JPH0823266A - 電圧制御発振装置 - Google Patents

電圧制御発振装置

Info

Publication number
JPH0823266A
JPH0823266A JP6158691A JP15869194A JPH0823266A JP H0823266 A JPH0823266 A JP H0823266A JP 6158691 A JP6158691 A JP 6158691A JP 15869194 A JP15869194 A JP 15869194A JP H0823266 A JPH0823266 A JP H0823266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
fet
current
main electrode
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6158691A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Wakata
秀幸 若田
Eiichi Teraoka
栄一 寺岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP6158691A priority Critical patent/JPH0823266A/ja
Publication of JPH0823266A publication Critical patent/JPH0823266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 与えられた電源電圧のもとで発振周波数の範
囲を拡張する。 【構成】 FET素子15には、FET素子6,7,8
が並列に、しかもカレントミラー回路を構成するように
接続されている。FET素子群23の各FET素子、F
ET素子16、FET素子15も互いにカレントミラー
回路を構成し、FET素子群22の各FET素子とFE
T素子18は別のカレントミラー回路を構成する。入力
電圧信号VIに応じて電流I1が変化し、電流I1に比例
する電流I3がFET素子群23,22の各FET素子
を流れる。リングオシレータ21の発振周波数fOUT
電流I3に略比例して変化する。制御端子3,4,5に
入力される制御信号に応じて、FET素子6,7,8が
選択的にオン・オフすることにより電流I1が変化する
ので、発振周波数fOUTがより広い範囲にわたって変化
する。 【効果】 与えられた電源電圧のもとで発振周波数の範
囲が拡張される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電圧制御発振装置に
関し、特に、発振周波数の範囲を拡張するための改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】電圧制御発振装置(ボルテージ・コント
ロールド・オシレータ:以下においてVCOと略記す
る)は、入力電圧信号に応じて発振周波数を制御するこ
とが可能な発振装置である。VCOは、例えば、PLL
(フェーズ・ロックド・ループ)回路に組み込まれるこ
とによって、マイクロコンピュータのための高い周波数
のクロック信号を生成する目的などに用いられている。
【0003】このPLL回路は、例えば特表昭61−5
00402号公報に開示されるように、VCOの出力パ
ルスを分周して得られる分周パルス信号と、周波数は低
いが精度の高い外部クロック信号との間で、それらの位
相を比較することによって、分周パルスの周波数が外部
クロック信号の周波数に追随するようにVCOの発振周
波数を制御するものである。そのことによって、外部ク
ロック信号の周波数が一定比率で逓倍され、その結果、
周波数が高くしかも周波数精度の高いマイクロコンピュ
ータに適したクロック信号が得られる。
【0004】図9は、PLLに使用される従来のVCO
の構成を示す回路図である。図9において、21は同一
構造をなす奇数個のインバータ素子が循環的に接続され
て成るリングオシレータ、2はリングオシレータ21を
構成する1つのインバータの出力に接続された出力端
子、23は正電源電位線(第1直流電源電位線)からリ
ングオシレータ21へと電流を流し込むPMOS型のF
ET素子群、そして、22はリングオシレータ21から
負電源電位線(接地電位線;第2直流電源電位線)へと
電流を引き抜くNMOS型のFET素子群である。
【0005】リングオシレータ21は発振器として機能
し、反復するパルスを出力する。この出力パルスは出力
端子2を通じて外部へ取り出される。リングオシレータ
21を構成する各インバータ素子は、互いに直列に接続
されたPMOS型のFET素子とNMOS型のFET素
子とで構成されている。
【0006】FET素子群22は、リングオシレータ2
1を構成するインバータ素子と同数で互いに同一構造を
なすFET素子を有しており、これらの各FET素子の
ソース電極は負電源電位線に接続されるとともに、ドレ
イン電極は各インバータ素子に個別に接続されている。
また、FET素子群23も、リングオシレータ21を構
成するインバータ素子と同数で互いに同一構造のFET
素子を有しており、これらの各FET素子のソース電極
は正電源電位線に接続されるとともに、ドレイン電極は
各インバータ素子に個別に接続されている。
【0007】VCOにはさらに、外部からの入力電圧信
号に応じてこれらのFET素子群22およびFET素子
群23に流れる電流の大きさをを調整する回路部分が備
わっている。すなわち、この回路部分では、PMOS型
のFET素子15、NMOS型のFET素子17、およ
び抵抗素子19がこの順序で直列に接続されてなる直列
回路が、正電源電位線と負電源電位線の間に介挿されて
いる。また、PMOS型のFET素子16とNMOS型
のFET素子18との直列回路が、同じく正電源電位線
と負電源電位線との間に介挿されている。
【0008】FET素子15のゲート電極、FET素子
15のドレイン電極、およびFET素子16のゲート電
極は、互いに接続されており、これらの接続点と負電源
電位線との間には、もう一つの抵抗素子20が介挿され
ている。また、FET素子17のゲート電極は入力端子
1に接続されている。
【0009】さらに、FET素子群22を構成する各F
ET素子のゲート電極はFET素子18のゲート電極に
接続されており、同じくFET素子群23を構成する各
FET素子のゲート電極はFET素子16のゲート電極
に接続されている。また、FET素子18のゲート電極
は、そのドレイン電極と接続されている。すなわち、F
ET素子群22の各FET素子とFET素子18とは、
互いにカレントミラー回路を構成し、同様に、FET素
子群23を構成する各FET素子、FET素子15、お
よびFET素子16は、互いにもう一つのカレントミラ
ー回路を構成している。
【0010】このVCOは以上のように構成されるの
で、以下のように動作する。入力端子1には、直流の入
力電圧信号VIが入力される。まず、入力電圧信号V
Iが、負電源電位線の電位である0VからFET素子1
7の閾電圧(FETがオフからオンへと移行するための
ゲート・ソース間電圧)までの範囲の値であるときに
は、FET素子17はオフ(遮断)状態となる。このと
き、正電源電位線からFET素子15へと流れる電流I
1は、さらに抵抗素子20を通って負電源電位線へと流
れる。
【0011】FET素子15のゲート電極とドレイン電
極とが接続されているので、電流I 1の大きさは、抵抗
素子20の抵抗値とFET素子15の入出力特性(ゲー
ト・ソース間電圧と出力電流の間の関係)によって決定
される。しかしながら、抵抗素子20の抵抗値はFET
素子15のオン抵抗に比べて十分高い値に設定されるの
で、電流I1の大きさは主として抵抗素子20の抵抗値
によって決定される。
【0012】さらに、FET素子15とFET素子16
とはカレントミラー回路を構成するので、正電源電位線
からFET素子16へと、電流I1に比例した電流I2
流れる。その比例係数は、FET素子15とFET素子
16における、チャネル幅W、チャネル長Lによって決
まり、例えばFET素子15とFET素子16の間でそ
れらが互いに同一であれば、電流I2は電流I1と同一の
大きさとなる。また、FET素子群23の各FET素子
とFET素子16も、互いにカレントミラー回路を構成
するので、FET素子群23の各FET素子には電流I
2に比例した電流I3が流れる。
【0013】電流I2は、さらにFET素子18を通過
して負電源電位線へと流れる。このとき、FET素子1
8のゲート・ソース間電圧は、FET素子18の入出力
特性と電流I2とによって決まる。そして、FET素子
群22の各FET素子とFET素子18とは、互いにカ
レントミラー回路を構成するので、FET素子群22の
各FET素子には、電流I2に比例した電流I3が流れ
る。
【0014】なお、FET素子群22の各FET素子と
FET素子群23の各FET素子とを同一の大きさの電
流I3が流れるように、FET素子群22の各FET素
子とFET素子18との間の電流の比と、FET素子群
23の各FET素子とFET素子16との間の電流の比
とが互いに同一となるように、それらのFET素子にお
けるチャネル幅W、チャネル長Lが設定されている。
【0015】以上のように、入力電圧信号VIがFET
素子17の閾電圧以下の値であるときには、リングオシ
レータ21を構成する各インバータ素子には、主として
抵抗素子20の抵抗値で決まる電流I3が供給される。
【0016】つぎに、入力電圧信号VIがFET素子1
7の閾電圧を超える値であるときには、FET素子17
がオンするので、電流I1は、FET素子17と抵抗素
子19との直列回路を流れる電流と抵抗素子20を流れ
る電流との和となる。FET素子17を流れる電流の大
きさは、入力電圧信号VI、抵抗素子19の抵抗値、お
よびFET素子17の入出力特性によって決まる。入力
電圧信号VIが高いほどFET素子17を流れる電流は
大きくなる。したがって、FET素子15を流れる電流
1の大きさは、入力電圧信号VIが上昇すると電流I1
も増加する。
【0017】入力電圧信号VIが閾電圧を超えるときに
は、電流I1の大きさは入力電圧信号VIによって感度よ
く変化するのが望ましいので、抵抗素子20の抵抗値は
抵抗素子19の抵抗値に比べて十分に高い値に設定され
る。すなわち、電流I1の2つの成分の中で、抵抗素子
20を流れる電流よりもFET素子17を流れる電流が
支配的となるように、抵抗素子19と抵抗素子20の抵
抗値がそれぞれ設定されている。したがって、入力電圧
信号VIがFET素子17の閾電圧を超えるときには、
電流I1は入力電圧信号VIの上昇にともなって、ほぼ直
線的に増加する。
【0018】入力電圧信号VIが高いほど電流I1が大き
くなるので、カレントミラー効果によって、FET素子
群23、22の各FET素子を流れる電流I3も大きく
なる。すなわち、入力電圧信号VIがFET素子17の
閾電圧を超えるときには、リングオシレータ21を構成
する各インバータ素子には、入力電圧信号VIの高さに
応じた大きさの電流I3が供給される。
【0019】リングオシレータ21の発振周波数は、主
として、各インバータ素子のゲート容量と各インバータ
素子の間を接続する配線に寄生する配線容量との和、お
よびこれらの容量を充放電するのに供される電流I3
大きさによって決まる。ゲート容量と配線容量は定数で
あるので、発振周波数は主として電流I3によって決定
され、しかも略比例する。
【0020】したがって、入力電圧信号VIが閾電圧を
超えた領域では、発振周波数は入力電圧信号VIの上昇
に対して略直線的に上昇する。図10は、このVCOに
おいて、正電源電位線の電位すなわち電源電圧が3Vで
あるときの入出力特性、すなわち発振周波数fOUTと入
力電圧信号VIとの関係を示すグラフである。図10に
示すように、入力電圧信号VIがFET素子17の閾電
圧VTH以下の大きさであるときには、発振周波数fOUT
は一定であり、入力電圧信号VIが閾電圧VTHを超えた
領域では、発振周波数fOUTは入力電圧信号VIに略直線
的に依存する。このように、このVCOでは入力電圧信
号VIを調節することによって、発振周波数fOUTすなわ
ち出力端子2から出力されるパルスの周波数を所望の大
きさに設定することが可能である。
【0021】また、リングオシレータ21には電流流し
込み側と電流引き抜き側との双方に、FET素子群が接
続され、しかも、上述したようにFET素子群23の各
FET素子を流れる電流とFET素子群22の各FET
素子を流れる電流の大きさが互いに同じになるように、
各FET素子のチャネル幅、チャネル長が設定されてい
るので、出力端子2からは、デューティ比が50%であ
る理想的なクロックパルスが得られる。また、入力電圧
信号VIにともなって、FET素子群23の各FET素
子を流れる電流とFET素子群22の各FET素子を流
れる電流の大きさは同じ比率が変化するので、デューテ
ィ比は入力電圧信号VIに依存しない一定となる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10に示
されるように、入力電圧信号VIが電源電圧に相当する
3V付近ないしそれ以上の値であるときでは、発振周波
数fOUTはもはや入力電圧信号VIに依存しない一定値と
なる。すなわち、発振周波数fOUTと入力電圧信号VI
の関係は、略折れ線で表現される。VCOにおける発振
周波数fOUTと入力電圧信号VIの関係が略折れ線で表現
されるという事実は、例えば、IEEE JOURNAL OF SOLID-
STATE CIRCUITS VOL.SC-22, NO.2, APRIL 1987 “Des
ign of PLL-Based Clock Generation Circuits"におけ
るFig.10に示されるように、文献上においても裏付けら
れている。
【0023】したがって、入力電圧信号VIの値は、閾
電圧VTHから電源電圧までの範囲内で与えられなければ
ならない。しかも、ある程度のマージンをもって動作さ
せる必要があるので、閾電圧VTHから幾分高い電圧値V
1と電源電圧から幾分低い電圧値V2が設定され、入力電
圧信号VIの値は、これらの電圧値V1から電圧値V2
での範囲内に制限される。その結果、発振周波数fOUT
は、図10に示す動作範囲81内に制限される。このV
COが組み込まれたPLLでは、入力電圧信号VIがこ
の制限範囲を超えるときには、正常な逓倍動作は保証さ
れない。
【0024】VCOが組み込まれたPLLでは、出力さ
れるクロックの周波数の範囲には一定の限界があるが、
この限界は主としてVCOにおける入力電圧信号VI
値への制限に由来する。近年、電源電圧が低圧化される
傾向にあり、それにともなって、VCOの入力電圧信号
Iの範囲がますます狭くなり、その結果、PLLが出
力するクロックパルスの周波数が一層狭くなるという問
題点があった。
【0025】この発明は、従来の電圧制御発振装置にお
ける上記した問題点を解消するためになされたもので、
与えられた電源電圧のもとで発振周波数の範囲が広く、
そのため、PLLに組み込まれたときに、周波数の範囲
の広いクロックパルスの出力を可能にする電圧制御発振
装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる請求項
1に記載の電圧制御発振装置は、奇数個のインバータが
循環的に接続されて成るリングオシレータを備えるとと
もに、当該リングオシレータに流し込む電流および当該
リングオシレータから引き抜く電流を、入力電圧信号に
応答して変化させることによって前記リングオシレータ
の発振周波数を可変とした電圧制御発振装置において、
外部から入力される制御信号に応答して、前記電圧制御
発振装置を構成する少なくとも一部の回路素子の特性を
等価的に可変とすることによって、前記2つの電流の大
きさを、前記制御信号に応じてさらに可変としたことを
特徴とする。
【0027】この発明にかかる請求項2に記載の電圧制
御発振装置は、入力電圧信号に応じて発振周波数を制御
可能な電圧制御発振装置であって、第1直流電源電位線
に一方主電極が接続され、他方主電極と制御電極とが互
いに接続された第1トランジスタと、前記第1トランジ
スタの他方主電極と第2直流電源電位線の間に介挿さ
れ、制御電極に前記入力電圧信号が入力可能な第2トラ
ンジスタと、前記第1直流電源電位線に一方主電極が接
続され、前記第1トランジスタとカレントミラー回路を
構成する第3トランジスタと、前記第2直流電源電位線
に一方主電極が接続され、制御電極と他方主電極とが互
いに接続されるとともに、当該他方主電極が前記第3ト
ランジスタの他方主電極に接続された第4トランジスタ
と、前記第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、
前記第3トランジスタとカレントミラー回路を構成する
奇数個の第5トランジスタと、前記第2直流電源電位線
に一方主電極が接続され、前記第4トランジスタとカレ
ントミラー回路を構成する前記奇数と同数の第6トラン
ジスタと、前記第5トランジスタの他方主電極と前記第
6トランジスタの他方主電極の間に各1が介挿されると
ともに、入力と出力とが循環的に接続されることによっ
てリングオシレータを構成する前記奇数と同数のインバ
ータ素子と、前記第1ないし第6トランジスタのいずれ
かを主トランジスタとし、当該主トランジスタに並列に
接続される1本以上の分岐路と、前記各分岐路毎に介挿
されるとともに、少なくとも導通時には前記主トランジ
スタとカレントミラー回路を構成する従トランジスタ
と、外部から入力される制御信号に応答して、前記分岐
路を選択的に遮断するスイッチ手段と、を備える。
【0028】この発明にかかる請求項3に記載の電圧制
御発振装置は、請求項2に記載の電圧制御発振装置にお
いて、前記主トランジスタが前記第1または第2トラン
ジスタのいずれかである。
【0029】この発明にかかる請求項4に記載の電圧制
御発振装置は、請求項2に記載の電圧制御発振装置にお
いて、前記スイッチ手段が、前記制御信号に応答して、
前記従トランジスタの制御電極を、当該従トランジスタ
を遮断させる信号源と前記主トランジスタの制御電極と
のいずれかに選択的に接続する選択手段、を備える。
【0030】この発明にかかる請求項5に記載の電圧制
御発振装置は、請求項2に記載の電圧制御発振装置にお
いて、前記スイッチ手段が、前記分岐路毎に介挿され、
前記制御信号に応答して導通および遮断するスイッチ素
子、を備える。
【0031】この発明にかかる請求項6に記載の電圧制
御発振装置は、入力電圧信号に応じて発振周波数を制御
可能な電圧制御発振装置であって、第1直流電源電位線
に一方主電極が接続され、他方主電極と制御電極とが互
いに接続された第1トランジスタと、前記第1トランジ
スタの他方主電極と第2直流電源電位線の間に介挿さ
れ、制御電極に前記入力電圧信号が入力可能な第2トラ
ンジスタと、前記第1直流電源電位線に一方主電極が接
続され、前記第1トランジスタとカレントミラー回路を
構成する第3トランジスタと、前記第2直流電源電位線
に一方主電極が接続され、制御電極と他方主電極とが互
いに接続されるとともに、当該他方主電極が前記第3ト
ランジスタの他方主電極に接続された第4トランジスタ
と、前記第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、
前記第3トランジスタとカレントミラー回路を構成する
奇数個の第5トランジスタと、前記第2直流電源電位線
に一方主電極が接続され、前記第4トランジスタとカレ
ントミラー回路を構成する前記奇数と同数の第6トラン
ジスタと、前記第5トランジスタの他方主電極と前記第
6トランジスタの他方主電極の間に各1が介挿されると
ともに、入力と出力とが循環的に接続されることによっ
てリングオシレータを構成する前記奇数と同数のインバ
ータ素子と、前記第2トランジスタと前記第2直流電源
電位線との間に介挿されるとともに、複数の単位抵抗素
子が互いに直列に接続されてなる抵抗素子と、前記制御
信号に応答して前記複数の単位抵抗素子を選択的に短絡
させるスイッチ素子と、を備える。
【0032】なお、この発明において、「カレントミラ
ー回路」とは、複数のトランジスタが、互いに一定の比
率で電流が流れるように並列に接続された回路構造をい
う。
【0033】
【作用】請求項1に記載の電圧制御発振装置では、少な
くとも一部の回路素子の特性が制御信号によって等価的
に変わり、そのことによって一定の入力電圧信号の下で
リングオシレータに流し込まれる電流およびリングオシ
レータから引き抜かれる電流の大きさが変わる。その結
果、リングオシレータの発振周波数の範囲が拡大する。
【0034】請求項2に記載の電圧制御発振装置では、
第1、第3および第5トランジスタが互いにカレントミ
ラー回路を構成し、第4および第6トランジスタが互い
にもう一つのカレントミラー回路を構成する。しかも、
互いに接続される第1および第2トランジスタには同一
の電流が流れ、互いに接続される第3および第4トラン
ジスタにも同一の電流が流れる。
【0035】したがって、入力電圧信号に応じて変化す
る第2トランジスタを流れる電流に比例した電流が、第
5および第6トランジスタを流れ、これらの一方と他方
が、それぞれリングオシレータへの流し込み電流および
引き抜き電流となる。その結果、入力電圧信号に応じて
リングオシレータの発振周波数が変化する。しかも、流
し込み電流と引き込み電流の双方が同じ比率で変わるの
で、出力パルスのデューティ比は一定に保持される。
【0036】また、第1〜第6トランジスタの一つであ
る主トランジスタに分岐路が並列に接続され、さらに、
導通時には主トランジスタとカレントミラー回路を構成
する従トランジスタが各分岐路毎に介挿されており、制
御信号に応答して分岐路が選択的に遮断されるので、制
御信号に応答してあたかも主トランジスタにおける入出
力特性が変化したことと等価的な動作をする。このた
め、一定の入力電圧信号の下でリングオシレータに流し
込まれる電流およびリングオシレータから引き抜かれる
電流の大きさが、制御信号に応じて変わる。その結果、
リングオシレータの発振周波数の範囲が拡大する。
【0037】請求項3に記載の電圧制御発振装置では、
第1または第2トランジスタに従トランジスタが接続さ
れるので、制御信号に応答して第5および第6トランジ
スタを流れる電流の双方が同じ比率で変わる。したがっ
て、リングオシレータの出力パルスのデューティ比を変
えることなく、発振周波数だけが制御信号に応じて変わ
る。
【0038】請求項4に記載の電圧制御発振装置では、
制御信号に応答して従トランジスタの制御電極が信号源
に接続されると、従トランジスタがオフすることによっ
て、従トランジスタが介挿される分岐路が遮断される。
逆に、従トランジスタの制御電極が主トランジスタの制
御電極に接続されると、分岐路は導通すると同時に従ト
ランジスタと主トランジスタはカレントミラー回路を構
成する。
【0039】請求項5に記載の電圧制御発振装置では、
分岐路毎に介挿されたスイッチ素子が制御信号に応答し
て動作することによって、分岐路が選択的に遮断され
る。
【0040】請求項6に記載の電圧制御発振装置は、第
1、第3および第5トランジスタが互いにカレントミラ
ー回路を構成し、第4および第6トランジスタが互いに
もう一つのカレントミラー回路を構成する。しかも、互
いに接続される第1および第2トランジスタには同一の
電流が流れ、互いに接続される第3および第4トランジ
スタにも同一の電流が流れる。
【0041】したがって、入力電圧信号に応じて変化す
る第2トランジスタを流れる電流に比例した電流が、第
5および第6トランジスタを流れ、これらの一方と他方
が、それぞれリングオシレータへの流し込み電流および
引き抜き電流となる。その結果、入力電圧信号に応じて
リングオシレータの発振周波数が変化する。しかも、入
力電圧信号を変えても、流し込み電流と引き込み電流の
双方が同じ比率で変わるので、出力パルスのデューティ
比は一定に保持される。
【0042】また、第2トランジスタと負電源電位線の
間に抵抗素子が直列に介挿され、しかも、抵抗素子を構
成する単位抵抗素子が制御信号に応答して選択的に短絡
されるので、制御信号に応答して、あたかも抵抗素子の
抵抗値が変化したことと等価的な動作をする。その結
果、入力電圧信号が一定の下での第1および第2トラン
ジスタを流れる電流が制御信号によってさらに変化す
る。第1および第2トランジスタを流れる電流が変われ
ば、流し込み電流及び引き込み電流も、それにともなっ
て変わる。このため、リングオシレータの発振周波数の
範囲が拡大する。
【0043】しかも、制御信号に応答して、流し込み電
流と引き抜き電流の双方が同じ比率で変化するので、制
御信号によって発振周波数が変化する際にもリングオシ
レータの出力パルスのデューティ比は不変である。すな
わち、リングオシレータの出力パルスのデューティ比を
変えることなく、発振周波数の範囲が拡張される。
【0044】
【実施例】
<第1実施例>図1は、第1実施例のVCOの構成を示
す回路図である。なお以下の図において、図9に示した
従来装置と同一部分には同一符号を付して、その詳細な
説明を略する。図1に示すように、このVCOは、3個
のPMOS型のFET素子6,7,8がFET素子15
に並列に接続されている点が、図9に示した従来のVC
Oとは特徴的に異なっている。これらのFET素子6,
7,8のチャネル幅およびチャネル長は、いずれもFE
T素子15と同一に設定されている。
【0045】また、FET素子6,7,8のゲート電極
と正電源電位線の間には、PMOS型のFET素子1
2,13,14が、それぞれ個別に介挿されている。さ
らに、FET素子8のゲート電極とFET素子15のゲ
ート電極との間にトランスミッションゲート素子11が
介挿され、FET素子7のゲート電極とFET素子8の
ゲート電極の間にはもう一つのトランスミッションゲー
ト素子10が介挿されている。そして、FET素子6の
ゲート電極とFET素子7のゲート電極の間には、さら
に別のトランスミッションゲート素子9が介挿されてい
る。
【0046】FET素子12とトランスミッションゲー
ト素子9は、制御電極3に入力される制御信号に応答し
てオンまたはオフする。同様に、FET素子13とトラ
ンスミッションゲート素子10は、制御電極4に入力さ
れる制御信号に応答して動作し、FET素子14とトラ
ンスミッションゲート素子11は、制御電極5に入力さ
れる制御信号に応答して動作する。
【0047】制御端子5に入力される制御信号がハイレ
ベル(以下において、「H」と略記する)であるときに
は、FET素子14がオンするとともにトランスミッシ
ョンゲート素子11がオフする。このため、FET素子
8はオフ状態となる。逆に、制御端子5に入力される制
御信号がロウレベル(以下において、「L」と略記す
る)であるときには、FET素子14がオフするととも
にトランスミッションゲート素子11がオンする。その
結果、FET素子8のゲート電極はFET素子15のゲ
ート電極に短絡される。すなわち、制御端子5に入力さ
れる制御信号がLであるときには、FET素子8とFE
T素子15とはカレントミラー回路を構成するので、F
ET素子8にはFET素子15と同じ電流I1が流れ
る。
【0048】同様に、制御端子4に入力される制御信号
がHであるときには、FET素子13がオンするととも
にトランスミッションゲート素子10がオフする。この
ため、FET素子7はオフ状態となる。逆に、制御端子
4に入力される制御信号がLであるときには、FET素
子13がオフするとともにトランスミッションゲート素
子10がオンする。したがって、このとき制御端子5に
もLが入力されておれば、FET素子7のゲート電極は
FET素子15のゲート電極に短絡される。すなわち、
制御端子4,5に入力される制御信号がともにLである
ときには、FET素子7,8,15は、互いにカレント
ミラー回路を構成するので、各FET素子7,8にはF
ET素子15と同じ電流I1が流れる。
【0049】制御端子3に入力される制御信号がHであ
るときには、FET素子12がオンするとともにトラン
スミッションゲート素子9がオフする。このため、FE
T素子6はオフ状態となる。逆に、制御端子3に入力さ
れる制御信号がLであるときには、FET素子12がオ
フするとともにトランスミッションゲート素子9がオン
する。したがって、このとき制御端子4,5のいずれに
もLが入力されておれば、FET素子6のゲート電極は
FET素子15のゲート電極に短絡される。すなわち、
制御端子3,4,5に入力される制御信号がいずれもL
であるときには、FET素子6,7,8,15は、互い
にカレントミラー回路を構成するので、各FET素子
6,7,8にはFET素子15と同じ電流I1が流れ
る。
【0050】すなわち、制御端子3,4,5に入力され
る制御信号は、(HHH)、(HHL)、(HLL)、
および(LLL)の4通りが可能であり、それぞれにお
いて、FET素子6,7,8,15のうちの1個〜4個
のFET素子がオンする。各FET素子6,7,8,1
5を流れる電流I1の総和が、入力電圧信号VI、FET
素子17の入出力特性、および抵抗素子19,20の抵
抗値で定まるので、FET素子6,7,8のうちでオン
する素子が多いほど、1個の素子を流れる電流I1の値
は減少する。
【0051】FET素子6,7,8のうちの2個がオン
すると、FET素子15のみがオンする場合に比べて電
流I1は略1/2となる。同様に、3個がオンすると電
流I1は略1/3となり、4個全てがオンすると電流I1
は略1/4となる。電流I2および電流I3は、電流I1
に比例するので、電流I1が略1/2、1/3、および
1/4となるのにともなって、電流I2および電流I3
同様に略1/2、1/3、および1/4となる。さら
に、発振周波数fOUTも同様に略1/2、1/3、およ
び1/4となる。
【0052】図2は、このVCOの入出力特性を示すグ
ラフである。このグラフには、4通りの制御信号に対応
する4本の曲線30〜33が描かれている。各曲線30
〜33は略折れ線で表される。制御信号が(HHH)で
あるときの入出力特性は曲線30で表される。入力電圧
信号VIは、電圧値V1から電圧値V2の範囲に制限され
るので、発振周波数fOUTは動作範囲34内で可変であ
る。
【0053】同様に、制御信号が(HHL)であるとき
の入出力特性は曲線31で表され、このとき発振周波数
OUTは動作範囲35内で可変である。また、制御信号
が(HLL)であるときの入出力特性は曲線32で表さ
れ、このとき発振周波数fOUTは動作範囲36内で可変
である。さらに、制御信号が(LLL)であるときの入
出力特性は曲線33で表され、このとき発振周波数f
OUTは動作範囲37内で可変である。
【0054】図2に示されるように、動作範囲34の上
限値を周波数fで表すと、動作範囲35〜37の上限値
は、それぞれ略1/2f、1/3f、および1/4fと
なる。すなわち、動作範囲の上限値は、制御信号が(H
HH)であるときに最も高い値が得られる。一方、動作
範囲の下限値は、制御信号が(LLL)であるときの動
作範囲37において最も低い値が得られる。
【0055】従来のVCOでは、図10に示したよう
に、動作範囲35〜37のうちの一つの動作範囲しか得
られなかった。それに対して、この実施例のVCOで
は、制御信号を適宜切り替えることによって、動作範囲
37の下限値から動作範囲35の上限値までの広い範囲
にわたって発振周波数fOUTを可変とすることができ
る。すなわち、動作範囲が従来のVCOに比べて拡張さ
れている。
【0056】しかも、制御信号に応答してFET素子群
23の各素子とFET素子群22の各素子を流れる電流
の双方が同じ比率で変わるので、リングオシレータ21
の出力パルスのデューティ比を変えることなく、発振周
波数fOUTの動作範囲だけが拡張される。また、FET
素子6,7,8はいずれもFET素子15に直結されて
おり、これらのFET素子の間に他の素子、負荷などが
介挿されないので、これらのFET素子の中のいずれか
が優先的に飽和状態となることがない。このため、これ
らのFET素子6,7,8,15を流れる電流の大きさ
の間の比例性が良好である。
【0057】なお、以上の説明では、4つのFET素子
6,7,8,15のゲート電極の間にトランスミッショ
ンゲート素子9,10,11が介挿されていたが、3つ
のFET素子6,7,8のゲート電極のそれぞれとFE
T素子15のゲート電極との間に、トランスミッション
ゲート素子9,10,11の各1が個別に介挿されてい
てもよい。このときには、制御信号(HHL)の代わり
に(LHH)あるいは(HLH)を入力することが可能
となり、(HLL)の代わりに(LHL)あるいは(L
LH)を入力することが可能となる。すなわち、HとL
の任意の組み合わせを制御信号として付与することが可
能となる。
【0058】また、以上の説明では、FET素子15に
並列に接続されるFET素子は3個であったが、一般に
1個以上のFET素子が並列に接続されておれば、従来
のVCOよりも広い動作範囲が得られる。この動作範囲
は、並列に接続されるFET素子の個数が大きいほど広
くなる。
【0059】さらに、以上の説明では、FET素子15
に並列に接続されるFET素子6,7,8は、いずれも
FET素子15とチャネル幅およびチャネル長が同一で
あったが、一般には、チャネル幅およびチャネル長が異
なるFET素子が接続されてもよい。例えば、FET素
子15の2倍の電流が流れるFET素子を接続した場合
には、このFET素子を一個だけオンすることによっ
て、電流I1は1/3に減少する。その結果、上述のF
ET素子7,8の双方をオンしたと同様の効果が得られ
る。
【0060】<第2実施例>図3は、第2実施例のVC
Oの構成を示す回路図である。このVCOは、3つの直
列回路がFET素子17に並列に接続されている点が、
図9に示した従来のVCOとは特徴的に異なっている。
各直列回路は、NMOS型のFET素子40,41,4
2の各1と、トランスミッションゲート素子9,10,
11の各1とがそれぞれ直列に接続されて成る。3つの
FET素子40,41,42のチャネル長およびチャネ
ル幅は、いずれもFET素子17と同一に設定されてい
る。
【0061】また、各FET素子40〜42には、各ト
ランスミッションゲート素子9,10,11がそれぞれ
直列に接続されるとともに、FET素子40,41,4
2のゲート電極はFET素子17のゲート電極に接続さ
れている。これらのトランスミッションゲート素子9,
10,11のオン・オフ動作は、制御端子3,4,5に
入力される制御信号によって決定される。すなわち、制
御端子3に入力される制御信号がHであればトランスミ
ッションゲート素子9はオンし、逆にLであればオフす
る。同様に、制御端子4に入力される制御信号のH/L
に応じてトランスミッションゲート素子10がオン/オ
フし、制御端子5に入力される制御信号のH/Lに応じ
てトランスミッションゲート素子11がオン/オフす
る。
【0062】したがって、制御端子3,4,5に入力さ
れる制御信号が(HHH)であるときには、トランスミ
ッションゲート素子9,10,11のいずれもがオンと
なる。FET素子40,41,42のゲート電極はFE
T素子17のゲート電極に接続されているので、このと
き、FET素子40,41,42はいずれもFET素子
17とカレントミラー回路を構成する。しかも、トラン
スミッションゲート素子9,10,11のオン抵抗が十
分に小さいことから、FET素子40,41,42の何
れもがFET素子17に並列に接続される。このため、
FET素子17のチャネル幅が実質的に略4倍に拡張さ
れたことと等価となる。
【0063】抵抗素子19の抵抗値は、FET素子1
7,40,41,42のオン抵抗に比べて十分に低く設
定されている。このため、入力端子1へ入力される入力
電圧信号VIがFET素子17の閾電圧VTH(=FET
素子40,41,42の閾電圧VTH)を超えるときにF
ET素子15を流れる電流I1は、トランスミッション
ゲート素子9,10,11の何れもがオフであるとき、
すなわち制御信号が(LLL)である場合に比べて略4
倍となる。
【0064】同様に、制御端子3,4,5に入力される
制御信号の中の2つがHであれば、FET素子17のチ
ャネル幅が3倍に拡張されたことと実質的に等価である
ので、入力電圧信号VIが閾電圧VTHであるときの電流
1は、制御信号が(LLL)である場合に比べて略3
倍となる。また、制御信号の中の1つのみがHであれ
ば、FET素子17のチャネル幅が2倍に拡張されたこ
とと実質的に等価であるので、入力電圧信号VIが閾電
圧VTHであるときの電流I1は、制御信号が(LLL)
である場合に比べて略2倍となる。電流I2および電流
3はいずれも、電流I1に比例するので、電流I1が略
2倍、3倍、および4倍になると、それにともなって、
電流I2および電流I3も略2倍、3倍、および4倍とな
る。さらに、発振周波数fOUTも同様に、略2倍、3
倍、および4倍となる。
【0065】一方、入力電圧信号VIが閾電圧VTH以下
であるときには、FET素子17,40,41,42は
何れもオフ状態となるので、制御信号をどのように与え
ても、電流I1の値は制御信号が(LLL)であるとき
と変わりない。したがって、電流I2および電流I3にも
変化はない。
【0066】図4は、このVCOの入出力特性を示すグ
ラフである。このグラフには、4通りの制御信号に対応
する4本の曲線30〜33が描かれている。そして、各
曲線30〜33は、略折れ線で表現される。なお、図4
において、制御信号の組(HHL)は(HLH)および
(LHH)をも代表しており、同様に、制御信号の組
(HLL)は(LHL)および(LLH)をも代表して
いる。
【0067】制御信号が(HHH)であるときの入出力
特性は曲線30で表される。入力電圧信号VIは、電圧
値V1から電圧値V2の範囲に制限されるので、発振周波
数fOUTは動作範囲34内で可変である。同様に、制御
信号が(HHL)であるときの入出力特性は曲線31で
表され、このとき発振周波数fOUTは動作範囲35内で
可変である。また、制御信号が(HLL)であるときの
入出力特性は曲線32で表され、このとき発振周波数f
OUTは動作範囲36内で可変である。さらに、制御信号
が(LLL)であるときの入出力特性は曲線33で表さ
れ、このとき発振周波数fOUTは動作範囲37内で可変
である。
【0068】図4に示されるように、動作範囲34の上
限値を周波数fで表すと、動作範囲35〜37の上限値
は、それぞれ略3/4f、1/2f、および1/4fと
なる。すなわち、動作範囲の上限値は、制御信号が(H
HH)であるときに最も高い値が得られる。一方、動作
範囲の下限値は、制御信号が(LLL)であるときの動
作範囲37において最も低い値が得られる。
【0069】従来のVCOでは、図10に示したよう
に、動作範囲35〜37のうちの一つの動作範囲しか得
られなかった。それに対して、この実施例のVCOで
は、制御信号を適宜切り替えることによって、動作範囲
37の下限値から動作範囲35の上限値までの広い範囲
にわたって発振周波数fOUTを可変とすることができ
る。すなわち、この実施例のVCOにおいても、動作範
囲が従来のVCOに比べて拡張されている。
【0070】しかも、制御信号に応答してFET素子群
23の各素子とFET素子群22の各素子を流れる電流
の双方が同じ比率で変わるので、リングオシレータ21
の出力パルスのデューティ比を変えることなく、発振周
波数fOUTの動作範囲だけが拡張される。また、この実
施例のVCOは、より少ない素子数で簡単に構成できる
という利点がある。
【0071】なお、以上の説明では、FET素子17に
並列に接続されるFET素子は3個であったが、一般に
1個以上のFET素子が並列に接続されておれば、従来
のVCOよりも広い動作範囲が得られる。この動作範囲
は、並列に接続されるFET素子の個数が大きいほど広
くなる。
【0072】さらに、以上の説明では、FET素子17
に並列に接続されるFET素子40,41,42は、い
ずれもFET素子17とチャネル幅およびチャネル長が
同一であったが、一般には、チャネル幅およびチャネル
長が異なるFET素子が接続されてもよい。
【0073】<第3実施例>図5は、第3実施例のVC
Oの構成を示す回路図である。このVCOは、抵抗素子
19に直列に3つの抵抗素子43,44,45が接続さ
れ、これらの4個の抵抗素子の間の接続点46,47,
48と負電源電位線との間にトランスミッションゲート
素子11,10,9がそれぞれ介挿されている点が、図
9に示した従来のVCOとは特徴的に異なっている。な
お、抵抗素子43,44,45の抵抗値は、抵抗素子1
9の抵抗値と同一に設定されている。
【0074】これらのトランスミッションゲート素子
9,10,11のオン・オフ動作は、制御端子3,4,
5に入力される制御信号によって決定される。すなわ
ち、制御端子3に入力される制御信号がHであればトラ
ンスミッションゲート素子9はオンし、逆にLであれば
オフする。同様に、制御端子4に入力される制御信号の
H/Lに応じてトランスミッションゲート素子10がオ
ン/オフし、制御端子5に入力される制御信号のH/L
に応じてトランスミッションゲート素子11がオン/オ
フする。
【0075】トランスミッションゲート素子9,10,
11のオン抵抗はいずれも、抵抗素子43,44,45
の抵抗値よりも十分低く設定されている。このため、ト
ランスミッションゲート素子9がオンすると、抵抗素子
45が短絡され、トランスミッションゲート素子10が
オンすると、抵抗素子44,45がともに短絡され、さ
らに、トランスミッションゲート素子11がオンする
と、抵抗素子43,44,45の全てが短絡される。
【0076】したがって、制御端子3,4,5に入力さ
れる制御信号として(HHH)、(HHL)、(HL
L)、および(LLL)の4通りが可能であり、FET
素子17のソース電極と負電源電位線の間の抵抗の大き
さは、それぞれ、略1:2:3:4の比となる。言い替
えると、制御信号が(HHL)、(HLL)、および
(LLL)であるときの、FET素子17のソース電極
と負電源電位線の間の抵抗の大きさは、制御信号が(H
HH)であるときに比べて、それぞれ2倍,3倍,およ
び4倍となる。
【0077】入力電圧信号VIがFET素子17の閾電
圧VTHを超えるときにFET素子15を流れる電流I1
の大きさは、FET素子17のソース電極と負電源電位
線の間の抵抗の大きさに略反比例する。このため、入力
電圧信号VIが閾電圧VTHを超えるときの電流I1の大き
さは、制御信号が(HHL)、(HLL)、および(L
LL)であるときには、制御信号が(HHH)であると
きに比べて、それぞれ略1/2,1/3,および1/4
となる。
【0078】電流I2および電流I3はいずれも、電流I
1に比例するので、電流I1が略1/2、1/3、および
1/4になると、それにともなって、電流I2および電
流I3も略1/2、1/3、および1/4となる。さら
に、発振周波数fOUTも同様に、略1/2、1/3、お
よび1/4となる。
【0079】一方、入力電圧信号VIが閾電圧VTH以下
であるときには、FET素子17はオフ状態となるの
で、制御信号をどのように与えても、電流I1の値は制
御信号が(HHH)であるときと変わりない。したがっ
て、電流I2および電流I3、さらに発振周波数fOUT
も、制御信号にともなう変化はない。
【0080】したがって、この実施例のVCOの入出力
特性は、図2のグラフで表される。図2に示されるよう
に、制御信号が(HHH)であるときの動作範囲34の
上限値を周波数fで表すと、制御信号が(HHL)、
(HLL)、および(LLL)であるときの動作範囲3
5〜37の上限値は、それぞれ略1/2f、1/3f、
および1/4fとなる。すなわち、動作範囲の上限値
は、制御信号が(HHH)であるときに最も高い値が得
られる。一方、動作範囲の下限値は、制御信号が(LL
L)であるときの動作範囲37において最も低い値が得
られる。
【0081】従来のVCOでは、図10に示したよう
に、動作範囲35〜37のうちの一つの動作範囲しか得
られなかった。それに対して、この実施例のVCOで
は、制御信号を適宜切り替えることによって、動作範囲
37の下限値から動作範囲35の上限値までの広い範囲
にわたって発振周波数fOUTを可変とすることができ
る。すなわち、この実施例のVCOにおいても、動作範
囲が従来のVCOに比べて拡張されている。
【0082】しかも、制御信号に応答してFET素子群
23の各素子とFET素子群22の各素子を流れる電流
の双方が同じ比率で変わるので、リングオシレータ21
の出力パルスのデューティ比を変えることなく、発振周
波数fOUTの動作範囲だけが拡張される。また、従来の
VCOにトランスミッションゲート素子9,10,11
および抵抗素子43,44,45を付加するだけで構成
可能であり、容易かつ安価に構成できるという利点があ
る。
【0083】なお、以上の説明では、抵抗素子19に直
列に接続される抵抗素子、およびそれら負電源電位線に
短絡するためのFET素子は、それぞれ3個であった
が、一般に1個以上の抵抗素子およびFET素子が接続
されておれば、従来のVCOよりも広い動作範囲が得ら
れる。この動作範囲は、接続される抵抗素子およびFE
T素子の個数が大きいほど広くなる。
【0084】さらに、以上の説明では、抵抗素子19に
直列に接続される抵抗素子の抵抗値は、抵抗素子19の
抵抗値と同一に設定されていた。しかしながら、一般に
は、抵抗素子19とは異なる抵抗値を有する抵抗素子が
接続されてもよい。
【0085】<第4実施例>図6は、第4実施例のVC
Oの構成を示す回路図である。このVCOは、リングオ
シレータ21を構成するインバータ素子のそれぞれに、
単一のFET素子の代わりに、複数個のFET素子を備
えるFETブロック50、51が接続されている点が、
図9に示した従来のVCOとは特徴的に異なっている。
【0086】図7はFETブロック50の内部構成を示
す回路図である。図7に示すように、FETブロック5
0では、同一のチャネル幅およびチャネル長を有する4
個のPMOS型のFET素子64,65,66,67が
互いに並列に接続されている。それらのFET素子6
4,65,66,67のソース電極は正電源電位線に接
続され、ドレイン電極は接続点72を通じてリングオシ
レータ21を構成するインバータ素子に接続されてい
る。
【0087】また、FET素子64のゲート電極は、接
続点74を通じてFET素子16のゲート電極に接続さ
れている。そして、4個のFET素子64,65,6
6,67のゲート電極の間には、トランスミッションゲ
ート素子55,56,57がそれぞれ一個ずつ介挿され
ている。また、各FET素子65,66,67のゲート
電極と正電源電位線の間には、それぞれPMOS型のF
ET素子52,53,54が介挿されている。
【0088】FET素子52とトランスミッションゲー
ト素子55は、制御電極3に入力される制御信号に応答
してオンまたはオフする。同様に、FET素子53とト
ランスミッションゲート素子56は、制御電極4に入力
される制御信号に応答して動作し、FET素子54とト
ランスミッションゲート素子57は、制御電極5に入力
される制御信号に応答して動作する。
【0089】制御端子3に入力される制御信号がLであ
るときには、FET素子52がオンするとともにトラン
スミッションゲート素子55がオフする。このため、F
ET素子65はオフ状態となる。逆に、制御端子3に入
力される制御信号がHであるときには、FET素子52
がオフするとともにトランスミッションゲート素子55
がオンする。その結果、FET素子65のゲート電極は
FET素子64のゲート電極に短絡される。すなわち、
制御端子3に入力される制御信号がHであるときには、
FET素子64とFET素子65とはカレントミラー回
路を構成するので、FET素子65にはFET素子64
と同じ大きさの電流が流れる。
【0090】同様に、制御端子4に入力される制御信号
がLであるときには、FET素子53がオンするととも
にトランスミッションゲート素子56がオフする。この
ため、FET素子66はオフ状態となる。逆に、制御端
子4に入力される制御信号がHであるときには、FET
素子53がオフするとともにトランスミッションゲート
素子56がオンする。したがって、このとき制御端子3
にもHが入力されておれば、FET素子66のゲート電
極はFET素子64のゲート電極に短絡される。すなわ
ち、制御端子3,4に入力される制御信号がともにHで
あるときには、FET素子64,65,66は、互いに
カレントミラー回路を構成するので、各FET素子6
5,66にはFET素子64と同じ大きさの電流が流れ
る。
【0091】さらに、制御端子5に入力される制御信号
がLであるときには、FET素子54がオンするととも
にトランスミッションゲート素子57がオフする。この
ため、FET素子67はオフ状態となる。逆に、制御端
子5に入力される制御信号がHであるときには、FET
素子54がオフするとともにトランスミッションゲート
素子57がオンする。したがって、このときに制御端子
3,4のいずれにもHが入力されておれば、FET素子
67のゲート電極はFET素子64のゲート電極に短絡
される。すなわち、制御端子3,4,5に入力される制
御信号がいずれもHであるときには、4個のFET素子
64,65,66,67は、互いにカレントミラー回路
を構成するので、各FET素子65,66,67にはF
ET素子64と同じ大きさの電流が流れる。
【0092】すなわち、制御端子3,4,5に入力され
る制御信号は、(HHH)、(HHL)、(HLL)、
および(LLL)の4通りが可能であり、それぞれにお
いて、FET素子64,65,66,67のうちの1個
〜4個のFET素子がオンする。FET素子64は、F
ET素子16とカレントミラー回路を構成するので、F
ET素子64を流れる電流の大きさは、電流I2および
電流I1に比例する。すなわち、FET素子64を流れ
る電流は、電流I1によって決定される。
【0093】したがって、FET素子64,65,6
6,67のうちの2個〜4個のFET素子がオンするの
に応じて、接続点72を流出してインバータに供給され
る電流I3の値は、FET素子64のみがオンする場合
に比べて、それぞれ略2倍〜4倍となる。すなわち、制
御信号が(HHL)、(HLL)、および(LLL)で
ある場合には、(HHH)である場合に比べて、それぞ
れ略2倍、3倍、および4倍の電流I3がインバータに
供給される。
【0094】図8の回路図に示すように、FETブロッ
ク51は、FETブロック50とは相補的な回路構成を
有している。すなわち、FETブロック50では、同一
のチャネル幅およびチャネル長を有する4個のNMOS
型のFET素子68,69,70,71が互いに並列に
接続されている。それらのFET素子68,69,7
0,71のソース電極は負電源電位線に接続され、ドレ
イン電極は接続点73を通じてリングオシレータ21を
構成するインバータ素子に接続されている。
【0095】また、FET素子68のゲート電極は、接
続点75を通じてFET素子18のゲート電極に接続さ
れている。そして、4個のFET素子68,69,7
0,71のゲート電極の間には、トランスミッションゲ
ート素子58,59,60がそれぞれ一個ずつ介挿され
ている。また、各FET素子69,70,71のゲート
電極と負電源電位線の間には、それぞれNMOS型のF
ET素子61,62,63が介挿されている。
【0096】FET素子61とトランスミッションゲー
ト素子58は、制御電極3に入力される制御信号に応答
してオンまたはオフする。同様に、FET素子62とト
ランスミッションゲート素子59は、制御電極4に入力
される制御信号に応答して動作し、FET素子63とト
ランスミッションゲート素子60は、制御電極5に入力
される制御信号に応答して動作する。
【0097】FETブロック51は、以上のように構成
されるので、FETブロック50と同様に動作する。す
なわち、制御端子3,4,5に入力される制御信号が、
(HHH)、(HHL)、(HLL)、および(LL
L)であることに対応して、FET素子68,69,7
0,71のうちの1個〜4個のFET素子がオンする。
FET素子68は、FET素子18とカレントミラー回
路を構成するので、FET素子68を流れる電流の大き
さは、電流I2および電流I1に比例する。すなわち、F
ET素子68を流れる電流は、電流I1によって決定さ
れる。
【0098】したがって、FET素子68,69,7
0,71のうちの2個〜4個のFET素子がオンするの
に応じて、接続点73を通じてインバータから引き抜か
れる電流I3の値は、FET素子68のみがオンする場
合に比べて、それぞれ略2倍〜4倍となる。すなわち、
制御信号が(HHL)、(HLL)、および(LLL)
である場合には、(HHH)である場合に比べて、それ
ぞれ略2倍、3倍、および4倍の電流I3がインバータ
から引き抜かれる。
【0099】FETブロック50、51が以上のように
動作するので、制御信号が(HHL)、(HLL)、お
よび(LLL)である場合には、(HHH)である場合
に比べて、発振周波数fOUTはそれぞれ略2倍、3倍、
および4倍の大きさとなる。したがって、この実施例の
VCOの入出力特性は、図4のグラフで表される。図4
に示されるように、制御信号が(HHH)であるときの
動作範囲34の上限値を周波数fで表すと、制御信号が
(HHL)、(HLL)、および(LLL)であるとき
の動作範囲35〜37の上限値は、それぞれ略3/4
f、1/2f、および1/4fとなる。すなわち、動作
範囲の上限値は、制御信号が(HHH)であるときに最
も高い値が得られる。一方、動作範囲の下限値は、制御
信号が(LLL)であるときの動作範囲37において最
も低い値が得られる。
【0100】従来のVCOでは、図10に示したよう
に、動作範囲35〜37のうちの一つの動作範囲しか得
られなかった。それに対して、この実施例のVCOで
は、制御信号を適宜切り替えることによって、動作範囲
37の下限値から動作範囲35の上限値までの広い範囲
にわたって発振周波数fOUTを可変とすることができ
る。すなわち、この実施例のVCOにおいても、動作範
囲が従来のVCOに比べて拡張されている。
【0101】しかも、制御信号に応答して、リングオシ
レータ21に流し込まれる電流とリングオシレータ21
から引き抜かれる電流の双方が同じ比率で変わるので、
リングオシレータ21の出力パルスのデューティ比を変
えることなく、発振周波数fOUTの動作範囲だけが拡張
される。また、FETブロック50においてFET素子
65,66,67はいずれもFET素子64に直結され
ており、これらのFET素子の間に他の素子、負荷など
が介挿されないので、これらのFET素子の中のいずれ
かが優先的に飽和状態となることがない。このため、こ
れらのFET素子64,65,66,67を流れる電流
の大きさの間の比例性が良好である。FETブロック5
1においても同様のことがいえる。
【0102】なお、以上の説明では、FETブロック5
0において4つのFET素子64,65,66,67の
ゲート電極の間にトランスミッションゲート素子55,
56,57が介挿されていたが、3つのFET素子6
5,66,67のゲート電極のそれぞれとFET素子6
4のゲート電極との間に、トランスミッションゲート素
子55,56,57の各1が個別に介挿されていてもよ
い。また、FETブロック51においても同様に、3つ
のFET素子69,70,71のゲート電極のそれぞれ
とFET素子68のゲート電極との間に、トランスミッ
ションゲート素子58,59,60の各1が個別に介挿
されていてもよい。
【0103】FETブロック50,51の双方がこのよ
うに構成されることによって、制御信号(HHL)の代
わりに(LHH)あるいは(HLH)を入力することが
可能となり、(HLL)の代わりに(LHL)あるいは
(LLH)を入力することが可能となる。すなわち、H
とLの任意の組み合わせを制御信号として付与すること
が可能となる。
【0104】また、以上の説明では、FETブロック5
0、51において、FET素子64またはFET素子6
8に並列に接続されるFET素子は、それぞれ3個であ
ったが、一般に1個以上のFET素子が並列に接続され
ておれば、従来のVCOよりも広い動作範囲が得られ
る。この動作範囲は、並列に接続されるFET素子の個
数が大きいほど広くなる。
【0105】さらに、以上の説明では、FETブロック
50においてFET素子64に並列に接続されるFET
素子65,66,67は、いずれもFET素子64とチ
ャネル幅およびチャネル長が同一であったが、一般に
は、チャネル幅およびチャネル長が異なるFET素子が
接続されてもよい。例えば、FET素子64の2倍の電
流が流れるFET素子を接続した場合には、このFET
素子を一個だけオンすることによって、電流I3は3倍
増加する。その結果、上述のFET素子65,66の双
方をオンしたことと同様の効果が得られる。
【0106】また、FETブロック51においても同様
に、FET素子68に並列に接続されるFET素子のチ
ャネル幅およびチャネル長がFET素子68とは異なっ
ていてもよい。
【0107】<その他の実施例> (1)以上の各実施例において、抵抗素子19は設けら
れずに抵抗素子19の経路が短絡されていてもよい。同
一の回路構成の下では、抵抗素子19の抵抗値が低いほ
ど、入力電圧信号VIに対する発振周波数fOUTの感度は
高くなる。抵抗素子19がの抵抗値がゼロ、すなわち抵
抗素子19が短絡されているときに、感度は最大とな
る。抵抗素子19の抵抗値は、抵抗素子20の抵抗値よ
りも十分低い範囲内で、所望する感度に応じて選択され
る。
【0108】(2)以上の各実施例において、もう一つ
の抵抗素子20は設けられずに抵抗素子20の経路が開
放されていてもよい。同一の回路構成の下では、抵抗素
子20の抵抗値が高いほど、発振周波数fOUTの下限値
が低くなる。抵抗素子20の抵抗値が無限大、すなわち
抵抗素子20が開放されているときには、下限値は最小
となる。抵抗素子20の抵抗値は、抵抗素子19の抵抗
値よりも十分に高い範囲内で、所望する発振周波数f
OUTの下限値に応じて選択される。
【0109】(3)以上の各実施例において、各FET
素子の代わりに、バイポーラトランジスタなど、他のト
ランジスタを用いてもよい。
【0110】
【発明の効果】請求項1に記載の電圧制御発振装置で
は、少なくとも一部の回路素子の特性が制御信号によっ
て等価的に変わり、そのことによって一定の入力電圧信
号の下でリングオシレータに流し込まれる電流およびリ
ングオシレータから引き抜かれる電流の大きさが変わる
ので、リングオシレータの発振周波数の範囲が拡大す
る。
【0111】請求項2に記載の電圧制御発振装置では、
制御信号に応答して第1〜第6トランジスタの一つであ
る主トランジスタにおける入出力特性があたかも変化し
たことと等価的な動作をする。このため、一定の入力電
圧信号の下でリングオシレータに流し込まれる電流およ
びリングオシレータから引き抜かれる電流の大きさが、
制御信号に応じて変わる。その結果、リングオシレータ
の発振周波数の範囲が拡大する。
【0112】請求項3に記載の電圧制御発振装置では、
第1または第2トランジスタに従トランジスタが接続さ
れるので、制御信号に応答して第5および第6トランジ
スタを流れる電流の双方が同じ比率で変わる。すなわ
ち、第1または第2トランジスタのいずれか一方に従ト
ランジスタを付加するだけの簡単な構成で、リングオシ
レータの出力パルスのデューティ比を変えることなく、
発振周波数だけを制御信号に応じて変えることができ
る。
【0113】請求項4に記載の電圧制御発振装置では、
分岐路に従トランジスタ以外の素子を介挿する必要がな
いので、従トランジスタを流れる電流と主トランジスタ
を流れる電流との間の比例性が良好である。
【0114】請求項5に記載の電圧制御発振装置では、
制御信号に応答して動作するスイッチ素子が分岐路毎に
介挿されているので、簡単な構成で分岐路の選択的な遮
断が可能である。
【0115】請求項6に記載の電圧制御発振装置では、
第2トランジスタと負電源電位線の間に抵抗素子が直列
に介挿され、しかも、抵抗素子を構成する単位抵抗素子
が制御信号に応答して選択的に短絡されるので、制御信
号に応答して、あたかも抵抗素子の抵抗値が変化したこ
とと等価的な動作をする。このため、第1および第2ト
ランジスタを流れる電流の大きさが入力電圧信号だけで
なく制御信号にも応答して変化する。その結果、リング
オシレータの発振周波数の範囲が拡大する。
【0116】また、制御信号に応答して、流し込み電流
と引き抜き電流の双方が同じ比率で変化するので、制御
信号によって発振周波数が変化する際にもリングオシレ
ータの出力パルスのデューティ比は不変である。すなわ
ち、単位抵抗素子にスイッチ素子を付加するだけの簡単
な構成で、リングオシレータの出力パルスのデューティ
比を変えることなく、発振周波数の可変な範囲が拡張さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のVCOの回路図である。
【図2】 第1実施例のVCOの入出力特性を示すグラ
フである。
【図3】 第2実施例のVCOの回路図である。
【図4】 第2実施例のVCOの入出力特性を示すグラ
フである。
【図5】 第3実施例のVCOの回路図である。
【図6】 第4実施例のVCOの回路図である。
【図7】 第4実施例のFETブロックの回路図であ
る。
【図8】 第4実施例のもう一つのFETブロックの回
路図である。
【図9】 従来のVCOの回路図である。
【図10】 従来のVCOの入出力特性を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
21 リングオシレータ、VI 入力電圧信号、fOUT
発振周波数、15 FET素子(第1トランジスタ)、
17 FET素子(第2トランジスタ)、16FET素
子(第3トランジスタ)、18 FET素子(第4トラ
ンジスタ)、15,17,64,68 FET素子(主
トランジスタ)、6,7,8,40,41,42,6
5,66,67,69,70,71 FET素子(従ト
ランジスタ)、9,10,11 トランスミッションゲ
ート素子(スイッチ素子)、19,43,44,45
抵抗素子(単位抵抗素子)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】VCOが組み込まれたPLLでは、出力さ
れるクロックの周波数の範囲には一定の限界があるが、
この限界は主としてVCOにおける入力電圧信号VI
値への制限に由来する。近年、電源電圧が低圧化される
傾向にあり、それにともなって、VCOの入力電圧信号
Iの範囲がますます狭くなり、その結果、PLLが出
力するクロックパルスの周波数範囲が一層狭くなるとい
う問題点があった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 奇数個のインバータが循環的に接続され
    て成るリングオシレータを備えるとともに、当該リング
    オシレータに流し込む電流および当該リングオシレータ
    から引き抜く電流を、入力電圧信号に応答して変化させ
    ることによって前記リングオシレータの発振周波数を可
    変とした電圧制御発振装置において、 外部から入力される制御信号に応答して、前記電圧制御
    発振装置を構成する少なくとも一部の回路素子の特性を
    等価的に可変とすることによって、前記2つの電流の大
    きさを、前記制御信号に応じてさらに可変としたことを
    特徴とする電圧制御発振装置。
  2. 【請求項2】 入力電圧信号に応じて発振周波数を制御
    可能な電圧制御発振装置であって、 第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、他方主電
    極と制御電極とが互いに接続された第1トランジスタ
    と、 前記第1トランジスタの他方主電極と第2直流電源電位
    線の間に介挿され、制御電極に前記入力電圧信号が入力
    可能な第2トランジスタと、 前記第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、前記
    第1トランジスタとカレントミラー回路を構成する第3
    トランジスタと、 前記第2直流電源電位線に一方主電極が接続され、制御
    電極と他方主電極とが互いに接続されるとともに、当該
    他方主電極が前記第3トランジスタの他方主電極に接続
    された第4トランジスタと、 前記第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、前記
    第3トランジスタとカレントミラー回路を構成する奇数
    個の第5トランジスタと、 前記第2直流電源電位線に一方主電極が接続され、前記
    第4トランジスタとカレントミラー回路を構成する前記
    奇数と同数の第6トランジスタと、 前記第5トランジスタの他方主電極と前記第6トランジ
    スタの他方主電極の間に各1が介挿されるとともに、入
    力と出力とが循環的に接続されることによってリングオ
    シレータを構成する前記奇数と同数のインバータ素子
    と、 前記第1ないし第6トランジスタのいずれかを主トラン
    ジスタとし、当該主トランジスタに並列に接続される1
    本以上の分岐路と、 前記各分岐路毎に介挿されるとともに、少なくとも導通
    時には前記主トランジスタとカレントミラー回路を構成
    する従トランジスタと、 外部から入力される制御信号に応答して、前記分岐路を
    選択的に遮断するスイッチ手段と、を備える電圧制御発
    振装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電圧制御発振装置にお
    いて、 前記主トランジスタが前記第1または第2トランジスタ
    のいずれかである電圧制御発振装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の電圧制御発振装置にお
    いて、 前記スイッチ手段が、 前記制御信号に応答して、前記従トランジスタの制御電
    極を、当該従トランジスタを遮断させる信号源と前記主
    トランジスタの制御電極とのいずれかに選択的に接続す
    る選択手段、を備える電圧制御発振装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の電圧制御発振装置にお
    いて、 前記スイッチ手段が、 前記分岐路毎に介挿され、前記制御信号に応答して導通
    および遮断するスイッチ素子、を備える電圧制御発振装
    置。
  6. 【請求項6】 入力電圧信号に応じて発振周波数を制御
    可能な電圧制御発振装置であって、 第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、他方主電
    極と制御電極とが互いに接続された第1トランジスタ
    と、 前記第1トランジスタの他方主電極と第2直流電源電位
    線の間に介挿され、制御電極に前記入力電圧信号が入力
    可能な第2トランジスタと、 前記第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、前記
    第1トランジスタとカレントミラー回路を構成する第3
    トランジスタと、 前記第2直流電源電位線に一方主電極が接続され、制御
    電極と他方主電極とが互いに接続されるとともに、当該
    他方主電極が前記第3トランジスタの他方主電極に接続
    された第4トランジスタと、 前記第1直流電源電位線に一方主電極が接続され、前記
    第3トランジスタとカレントミラー回路を構成する奇数
    個の第5トランジスタと、 前記第2直流電源電位線に一方主電極が接続され、前記
    第4トランジスタとカレントミラー回路を構成する前記
    奇数と同数の第6トランジスタと、 前記第5トランジスタの他方主電極と前記第6トランジ
    スタの他方主電極の間に各1が介挿されるとともに、入
    力と出力とが循環的に接続されることによってリングオ
    シレータを構成する前記奇数と同数のインバータ素子
    と、 前記第2トランジスタと前記第2直流電源電位線との間
    に介挿されるとともに、複数の単位抵抗素子が互いに直
    列に接続されてなる抵抗素子と、 前記制御信号に応答して前記複数の単位抵抗素子を選択
    的に短絡させるスイッチ素子と、を備える電圧制御発振
    装置。
JP6158691A 1994-07-11 1994-07-11 電圧制御発振装置 Pending JPH0823266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6158691A JPH0823266A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 電圧制御発振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6158691A JPH0823266A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 電圧制御発振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0823266A true JPH0823266A (ja) 1996-01-23

Family

ID=15677253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6158691A Pending JPH0823266A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 電圧制御発振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0823266A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6229403B1 (en) 1998-08-06 2001-05-08 Yamaha Corporation Voltage-controlled oscillator
JP2006135857A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Renesas Technology Corp 半導体集積回路装置及び光ディスク記録再生装置
JP2006352384A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 集積回路内蔵発振器
JP2007258981A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Fujitsu Ltd 電圧制御発振回路
JP2007265606A (ja) * 2007-05-18 2007-10-11 Fujitsu Ltd 半導体集積回路
JP2008519509A (ja) * 2004-11-04 2008-06-05 ジェナム コーポレイション 同調可能なリング発振器
JP2008236110A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Seiko Npc Corp アナログdll回路
JP2009020933A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Fujitsu Microelectronics Ltd 発振装置、発振方法及びメモリ装置
JP2009055409A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Seiko Instruments Inc 可変周波数発振回路
JP2010093761A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Canon Inc Pll回路
JP2016032132A (ja) * 2014-07-25 2016-03-07 富士通株式会社 電子部品及び情報処理装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6229403B1 (en) 1998-08-06 2001-05-08 Yamaha Corporation Voltage-controlled oscillator
JP2008519509A (ja) * 2004-11-04 2008-06-05 ジェナム コーポレイション 同調可能なリング発振器
JP2006135857A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Renesas Technology Corp 半導体集積回路装置及び光ディスク記録再生装置
JP2006352384A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 集積回路内蔵発振器
JP2007258981A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Fujitsu Ltd 電圧制御発振回路
JP2008236110A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Seiko Npc Corp アナログdll回路
JP2007265606A (ja) * 2007-05-18 2007-10-11 Fujitsu Ltd 半導体集積回路
JP4571960B2 (ja) * 2007-05-18 2010-10-27 富士通セミコンダクター株式会社 半導体集積回路
JP2009020933A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Fujitsu Microelectronics Ltd 発振装置、発振方法及びメモリ装置
JP2009055409A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Seiko Instruments Inc 可変周波数発振回路
JP2010093761A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Canon Inc Pll回路
JP2016032132A (ja) * 2014-07-25 2016-03-07 富士通株式会社 電子部品及び情報処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6225846B1 (en) Body voltage controlled semiconductor integrated circuit
US8076986B2 (en) Switching capacitor generation circuit
JPS62219813A (ja) デジタル信号用mosfet集積遅延回路
US5552731A (en) Integrated control circuit with a level shifter for switching an electronic switch
JPH0823266A (ja) 電圧制御発振装置
US4453092A (en) Comparator circuit having reduced input bias current
KR0132781B1 (ko) 최소한 하나의 푸쉬-풀 단을 갖는 집적회로
US6097253A (en) High speed process-controlled transresistance amplifier
JP3625918B2 (ja) 電圧発生回路
KR19990029773A (ko) 일정한 슬루율 증폭기
US7034605B2 (en) Internal step-down power supply circuit
US6943633B2 (en) Widely tunable ring oscillator utilizing active negative capacitance
JP3201339B2 (ja) 発振回路
KR100460813B1 (ko) 멀티수정제어발진기
US4321561A (en) Switch operated capacitive oscillator apparatus
JPH10154931A (ja) チャージポンプ回路
JPH02147828A (ja) 温度検出回路
JP4139893B2 (ja) インバータ装置および多相インバータ装置
EP0647027B1 (en) Low voltage precision current switch
US5063343A (en) Current pump structure
JP2737729B2 (ja) Ecl回路
US6515537B2 (en) Integrated circuit current source with switched capacitor feedback
EP0853837B1 (en) Oscillator comprising a starting circuit
JP3402782B2 (ja) 電圧電流変換装置
KR20000065037A (ko) 전압독립커패시턴스를갖는전류제어발진기

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees