JPH08203889A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH08203889A
JPH08203889A JP1210795A JP1210795A JPH08203889A JP H08203889 A JPH08203889 A JP H08203889A JP 1210795 A JP1210795 A JP 1210795A JP 1210795 A JP1210795 A JP 1210795A JP H08203889 A JPH08203889 A JP H08203889A
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JP
Japan
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furnace
substrate
oxide film
gas
semiconductor device
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JP1210795A
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Masaki Saito
正樹 斎藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 該シリコン基板表面に酸化膜を形成させない
条件の雰囲気に維持された炉内にシリコン基板を搬入
し、該シリコン基板を所定温度にて酸化性ガスにさらす
ことにより、該シリコン基板上に吸着されていた有機物
の燃焼を行い、続いて、同一炉内にてシリコン基板に対
する熱酸化を行う。または、同一炉内にて熱CVDを行
う。酸化性ガスとしては、酸素、亜酸化窒素、水蒸気よ
り選ばれる少なくともいずれかを導入する。 【効果】 シリコン基板を搬入してから熱酸化を開始す
るまでに不要な自然酸化膜を生成させることなく、熱酸
化を行う炉内でシリコン基板上の有機物を燃焼すること
ができる。このため、製造コストを上昇させずに、シリ
コン酸化膜の絶縁耐性を向上させることができる。ま
た、絶縁耐性のバラツキが防止できるため、歩留まりが
向上し、デバイスの信頼性も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくともシリコン基
板上に薄い酸化膜が設けられてなる半導体装置の製造方
法に関し、特に、優れた特性を有するデバイスを歩留ま
りよく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化および動作の高速
化に伴い、該半導体装置を構成する各材料膜の均一性や
膜質を従来にも増して向上させることが必要となってい
る。特に、シリコン酸化膜に関しては、トランジスタ素
子におけるゲート酸化膜や不揮発性メモリ素子における
トンネル酸化膜の薄膜化に伴い、その信頼性の確保がま
すます重要となってきている。
【0003】シリコン酸化膜の信頼性を劣化させる要因
としては、従来より、膜中の構造欠陥、重金属汚染等に
よる影響が知られている。また、このシリコン酸化膜が
薄膜化される程、シリコン基板上に形成される自然酸化
膜の影響が大きくなる。
【0004】なお、不均一に生成した自然酸化膜は、シ
リコン酸化膜の絶縁耐性を不安定化するものであるた
め、これを防止するために、縦型熱酸化装置を用いたシ
リコン基板表面の熱酸化には、例えば、図13のタイム
チャートに示されるようなシーケンスが適用されてい
る。
【0005】具体的には先ず、予め炉内を熱酸化を行う
温度近く(ここでは700℃程度)まで加熱してから、
シリコン基板を収容したウェハボートを該炉に搬入す
る。このときシリコン基板表面に自然酸化膜が生成しな
いように、炉内をN2 ガスでパージしながら熱酸化を行
う温度(ここでは900℃)まで加熱し、この温度に達
したら、O2 ガスを導入して熱酸化を開始する。そし
て、所定の熱酸化が終了したら、炉内を再びN2 ガスに
てパージしてからウェハボートを搬出する。
【0006】なお、炉口付近の雰囲気は大気となされる
場合もあるが、ウェハボートの搬出入時に炉内に大気中
の酸素が巻き込まれることによる自然酸化膜の生成を防
止するために、炉の前段に窒素置換されたロードロック
室を設ける場合もある。
【0007】また、シリコン酸化膜上にポリシリコン膜
やアモルファスシリコン膜を成膜する場合には、シリコ
ン酸化膜との界面の清浄化を図ることが、シリコン酸化
膜の信頼性を確保する上で重要となる。これは、シリコ
ン酸化膜表面が清浄化されていないと、シリコン酸化膜
の絶縁耐性を劣化させるからである。
【0008】このため、縦型熱CVD装置を用いてシリ
コン酸化膜表面にポリシリコン膜あるいはアモルファス
シリコン膜を成膜する際には、シリコン酸化膜とポリシ
リコン膜あるいはアモルファスシリコン膜との界面清浄
度を向上させるために、例えば、図14のタイムチャー
トに示されるようなシーケンスが適用されている。
【0009】具体的には先ず、炉を400℃程度に加熱
してから、炉内にウェハを収容したウェハボートを搬入
する。そして、該炉内を一旦排気した後、該炉内をN2
ガス置換してから、熱CVDを行う温度650℃にまで
加熱する。これは、炉内に巻き込まれた大気が残留した
状態のまま、非常に活性なガスであるシラン(Si
4 )ガスやジシラン(Si2 6 )ガス等の原料ガス
が導入されると、これらのガスが大気中の酸素と反応し
てパーティクルを発生してしまうからである。その後、
原料ガスを導入して熱CVDを開始し、所定量のポリシ
リコン膜あるいはアモルファスシリコン膜が成膜できた
ら、炉内を再び排気し、N2 ガスにてパージしてからウ
ェハボートを搬出する。
【0010】なお、炉口付近の雰囲気は大気とされても
よいが、該炉の前段にロードロック室を設け、該炉口付
近が減圧される場合もある。炉の炉口付近の雰囲気が大
気である場合には、ウェハボート搬入時の炉内の温度は
自然酸化膜の成長を防止できる温度(室温〜500℃)
となされる必要があるが、ロードロック室を有する場合
には、炉内に大気が巻き込まれることを防止できるた
め、炉内の温度を熱CVDを行う温度としてからウェハ
ボートを搬入してもよい。また、ロードロック室を有す
る場合には、炉内に酸化性ガスが取り込まれることによ
るパーティクルの発生をも防止することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、シリ
コン酸化膜の形成時や、該シリコン酸化膜上へのポリシ
リコン膜あるいはアモルファスシリコン膜の形成時に
は、自然酸化膜の成長を防止したり、膜界面の清浄化を
図るための工夫がなされている。
【0012】しかしながら、上述したようなシーケンス
によってシリコン酸化膜、ポリシリコン膜あるいはアモ
ルファスシリコン膜を形成しても、実際には、十分な信
頼性が確保されたシリコン酸化膜を得られていないのが
実情である。
【0013】これは、デザイン・ルールの縮小に伴い、
クリーンルーム雰囲気内でウェハ表面に吸着する有機物
による影響が重大なものとなってきているためであると
考えられる。例えば、1992年応用物理学関係連合講
演会(春季年会)予稿集p686,演題番号30a−Z
F−6において、ウェハへの有機物の吸着量と絶縁耐圧
との相関関係が明らかにされている。また、このような
有機物の吸着は、シリコン基板とシリコン酸化膜との界
面、シリコン酸化膜とゲート電極との界面に電子トラッ
プを作り、フラッシュメモリの書き込み不良を発生させ
る原因にもなると考えられる。なお、この有機物はDO
P(ジオクチルフタレート)であるとの報告が、199
4年応用物理学関係連合講演会(春季年会)予稿集p6
50,演題番号28a−ZQ−2,28a−ZQ−4に
おいてなされている。
【0014】前述した図13のタイムチャートに従って
シリコン酸化膜の形成を行う場合には、図15および図
16に示されるようにして上記有機物が膜内に取り込ま
れる。即ち、図15に示されるように、シリコン基板1
01上に有機物102が吸着したウェハに対して、有機
物102を除去するための特別の手段を何等構ずること
なく熱酸化を行うために、図16に示されるように、有
機物102がシリコン酸化膜103内に取り込まれるて
しまうのである。なお、熱酸化時には酸化性ガスが導入
されるため、有機物102の燃焼反応も起こるはずであ
るが、熱酸化が行われる温度においては、有機物102
の燃焼反応の速度よりもシリコン基板101の酸化速度
の方が早いため、有機物102を十分に除去するには至
らない。
【0015】また、図14のタイムチャートに従ってポ
リシリコン膜あるいはアモルファスシリコン膜の形成を
行う場合には、図17および図18に示されるようにし
て有機物が膜の界面に取り込まれる。即ち、図17に示
されるように、シリコン基板101上のシリコン酸化膜
103に有機物104が吸着したウェハに対して、有機
物104を除去するための特別の手段を構ずることなく
熱CVDを行うために、図18に示されるように、有機
物104がシリコン酸化膜103とポリシリコン膜(あ
るいはアモルファスシリコン膜)105との間に挟み込
まれてしまうのである。
【0016】なお、熱酸化と熱CVDのいずれにおいて
も、取り込まれた有機物の量は、ウェハ間で大きなバラ
ツキがあり、これに伴って、シリコン酸化膜の絶縁耐性
にもバラツキが生じる。これは、有機物を燃焼させるた
めに酸化性ガス雰囲気を生成させたり、活性化エネルギ
ーとしての温度をコントロールするという概念がなかっ
たために、ウェハの搬出入時に炉口付近の雰囲気や炉内
の温度等の制御を適切に行っていなかったためである。
【0017】例えば、実際に、縦型熱CVD装置を用い
てゲート電極としてポリシリコン膜を形成する際、ウェ
ハ搬入時の炉内の温度を異ならせてゲート耐圧の変化を
調べたところ、炉内の温度が200℃であったときに
は、必要な耐圧が確保できるデバイスとなる歩留まりが
82%であったのに対し、炉内の温度が630℃であっ
たときの歩留まりは95%というように10%以上も異
なってしまう。もちろん、このデータは炉口付近の雰囲
気の違い等の条件によっても異なってくる。
【0018】また、最近では、熱酸化および熱CVDの
いずれにおいても、搬出入時の自然酸化膜の成長を防止
したり、パーティクルの発生を防止する目的で炉内から
酸化性ガスを排除する傾向が強まっていることから、有
機物を除去する観点からはかえって不利な条件となって
いる。
【0019】有機物を除去するには、上述したような熱
酸化や熱CVDを行う前に、予め、ドライアッシングや
レジスト剥離剤を用いた洗浄を行うことが考えられる。
しかしながら、ドライアッシングを行うと、プラズマに
よるダメージが懸念され、レジスト剥離剤を使用する
と、2次汚染の心配がある。また、このような処理を行
うことは、工程数を増加させ、半導体装置の製造コスト
を増大させることとなる。
【0020】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、不要な自然酸化膜を生成させ
ることなく、且つ、製造コストを増大させずに有機物の
取り込みを防止できる半導体装置の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明等は、上述の目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、炉内に基板を
搬入してから所定の処理を施すまでに、該路内の温度を
コントロールしながら酸化性ガスにさらすことにより、
不要な自然酸化膜を生成させることなく、基板に吸着し
た有機物を十分に除去できることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0022】本発明に係る半導体装置の製造方法は、基
板表面に酸化膜を形成させない条件の雰囲気に維持され
た炉内に基板を搬入し、該基板を所定温度にて酸化性ガ
スにさらすことにより、該基板上に吸着されていた有機
物の燃焼を行い、続いて、同一炉内にて前記基板に対す
る所定の処理を行うものである。
【0023】ここで、炉内を「基板表面に酸化膜を形成
させない条件の雰囲気に維持する」とは、炉内に酸化性
ガスが存在しない状態、あるいは、酸化性ガスが存在し
ても酸化が起こらない温度または真空度に維持すること
である。即ち、本発明は、炉内への基板搬入時から該基
板に対する所定の処理を介しするまでに、不要な自然酸
化膜を形成させることなく、炉内の温度をコントロール
しながら酸化性ガスを導入することによって有機物を除
去するものである。
【0024】前記酸化性ガスは、前記炉内に基板を搬入
した後、該炉内に導入してもよいし、前記炉内に基板を
搬入する前に、予め該炉内に導入しておいてもよい。
【0025】前記基板としてシリコン基板を用いた場合
には、該シリコン基板の搬入時から有機物の燃焼終了時
までの前記炉内の温度を200〜800℃の範囲で一定
に維持して好適である。炉内の温度は、低すぎると有機
物の除去が十分に行えず、逆に、高すぎると不要な熱酸
化が起こり、薄いシリコン酸化膜の膜厚制御性が損なわ
れる虞れがある。なお、炉内の温度が高すぎると、ウェ
ハに反りが生じ、スリップが発生する可能性もある。
【0026】なお、上述のような温度に維持された炉内
には、前記酸化性ガスとして、酸素(O2 )、亜酸化窒
素(N2 O)、水蒸気(H2 O)より選ばれる少なくと
もいずれかを導入して好適である。
【0027】また、炉口付近の雰囲気を一定とし、該炉
口付近での不要な自然酸化膜の生成を防止するために
は、前記炉の前段にロードロック室を設け、該炉内に搬
入する前の基板を該ロードロック室内にて待機させてお
くとよい。
【0028】ところで、前記有機物の燃焼を行った後に
は、前記炉内のパージを経て、前記基板に対する所定の
処理として熱酸化を行って好適である。なお、この熱酸
化により、トランジスタ素子のゲート酸化膜あるいは不
揮発性メモリ素子のトンネル酸化膜を形成して好適であ
る。
【0029】または、前記有機物の燃焼を行った後、前
記炉内のパージを経て、前記基板に対する所定の処理と
して熱CVDを行ってもよい。なお、この熱CVDで
は、原料ガスとしてシラン系ガスを含むガスを用い、前
記基板上にポリシリコン膜またはアモルファスシリコン
膜を成膜して好適である。即ち、シリコン酸化膜上にゲ
ート電極を形成したり、薄膜トランジスタの活性層を形
成して好適である。
【0030】
【作用】本発明を適用して、炉内に基板を搬入してから
所定の処理を開始する前に、活性化エネルギーとしての
温度をコントロールしながら該基板を酸化性ガスにさら
すと、基板表面に不要な自然酸化膜を形成させず、即
ち、薄いシリコン酸化膜の膜厚制御性が損なわれること
なく、有機物を除去できる。このため、有機物の除去
後、同一炉内で続けて熱酸化あるいは熱CVDを行うこ
とができ、ドライアッシングやレジスト剥離剤による洗
浄を行う必要がない。このため、プラズマによるダメー
ジや2次汚染の虞れがなく、また、コストの低減も図れ
る。
【0031】本発明をシリコン基板表面にシリコン酸化
膜を形成するに際して適用すると、シリコン基板表面の
有機物を十分に除去することができるため、シリコン酸
化膜の絶縁耐性をバラツキなく向上させることができ
る。このため、ゲート酸化膜あるいはトンネル酸化膜と
して形成されたシリコン酸化膜の信頼性が高まると共
に、歩留まりを大幅に向上させることが可能となる。
【0032】また、本発明をシリコン酸化膜上にポリシ
リコン膜あるいはアモルファスシリコン膜を成膜するに
際して適用すると、シリコン酸化膜とポリシリコン膜あ
るいはアモルファスシリコン膜との界面が清浄化できる
ため、シリコン酸化膜の絶縁耐性を向上させることがで
きる。
【0033】
【実施例】以下、本発明に係る半導体装置の製造方法を
具体的な実施例を用いて説明する。ここでは、MOS型
トランジスタ素子のゲート酸化膜を形成するための熱酸
化工程、ゲート電極を形成するための熱CVD工程に、
それぞれ本発明を適用した例について説明する。
【0034】実施例1 先ず、本発明を熱酸化に用いた例について説明するに先
んじて、ここで用いたバッチ式熱酸化装置の構成につい
て説明する。
【0035】この熱酸化装置は、図1に示されるよう
に、アウターチューブ1とインナーチューブ2からなる
炉よりなり、100枚程度のウェハを収容可能なウェハ
ボート3を該インナーチューブ2内に挿入することによ
って、ウェハボート3に収納されたウェハを熱酸化する
ものである。上記炉には、その炉口に炉口キャップ6が
設けられ、炉内を外気から遮断できるようになされてい
ると共に、該炉内にO2ガス等の酸化性ガス、あるいは
パージ用のN2 ガス等の不活性ガスを供給するためのガ
ス供給管8、図示しない真空ポンプと接続された排気口
7が設けられている。また、炉の周囲には図示しないヒ
ータが配され、該炉内の温度を制御可能としている。
【0036】また、上記炉の前段には図示しないロード
ロック室が設けられる。なお、このロードロック室に
も、炉内に導入される前のウェハを外気から遮断したま
ま待機させることができるように、真空ポンプに接続さ
れた排気口が設けられている。
【0037】そして、上記炉とロードロック室との間に
は、両者の内部が外気から遮断された状態に維持したま
ま、ウェハボート3を両者間で自動搬送できるように搬
送機構が設けられている。
【0038】本実施例においては、このような構成を有
する熱酸化装置を用い、シリコン基板表面に吸着した有
機物を燃焼させてから、シリコン基板表面を熱酸化し
た。この工程を図2に示されるタイムチャートと、図3
〜図5に示されるウェハの断面図とを参照しながら説明
する。
【0039】具体的には、先ず、図3に示されるよう
に、表面に有機物12が吸着したシリコン基板11より
なるウェハをロードロック室内のウェハボート3に収容
した後、ロードロック室2内を1Pa程度にまで真空排
気した。一方、炉内をヒータによって加熱し約400℃
に維持した状態で、搬送機構によりウェハボート3を移
動させてロードロック室から炉へ搬送した。続いて、ガ
ス供給管8よりN2 ガスを導入して炉内をパージした
後、O2 ガスを10000sccmなる流量にて300
秒間導入した。なお、この間、炉内の温度は常に一定に
保たれた。
【0040】これにより、図4に示されるように、シリ
コン基板11表面に不要な酸化膜を形成させることなく
有機物12が除去できた。これは、炉内の温度が、有機
物2を燃焼させるには十分であるが、シリコン基板11
の表面を酸化するには至らない温度にコントロールされ
ていたためである。
【0041】その後、再びN2 ガスを導入して炉内をパ
ージしながら、炉内の温度を900℃まで上昇させた。
そして、炉内にO2 ガスを10000sccmなる流量
にて導入して、シリコン基板11の表面酸化を行った。
なお、以上のようにして300秒間熱酸化を行ったら、
2 ガスの供給を停止し、N2 ガスにて炉内をパージし
た後、ウェハボート3をロードロック室に搬出した。
【0042】以上のようにして熱酸化を行うと、図5に
示されるように、有機物の取り込みが起こることなく、
シリコン基板11表面に所望の膜厚のシリコン酸化膜1
3を形成することができた。また、このようにして形成
されたシリコン酸化膜13は、MOS形トランジスタ素
子におけるゲート酸化膜として、優れた絶縁耐性を有す
るものであった。
【0043】実施例2 本実施例においては、シリコン基板を炉内に搬入する際
には、既に炉内を有機物の燃焼が可能な酸化性ガス雰囲
気とした例である。この工程を図6に示されるタイムチ
ャートを参照しながら説明する。
【0044】具体的には、先ず、実施例1と同様にして
ウェハをロードロック室内で待機させておく一方、炉内
をヒータによって約400℃に加熱し、該炉内を高濃度
のO2 ガスで満たした。そして、炉内をこのような雰囲
気に維持した状態にて、ウェハボート3を移動させてロ
ードロック室から炉へ搬送した。なお、炉内の温度は、
ウェハを搬入後、600秒間、常に一定に保たれた。
【0045】これにより、シリコン基板11が炉内に入
ると同時に、シリコン基板11の表面に吸着していた有
機物が燃焼し、シリコン基板11表面に不要な酸化膜を
形成させることなく有機物12を除去できた。
【0046】その後、N2 ガスを導入して炉内をパージ
しながら、炉内の温度を900℃まで上昇させ、実施例
1と同様にしてシリコン基板11の表面酸化を行った。
【0047】以上のようにして熱酸化を行うと、有機物
の取り込みが起こることなく、シリコン基板11表面に
所望の膜厚のシリコン酸化膜13を形成することができ
た。また、このようにして形成されたシリコン酸化膜1
3は、MOS形トランジスタ素子におけるゲート酸化膜
として、優れた絶縁耐性を有するものであった。
【0048】なお、本実施例を適用すると、ウェハボー
ト3を反応室に搬入してから実際に熱酸化を開始するま
での時間を実施例1よりも短縮することができる。
【0049】実施例3 本発明を熱CVDに用いた例について説明するに先んじ
て、ここで用いたバッチ式熱CVD装置の構成について
説明する。
【0050】この熱CVD装置は、図7に示されるよう
に、アウターチューブ1とインナーチューブ2からなる
炉よりなり、100枚程度のウェハを収容可能なウェハ
ボート3を該インナーチューブ2内に挿入することによ
って、ウェハボート3に収納されたウェハに対して熱C
VDを行うものである。上記炉には、その炉口に炉口キ
ャップ6が設けられ、炉内を外気から遮断できるように
なされていると共に、該炉内にシラン系ガス等の原料ガ
ス、あるいはパージ用のN2 ガス等の不活性ガスを供給
するためのガス供給管8、図示しない真空ポンプと接続
された排気口7が設けられている。また、炉の周囲には
図示しないヒータが配され、該炉内の温度を制御可能と
している。
【0051】また、上記炉の前段には図示しないロード
ロック室が設けられる。なお、このロードロック室に
も、炉内に導入される前のウェハを外気から遮断したま
ま待機させることができるように、真空ポンプに接続さ
れた排気口が設けられている。
【0052】そして、上記炉とロードロック室との間に
は、両者の内部が外気から遮断された状態に維持したま
ま、ウェハボート3を両者間で自動搬送するための搬送
機構が設けられている。
【0053】本実施例においては、このような構成を有
する熱CVD装置を用い、ゲート酸化膜に吸着した有機
物を燃焼させてから、ポリシリコン膜を成膜した。この
工程を図8に示されるタイムチャートと、図9〜図11
に示されるウェハの断面図とを参照しながら説明する。
【0054】具体的には、先ず、図9に示されるよう
な、シリコン基板11表面に薄いシリコン酸化膜13が
形成され、この上に有機物14が吸着したウェハをロー
ドロック室内のウェハボート3に収容した後、ロードロ
ック室2内を1Pa程度にまで真空排気した。一方、炉
内をヒータによって加熱し、約400℃に維持した状態
にて、搬送機構によりウェハボート3を移動させてロー
ドロック室から炉へ搬送した。そして、排気口7より炉
内を排気した後、O2 ガスを1500sccmなる流量
にて600秒間導入した。なお、この間、炉内の温度は
常に一定に保たれた。
【0055】これにより、図10に示されるように、シ
リコン酸化膜13の膜厚を変動させることなく有機物1
4が除去できた。これは、炉内の温度が、有機物2を燃
焼させるには十分であるが、シリコン基板11の表面を
酸化するには至らない温度にコントロールされていたた
めである。
【0056】その後、再び排気を行った後、N2 ガスを
導入して炉内をパージしながら、炉内の温度を650℃
まで上昇させた。そして、炉内にSiH2 ガスを150
sccmなる流量にて導入して熱CVDを行った。な
お、以上のようにして所定時間、成膜を行ったら、原料
ガスの供給を停止し、炉内を排気してからN2 ガスにて
パージした後、ウェハボート3をロードロック室に搬出
した。
【0057】以上のようにして熱CVDを行うと、図1
1に示されるように、膜界面に有機物が取り込まれるこ
となく、シリコン酸化膜13上に所望の膜厚のポリシリ
コン膜15を形成することができ、シリコン酸化膜13
とポリシリコン膜15との界面の清浄化が図れた。ま
た、原料ガスと酸化性ガスが反応してパーティクルが発
生することもなかった。
【0058】そして、シリコン酸化膜13をゲート酸化
膜とし、ポリシリコン膜15をゲート電極として形成し
たMOS形トランジスタ素子は、ゲート酸化膜の絶縁耐
性に優れたものであった。
【0059】実施例4 本実施例においては、シリコン基板を炉内に搬入する際
には、既に炉内を有機物の燃焼が可能な酸化性ガス雰囲
気とした例である。この工程を図12に示されるタイム
チャートを参照しながら説明する。
【0060】具体的には、先ず、実施例3と同様にして
ウェハをロードロック室内で待機させておく一方、炉内
をヒータによって約400℃に加熱すると共に、該炉内
を高濃度のO2 ガスで満たしておいた。そして、炉内を
このような雰囲気に維持した状態にて、ウェハボート3
を移動させてロードロック室から炉へ搬送した。なお、
炉内の温度は、ウェハを搬入後、600秒間、常に一定
に保たれた。
【0061】これにより、ウェハが炉内に入ると同時
に、シリコン酸化膜13表面に吸着していた有機物が燃
焼し、シリコン酸化膜13の膜厚を変動させることなく
有機物14を除去できた。
【0062】その後、炉内を排気してから、再びN2
スを導入しながら、炉内の温度を650℃まで上昇さ
せ、実施例3と同様にして熱CVDを行った。
【0063】以上のようにして熱CVDを行うと、膜界
面に有機物の取り込みが起こることなく、シリコン酸化
膜13上に所望の膜厚のポリシリコン膜15を形成する
ことができ、シリコン酸化膜13とポリシリコン膜15
との界面の清浄化が図れた。また、原料ガスと酸化性ガ
スが反応してパーティクルが発生することもなかった。
【0064】そして、シリコン酸化膜13をゲート酸化
膜とし、ポリシリコン膜15をゲート電極として形成し
たMOS形トランジスタ素子は、ゲート酸化膜の絶縁耐
性に優れたものとなった。
【0065】なお、本実施例を適用すると、ウェハボー
ト3を反応室に搬入してから実際に熱CVDを開始する
までの時間を実施例3よりも短縮することができる。
【0066】以上、本発明に係る半導体装置の製造方法
を適用した実施例について説明したが、本発明は上述の
実施例に限定されるものではない。例えば、実施例3、
実施例4に示した熱CVDによって、ポリシリコン膜の
代わりにアモルファスシリコン膜を成膜してもよく、こ
の場合、CVD条件等は常法にしたがい適宜適正化すれ
ばよい。また、実施例1、実施例2のようにして、不揮
発性メモリ素子のトンネル酸化膜を形成してもよいし、
実施例3、実施例4のようにして、薄膜トランジスタ素
子の活性層を形成してもよい。
【0067】また、上述した実施例では酸化性ガスとし
てO2 ガスを用いたが、N2 OガスやH2 Oガス等を用
いても同様の効果が得られる。さらに、本発明を適用す
れば、シリコン酸化膜の絶縁耐性が、炉の炉口付近の雰
囲気によってばらつくことはないため、必ずしもロード
ロック室に接続されていなくともよいし、もちろん、内
部をN2 等の不活性ガスで置換した状態でロードロック
室を用いてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明を
適用すると、熱酸化あるいは熱CVDを行う前に、不要
な自然酸化膜を生成させず、即ち、薄いシリコン酸化膜
の膜厚制御性が損なわれることなく、有機物を除去でき
る。そして、熱酸化あるいは熱CVDを行う炉内で有機
物を燃焼しても、有機物の除去時に基板がダメージや汚
染を受ける心配がなく、後に行う熱酸化あるいは熱CV
Dに何等影響を与えることがないため、新たな装置も必
要としない。
【0069】このため、製造コストを上昇させることな
く、薄膜化されたシリコン酸化膜の絶縁耐性を向上さ
せ、さらに、これらのシリコン酸化膜とこの上層に設け
られるポリシリコン膜あるいはアモルファスシリコン膜
との界面を清浄化することができる。
【0070】また、絶縁耐性のバラツキが防止されるこ
とにより、歩留まりが向上すると共に、製造されたデバ
イスの信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるバッチ式熱酸化装置の構成
を示す模式図である。
【図2】本発明を適用した熱酸化工程の一例を示すタイ
ムチャートである。
【図3】本発明を適用した熱酸化工程を示すものであ
り、シリコン基板に有機物が吸着した状態のウェハを示
す模式的断面図である。
【図4】図3のウェハから有機物を除去した状態を示す
模式的断面図である。
【図5】図4のウェハに対して熱酸化を行い、シリコン
酸化膜を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図6】本発明を適用した熱酸化工程の他の例を示すタ
イムチャートである。
【図7】本発明に用いられるバッチ式熱CVD装置の構
成を示す模式図である。
【図8】本発明を適用した熱CVD工程の一例を示すタ
イムチャートである。
【図9】本発明を適用した熱CVD工程を示すものであ
り、シリコン基板上のシリコン酸化膜の表面に有機物が
吸着した状態のウェハを示す模式的断面図である。
【図10】図9のウェハから有機物を除去した状態を示
す模式的断面図である。
【図11】図10のウェハに対して熱CVDを行い、ポ
リシリコン膜を形成した状態を示す模式的断面図であ
る。
【図12】本発明を適用した熱CVD工程の他の例を示
すタイムチャートである。
【図13】従来の熱酸化工程の一例を示すタイムチャー
トである。
【図14】従来の熱CVD工程の一例を示すタイムチャ
ートである。
【図15】従来の熱酸化工程を示すものであり、シリコ
ン基板に有機物が吸着した状態のウェハを示す模式的断
面図である。
【図16】図15のウェハに対して熱酸化を行いシリコ
ン酸化膜を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図17】従来の熱CVD工程を示すものであり、シリ
コン酸化膜上に有機物が吸着した状態のウェハを示す模
式的断面図である。
【図18】図17のウェハに対してポリシリコン膜を成
膜した状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 アウターチューブ 2 インナーチューブ 3 ウェハボート 7 排気口 8 ガス導入管 11 シリコン基板 12,14 有機物 13 シリコン酸化膜 15 ポリシリコン膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に酸化膜を形成させない条件の
    雰囲気に維持された炉内に基板を搬入し、該基板を所定
    温度にて酸化性ガスにさらすことにより、該基板上に吸
    着されていた有機物の燃焼を行い、 続いて、同一炉内にて前記基板に対する所定の処理を行
    うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化性ガスは、前記炉内に基板を搬
    入した後、該炉内に導入することを特徴とする請求項1
    記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸化性ガスは、前記炉内に基板を搬
    入する前に、予め該炉内に導入しておくことを特徴とす
    る請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板としてシリコン基板を用い、該
    シリコン基板の搬入時から有機物の燃焼終了時までの前
    記炉内の温度を200〜800℃の範囲で一定に維持す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸化性ガスとして、酸素、亜酸化窒
    素、水蒸気より選ばれる少なくともいずれかを導入する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1
    項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記炉の前段にロードロック室を設け、
    該炉内に搬入する前の基板を該ロードロック室内にて待
    機させておくことを特徴とする請求項1ないし請求項5
    のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機物を燃焼させた後、前記炉内の
    パージを経て、前記基板に対する所定の処理として熱酸
    化を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項6のい
    ずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記熱酸化により、トランジスタ素子の
    ゲート酸化膜あるいは不揮発性メモリ素子のトンネル酸
    化膜を形成することを特徴とする請求項7記載の半導体
    装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記有機物を燃焼させた後、前記炉内の
    パージを経て、前記基板に対する所定の処理として熱C
    VDを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項6の
    いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記熱CVDでは、原料ガスとしてシ
    ラン系ガスを含むガスを用い、前記基板上にポリシリコ
    ン膜またはアモルファスシリコン膜を成膜することを特
    徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10178010A (ja) * 1996-12-19 1998-06-30 Tokyo Electron Ltd 成膜方法
JP2000357659A (ja) * 1999-06-14 2000-12-26 Nec Corp 半導体装置の製造方法

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