JPH0820028B2 - 縦排水管の連結構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は縦排水管の連結構造に関する。

（従来の技術） 従来、上下に間隔をおいて配置される継手管と、これ
らの継手管の間に配置される主管とで構成される縦排水
管にあっては、主管の下端は下方継手管の上端に嵌脱自
在に嵌合されることで連結され、主管の上端は上方継手
管の下端に嵌脱自在に嵌合されることで連結されてい
た。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の縦排水管の連結構造では、施工の際に下端から
順番に積み上げ状に連結していく必要がある。そのた
め、上下の各階に配置される継手管の間を主管で連結す
ることにより構成される上下方向に連続した縦排水管の
構成部材のうち、ある特定の階の主管だけを交換したい
場合でも、その主管に隣接する上下の継手管など交換の
必要のないものまで分解・組立する手間を要するもので
あった。

本発明は上記問題点を解決することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明が従来技術の問題点を解決するために特徴とす
るところは、上下の各階に上方継手管14と下方継手管14
とを予め固定しておき、これら上下方の継手管14,14同
士を上下方向に延びる一本の縦主管15によって互いに連
結することにより、上下方向に連続する縦排水管６を構
成するようにした縦排水管の連結構造であって、前記一
本の縦主管15の下端が前記下方継手管14の上端に嵌脱自
在に嵌合されて連結されているのに対して、その同じ縦
主管15の上端は、前記上方継手管14の下端に対して互い
に嵌合しないように上下に対向して突き合わされている
と共に、この上下の突き合わせ部をともに囲繞するリン
グ状継手49で締め付けることにより前記上方継手管14の
下端に連結されている点にある。

この場合、リング状継手49を、その締め付け前におい
て縦主管15の上端部に同主管15の管軸方向に移動自在に
外嵌しておき、上方継手管14の下部外周面に、リング状
継手49をその締め付け位置に位置決めするストッパー50
を突設しておくことが好ましい。

（作用） 上下の継手管14,14の間から縦主管15を取外すには、
リング状継手49を上方若しくは下方に移動させて上方継
手管14の外周、あるいは縦主管15の外周に位置させる。
あるいは、リング状継手49を分割可能なものにして縦排
水管から取外す。しかる後に、縦主管15の下端を下方継
手管14から抜脱する。上下の継手管14,14の間に縦主管1
5を取付けるには、まず、縦主管15の下端を下方継手管1
4の上端に嵌合させ、縦主管15の上端と上方継手管14の
下端とを対向させる。次に、リング状継手49により縦主
管15の上端と上方継手管14の下端とを締め付けて連結す
る。

一方、上記の縦主管15の取付け作業において、リング
状継手49を、その締め付け前において縦主管15の上端部
に管軸方向に移動自在に外嵌しておき、上方継手管14の
下部外周面にリング状継手49を位置決めするストッパー
50を突設しておけば、リング状継手49を管軸方向に移動
させた後の位置決め作業が容易に行える。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は、高層集合住宅の一居住室１の平面構成図で
あって、この居住室１は壁２によって室外領域３と隔て
られている。

居住室１の内部には、台所流し4a、トレイ4b、手洗い
場4c、バス4d、洗濯場4eといった排水器具４が設けら
れ、これら排水器具４からの排水は、横排水管５を介し
て縦排水管６に排水される。

すなわち、横排水管５は本実施例では二系統設けら
れ、一方5aは、台所流し4a専用で二重管で構成されるも
のであり、他方5bはその他の排水器具４用で単管により
構成されている。

二重管式横排水管5aは、一端が台所用流し4aに連結さ
れると共に、他端が縦排水管６に連結されている。そし
て、外管７は剛性管で、内管８は耐熱合成樹脂製の可撓
管（例えば、ポリエチレンパイプ、ポリブデンパイプ
等）とされている。

単管式横排水管5bは、横主管９と、この横主管９と各
排水器具４とを連結する横枝管10とで形成されている。
なお、横主管９の、洗濯場4eと連結する横枝管10との接
続部には、補助清掃口11が開口され、キャップ12により
開閉自在とされている。

縦排水管６は、室外領域３に配置されており、第２図
及び第３図に示すように、建築物の各階床スラブ13に固
定される継手管14と、継手管14の間に配置される縦主管
15とで構成される。

継手管15は、その本体16の上下端に縦主管15との連結
部17,18が形成され、側面に、前記単管式横排水管5bが
挿入状に連結される連結部19が形成されている。そし
て、本体16の側面に、この本体16に連通する補助継手20
が、ボルト21により着脱自在に取付けられている。この
補助継手20に、前記二重管式横排水管5aが連結される。

補助継手20は、本体22と調整用外管23とで構成される
もので、二重管式横排水管5aとの連結部66を有し、第４
図乃至第13図に基づいて二重管式横排水管5aとの連結方
法を示す。

まず、第４図に示すように、室外に配置された縦排水
管６の補助継手20に対向する居住室隔壁２に通孔24を設
ける。この通孔に、二重管の外管７を挿通する。この外
管７の室外端外周には第５図示のように雄ねじ部25を形
成し、そこに補助継手20の調整用外管23の突出端を螺合
させ、外管７の位置決めをなす。なお外管７の室内端は
台所流し4aの近傍まで配管する。

外管７の位置決めをしたならば、第６図示のように前
記壁の通孔24と外管７との間にモルタル26を充填して固
化させ、外管７から調整用外管23を取外すと共に、補助
継手20を継手管本体16から取外す。

次に、第７図に示すように、外管７の室外端に内管ガ
イド27を取付け、このガイド27端から内管８を押し込み
状に挿入する。なお、内管８の挿入には、内管８をロー
ラ28で挟み込んで押し引きする内管挿脱用ツール29を用
いる。

そして、第８図に示すように、台所流し4aの端におい
て、外管７から突出した内管８を、台所流し4aの封水ト
ラップに連絡するエルボ管30に、第34図に示すように、
リングシール31と袋ナット32とを介して連結する。な
お、外管７は第９図にも示すように、支持装置33を介し
て支持されている。この支持装置33は、床スラブ13にボ
ルト止めされるベース34と、このベース34上に立設され
たコ字形ボルト35と、このボルト35に両端が挿通されて
外管７を挟持する上下一対の挟持片36と、この挟持片36
の締結ナット37とで構成されている。

次に、外管７から内管ガイド27を取外し、外管７の室
外端から突出する内管８を切断具38により切断して所定
突出寸法とする。しかる後に、そこに、前記調整用外管
23を外嵌し、この調整用外管23を外管７の室外端に螺合
させる。

次に、第11図に示すように、袋ナット39、リングシー
ル40を介して補助継手20の枝管部41を内管８に外嵌す
る。そして第12図に示すように、補助継手本体22を継手
管14に連結してから袋ナット39を締め付ける。この補助
継手20と内管８との連結は、第13図に示すように補助継
手20の枝管部41の内周に環状ゴムシール42を介して内管
８を滑り入らせ、内管８の外周にシール40を外嵌し、枝
管部41の端面にこのシール40を袋ナット39で押し付ける
ように、袋ナット39を枝管部41の外周に螺合させるもの
である。

単管式横排水管5bと継手管14との連結は、第14図に示
すように、横排水管5bを隔壁２の通孔43に挿通し、その
室外側端を継手管連結部19に挿入し、横排水管5bにシー
ル（図示省略）を外嵌し、このシールを袋ナット44で連
結部19の端面に押し付ける。単管式横排水管5bの各室内
端は、第15図に示すように、各排水器具４に連絡するエ
ルボ45に連結する。

次に、縦排水管６の継手管14と縦主管15との連結方法
を、第16図乃至第22図に基づき説明する。

まず、第16図に示すように、継手管14を各階床スラブ
13の通孔46に入れて位置決め後にモルタル47により固定
する。次に、第17図示のように、縦主管15の下端を、下
方継手管14の上端に嵌合連結する。この連結は、第22図
に示すように、継手管14の上端内周に径方向に拡縮する
ようにシール48を設け、このシール48を介して縦主管15
を密嵌状に挿入することで行う。

なお、縦主管15の上端には、第20図及び第21図に示す
リング状継手49を外嵌し、継手管14の下端外周にはスト
ッパー50を突設させる。そのリング状継手49は、ゴム製
の円筒状シール51を、割りプレート52で囲繞し、この割
りプレート52の両端から径外方に突出されたボルト受け
53に挿通されるボルト54の稔回により径方向に拡縮する
ものとされている。

そして、第18図に示すように、縦主管15を鉛直状と
し、この縦主管15の上端と上方継手嵌14の下端とをそれ
らが互いに嵌合しないように上下に対向して突き合わ
せ、管芯を一致させる。次に、第19図に示すように、ス
ライド継手49を上方に移動させ、縦主管15上端と継手管
14下端の突き合わせ部に当該継手49を外嵌状として囲繞
させる。ここで、リング状継手49の上下方向の位置決め
は、前記ストッパー50に当接させることで行う。しかる
後に、工具55によりボルト54を稔回させることで、リン
グ状継手49を径方向に縮小させ、縦主管15の上端と横主
管９の下端とを締め付けることで連結し、両管14,15の
間隙をゴムシール51により閉塞する。

なお、前記補助継手20の上端は、第23図、第24図にも
示すように、蓋体56により開閉自在な清掃口57とされて
いる。これにより図示するように、その清掃口57から清
掃用導水ホース58を横排水管５や縦排水管６内に挿通
し、そのホース58の先端に取付けたノズル59から高圧水
60を噴出させることで管内面の清掃を行う。また、補助
継手20の清掃口57から導水ホース58を挿入する場合、単
管式横排水管5bの前記横枝管10まではそのホース58を入
り込ませることが困難なため、第25図及び第26図に示す
ように、居住室床68の開閉蓋69を開き、前記補助清掃口
11から導水ホース58を挿通し、その横枝管10の清掃をす
るようにしている。

そして、二重管式排水管5aの内管８を交換する場合
は、前記内管取付手順とは逆に、まず、台所流し4aに通
じるエルボ管30と内管８とを取外し、補助継手20を継手
管本体16から取外し、調整用外管23に螺合された袋ナッ
ト32を取外し、補助継手本体22を内管８から抜脱し、調
整用外管23を外管７から取外す。そして、内管８の室外
端に引き抜き用のワイヤ（図示省略）を取付け、このワ
イヤを外嵌状とした内管ガイド27を外管７の室外端に取
付ける。そして、ワイヤを引っ張ることで内管８を内管
ガイド27から突出させ、その突出部を内管挿脱用シール
29のローラ28に挟み込んで引き抜きを行う。新しい内管
８は、前記と同手順で取付ける。

縦排水管６の縦主管15を交換する場合は、第27図に示
すように、リング状継手49を緩めて縦主管15側に移動さ
せ、この主管15の上端と上方継手管14の下端との対向間
に詰まったスケール61を鋸62により除去する。そして、
第28図に示すように、主管15を傾けて、主管15の下端を
下方継手管14の上端から引き抜く。なお、引き抜く際
に、上方継手管14に吊りバンド63を取付け、このバンド
63に掛止したワイヤ64を主管15に取付け、ワイヤ64を吊
り上げ具65で引き上げると容易に引き抜ける。新しい縦
主管15の取付けは、前記と同手順で行う。

なお、第29図、第30図はそれぞれ、第１図とは異なっ
た居住室１の平面構成を示すもので、第29図のもので
は、第１図と同様に、横排水管５は単管式のもの5bと二
重管式のもの5aとで二系統とされているが、第30図のも
のでは、単管式のもの5bが二系統と、二重管式のもの5a
が一系統とで三系統とされている。そして、二重管式横
排水管5aと、一方の単管式横排水管5bとは補助継手20に
連結されている。そのため、その補助継手20は、第31図
乃至第33図に示すように、二重管式横排水管5aとの連結
部66と、単管式横排水管との連結部67との双方を有す
る。

（発明の効果） 本発明によれば、上下の各階に配置された継手管同士が
上下方向に延びる一本の縦主管によって連結されている
縦排水管において、その一本の縦主管の下端を下方継手
管の上端に嵌脱自在に嵌合するとともに、同縦主管の上
端を、上方継手管の下端に対して互いに嵌合しないよう
に上下に対向して突き合わせ、この突き合わせ部をとも
に囲繞するリング状継手で締め付けて上方継手管の下端
に連結するようにしたので、縦排水管の構成部材のう
ち、継手管を分解したり取り外したりすることなく、あ
る特定の階の縦主管だけを交換することができる。

また、特許請求の範囲第２項記載の発明によれば、上
記効果に加え、リング状継手を管軸方向に移動させた後
の位置決め作業が容易になるので、縦主管の交換に際し
てその取付け作業を簡易かつ迅速に行える。

【図面の簡単な説明】 図面は本発明の実施例に係り、第１図は居住室排水管の
平面構成図、第２図は継手管と補助継手管との平面図、
第３図は同側面図、第４図乃至第12図は二重管式横排水
管の配管手順を順次示す説明図、第13図は補助継手と二
重管式横排水管との接続構造を示す断面図、第14図は継
手管と単管式横排水管との接続構造を示す図、第15図は
排水器具と単管式横排水管との接続構造を示す図、第16
図乃至第19図は縦排水管の配管手順を順次示す説明図、
第20図はリング状継手の平面図、第21図は第20図のＡ−
Ａ線断面図、第22図は継手管上端の部分断面図、第23図
は補助継手からの清掃要領を示す平面図、第24図は同側
面図、第25図は横枝管の清掃要領を示す平面図、第26図
は同側面図、第27図及び第28図はそれぞれ縦主管の取外
し方法の説明図、第29図及び第30図はそれぞれ異なった
実施例に係る居住室排水管の平面構成図、第31図は異な
った実施例に係わる補助継手の平面図、第32図は同側面
図、第33図は同正面図、第34図は単管式横排水管と排水
器具エルボとの接続構造を示す断面図である。 ４……排水器具、５……横排水管、5a……二重管式横排
水管、６……縦排水管、７……外管、８……内管、14…
…継手管、15……縦主管、16……継手管本体、17,18,19
……継手管連結部、20……補助継手、49……リング状継
手、66……補助継手連結部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 秀樹 東京都中央区日本橋室町３丁目３番２号 久保田鉄工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−170588（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−19794（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−70922（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下の各階に上方継手管（14）と下方継手
   管（14）とを予め固定しておき、これら上下方の継手管
   （14）（14）同士を上下方向に延びる一本の縦主管（1
   5）によって互いに連結することにより、上下方向に連
   続する縦排水管（６）を構成するようにした縦排水管の
   連結構造であって、 前記一本の縦主管（15）の下端が前記下方継手管（14）
   の上端に嵌脱自在に嵌合されて連結されているのに対し
   て、 その同じ縦主管（15）の上端は、前記上方継手管（14）
   の下端に対して互いに嵌合しないように上下に対向して
   突き合わされていると共に、この上下の突き合わせ部を
   ともに囲繞するリング状継手（49）で締め付けることに
   より前記上方継手管（14）の下端に連結されていること
   を特徴とする縦排水管の連結構造。
2. 【請求項２】前記リング状継手（49）は、その締め付け
   前において前記縦主管（15）の上端部に同主管（15）の
   管軸方向に移動自在に外嵌されており、 前記上方継手管（14）の下部外周面に、前記リング状継
   手（49）をその締め付け位置に位置決めするストッパー
   （50）が突設されている特許請求の範囲第１項記載の縦
   排水管の連結構造。