JPH08203480A - ボタン形アルカリ電池 - Google Patents

ボタン形アルカリ電池

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JPH08203480A
JPH08203480A JP7030082A JP3008295A JPH08203480A JP H08203480 A JPH08203480 A JP H08203480A JP 7030082 A JP7030082 A JP 7030082A JP 3008295 A JP3008295 A JP 3008295A JP H08203480 A JPH08203480 A JP H08203480A
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JP
Japan
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tin
negative electrode
terminal plate
electrode terminal
type alkaline
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JP7030082A
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Takayuki Nishi
孝幸 仁司
Kenichi Yokoyama
賢一 横山
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Hitachi Maxell Ltd
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無水銀化に伴って生じる耐漏液性の低下を解
消し、無水銀化においても、耐漏液性が優れたボタン形
アルカリ電池を提供する。 【構成】 負極活物質として無水銀の亜鉛を用いるボタ
ン形アルカリ電池において、負極端子板(5)の錫また
は錫合金表面における少なくとも環状ガスケット(6)
を当接させる面(12)に、アゾール系化合物を主成分と
する防錆被膜(13)を設ける。上記アゾール系化合物と
しては、ピラゾール類、チアゾール類、トリアゾール類
などやそれらのカルボン酸誘導体が好ましく、上記負極
端子板(5)の錫または錫合金表面における環状ガスケ
ット(6)を当接させる面(12)は、あらかじめ化学研
摩により平滑にしておくことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負極活物質として無水
銀の亜鉛を用いるボタン形アルカリ電池に関し、さらに
詳しくは、耐漏液性が優れたボタン形アルカリ電池に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】最近は、環境汚染防止の観点から、電池
の無水銀化が要請され、マンガン乾電池では既に無水銀
化が実施されており、ボタン形アルカリ電池において
も、無水銀で電池のふくれや容量劣化の少ない電池が検
討されている(特開平6−163026号公報)。
【0003】しかしながら、ボタン形アルカリ電池で
は、無水銀化に伴い、電解液が漏出しやすくなるという
問題がある。これは、亜鉛表面の水素過電圧を高めるこ
とによって亜鉛の腐食を抑制していた水銀が無くなった
ことに起因しているものと考えられる。
【0004】ところで、一般に電池の封口においては、
正極缶の開口部にポリエチレン、ポリプロピレンなどの
合成樹脂製またはゴム製の環状ガスケットを配設し、こ
の環状ガスケットを正極缶の開口端部の内方への締め付
けにより負極端子板に押し付けて、正極缶−環状ガスケ
ット−負極端子板間の接面を相互に密着させることによ
って、これら接面からの電解液の漏出を防止するように
している。
【0005】しかしながら、水酸化カリウム水溶液のよ
うなアルカリ電解液を使用するボタン形アルカリ電池で
は、上述した封口手段にもかかわらず耐漏液性が低くな
りがちであり、そのため、負極端子板に周辺折り返し部
を設けるなど、負極端子板の形状を耐漏液性が向上でき
るような形状に改良したり、また環状ガスケットと正極
缶および負極端子板との接面にアスファルトピッチ、フ
ッ素系オイルなどの液状パッキング材を介在させるなど
の多くの提案がなされているが、それらの提案によって
も、腕時計や電子露出計などに使用する場合に要求され
るような高度の耐漏液性は必ずしも得られていない。
【0006】また、ボタン形アルカリ電池における電解
液の漏出は、一般に正極缶と環状ガスケットとの接面か
らよりも、負極端子板と環状ガスケットとの接面からの
方が起こりやすい。この理由は、放電特性の向上などの
ため、アルカリ電解液の大半量を負極側に注入している
ことにもよるが、主として負極端子板特有の電気化学的
なクリープ現象(電解液のはい上がり現象)によるもの
と考えられる。
【0007】すなわち、負極端子板における負極剤層か
らの立上り部、つまり負極端子板と負極剤層との接触が
解除される境界部で電解液や大気中の水分が電気化学的
に還元されてOH- が生じると、アルカリ濃度が局部的
に高くなって周辺の電解液が濃度差によって上記の立上
り部に移行してくるが、この移行が電気化学的な影響を
受ける結果、負極端子板表面に沿って経時的にはい上が
るクリープ現象として現れる。
【0008】また、無水銀化のボタン形アルカリ電池で
は、自己放電による容量劣化を防止するため、負極端子
板から水素ガスが発生しないように、負極端子板におけ
る少なくとも負極剤と接触する側が錫または錫合金で構
成されているが、この錫または錫合金と活物質である亜
鉛との電位差が比較的大きいことも、前記した電気化学
的なクリープ現象を顕著にする原因になっている。さら
に、このクリープ現象は酸素が供給されると促進される
が、前記の錫または錫合金の表面には通常薄い酸化被膜
が存在し、この酸化被膜が酸素の供給源となり、上記の
クリープ現象を一層顕著にする原因になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ボタン
形アルカリ電池では、負極活物質として無水銀の亜鉛を
用いた場合、特に負極端子板と環状ガスケットとの接面
からクリープ現象に基づく電解液の漏出が生じやすく、
耐漏液性が低下するという問題があった。
【0010】したがって、本発明は、上記のような無水
銀化に伴って生じる問題点を解決し、無水銀化において
も、耐漏液性が優れたボタン形アルカリ電池を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、負極端子板の
錫または錫合金表面における少なくとも環状ガスケット
を当接させる面に、アゾール系化合物を主成分とする防
錆被膜を形成することによって、耐漏液性を向上させ、
上記目的を達成したものである。また、上記防錆被膜を
形成する面をあらかじめ研摩して平滑面にしておくこと
によって、上記防錆被膜による耐漏液性がより一層向上
することも明らかになった。
【0012】上記アゾール系化合物としては、たとえば
ピラゾール類、チアゾール類、トリアゾール類、ピラゾ
ール類のカルボン酸誘導体、チアゾール類のカルボン酸
誘導体、トリアゾール類のカルボン酸誘導体などが好適
なものとして挙げられる。そして、ピラゾール類の具体
例としては、たとえばピラゾール、ピラゾリン、ピラゾ
ロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、イミダゾールなど
が挙げられ、チアゾール類の具体例としては、たとえば
チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、
チアゾリドン、縮合チアゾール類、イソチアゾール、セ
レナゾールなどが挙げられ、トリアゾール類の具体例と
しては、たとえば1,2,3−トリアゾール、ベンゾト
リアゾール、1,2,4−トリアゾールなどが挙げられ
る。
【0013】また、ピラゾール類のカルボン酸誘導体の
具体例としては、たとえばピラゾールカルボン酸、メチ
ルピラゾールカルボン酸、ジメチルピラゾールカルボン
酸、フェニルピラゾールカルボン酸、ジフェニルピラゾ
ールカルボン酸などが挙げられ、チアゾール類のカルボ
ン酸誘導体の具体例としては、たとえばチアゾールカル
ボン酸、メチルチアゾールカルボン酸、フェニルチアゾ
ールカルボン酸、チアゾリルカルボン酸、メルカプトチ
アゾールカルボン酸、アミノチアゾールカルボン酸など
が挙げられ、トリアゾール類のカルボン酸誘導体の具体
例としては、たとえばトリアゾールカルボン酸、メチル
トリアゾールカルボン酸、エチル−メチルトリアゾール
カルボン酸、フェニルトリアゾールカルボン酸、ベンゾ
トリアゾールカルボン酸、アミノトリアゾールカルボン
酸などが挙げられる。これらピラゾール類のカルボン酸
誘導体、チアゾール類のカルボン酸誘導体、トリアゾー
ル類のカルボン酸誘導体におけるカルボン酸としては、
酢酸が好ましく、とりわけ、たとえば2−ベンゾチアジ
ルチオ酢酸のようなS(チオ)置換型のチアゾール類の
酢酸誘導体が特に好ましい。そして、これらのアゾール
系化合物はそれぞれ単独で用いることができるし、また
2種以上を併用することもできる。
【0014】これらのアゾール系化合物は、安定なキレ
ート化合物を作るN元素を含む5員環を形成している物
質であり、金属イオンと結合して難溶性の安定な被膜を
形成するための極性中心原子O、N、Sを含み、それら
のN元素およびO、N、S元素が負極端子板の錫または
錫合金表面に配位して、負極端子板の錫または錫合金表
面に化学的に強固かつ緻密に結合し、かつ、それらのア
ゾール系化合物が負極端子板の錫または錫合金表面に膜
状網を形成し、その膜状網で酸、水などの腐食性物質の
負極端子板の錫または錫合金表面への接触を遮断して防
錆作用を発揮するものと考えられる。また、ピラゾール
類、チアゾール類、トリアゾール類などのカルボン酸誘
導体では、そのカルボキシル基のOも負極端子板の錫ま
たは錫合金表面への吸着点となり、さらに強固な防錆被
膜を形成するものと考えられる。
【0015】そして、そのようなアゾール系化合物の負
極端子板の錫または錫合金表面への化学的な強固かつ緻
密な結合とアゾール系化合物の防錆作用による電池組立
前または後の錫または錫合金表面への酸化被膜の形成防
止などが相乗的に働いて、電気化学的なクリープ現象に
基づく負極端子板と環状ガスケットとの接面からの電解
液の漏出を効果的に防止するものと考えられる。
【0016】本発明において、上記防錆被膜をアゾール
系化合物を主成分とする防錆被膜としているのは、アゾ
ール系化合物を負極端子板の錫または錫合金表面に結合
し易くするために他の不純物が含まれていてもよいとい
う意味である。たとえば、アゾール系化合物が分子状に
溶解または吸着基が遊離の形で存在できるようにするた
めにアゾール系化合物をエタノールなどの適当な溶媒に
溶解したものを界面活性剤などの分散剤を用いて水中に
分散させる場合があり、そのような界面活性剤などの分
散剤がアゾール系化合物に不純物として存在することが
ある。したがって、本発明において、アゾール系化合物
を主成分とするとは、アゾール系化合物のみで上記防錆
被膜を形成する場合および上記のようにアゾール系化合
物に他のものが存在して防錆被膜を形成する場合の両方
を含んでいる。
【0017】また、本発明において、負極端子板の負極
剤と接触する側の面に形成する錫または錫合金における
錫合金としては、錫と鉛、インジウム、ビスマス、亜
鉛、カドミウムなどの水素過電圧の高い金属との合金
や、たとえば錫−鉛−アンチモンなどのように、上記錫
と水素過電圧の高い金属との合金にさらにアンチモンを
含んだ錫合金が挙げられる。
【0018】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面を参照しつつ
説明する。ただし、本発明は実施例に例示のもののみに
限定されるものではない。
【0019】図1は本発明のボタン形アルカリ電池の一
例を概略的に示す部分断面図であり、図2は図1中のA
部拡大図である。
【0020】図1および図2において、1は酸化第一
銀、二酸化マンガン、酸化第二銀、水酸化ニッケルなど
の正極活物質と、カーボンブラック、グラファイト、黒
鉛のような導電助剤との混合粉末を円板上に加圧成形す
ることによって作製され、これにアルカリ電解液の一部
を含浸させてなる正極合剤であり、2はこの正極合剤1
と負極剤3との間に介在するセパレータであって、この
セパレータ2は、たとえば親水処理された微孔性ポリプ
ロピレンフィルムと、セロファンフィルムと、ビニロン
−レーヨン混抄紙のような吸液層とを積み重ねたもので
ある。3は無水銀の亜鉛からなる負極活物質と必要に応
じて添加するポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチル
セルロースなどのゲル化剤を含み、これにアルカリ電解
液の大半量を注入してなる負極剤である。
【0021】4は正極合剤1およびセパレータ2を内填
させた鉄にニッケルメッキを施した缶などからなる正極
缶で、その開口部に負極剤3が内填された負極端子板5
をポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種樹脂または
ゴムからなる断面L字状の環状ガスケット6を介装して
嵌合させ、正極缶4の開口端部を内方に締め付けて環状
ガスケット6を負極端子板5に当接させることによって
封口し、電池内部を密閉構造にしている。
【0022】負極端子板5は、図2に示すように、鋼板
7の外面側に美観ないし耐腐食性を満足させるニッケル
層8を、内面側に銅層9を設け、その銅層9上に水素ガ
スの発生を防止するための錫または錫合金層10を設け
た構成からなり、通常、鋼板7、ニッケル層8および銅
層9からなるクラッド板の銅層9上に錫または錫合金を
メッキなどでコートして錫または錫合金層10を設けた
ものを絞り加工することによって周辺折り返し部11を
有する形状に成形されたものである。なお、本実施例で
は、錫または錫合金をコートしやすいように銅層9を設
けているが、銅層9は必ずしも必要なものではない。
【0023】そして、負極端子板5の周辺折り返し部1
1およびその近傍の錫または錫合金層10における環状
ガスケット6を当接させる面12に、アゾール系化合物
を主成分とする防錆被膜13が形成され、該防錆被膜1
3はアゾール系化合物の錫または錫合金層10表面に対
する強い活性により錫または錫合金表面に化学的に強固
かつ緻密に結合し、また、そのアゾール系化合物に基づ
く防錆作用が加わって、錫または錫合金層10表面のク
リープ現象に基づく電解液の漏出を強力に防止する。
【0024】上記防錆被膜13を負極端子板5に形成す
るには、たとえばアゾール系化合物を水またはメタノー
ル、エタノールなどの溶媒に溶解し、その溶液中に負極
端子板5を浸漬するか、あるいはその溶液を負極端子板
5に塗布すればよい。そして、その際の濃度としては、
アゾール系化合物が0.01〜10%(重量%、以下濃
度に関しては同様)、特に0.1〜1%程度の濃度にす
ることが好ましく、そのような濃度範囲であれば、その
溶液中に負極端子板5を約2〜5分間浸漬することによ
って、乾燥後に所望厚さの防錆被膜13を得ることがで
きる。
【0025】なお、上記防錆被膜13の形成にあたっ
て、負極端子板5の周辺折り返し部11およびその近傍
の錫または錫合金層10の環状ガスケット6を当接させ
る面12は、あらかじめ研摩して平滑面にしておくこと
が好ましい。すなわち、負極端子板5の表面は、その成
形時の絞り加工によって粗くなり、特に周辺折り返し部
11やその近傍の錫または錫合金層10表面は、加工前
の表面粗さが約1μm以下であるのに対し、絞り加工に
よって通常4〜7μm程度の表面粗さにまで粗くなるこ
とが認められている。
【0026】従って、この絞り加工後、機械研摩、電解
研摩、化学研摩などの任意の手段で研摩して表面粗さが
3μm以下、通常0.5〜3μmになるまで平滑にする
のが好ましい。この研摩処理は特に酸化能を有する研摩
剤、たとえば1水素2フッ化アンモニウムを含む過酸化
水素水からなる研摩剤を使用した化学研摩法を採用して
行うのが好ましく、この方法によれば、所望とする部分
を均一かつ確実に平滑にできるし、また作業性も優れて
いる。なお、この明細書における表面粗さとは、JIS
B 0601による中心線平均粗さ(Ra)を意味す
る。
【0027】つぎの表1は、酸化第一銀を正極活物質、
無水銀の亜鉛粉末を負極活物質とし、電解液として酸化
亜鉛を5%溶解した35%水酸化カリウム水溶液を使用
し、負極端子板の銅層上に錫層を形成した本発明のボタ
ン形アルカリ電池A〜Gの耐漏液性を、本発明とは構成
が異なるボタン形アルカリ電池H〜Iの場合と対比して
示したものである。
【0028】
【表1】
【0029】上記試験に使用された本発明の電池Aは防
錆被膜13を2−ベンゾチアジルチオ酢酸で形成したも
ので、電池Bは防錆被膜13を1−ベンゾトリアゾリル
酢酸で形成したものであり、電池Cは防錆被膜13を1
−ピラゾリルプロピオン酸で形成したものである。そし
て、電池Dは防錆被膜13をフェニルピラゾールで形成
し、電池Eは防錆被膜13をベンゾチアゾールで形成
し、電池Fは防錆被膜13をベンゾトリアゾールで形成
し、電池Gは防錆被膜13をメチルオキサゾールで形成
したものである。
【0030】これに対し、本発明外の電池Hではフッ素
樹脂で撥水性樹脂被膜を形成し、電池Iは負極端子板に
防錆被膜を形成することなく、そのまま使用したもので
ある。ただし、これらの電池A〜Iは、上記のように防
錆被膜の構成が異なる以外は、同様の構成からなるボタ
ン形アルカリ電池である。
【0031】なお、負極端子板5に防錆被膜などを形成
するに先立って、あらかじめ、その被膜形成面の化学研
摩による平滑化を電池Iを除いてすべての電池に実施し
ており、その研摩処理は1水素2フッ素アンモニウムを
含む過酸化水素水を研摩剤とし、その液中に負極端子板
5を約60秒間浸漬した後、塩酸による酸洗および水洗
を行うことによって実施した。
【0032】表1中の数値は、各電池100個ずつを4
5℃、相対湿度90%の雰囲気中で所定期間貯蔵した際
に電解液の漏出が認められた電池個数を示すものであ
り、この表1からも明らかなように、本発明の電池A〜
Gは、本発明外の電池H〜Iに比べて、耐漏液性が優れ
ていた。そして、本発明の電池A〜Gの中でも、カルボ
ン酸誘導体を使用した電池A〜Cは、特に耐漏液性が優
れていた。
【0033】つぎの表2は、酸化第一銀を正極活物質、
無水銀の亜鉛粉末を負極活物質とし、電解液として酸化
亜鉛を5%溶解した35%水酸化カリウム水溶液を使用
し、負極端子板の銅層上に錫−鉛合金層を形成した本発
明のボタン形アルカリ電池J〜Qの耐漏液性を、本発明
とは構成が異なるボタン形アルカリ電池R〜Sの場合と
対比して示したものである。
【0034】
【表2】
【0035】上記試験に使用された本発明の電池Jは防
錆被膜13を2−ベンゾチアジルチオ酢酸で形成したも
ので、電池Kは防錆被膜13を1−ベンゾトリアゾリル
酢酸で形成したものであり、電池Lは防錆被膜13を1
−ピラゾリルプロピオン酸で形成したものである。そし
て、電池Mは防錆被膜13をフェニルピラゾールで形成
し、電池Nは防錆被膜13をベンゾチアゾールで形成
し、電池Pは防錆被膜13をベンゾトリアゾールで形成
し、電池Qは防錆被膜13をメチルオキサゾールで形成
したものである。
【0036】これに対し、本発明外の電池Rではフッ素
樹脂で撥水性樹脂被膜を形成し、電池Sは負極端子板に
防錆被膜を形成することなく、そのまま使用したもので
ある。
【0037】なお、負極端子板5に防錆被膜などを形成
するに先立って、あらかじめ、その被膜形成面の化学研
摩による平滑化を電池Sを除いてすべての電池に前記電
池Aの場合と同様に実施した。
【0038】表2中の数値も、各電池100個ずつを4
5℃、相対湿度90%の雰囲気中に所定期間貯蔵した際
に電解液の漏出が認められた電池個数を示すものである
が、このように負極端子板5に錫合金層を形成した場合
も、この表2から明らかなように、本発明の電池J〜Q
は、本発明外の電池R〜Sに比べて、耐漏液性が優れて
いた。そして、本発明の電池J〜Qの中でも、カルボン
酸誘導体を使用した電池J〜Lは、特に耐漏液性が優れ
ていた。
【0039】このように、本発明の電池の耐漏液性が優
れているのは、負極端子板5の周辺折り返し部11およ
びその近傍の錫または錫合金層10表面における環状ガ
スケット6を当接させる面12に形成したアゾール系化
合物を主成分とする防錆被膜13が、該アゾール系化合
物の錫または錫合金に対する強い活性によって負極端子
板5の錫または錫合金層の表面に化学的に強固かつ緻密
に結合し、かつアゾール系化合物の有する防錆作用によ
って電池組立前または後に負極端子板の錫または錫合金
層10表面に酸化被膜が生成するのを防止するので、負
極端子板の錫または錫合金層10表面の電気化学的なク
リープ現象に基づく電解液の漏出が効果的に抑制される
からであると考えられる。
【0040】このような優れた電解液の漏出防止効果
は、本発明における防錆被膜13とは異なる、たとえば
フッ素樹脂などからなる一般の撥水性被膜によっては、
前記表1〜2にも示すように、到底得ることができない
ものである。なぜなら、このような被膜は、ただ単に物
理的に塗着されているだけであって、錫または錫合金と
の間に化学的な結合を生じることがないため、本発明の
防錆被膜13に比べて負極端子板5の錫または錫合金表
面に対する密着性が劣り、また防錆機能を有していない
ことによって、負極端子板5の錫または錫合金表面の酸
化を実質的に防止することができず、不均一な酸化被膜
の生成によって表面状態を損ないやすいため、負極端子
板の錫または錫合金層表面の電気化学的なクリープ現象
に基づく電解液の漏出に対する防止効果が低下してしま
うからである。
【0041】なお、本発明において、上記防錆被膜13
と環状ガスケット6との間にアスファルトピッチ、シリ
コーンオイルなどの液状パッキング材を介在させるよう
にすると、耐漏液性をさらに向上させることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ボタ
ン形アルカリ電池の負極端子板の錫または錫合金表面に
おける少なくとも環状ガスケットを当接させる面に、ア
ゾール系化合物を主成分とする防錆被膜を形成すること
によって、負極端子板と環状ガスケットとの接面からの
電解液の漏出を防止し、耐漏液性を向上させることがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボタン形アルカリ電池の一例を概略的
に示す部分断面図である。
【図2】図1中のA部拡大図である。
【符号の説明】
1 正極合剤 2 セパレータ 3 負極剤 4 正極缶 5 負極端子板 6 環状ガスケット 10 錫または錫合金層 12 環状ガスケットを当接させる面 13 防錆被膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極活物質として無水銀の亜鉛を用いる
    ボタン形アルカリ電池において、負極端子板(5)の錫
    または錫合金表面における少なくとも環状ガスケット
    (6)を当接させる面(12)に、アゾール系化合物を主成
    分とする防錆被膜(13)を設けたことを特徴とするボタン
    形アルカリ電池。
  2. 【請求項2】 アゾール系化合物が、ピラゾール類、チ
    アゾール類およびトリアゾール類よりなる群から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1記載のボタン形アルカ
    リ電池。
  3. 【請求項3】 アゾール系化合物が、ピラゾール類のカ
    ルボン酸誘導体、チアゾール類のカルボン酸誘導体およ
    びトリアゾール類のカルボン酸誘導体よりなる群から選
    ばれる少なくとも1種である請求項1記載のボタン形ア
    ルカリ電池。
  4. 【請求項4】 負極端子板(5)の錫または錫合金表面
    における環状ガスケット(6)を当接させる面(12)を、
    あらかじめ酸化能を有する研摩剤を用いた化学研摩によ
    り平滑にしてなる請求項1、2または3記載のボタン形
    アルカリ電池。
JP7030082A 1995-01-25 1995-01-25 ボタン形アルカリ電池 Withdrawn JPH08203480A (ja)

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JP7030082A Withdrawn JPH08203480A (ja) 1995-01-25 1995-01-25 ボタン形アルカリ電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002084761A2 (en) * 2001-04-10 2002-10-24 The Gillette Company Zinc/air cell

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