JPH08258018A - 粉末成形金型 - Google Patents

粉末成形金型

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JPH08258018A
JPH08258018A JP8864995A JP8864995A JPH08258018A JP H08258018 A JPH08258018 A JP H08258018A JP 8864995 A JP8864995 A JP 8864995A JP 8864995 A JP8864995 A JP 8864995A JP H08258018 A JPH08258018 A JP H08258018A
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JP
Japan
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die
punch
lower punch
upper punch
fixing jig
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JP8864995A
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Toshimasa Tomokiyo
寿雅 友清
Susumu Mizunuma
晋 水沼
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はセラミックス粉末や金属粉末を原料
として、大型の複雑形状部品の製造に用いられる静水圧
成形用粉末成形金型並びにそれを用いた粉末成形方法に
関する。 【構成】 粉末を所定の形状に成形するための金型の金
型を構成するダイスが加圧方向と垂直な方向に分割可能
とした機構にするとともに、粉末を充填した金型内部を
減圧することが可能な粉末成形金型を用い、この金型を
ゴム型等に封入すること無く直接CIP装置中に挿入し
加圧成形することにより目的とする製品形状に近い粉末
成形体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス粉末や金属
粉末を原料として、大型で、かつ複雑形状を有する成形
体の製造に用いられる静水圧成形による粉末成形方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属、セラミックス等の粉末
を原料として金型プレス成形、焼結を行い最終製品を得
る技術は粉末製品の製造方法としてよく用いられてい
る。
【0003】しかし、断面形状の大きな製品に対して金
型プレス成形を適用する場合、目標とする成形体密度を
得るために適正な成形圧力を負荷するには大型のプレス
機が必要となってくる。
【0004】通常、大型製品の成形には冷間静水圧加圧
法(CIP法)が用いられているが、CIP法では成形
型としてゴム等の弾性体を用いるため、成形後の寸法精
度は金型プレス成形よりも劣る。
【0005】このため、高寸法精度でかつ大型の部材を
成形するには粉末材料を充填した金型をCIP浴中で成
形すれば可能になるものと考えられる。
【0006】しかし、この成形方法では圧力媒体である
液体が金型内に流入するのを防ぎ、かつ圧力を十分に伝
達する事の可能な容器で金型を包み込む必要がある。
【0007】さらに、金型を包み込んだ容器内部は十分
に圧力が伝達されるように減圧状態にすることが重要で
あるが、単純に通常のゴム型で封入しただけでは成形中
に金型を構成するパンチの摺動によりパンチとダイス間
へのゴムの巻き込み等により引裂等の可能性も生じてく
る。
【0008】このように通常の金型を用いてCIP浴中
で加圧成形を行うためには金型の容器内への真空封入方
法に対して多くの課題が残る。
【0009】上記の金型を用いたCIP浴中での成形を
実現させるために、本発明者らは、粉末を所定の形状に
成形するための金型を、粉末を充填した金型内部を減圧
にすることを可能にする粉未成形金型を用いることによ
って、たやすく粉末成形体を製造する粉末成形方法を先
に提案(特願平06―076217)した。
【0010】ところがこの技術による場合に、対象とす
る成形体が大型になったときに、加圧成形後、ダイスか
ら成形体を抜き出す時に割れが発生し、健全な成形体が
得られない問題が生じた。
【0011】これは、ダイスから成形体を抜き出す場合
には、パンチを移動させることによりダイスから成形体
を押し出すのであるが、ダイスによって拘束された成形
体が抜き出し時に加圧方向と垂直の方向に膨張(スプリ
ングバック)するためである。
【0012】さらに成形体のサイズが大きくなるとこの
スプリングバック量が大きくなるため成形体がより割れ
やすくなる。
【0013】このような成形体のスプリングバックに起
因する成形体の割れ防止方法として、通常の金型プレス
成形においては種々の方法が検討され提案されている。
【0014】たとえば、特開昭58―41700号公報
では金型の上パンチと側板との間の隙間の寸法を0.0
3〜0.1mm望ましくは0.04〜0.07mmに設
定した金型を用いて粉末を加圧することにより、圧縮中
に粉末内の空気が外部へ技けるため割れのない細長い棒
状の粉末成形体をプレス成形により得ることが可能であ
るとしている。
【0015】また、特公平3―37478号公報では円
形形状成形体用プレス金型において、金型のダイスを分
割した部材で構成することにより成形後の除圧時に、プ
レス成形方向と垂直な方向に成形体が膨張しても、これ
を回避することができクラックの発生なしに成形が可能
であるとしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法の提案によ
り、金型プレス法では割れのない成形体の製造が可能と
なり、これらの方法は有効ではあるが、金型を用いた静
水圧成形に適用するには以下の問題が残る。
【0017】すなわち、上記の特開昭58―41700
号公報に記載された方法は図9に示すように、金型の上
パンチ1と側板3との間の隙間の寸法Cを0.03〜
0.1mm望ましくは0.04〜0.07mmに設定し
た金型を用い粉末を加圧する方法であるが、この場合、
上パンチ1と側板3との間の隙間を0.04〜0.07
mmと設定するため粉末の粒径が0.04mm以下の場
合には、加圧成形中に粉末は上パンチ1と側板3の隙間
に入る可能性があり、粉末の種類によっては上パンチ1
と側板3に焼付きを発生させる恐れがあり、成形可能と
なる粉末の種類、粒径に制限が生じる。さらに、上パン
チ1の圧縮方向と垂直方向への成形体の膨張に関しては
その対処ができない。
【0018】また、特公平3―37478号公報に記載
された方法は図10に示すように、円形形状成形体用プ
レス金型において、金型のダイスをパンチの加圧方向と
垂直な方向に分割した部材により構成する方法である
が、この場合、粉末充填時にはプレス成形方向と垂直な
方向に加圧を行い、分割ダイスを固定して粉末を充填
し、加圧成形時にはプレス成形方向およびプレス成形方
向と垂直な方向の両方向から加圧を行い、除荷時には両
方向同時に除荷を行っている。
【0019】このように方向によって加圧状態が異なる
ため、常にあらゆる方向から等しい圧力が作用するCI
P浴中においてはこのような加圧状態を実現することは
不可能なため、この方法を適用することはできない。
【0020】このように、金型を用いた静水圧成形にお
いて、大型成形体のスプリングバックによる割れを防止
する技術として従来の金型成形法で提案された技術をそ
のまま適用することはできない。
【0021】従って、本発明は金型を用いた静水圧成形
においても、成形後の成形体のスプリングバックによる
割れを防止して、たやすく大型の粉末成形体を得るため
の成形技術を開発することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するため金型を構成するダイスが加圧方向と垂直な
方向に分割可能とした機構とし、成形後、成形体の抜き
出し時にダイスを分解することにより加圧方向と垂直な
方向への成形体のスプリングバックを回避するものであ
って、粉末を充填した金型のCIP浴中における成形後
のダイスからの成形体抜き出し時に発生する割れの防止
を可能にし、大型の粉末成形体を得ることを特徴とす
る。
【0023】すなわち、本発明の要旨とするところは
(1)ダイス(1)と、このダイスの内周面に摺動自在
に内接する上パンチ(2)および下パンチ(3)、該上
パンチ(2)および下パンチ(3)と前記ダイスとの相
対位置を規定するための上パンチ固定治具(4)、下パ
ンチ固定治具(5)、さらに該上パンチ固定治具(4)
および下パンチ固定治具(5)を前記ダイス(1)と固
定するための固定部材(9)から固定される金型であっ
て、前記ダイス(1)はパンチの加圧方向と垂直な方向
に4個以上に分割された部材(1A、1B、1C、1
D)と分割された部材を一体のダイスとして固定するた
めの固定部材(10)とから構成し、前記ダイス(1)
の外周面と、該上パンチ固定治具(4)および下パンチ
(5)と前記ダイス(1)との接触面とを一体に被覆す
る厚肉弾性体(8)を配置すると共に、前記上パンチ
(2)と前記上パンチ固定治具(4)との摺動面、並び
に前記下パンチ(3)と前記下パンチ固定治具(5)と
の摺動面にはシール部材(6)(7)を配置し、かつ、
前記上パンチ(2)の摺動面(2X)と前記上パンチ
(2)の加圧面(2Y)の間、あるいは前記下パンチ
(3)の摺動面(3X)と下パンチ(3)の加圧面(3
Y)の間の少なくとも一方に貫通穴を設け、更に上パン
チ又は下パンチの加圧面(2Y又は3Y)の外方廷長部
には排気バルブを設けたことを特徴とする、粉末充填部
を減圧状態にすることが可能な粉末成形金型にある。
【0024】
【作用】以下、本発明に従う粉末成形金型および静水圧
成形(CIP)による粉末成形方法について詳細に説明
する。
【0025】図1〜3は本発明に従う粉末成形金型の一
例を示すものである。簡単のため、金型は四角形断面の
軸対称形状とした。
【0026】この粉末成形金型はダイス1、上パンチ
2、下パンチ3、上パンチ固定治具4、下パンチ固定治
具5、シール部材としてのO―リング6、7、および厚
肉の弾性体8、固定部材としての固定ボルト9および1
0、排気バルブ11より構成される。なお、12は粉末
材料である。
【0027】ダイス1は、4個の部材1A、1B、1
C、1Dより構成され、各部材には各部材を一体のダイ
スとして固定するためのボルト穴が設けられ、固定ボル
ト10により4個の各部材が一体に固定されダイス1と
して成形体の側面形状を規定する。
【0028】さらに、ダイス1の上下面には厚肉弾性体
8を介して上パンチ固定治具4および下パンチ固定治具
5を固定するためのボルト穴が設けられている。
【0029】ダイス1のパンチの加圧方向と垂直な方向
の分割数が4未満になると、成形後の成形体抜き出し時
に生じるパンチの加圧方向と垂直な方向のスプリングバ
ックを回避することが困難になり、成形体に割れを発生
させる恐れがある。
【0030】また、ダイス1のパンチの加圧方向と垂直
な方向の分割数が4以上ではスプリングバックの回避が
可能となり割れの無い成形体を得ることができるが、そ
の分割数が多くなると上ダイスの組立に時間を要するこ
とになる。
【0031】このため、上ダイス2のパンチの加圧方向
と垂直な方向の分割数は4〜8が適当である。
【0032】図4にはパンチの加圧方向と垂直な方向の
分割数が8の場合の例を示す。図4に示す成形体形状の
場合には、図5に示すように分割数が4でもスプリング
バックを回避することは可能であるが、分割金型を構成
する部材の形状が複雑となり、金型の製作における難易
性、コストに問題が生じることもあり、このような成形
体形状では図4に示した金型構造の方が望ましい。
【0033】成形体形状が複雑になるとスプリングバッ
ク回避のために、加圧方向と垂直な方向の分割数をさら
に増やす必要も生じてくるが、分割数の増加よりもむし
ろ成形体形状を単純化して成形した後に成形体を加工し
た方が総コストは下がることもあり、加圧方向と垂直な
方向の分割数が8より多くなる場合には生産性、コスト
との兼ね合いにより決定する必要がある。
【0034】成形体の上面形状を規定する上パンチ2
は、上パンチ固定治具4に保持され、上パンチ固定治具
4と上パンチ2との摺動面にはシール部材であるO―リ
ング6が設けられ両者の間をシールする。
【0035】また、上パンチ2の内部には、上パンチ2
の上パンチ固定治具4又はダイス1との摺動面2Xと上
パンチの加圧面2Y(上面)との間に貫通穴を設けると
ともに貫通穴の加圧面2Yからの外方廷長部には排気バ
ルブ11を設けている。
【0036】なお、上パンチ2の摺動面2Xに設けた貫
通穴の開口位置は、上パンチ固定治具4に設けたO―リ
ング6の位置よりも上パンチ2の圧縮面2Z側、即ちO
―リング6の位置よりも粉末材料9に近い側に設ける。
【0037】上パンチ2の摺動面2Xに設けられた貫通
穴の位置が上パンチ2と接触するべく設けたO―リング
6の位置よりも加圧面2Y側になると、ダイス1、上パ
ンチ2および下パンチ3により形成される粉末充填部の
減圧を行うことが不可能となり、適正な成形を行うこと
ができなくなる。
【0038】成形体の下面形状を規定する下パンチ3
は、下パンチ固定治具5に保持され、下パンチ固定治具
5と下パンチ3との摺動面にはシール部材であるO―リ
ング7が設けられ、両者の間をシールする。
【0039】図1〜3において、上パンチ固定治具4の
加圧側面4Yと上パンチ2の加圧面2Yとの間隔(以
下、突出量A)および下パンチ4固定治具5の加圧側面
5Yと下パンチ3の加圧面3Yとの間隔(以下、突出量
B)は粉末圧縮時の上パンチ2および下パンチ3の上下
方向の移動間隔(以下圧下量)よりも大きくなければな
らない。
【0040】これは、突出量AおよびBが上パンチ2お
よび下パンチ3の圧下量よりも小さくなると、加圧成形
後に上パンチ2および下パンチ3の摺動面2X、3Xが
O―リング6および7の位置よりも圧縮面側に深く移動
する可能性があり、この場合には圧力媒体である液体が
金型内部に浸入し、健全な成形体が得られなくなるため
である。
【0041】したがって、上パンチ2および下パンチ3
の突出量AおよびBは加圧成形後においても10mm以
上は必要である。
【0042】上パンチ固定治具4には前記O―リング6
を挿入する溝41、およびダイス1との接触面に配置す
る厚肉弾性体8の端部を固定するための溝42を設ける
ことが好ましい。
【0043】下パンチ固定治具5には前記O―リング8
を挿入する溝51およびダイス1との接触面に配置する
厚肉弾性体8の端部を固定するための溝52を設けるこ
とが好ましい。
【0044】シール部材6、7は弾性体であるアクリル
ニトリルゴム、ラテックスゴム、ブチルゴム、シリコン
ゴム、ウレタンゴム等のゴム材質からなり、その機械的
特性は、CIP浴内での加圧成形に耐えうるものである
ことが必要であり、JIS―B―2401(O―リン
グ)に従い、好ましくは、1種B(引張強さ:11.7
MPa以上、伸び:80%以上)に相当するものが望ま
しく、シール部材の外形状は金型の断面形状に応じて選
択することができる。
【0045】また、その断面形状および断面直径の大き
さは成形圧力によって適宜決定されるが、好ましくはJ
IS―B―2401において記述される運動用(記号
P)あるいは真空フランジ用(記号V)相当のものが望
ましい。
【0046】厚肉の弾性体8は、ダイス1の外周面を包
囲するように設けられ、ダイスの分割された部材間隙を
シールするものである。
【0047】また、厚肉弾性体8の上下端部は上パンチ
固定治具4と下パンチ固定治具5とダイス1との接触面
に配置され、金型内部を減圧可能とする。
【0048】厚肉弾性体8を配置する範囲は、パンチ固
定治具とダイスの接触面全面である必要はなく、図3に
示すように接触面の外周部であれば十分であるが、少な
くとも、パンチ固定治具とダイスとを固定する固定部材
のためのボルト穴を十分カバーする範囲を含む環状の範
囲とすることが好ましい。
【0049】このように配置することにより、固定治具
とダイスが固定される際に、固定ボルト10およびボル
ト穴も同時にシールされる。
【0050】すなわち、上下パンチ固定治具4、5と前
記ダイスはその接触面に配置された厚肉弾性体を介して
固定ボルト9により固定される。
【0051】また、この厚肉弾性体は、ダイスの外周面
と上述の接触面とを一体としてシールするように、一体
に形成した弾性体であることが望ましい。
【0052】厚肉の弾性体は引張強さ100kg/cm
2以上、伸び100%以上のものであり、例えばアクリ
ルニトリルゴム、ラテックスゴム、プチルゴム、シリコ
ンゴム、ウレタンゴム等からなり、その肉厚は金型外周
面に存在する穴の形状、深さおよび成形圧力によって適
宜決定されるわけであるが、おおむねその厚さは5.0
〜15mmが適当である。
【0053】厚肉の弾性体が引張強さ100kg/cm
2未満、伸び100%未満では加圧成形時に圧力を受け
た時に、弾性体の破断が生じる可能性がある。
【0054】上パンチ固定治具4および下パンチ固定治
具5のシール部材6および7が挿入される溝の位置、
幅、深さは挿入されるシール部材のサイズによって決め
ればよい。
【0055】通常、JIS―B―2406(O―リング
取り付け溝部の形状・寸法)に従うものが好ましい。
【0056】また、上パンチ固定治具4および下パンチ
固定治具5に設けられた厚肉弾性体8を固定するための
溝の深さhは、使用する厚肉弾性体の肉厚によって適宜
決定されるが、上パンチ固定治具4および下パンチ固定
治具5を厚肉弾性体8を介してダイス1に取り付け、上
パンチ固定治具4および下パンチ固定治具5がダイス1
と接触したときに厚肉弾性体8の厚さが、元の厚さの1
/2以下になるようにhを決定する必要がある。
【0057】上パンチ固定治具4および下パンチ固定治
具5をダイス1に取り付けた後に、厚肉弾性体8の厚さ
が元の肉厚の1/2以上では十分な減圧状態を得ること
ができず、成形中に液体圧力媒体の金型内への浸入が生
じる恐れがある。
【0058】また、溝の幅はダイス1の肉厚によって適
宜決定すればよく、通常はダイス1の肉厚の1/2程度
が望ましい。
【0059】分割されたダイス1を固定するための固定
部材10とダイス1と上パンチ固定治具4および下パン
チ固定治具5を固定するための固定部材9、一般に用い
られている締結用の治具で、ボルト、キー、ピン等であ
り、ダイス1、上パンチ2および下パンチ3により形成
される粉末充填部の減圧が可能となる締め付け力が得ら
れればよい。
【0060】以下に本発明の金型を用いた場合の粉末充
填および成形工程を示す。
【0061】まず、4個の部材からなるダイス1を固定
ボルト10により組み立て、一体に形成した厚肉弾性体
8をダイス外周面を包囲するように取り付ける。
【0062】下パンチ固定治具5に下パンチ3と下パン
チ固定治具5の間をシールするためのO―リング7を取
り付け、さらにO―リング7内に下パンチ3を挿入す
る。
【0063】この一体となった下パンチ3、O―リング
7および下パンチ固定治具5を厚肉弾性体8を介して、
固定ボルト9を用いて、ダイス1の下面に固定する。
【0064】この後、金型内への粉末充填を行うが、上
記のままでは下パンチ3が下パンチ固定治具5よりもB
だけ突出しているため金型が不安定となる。このため、
図6〜7に示すように内径が下パンチ3の突出部の断面
よりも大きく、ダイスの外径よりも小さく、さらに高さ
が下パンチ突出量Bよりも長いパイプ状の支持台13に
仮置きするのが望ましい。
【0065】そして、所定重量の粉末材料12が金型内
に充填される。次に上パンチ固定治具4に上パンチ2を
シールするためのO―リング6を取り付け、さらに上パ
ンチ2をO―リング6内に挿入する。
【0066】そして、一体となった上パンチ2、O―リ
ング6、上パンチ固定治具4を厚肉弾性体8を介して、
固定ボルト9によってダイス1の上面へ固定する。
【0067】この時、排気バルブ11を閉じた状態で固
定を行うと、粉末充填部に存在する空気が密閉されるた
め、ダイス1との固定が困難になる場合がある。このた
め、上パンチ2に設けられた排気バルブ11を開いた状
態にして固定する。
【0068】この状態で排気バルブ11に真空排気ポン
プを取り付け、金型の粉末充填部を減圧する。粉末充填
部が減圧状態になったら、排気バルブ11を閉じて粉末
の充填が完了する。
【0069】排気バルブ11を介して粉末充填部を減圧
状態にすることで、粉末充填部の密閉が確認され、液体
圧力媒体の金型内への浸入が防止されるのと同時に成形
時に発生する粉末内の残留した空気の収縮、膨張による
成形体の破損を防止することが可能となる。
【0070】このように粉末充填部を減圧状態にした下
でCIP浴中に浸漬して所定の圧加圧成形が実施される
のである。
【0071】そしてこれによって、かかるダイス1、上
パンチ2、下パンチ3の形状に即した粉末成形体の製造
が可能となる。
【0072】
【実施例】図8に示すような形状の成形を行った。寸法
はd1=500mm、d2=500mm、d3=100m
m、d4=100mm、h1=100mm、h2=80m
m、である。図6〜7にこの粉末成形体を成形するため
の金型を示す。
【0073】粉末材料にはアルミナ粉末(造粒後平均粒
径100μm)を用いた、実際の金型の組付けは図6〜
7に従って、まず、4個の部材からなるダイス1を固定
ボルト10により組み立て、一体に形成した厚肉弾性体
8(ウレタンゴム製、肉厚10mm)をダイス1(SK
D製、内寸法:□500mm、外寸法:□600mm)
の外周面を包囲するように取り付けた。
【0074】下パンチ固定治具5(SS製)に下パンチ
3(SKD製)をシールするためのO―リング7(JI
S―B2401に従う、1B―V275、内径272m
m)を取り付け、O―リング7内に下パンチ3(SKD
製、サイズd1:□500mm、d2:□100mm、h
1:80mm、d3:φ272mm、下パンチ固定治具5
からの突出量B:70mm)を挿入した。
【0075】この一体となった下パンチ3、O―リング
7および下パンチ固定治具5を厚肉弾性体8を介して、
固定ボルト9を用いてダイス1の下面に固定した。
【0076】一体となったダイス1、下パンチ固定治具
5および下パンチ3を内径400mm、外径420m
m、高さ90mmのパイプ状の支持台13上に仮置きし
た。そして、36kgのアルミナ粉末を充填した。
【0077】次に上パンチ固定治具4(SS製)に上パ
ンチ2(SKD製)をシールするためのO―リング6
(JIS―B2401に従う、1B―V275、内径2
72mm)を取り付け、上パンチ2(SKD製、サイズ
4:□500mm、d5:φ272mm、上パンチ固定
治具4からの突出量A:70mm)をO―リング6内に
挿入した。
【0078】そして、上パンチ2に設けられた排気バル
ブ11を開いた状態にして、一体となった上パンチ2、
O―リング6、上パンチ固定治具4を厚肉弾性体8を介
して、固定ボルト9によってダイス1の上面へ固定し
た。
【0079】そして、この状態で排気バルブ11に真空
排気ポンプを取り付け、金型の粉末充填部をロータリー
ポンプにより減圧(0.1torr)し、排気バルブ1
1を閉じて粉末の充填を完了した。この時、減圧が可能
であることから、粉末充填部の密閉が確認された。
【0080】この後、常法に従って、静水圧成形(成形
圧力100MPa)を行った。この時の上パンチ2およ
び下パンチ3の移動量は50mmであるため、金型内に
液体圧力媒体の流入も無く、図8に示すような形状の健
全な成形体が得られた。
【0081】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように本発明に
よって、粉末を所定の形状に成形するための金型の金型
を構成するダイスが加圧方向と垂直な方向に分割可能と
した機構にするとともに、粉末を充填した金型内部を減
圧することが可能な粉末成形金型を用い、この金型をゴ
ム型等に封入すること無く直接CIP装置中に挿入し加
圧成形することにより目的とする製品形状に近い粉末成
形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う粉末成形金型の実施例を示す縦断
面図である。
【図2】本発明に従う粉末成形金型の実施例を示す図1
のI―I断面を示す平面図である。
【図3】本発明に従う粉末成形金型の実施例を示す図1
のJ―J断面図である。
【図4】本発明の金型のダイスの他の分割例を示す平面
図(8分割)である。
【図5】本発明の金型のダイスの他の分割例を示す平面
図(4分割)である。
【図6】本発明の他の実施例である粉末成形金型を示す
縦断面図である。
【図7】本発明の他の実施例である粉末成形金型を示す
図6のk―k断面図である。
【図8】図6〜7の金型によって成形されたアルミナ成
形体の形状を示す図である。
【図9】特開昭58―41700号公報に記載の方法の
説明図。
【図10】特公平3―37478号公報に記載の方法の
説明図。
【符号の説明】
1 ダイス 2 上パンチ 3 下パンチ 4 上パンチ固定治具 5 下パンチ固定治具 6 O―リング 7 O―リング 8 O―リング 9 O―リング 10 固定ボルト 11 排気バルブ 12 粉末材料 13 支持台 41 溝 42 溝 51 溝 52 溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイス(1)と、このダイスの内周面に
    摺動自在に内接する上パンチ(2)および下パンチ
    (3)、該上パンチ(2)および下パンチ(3)と前記
    ダイスとの相対位置を規定するための上パンチ固定治具
    (4)、下パンチ固定治具(5)、さらに該上パンチ固
    定治具(4)および下パンチ固定治具(5)を前記ダイ
    ス(1)と固定するための固定部材(9)から固定され
    る金型であって、前記ダイス(1)はパンチの加圧方向
    と垂直な方向に4個以上に分割された部材(1A、1
    B、1C、1D)と分割された部材を一体のダイスとし
    て固定するための固定部材(10)とから構成し、前記
    ダイス(1)の外周面と、該上パンチ固定治具(4)お
    よび下パンチ(5)と前記ダイス(1)との接触面とを
    一体に被覆する厚肉弾性体(8)を配置すると共に、前
    記上パンチ(2)と前記上パンチ固定治具(4)との摺
    動面、並びに前記下パンチ(3)と前記下パンチ固定治
    具(5)との摺動面にはシール部材(6)、(7)を配
    置し、かつ、前記上パンチ(2)の摺動面(2X)と前
    記上パンチ(2)の加圧面(2Y)の間、あるいは前記
    下パンチ(3)の摺動面(3X)と下パンチ(3)の加
    圧面(3Y)の間の少なくとも一方に貫通穴を設け、更
    に上パンチ又は下パンチの加圧面(2Y又は3Y)の外
    方廷長部には排気バルブを設けたことを特徴とする、粉
    末充填部を減圧状態にすることが可能な粉末成形金型。
JP8864995A 1995-03-23 1995-03-23 粉末成形金型 Withdrawn JPH08258018A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101850421A (zh) * 2010-06-23 2010-10-06 宁波永久磁业有限公司 一种钕铁硼材料的成型装置
JP2013091322A (ja) * 2005-02-01 2013-05-16 Tosoh Corp 焼結体、スパッタリングターゲット及び成形型並びに焼結体の製造方法
KR101355755B1 (ko) * 2012-08-10 2014-01-27 손용주 세라믹 성형물 제조용 분리형 및 일체형 초경지그금형

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