
記コンパレータ１２の時定数に対応した所定時間ｔ₀ よ
り大きな値に設定されているので、上記のように立下り
検出手段２６が“Ｈ”になった時点でスイッチＱ₆ はオ
ンとなっており、図４(i) に示すように、立下り検出手
段２６の出力を電圧切換制御手段３００に入力する。

【００２８】これによって、電圧切換制御手段３００は
リレーＲＬ１を低圧用電源から高圧用電源に切換えると
ともに、高圧切換報知手段３１がその旨報知する。以後
立下り遅延リセット手段２５によって電圧切換制御手段
３００がリセットされるまで上記高圧用電源印加状態は
維持される。このように高圧用電源に切り換わると、そ
の後コンパレータ１２の出力が図４の時刻ｔ₃₀に示すよ
うに再び“Ｈ”となり、立下り検出手段の出力は“Ｌ”
となる。

【００２９】ここで、上記コンパレータ１２の立下り出
力は立下り遅延リセット手段２５にも入力されるが、所
定時間（コンパレータ１２の立下りから該立下り遅延リ
セット手段２５が立上る迄の時間）ｔ₂ 以内に上記（時
刻ｔ₃₀）で再び“Ｈ”となるので、立下り遅延リセット
手段２５の出力は所定時間ｔ₂ 後においても“Ｈ”とは
ならず、従って、立上り検出手段２４、タイマ２３及び
電圧切換制御手段３００にはリセットはかからない。
尚、図４ではタイマ設定時間ｔ₁ と上記所定時間ｔ₂ と
は同じ値に設計されている。また、スイッチングレギュ
レータ２０のスイッチＳＷがオフにされて後の動作は図
３に示す場合と同様となる。

【００３０】尚、上記誤接続報知ブザー１０は低圧用の
線路に設けられ、該低圧用の線路に高圧用の電源が接続
されたときに警報を発して、部品等の破壊を防止するよ
うになっている。

【００３１】

【発明の効果】以上本発明は高圧電源用スイッチングレ
ギュレータを低圧電源に接続したときに突入電流しか流
れないことを利用して、被試験対象となるスイッチング
レギュレータが低圧電源用か高圧電源用かを判断し、正
規の電圧の電源を投入するようになっているので、安価
な回路で簡単に、しかも確実にスイッチングレギュレー
タに正規の電圧を印加することができることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理図である。

【図２】本発明の一実施例ブロック図である。

【図３】図２のタイムチャートである。

【図４】図２のタイムチャートである。

【符号の説明】

１１ 電流検出手段 １２ コンパレータ ２０ スイッチングレギュレータ ２３ タイマ ２４ 立上り検出手段 ２６ 立下り検出手段 １００ 入力検出手段 ２００ 時間判別手段 ３００ 電圧切換制御手段 ４００ 電源電圧選択手段 Ｑ₆ スイッチ手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スイッチングレギュレータに対して、適
   正圧の電源を印加した場合と、適正圧より低圧の電源を
   印加したときの入力電流の立上りから立下りまでの時間
   の長さの相違に応じて、上記スイッチングレギュレータ
   の電源電圧を切換える電圧自動切換方法。
2. 【請求項２】 低圧電源が印加されたスイッチングレギ
   ュレータへの入力電流を検出する入力検出手段と、 上記入力検出手段の出力の立上りから立下りまでの時間
   が所定時間以上であるか否かを判別する時間判別手段
   と、 上記時間判別手段の出力が上記所定時間より長い場合に
   低圧電源印加状態を維持し、短い場合には高圧電源に印
   加状態を切換え制御する電圧切換制御手段と、 上記電圧切換制御手段によって制御される低圧電源と高
   圧電源を選択的に切換える電源電圧選択手段と、よりな
   る電圧自動切換装置。
3. 【請求項３】 上記時間判別手段が上記入力検出手段の
   出力の立上りより所定時間を計数するタイマと、 上記入力検出手段の出力の立上りを検出する立上り検出
   手段と、 上記検出手段の出力の立下りを検出する立下り検出手段
   と、 上記立上り検出手段の出力の立上りより上記所定時間内
   に発生する立下り信号を通過させ、電圧切換制御手段を
   起動するスイッチ手段を備えた請求項２に記載の電圧自
   動切換装置。