JPH08223690A - スピーカ用磁気回路およびその製造方法 - Google Patents

スピーカ用磁気回路およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08223690A
JPH08223690A JP5350995A JP5350995A JPH08223690A JP H08223690 A JPH08223690 A JP H08223690A JP 5350995 A JP5350995 A JP 5350995A JP 5350995 A JP5350995 A JP 5350995A JP H08223690 A JPH08223690 A JP H08223690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
core
magnets
cylindrical
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5350995A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tanabe
景 田辺
Naoki Shimamura
直樹 島村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alpine Electronics Inc
Original Assignee
Alpine Electronics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alpine Electronics Inc filed Critical Alpine Electronics Inc
Priority to JP5350995A priority Critical patent/JPH08223690A/ja
Publication of JPH08223690A publication Critical patent/JPH08223690A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピーカ用磁気回路の磁気抵抗を小さくして
磁場の利用効率を高め、また磁石の寸法精度を高くす
る。 【構成】 磁性材料の円筒状コア23の外周面の中央部
に非磁性材料製の円筒状スペーサ26を設ける。コア2
3とスペーサ26を型内にインサートし、コア23の外
周面23a,23bと、スペーサ26の軸方向両端面2
6b,26cを含むキャビティに磁石材料を射出しまた
は圧縮し、コア23に固着されたリング状磁石24と2
5を形成する。磁気回路では、磁石24,25とヨーク
22との間のギャップG1,G2にコイルC1,C2が
位置する。磁石24,25とコア23との接合面に隙間
などが形成されないため、磁気回路の磁気抵抗が小さく
なる。また各磁石24と25が型により高精度の寸法に
形成されるため、ギャップG1,G2の寸法も高精度な
ものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピーカの振動板を振
動駆動する磁気回路に係り、特に円筒状コアにリング状
磁石が固定された磁場発生部材を有する磁気回路および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、ダイナミック型のスピーカなど
に用いられている磁気回路Aの従来例を示す断面図であ
る。この磁気回路Aは、振動方向を示すY軸方向に軸線
を有してリング状に形成された円筒状コア1と、この円
筒状コア1の外周面にて、Y軸方向に間隔を開けて設け
られた一対のリング状磁石2,3と、リング状磁石2,
3の外周面に対向する、円筒状ヨーク4とを有してお
り、リング状磁石2,3の外周面と、円筒状ヨーク4の
内周面との間にギャップG1,G2が形成されている。
【0003】円筒状コア1と円筒状ヨーク4は、共にソ
フトフェライトや軟鉄などの高透磁率の磁性材料により
形成されている。リング状磁石2,3は希土類などの保
磁力の高い磁性材料により予めリング状に成形されたも
のである。一方の磁石2は、ギャップ側がN極でコア1
側がS極であり、他方の磁石3はギャップ側がS極でコ
ア1側がN極である。
【0004】ギャップG1とG2内にはコイルC1,C
2が位置している。両コイルC1とC2は、円筒状の薄
型のボビン5の外周面に設けられたものであり、ボビン
5の上端は、コーン状などの振動板に固定されている。
コイルC1とC2へは、図8の紙面直交方向へボイス電
流が与えられ、このボイス電流と、ギャップG1,G2
を横断する磁場とにより、両コイルC1とC2に対して
Y方向への同じ方向の電磁力(駆動力)が与えられ、コ
イルC1,C2と共に振動板が振動させられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスピーカ用
磁気回路Aは、図10に示すように、磁石2と3が予め
リング状に形成されており、この磁石2と3が、円筒状
コア1の外周に嵌挿され、コア1の外周面と磁石2,3
の内周面との接合面6a,6bが接着剤などで固定され
るものとなっている。
【0006】この構造では、予め成形されている磁石
2,3の内径寸法よりも円筒状コア1の外形寸法を小さ
くしておく必要があり、その結果、コア1と磁石2,3
との間の前記接合面6a,6bに隙間が形成され、また
は接着剤の層が形成されることになる。この隙間は、円
筒状コア1と磁石2,3との間の磁気回路の磁気抵抗を
増大することになり、磁石2,3にて生じる磁場の利用
効率が低下する。また、接合面6a,6bに形成される
隙間により、一対の磁石2と3が円筒状コア1の軸芯に
対して偏心しやすく、磁石2と3のそれぞれの外周面の
前記軸芯に対する同芯度が低下するものとなる。
【0007】また、磁石2と3は、接着により円筒状コ
ア1に固定されるものであるため、磁石2と3のY軸方
向の間隔寸法を高精度に設定できない。磁石2と3のY
軸方向の間隔に狂いが生じると、磁石2,3と円筒状ヨ
ーク4との間のギャップG1とG2の位置がY軸方向へ
狂うことになり、ギャップG1,G2とコイルC1,C
2との相対位置のずれが生じる。
【0008】さらに、組立作業において、円筒状コア1
の外周面に各磁石2,3を嵌挿し、各磁石2,3を治具
を用いて位置決めしながら接着剤にて固着するという繁
雑な工程が必要となり、組立作業工数が多く、量産に適
しない非能率的な作業となる。
【0009】また、図9に示すように、予め円筒状コア
1の外周面に突出部7を一体に形成して、突出部7の軸
方向両端部に段差を設けておき、一対の磁石2と3を、
この段差にて位置決めすることも考えられるが、この場
合に磁石2,3からギャップG1,G2に延びる磁束が
磁性材料の突出部7に引かれて漏洩しやすくなり、磁場
の利用効率が低下することになる。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、円筒状コアの周面に対して、リング状磁石を隙間
なく且つ高精度に位置決めして取付けることができるよ
うにしたスピーカ用磁気回路およびその製造方法を提供
することを目的としている。
【0011】また本発明は、円筒状コアを型内にインサ
ート成形して、円筒状コアに一対の磁石をインジェクシ
ョン成形またはコンプレッション成形する際に、入子を
設けることなく、型を単純な形状にでき、また型の分離
を容易にできるようにしたスピーカ用磁気回路の製造方
法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料製の
円筒状コアと、このコアの周面に取り付けられたリング
状磁石と、リング状磁石に対向する円筒状の磁性材料製
ヨークとを有し、前記リング状磁石と前記ヨークとのギ
ャップ内に振動板を振動させるコイルが介在するスピー
カ用磁気回路において、前記リング状磁石が、円筒状コ
アの周面に固着されて型で成形されたものであることを
特徴とするものである。
【0013】この発明では、リング状磁石が円筒状コア
に1個設けられるものであってもよいし、または円筒状
コアの軸方向に間隔を開けてリング状磁石が一対設けら
れるものであってもよい。また磁石は円筒状コアの外周
面側に設けられてもよいし、内周面側に設けられてもよ
い。
【0014】あるいは本発明は、磁性材料製の円筒状コ
アと、このコアの周面に軸方向に距離を開けて取り付け
られた一対のリング状磁石と、一対のリング状磁石に対
向する円筒状の磁性材料製ヨークとを有し、前記リング
状磁石と前記ヨークとのギャップ内に振動板を振動させ
るコイルが介在するスピーカ用磁気回路において、前記
円筒状コアの周面での軸方向中間部分に非磁性材料製の
円筒状スペーサが設けられ、前記リング状磁石が、円筒
状コアの周面と円筒状スペーサの軸方向両端面との間に
固着されて型で成形されたものであることを特徴とする
ものである。
【0015】この発明においても、リング磁石が、円筒
状コアの外周面に設けられてもよいし、または内周面に
設けられてもよい。
【0016】また、本発明は前記第1のスピーカ用磁気
回路を製造する方法であって、円筒状コアを型内にイン
サートして、円筒状コアの周面にリング状磁石をインジ
ェクション成形またはコンプレッション成形などにより
一体成形することを特徴とするものである。
【0017】あるいは、前記第2のスピーカ用磁気回路
を製造する方法であって、円筒状コアと円筒状スペーサ
を型内にインサートして、円筒状コアの周面と円筒状ス
ペーサの軸方向両端面との間にリング状磁石をインジェ
クション成形またはコンプレッション成形などにより一
体成形することを特徴とするものである。
【0018】さらに、本発明では、円筒状コアを軸線を
通る平面により半径方向に二分割したものとし、この分
割されたコア半体をそれぞれ型にインサートして、コア
半体の周面の1箇所または2箇所に半リング状磁石をイ
ンジェクション成形またはコンプレッション成形などで
一体成形し、成形後に一対のコア半体を接合して、円筒
状コアとリング状磁石としてもよい。または、円筒状コ
アの周面に軸方向へ間隔を開けて一対のリング状磁石が
取り付けられたものにおいて、円筒状コアを、軸方向に
二分割しておき、分割されたそれぞれの半コアを型にイ
ンサートして、それぞれの半コアの周面にリング状磁石
を1個ずつインジェクション成形またはコンプレッショ
ン成形などで一体成形し、次に半コアを軸方向に接合し
てもよい。
【0019】
【作用】本発明では、高透磁率の磁性材料により形成さ
れた円筒状コアの外周面または内周面にリング状磁石が
取り付けられているが、この磁石は、前記円筒状コアに
固着された状態で型で成形されている。その製造方法
は、例えばインジェクション成形であり、前記円筒状コ
アが型内にインサートされ、コアの外周面または内周面
を含むキャビティに、磁性粉末(磁石粉末)が混入され
た樹脂材料が加熱流動化されて射出され、コアの外周面
または内周面に固着されたリング状磁石が一体に成形さ
れる。または製造方法としてコンプレッション成形が可
能である。この場合も型内に前記円筒状コアがインサー
トされ、円筒状コアの外周面または内周面を一部とする
キャビティに磁性粉末(磁石粉末)およびバインダが供
給され、加熱および加圧されて、コアの外周面または内
周面に固着されたリング状磁石が一体に成形される。
【0020】この磁石は、円筒状コアの周面をキャビテ
ィの一部としてコアに固着された状態で型で成形された
ものであるため、リング状磁石と円筒状ヨークとの間に
隙間は形成されず、また接着剤の層が介在することもな
い。よってリング状磁石と円筒状コアとの間での磁気回
路の磁気抵抗がきわめて小さいものとなり、磁石にて発
生した磁場の利用効率が高くなる。
【0021】また、リング状磁石は型で成形されるため
に、磁石と円筒状コアとの相対的な位置および寸法精度
が高くなり、例えば、円筒状コアに2つのリング状磁石
が軸方向に間隔を開けて形成される場合に、磁石の間隔
が高精度に決められて、磁石と円筒状ヨークとの間に形
成されるギャップの幅寸法およびギャップの軸方向位置
も高精度に決められる。また、リング状磁石の周面と円
筒状コアとの同芯度も高精度に設定でき、2個のリング
状磁石が設けられる場合に、両磁石の同芯度も高く設定
される。
【0022】また、円筒状コアに、軸方向に距離を開け
て一対のリング状磁石が設けられる場合、一対のリング
状磁石の間に非磁性材料製のスペーサを設けることによ
り、一体成形が容易になる。非磁性材料製のスペーサ
は、非磁性金属、耐熱性の樹脂、セラミックなどであ
る。円筒状コアの周面での軸方向中央部に前記スペーサ
を取付け、円筒状コアとスペーサを共に型内にインサー
トし、円筒状コアの周面とスペーサの軸方向両端面との
角部にキャビティを形成し、このキャビティに対して磁
石をインジェクション成形またはコンプレッション成形
などで一体成形する。ここで、成形される磁石の外周面
と前記スペーサの周面とを同一面にしておくと、成形後
の型の分離を軸方向に抜くことができる。よって型の構
造が簡単であるとともに、成形作業も容易になる。
【0023】また、円筒状コアを軸芯を含む面により二
分割しておき、それぞれのコア半体に半リング状の磁石
を2個ずつ成形する構造にすると、前記と同様に成形に
使用した型の分離が容易になる。あるいは、円筒状コア
を軸方向に二分割しておき、それぞれの半コアにリング
状磁石を1個ずつ成形しておき、次に半コアを接続する
構造とすれば、型分離を同様にして容易にできるように
なる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の一実施例として、車載用などとして使用されるダ
イナミック型のスピーカを示す断面図、図2は上記スピ
ーカに使用されている磁気回路のうちの図示右側の部分
を示す断面図、図3は磁気回路の製造方法を示す工程説
明図である。図1に示すスピーカは、フレーム11がA
BSなどのプラスチック材料により射出成型されたもの
である。したがって、スピーカ全体が軽量となってい
る。またフレーム11はプラスチック以外のアルミニウ
ム合金や亜鉛合金などの軽量合金によりダイキャスト成
型されたものであってもよい。
【0025】振動板12は紙材などにより形成された円
錐形状のコーン状振動板であり、その円錐頭部12aに
は球面状のドーム部13が接合されている。振動板12
の円錐底部12bの縁部は変形接合部14を介してフレ
ーム11の開口縁部11aに接合されている。変形接合
部14は、振動板12とは別体に円錐底部12bの縁部
に沿って円周形状に設けられたものであり、その断面形
状は所定曲率半径の半円形状(半円筒形状)である。前
記振動板12の円錐頭部12aとフレーム11の内面と
の間にはダンパー15が設けられている。このダンパー
15は同心円状に多重の波形が形成されているものであ
る。前記振動板12は、前記変形接合部14とダンパー
15の変形によりY軸方向へ振動可能に支持されてい
る。
【0026】振動板12の円錐頭部12aには、筒状の
ボビン19が接合されており、このボビン19の外周面
にコイル(ボイスコイル)C1とC2が取り付けられて
いる。コイルC1とC2には図1の紙面直交方向にボイ
ス電流が与えられる。コイルC1,C2に流れるボイス
電流と、磁気回路A1にて発生する磁場とにより、コイ
ルC1,C2にY軸方向への駆動力が作用し、振動板1
2がY軸方向へ振動させられる。
【0027】前記磁気回路A1では、ボビン19の内側
に磁場発生部材21が、ボビン19の外側に円筒状ヨー
ク22が設けられている。磁場発生部材21は、フレー
ム11の底部11bでの内側の段差部11cに位置決め
され、円筒状ヨーク22は、フレーム11の底部11b
での外周側の段差部11dに位置決めされている。磁場
発生部材21は、ソフトフェライトや軟鉄などの高透磁
率の磁性材料により形成された円筒状コア23を有して
いる。円筒状コア23の外周面には、コアの軸方向(Y
軸方向)の中央部に非磁性材料製のスペーサ26が設け
られている。このスペーサ26は、しんちゅうやアルミ
ニウムなどの非磁性金属、耐熱性の樹脂材料またはセラ
ミックなどで形成されている。
【0028】円筒状コア23の軸方向両端部の外周面2
3a,23bおよび、スペーサ26の軸方向両端面26
b,26cとで囲まれた部分にリング状磁石24と25
が固着されて型により一体成形されている。スペーサ2
6の外周面26aと、磁石24,25の外周面24a,
25aは同一面である。円筒状ヨーク22は、ソフトフ
ェライトや軟鉄などの高透磁率の磁性材料により形成さ
れたものである。前記磁石24の外周面24aとヨーク
22の内周面との間に、円筒状空間となるギャップG1
が形成され、磁石25の外周面25aとヨーク22の内
周面との間に、円筒状空間となるギャップG2が形成さ
れている。前記コイルC1はギャップG1内に、コイル
C2はギャップG2内に位置している。
【0029】磁石24は、ギャップ側がN極で円筒状コ
ア23側がS極である。磁石25はギャップ側がS極で
円筒状コア23側がN極である。この磁気回路A1で
は、磁石24,25からの磁場がヨーク22および円筒
状コア23を循環する磁気回路が構成され、ギャップG
1,G2を横断する磁場と、コイルC1,C2に流れる
ボイス電流とにより、両コイルC1とC2に対しY軸方
向の同じ方向の電磁力(駆動力)が作用する。
【0030】次に上記磁気回路A1での磁場発生部材2
1の製造方法を説明する。図3(A)に示すように、円
筒状コア23を非磁性材製の円筒状スペーサ26の中心
穴に挿入し、スペーサ26を、円筒状コア23の軸方向
中央部に位置決めする。そして、スペーサ26と円筒状
コア23とを接着剤などにより固定する。あるいは円筒
状コア23をスペーサ26の中心穴に圧入して、円筒状
コア23とスペーサ26とを固定してもよい。
【0031】図3(B)に示すように、円筒状コア23
とスペーサ26とが固定されたものを成形用の型内にイ
ンサートし、円筒状コア23の軸方向両端の外周面23
a,23bと、スペーサ26の軸方向両端面26b,2
6cとをそれぞれ2面とするキャビティを形成する。そ
して、キャビティ部分にリング状磁石24と25を成形
する。
【0032】インジェクション成形では、磁性粉末(磁
石粉末)を混入した樹脂を加熱して流動化させ、前記キ
ャビティ内に射出し、冷却してリング状磁石24,25
を成形する。コンプレッション成形では、磁性粉末(磁
石粉末)とバインダとをキャビティ部分に供給し、型を
加熱してキャビティを加圧し、リング状磁石24と25
を成形する。この成形において、一対のリング状磁石2
4と25の間にスペーサ26が介在し、しかも磁石2
4,25の外周面24a,25aとスペーサ26の外周
面26aが同一面であるため、磁石24と磁石25の中
間に入子を設ける必要がなく、成形に使用する型の内周
面はほぼ円筒状のものとなり、型の構造が簡単である。
また型の分離方向をY軸方向にでき、このY軸方向の分
離により、円筒状コア23の中心穴内および前記キャビ
ティ部分外周の双方から型を抜くことができる。
【0033】また成形されたリング状磁石24と25
は、円筒状コア23の外周面23aと23bに密着して
固着されたものであり、リング状磁石24,25と円筒
状コア23との接合部に隙間が形成されたり接着剤層が
介在することなく、磁気回路の磁気抵抗がこの接合部に
て増大することがない。よって、磁石24,25からの
磁場の損失がなく、磁場を有効に使用することができ
る。
【0034】また、磁石24と25は型で成形されたも
のであるため、形状および寸法の精度が型の寸法精度に
基づいた高いものとなる。したがって、磁石23と24
の外周面24a,25aの相互の面の段差がなく、また
両外周面24a,25aの円筒状コア23の中心軸に対
する同芯度も高精度に設定できる。さらに磁石24と2
5の軸方向の距離はスペーサ26により高精度に設定さ
れる。したがって、図2に示す磁気回路A1において、
ギャップG1とG2の軸方向への幅寸法、およびギャッ
プG1,G2の間隔が高精度に設定できる。
【0035】図2および図3に示す磁気回路A1では、
円筒状コア23にスペーサ26を設けることにより、成
形に使用する型の分離方向を一方向に設定できるものと
しているが、スペーサ26を設けない構造の磁場発生部
材21を製造する場合には、図4または図5に示す製造
方法を採用することが好ましい。
【0036】図4に示す製造方法では、円筒状コア23
を、その軸芯を含む面により縦割りに二分割したコア半
体23Aと23Bを使用する。なお図4では一方のコア
半体23Aのみを示している。このコア半体23Aを型
にインサートし、コア半体23Aの外周面の2箇所を含
むキャビティを形成して、インジェクション成形または
コンプレッション成形により、半リング状の磁石24A
と25Aを一体成形する。コア半体23Aを用いたイン
サート成形では、型をX方向に分離することにより、半
リング状の磁石24Aと25Aが固着されたコア半体2
3Aを取り出すことができる。他方のコア半体23Bに
ついても、同様にその外周面に半リング状の磁石24B
と25Bを一体成形する。そして、コア半体23Aと2
3Bを接合して、円筒状コア23とリング状磁石24,
25が完成する。
【0037】図5に示す磁気回路の製造方法では、円筒
状コア23が軸方向(Y軸方向)に分離されて半コア2
3Cと24Dとされている。それぞれの半コア23Cと
23Dを別々に型にインサートし、インジェクション成
形またはコンプレッション成形により、それぞれの半コ
ア23Cと23Dの外周面に1個ずつのリング状磁石2
4または25を一体に成形する。この場合、個々の半コ
ア23Cと23Dにはリング状磁石が1個ずつ成形され
るものであるため、それぞれの磁石を成形した型は軸方
向(Y軸方向)へ分離することが可能である。
【0038】それぞれの磁石24と25が一体成形され
た半コア23Cと23DをY方向へ一体となるように接
合することにより、磁場発生部材を製造することができ
る。この場合、半コア23Cの接合面23Eと、半コア
23Dの接合面を、互いに嵌合するテーパ面としておく
ことにより、一体に接合された磁場発生部材では、リン
グ状磁石24と25の互いの同芯度を高精度に設定でき
る。
【0039】図4と図5に示す製造方法で製造された磁
場発生部材および磁気回路では、リング状磁石24と2
5が、円筒状コア23の外周面に固着されることになる
ため、接合部での磁気抵抗の増大を防止でき、またリン
グ状磁石24と25のY軸方向への間隔、およびそれぞ
れの磁石24と25の形状寸法を高精度に設定できる。
【0040】図6は本発明の第2実施例での磁気回路A
2を示している。この磁気回路A2では、ボビン19お
よびコイルC1,C2に対して内周側に円筒状ヨーク3
1が、外周側に磁場発生部材32が配置されて、図2に
示すものと逆の配置となっている。磁場発生部材32で
は、高透磁率の磁性材料により形成された円筒状コア3
3の内周面の中央部に非磁性材料製の円筒状スペーサ3
6が設けられている。そして円筒状コア33の内周面3
3a,33bとスペーサ36の軸方向両端面36a,3
6bに対し、リング状磁石34と35が固着されて型に
より一体成形されている。スペーサ36の内周面36c
と、それぞれの磁石34,35の内周面34a,35a
は同一面である。
【0041】この磁気回路の製造方法では、図7に示す
ように、円筒状コア33の内周に円筒状のスペーサ36
を嵌入し、円筒状コア33およびスペーサ36を型内に
インサートする。そしてインジェクション成形またはコ
ンプレッション成形により、コア33の内周面33a,
33bと、スペーサ36の軸方向両端面36a,36b
を含むキャビティにリング状磁石34と35を成形す
る。図7の製造方法でも、型はY軸方向に分離すること
が可能である。この実施例でも、円筒状コア33と磁石
34,35との接合部での磁気抵抗の低減と、各部分の
寸法精度の向上の効果において、図2に示す実施例と同
じである。
【0042】また、図4と図5に示した製造方法におい
て、円筒状コアの内周面に一対のリング状磁石を成形す
ることが可能である。なお、上記実施例では円錐形状の
コーン状の振動板12を有するスピーカを例として説明
したが、振動板の音声振動が、ホーン内の空間を振動さ
せる方式のものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明では、リング状磁石
と円筒状コアとが隙間なくまた接着剤層を介することな
く固着されるため、磁気回路の磁気抵抗を低減でき、磁
石にて得られる磁場を有効に利用することができる。ま
た、リング状磁石の寸法精度を高くでき、また一対の磁
石が設けられる場合に、双方の磁石の面を同一面にで
き、また両磁石間の距離も高精度に設定できる。
【0044】また、一対の磁石の間に非磁性材料のスペ
ーサを設け、または予め円筒状コアを分割して、分割さ
れたコアに磁石を成形することにより、磁石を成形した
後の型の抜き方向を一方向にでき、型の構造が簡単にな
り、また成形作業も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気回路およびこれを用いたスピーカ
の一実施例を示す断面図、
【図2】図1に示す磁気回路の拡大断面図、
【図3】(A)(B)は図2に示す磁気回路の製造方法
を工程順に示す説明図、
【図4】コア半体を使用した磁気回路の製造方法を示す
斜視図、
【図5】半コアを使用した磁気回路の製造方法を示す断
面図、
【図6】磁気回路の第2実施例を示す拡大断面図、
【図7】第2実施例の磁気回路の製造方法を説明する斜
視図、
【図8】従来のスピーカ用磁気回路を示す断面図、
【図9】従来のスピーカ用磁気回路を示す断面図、
【図10】図8に示す磁気回路の製造工程を示す斜視
図、
【符号の説明】
11 フレーム 12 振動板 14 変形接合部 15 ダンパー 19 ボビン 21 磁場発生部材 22 円筒状ヨーク 23 円筒状コア 23A コア半体 23C,23D 半コア 24,25 磁石 24A,25A 半リング状の磁石 31 円筒状ヨーク 32 磁場発生部材 34,35 磁石 36 非磁性材料のスペーサ C1,C2 コイル G1,G2 ギャップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料製の円筒状コアと、このコアの
    周面に取り付けられたリング状磁石と、リング状磁石に
    対向する円筒状の磁性材料製ヨークとを有し、前記リン
    グ状磁石と前記ヨークとのギャップ内に振動板を振動さ
    せるコイルが介在するスピーカ用磁気回路において、前
    記リング状磁石が、円筒状コアの周面に固着されて型で
    成形されたものであることを特徴とするスピーカ用磁気
    回路。
  2. 【請求項2】 磁性材料製の円筒状コアと、このコアの
    周面に軸方向に距離を開けて取り付けられた一対のリン
    グ状磁石と、一対のリング状磁石に対向する円筒状の磁
    性材料製ヨークとを有し、前記リング状磁石と前記ヨー
    クとのギャップ内に振動板を振動させるコイルが介在す
    るスピーカ用磁気回路において、前記円筒状コアの周面
    での軸方向中間部分に非磁性材料製の円筒状スペーサが
    設けられ、前記リング状磁石が、円筒状コアの周面と円
    筒状スペーサの軸方向両端面との間に固着されて型で成
    形されたものであることを特徴とするスピーカ用磁気回
    路。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のスピーカ用磁気回路を
    製造する方法であって、円筒状コアを型内にインサート
    して、円筒状コアの周面にリング状磁石を一体成形する
    ことを特徴とするスピーカ用磁気回路の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のスピーカ用磁気回路を
    製造する方法であって、分割されたコアを型内にインサ
    ートして、それぞれの円筒状コアの周面にリング状磁石
    を一体成形し、その後の分割されたコアを接合すること
    を特徴とするスピーカ用磁気回路の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のスピーカ用磁気回路を
    製造する方法であって、円筒状コアと円筒状スペーサを
    型内にインサートして、円筒状コアの周面と円筒状スペ
    ーサの軸方向両端面との間にリング状磁石を一体成形す
    ることを特徴とするスピーカ用磁気回路の製造方法。
JP5350995A 1995-02-17 1995-02-17 スピーカ用磁気回路およびその製造方法 Withdrawn JPH08223690A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5350995A JPH08223690A (ja) 1995-02-17 1995-02-17 スピーカ用磁気回路およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5350995A JPH08223690A (ja) 1995-02-17 1995-02-17 スピーカ用磁気回路およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08223690A true JPH08223690A (ja) 1996-08-30

Family

ID=12944792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5350995A Withdrawn JPH08223690A (ja) 1995-02-17 1995-02-17 スピーカ用磁気回路およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08223690A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005252684A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Clarion Co Ltd 平面スピーカー
JP2014504108A (ja) * 2010-12-23 2014-02-13 ニーデルマン,ポール 薄型スピーカー

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005252684A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Clarion Co Ltd 平面スピーカー
JP2014504108A (ja) * 2010-12-23 2014-02-13 ニーデルマン,ポール 薄型スピーカー
US9532145B2 (en) 2010-12-23 2016-12-27 Eagle Acoustics Manufacturing, Llc Low-profile speaker

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7848536B2 (en) Voice coil assembly, loudspeaker using the same, and method for producing the same
EP1227701A1 (en) Speaker and magnetic circuit used for the speaker
JPH06233379A (ja) スピーカ
US7433487B2 (en) Speaker
JPH08223690A (ja) スピーカ用磁気回路およびその製造方法
KR101136019B1 (ko) 마이크로 스피커용 자기회로 및 그것을 사용한 마이크로 스피커
JP2002218589A (ja) スピーカーおよびその製造方法
JPH10210593A (ja) スピーカ用振動板とその製造方法
JP3161678B2 (ja) 磁気駆動装置および磁気駆動装置を用いたスピーカ
JP2003009284A (ja) スピーカ装置
JP5724767B2 (ja) スピーカ用外磁型磁気回路ユニット及びその製造方法
JP2002027590A (ja) ダイナミックスピーカの磁気回路
JPH09307978A (ja) 反発型磁気回路
JP2008304263A (ja) トルクセンサ用磁気コア、磁気コアユニット及びトルクセンサ
JPH08140188A (ja) 電気音響変換器
JPS6130200A (ja) スピ−カの組立方法
JPH0125039Y2 (ja)
JP2547130Y2 (ja) 磁気回路
JPS6211212A (ja) プラスチツク磁石製造用射出成形金型
JP2000040616A (ja) リング状永久磁石の配向装置と着磁装置
JP5132344B2 (ja) スピーカならびにマグネット部品およびその製造方法
JPS61194806A (ja) 樹脂マグネツトの磁場成形方法及び磁場成形装置
JP3943182B2 (ja) スピーカ用磁気回路
JPH0422637Y2 (ja)
JPH0574095U (ja) スピーカの磁気回路

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507