JPH08219605A - 密閉循環系におけるポンプのロック予知方法、および同装置 - Google Patents

密閉循環系におけるポンプのロック予知方法、および同装置

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JPH08219605A
JPH08219605A JP7028226A JP2822695A JPH08219605A JP H08219605 A JPH08219605 A JP H08219605A JP 7028226 A JP7028226 A JP 7028226A JP 2822695 A JP2822695 A JP 2822695A JP H08219605 A JPH08219605 A JP H08219605A
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pump
lock
circulation system
closed circulation
predicting
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JP7028226A
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Yuzuru Higo
譲 肥後
Shunsuke Tamura
俊介 田村
Tomio Nakajima
富夫 中嶋
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Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • Y02B30/62Absorption based systems

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密閉された循環系(例えば吸収冷温水機の冷
凍サイクル)の中に封入されている電動式のポンプがロ
ックするトラブルを未然に発見する方法、およびその装
置を提供する。 【構成】 ポンプの軸受に異物が析出して堆積すると、
モータ駆動電流に間欠的な異常電流がピーク状に発生
し、堆積の進行に伴って異常電流の発生頻度が増加す
る。そこで、ポンプ1の駆動用モータ2の給電線にクラ
ンプメータ3を装着して、検出信号を自動予知装置に入
力し、予め設定した判定式に基づいて、式(1)と式
(3)とが両立したとき警報手段を作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば吸収冷温水機の
ように密閉された循環系の中に封入されて、金属塩を含
有する溶液を循環させている電動式のポンプ内(主とし
て軸受摺動面)に金属が析出して発生するロック現象を
予知する方法、および同装置に関するものである。ただ
し、本発明において予知とは「若し放置したならば必然
的に発生するであろうロック現象」を予め知ることを言
う。従って、本発明の適用によってロック現象の発生は
未然に防止される。この点、単に予知だけを行って防止
の措置と結びつかない地震予知とは異なった概念であ
る。この発明は、吸収冷温水機中に封入されているポン
プ類のロック現象を予知して、これを未然に防止するこ
とを直接の目的として創作されたが、吸収冷温水機に限
らず「金属塩溶液を循環させている密閉循環系内のポン
プ」に広く適用することができ、例えば湿式の冶金用機
器類や化学機器にも有効である。
【0002】
【従来の技術】図5は、抽気装置を備えた吸収冷温水機
の吸収冷凍サイクルを模式的に描いた系統図である。
【0003】蒸発器11内は−750mmHgを越える
高い真空度に維持され、ここに水(冷媒)を送ると周囲
から熱を奪って蒸発する。この蒸気は吸収器12内の、
吸収能力が大きい吸収液である臭化リチウムに吸収させ
る。濃度を希釈された吸収液は再生器13に送られ、高
温で加熱して水分を蒸発させる。分離した吸収液は吸収
器12に返送し、蒸気は凝縮器14に送って凝縮されて
水となり、蒸発器11に返送され、このようなサイクル
によって冷凍作用が行なわれる。このような吸収冷凍サ
イクルによって運転されている吸収冷温水機をメンティ
ナンスする上で、異常の早期発見が非常に大切なことは
言うまでもなく、そのためには、先ず、異常の有無を診
断することから始めなければならない。而して、実際問
題としては、診断の対象である吸収式冷温水機の運転を
継続しつつ行なうことが望ましい。早期発見によって早
急に対処すべき異常の一つに真空漏洩が有る。吸収式冷
温水機の真空密閉系の中に大気が漏入して真空度が低下
すると、差当っては冷凍能力が低下するので、真空を保
持するため、図4に示したような抽気装置16が設けら
れている。図5は吸収冷凍サイクルを説明するための模
式的な図であって構成機器類を簡略化して描いてある
が、主要な構成機器類の全容を示すと図6のごとくであ
る。その構成は前掲の図5と本質的に同じであるが、詳
しくは次のとおりである。すなわち、再生器は高温再生
器13hと低温再生器13lとから成り、上記の高温再
生器13hはバーナー20で加熱されるようになってい
る。15Mは電動式の溶液ポンプ、17Mは電動式の冷
媒ポンプである。本例と異なる従来例として電動式のス
プレーポンプ(図示せず)を設けたものも有る。本例の
熱交換器は高温熱交換器18hと低温熱交換器18lと
から成っている。上掲の図6に示した吸収冷温水機の外
観は図7のごとくであって、図示の8,9は冷暖切換
弁、10は操作盤である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】吸収冷温水機に関する
前述の説明から理解されるように、吸収冷凍サイクルは
大気に対して厳重に遮断された密閉系より成り、抽気装
置16(図5参照)も通常時は気密に閉塞されている。 (図7参照)電動溶液ポンプ15Mの配管や電動冷媒ポ
ンプ17Mの配管は、空気漏入の危険性を限り無く零に
近付けるため、ネジ継手などは用いずに溶接されてい
る。溶接接続の長所として、締付の弛みなどに因る漏洩
の虞れが実用上零と見做し得る程度に低いが、着脱交換
は容易でない。ところが、各種の溶液を吸入,吐出する
ポンプ類に関してロック現象というトラブルが有る。こ
れは、ポンプの軸と軸受との間に銅が析出して軸の回転
を防げる現象である。この銅の由来は熱交換器であると
推定される。すなわち、熱交換器の伝熱管は熱伝導性に
優れた銅で構成されていため、その表面に各種の銅塩が
生成される。これらの銅塩は水に関して難溶性ではある
が、極微量の銅イオンが循環液中に溶出する。この銅イ
オンが、ポンプの軸と軸受面との間で金属銅の微細結晶
としてメッキ状に析出されるのである。上記の析出現象
の機構については、分子化学的および熱力学的な両面か
ら解明すべく研究されているが、未だ明確でない。しか
し、本発明においては、金属銅析出のケミカルなメカニ
ズムを追求することはさて措いて、この金属銅析出とい
う現象を経験的事実として確認し、これによって誘発さ
れるトラブルの解消を課題とする。すなわち、析出した
金属銅の冶金学的な特殊性として、ポンプ軸受合金やポ
ンプ軸(通常は鋼)に対し固溶性を示す。簡単に言えば
焼き付き易い。このため、ポンプ軸の円滑な回転が妨げ
られる。こうした現象が成長してゆくと、遂にはポンプ
軸が軸受に対して固着する、ポンプロックに至る。
【0005】吸収冷温水機をはじめとして密閉循環系は
一般に循環溶液の浄化処理(金属イオンの除去)が容易
でない上に、溶液循環用ポンプの交換修理が困難であ
る。その理由は、 イ.密閉循環系の高度の気密を保つという観点からは、
イオン交換樹脂浄化槽などを接続することはマイナス要
因であり、これを設けたとしても、そのメンティナンス
が至難であること、および、 ロ.密閉循環系の高度の気密を保つため、ポンプと配管
との接続に通常の継手類を用いることは出来ず、一般
に、切断と溶接とを必要とする。さらに、 ハ.配管の切断や溶接を行なうためには、密閉系の真空
破壊や溶液抜取りを必須とする。従って、再度の真空引
きや溶液の注入も必要となる等、付帯業務に多大の時間
と労力とを必要とする。
【0006】上述のように、密閉循環系のポンプは修理
が困難である上に、該密閉循環系を有する機械設備は一
般に、「不時の休止」を許されないものが多く、例えば
ビルの冷房に用いられている吸収冷温水機が夏季に臨時
休止したならば、テナントからの苦情が殺到する。さら
に、上記のビルがハイテク工場である場合は膨大な経済
的損失を生じるし、また、病院である場合には間接的な
がら人命にかかわる問題である。
【0007】にも拘らず、前記のポンプロックという故
障は、従来技術における定説として、不時に発生する。
こうした条件を、吸収冷温水機の保守管理の責めに任じ
ているビル施設のエンジニアリング会社の立場から見る
と、さながら消防署の立場に似ていて、いつ発生するか
も知れないポンプロック事故に備えて、常時出動可能な
態勢を整えて修理技術者が待機していなければならな
い。
【0008】例えばビルの空調に用いられている吸収冷
温水機の場合、機器の大きさや型式によって差違は有る
が、ポンプ交換に半日ないし1日を要する。この理由
は、先ず吸収冷温水機内の溶液を全部抜き出し、溶断,
溶接を伴うポンプ交換作業を行ない、吸収冷温水機内を
真空にし、溶液を再び封入しなければならないからであ
る。ポンプ交換の必要が、時を定めず突発的に発生する
ので、これに即応するための人件費も多額であり、待機
する技術員の健康管理にも難しい問題が有る。その上、
ポンプロック事故の発生時刻の如何によってはビルのオ
ーナーなテナントが蒙る迷惑は甚大となる。上述したポ
ンプロック発生の予兆を前もって察知することが出来れ
ば、ポンプ交換作業を計画的に実施して、支障の少ない
時間を選定したり、パーツや工具類の準備に万全を期し
たりする等、被害の軽減という形で得られる利益は非常
に大きいものと期待される。
【0009】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、従来一般に過電流継電器(保安リレー・通称
ブレーカー)が作動することによって初めて発見されて
いたポンプロックの検知技術を改良して、ポンプロック
の発生を予知する方法、および、上記予知方法を実施す
るに好適な予知装置を提供することを目的とする。ポン
プロック予知の遡及時間は長ければ長いほど良いが、1
週間以上であることが望ましい。一般に、1週間の余裕
が有れば土,日曜日などの冷温水機休止日と修理計画と
を合わせ得るからである。さらに、予知が早ければ早い
ほど、ポンプを交換しなくても分解清浄(析出した金属
銅の除去)が可能となる確立が高いので、1週間よりも
長期間の遡及検出が望ましい。本発明は上記の要請に応
え得る程度の予知を目的として創作され、その目的を達
成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明者らは、吸収冷温水機の稼働を停止させること
無く観察,測定し得る範囲内で該吸収冷温水機を長期間
にわたって監視し、そのデータを解析した結果、金属銅
が析出してポンプロックに至る前に、時々、瞬間的に引
っ掛かる形の回転不斉が発生していることを発見した。
ただし、回転不斉とは言っても、ポンプおよびモータの
回転部材が慣性(角運動量)を有しているので、回転速
度の変化を計測しても検知することは困難であるが、駆
動モータの負荷電流の瞬時的な増加として現れる。いま
仮に、ポンプと駆動モータとを連結しているカップリン
グにトルクメータを装着すれば、上記の瞬間的な引っ掛
かりは伝動トルクの瞬時的な増加として表示されるが、
密閉循環系内にトルクメータを配設しても検出信号の取
り出しが容易でない。しかし、駆動モータの負荷電流は
密閉循環系外から計測できるので実施することが容易で
あるから、本発明は専ら駆動モータの負荷電流を計測す
る。図2はポンプロックの余兆現象として発生した負荷
電流のピークを示す図表であって、横軸に時間を分単位
でとり、縦軸に負荷電流値をアンペア単位でとり、29
0分間のデータを表している。この計測データは、実際
に建築物の冷房に用いられている吸収冷温水機に装備さ
れたポンプ駆動用の、1時間定格電流6.2アンペアの
三相交流モータの負荷電流を計測したものである。自動
計測の開始時点を0分とする。出来ることならば、ポン
プロック発生の時点から遡って何時間であるかを定めて
時間軸の原点としたいところであるが、本計測例におい
ては以下に述べるようにポンプロック発生の虞れが有る
ことを予知したので、ポンプロックの発生を待たずにポ
ンプの交換整備を行なったので、ポンプロック前 何日
目のデータであるかを確定し得ない。(概要的な推定は
可能であり、これについては後述する)。
【0011】計測開始時の電流値は約5,5アンペアで
あるが、約13分でピーク電流値6.2アンペアが認め
られる。その後、5〜6アンペアの間で僅かに変動し、
100分の時にピーク電流6.3アンペア,111分の
時に6.2アンペアを発生した後、141分で大きいピ
ークP1を発生している。自動記録装置の針が振り切れ
ているので正確な値は不明であるが、10アンペアを越
えていることは確かである。その後は6アンペア強の付
近で微小変動を示している。本グラフに示した290分
間においては、溶液の粘性や流量に別段の変化が無かっ
たので、計測開始時点(0分)に比して計測終了期(2
50〜290分)には、ポンプの回転抵抗が増加してい
ることが分かる。このような状態は、ポンプに何らかの
異常が発生していることを推測させるので、本発明者は
ポンプを交換して吸収冷温水機の整備を行ない、交換し
た旧品を分解調査したところ、軸受部にメッキ状の金属
銅の析出が認められた。本発明者は、これ以前におい
て、金属銅の析出によってロックした多数のポンプを分
解調査しているので、蓄積されている調査データと比較
して検討したところ、本図2の計測データを得たポンプ
を継続使用したならば、数日ないし十数日でポンプロッ
クを生ずるに至ったであろうと推測された。しかし、こ
のデータだけでは、ロック発生までの時間を正確に予知
することは出来ない。
【0012】そこで本発明者は、各型式の吸収冷温水機
について、多数の自動計測を行ないこれら多数のデータ
を集計し、解析して、ロックに至る経過を研究した。図
3は上掲の図1と異なる負荷電流の経時的データを示
す、自動記録用紙の平面図である。この例では、約24
分の時点でピーク電流値16アンペアの異常電流P2
発生し、約180分の時点でピーク電流値16.2アン
ペアの異常電流P3が発生している。上掲の図2,図3
は、多数のデータ中の2例を示したものであるが、この
種のデータを多数集計するとともに、それぞれの分解調
査結果とを総合すると、次のような傾向が読み取られ
た。メッキ状の金属銅の析出が肉眼で認められる程度に
成長すると、図3に示したように、数時間に1回程度の
ピーク状異常電流が発生し、上記のメッキ状金属銅の析
出が成長するにつれてピーク状異常電流の発生頻度が高
くなり、具体的に整備計画を樹てねばならなくなる頃に
は、図2に示したように、10分間に1回程度のピーク
状異常電流の発生が認められるようになる。
【0013】図2および図3について以上に説明したと
ころは、学術的な研究と発見であって、未だ特許法第2
9条柱書に定義されている「産業上利用することができ
る発明」とは言えないと考えられる。上述の学術的発見
に基づいて本発明者は、これを具体的に「密閉循環系に
おけるポンプロックの予知技術」として実用的効果を奏
し得るよう、以下に説明する技術を創作した。
【0014】例えば図2や図3に示すような負荷電流の
変化グラフを、熟練した技術員が見れば、ポンプロック
の虞れの有無、および、金属銅析出現象の進行程度を判
定することができる。しかし、自動計測装置が「ポンプ
ロック原因の成長程度」を判定させることは容易でな
い。熟練した技術員が蓄積しているノウハウを方程式と
して表現し、その演算をコンピュータに行なわせること
は、技術的には可能であっても経済的に実用化できな
い。すなわち、例えば各ビル毎にポンプロック予知専用
のコンピュータを設置することは、経済的負担が大き過
ぎる。以上の考察から、要望されることは「ポンプロッ
クの予兆としての負荷電流変化の特性」を、できるだけ
簡単な判定式で表すことである。さらに、実際問題とし
て、負荷電流の変化要因には金属銅析出以外に、循環液
の粘度変化や流量変化が有るので、これを除外すること
が必要であり、さらに、ポンプを駆動するモータの起動
時には、定常運転時よりも著しく大きい起動電流が発生
するので、これを異常電流と誤認しないことも必要であ
る。図4は密閉循環系内に設けられたポンプを駆動して
いるモータの負荷電流が異常であるか否かを判定する数
式を説明するために示したもので、模式化して描いた負
荷電流図表である。時刻T1でスイッチが閉じられる
と、起動電流Isが流れ始め、時刻T2でピーク値Ps
を示す。これは異常電流ではない。時刻t1で自動計測
を開始し、データサンプリング周期tで間欠的に電流値
を自動計測する。(理論的には、連続的に計測すること
も可能であるが、間欠的に計測する方が自動演算が容易
である)。
【0015】計測は、時刻t1,t2…tnと、n回行な
われる。時刻t1から時刻tnの1回前までの間に、電流
値は図示の電流変動範囲E内で変化を示している。これ
は循環されている液体の粘性変化や流量変化に因るもの
であって、この範囲内の変動は異常と判定してはならな
い。図示の電流値Iaは許容電流として設定した電流値
の上限であって、過電流継電器はこの電流値Iaで作動
するように設定される。換言すれば、電流値がこのライ
ンに達するとブレーカーが落ちる。本発明においては、
ブレーカーが落ちるまでに、予め異常を検出しなければ
ならない。その理由は、 a.ブレーカーの作動は不時に発生するから、ブレーカ
ーが落ちてしまうと、その対応に奔走しなければならな
い。 b.ブレーカーが作動すると、吸収冷温水機の非常停止
となり、ユーザーの被害が甚大である。 c.ブレーカーが作動する程度まで金属銅の析出が進行
してしまうと、ポンプが修復不能の損傷を被る場合が多
い、からである。
【0016】そこで本発明は、次の式(1),式(2)
の判定を立てる。
【0017】
【数5】
【0018】ここに、Inは計測した中での最新の値で
あり、式(1)の右辺は、過去(n−1)回の計測値の
算術平均に、許容値設定用の係数Kを乗じた値である。
上記の係数Kは、図4に示した電流変動範囲Eを勘案し
て適宜に定めることができる。この値を小さくすると式
(1)が成立し易くなって、自動演算による異常検出が
鋭敏になる。また、この係数Kの値を大きくすると、式
(1)が成立しにくくなって異常検出が鈍感になる。異
常の検出は過敏であると煩わしく、鈍感であると予知の
時機を失する危険性が増すので、いずれに偏っても良く
ない。こうした二律背反の悩みを解消する方策として、
この係数Kを、大,小2段階に採ることも推奨される。
この場合、小さい方の係数K1について式(1)が成立
すると、これを注意信号として受取り、大きい方の係数
2について式(1)が成立すると、これを緊急警報と
して受け取ることにより、実際の事例における対応に便
利となる。
【0019】前掲の(2)式は、過去の計測データの中
に0が有れば成立する。過去の計測値の中に0アンペア
が有るということは、n回の計測中にモータが停止して
いた時期が有ったことを意味する。従って、計測中の最
近データInが0でなくて、しかも式(2)が成立すれ
ば、n回の計測値の中に起動電流が含まれていると判断
される。従って、前掲の式(1)の成立と式(2)の不
成立とによって「ポンプロック原因である金属銅の析出
が発生し、成長した」と判定される。表現を変えると、
【0020】
【数6】
【0021】式(1)と式(3)とが成立したとき、ポ
ンプロックの予兆である異常電流と判定する。
【0022】本発明を実施する際、前掲の式(1)に用
いられている係数Kについて、 1<K1<K2 なる二つの係数K1,K2を設定し、小さい方の係数K1
について式(1)と式(2)とが成立したときは警告ラ
ンプを点灯させ、大きい方の係数K2について式(1)
と式(2)とが成立したとき警報ブザーを鳴動させるこ
とが推奨される。この考え方は、自動電流計測手段のみ
によって最終判定を結論することなく、測定電流のデー
タを専門技術者に見せて最終的な決断を求めようという
ものである。せっかくの自動監視装置によるポンプロッ
ク予知について、人的判断を加えることは自動化を退歩
させるような印象を与えるかと懸念されるが、決してそ
うではない。その理由は、ポンプロック予兆の検出は
「処置の完了」ではなくて、「処置のスタート」である
からである。すなわち、ポンプロックを予知したなら
ば、整備技術責任者は設備のオーナーやテナントと協議
して整備の日程を定め、所要の機材やパーツを手配し、
所要の人員を振り当て、要すれば代替機器を準備するな
ど、人間の思考に基づく対処を不可欠とする。従って、
例えば図2に示したようなデータを、ビル施設のエンジ
ニアリング会社へFAX送信して専門技術者に見せるこ
とは何らのマイナス要因ではない。この場合、自動監視
装置としては、異常の程度を「警告」と「警報」とに区
別して異常表示をすれば、実用価値がきわめて高い。将
来において更なる改良が為されることは充分に期待され
るが、現段階において従来技術に比較すると、飛躍的な
技術的思想の創作である。
【0023】図2ないし図4について以上に説明したよ
うな研究,発見,考察に基づいて本発明の予知方法は、
大気から遮断された密閉系内において金属塩を含有する
溶液を循環せさている電動式のポンプ内に金属が析出し
てロックする現象を予知する方法に適用され、前記電動
式ポンプの駆動電流を連続的ないし周期的に計測し、上
記駆動電流の絶対値、および、該駆動電流の瞬時的な変
化のパターンに基づいて、ポンプのロック原因の配設と
成長状態とを判定することを特徴とする。また上記の発
明方法を容易に実施できるように構成した本発明に係る
ポンプのロック予知装置は、密閉系内において金属塩を
含有する溶液を循環せしめる電動式ポンプ内に金属が析
出してロックする現象を予知して、該電動式ポンプが故
障停止する以前に自動的に警告を発する装置であって、
前記電動式ポンプの駆動電流を連続的ないし周期的に検
出する手段と、上記駆動電流検出手段の出力信号を入力
されて、該駆動電流の絶対値の上昇傾向、および、該駆
動電流の瞬時的な変化のパターンを算出する演算手段と
を具備していることを特徴とする。上記の演算手段は、
次に示す式(3)の演算を行なう演算回路を備えている
ことが一層望ましい。
【0024】
【数7】
【0025】
【作用】上述の手段によると、図2,図3について説明
した本発明者の発見に基づき、図4を参照して説明した
理論的解析に従って、密閉循環系内に設置されているモ
ータ駆動式のポンプの軸受部におけるメッキ状金属銅の
析出状態を、該密閉系の外部から駆動モータの負荷電流
を計測することによって判定し、ポンプロックの発生を
未然に予知することができる。ポンプロックが不時に、
突然発生すると被害が大きいが、これを予知できれば時
間的余裕をもって整備計画を樹て、当該密閉循環系の休
止に伴う損失が最小となる時期(例えば日曜日)を選ん
で予防整備を行なうことができる。これにより、ユーザ
ーが蒙る休止損失は最小限まで軽減され、補修費の負担
も少なくて済み、その経済的利益は多大である。また、
密閉循環系を備えた機器施設のエンジニアリング会社の
立場から見ると、イ.常時、緊急出動態勢で待機してい
る必要が無くなり、ロ.不測のポンプロック発生の度に
徹夜作業を強いられることが無くなり、ハ.時間的余裕
をもって機材,パーツ,人員の手配をすることができ、
作業能率の向上,人件費コストの低減は勿論、整備技術
員の労働条件改善の効果が顕著である。
【0026】
【実施例】次に、本発明に係る装置を用いて本発明の予
知方法を実施した例を述べる。図1は本発明方法を実施
するために構成したポンプロック予知装置の1例を示す
系統図である。
【0027】1は、密閉循環系の1例である吸収冷温水
機の冷凍サイクル中に設置された液体ポンプであり、2
は上記ポンプを駆動する3相誘導電動機である。上記誘
導電動機2の給電線にクランプメータ3を装着して電流
値を検出する。上記クランプメータ3の検出信号は自動
予知装置4に入力される。自動予知装置4に入力された
信号は、電流/電圧変換器4aによって電圧信号に変換
され、(1)式演算回路4bと、(3)式演算回路4c
とに入力される。上記の演算回路4b,4cは、タイマ
ー回路4fを備えていて、所定の時間間隔(サンプリン
グ周期t、本例においては周期0.1秒)でデータを取
り入れ、前述の式(1)、式(2)の演算を行なう。本
例の場合、演算は上記の式(1),(2)が成立するか
否かを判定すれば足り、演算内容が単純であるから演算
回路の構成も簡単で足りる。
【0028】判定回路4dは、上記双方の演算回路4
b,4cのそれぞれから、前記の式(1),式(2)が
成立したか否かの演算結果を入力されて、ポンプロック
予兆の有無を判定するとともに、判定根拠となったデー
タおよび判定結果を記憶回路4eに入力して保存させ
る。図1を参照して以上に説明したところは、本発明の
ポンプロック予知装置に関する各実施例に共通する基本
的な構成である。 〔第1の実施例〕判定回路4dは、(1)式演算回路4
bの出力と(3)式演算回路4cの出力とを入力され
て、(1),(2)の両式が成立したときはポンプロッ
クの予兆である異常電流が発生したものと判定して、警
告ランプ5もしくは警報ブザー6を作動させるととも
に、判定結果を記憶装置4eに与えて記憶させる。
【0029】上記の警告ランプ5もしくは警報ブザー6
によってポンプロックの虞れが有ることを知ったビル施
設の機械係員は、前記記憶回路に接続された表示器7a
によって異常の発生状態を確認して適宜の処置を取るこ
とができる。例えば記憶回路4eの記録内容をプリンタ
7bによって印画し、これをビル施設エンジニアリング
会社にFAX送信して専門技術者の判定を求めるととも
に、修理の日程を打ち合わせるなどして、ポンプ整備の
ための吸収冷温水機休止によるテナントへの迷惑を最小
限に留めることができる。この場合、ポンプロックの原
因であるメッキ状金属銅の析出が何の程度まで成長して
いるか、また、あと何日ほどでポンプのロックを生じる
か(具体的には、あと何日でブレーカーが落ちるか)な
どは、判定回路4dに診断させることは無理であるか
ら、本第1の実施例においては「専門技術者の診断を求
める必要の発生を知ること」と、専門技術者の診断に必
要な計測データを得ること」とが、直接的な収穫(効
果)である。間接的な効果として、問題発生を早期に予
知して充分な時間的余裕をもって対処できること、およ
び、早期発見によってポンプの修復不能を回避できるこ
との意義は大きく、経済的価値も高い。整備時間を短縮
するためにポンプ交換を実施するにしても、交換旧品を
清浄手入れして次回の為の予備品として再使用できるか
否かは、吸収冷温水機のランニングコストに影響すると
ころ少なくない。この第1の実施例において警告ランプ
5と警報ブザー6との両方を同時に作動させることの意
味は次のとおりである。すなわち、警報ランプが点灯し
ただけでは、近くに居る者がランプの方を向いていなけ
れば警告を認知することができない。警報ブザーが鳴動
すると、隣室に居た係員でも気付くことができる。しか
し、ブザー音を聞いて駈け付けても、何処に何ういう不
具合が発生しているのかを即座に判断することができな
い。そこで警告ランプの点灯によってポンプロックの予
兆が有ったことを知り、プリンタ7bからデータ(例え
ば図2に類似したデータ)を取り出して、施設エンジニ
アリング会社に送って協議することができる。これを設
備エンジニアリング会社の側から見ると、「ブレーカー
が落ちた。すぐ来てくれ」という緊急出動要請が来なく
なり、緊急の程度を判定できるデータがグラフとして送
られて来るので、「顧客に迷惑をかけることなく、しか
も、常時非常出動体勢を維持している必要が無くなる」
という点で、多大の恩恵を受ける。図1に示した自動予
知装置が記憶回路4eを備えているので、判定回路4d
が異常と判定した時のデータのみならず、遡った日時の
データを知ることもできる。この遡及データを利用し
て、施設エンジニアリング会社の専門技術者は、「ピー
ク状異常電流の発生頻度が高いと、メッキ状金属銅の析
出が成長しているものと推測される。」という公式を適
用して緊急の程度を判定することもできる。ただし、本
発明を適用した場合における緊急の程度は、従来の技術
における緊急の程度と比較にならないほど軽いものであ
る。
【0030】〔第2の実施例〕前述した第1の実施例に
おいては、自動予知装置4は緊急度(すなわちポンプロ
ックの原因の成長状態)の判定は行なわなかった。緊急
度の判定は施設エンジニアリング会社の専門技術員によ
って最終的に決定されることが最善であるが、自動予知
装置4によって緊急の程度を2段階に区分して判定させ
ることは可能である。
【0031】第2の実施例においては、前掲の式(1)
に用いられている係数Kを2段階に設定する。その技術
的な意義は次のごとくである。すなわち、図4について
既に述べたごとく、ポンプ駆動モータの電流値の変動に
は3つの要因があって、(イ)ポンプロック原因である
金属銅の析出に起因する電流値増加と、(ロ)循環液の
粘度変化,流量変化に因る、図示の範囲E内の変動と、
(ハ)起動時の大電流と、である。これらの内、(ハ)
項の起動電流は前掲の式(3)の成立(もしくは式
(2)の不成立)によって除外できる。従って(イ)の
真正の予兆と(ロ)の正常な変動との見分けが重要にな
る。
【0032】前記の係数Kは、正常と見做す電流値の変
動幅を表すものであって、これを小さく設定しすぎると
異常検出が過敏になって煩わしい上に、担当係員が悪い
意味の慣れによって対応処置を怠慢するようになってし
まう。また、上記の係数Kの値を大きく設定しすぎると
検出が鈍感になって、ロック発生の直前に警報が出て対
処の時間的余裕が無くなる虞れが有る。このため、係数
Kを如何に設定するかは経験に基づく高度の判断を要す
る。特に、新機種の吸収冷温水機が出現したときは、係
数Kの設定が非常に難しい。
【0033】そこで、この第2の実施例においては、前
記の式(1)の係数Kについて、 K2>K1>1 なる2種類の係数を設定する。
【0034】小さい方の係数K1は、電流値の許容変動
幅を小さく設定しているので、電流値の上昇が比較的小
さくても異常(ロック予兆)と判定し易い。すなわち、
敏感に異常判定するように作用する。これを数式につい
て見ると、前掲の式(1)において、右辺に乗じている
正の数Kが小さいので、不等号>が成立し易い。小さい
方の係数K1を用いた式(1)と式(3)とが成立する
と、「未だ慌てなくても良いが、ポンプロック気味の傾
向にあるから要注意」と考えて良い。そこで、この第2
の実施例においては、小さい方の係数K1について式
(1)が成立し、かつ、式(3)が成立したとき警告ラ
ンプ5を点灯させる。機械係員は、警告ランプ5の点灯
に気付いた場合、「要注意」の警告として受け取れば良
く、長時間の他出を見合わせるとか、吸収冷温水機の周
辺を片付けておく等の配慮が望ましい。施設エンジニア
リング会社にも警告ランプの点灯を連絡しておいた方が
良い。
【0035】大きい方の係数K2は、電流値の許容変動
幅を大きく設定したものであるから、この係数K2につ
いて式(1)が成立したということは、異常発生(ポン
プロック)の確率がかなり高いとの警報を受けたものと
理解すべきである。であるから、この第2の実施例にお
いては、大きい方の係数K2について式(1)が成立
し、かつ、式(3)が成立した場合、警報ブザー6を鳴
動させる。警報ブザー6の鳴動音を聞きつけた機械係員
は、直ちにプリンタ7bからデータをプリントアウトし
て施設エンジニアリング会社へFAX送信するととも
に、電話で協議する。施設エンジニアリング会社の専門
技術者は、受信したFAXのデータを検討してポンプロ
ックの緊急度を判断し、吸収冷温水機を備えた建造物の
オーナー側と協議して、ポンプの交換修理について日程
を取り決めるとともに、交換用ポンプの手配、修理技術
者の割当て、所要機材,資材の準備などを行なう。これ
により、ポンプ用モータの給電回路のブレーカーが落ち
て不時の緊急停止を招く虞れは無くなる。さらに、「ポ
ンプを交換してみたがポンプに異常が無かった」といっ
た形の誤診整備というトラブルは完全に防止できる。異
常電流の発生が確認されているので、「分解してみたら
異常が無かった」ということは有り得ないからである。
もし誤診分解整備というミスを犯すと、発生した多額の
費用はエンジニアリング会社の負担になることは当然で
あるが、オーナーやテナントに与えた有形無形の間接的
損害も大きいので、エンジニアリング会社は責任と信用
との関係から、誤診トラブルを生じることは絶対的に避
けなければならない。こうした観点からも、本発明の無
形の効果は非常に大きい。
【0036】図1について以上に説明した第1,第2の
実施例においては、吸収冷温水機の溶液ポンプもしくは
冷媒ポンプに適用された例を説明したが、同様にして吸
収冷温水機のスプレーポンプに適用することもできる。
さらに、本発明を適用して実用的効果が得られるのは、
必ずしも吸収冷温水機に限らず、密閉された循環系内に
封入されている電動式のポンプについて広く適用するこ
とができる。従って、銅イオンを有する循環液の循環系
に限られず、金属塩溶液の循環系全般にわたって適用範
囲が有る。
【0037】前述の実施例においては式(1)と式
(3)の両立を以ってポンプロック予兆の異常発生と判
定したが、数式的に検討,考察すれば明らかなように、
「式(3)の成立」を、「式(2)の不成立」と置き換
えることができる。
【0038】さらに、図示を省略するが図1と異なる実
施例として、起動電流に起因する大電流の誤検出を防止
する手段としては、前掲の式(3)の成立,もしくは式
(2)の不成立以外に、各種の公知の手段を適用するこ
とも可能である。例えばポンプ駆動用モータの回転速度
を検出したり、起動リレーの作動信号を利用したりする
ことができる。従って、本発明の最も基本的な構成にお
いて、欠くことのできない要件は、前掲の式(1)の利
用である。すなわち、式(2),式(3)を利用しなく
ても、式(1)を利用することのみによっても本発明の
技術的範囲に属するものである。
【0039】
【発明の効果】本発明を適用すると、図2,図3につい
て説明した本発明者の発見に基づき、図4を参照して説
明した理論的解析に従って、密閉循環系内に設置されて
いるモータ駆動式のポンプの軸受部におけるメッキ状金
属銅の析出状態を、該密閉系の外部から駆動モータの負
荷電流を計測することによって判定し、ポンプロックの
発生を未然に予知することができる。ポンプロックが不
時に、突然発生すると被害が大きいが、これを予知でき
れば時間的余裕をもって整備計画を樹て、当該密閉循環
系の休止に伴う損失が最小となる時期(例えば日曜日)
を選んで予防整備を行なうことができる。これにより、
ユーザーが蒙る休止損失は最小限まで軽減され、補修費
の負担も少なくて済み、その経済的利益は多大である。
また、密閉循環系を備えた機器施設のエンジニアリング
会社の立場から見ると、イ.常時、緊急出動態勢で待機
している必要が無くなり、ロ.不測のポンプロック発生
の度に徹夜作業を強いられることが無くなり、ハ.時間
的余裕をもって機材,パーツ,人員の手配をすることが
でき、作業能率の向上,人件費コストの低減は勿論、整
備技術員の労働条件改善の効果が顕著であるという優れ
た実用的効果を奏し、特に、吸収冷温水機の保守整備技
術に適用した場合にその効果が顕著である。これによ
り、空調機器産業の発展と、居住環境,労働環境の保全
とに貢献するところ多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するために構成したポンプロ
ック予知装置の1例を示す系統図である。
【図2】ポンプロックの予知現象として発生した負荷電
流のピークを示す図表であって、横軸に時間を分単位で
とり、縦軸に負荷電流値をアンペア単位でとり、290
分間のデータを表している。
【図3】前掲の図2と異なる例における負荷電流の経時
的データを示す、自動記録用紙の平面図である。
【図4】密閉循環系内に設けられたポンプを駆動してい
るモータの負荷電流が異常であるか否かを判定する数式
を説明するために示したもので、模式化して描いた負荷
電流図表である。
【図5】吸収冷温水機の作動を説明するための系統図で
ある。
【図6】吸収冷温水機の模式的な断面図である。
【図7】吸収冷温水機の1例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1…ポンプ、2…誘導電動機、3…クランプメータ、4
…自動予知装置、4a…電流/電圧変換器、4b…
(1)式演算回路、4c…(3)式演算回路、4d…判
定回路、4e…記憶回路、4f…タイマー回路、5…警
告ランプ、6…警報ブザー、7a…表示器、7b…プリ
ンタ、8,9…冷暖切換弁、10…操作盤、11…蒸発
器、12…吸収器、13…再生器、13h…高温再生
器、13l…低温再生器、14…凝縮器、15…循環ポ
ンプ、15M…電動溶液ポンプ、16…抽気装置、17
M…電動冷媒ポンプ、18…熱交換器、18h…高温熱
交換器、18l…低温熱交換器、20…バーナー、23
…循環管路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 富夫 東京都港区高輪二丁目20番36号 日立ビル 施設エンジニアリング株式会社保全技術部 内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気から遮断された密閉系内において金
    属塩を含有する溶液を循環させている電動式のポンプ内
    に金属が析出してロックする現象を予知する方法であっ
    て、 前記電動式ポンプの駆動電流を連続的ないし周期的に計
    測し、 上記駆動電流の絶対値、および、該駆動電流の瞬時的な
    変化のパターンに基づいて、ポンプのロック原因の発生
    と成長状態とを判定することを特徴とする、密閉循環系
    におけるポンプのロック予知方法。
  2. 【請求項2】 最近の時点における電動ポンプの駆動電
    流値をInとし、過去の(n−1)回の駆動電流値を経
    時順にI1,I2……In-1とし、1以上の許容値設定用
    の係数Kを定めて、 【数1】 上記の(1)式が成立したとき、ロック原因が発生して
    いると判定することを特徴とする、請求項1に記載した
    密閉循環系におけるポンプロック予知方法。
  3. 【請求項3】 前記駆動電流の絶対値および瞬時的な変
    化に基づく判定に際して、前記電動式ポンプの起動電流
    を除外して判定することを特徴とする、請求項1もしく
    は請求項2に記載した密閉循環系におけるポンプロック
    予知方法。
  4. 【請求項4】 前記駆動電流の絶対値および瞬時的な変
    化に基づく判定に際して、前記電動式ポンプの起動電流
    を除外して判定することを特徴とする、請求項1もしく
    は請求項2に記載した密閉循環系におけるポンプロック
    予知方法。 【数2】 上記の(2)式が成立したとき、計測値の中に起動電流
    値が存在していると判断して、計測したデータであるI
    1〜Inを判定の基礎として用いないことを特徴とする、
    請求項2もしくは請求項3に記載した密閉循環系におけ
    るポンプロック予知方法。
  5. 【請求項5】 計測した多数の駆動電流値の中で、これ
    ら多数の駆動電流の平均値に比して大きい異常値の発生
    頻度を勘案して、上記異常値の発生頻度が高いときは、
    ポンプのロック原因の成長が進行しているものと判断す
    ることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか
    に記載した密閉循環系におけるポンプのロック予知方
    法。
  6. 【請求項6】 前記の密閉系は吸収冷温水機の冷熱サイ
    クル循環系統であり、前記の金属塩は銅の水溶性化合物
    であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何
    れかに記載した密閉循環系におけるポンプロック予知方
    法。
  7. 【請求項7】 前記の電動式のポンプは、溶液ポンプお
    よび/または冷媒ポンプを対象として適用することを特
    徴とする、請求項6に記載した密閉循環系におけるポン
    プロック予知方法。
  8. 【請求項8】 前記の電動式のポンプは、溶液ポンプ、
    冷媒ポンプ、およびスプレーポンプであることを特徴と
    する、請求項6に記載した密閉循環系におけるポンプロ
    ック予知方法。
  9. 【請求項9】 前記の電動式のポンプは、三相交流誘導
    電動機によって駆動されるものを適用の対象とすること
    を特徴とする、請求項7もしくは請求項8に記載した密
    閉循環系におけるポンプロック予知方法。
  10. 【請求項10】 前記電動式のポンプの駆動電流値を、
    クランプメータによって検出し、上記の検出信号を自動
    制御装置に入力し、前記の(1)式が成立すること、お
    よび前記の(2)式が成立しないことを算出したとき、
    ロックの原因が発生して、整備が必要になっているもの
    と判定することを特徴とする、請求項4に記載した密閉
    循環系におけるポンプロック予知方法。
  11. 【請求項11】 前記の係数Kを複数種類設定し、 上記複数の係数Kのうち、小さい係数に関して前記
    (1)式が成立し、かつ、(2)式が成立しない場合、
    「緊急ではないが電動式ポンプの整備が必要である。」
    と判定し、 上記複数の係数Kのうち、大きい係数に関して前記
    (1)式が成立し、かつ、(2)式が成立しない場合、
    「なるべく早急に電動式ポンプの整備が必要である。」
    と判定することを特徴とする、請求項10に記載した密
    閉循環系におけるポンプロック予知方法。
  12. 【請求項12】 前記の「緊急ではない整備」が必要で
    あると判定されたとき前記自動制御装置によって警告ラ
    ンプを点灯せしめ、「早急な整備」が必要と判定された
    とき警報ブザーを作動せしめ、 かつ、上記いずれかの整備が必要と判定されたとき、測
    定された電流値のデータを表示器に表示し、および/ま
    たはプリンタに現示せしめて、整備作業計画の策定のた
    めの参考にすることを特徴とする、請求項11に記載し
    た密閉循環系におけるポンプロック予知方法。
  13. 【請求項13】 密閉系内において金属塩を含有する溶
    液を循環せしめる電動式ポンプ内に金属が析出してロッ
    クする現象を予知して、該電動式ポンプが故障停止する
    以前に自動的に警告を発する装置であって、 前記電動式ポンプの駆動電流を連続的ないし周期的に検
    出する手段と、 上記駆動電流検出手段の出力信号を入力されて、該駆動
    電流の絶対値の上昇傾向、および、該駆動電流の瞬時的
    な変化のパターンを算出する演算手段とを具備している
    ことを特徴とする、密閉循環系におけるポンプロック予
    知方法。
  14. 【請求項14】 前記の演算手段は、次に示す式(1)
    の演算を行なう演算回路を備えていることを特徴とす
    る、請求項13に記載した密閉循環系におけるポンプロ
    ック予知装置。最近の時点における電動式ポンプの駆動
    電流値をInとし、 過去の(n−1)回の駆動電流値を経時順にI1,I2
    …In-1とし、 1よりも大きい数値であるところの許容値設定用の係数
    Kを定めて、 【数3】
  15. 【請求項15】 前記の演算手段は、次に示す式(3)
    の演算を行なう演算回路を備えていることを特徴とす
    る、請求項14に記載した密閉循環系におけるポンプロ
    ック予知装置。 【数4】
  16. 【請求項16】 前記の演算手段は、前記の式(1)お
    よび式(3)の両方が成立したとき、警告手段に対して
    作動指令信号を出力する判定回路を備えていることを特
    徴とする、請求項15に記載した密閉循環系におけるポ
    ンプロック予知装置。
  17. 【請求項17】 前記の密閉系は、吸収冷温水器の冷熱
    サイクル循環系統であり、前記の金属塩は銅の水溶性化
    合物であることを特徴とする、請求項13ないし請求項
    16の何れかに記載した密閉循環系におけるポンプロッ
    ク予知装置。
  18. 【請求項18】 前記の電動式ポンプは、溶液ポンプお
    よび/または冷媒ポンプであることを特徴とする、請求
    項17に記載した密閉循環系におけるポンプロック予知
    装置。
  19. 【請求項19】 前記の電動式ポンプは、溶液ポンプ、
    冷媒ポンプ、およびスプレーポンプを含むものであるこ
    とを特徴とする、請求項17に記載した密閉循環系にお
    けるポンプロック予知装置。
  20. 【請求項20】 前記の演算手段は、タイマ回路および
    記憶回路を備えていて、前記の駆動電流値I1〜Inを時
    系列的に記憶する機能を有するものであることを特徴と
    する、請求項13ないし請求項16の何れかに記載した
    密閉循環系におけるポンプロック予知装置。
  21. 【請求項21】 前記の記憶回路は、該記憶回路に保存
    されているデータを呼び出して表示する表示器、および
    /または上記のデータを現示するプリンタを備えている
    ことを特徴とする、請求項20に記載した密閉循環系に
    おけるポンプロック予知装置。
  22. 【請求項22】 前記の演算手段は、前記電動式ポンプ
    の駆動電流を検出するクランプメータと、上記クランプ
    メータが検出した電流値を電圧値に変換する手段とを備
    えていることを特徴とする、請求項13ないし請求項2
    1の何れかに記載した密閉循環系におけるポンプロック
    予知装置。
  23. 【請求項23】 前記の係数Kが複数個設定されてお
    り、 前記の警告手段は警告ランプと警報ブザーとから成って
    おり、 かつ、前記の判定回路が次のような機能を有するもので
    あることを特徴とする、請求項16に記載した密閉循環
    系におけるポンプロック予知装置。前記の式(1)の演
    算を行なう演算回路が、前記複数の係数Kの内の小さい
    係数を用いて該式(1)の成立を表す信号を出力すると
    ともに、前記の式(3)の演算を行なう演算回路が該式
    (3)の成立を表す信号を出力したとき、前記の判定回
    路は前記の警告ランプに対して作動指令信号を出力し、 前記の式(1)の演算を行なう演算回路が、前記複数の
    係数Kの内の大きい係数を用いて該式(1)の成立を表
    す信号を出力するとともに、前記の式(3)の演算を行
    なう演算回路が該式(3)の成立を表す信号を出力した
    とき、前記の判定回路は前記の警報ブザーに対して作動
    指令信号を出力する。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014162146A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Achilles Corp 混合噴射装置の異常予告装置
JP2015200426A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 日立アプライアンス株式会社 吸収冷温水機、モジュール連結型吸収冷温水機及びその搬入据付方法
JP2023070455A (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 ユニマグテック株式会社 切粉回収方法、及び切粉回収ユニット

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