JPH08200449A - ねじり振動減衰粘性ダンパ - Google Patents

ねじり振動減衰粘性ダンパ

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JPH08200449A
JPH08200449A JP1237995A JP1237995A JPH08200449A JP H08200449 A JPH08200449 A JP H08200449A JP 1237995 A JP1237995 A JP 1237995A JP 1237995 A JP1237995 A JP 1237995A JP H08200449 A JPH08200449 A JP H08200449A
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JP
Japan
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torsional vibration
inertial body
case
inertial
viscous damper
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JP1237995A
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English (en)
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Yoshikatsu Kisanuki
義勝 木佐貫
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数個所の振幅増大を十分に減衰させること
ができる周波数範囲を広くする。 【構成】 回転軸1と一緒に回転するケース3,4の内
部に慣性体8を同芯状に回転自在に収容し、ケース3,
4と慣性体8の間の隙間に粘性流体を充填したねじり振
動減衰粘性ダンパにおいて、慣性体8とケース3,4の
軸方向の隙間hs1,hs2、対面面積または慣性体8の慣
性モーメントを回転軸1のねじり振動周波数に応じて変
化させる機構を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力伝達装置などにお
いて、回転軸に発生するねじり振動を減衰する粘性ダン
パに関する。
【0002】
【従来の技術】
第1従来例 内燃機関のクランク軸に発生するねじり振動を減衰する
粘性ダンパは、特開平5−157137号公報または図
7の原理図に示されているように、クランク軸31にケ
ース32を同芯状に固定し、ケース32の円輪板形状な
いし円環形状の内部に円輪板形状ないし円環形状の慣性
体33を同芯状に回転自在に収容し、ケース32と慣性
体33の間の隙間にシリコン油のような粘性流体34を
充填している。
【0003】クランク軸31がねじり振動すると、クラ
ンク軸31と一緒に回転するケース32に対して慣性体
33が回転し、慣性体33とケース32の間の粘性流体
34がケース32に粘性減衰トルクを作用させ、クラン
ク軸31のねじり振動が減衰する。
【0004】第2従来例 他の同種の粘性ダンパは、第1従来例の粘性ダンパにお
いて、特開平6−159442号公報に示されているよ
うに、ケースの円環状内部の内周面と円環状慣性体の内
周面の間に、円環を等分割した形状の複数の錘を円環状
に配列し、円弧状に湾曲した各錘の内周面をそれぞれ螺
旋ばねでケースの円環状内部の内周面に連結し、慣性体
と同芯状に配列した錘の外周面を慣性体の内周面に対面
している。
【0005】クランク軸の低速回転時には、錘が慣性体
側に移動せずに、慣性体の外周面、両側面とこれらに対
面したケースの内面の間の粘性流体がケースに粘性減衰
トルクを作用させ、クランク軸の低い周波数のねじり振
動が減衰する。クランク軸の高速回転時には、錘が螺旋
ばねに抗して遠心力で慣性体側に移動し、錘の外周面と
慣性体の内周面の間の隙間が狭くなり、慣性体の外周
面、両側面とこれらに対面したケースの内面の間の粘性
流体の外に、慣性体の内周面と錘の外周面の間の粘性流
体も、ケースに粘性減衰トルクを作用させ、クランク軸
の高い周波数のねじり振動が減衰する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、第1,第2
従来例の粘性ダンパは、内燃機関のクランク軸に発生す
るねじり振動の100Hz程度以下の低くて狭い周波数
範囲における制振を主眼にしているので、トランスミッ
ションのような動力伝達装置などの回転軸に発生するね
じり振動の1000Hz程度以下の広い周波数範囲にお
ける複数個所の振幅増大を十分に減衰させることは困難
である。
【0007】例えば、トランスミッションの回転軸に
は、図8に「ダンパなし」として示すように、1000
Hz程度以下の周波数範囲において、220Hzと67
0Hzの2個所に共振ないし振幅増大がある。この回転
軸に第1従来例の粘性ダンパを取り付けると、図8に
「ダンパ付き」として示すように、周波数が低い方の振
幅増大は十分に減衰するが、周波数が高い方の振幅増大
は十分には減衰しない。
【0008】第2従来例の粘性ダンパは、周波数が低い
方と高い方の2個所の振幅増大を減衰させるため、クラ
ンク軸の回転数によって慣性体の内周面と錘の外周面の
間の隙間即ち慣性体とケースの径方向の隙間を変化させ
るが、実用的な寸法の粘性ダンパは、慣性体とケースの
径方向の隙間を変化させても、減衰係数が大きく変化し
ないので、広い周波数範囲において複数個所の振幅増大
を十分に減衰させることは困難である。
【0009】粘性ダンパの減衰係数Cは、粘性流体の粘
性係数をμとし、図7に示す符号を用いて表すと、 C=πμ{(R4−r4)/hs+2b(R3/ho+r3
i)} となる。この式に実用的な寸法として、例えば、r=
0.4R,b=0.1R,ho=hiを代入すると、 C=πμ×0.2128R4{4.579/hs+1/h
i} となる。この式から明らかなように、慣性体とケースの
径方向の隙間hi,hoを変化させても、慣性体とケース
の軸方向の隙間hsを変化させる場合に比較して、減衰
係数Cの変化量が数分の一しかない。
【0010】本発明の目的は、上記のような従来の課題
を解決することである。
【0011】
【課題を解決するための着眼と研究】上記の粘性ダンパ
の減衰係数Cの式から明らかなように、減衰係数Cの変
化量は、慣性体とケースの軸方向の隙間hsを変化させ
ると、慣性体とケースの径方向の隙間hi,hoを変化さ
せる場合よりも、数倍になるので、広い周波数範囲にお
いて複数個所の振幅増大を十分に減衰させるためには、
慣性体とケースの軸方向における隙間や対面面積を変化
させる必要がある。
【0012】図8に振動減衰特性を示したトランスミッ
ションのダンパ付き回転軸において、慣性体とケースの
軸方向の隙間hsを変化させた場合の共振時の振幅低減
率(=(ダンパなし共振時の最大振幅−ダンパ付き共振
時の最大振幅)/ダンパなし共振時の最大振幅)を百分
率で求めて図9に示した。図9から明らかなように、共
振時の最大振幅を十分に減衰するには、軸方向の隙間h
sは、周波数が低い方の共振時に広くし、周波数が高い
方の共振時に狭くする必要がある。
【0013】また、同様に、慣性モーメント比(=慣性
体の慣性モーメント/負荷付き回転軸の慣性モーメン
ト)を変化させた場合の共振時の振幅低減率を求めて図
10に示した。図10から明らかなように、共振時の最
大振幅を十分に減衰するには、慣性モーメント比ないし
慣性体の慣性モーメントは、周波数が低い方の共振時に
大きくし、周波数が高い方の共振時に小さくする必要が
ある。
【0014】従って、慣性体とケースの軸方向の隙間、
対面面積または慣性モーメントを回転軸のねじり振動周
波数に応じて変化させる機構が必要になる。
【0015】また、慣性体を例えば2個にして並列し、
両慣性体におけるケースとの軸方向の隙間、対面面積ま
たは慣性モーメントを異なる値にすると、回転軸のねじ
り振動に対する両慣性体の特性が異なり、回転軸のねじ
り振動により両慣性体の間に相対回転が発生し、両慣性
体の間の相対回転数が回転軸のねじり振動周波数に応じ
て変化するので、慣性体が1個の場合に慣性体とケース
の軸方向の隙間、対面面積または慣性モーメントが回転
軸のねじり振動周波数に応じて変化するのと同様にな
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸と一緒
に回転するケースの内部に慣性体を同芯状に回転自在に
収容し、ケースと慣性体の間の隙間に粘性流体を充填し
たねじり振動減衰粘性ダンパにおいて、慣性体とケース
の軸方向の隙間と対面面積及び慣性体の慣性モーメント
のうち少なくとも1つを回転軸のねじり振動周波数に応
じて変化させる機構を設けたことを特徴とするねじり振
動減衰粘性ダンパである。
【0017】また、慣性体を複数にして並列し、回転軸
のねじり振動に対する慣性体の特性を異にし、慣性体の
間の相対回転数が回転軸のねじり振動周波数に応じて変
化する構成にしたことを特徴とするねじり振動減衰粘性
ダンパである。
【0018】
【作用】本発明においては、慣性体とケースの軸方向の
隙間、対面面積または慣性モーメントが回転軸のねじり
振動周波数に応じて変化するので、広い周波数範囲にお
いて複数個所の振幅増大を十分に減衰させることができ
る。
【0019】また、回転軸のねじり振動に対する特性が
異なる慣性体の間の相対回転数が回転軸のねじり振動周
波数に応じて変化するので、慣性体が1個の場合に慣性
体とケースの軸方向の隙間、対面面積または慣性モーメ
ントが回転軸のねじり振動周波数に応じて変化するのと
同様になる。
【0020】
【発明の効果】本発明においては、複数個所の振幅増大
を十分に減衰させることができる周波数範囲が広い。
【0021】
【実施例】
<第1実施例(図1〜図3参照)>本例は、慣性体とケ
ースの軸方向の隙間が回転軸のねじり振動周波数に応じ
て変化するねじり振動減衰粘性ダンパである。
【0022】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、図1
と図2に示すように、トランスミッションの回転軸1に
固定する歯車2に組み込んでいる。
【0023】歯車2のリム部は、円輪板形状の内部を同
芯状に有するケース本体3と薄い円輪板形状の蓋板4に
形成している。ケース本体3と蓋板4は、回転軸1と一
緒に回転するダンパケースを構成している。
【0024】ケース本体3の内周板には、図1に示すよ
うに、調整輪5を軸方向にのみ移動可能に嵌合し、ケー
ス本体3の側板に螺軸の隙間調整軸6を軸方向に貫通
し、ケース本体3の内部に突出した隙間調整軸6の先端
を調整輪5に連結している。ケース本体3の外に突出し
た隙間調整軸6の大径基端を回転すると、調整輪5が軸
方向に移動する。
【0025】調整輪5には、図1に示すように、玉軸受
7を嵌合し、玉軸受7の内輪を調整輪5に固定し、玉軸
受7に厚い円輪板形状の慣性体8を嵌合し、慣性体8の
内周部を玉軸受7の外輪に固定し、慣性体8をケース
3,4の内部に同芯状に回転自在に取り付けている。慣
性体8を収容したケース3,4の内部には、シリコン油
を充填している。
【0026】慣性体8は、図1と図2に示すように、そ
の内周部を構成する円輪板形状の本体9、円環を等分割
した形状の複数の弾性体10、円輪板を等分割した形状
の複数の錘11、円環を等分割した形状の複数の外周壁
12、円輪板を等分割した形状の複数の前側壁13と後
側壁14からなる。
【0027】本体9の外周面には、図1と図2に示すよ
うに、弾性体10を等間隔位置に固定し、各弾性体10
の外周面にそれぞれ錘11を固定し、各錘11の外周面
にそれぞれ外周壁12を固定し、各弾性体10の前側面
にそれぞれ前側壁13を固定し、各弾性体10の後側面
にそれぞれ後側壁14を固定している。各錘11の内周
部前側面に形成した円錐面の斜面には、それぞれ、各前
側壁13の中央部裏面に形成した円錐面の斜面を重合
し、各錘11の内周部後側面に形成した円錐面の斜面
に、それぞれ、各後側壁14の中央部裏面に形成した円
錐面の斜面を重合している。本体9の前側面と後側面に
は、それぞれ、各前側壁13の内周部裏面と各後側壁1
4の内周部裏面を重合している。各外周壁12の内周前
部の円錐面と内周後部の円錐面には、それぞれ、各前側
壁13の円錐面の外周面と各後側壁14の円錐面の外周
面を重合している。
【0028】慣性体8は、回転して遠心力が所定の値に
達すると、各弾性体10に抗して、各錘11がそれぞれ
径方向に移動し、各外周壁12が径方向に、各前側壁1
3が前側に、各後側壁14が後側にそれぞれ移動し、外
周壁12とケース本体3の外周板の間の隙間ho、前側
壁13と蓋板4の間の隙間hs1、後側壁14とケース本
体3の側板の間の隙間hs2がそれぞれ減少する。遠心力
が所定の値より小さくなると、各弾性体10の収縮力に
よって、各錘11、各外周壁12、各前側壁13と各後
側壁14がそれぞれ原位置に復元し、外周壁12とケー
ス本体3外周板の隙間hoが拡大して慣性体8の初期外
径とケース本体3の外周板内径によって定まる初期値に
戻り、また、前側壁13と蓋板4の隙間hs1と後側壁1
4とケース本体3側板の隙間hs2がそれぞれ拡大して隙
間調整軸6によって予め設定した初期値に戻る。
【0029】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、回転
軸1の回転数が低くねじり振動周波数が低い時には、慣
性体8の遠心力が所定の値に達せず、慣性体8とケース
3,4の軸方向の隙間hs1,hs2と径方向の隙間ho
それぞれ初期値である。即ち、軸方向の隙間hs1,hs2
と径方向の隙間hoが、それぞれ、周波数が低い方の共
振時の最大振幅を十分に減衰するのに適した広い隙間で
ある。
【0030】回転軸1の回転数が高くねじり振動周波数
が高くなると、慣性体8の遠心力が所定の値に達し、軸
方向の隙間hs1,hs2と径方向の隙間hoが、それぞ
れ、減少して、周波数が高い方の共振時の最大振幅を十
分に減衰するのに適した狭い隙間になる。
【0031】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、10
00Hz程度以下の周波数範囲において220Hzと6
70Hzの2個所に共振点があるトランスミッションの
回転軸に取り付けると、図3に示すように、周波数が低
い方の振幅増大のみならず、周波数が高い方の振幅増大
も十分に減衰する。
【0032】<第2実施例(図4,図5参照)>本例
は、慣性体とケースの軸方向の対面面積と慣性体の慣性
モーメントが回転軸のねじり振動周波数に応じて変化す
るねじり振動減衰粘性ダンパである。
【0033】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、図4
と図5に示すように、円輪板形状の内部を同芯状に有す
るケース本体3と薄い円輪板形状の蓋板4で、回転軸1
と一緒に回転するケースを構成している。
【0034】ケース本体3の内周板には、図4と図5に
示すように、玉軸受7を介して厚い円輪板形状の慣性体
8を嵌合し、慣性体8をケース3,4の内部に同芯状に
回転自在に取り付けている。慣性体8を収容したケース
3,4の内部には、シリコン油を充填している。
【0035】慣性体8は、図4と図5に示すように、そ
の中央部と内周部を構成する円輪板形状の本体9、円環
形状の弾性体10と、円環を等分割した形状の複数の外
周壁12からなる。本体9の外周面には、各外周壁12
の内周面を重合し、本体9の外周面の周溝に各外周壁1
2の内周面の突条を挿入し、円環形状の弾性体10を、
各外周壁12の両端面の間に貫通した孔に挿通してい
る。
【0036】慣性体8は、回転して遠心力が増大する
と、弾性体10に抗して、各外周壁12がそれぞれ径方
向に移動して本体9から分離し、遠心力が更に増大する
と、各外周壁12が更に径方向に移動してケース本体3
の外周板に押し付けられる。すると、慣性体8は、ケー
ス3,4との軸方向の対面面積と慣性モーメントがそれ
ぞれ外周壁12の分だけ減少する。遠心力が減少する
と、弾性体10の収縮力によって、各外周壁12がそれ
ぞれ戻って本体9の外周面に重合する。すると、慣性体
8は、ケース3,4との軸方向の対面面積と慣性モーメ
ントがそれぞれ増加して初期値に戻る。
【0037】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、回転
軸1のねじり振動周波数が低い時には、慣性体8の遠心
力が小さく、慣性体8のケース3,4との軸方向の対面
面積と慣性モーメントがそれぞれ初期値である。即ち、
周波数が低い方の共振時の最大振幅を十分に減衰するの
に適した大きい値である。
【0038】回転軸1のねじり振動周波数が高くなる
と、慣性体8の遠心力が増大し、慣性体8のケース3,
4との軸方向の対面面積と慣性モーメントが、それぞ
れ、減少して、周波数が高い方の共振時の最大振幅を十
分に減衰するのに適した小さい値になる。
【0039】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、前例
におけるのと同様に、トランスミッションの回転軸に取
り付けると、図3に示すように、周波数が低い方の振幅
増大のみならず、周波数が高い方の振幅増大も十分に減
衰する。
【0040】<第3実施例(図6参照)>本例は、2枚
の異なる慣性体を並列したねじり振動減衰粘性ダンパで
ある。
【0041】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、図6
に示すように、回転軸1に固定するケース本体3の内周
板に、円輪板形状の第1慣性体21と第2慣性体22
を、それぞれ、軸方向に移動可能な第1玉軸受23と第
2玉軸受24を介して嵌合し、第1玉軸受23の内輪と
ケース本体3の側板の間、両玉軸受23,24の内輪の
間、第2玉軸受24の内輪と蓋板4の間にそれぞれ隙間
保持輪25,26,27を嵌合し、両慣性体21,22
をそれぞれケース3,4の内部に同芯状に回転自在に取
り付けている。両慣性体21,22を収容したケース
3,4の内部には、シリコン油を充填している。
【0042】第1慣性体21は、図6に示すように、第
2慣性体22に比較して、外径が大きくて厚いので、慣
性モーメントが大きく、ケース3,4との軸方向の対面
面積が大きい。
【0043】ケース本体3の側板と第1慣性体21の隙
間、両慣性体21,22の隙間、第2慣性体22と蓋板
4の隙間は、それぞれ、隙間保持輪25,26,27を
軸方向の長さの異なるものと交換することにより変更さ
れる。
【0044】本例のねじり振動減衰粘性ダンパは、例え
ば、ケース本体3の側板と第1慣性体21の隙間と第2
慣性体22と蓋板4の隙間が同じである場合、第2慣性
体22は、第1慣性体21より、回転軸1のねじり振動
によるケース3,4の振動に高い周波数まで追従する。
そのため、振動周波数が高いときには、両慣性体21,
22の間に相対回転が発生し、この相対回転により振動
減衰力が発生する。換言すると、第2慣性体22とケー
ス3,4の相対回転量は、第1慣性体21とケース3,
4の相対回転量に比較して小さいので、第2慣性体22
の慣性モーメントの一部が回転軸1側の慣性モーメント
として作用し、見掛け上、第2慣性体22の慣性モーメ
ントが小さくなったのと同様になる。
【0045】結局、回転軸1のねじり振動に対する両慣
性体21,22の特性が異なるので、回転軸1のねじり
振動により両慣性体21,22の間に相対回転が発生
し、両慣性体21,22の間の相対回転数が回転軸1の
ねじり振動周波数に応じて変化する。即ち、慣性体が1
枚の場合に慣性体とケースの軸方向の隙間、対面面積ま
たは慣性モーメントが回転軸のねじり振動周波数に応じ
て変化するのと同様になる。
【0046】従って、前例におけるのと同様に、トラン
スミッションの回転軸に取り付けると、図3に示すよう
に、広い周波数範囲において周波数が低い方の振幅増大
と周波数が高い方の振幅増大をそれぞれ十分に減衰する
ことができる。
【0047】また、周波数が低い方の振幅増大を減衰す
るダンパと周波数が高い方の振幅増大を減衰するダンパ
を別々に設けた場合に比較して、慣性体の慣性モーメン
トが小さくなり、ダンパを小型軽量にすることができ、
トランスミッションのような動力伝達装置などに組み込
み易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のねじり振動減衰粘性ダン
パの縦断側面図であって、図2のA−A線断面図であ
る。
【図2】同例のねじり振動減衰粘性ダンパの中央縦断正
面図である。
【図3】同例のねじり振動減衰粘性ダンパの振動減衰特
性図である。
【図4】本発明の第2実施例のねじり振動減衰粘性ダン
パの中央縦断側面図である。
【図5】同例のねじり振動減衰粘性ダンパの中央縦断正
面図である。
【図6】本発明の第3実施例のねじり振動減衰粘性ダン
パの中央縦断側面図である。
【図7】第1従来例のねじり振動減衰粘性ダンパの中央
縦断概略側面図である。
【図8】同例のねじり振動減衰粘性ダンパの振動減衰特
性図である。
【図9】ねじり振動減衰粘性ダンパにおける共振時の振
幅低減率と軸方向の隙間の関係を示す線図である。
【図10】ねじり振動減衰粘性ダンパにおける共振時の
振幅低減率と慣性モーメント比の関係を示す線図であ
る。
【符号の説明】
1 回転軸 3 ケース本体 4 蓋板 8 慣性体 hs1,hs2 慣性体とケースの軸方向の隙間 21 第1慣性体 22 第2慣性体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と一緒に回転するケースの内部に
    慣性体を同芯状に回転自在に収容し、ケースと慣性体の
    間の隙間に粘性流体を充填したねじり振動減衰粘性ダン
    パにおいて、 慣性体とケースの軸方向の隙間と対面面積及び慣性体の
    慣性モーメントのうち少なくとも1つを回転軸のねじり
    振動周波数に応じて変化させる機構を設けたことを特徴
    とするねじり振動減衰粘性ダンパ。
  2. 【請求項2】 回転軸と一緒に回転するケースの内部に
    慣性体を同芯状に回転自在に収容し、ケースと慣性体の
    間の隙間に粘性流体を充填したねじり振動減衰粘性ダン
    パにおいて、 慣性体を複数にして並列し、回転軸のねじり振動に対す
    る慣性体の特性を異にし、慣性体の間の相対回転数が回
    転軸のねじり振動周波数に応じて変化する構成にしたこ
    とを特徴とするねじり振動減衰粘性ダンパ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7448298B2 (en) * 2002-05-31 2008-11-11 Fukoku Co., Ltd. Viscous damper
JP2018096533A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 株式会社21世紀ものづくり日本 回転体の制振機構、制振フランジ、及び、制振方法
CN112709783A (zh) * 2019-10-25 2021-04-27 现代自动车株式会社 用于车辆的曲轴的黏性阻尼器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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