JPH08247080A - 渦巻斜流ポンプ - Google Patents

渦巻斜流ポンプ

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JPH08247080A
JPH08247080A JP5396995A JP5396995A JPH08247080A JP H08247080 A JPH08247080 A JP H08247080A JP 5396995 A JP5396995 A JP 5396995A JP 5396995 A JP5396995 A JP 5396995A JP H08247080 A JPH08247080 A JP H08247080A
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JP
Japan
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impeller
wall surface
flow
mixed flow
casing
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Withdrawn
Application number
JP5396995A
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English (en)
Inventor
Teiji Tanaka
定司 田中
Kunio Takada
国雄 高田
Sumio Sudo
純男 須藤
Shigeyoshi Ono
滋義 小野
Seiji Miura
誠二 三浦
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】広い流量範囲で高効率の渦巻斜流ポンプを提供
することにある。 【構成】羽根車シュラウド側壁面(2b)を羽根車ハブ
側壁面(2a)の出口端に垂直方向の位置以上に出口側
に延長する延長部分を有し、もしくはシュラウド側壁面
出口端が軸方向となす角度を、羽根車ハブ側出口部でケ
−シング後壁面(1a)が軸方向となす角度より小さく
し、又ケ−シング後壁面(1a)が軸方向となす角度
を、ボリュ−ト巻始め位置では大きく、巻終わり位置で
は羽根車ハブ側壁面出口部が軸方向となす角度程度まで
小さくする。 【効果】羽根車から流出した流れの角度が小さくなる低
流量域においても、ボリュ−トケ−シング後壁面で流れ
が逆流することなく、広い流量範囲で高効率な渦巻斜流
ポンプが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雨水排水等に用いられ
る渦巻斜流ポンプに係り、特にケ−シングを鋳造で形成
することが困難な大形の渦巻斜流ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、排水ポンプでは低い揚程で大吐
出量が要求されるため、斜流ポンプ又は軸流ポンプが用
いられる。一方、雨水排水ポンプに流入する雨水は、路
上や排水溝を流れる際に各種夾雑物を流し込むため、雨
水排水機場ではポンプ保護のため、ポンプ直前に十分な
容量の沈砂池を設け、流入流速を低げてスクリ−ンで夾
雑物を除去したり、夾雑物が閉塞しにくいボリュ−トケ
−シングを持つ渦巻斜流ポンプとする。このような渦巻
斜流ポンプでは、羽根車出口部の軸方向流れをボリュ−
トケ−シング入口部で径方向に転向させるため、大きな
損失を生じることがある。従って、通常は羽根車出口部
のケ−シング壁面を羽根車出口幅程度とし、ケ−シング
断面形状を半径方向外向きにテ−パ状に拡大して、流れ
の剥離や逆流を防止する。
【0003】しかし、特に大形のポンプの場合には、ケ
−シングの製作、運搬、据付けの点からケ−シングを土
木工事と一体のコンクリ−トケ−シングとすることが多
い。コンクリ−トケ−シングでは、ケ−シング断面を鋳
造製の場合のように複雑な形状にすることが困難なた
め、ほぼ矩形に近い形状とすることが多い。即ち、羽根
車出口部で流路幅は急拡大となり、流れの剥離や逆流に
より性能が低下する。
【0004】このようなボリュ−ト断面形状による性能
への悪影響を改善する技術として、特開昭54−968
03号公報に開示のように、羽根車シュラウド側のケ−
シングライナをケ−シング内に延長し、低流量域におい
て羽根車から流出する流れが半径方向に蛇行し、この結
果発生する逆流による軸動力の増加を防止する技術がが
ある。
【0005】又、特開昭53−119401号公報に開
示のように、渦巻ケ−シング入口幅を羽根車出口幅の2
倍以上に取り、ポンプの常用運転範囲に応じて羽根車軸
方向位置を調整する技術がある。
【0006】更に、実公昭56−38240号公報に開
示のように、羽根車出口部とケ−シングボリュ−ト断面
を接続する部分に斜流形の流路を設け、この斜流流路内
壁側に羽根高さが流路幅の0.1〜0.5倍である複数
枚の翼を設けることにより、斜流流路内壁側の逆流を防
止する技術がある。
【0007】更に又、上記ケ−シング内の流れの変化に
は斜流羽根車内の流れも関与するため、特公昭57−5
0958号公報に開示のごとく、羽根車流路を子午面内
で2分割して各羽根車流路の最大径をほぼ等しくして、
羽根車内の逆流、偏流を防止する技術がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】斜流ポンプや軸流ポン
プでは、羽根車出口径がハブ側とシュラウド側とで異な
るため、設計点から離れた流量点では羽根車出口の流速
分布は不均一となる。即ち、羽根車子午面断面上で流線
に直交する線が回転軸に平行でない軸流羽根車や斜流羽
根車では、設計状態で保たれていた流体に働く遠心力と
半径方向圧力勾配の平衡が破れ、低流量域では遠心力の
方が大きくなるためシュラウド側へ流れが片寄る。
【0009】図8の破線は従来の斜流ポンプの理論揚程
の流量による変化を示したものであり、従来の羽根車で
は主に効率など性能上の要求から、設計点においてハブ
側とシュラウド側で均一の理論揚程となるように羽根車
を設計している。従って、設計点での理論揚程Hthdよ
り高い理論揚程が要求される低流量域においては、羽根
車ハブ側とシュラウド側で均一の理論揚程となるように
流れは変化するため、ハブ側の子午面流速Vmhはシュラ
ウド側の子午面流速Vmsと比較して小さくなる。即ち、
主流はシュラウド側へ片寄ることになる。この結果、羽
根車出口の流れは図9の実線で示す流れVm1から、破線
で示す流れVm2に変化する。
【0010】一方、従来の渦巻斜流ポンプでは、ケ−シ
ング後壁面1aは羽根車ハブ側壁面2aと滑らかにつな
がるように流路形状を構成することが多い。即ち、図9
において、ほぼαh=αcのため、低流量域ではケ−シン
グ後壁面1aでも半径方向外向きの成分となる子午面流
速Vm2のエネルギ−は小さい。これに対して周方向流速
Vu2は、式(1)に示すように理論揚程の増加に比例し
て増加する。
【0011】 次に、ケ−シング内の流れは、流量にかかわらず半径方
向にほぼ自由渦に近い分布となる。即ち、半径の小さい
羽根車出口側から半径の大きいケ−シング外壁側に向か
って、流速は低下する。この結果、ケ−シング後壁面C
−Cで図10に示すように、絶対流速が半径方向に減速
することによる静圧上昇ΔPが生まれ、この静圧上昇Δ
Pは式(2)で示される。
【0012】 ここで、ρは水の密度であり、ΔVは絶対流速の半径方
向変化である。
【0013】従って、子午面流速Vmのエネルギ−が小
さい低流量域や、子午面流速Vmの流量による変化の大
きい羽根車では、子午面流速エネルギ−が静圧上昇ΔP
に打ち勝てなくなり、図9に示すようにケ−シング後壁
面1aで逆流V3となってケ−シングでの圧力回復を妨
げたり、羽根車出口流れに悪影響を及ぼし、効率低下の
原因となる。
【0014】特開昭54−96803号公報に開示の技
術では、主に低流量域での流れの悪化を防止するだけで
あり、最高効率点付近のケ−シング内の流れに関しては
大きな改善はない。
【0015】又、特開昭53−119401号公報に開
示の技術では、あらかじめ設定した羽根車軸方向位置で
決まる最適な流れから外れた流量点まで効率を改善する
ことはできない。
【0016】更に、実公昭56−38240号公報に開
示の技術では、斜流流路に羽根を設けることが前提とな
るため、ケ−シングを土木工事と一体で施工する大形の
渦巻斜流ポンプには適用が困難である。
【0017】更に、特公昭57−50958号公報に開
示の技術では、羽根車の製作が面倒であり、更に、羽根
車下流流路に渦巻ケ−シングを用いる渦巻斜流ポンプの
場合には、案内羽根の場合のように、羽根車出口流れを
案内する舌部を羽根車出口端に近接して設けることが困
難である。
【0018】本発明の目的は、大形の排水機場に用いら
れる渦巻斜流ポンプケ−シング内の流れを改善し、広い
流量範囲で高効率の渦巻斜流ポンプを提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は、流路幅が半
径方向にほぼ一定の矩形形状のボリュ−トケ−シング
と、羽根車後縁とハブ側壁面のなす角度が90度より小
さい斜流羽根車とからなる渦巻斜流ポンプにおいて、羽
根車シュラウド側壁面を羽根車ハブ側壁面の出口端に垂
直方向の位置以上に出口側に延長する延長部分を有す
る、ことによって達成される。
【0020】又上記目的は、ケ−シング後壁面を羽根車
シュラウド側壁面出口より内径側では曲面の一体部品
で、外径側では直線面の分割部品で構成する、ことによ
って達成される。
【0021】更に上記目的は、ケ−シング後壁面が軸方
向となす角度を、ボリュ−ト巻始め位置では大きく、巻
終わり位置では羽根車ハブ側壁面出口部が軸方向となす
角度程度まで小さくする、ことによって達成される。
【0022】更に上記目的は、羽根車出口流れが周方向
にほぼ均一にケ−シングに流出する設計点付近で、羽根
車出口流路幅方向の全圧をシュラウド側で小さくハブ側
で大きくした羽根車で構成する、ことによって達成され
る。
【0023】
【作用】渦巻斜流ポンプにおける上記ケ−シング内の流
れの変化は、設計点における羽根車流路幅方向の理論揚
程に分布を与えることにより改善される。即ち、図8の
実線に示すように、設計点流量において羽根車シュラウ
ド側と比較してハブ側の理論揚程を大きく羽根車を構成
する。設計点での理論揚程より高い理論揚程が要求され
る低流量域において、羽根車ハブ側とシュラウド側で均
一の理論揚程となるように流れが変化しても、ハブ側の
子午面流速はまだシュラウド側の子午面流速と比較して
大きい。即ち、主流は低流量域においてもシュラウド側
へ片寄ることなく、従って、ケ−シング後壁面で逆流を
生じることはない。
【0024】渦巻斜流ポンプにおける上記ケ−シング内
の流れの変化は又、ケ−シング後壁面が軸方向と成す角
度を、対向する壁面である羽根車シュラウド側壁面が羽
根車出口部で軸方向と成す角度より大きくすることでも
改善される。即ち、ケ−シング後壁面を、羽根車シュラ
ウド側壁面出口部が軸方向と成す角度より大きくするこ
とにより、ハブ側の子午面流速が低下する低流量域にお
いても、羽根車出口中央からシュラウド側の子午面流速
の大きな流れがケ−シング後壁面に流入するため、ケ−
シング後壁面で逆流を生じることはない。
【0025】更に、この羽根車出口中央からシュラウド
側の子午面流速の大きな流れがケ−シング後壁面に流入
する効果は、羽根車シュラウド側壁面を、羽根車ハブ側
壁面の出口端に垂直方向の位置以上出口側に延長するこ
とにより、更に確実に得られる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1から図8によ
り説明する。
【0027】図1は本発明の渦巻斜流ポンプの縦断面図
である。図1において、流路幅が半径方向にほぼ一定の
矩形断面形状のボリュ−トケ−シング1内には、羽根車
後縁とハブ側壁面2aのなす角度γが90度より小さい
斜流羽根車2が設けられている。更に、羽根車シュラウ
ド側壁面2bは、羽根車ハブ側壁面2aの出口端Aに垂
直方向の位置以上に出口側に延長する延長部分Sを有す
る構成をしている。羽根車2は駆動機(図示せず)によ
り回転軸4を介して回転し、水を昇圧してケ−シングへ
と送る。
【0028】尚、図において3はケ−シングライナ、5
は吸込流路、6は整流板、7は軸封部、8は軸封カバ−
を示す。
【0029】上記実施例による渦巻斜流ポンプの羽根車
2の出口部流路は以上の構成のため、設計点での理論揚
程Hthdより高い理論揚程が要求される低流量域におい
て、羽根車ハブ側とシュラウド側で均一の理論揚程とな
るように流れが変化し、ハブ側の子午面流速Vmhがシュ
ラウド側の子午面流速Vmsと比較して小さくなっても、
ケ−シング後壁面1aで前述の図9に示すような逆流V
3を生じることはない。即ち、羽根車シュラウド側壁面
2bが羽根車ハブ側壁面2aの出口端に垂直方向の位置
以上出口側にあるため、ハブ側の子午面流速Vmhが低下
する低流量域においても、羽根車シュラウド側の流れが
半径方向外向きに偏流するのを防止することができ、更
に、羽根車出口中央からシュラウド側の子午面流速Vms
の大きな流れがケ−シング後壁面1aに流入するため、
ケ−シング後壁面1aで逆流V3を生じることはない。
即ち、高い効率が得られる。
【0030】図2は本発明の渦巻斜流ポンプの他の実施
例の羽根車出口付近の詳細断面図である。図2に示す実
施例では羽根車2シュラウド側に壁面を持たず、ケ−シ
ングライナ3で羽根車羽根と細隙部を構成し、シュラウ
ド側ケ−シングライナ3が軸方向となす角度αsは、羽
根車ハブ側2a出口部でケ−シング後壁面1aが軸方向
となす角度αcより小さく設けられている。
【0031】上記実施例による渦巻斜流ポンプ羽根車2
の出口部流路は以上の構成のため、設計点での理論揚程
Hthdより高い理論揚程が要求される低流量域におい
て、羽根車ハブ側とシュラウド側で均一の理論揚程とな
るように流れが変化し、ハブ側の子午面流速Vmhがシュ
ラウド側の子午面流速Vmsと比較して小さくなっても、
ケ−シング後壁面1aで逆流V3を生じることはない。
即ち、羽根車シュラウド側ケ−シングライナ3が軸方向
と成す角度αsはケ−シング後壁面1aが軸方向と成す
角度αcより小さいため、ハブ側の子午面流速Vmhが低
下する低流量域においても、羽根車出口中央からシュラ
ウド側の子午面流速Vmsの大きな流れは羽根車シュラウ
ドケ−シングライナ3の拘束によりケ−シング後壁面1
aに流入するため、ケ−シング後壁面1aで逆流V3
生じることはない。
【0032】図3は本発明の渦巻斜流ポンプの更に他の
実施例の羽根車2の出口付近の詳細断面図である。図3
に示す実施例では、羽根車ハブ側壁面2a及びケ−シン
グ後壁面1aの羽根車最大径部Dmaxまでを曲面とし、
シュラウド側ケ−シングライナ3を直線面に構成してい
る。
【0033】上記実施例による渦巻斜流ポンプの羽根車
出口部流路は以上の構成のため、設計点での理論揚程H
thdより高い理論揚程が要求される低流量域において、
羽根車ハブ側とシュラウド側で均一の理論揚程となるよ
うに流れが変化し、ハブ側の子午面流速Vmhがシュラウ
ド側の子午面流速Vmsと比較して小さくなっても、ケ−
シング後壁面1aで逆流V3を生じることはない。即
ち、直線状のシュラウド側ケ−シングライナ3と比較し
て曲面状のケ−シング後壁面1aは下流側に向かうに従
い軸方向と成す角度が大きくなるため、ハブ側の子午面
流速Vmhが低下する低流量域においても、羽根車出口中
央からシュラウド側の子午面流速Vmsの大きな流れは軸
方向となす角度が相対的に大きいケ−シング後壁面1a
に流入するため、ケ−シング後壁面1aで逆流V3を生
じることはない。
【0034】図4は本発明の渦巻斜流ポンプの更に他の
実施例の羽根車出口付近の詳細断面図である。図4に示
す実施例では、シュラウド側ケ−シングライナ3の曲率
半径Rsを、ハブ側壁面1aの曲率半径Rhから羽根車出
口幅Bを引いた値より大きく構成している。
【0035】上記実施例による渦巻斜流ポンプの羽根車
出口部流路は以上の構成のため、第3図に示す実施例の
場合と同様に、両壁面が軸方向となす角度は下流側に向
かうに従い大きくなるが、特に相対的に曲率の大きいケ
−シング後壁面1aの成す角度の増加割合が大きいた
め、ハブ側の子午面流速Vmhが低下する低流量域におい
ても、羽根車出口中央からシュラウド側の子午面流速V
msの大きな流れはケ−シング後壁面1aに流入する。従
って、ケ−シング後壁面1aで逆流V3を生じることは
ない。
【0036】尚、図3に示すように、ケ−シング後壁面
1aの形状はケ−シング後壁面1aに沿う流れがほぼ半
径方向外向きとなる径Dcまで曲面形状にすれば十分で
ある。即ち、羽根車をケ−シングに組込むため通常はケ
−シング後壁面をケ−シングカバ−9として分割する。
従って、羽根車シュラウド2b最大径Dmaxより若干大
きい径より内径側では曲面の一体部品で、外径側Dcで
は直線面で周方向に分割した部品で構成することによ
り、特に大形の渦巻斜流ポンプでは製作性、及び現地ま
での運搬性が向上する。
【0037】図5は本発明の渦巻斜流ポンプの更に他の
実施例の羽根車出口付近の詳細断面図である。本実施例
では、流路幅が半径方向にほぼ一定の矩形形状のボリュ
−トケ−シング1内には、羽根車後縁とハブ側壁面2a
のなす角度γが90度より小さい斜流羽根車2が設けら
れている。更に、ケ−シング後壁面1aが軸方向となす
角度(αc)を、ボリュ−ト巻始め位置では大きく(αc
1)、巻終わり位置では羽根車ハブ側壁面2a出口部が
軸方向となす角度αh程度まで小さく(αc2)してい
る。本ポンプで斜流羽根車2は、駆動機(図示せず)に
より回転軸4を介して回転し、水を昇圧してケ−シング
へと送る。
【0038】上記実施例による渦巻斜流ポンプ羽根車2
の出口部流路は以上の構成のため、ボリュ−トケ−シン
グを用いているが、設計点から外れた流量点においても
以下のように良好な流れが得られる。
【0039】即ち、図6に示すように、ボリュ−トケ−
シング内の流れは大流量側でβ1から低流量側でβ2のよ
うに、流量により流出角が変化するだけでなく、主流の
流出する周方向位置も、大流量側ではV1の流れで示す
ようにボリュ−ト巻き終わり近くに、低流量域ではV2
の流れに示すようにボリュ−ト巻始め近くに変化する。
【0040】上記実施例によるボリュ−トケ−シングで
は、後壁面1aの軸方向となす角度をボリュ−ト巻始め
位置では大きく、巻終わり位置で羽根車ハブ側壁面出口
部が軸方向となす角度程度まで小さくしているため、主
流が巻終わり位置付近を流れる大流量域では、ケ−シン
グ後壁面1aは流れに対して抵抗にならず、逆に主流が
巻始め付近を流れる低流量域では、ケ−シング後壁面1
aで流れが逆流しない。従って、広い流量範囲で高効率
が得られる。
【0041】図7は図3に示す実施例の羽根車出口にお
ける設計点付近の流れの説明図である。図において羽根
車出口流れが周方向にほぼ均一にケ−シングに流出する
設計点付近で、破線で示す速度3角形は周方向速度がハ
ブ側からシュラウド側まで半径に逆比例する、いわゆる
自由渦のフロ−パタ−ンの場合であり、実線に示す速度
3角形は本実施例の羽根車の場合である。図から分かる
ように本実施例の羽根車では、羽根車出口で絶対流速の
周方向速度成分Vuをシュラウド側で小さく(Vus)、
ハブ側で大きく(Vuh)羽根車を設計している。
【0042】上記実施例による渦巻斜流ポンプ羽根車は
上記構成のため、流量が低下しても羽根車ハブ側の子午
面速度の低下は少ない。即ち羽根車の理論揚程は羽根車
入口で予旋回がない場合には式(1)で表わされる。従
って、図7の速度3角形から得られる設計点付近の理論
揚程は、図8の実線に示すようにハブ側で大きく、シュ
ラウド側では小さくなる。このような羽根車では、高い
理論揚程が要求される低流量域においても、ハブ側の子
午面速度Vmhはまだシュラウド側より大きい。即ち、ケ
−シング後壁1aで式(2)に示す静圧上昇ΔPを極端
に生じない限り、子午面速度Vmの速度エネルギ−は静
圧上昇ΔPに打ち勝つことができるため、ケ−シング後
壁1aで逆流V3を生じることによる効率への悪影響を
抑えることができる。
【0043】以上各実施例は、第1図に示す実施例を除
き、羽根車シュラウド側側壁を羽根車とは別部品のケ−
シングライナ、即ちオ−プン羽根車の場合で説明した
が、羽根車と一体のクロ−ズド羽根車の場合でも同等の
効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】羽根車から流出した流れの角度が小さく
なる低流量域においても、渦巻斜流ポンプで問題となる
ボリュ−トケ−シング後壁面での流れの逆流がなく、広
い流量範囲で高効率が得られる。特に、製作性を考慮し
て断面形状が矩形状のボリュ−トケ−シングでは大きな
改善効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る渦巻斜流ポンプの実施例の全体縦
断面図である。
【図2】本発明に係る渦巻斜流ポンプの他の実施例の羽
根車出口部の詳細断面図である。
【図3】本発明に係る渦巻斜流ポンプの更に他の実施例
の羽根車出口部の詳細断面図である。
【図4】本発明に係る渦巻斜流ポンプの更に他の実施例
の羽根車出口部の詳細断面図である。
【図5】本発明の渦巻斜流ポンプの更に他の実施例の羽
根車出口部の詳細断面図である。
【図6】図5に示す実施例のボリュ−トケ−シング内の
流れの流量による変化の説明図である。
【図7】図3に示す実施例の羽根車出口の流れの速度3
角形の説明図である。
【図8】渦巻斜流ポンプの理論揚程の流量による変化の
説明図である。
【図9】従来の渦巻斜流ポンプの羽根車出口における流
れの流量による変化の説明図である。
【図10】図9に示す渦巻斜流ポンプのC−C面の流れ
の流量による変化の説明図である。
【符号の説明】
1 ………ケ−シング 1a ………ケ−シング後壁面 1b ………ケ−シング前壁面 2 ………羽根車 2a ………羽根車ハブ側壁面 2b ………羽根車シュラウド側壁面 3 ………ケ−シングライナ 4 ………回転軸 5 ………吸込流路 6 ………整流板 7 ………軸封部 8 ………軸封カバ− 9 ………ケ−シングカバ− R ………羽根車回転方向 U ………周速度 V ………絶対流速 Vm ………絶対流速の子午面速度成分 Vu ………絶対流速の周方向速度成分 V3 ………逆流 W ………相対流速 α ………壁面が軸方向となす角度 β ………流れ角 γ ………羽根車後縁と羽根車ハブ側壁面となす角度
フロントページの続き (72)発明者 小野 滋義 茨城県土浦市神立町603番地 日立土浦エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 三浦 誠二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流路幅がその断面内で半径方向にほぼ一定
    の矩形断面形状で、且つ周方向に渦巻状のボリュ−トケ
    −シングと、羽根車後縁とハブ側壁面のなす角度が90
    度より小さい斜流羽根車とからなる渦巻斜流ポンプにお
    いて、羽根車シュラウド側壁面を、羽根車ハブ側壁面の
    出口端に垂直方向の位置以上に出口側に延長する延長部
    分を有することを特徴とする渦巻斜流ポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1の渦巻斜流ポンプにおいて、シュ
    ラウド側壁面出口端が軸方向となす角度を、羽根車ハブ
    側出口部でケ−シング後壁面が軸方向となす角度より小
    さくすることを特徴とする渦巻斜流ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項1の渦巻斜流ポンプにおいて、羽根
    車ハブ側壁面及びケ−シング後壁面の羽根車最大径部ま
    でが曲面であり、シュラウド側壁面が直線面であること
    を特徴とする渦巻斜流ポンプ。
  4. 【請求項4】請求項1の渦巻斜流ポンプにおいて、羽根
    車シュラウド側壁面とハブ側壁面が曲面であり、該シュ
    ラウド側壁面の曲率半径をハブ側壁面の曲率半径から羽
    根車出口幅を引いた値より大きくすることを特徴とする
    渦巻斜流ポンプ。
  5. 【請求項5】請求項3又は4のいずれかに記載の渦巻斜
    流ポンプにおいて、羽根車ハブ側出口部でケ−シング後
    壁面が軸方向となす角度を、羽根車シュラウド側壁面出
    口部の軸方向となす角度より大きくすることを特徴とす
    る渦巻斜流ポンプ。
  6. 【請求項6】流路幅がその断面内で半径方向にほぼ一定
    の矩形断面形状で、且つ周方向に渦巻状のボリュ−トケ
    −シングと、羽根車後縁とハブ側壁面のなす角度が90
    度より小さい斜流羽根車とからなる渦巻斜流ポンプにお
    いて、該ケ−シング後壁面を羽根車シュラウド側壁面出
    口より内径側では曲面の一体部品で、外径側では直面の
    分割部品で構成することを特徴とする渦巻斜流ポンプ。
  7. 【請求項7】回転軸に対し傾斜した流路の斜流羽根車
    と、羽根車から流出した流れを集水する周方向に渦巻状
    のボリュ−トケ−シングからなる渦巻斜流ポンプにおい
    て、該ケ−シング後壁面が軸方向となす角度を、ボリュ
    −ト巻始め位置では大きく、巻終わり位置では羽根車ハ
    ブ側壁面出口部が軸方向となす角度程度まで小さくする
    ことを特徴とする渦巻斜流ポンプ。
  8. 【請求項8】流路幅がその断面内で半径方向にほぼ一定
    の矩形断面形状で、且つ周方向に渦巻状のボリュ−トケ
    −シングと、羽根車後縁とハブ側壁面のなす角度が90
    度より小さい斜流羽根車とからなる渦巻斜流ポンプにお
    いて、該羽根車を羽根車出口流れが周方向にほぼ均一に
    ケ−シングに流出する設計点付近で、羽根車出口流路幅
    方向の全圧がシュラウド側で小さくハブ側で大きくなる
    よう構成することを特徴とする渦巻斜流ポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037875A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 東京電力株式会社 液体機械
CN105782121A (zh) * 2016-04-07 2016-07-20 扬州大学 轴流泵

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