JPH08255521A - 導電膜の形成用組成物と形成方法 - Google Patents
導電膜の形成用組成物と形成方法Info
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- JPH08255521A JPH08255521A JP5728895A JP5728895A JPH08255521A JP H08255521 A JPH08255521 A JP H08255521A JP 5728895 A JP5728895 A JP 5728895A JP 5728895 A JP5728895 A JP 5728895A JP H08255521 A JPH08255521 A JP H08255521A
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Abstract
かつ優れた光学特性 (高い光透過率、低ヘーズ) の透明
導電膜を形成できる導電膜形成用組成物、および導電膜
の形成方法を提供する。 【構成】 錫を含有する酸化インジウム (ITO) 粉末
が樹脂液中に分散している導電膜形成用組成物におい
て、ITO粉末を、粉末に対して 0.1〜5重量%の量の
2フッ素含有不活性有機液体で予め表面処理しておく。
この組成物を基板上に印刷または塗布し、次いで乾燥、
熱硬化、および/または紫外線照射により硬化させると
透明導電膜が形成される。その際に、乾燥後であって熱
硬化もしくは紫外線照射の前、熱硬化中もしくは紫外線
照射中、または基板上に導電膜を形成した後、基板上の
膜を熱加圧処理 (圧延またはホットプレス) すると、電
気特性と光学特性が一層向上する。
Description
極、帯電防止、熱線反射、面発熱体等の分野において利
用可能な導電膜形成用組成物に関する。本発明の組成物
は、絶縁体上に塗布或いは印刷することにより、透明な
電極回路を容易に形成することができる。
に対して高い透過率を示し、低抵抗で且つ膜強度が強い
ために、液晶ディスプレイ等の透明電極や太陽電池の窓
材料、熱線反射膜、電子写真記録その他における帯電防
止膜、面発熱体などとして多方面に利用されている。こ
のような酸化物半導体の代表例に、錫を含有する酸化イ
ンジウム (以下、ITOという) がある。
最も厳しい透明電極の分野を例として取り上げる。従来
の透明導電膜の形成方法としては、絶縁体上に金属また
は無機物 (特にITO) を真空蒸着、スパッタリング、
イオンプレーティングなどのドライプロセスにより付着
させる方法、有機金属化合物溶液を基板上に塗布し、乾
燥後に焼成する方法 (ゾル−ゲル法) 、分散剤で処理し
たITO粉末を樹脂液中に分散させて塗料化またはイン
ク化し、塗布または印刷により被膜を形成する方法 (粉
末法) 等がある。
スは、従来より最も広く用いられてきた膜形成方法であ
るが、電極の大面積化に限界がある上、異常放電による
ターゲットの劣化や成膜時の付着効率の低さから、IT
Oの有効利用効率が40〜50%と非常に低い。また、エッ
チング法により回路を描く場合には、基板に付着したI
TOの大半が取り除かれるという無駄や、設備費が高価
であるという欠点もある。
に塗布して乾燥後に焼成するゾル−ゲル法は、焼成温度
が高いため、基板の材質が限定されるほか、1回の塗布
で形成される膜厚が非常に薄いため、1コート1ベーク
では適当な膜特性が得にくく、塗布と焼成を何回も反復
するため、操作が煩雑になるという欠点もある。
面処理した後、樹脂液中に分散させるか、或いは分散剤
と樹脂を含有する溶媒中にITO粉末を分散させ、得ら
れた分散液を塗料またはインクとして使用して透明導電
膜を形成する粉末法は、スクリーン印刷などの手法によ
り回路を直接描けるため、材料の無駄がない。また、乾
燥は溶媒の除去または樹脂の熱硬化に必要な比較的低温
でよいので、樹脂などの耐熱性の低い基板にも適用可能
である。
ては、ITO粉末の分散および結合のために分散剤およ
び結合用の樹脂(例、熱可塑性、熱硬化性、または紫外
線硬化性樹脂)などの高分子物質が必要である。しか
し、このような高分子物質は一般に絶縁体として作用す
るため、ITO粉末の表面に高分子物質が密に吸着する
と、形成された塗膜中におけるITO粉末同士の接触が
悪くなり、ITO粉末の表面に絶縁層が形成され、導電
性が低下する。
除去) 後に、スチールロールで圧延処理してボイド発生
の抑制と表面の平滑化を図ることによりITO透明導電
膜の電気的特性と光学特性を改善することが提案されて
いる (特開平4−237908号、同4−237909号各公報) 。
しかし、このような圧延処理を行っても、十分な電気特
性および光学特性がなお得られていない。
熱性の低い樹脂基板にも適用でき、低抵抗かつ光透過率
の高い導電膜を形成できる導電膜形成用組成物、および
導電膜の形成方法を提供することにある。
的は、ITO粉末を予めフッ素含有不活性有機液体で表
面処理してこの液体を粉末表面に含浸させておくことに
より解決される。
に分散している導電膜形成用組成物であって、前記IT
O粉末が、粉末に対して 0.1〜5重量%の量のフッ素含
有不活性有機液体で予め表面処理されたものであること
を特徴とする導電膜形成用組成物である。
形成用組成物を基板上に印刷または塗布し、次いで乾
燥、熱硬化、および/または紫外線照射により基板上に
導電膜を形成する、導電膜形成方法である。この方法に
おいて、乾燥後であって熱硬化もしくは紫外線照射の
前、熱硬化中もしくは紫外線照射中、または基板上に導
電膜を形成した後、基板上の膜を熱加圧処理してもよ
い。
導電膜形成用組成物は、樹脂液中にITO粉末 (錫を含
有する酸化インジウム粉末) が分散している、塗布また
は印刷可能な塗料もしくはインク様の組成物である。
Snの含有量が1〜15モル%、平均一次粒子径が0.2 μm
以下、特に0.1 μm以下の超微粒子状の粉末が好まし
い。Sn含有量が上記範囲外では導電性が低下し、平均一
次粒子径が0.2 μmを超えると導電膜の透明性が低下す
る。
不揮発分 (樹脂液中の溶媒を除いた組成物の全重量) に
基づいて15〜80重量%の範囲であるのが好ましい。より
好ましいITO粉末の割合は、不揮発分に基づいて20〜
80重量%、特に好ましくは40〜75重量%である。15重量
%未満では得られた膜の導電性が低く、80重量%を超え
ると膜の強度が低下する傾向がある。
に分散させる前に、予めフッ素含有不活性有機液体で表
面処理をしておき、表面にフッ素含有不活性有機液体を
含浸させる。それにより、導電膜中にITO粉末が密に
充填されるようになり、電気的特性のみならず、光学的
特性 (透明性) も向上する。このフッ素含有不活性有機
液体は、本発明の組成物を塗布または印刷した後の乾燥
または硬化中に蒸発により除去される。
ロロフルオロカーボン、芳香族フッ化物、ならびに
ペルフルオロアルキル基を有するエーテル型化合物、ア
ミン型化合物、およびアルコール型化合物よりなる群か
ら選ばれた1種もしくは2種以上の化合物を使用するこ
とができる。このようなフッ素含有有機液体は、クロロ
カーボンとフッ酸との反応、エチレンとクロロフルオロ
カーボンとのテロメリゼーション、電解フッ素化法等の
常法により製造することが出来る。
成物中の樹脂液 (即ち、樹脂成分および溶媒) およびI
TO粉末のいずれとも実質的な反応性を持たないことを
意味する。例えば、カルボン酸基、スルホン酸基などの
酸基を含有する有機フッ素化合物は、一般に強酸として
作用し、高い反応性を示すので、不活性とは言えない。
このような活性なフッ素含有有機液体は、樹脂成分、溶
媒、またはITO粉末と反応する可能性があり、それに
より形成された導電膜の光学特性および/または電気特
性を低下させる恐れがある。また、場合によっては、毒
性を示すものもある。
圧での沸点) が250 ℃以下、即ち、室温から250 ℃の範
囲内であるものを使用することが好ましい。沸点が室温
より低いと、室温で揮発するので、ITO粉末に十分に
含浸させることが困難となる。一方、沸点が250 ℃より
高い高沸点のフッ素含有不活性有機液体は、揮発性が低
すぎ、塗膜乾燥後も塗膜中に残留し、形成された導電膜
の電気特性および/または光学特性を低下させる。この
沸点は、より好ましくは200 ℃以下である。
膜を形成する樹脂液の性質に応じて適当な沸点のものを
選択することが有利である。例えば、樹脂液が室温乾燥
または紫外線硬化のように加熱を必要とせずに硬化する
場合には、比較的沸点が低く、揮発性の高いフッ素含有
不活性有機液体を用いることが好ましい。一方、樹脂液
が熱硬化または加熱乾燥のように加熱により硬化する場
合には、この加熱中にフッ素含有不活性有機液体も蒸発
するように、比較的沸点の高いフッ素含有不活性有機液
体を用いることが好ましい。
沸点のフッ素含有不活性有機液体を使用すると、この液
体の蒸発が遅く、ITO粒子表面を絶縁層が覆う形にな
り、電気特性の低下の原因となる。一方、加熱により硬
化する場合、ITO粉末に含浸させたフッ素含有不活性
有機液体が低沸点であると、この液体の蒸発が急激に生
じて塗膜表面に微細なポアが発生し、光学特性の低下に
結びつく。
性有機液体の具体例としては、フロン113 、ヘキサフル
オロベンゼン、トリフルオロエタノール、ペルフルオロ
トリブチルアミン、ペルフルオロテトラヒドロフラン等
が挙げられるが、これらは代表例にすぎず、他のフッ素
含有有機液体も不活性であれば使用できる。
して 0.1〜5 重量%の量のフッ素含有不活性有機液体を
用いて行う。表面処理は、ITO粉末に十分にフッ素含
有不活性有機液体が含浸するように両者を均一に接触さ
せることができる任意の方法で実施できる。例えば、密
閉容器内でITO粉末を攪拌して流動状態に保持し、こ
の容器内に所定量のフッ素含有不活性有機液体を滴下ま
たは噴霧し、さらに攪拌を続けることで、ITO粉末に
液体を含浸させることができる。処理温度は特に制限さ
れないが、通常は室温で十分である。処理 (接触) 時間
は一般に15秒〜30分間、特に30秒〜10分間の範囲内が好
ましい。
体の量がITO粉末の5重量%を超えると、この液体を
含浸したITO粉末が固体として存在しなくなるか、あ
るいはITO粉末を樹脂液中に分散させたときに凝集が
起こり、結果的に導電膜の不均一化を生じて、光透過率
の低下を引き起こす。一方、この量が0.1 重量%未満で
あると、表面処理しない場合と比べて導電膜の特性に顕
著な優位性が得られない。
のように表面処理したITO粉末を樹脂液 (樹脂を溶媒
に溶解させた溶液、または場合によっては樹脂自体が液
状である場合には樹脂そのもの) 中に分散させたもので
ある。樹脂液中に存在させる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、および紫外線硬化性樹脂のいずれでもよ
く、1種もしくは2種以上を使用できる。使用する樹脂
は、適当な溶媒への溶解性を持ち、十分な透明性を有す
るものであればよく、特にその種類、分子量、酸価等は
限定されない。また、熱または紫外線硬化性樹脂の場合
には、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれも使用
可能である。本発明で用いるのに好適な樹脂の具体例を
例示すると、熱可塑性樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエステル、熱可塑性アクリル樹脂な
どが、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、熱硬化性ア
クリル樹脂などが、紫外線硬化性樹脂としてはエポキシ
アクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
樹脂を溶解し、かつ乾燥または加熱後に実質的に完全に
蒸発し、塗膜の透明性を阻害しないものであれば特に制
限されない。極性溶媒と非極性溶媒のいずれも使用で
き、また2種以上の溶媒を混合した混合溶媒も使用でき
る。溶媒の使用量は、使用する塗布または印刷法に適し
た粘度の組成物が得られる量であればよく、特に制限さ
れない。
溶媒と少なくとも1種の非極性溶媒との混合溶媒を使用
することが好ましい。極性溶媒はITO粉末との親和性
が強く、絶縁層を形成する高分子物質 (樹脂) がITO
粉末の表面に吸着されるのを阻止する作用が強い。一
方、非極性溶媒はITO粉末との親和性が弱いので、こ
の作用が弱い。この両者を共存させることで、ITO粉
末の表面に吸着される高分子物質の量が制御され、結合
に必要な適度の量の高分子物質が吸着される結果、導電
膜の電気特性および光学特性が向上する。
ノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、ジエチレ
ングリコール、ブチルカルビトール、イソホロンおよび
シクロヘキサノン等の水酸基またはケトン基を有する溶
媒が挙げられる。非極性溶媒としては、キシレン、トル
エン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式
炭化水素、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素等の
炭化水素類が挙げられる。混合溶媒における極性溶媒と
非極性溶媒との割合は特に限定されないが、極性/非極
性溶媒の重量比が5/95〜95/5、特に30/50〜50/30
の範囲内が好ましい。使用する極性溶媒と非極性溶媒
は、溶媒同士の相溶性が良く、均質に混合しうる組合わ
せのものである必要がある。
よりペイントシェーカー、ボールミル、セントリミル、
サンドグラインドミル等の強力な混合装置を用いて行う
ことができ、それにより本発明の導電膜形成用組成物が
得られる。得られた組成物中のITO粉末の量は、前述
したように不揮発分に基づいて15〜80重量%の範囲内が
好ましい。
TO粉末、有機溶媒、フッ素含有不活性有機液体のほか
に、必要に応じて、架橋剤、硬化触媒、光重合開始剤、
湿潤剤、分散剤、酸化防止剤、レベリング剤等の添加剤
をさらに含有することができる。
な基板上に塗布またはスクリーン印刷し、必要であれば
加熱、紫外線照射或いはその両者を行うことにより膜を
硬化させると、透明導電膜が形成される。膜の硬化は、
樹脂種により乾燥 (自然乾燥もしくは熱乾燥) 、熱硬
化、または紫外線硬化により起こる。基板材料は特に制
限されず、ガラス、プラスチックなどの透明絶縁性材料
が好ましいが、用途によってはセラミックなどの不透明
絶縁性材料、さらには金属などの導電性材料でもよい。
ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、バーコ
ート法、ロールコート法等の方法が挙げられる。絶縁基
板上に印刷すれば、導電膜回路を基板上に直接描くこと
ができ、フォトレジストを利用した回路形成が不要とな
るため、操作が著しく簡略化し、材料の無駄も避けられ
る。硬化条件は、使用した樹脂および溶媒に応じて異な
るが、当業者であれば硬化条件は容易に設定できる。
体は多くの作用を発揮する。まず、フッ素含有不活性有
機液体は、表面張力が低いため、ITO粉末間の隙間に
容易に入り込み、その表面を均一に覆う。そして、フッ
素含有不活性有機液体は分子同士の相互作用力がきわめ
て小さいので、これを含浸したITO粉末は、塗布後に
粉末同士の反発が抑えられ、塗膜中に密に充填すること
ができる。
の有機溶媒にはほとんど溶解しないため、これを含浸し
たITO粉末を樹脂液中に分散させても、樹脂あるいは
有機溶媒中へ溶解しずらいため、ITO粉末の表面に吸
着した状態で保持され、上記の反発抑制作用を発揮し続
ける。
応性がきわめて低いことから、樹脂、溶媒、あるいはI
TO粉末自体と反応することがなく、塗膜の電気的およ
び光学的性質に悪影響を及ぼさない。しかも、フッ素含
有不活性有機液体はITO粉末同士の反発を抑えるが、
ITO粉末の分散性に影響を与えることはない。
が適当なものを選択することにより、塗布後の乾燥また
は加熱中に実質的に完全に蒸発させて塗膜から除去する
ことができる。塗布後もフッ素含有不活性有機液体が塗
膜中に残留すると、塗膜の電気的および光学的性質が低
下する。
は、ITO粉末同士の反発抑制が望ましい溶液状態にあ
る間は、塗膜に悪影響を及ぼさずにこの反発抑制作用を
有効に発揮し続け、硬化過程で除去されるので、最終的
に形成された導電膜の特性は良好に保持されるのであ
る。その結果、ITO粉末が密に充填し、電気特性 (特
に導電性) と光学特性 (特に透明性) がいずれも改善さ
れた導電膜が形成されるのである。この作用はフッ素含
有不活性有機液体に特有のものであり、炭化水素系の液
体では、この低表面張力、低反応性、高揮発性の全てを
与えることはできない。
場合には、基板上の導電膜を熱加圧することができる。
この熱加圧処理は、膜が変形能を有している間に、基板
ごと行う。従って、樹脂種によっても異なるが、乾燥後
であって熱硬化もしくは紫外線照射の前、熱硬化中もし
くは紫外線照射中、または基板上に導電膜を形成した後
(即ち、熱硬化もしくは紫外線照射後) のいずれかに行
うことができる。例えば、熱硬化性樹脂の場合には、乾
燥後に熱加圧することによって、熱加圧と熱硬化とを同
時に達成することもできる。
チールロールによる圧延、ホットプレスによる加圧成形
等が挙げられる。熱加圧条件は、基板材料の耐熱性や耐
圧性、要求する塗膜特性等によって変わるため、特に限
定されない。例えば、熱ロールによる圧延の場合には、
温度80〜150 ℃、ロールの線圧力 300〜600 kg/cm2程度
が、ホットプレス法の場合には温度 100〜180 ℃、圧力
20〜50 kg/cm2 程度が望ましい。
械的により密に充填され、ITO粒子が互いに接近す
る。その結果、電気特性が向上し、また塗膜表面の平滑
化が進むことにより光学特性も上昇する。従って、一般
に圧力が高いほど、膜特性は向上する。
布、スクリーン印刷等により基板上に透明導電膜を形成
できることから、比較的耐熱性の低い樹脂基板にも適用
でき、導電膜の大面積化や連続的な大量生産を容易に実
現できる。本発明の組成物を用いて形成した透明導電膜
は、膜厚、組成物中のITO含有量を調製することによ
って、表面抵抗値で 102〜103 Ω/□のオーダー、光透
過率で80〜90%の範囲において、用途に応じて調整でき
る。
する。実施例で用いたITO粉末は、いずれも(In+Sn)
に対するSnの割合が5モル%、平均一次粒子径が0.05μ
mのものであった。
入れ、激しく攪拌して流動状態に保持しながら、ペルフ
ルオロアルキル基を有するアミン型化合物である (株)
トーケムプロダクツ製のEF−L174 (ペルフルオロトリブ
チルアミン) 5.0 gを滴下した。滴下終了後、さらに3
分間攪拌を続けることによって、フッ素含有不活性有機
液体を含浸させたITO粉末を得た。
び攪拌機を備えたフラスコに、キシレン60gを仕込み、
85℃に昇温した後、スチレン20g、アクリル酸メチル2
0.0g、モノ(2−メタクロイルオキシエチレン) アッシ
ドホスフェート 1.2gおよびアゾビスイソブチロニトリ
ル 1.0gからなる混合物を5時間かけて加えた後、12時
間反応させて、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子
量220,000 、酸価5.5 の樹脂液を得た。
キル基を有するアミン型化合物を含浸させたITO粉末
80.0g、ブタノール/キシレンの重量比が5:5である
混合溶媒 120.0gおよびガラスビーズ 250gを500 ccの
容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージにより分散
状態を確認しながら5時間練合した。
粒子が樹脂液に均一に分散した粘稠な液状の導電膜形成
用組成物を得た。その後、アプリケーターを用いてこの
液状組成物をPETフィルム上に塗布し、100 ℃で1時
間乾燥し、PETフィルム上に3μmの厚さの透明導電
膜を作成した。
して、ペルフルオロアルキル基を有するエーテル型化合
物である、 (株) トーケムプロダクツ製のEF-L102 3.0
gを使用し、ITO粉末の量を97.0gに変更した以外
は、実施例1と同様の操作を行って、フッ素含有不活性
有機液体を含浸したITO粉末を得た。
(株) 製の界面活性剤 SAS-13 を 1.2g加えて溶解さ
せ、この中に先のフッ素含有不活性有機液体を含浸させ
たITO粉末を60g添加して、ホモジナイザーにより12
0 rpm で約30分間混合攪拌し、ITO粉末が分散した分
散液を作製した。
(株) 製の安定剤2000E を 0.3g溶解させ、これにカネ
カ M1008 (平均分子量800 の塩化ビニル−5wt%酢酸ビ
ニル共重合体) 21.8gを溶解させて樹脂液を調製した。
ジナイザーにより5000 rpmで約4時間練合し、ITO粒
子が樹脂液中に均一に分散した粘稠な液状の導電膜形成
用組成物を得た。この液状組成物をアプリケーターを用
いてPETフィルム上に塗布し、80℃で3時間乾燥し、
PETフィルム上に3μmの厚さの透明導電膜を作成し
た。
て、ペルフルオロアルキル基を有するアルコール型化合
物である (株) トーケムプロダクツ製のトリフルオロエ
タノール 0.9gを使用し、ITO粉末の量を99.1gに変
更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、フッ素
含有不活性有機液体を含浸したITO粉末を得た。
(株) 製エポキシ樹脂30.0gをメタノール80.0gに溶解
して樹脂液を調製し、この樹脂液中に上記の表面処理し
たITO粉末70gを添加して、実施例1と同様の操作に
より、ITO粉末が樹脂液に均一に分散した粘稠な液状
の導電膜形成用組成物を得た。この液状組成物をアプリ
ケーターを用いてガラス板上に塗布し、100 ℃で2時間
乾燥し、ガラス板上に3μmの厚さの透明導電膜を作成
した。
てクロロフルオロカーボン系の1,1,2-トリクロロ−2,2,
1-トリフルオロエタン (フロン113) 2.0gを使用し、I
TO粉末の量を98.0gに変更した以外は、実施例1と同
様の操作を行って、フッ素含有不活性有機液体を含浸し
たITO粉末を得た。
性樹脂 [大日本インキ (株) 製ユニディックV-5500] 3
0.0g、上記の表面処理したITO粉末70.0g、および
アセトン100 gを実施例1と同様に練合し、ITO粉末
が樹脂液中に均一に分散した粘稠な液状の導電膜形成用
組成物を得た。この液状組成物をアプリケーターを用い
てPETフィルム上に塗布し、300 W高圧水銀灯 [ウシ
オ電機 (株) 製 UMA-3012-N4型] を用いて紫外線を30秒
間照射することにより、PETフィルム上に2μmの厚
さの透明導電膜を作成した。
て芳香族フッ素化物であるヘキサフルオロベンゼン 5.0
gを使用し、ITO粉末の量を95.0gに変更した以外
は、実施例4と同様の操作を行い、紫外線硬化性樹脂液
中にITO粉末が均一に分散した粘稠な液状の導電膜形
成用組成物を得た。その後、実施例4と同様の操作によ
りPETフィルム上に2μmの厚さの透明導電膜を作成
した。
例1と全く同じ操作を行った。
例2と全く同じ操作を行った。
径50 mm の2本のスチールロールを、処理速度が10cm/
秒となるように回転速度を設定し、このスチールロール
間に実施例1で得た透明導電膜を有するPETフィルム
をセットした。このPETフィルムを、スチールロール
温度60℃、線圧力400 kgf/cmの条件焼結体でロール圧延
して熱加圧処理した。
フィルムを、厚み3mmのポリ塩化ビニル樹脂板に載せて
から、表面を研磨バフ仕上げした2枚の鏡面板の間に挟
み、温度150 ℃、圧力40 kgf/cm2でホットプレスするこ
とにより熱加圧処理した。
フィルムを、実施例6と同様の操作で圧延することによ
り熱加圧処理した。
電膜について、その全光透過率を日本分光 (株) 製の U
BEST55型分光光度計で、ヘーズをスガ試験機 (株) 製の
SMカラーコンピューターで、そして表面抵抗値を三菱油
化 (株) 製のローレスタ APMCP-T400 表面抵抗測定器で
それぞれ測定した。表1に試験結果を示す。
用組成物は、ITO粉末を樹脂液中に分散させる前に予
めフッ素含有不活性有機液体で表面処理しておいたた
め、ITO粉末が塗膜中で密に充填するようになる結
果、未処理のITO粉末を使用した比較例に比べて著し
く低抵抗の導電性に優れた透明導電膜を形成することが
できる。また、この透明導電膜は、ヘーズ値が大幅に低
下し、全光透過率が高く、電気特性のみならず光学特性
も向上している。
TO粉末の表面処理により、ITO粉末の分散性が向上
するので、実施例1、3〜5に見られるように、分散剤
を併用しなくてもITO粉末を樹脂液中に分散させるこ
とが可能となる。さらに、形成された透明導電膜を熱加
圧処理すると、電気特性および光学特性の一層の向上が
得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 錫を含有する酸化インジウム粉末が樹脂
液中に分散している導電膜形成用組成物であって、前記
酸化インジウム粉末が、粉末に対して 0.1〜5重量%の
量のフッ素含有不活性有機液体で予め表面処理されたも
のであることを特徴とする導電膜形成用組成物。 - 【請求項2】 前記表面処理された酸化インジウム粉末
を、組成物の不揮発分の15〜80重量%の量で含有する、
請求項1記載の導電膜形成用組成物。 - 【請求項3】 前記樹脂液が、樹脂を極性溶媒と非極性
溶媒との混合溶媒に溶解させた溶液であることを特徴と
する、請求項1または2記載の導電膜形成用組成物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の導電膜形成用組成物を基板上に印刷または塗布し、次
いで乾燥、熱硬化、および/または紫外線照射により基
板上に導電膜を形成することを特徴とする、導電膜形成
方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の方法において、乾燥後で
あって熱硬化もしくは紫外線照射の前、熱硬化中もしく
は紫外線照射中、または基板上に導電膜を形成した後、
基板上の膜を熱加圧処理する、導電膜形成方法。
Priority Applications (1)
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