JPH08226131A - アンカーボルトの据付構造 - Google Patents

アンカーボルトの据付構造

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JPH08226131A
JPH08226131A JP5659795A JP5659795A JPH08226131A JP H08226131 A JPH08226131 A JP H08226131A JP 5659795 A JP5659795 A JP 5659795A JP 5659795 A JP5659795 A JP 5659795A JP H08226131 A JPH08226131 A JP H08226131A
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anchor bolt
anchor
bolts
concrete
bolt
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JP5659795A
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Kuniaki Sato
邦昭 佐藤
Atsushi Yamada
淳 山田
Mitsunobu Iwata
滿信 岩田
Michio Ito
倫夫 伊藤
Takashi Kitano
隆司 北野
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Hitachi Kizai Inc
Proterial Ltd
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ARTES KK
Hitachi Metals Ltd
Hitachi Kizai Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 露出型鉄骨柱脚のベースプレート27を基礎
コンクリート26上に固定する為に複数本用いられるア
ンカーボルト25の据付構造において、略垂直方向に延
びて下端部が内法半径をRとした円弧状に折り曲げて形
成された複数本のアンカーボルト25と、上下方向にお
いて円弧の直径2Rの範囲内に配置され略水平方向に延
びて複数本のアンカーボルト25のうち一直線状に配置
された1組のアンカーボルト25の各々に固定される複
数本の横架部材35とを有し、複数本のアンカーボルト
25と複数本の横架部材35を組立てて各アンカーボル
ト25の位置を固定する。 【効果】 アンカーボルトの下端部が円弧状に折り曲げ
て形成されると共に、アンカーボルトには略水平方向に
配置される横架部材が固定されてアンカーボルトの引張
反力を補強するように設けられるため、前記従来のアン
カーボルトのようにその長さを長くすることなく、その
引張反力の強度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄骨柱を用いた建築物の
建築工事において、鉄骨柱を基礎コンクリート上に接合
するための鉄骨柱脚に用いられるアンカーボルトの据付
構造に関し、特にアンカーボルトが基礎コンクリート中
に埋込まれる前に、アンカーボルトの位置決め,据付け
を行うための、アンカーボルトの据付構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】前記鉄骨柱を基礎コンクリートに接合す
るための、鉄骨柱脚に用いられるアンカーボルトとして
は従来、例えば図8に示すようなものがある。同図にお
いて符号15はアンカーボルトであり、このアンカーボ
ルト15の基礎コンクリート16の上面から突出する上
端部は、ベースプレート(柱脚金物)17及び締付ナッ
ト19を介して鉄骨柱18に連結されている。このよう
な柱脚金物を用いた鉄骨柱脚は一般に、露出型柱脚と呼
ばれている。
【0003】鉄骨柱18の下端部とベースプレート17
とは溶接により固定されており、ベースプレート17の
周端部は締付ナット19を締め付けることによりアンカ
ーボルト15と連結されている。アンカーボルト15の
下端部には四角板状の定着金物20が、上下の締付ナッ
ト21と22の間に挾まれて固定されている。
【0004】図9に示すように鉄骨柱脚には通常、曲げ
モーメントMH,柱の軸方向圧縮力NH,及び剪断力QH
が同時に加わる。剪断力QHは、ベースプレート17の
下面と基礎コンクリート16の上面との間の摩擦抵抗に
よって基礎コンクリート16側に伝達される。
【0005】鉄骨柱脚に曲げモーメントMHが加わると
一般に、ベースプレート17の片側下面(図中右側下
面)は圧縮領域となり、基礎コンクリート16からベー
スプレート17に向かって圧縮反力QPが作用する。そ
してベースプレート17の反対側端部(図9中左側端
部)に連結するアンカーボルト15には、それを引き抜
こうとする引張力QRに抵抗する引張反力QFが作用し、
このような互いに反対向きの圧縮反力QPと引張反力QF
によって、曲げモーメントMHは基礎コンクリート16
側に伝達される。
【0006】アンカーボルト15に作用する引張反力Q
Fは、鉄骨柱18の軸方向圧縮力NHの大小によって変化
する。地震時や暴風時のように、建築構造物全体が水平
力を受けることによって鉄骨柱脚には大きな曲げモーメ
ントMHが加わり、引張側のアンカーボルト15には大
きな引張反力QFが作用することがある。いずれにせよ
鉄骨柱脚におけるアンカーボルト15の引張反力QF
強度は、露出型柱脚においてはその性能を左右すること
になる。
【0007】アンカーボルト15にベースプレート17
側から引張力QRが加わった際の応力伝達のプロセス
は、アンカーボルト15と基礎コンクリート16との相
互間の付着力に依存するが、引張力QRが増加するとア
ンカーボルト15の上端部からこの付着力が失われ、図
10に示すように、この付着力が失われた部分の長さa
は引張力QRが増加するに従い下方に伸びていく。
【0008】そして最終的には、付着力が失われた部分
の長さaは、アンカーボルト15の下端部の定着金物2
0に達し、定着金物20に対する基礎コンクリートの支
圧耐力でアンカーボルト15の引張反力QFは決められ
る。
【0009】アンカーボルト15の引張反力QFが増加
してあまりに大きくなると、定着金物20が基礎コンク
リート16の一部を上方に引き剥がそうとする力が生
じ、図9に示すように、基礎コンクリート16に点線で
示すような逆円錐状の剥離破壊を起こさせようとする。
【0010】このような破壊を抑止するためには、定着
金物20に対する基礎コンクリート16の支圧耐力、す
なわちアンカーボルト15の引張反力QFの強度を向上
させる必要があるが、そのためには従来、アンカーボル
ト15の長さを長くして剥離深さを深くすることによ
り、剥離抵抗を大きくしようとする方法がとられてき
た。
【0011】他方図8に示すようなアンカーボルト15
を、基礎コンクリート16中に埋込む前において、それ
を据え付ける場合は従来、基礎コンクリート16を形成
するための生コンクリートを流し込む空間を作る為に設
ける、立ち上がり型枠を利用した。すなわちその型枠の
頂部に穴の開いた桟木を水平方向に渡して配置し、その
桟木の穴にアンカーボルトを通すことにより位置決めを
行う方法がある。
【0012】このアンカーボルトの位置決め方法は、生
コンクリートを上記型枠に流し込む際の衝撃などで型枠
が動いたり、或はアンカーボルトが傾いてしまうなど、
アンカーボルトの位置決め精度を高く確保することがで
きないという問題があった。またこの方法では、型枠設
置後でなければアンカーボルトの据付けができず、工事
現場での施工工程の上で問題があった。
【0013】このような問題点を解決するために、基礎
コンクリート16の前記型枠内の空間の底面を形成する
捨てコンクリートが固まる前に、捨てコンクリート中に
予め鉄筋を挿入したり、金物を埋込み、捨てコンクリー
トが固まった後にそれらの露出部に、図11に示すよう
な櫓(やぐら)状の骨組構造体23の下端部を溶接、又
はボルト接合等により固定して、このような骨組構造体
23にアンカーボルト15を支持させることにより、ア
ンカーボルト15の位置精度を高く確保する方法があ
る。
【0014】あるいは骨組構造体23の位置を測定し
て、その位置を捨てコンクリート面に墨出しをし、前記
アンカーボルト15を支持した骨組構造体23の位置を
決めて、骨組構造体23の下端部を捨てコンクリート上
に、後施工アンカー,或はモルタルによる根固めなどに
よって固定する。
【0015】このようにして、アンカーボルト15の位
置が生コンクリートの流し込み時にその衝撃によって移
動しない方法がとられてきた。そしてこのような骨組構
造体23はその各側部に、張力を付与したワイヤーや鉄
筋等の引張部材30を斜め方向に張って、骨組構造体2
3が簡単に動かないようにそれを固定する。
【0016】このような骨組構造体23はアンカーボル
ト15を決まった位置に固定するため、形鋼などによっ
て製作された仮設材で組立てられ、アンカーボルト15
の位置を保持するための簡単な横架部材や、支持金具を
用いた構成となっており、アンカーボルト15の位置決
め精度の確保のみを目的としたものとなっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8な
いし10に示す従来のアンカーボルトにおいては、その
引張反力QFの強度を向上させるためにアンカーボルト
の長さを長くする方法がとられていたため、基礎コンク
リート内のアンカーボルトの周囲,近傍に配設される鉄
筋とアンカーボルトが干渉したり、その干渉の為に現場
での作業性を悪化させるという問題があった。
【0018】また図11に示す従来のアンカーボルトの
据付方法においては、櫓状の骨組構造体23によりアン
カーボルトの位置決めを行い、骨組構造体23はこの位
置決めだけを目的としていたため、その目的のために必
要最小限度の強度しか有していなかった。このため骨組
構造体23の構成部材は、アンカーボルトの引張反力Q
Fの強度を向上させる上で、それを補強する機能を十分
発揮することができないものであった。
【0019】そこで本発明は、アンカーボルトの長さを
長くすることなくアンカーボルトの引張反力の強度を向
上させるアンカーボルトの据付構造を提供することを課
題とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるアンカーボルトの据付構造は、次のよ
うな構成としたものである。
【0021】(1)露出型鉄骨柱脚のベースプレートを
基礎コンクリート上に固定する為に複数本用いられるア
ンカーボルトの据付構造において、略垂直方向に延びて
下端部が内法半径をRとした円弧状に折り曲げて形成さ
れた複数本のアンカーボルトと、上下方向において前記
円弧の直径2Rの範囲内に配置され略水平方向に延びて
前記複数本のアンカーボルトのうち一直線状に配置され
た1組のアンカーボルトの各々に固定される複数本の横
架部材とを有し、前記複数本のアンカーボルトと前記複
数本の横架部材を組立てて各アンカーボルトの位置を固
定する。
【0022】(2)上記手段(1)の構成において、前
記横架部材の端部を前記アンカーボルトの位置より外側
に延長し、捨てコンクリート上に立設される柱状支持部
材、又は前記アンカーボルトと平行に立設される立上が
り鉄筋に前記横架部材の端部を固定する。
【0023】(3)上記手段(1)又は(2)の構成に
おいて、前記横架部材は前記アンカーボルトを挾むよう
に両側に2本1組で設けられる。
【0024】(4)上記手段(1)ないし(3)の構成
において、前記下端部が円弧状に形成されたアンカーボ
ルトの代わりにU字型アンカーボルトを用いる。
【0025】
【作用】上記手段(1)のような構成の本発明によるア
ンカーボルトの据付構造によれば、アンカーボルトの下
端部が円弧状に折り曲げて形成されている為、その円弧
状の部分に対して基礎コンクリートの支圧耐力が作用す
る。このため、図8に示す従来のアンカーボルト15の
ように、その下端部に2つの締付ナットにより挾んで四
角板状の定着金物20を設けなくとも、アンカーボルト
の下端部に対して基礎コンクリートの支圧耐力を作用さ
せることができる。
【0026】そしてアンカーボルトには略水平方向に配
置される横架部材が固定されて、コンクリートを補強す
ることにより、アンカーボルトの引張反力を補強するよ
うに設けられるため、前記従来のアンカーボルトのよう
にその長さを長くすることなく、その引張反力の強度を
向上させることができる。この意味では横架部材は、平
面断面積及び垂直剪断降伏強さが大きいものが望まし
い。またアンカーボルトの各々に横架部材を固定するこ
とにより、アンカーボルト各々の位置決めを確実に行う
ことができる。
【0027】また前記横架部材は、上下方向において前
記円弧の直径2Rの範囲内に配置されてアンカーボルト
に固定されることにより、アンカーボルトの引張反力の
補強効果をより高めることができる。
【0028】また上記手段(2)のような構成のアンカ
ーボルトの据付構造によれば、横架部材の端部をアンカ
ーボルトの位置より外側に延長し、捨てコンクリート上
に立設される柱状支持部材、又はアンカーボルトと平行
に立設される立上がり鉄筋に前記横架部材の端部を固定
することにより、捨てコンクリート上にアンカーボルト
を確実に位置決めし、かつアンカーボルトの引張反力を
補強して据付けることができる。
【0029】また上記手段(3)のような構成のアンカ
ーボルトの据付構造によれば、横架部材がアンカーボル
トを挾むように両側に2本1組で横架部材を設けるよう
にすることにより、アンカーボルトの片側のみに横架部
材を1本だけ設ける場合よりも補強効果を高めることが
でき、その引張反力もバランスのとれた安定したものと
することができる。
【0030】さらに、上記手段(4)のような構成のア
ンカーボルトの据付構造によれば、下端部が円弧状に形
成されたアンカーボルトの代わりにU字型アンカーボル
トを用いることにより、アンカーボルトの引張反力は基
礎コンクリートの支圧耐力の他に、ベースプレートの圧
縮側端部に締結されるアンカーボルトの上端部との連結
による引張力が付加されることにより、その引張反力の
強度をより大きく向上させることが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図1ないし4は、本発明によるアンカーボ
ルトの据付構造の第1実施例を示す図である。図1にお
いて、符号25はアンカーボルトであり、このアンカー
ボルト25の基礎コンクリート26の上面から突出する
上端部は、ベースプレート(柱脚金物)27及び締付ナ
ット29を介して鉄骨柱28に連結されている。
【0032】鉄骨柱28の下端部とベースプレート27
とは溶接により固定されており、ベースプレート27の
周端部は締付ナット29を締め付けることによりアンカ
ーボルト25と連結されている。アンカーボルト25の
下端部には、円弧状に折り曲げられた折り曲げ部25a
が形成されて、アンカーボルト25はいわゆるステッキ
状に形成されている。
【0033】基礎コンクリート26の底部に接触する捨
てコンクリート24には、予め柱状支持部材31が、後
施工アンカー等の固定部材33により固定されて、捨て
コンクリート24上に立設されている。
【0034】図2に示すようにアンカーボルト25は4
本用いられており、それらの上端部はベースプレート2
7の四隅の穴(図示せず)に挿通するよう配置されてい
る。アンカーボルト25の折り曲げ部25aは、各々4
本のアンカーボルト25の配置中心部に向かうよう、折
り曲げ方向が配置されている。柱状支持部材31は各々
のアンカーボルト25の近傍に2本ずつ、計8本が捨て
コンクリート24上に立設されている。
【0035】図1に示すように、アンカーボルト25の
円弧状に折り曲げられた折り曲げ部25aの略円弧の半
径中心を通る高さ位置には、略水平方向に配置された横
架部材35の途中部が固定されており、さらにこの横架
部材35の両端部は柱状支持部材31に固定されてい
る。
【0036】横架部材35は図2に示すように、アンカ
ーボルト25を両側から挾み込むように2本一組で用い
られている。このような2本一組の横架部材35は、図
2に示すように縦方向に2組、横方向に2組、互いに井
桁状に交叉するようにして、アンカーボルト25及び柱
状支持部材31の双方に溶接により固定されている。横
架部材35は図1に示すように長方形の断面を有し、普
通の異形形鋼よりも大きな垂直剪断降伏強さを有するも
のが用いられている。
【0037】次に、このような第1実施例に係るアンカ
ーボルトの据付構造の作用について説明する。図1に示
すアンカーボルト25、基礎コンクリート26,ベース
プレート27,鉄骨柱28,及び締付ナット29により
構成される鉄骨柱脚には、従来の鉄骨柱脚において説明
したと同様に曲げモーメント,柱の軸方向圧縮力,及び
剪断力が同時に加わる。
【0038】そしてこのような鉄骨柱脚は、予想される
これらの力を吸収してこれらの力により破壊されない十
分な強度、すなわち耐震性能を発揮する必要があり、こ
の点においてやはりアンカーボルト25の引張反力の強
度が、露出型柱脚においてはその性能を左右することに
なる。
【0039】図3,4に示すように、アンカーボルト2
5の下端部に形成された円弧状の折り曲げ部25aにお
いて、折り曲げ部25aより上方の直線状の軸部が基礎
コンクリート26との間の付着力を失った時の終局引張
反力Pμは、次式(1)により求められることが実験的
に知られている。 Pμ=Fb・d・R ・・・・・(1) ∵√2Pμ=√2R・Fb・d
【0040】この式(1)において、Fbは図3に示す
ような√2Rの長さに沿って作用する等分布加重を構成
する、折り曲げ部25aに対する基礎コンクリートの単
位長さ当りの支圧耐力であり、dはアンカーボルト25
の直径、Rは折り曲げ部25aの折り曲げ内法半径(内
側半径)である。
【0041】上記支圧耐力Fbは次の式(2)で表すこ
とができる。 Fb=α・K・Fb0 ・・・・・(2) この式(2)においてαは次の式(3)で表すことがで
きる。 α=k0・k1・k2・k3・k4・k5 ・・・・・(3)
【0042】この式(3)において、k0はコンクリー
ト強度がアンカーボルトの定着耐力に関係する係数を示
し、k1は折り曲げ半径が、k2はコンクリート被り厚さ
が、k3はアンカーボルト間の間隔が、k4はベースプレ
ート27の圧縮側合力の中心とアンカーボルトとの間の
長さが、k5はアンカーボルトの折り曲げ下面までのコ
ンクリート埋込み深さが、各々アンカーボルトの定着耐
力に関係する係数を示すものである。
【0043】上記式(2)におけるFb0は、上記式
(3)におけるk0,k1,k2,k3,k4,k5の各係数
が1のとき、すなわち通常の設計で評価できる範囲と考
えられる場合のコンクリートの支圧耐力である。
【0044】上記式(2)におけるKは、アンカーボル
ト25に固定された横架部材35による補強効果を示す
係数である。横架部材35がないときの引張反力を
0,横架部材35を設けたときの引張反力をPμとす
れば、Kは次の式(4)のようになる。 K=Pμ/P0=1+0.0007(As・σy・S) ・・・・(4)
【0045】この式(4)において、Asは横架部材3
5の断面積の和(垂直方向において角度θを持つ場合は
cosθを乗じて計算する)、σyは横架部材35の降
伏強さ、Sは横架部材35を上下複数段設けたときの上
下隣合う一対の横架部材35間の間隔である。
【0046】上記第1実施例に係るアンカーボルトの据
付構造について、上記の各式に実際値を用いて算出する
と、上記式(4)に示すKの値は、横架部材35を設け
た場合は、それを設けなかった場合の最大1.4倍迄高
めることができることが分った。この為上記第1実施例
によれば、従来のようにアンカーボルトの長さを長くす
ることなくコンクリートの支圧耐力を向上することにな
るので、その引張反力の強度を向上させることができ
る。
【0047】また、前記従来のアンカーボルトの据付構
造におけるアンカーボルトのように、その下端部に定着
金物20を設ける必要がなく、アンカーボルトのネジ切
り加工や構成部品の数を減らしてアンカーボルトのコス
トを低くでき、かつ容易にアンカーボルトを製作するこ
とができる。
【0048】また横架部材35を縦横に複数組用いるだ
けでよく、新たに補強の為の鉄筋を配置する必要がな
く、かつ複数のアンカーボルト各々の位置決めを兼ねる
ため、従来の櫓状の骨組構造体23よりコンパクトな構
造にすることができ、基礎コンクリート26内の配筋と
干渉することが少なくなって現場作業が容易になる。
【0049】図5は、本発明によるアンカーボルトの据
付構造の第2実施例を示す図である。前記第1実施例に
おいては図2に示すように、柱状部材31が8本用いら
れていたのに対し、この第2実施例は図5に示すように
一方の横架部材35´を短くしてその端部を他方の長い
横架部材35に固定することにより、柱状部材31は4
本で足りるようにしたものである。
【0050】図6は、本発明によるアンカーボルトの据
付構造の第3実施例を示す図である。前記第1実施例に
おいては図2に示すように、4組の横架部材35が井桁
状に組み立てられて設けられていたのに対し、この第2
実施例は図5に示すように、2組の横架部材35がX字
状に交叉するよう配置されて設けられた点において異な
る。他方、アンカーボルト25の本数や、その折り曲げ
部25aの折り曲げ方向は前記第1実施例と同じであ
る。
【0051】このような第3実施例によれば、前記第
1,第2実施例とほぼ同様の効果を実現することができ
ると共に、横架部材35や柱状支持部材31の本数を半
減することによりコストを低減させることができ、かつ
アンカーボルトの据付構造を簡素化することにより、ア
ンカーボルトの周辺に配置される鉄筋との干渉を防止す
る効果を高めることができる。
【0052】図7は、本発明によるアンカーボルトの据
付構造の第4実施例を示す図である。前記第1ないし第
3実施例におけるアンカーボルト25は、その下端部が
円弧状に折り曲げられた折り曲げ部25aが形成されて
いたのに対し、この第4実施例においてはアンカーボル
ト45に、一対の前記アンカーボルト25の下端部同士
が連結して一体となったU字型のアンカーボルトが用い
られる点において異なるものである。
【0053】このような第4実施例によれば、引張側の
アンカーボルト45の引張反力はアンカーボルト45の
下端部に対する基礎コンクリートの支圧耐力の他に、ベ
ースプレート27の圧縮側端部に締結されるアンカーボ
ルト45の上端部との連結による引張反力が付加される
ことにより、その引張反力の強度をより大きく向上させ
ることが可能となる。
【0054】なお、上記実施例においては断面が長方形
の横架部材35を用いたが、これに限定する必要はな
く、アンカーボルト25の引張反力の強度を向上させる
上で補強できるものであれば、横架部材の断面は円形で
もよく、或は長方形や円形以外のどのような異形のもの
を用いてもよい。
【0055】また上記実施例においては、横架部材35
をアンカーボルトや柱状支持部材31に固定する方法と
しては、例えば溶接、ワイヤーのような結束線、或はナ
ットのような締付け固定金具等、どのような種類の固定
手段を用いてもよい。
【0056】また上記実施例においては、横架部材35
の端部が捨てコンクリートから立設した柱状支持部材3
1に固定するようになっていたが、柱状支持部材31の
代わりにアンカーボルト25と平行に配置された立上り
鉄筋に横架部材35の端部を固定するようにしてもよ
い。
【0057】また上記実施例においては、アンカーボル
トにいわゆるステッキ型やU字型のものを用いた場合に
ついて説明したが、その下端部が略直角に折り曲げられ
たいわゆるL字型のアンカーボルトを用いて実施しても
よい。
【0058】また上記実施例においては、横架部材がア
ンカーボルトの円弧状の下端部の略円弧の半径中心を通
る高さ位置に固定されたものについて説明したが、横架
部材はアンカーボルトの下端部の円弧の中心を通る縦方
向の直径2Rの上端と下端の間の範囲内の高さ位置であ
れば、上記円弧の半径中心を通る高さ位置からずれた場
所に固定してもよく、或は上記範囲外の高さ位置に横架
部材を固定してもかまわない。
【0059】また上記実施例においては、アンカーボル
トの折り曲げ方向を互いの位置の中心方向に向かって折
り曲げたが、この折り曲げ方向はこのような方向に限定
する必要はなく、どのような方向に折り曲げ方向を配置
してもかまわない。またアンカーボルトの本数も、そし
てその折り曲げ配置方向も特に限定する必要はない。
【0060】さらに上記実施例においては、アンカーボ
ルトの両側に横架部材を2本1組で設けた場合について
説明したが、この横架部材は所期の補強効果を発揮でき
るよう設けるものであれば、アンカーボルトの片側にの
み一本だけ固定するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アンカーボルトの下端部が円弧状に折り曲げて形成され
ている為、その円弧状の部分に対して基礎コンクリート
の支圧耐力が作用する。このため、図8に示す従来のア
ンカーボルト15のように、その下端部に2つの締付ナ
ットにより挾んで四角板状の定着金物20を設けなくと
も、アンカーボルトの下端部に対して基礎コンクリート
の支圧耐力を作用させることができる。
【0062】そしてアンカーボルトには略水平方向に配
置される横架部材が固定されて、コンクリートを補強す
ることにより、アンカーボルトの引張反力を補強するよ
うに設けられるため、前記従来のアンカーボルトのよう
にその長さを長くすることなく、その引張反力の強度を
向上させることができる。この意味では横架部材は、平
面断面積及び垂直剪断降伏強さが大きいものが望まし
い。またアンカーボルトの各々に横架部材を固定するこ
とにより、アンカーボルト各々の位置決めを確実に行う
ことができる。
【0063】また、前記横架部材は、上下方向において
前記円弧の直径2Rの範囲内に配置されてアンカーボル
トに固定されることにより、アンカーボルトの引張反力
の補強効果をより高めることができる。
【0064】また、横架部材の端部をアンカーボルトの
位置より外側に延長し、捨てコンクリート上に立設され
る柱状支持部材、又はアンカーボルトと平行に立設され
る立上がり鉄筋に前記横架部材の端部を固定することに
より、捨てコンクリート上にアンカーボルトを確実に位
置決めし、かつアンカーボルトの引張反力を補強して据
付けることができる。
【0065】また、横架部材がアンカーボルトを挾むよ
うに両側に2本1組で横架部材を設けるようにすること
により、アンカーボルトの片側のみに横架部材を1本だ
け設ける場合よりも補強効果を高めることができ、その
引張反力もバランスのとれた安定したものとすることが
できる。
【0066】また、下端部が円弧状に形成されたアンカ
ーボルトの代わりにU字型アンカーボルトを用いること
により、アンカーボルトの引張反力は基礎コンクリート
の支圧耐力の他に、ベースプレートの圧縮側端部に締結
されるアンカーボルトの上端部との連結による引張力が
付加されることにより、その引張反力の強度をより大き
く向上させることが可能となる。
【0067】また、従来の据付構造におけるアンカーボ
ルトのようにその下端部に定着金物を設ける必要がな
く、アンカーボルトのネジ切り加工や構成部品の数を減
らしてアンカーボルトのコストを低くでき、かつ容易に
アンカーボルトを製作することができる。
【0068】さらに、横架部材を縦横或は斜めの方向に
複数組用いるだけでよく、新たに補強の為の鉄筋を配置
する必要がないため、従来の櫓状の骨組構造体よりコン
パクトな構造にすることができ、基礎コンクリート内の
配筋と干渉することが少なくなって現場作業が容易にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第1
実施例を示す鉄骨柱脚を含む中心縦断面図である。
【図2】図1におけるアンカーボルトの据付構造のII
−II線矢視図である。
【図3】アンカーボルト25に作用する引張反力及び基
礎コンクリートによる支圧耐力を示す図である。
【図4】アンカーボルト25に作用する引張反力及びそ
の合成力を示す図である。
【図5】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第2
実施例を示す図である。
【図6】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第3
実施例を示す図である。
【図7】本発明によるアンカーボルトの据付構造の第4
実施例を示す図である。
【図8】従来のアンカーボルトの据付構造及び鉄骨柱脚
を示す図である。
【図9】図7に示す鉄骨柱脚に作用する力関係を示す概
念図である。
【図10】アンカーボルトと基礎コンクリートとの間の
付着力の変化を示す概念図である。
【図11】従来のアンカーボルトの据付構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
15,25,45 アンカーボルト 16,26 基礎コンクリート 17,27 ベースプレート 18,28 鉄骨柱 19,21,22,29 締付ナット 20 定着金物 23 骨組構造体 24 捨てコンクリート 25a 折り曲げ部 30 ワイヤ 31 柱状支持部材 33 固定部材 35 横架部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 淳 東京都江東区東陽二丁目4番2号 日立機 材株式会社内 (72)発明者 岩田 滿信 東京都江東区東陽二丁目4番2号 日立機 材株式会社内 (72)発明者 伊藤 倫夫 福岡県北九州市若松区北浜一丁目9番1号 日立金属株式会社若松工場内 (72)発明者 北野 隆司 福岡県北九州市若松区北浜一丁目9番1号 日立金属株式会社若松工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露出型鉄骨柱脚のベースプレートを基礎
    コンクリート上に固定する為に複数本用いられるアンカ
    ーボルトの据付構造において、 略垂直方向に延びて下端部が内法半径をRとした円弧状
    に折り曲げて形成された複数本のアンカーボルトと、 上下方向において前記円弧の直径2Rの範囲内に配置さ
    れ略水平方向に延びて前記複数本のアンカーボルトのう
    ち一直線状に配置された1組のアンカーボルトの各々に
    固定される複数本の横架部材とを有し、 前記複数本のアンカーボルトと前記複数本の横架部材を
    組立てて各アンカーボルトの位置を固定することを特徴
    とするアンカーボルトの据付構造。
  2. 【請求項2】 前記横架部材の端部を前記アンカーボル
    トの位置より外側に延長し、捨てコンクリート上に立設
    される柱状支持部材、又は前記アンカーボルトと平行に
    立設される立上がり鉄筋に前記横架部材の端部を固定す
    ることを特徴とする請求項1に記載のアンカーボルトの
    据付構造。
  3. 【請求項3】 前記横架部材は前記アンカーボルトを挾
    むように両側に2本1組で設けたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のアンカーボルトの据付構
    造。
  4. 【請求項4】 前記下端部が円弧状に形成されたアンカ
    ーボルトの代わりにU字型アンカーボルトを用いたこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    のアンカーボルトの据付構造。
JP5659795A 1995-02-21 1995-02-21 アンカーボルトの据付構造 Pending JPH08226131A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236351A (ja) * 2010-05-31 2010-10-21 Ps Mitsubishi Construction Co Ltd コンクリート中空床版に対するアンカーボルト設置方法
IT201700117043A1 (it) * 2017-10-17 2019-04-17 Fonsider S R L Struttura di fondanzione per pali e procedimento per la sua realizzazione

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JP2010236351A (ja) * 2010-05-31 2010-10-21 Ps Mitsubishi Construction Co Ltd コンクリート中空床版に対するアンカーボルト設置方法
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