JPH0819567B2 - ポリテレフタル酸ジヒドラジド繊維及びフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリテレフタル酸ジヒドラジド繊維及びフィルムの製造方法

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JPH0819567B2
JPH0819567B2 JP31741190A JP31741190A JPH0819567B2 JP H0819567 B2 JPH0819567 B2 JP H0819567B2 JP 31741190 A JP31741190 A JP 31741190A JP 31741190 A JP31741190 A JP 31741190A JP H0819567 B2 JPH0819567 B2 JP H0819567B2
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正明 高瀬
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日本ヒドラジン工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリテレフタル酸ジヒドラジド繊維及びフ
ィルムの製造方法に関するもので、より詳細には、廉価
で実用性が高く、高性能なポリマー成形品を製造する方
法に関する。
(従来の技術) ポリテレフタル酸ジヒドラジドはポリアミドの一種で
あって、耐薬品性、耐熱性に優れたポリマーであり、ラ
イオトロピックな液晶ポリマー溶液になり得るので、強
度、弾性率等の機械的特性に優れた繊維またはフィルム
に加工することができる有用なポリマーである。
このポリテレフタル酸ジヒドラジドは、テレフタル酸
ジヒドラジドとテレフタル酸ジクロライドとの重合で得
られるが、テレフタル酸ジヒドラジドが有機溶媒に難溶
な固体であり、またこれらより生成される重合体も難溶
であるため反応が円滑に進まず、重合度の高いポリマー
を得ることが困難であった。
このため、従来よりアミド系溶媒を使用するとともに
塩化リチウム等の金属の無機塩などの第三成分を添加す
る低温溶液重合法により、重合後、副生する塩化水素及
び第三成分の金属塩を水洗により除去し、単調成形して
実用に供し得る重合体を得ていた。
しかしながら、この方法により得られたポリマーは、
溶媒に対する親和力が低く、溶解性もきわめて悪いの
で、実質上アミド系を含めた一般の有機溶媒には不溶で
あるという欠点を有していた。
(発明が解決しようとする課題) これを解決するものとして、水酸化テトラメチルアン
モニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テ
トラプロピルアンモニウム、ピロリジン、第三ブチルア
ミン、及びトリエチルアミンから選ばれる有機塩基の水
溶液を、ポリテレフタル酸ジヒドラジドの加工用溶媒と
して用いることが特公昭59−22744号公報に記載されて
いる。
しかしながら、水酸化テトラメチルアンモニウム等
は、通常対応するトリアルキルアミンとアルキルハライ
ドとの反応で、テトラアルキルアンモニウムハライドを
合成し、次いで当該ハライドを電気透析して製造される
ものであるゆえ、高価であり、実用性に乏しく、その上
少量のハロゲンや電極反応に伴う重金属の汚染は避けら
れず、高性能なポリマー成形品を製造する際の大きな問
題となる。更に、テトラアルキルアンモニウムは溶媒と
して使用した後、廃棄する際に、通常の活性汚泥法によ
る分解効率が悪く、商業的実施における大きな解決を要
する障壁となっている。
従って、本発明の目的は、実用性が高く且つ溶媒性能
の優れた加工用溶媒を用いたポリテレフタル酸ジヒドラ
ジドのポリマー成形品の製造方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、下記一般式、 [R3NCH2CH2OH]・OH- (1) (式中、Rはアルキル基またはアラルキル基を表わし、
3個のRは同一でも異なっていてもよい) で表わされる第4級アンモニウムハイドロオキサイドを
含む溶液に、ポリテレフタル酸ジヒドラジドを溶解した
加工溶液を調製し、この加工溶液を酸性の凝固浴で処理
することにより紡糸または製膜を行うことを特徴とする
ポリテレフタル酸ジヒドラジド繊維及びフィルムの製造
方法が提供される。
(作 用) 上記一般式(1)で表わされる第4級アンモニウムハ
イドロオキサイドは、ポリテレフタル酸ジヒドラジドの
溶媒として用いていた有機塩基に比較して、特異的に親
和力が高いものであり、これを用いてポリテレフタル酸
ジヒドラジドを溶解せしめた後、紡糸または製膜等をす
ると、上記問題点が解決されるものである。
(発明の好適態様) 以下本発明を詳細に説明する。
ポリテレフタル酸ジヒドラジドの合成 本発明で使用するポリテレフタル酸ジヒドラジドは、
米国特許第3,130,182号、第3,130,183号及び第3,536,65
1号に記載された低温溶液重合により直接製造すること
ができる。この方法においては、テレフタル酸ジヒドラ
ジドを低温の有機極性溶媒中でテレフタル酸ジクロライ
ドと反応させる。有機極性溶媒としては、ヘキサメチレ
ンホスホルアミド(HMPA)、N−メチルピロリドン(NM
P)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素(TMU)等、或い
はこれらの混合物を挙げることができる。中でもHMPA、
NMP、DMAC或いはこれらの混合物を好ましく用いること
ができる。
低温溶液重合は、かかる有機極性溶媒中においてテレ
フタル酸ジヒドラジドの溶解性を向上させるために加え
られる塩化リチウムとテレフタル酸ジヒドラジドの均一
溶液を調製することにより達成される。この溶液に通常
は撹拌し、冷却しながらテレフタル酸ジクロライドを加
える。数分から数時間で反応混合物はゲル化する。ある
場合には、30分乃至数時間、またはそれ以上反応混合物
を撹拌するか、または放置することが望ましいことがあ
る。
重合体は適当な混合機中において、重合体の非溶媒、
例えば水を用いて反応混合物を撹拌することにより分離
することができる。
重合体を捕集し、乾燥した後、貯蔵するかまたは次い
で処理してドープにする。
第4級アンモニウムハイドロオキサイド 本発明においては、繊維またはフィルム製造用の加工
溶液調製のために、前記一般式(1)で表わされる第4
級アンモニウムハイドロオキサイドを含む溶液、特に水
溶液を用いる。
この一般式において、基Rは、メチル基、エチル基、
プロピル基等のアルキル基、或いはベンジル基等のアラ
ルキル基であり、好ましくはアルキル基であり、最も好
適にはメチル基である。3個のRがすべてメチル基であ
る前記第4級アンモニウムハイドロオキサイド、すなわ
ちトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハ
イドロオキサイドは、所謂コリンとして知られている。
前記一般式(1)で表わされる第4級アンモニウムハ
イドロオキサイドの水溶液は、エチレンオキシド及び対
応する第3級アミン、並びに純水を原料として高純度の
ものを得ることができる。
第3級アミン及びエチレンオキシドと純水との反応に
あたっては、第3級アミンのガスとエチレンオキシドガ
スとを純水に吹込んで反応させる方法、いずれか一方の
ガスを純水に溶解させた後、この溶液に他方にガスを吹
込んで反応させる方法、第3級アミンのガスを純水に溶
解させた後、液状のエチレンオキシドを滴下し反応させ
る方法等が挙げられる。
第3級アミンとしてはトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン及びトリベンジルアミンが
使用でき、トリアルキルアミン及びエチレンオキシドの
反応モル比は、トリアルキルアミン1モルに対し、エチ
レンオキシド0.5〜1.2モルであり、好ましくはトリアル
キルアミン1モルに対してエチレンオキシド0.9〜1.0モ
ルである。
反応は、撹拌し、冷却しながら行われる。反応後、減
圧下に過剰のトリアルキルアミンを除去する。これによ
り本発明に用い得るトリアルキル(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウムハイドロオキサイド水溶液を得ること
ができる。
合成された第4級アンモニウムハイドロオキサイド水
溶液は、そのままもしくは必要に応じて濃度を下げて使
用することができる。
本発明において、特に好適な第4級アンモニウムハイ
ドロオキサイド水溶液はコリン水溶液である。この水溶
液は、高い溶解力を示し且つ高温において異方性を維持
することが可能であり、このため成形品の製造において
大きな融通性を持つという理由で特に好適である。
例えば、20重量%のコリン水溶液をポリテレフタル酸
ジヒドラジド(固有粘度:ηinh=7.2)の15重量%重合
体の溶液は50〜57℃の転移温度範囲で異方性を失って等
方性となる。
加工溶液(ドープ)の調製 上記方法に従って調製されたポリテレフタル酸ジヒド
ラジドと所期の濃度に調製された第4級アンモニウムハ
イドロオキサイド溶液を混合して、安定、低粘度で且つ
成形品製造に適する濃度範囲の加工溶液(ドープ)を得
ることができる。
また、上記方法に従って調製されたポリテレフタル酸
ジヒドラジドの存在下に、第4級アンモニウムハイドロ
オキサイドを合成し、加工用溶液(ドープ)とすること
ができる。すなわち、ポリテレフタル酸ジヒドラジドと
水との懸濁液に対応する第3級アミン及びエチレンオキ
シドを溶解して、所期の濃度に調製するもので、ポリテ
レフタル酸ジヒドラジドの特性に対応させつつ適切な第
4級アンモニウムハイドロオキサイドの水溶液を得るこ
とができる。
本発明の新規加工用溶液を調製する場合、ポリテレフ
タル酸ジヒドラジドの固有粘度は少なくとも0.5dl/g、
好ましくは1〜8dl/gの範囲であり、その濃度は5〜24
重量%、特に10〜20重量%の範囲にあることが好まし
い。
また溶剤中の第4級アンモニウムハイドロオキサイド
の濃度は5〜40重量%、特に10〜30重量%の範囲にある
ことが好ましい。
ポリテレフタル酸ジヒドラジドと第4級アンモニウム
ハイドロオキサイドから成るドープはきわめて低粘度で
ある。
本発明においては、ドープ形成成分を特定の濃度範囲
で組合せた場合、このドープは光学的に異方性を持って
いる。すなわち、ある与えられたドープの顕微鏡的領域
(microscopic region)は複屈折性を有している。ドー
プ中の光学的異方性の定性的な測定は、光源検光子及び
交叉された偏光子を用いて行なうことが便利である。市
販の偏光顕微鏡は光学的異方性の定性的な測定に対して
有用である。光学的異方性についてのもう一つの定性的
な測定方法は、肉眼によって行うことができる。
異方性ドープの多くは、透明容器中で全体として観察
するときは、濁りまたは曇りがあるように見えるが実質
的に全く不溶解物を含んでいない。通常の反射光のもと
で見て、容器を傾けたり、または回転させて撹乱するか
或いは徐々に中程度の撹拌によって、撹乱するときは異
方性は、特徴的に容易に認め得る数珠状の輝きまたは光
沢を生ずるが、これは撹乱を止めた後にその強度がゆっ
くり低下する。ある種の異方性ドープにおいては色が生
ずることはないが、一方、他のものでは青っぽい色また
はある程度の混ざりあった色を有しており、後者の色は
観察者によって真珠様または乳白色光様の色があるもの
と記載されているものである。
上記のように撹乱した異方性ドープは、しばしば表面
に縞または木目を有するような外観を呈する。これらの
視覚上の効果のすべては、異方性ドープの少なくとも一
部の複屈折性または異方性と多数の小さい配列領域の不
均一な配置によるものと考えられる。
光学的に異方性の水溶液は、一般に重合体の濃度、固
有粘度、溶媒組成及び温度の一定の限界内でのみ得られ
る。相関関係を示す一例として、コリン水溶液中のポリ
テレフタル酸ジヒドラジド(ηinh=6.4)のドープの相
関関係(測定温度25℃)を第1図に示す。この第1図か
ら明らかなように、コリン水溶液濃度が42重量%以上と
なると、ポリテレフタル酸ジヒドラジドはほとんど溶解
しないことがわかる。他のドープに対するこのような関
係も慣用の繰返し実験によって容易に決定することがで
きる。
フィルム及び繊維の製造 前述した加工用溶液は、通常の湿式法によって繊維ま
たはフィルムに押出すことができる。湿式紡糸法におい
ては、室温において紡糸することができる。重合体を含
有する適当に製造したドープを、ドープ製造に使用した
溶剤に依存して、適当な凝固浴、例えば、20℃に保った
希薄な燐酸水溶液(0.5〜1.0N)中に押出す。その他有
用なる凝固剤としては、例えば20℃に保った希薄な酢酸
(0.5〜1.0N)、塩酸(0.5〜1.0N)、硫酸(0.5〜1.0
N)、メタノール/塩酸(10/1、容積/容積)が含まれ
る。
湿式紡糸法において、ドープ製造に使用する第4級ア
ンモニウムハイドロオキサイド水溶液中に金属イオンが
多く含まれる場合、ポリテレフタル酸ジヒドラジドが金
属キレートポリマーを形成し、ドープ中に析出する。こ
のためドープの紡糸口金からの押出しを困難とする。す
なわち、ドープ調製に使用する第4級アンモニウムハイ
ドロオキサイド水溶液中に金属イオンはきわめて少量で
あることが望まれる。
形成せしめた後に、繊維を仕上げロール上を通過させ
ボビンに巻取ることができる。繊維及び糸の性質を最高
度のものにするには、ボビンを水中または水と水溶性不
活性有機溶媒(例えば、アセトン、エチルアルコール、
グリセリン)の混合物中に浸漬して、残存する第4級ア
ンモニウムハイドロオキサイド及び塩または酸を除き、
次いで乾燥することによって助長することができる。残
存する溶剤及び塩の除去は、繊維または糸を工程中で水
性の浴中に通ずることにより、または糸の形成時にボビ
ンに水を吹付けることにより達成することができる。
本発明に従って調製されるドープは、光学的な異方性
領域が広く、且つ光学的異方性領域において低い粘性を
示し紡糸口金からの押出しが容易となる。
(実施例) 実施例において、測定及び試験は以下の方法により行
った。
固有粘度 固有粘度(ηinh)は下記式によって定義する。
式中、ηrelは比粘度を、Cは100ml溶媒中における0.
5gの重合体濃度をそれぞれ表わす。比粘度ηrelは、重
合体の希薄溶液及び純溶媒の粘度をB型粘度計で測定
し、重合体の希薄溶液の粘度を純溶媒の粘度で除するこ
とにより求めた。ηrelの決定のためにここで使用する
希薄溶液は、上記Cによって表わした濃度のものであ
り、粘度は溶媒として5重量%ジエチルアミン水溶液を
用いて、20℃において測定した。
ドープの粘度測定 所定の方法で調製したドープの粘度をB型粘度計を用
いて、25℃において測定した。
繊維の引張特性 強度、伸び、初期モジュラス等の繊維の性質はT/E/Mi
と略し、それらの常用の単位、すなわち、デニール当り
のグラム数、パーセント、及びデニール当りのグラム数
で記録した。デニールはDen.と略す。繊維試料は精練し
ないが、一般に特にことわりのない限りは、20℃、相対
湿度65%において少なくとも16時間状態調製した。
光学的異方性 光学的異方性は肉眼により測定した。
実施例1 ポリテレフタル酸ジヒドラジドの合成 テレフタル酸ジヒドラジド101.96g(0.525モル)及び
塩化リチウム150.0gを撹拌機及び窒素導入口を備えた鏡
面仕上げを施した10のステンレス製重合反応器で、窒
素存在下に室温にてN,N−ジメチルアセトアミド(DMA
C)3000mlに溶解させた。塩化リチウム及びテレフタル
酸ジヒドラジドを溶解後、この均一な溶液を10℃に冷却
する。テレフタル酸ジクロライド106.59g(0.525モル)
を撹拌下に一度に加えた。30分撹拌後、撹拌を停止し、
反応混合物を3時間自生温度で放置した。不透明なゼラ
チン状の反応混合物を7の純水中に移し生成物を沈殿
させ、生成物を更に7の純水で3回、7のメタノー
ルで1回洗浄した。洗浄後、生成物を空気乾燥器で24時
間乾燥し、更に真空乾燥器にて100℃で乾燥した。167.6
gのポリテレフタル酸ジヒドラジド(ηinh=7.0)を取
得した。
コリン水溶液の合成 30.3重量%トリメチルアミン水溶液216.6g(1.11モ
ル)を撹拌機及び窒素導入口、並びにエチレンオキシド
滴下口を備えた500mlのステンレス製フラスコに充填し
た。フラスコ内を窒素にて置換した後、液状のエチレン
オキシド45.0g(1.02モル)を10℃に維持しつつ、2時
間で滴下した。エチレンオキシド滴下終了後反応液を10
℃にて1時間撹拌した。真空を適用してポット温度30〜
35℃とし、過剰のトリメチルアミンを約20〜25mmHgで1
時間留去した。
コリン水溶液の収量は254.0g、濃度は48.0%であっ
た。この水溶液の鉄、ナトリウム及び塩化物は、それぞ
れ20ppb以下、20ppb以下、1.0ppm以下であった。
加工用溶液及び繊維の調製 上記により調製された10.0gのポリテレフタル酸ジヒ
ドラジドを61.9gの純水と28.1gの48.0重量%コリン水溶
液の混合によって調製した15重量%コリン水溶液と合わ
せることによって、10重量%の重合体を含有する光学的
に異方性の紡糸ドープを調製した。
通常の方法にてわずかな不溶解粒子を除いた後、この
ドープを各孔の直径が0.1mmの孔20個を有する厚さ0.6mm
のステンレス製紡糸口金を通して、圧力0.2Kg/cm2で約
1.40ml/分の速度で20℃の保持された燐酸350gと純水7
とから成る凝固浴(長さ60cm)中に押出した。原繊維
を前記の浴を通して8.79m/分の速度で引出し、11.30m/
分の速度でボビンに捕集した。次に排出したフィラメン
トンをボビンに巻取ったまま、純水が酸性を示さなくな
るまで水を換えて、この押出したフィラメントを純水に
浸した。この後ボビンに巻取ったまま空気乾燥した。乾
燥したフィラメントのT/E/Mi/Den.値は、7.9/6.4/224/
6.99であった。
本実施例により、15重量%のコリン水溶液中の重合体
は光学的に異方性のドープから、実用性あるポリテレフ
タル酸ジヒドラジド繊維の製造が例証された。
実施例2 加工用溶液及び繊維の調製 実施例1で調製したポリテレフタル酸ジヒドラジド1
5.0gを40.7gの純水と44.3gの48.0重量%コリン水溶液の
混合によって調製した25.0重量%コリン水溶液と合わせ
ることによって、15.0重量%の重合体を含有する光学的
に異方性の紡糸ドープを調製した。
通常の方法にてわずかな不溶解粒子を除いた後、この
ドープを各孔の直径が0.1mmの孔20個を有する厚さ0.6mm
のステンレス製紡糸口金を通して、圧力0.8Kg/cm2で約
0.85ml/分の速度で20℃に保持された燐酸350gと純水7
とから成る凝固浴(長さ60cm)中に押出した。原繊維
を前記の浴を通して6.28m/分の速度で引出し、7.54m/分
の速度でボビンに捕集した。次に排出したフィラメント
をボビンに巻取ったまま、純水が酸性を示さなくなるま
で水を換えて、この押出したフィラメントを純水に浸し
た。この後ボビンに巻取ったまま空気乾燥した。乾燥し
たフィラメントのT/E/Mi/Den.値は、6.9/5.9/172/12.84
であった。
本実施例により、25重量%のコリン水溶液中の重合体
の光学的に異方性のドープから、実用性あるポリテレフ
タル酸ジヒドラジド繊維の製造が例証された。
実施例3 ドープの調製及び粘度変化の測定 15.0重量%のコリン水溶液180.0gと、ポリテレフタル
酸ジヒドラジド20.0g(ηinh=7.2)より10.0重量%の
重合体を含有する光学的に異方性のドープを調製した。
このドープを17日間にわたり25℃に維持しつつ、調製
後、1日後、2日後、11日後、17日後等のドープの粘度
をB型粘度計を用いて測定温度25℃で測定した。ドープ
の粘度測定結果を第2図に示した。
本実施例により、コリン水溶液とポリテレフタル酸ジ
ヒドラジドから得られるドープの粘度変化を測定し、コ
リン水溶液とポリテレフタル酸ジヒドラジドから調製さ
れたドープが安定であることが証明された。
実施例4〜6 ドープの調製及び粘度変化の測定 コリン水溶液とポリテレフタル酸ジヒドラジドを本発
明の方法にしたがって調製し、25℃におけるドープの粘
度をB型粘度計で測定した。測定結果を第1表に示し
た。
本実施例により、コリン水溶液とポリテレフタル酸ジ
ヒドラジドから調製されるドープの粘度が低いことが証
明された。
実施例7 加工用溶液及び繊維の調製 ポリテレフタル酸ジヒドラジド(ηinh=7.2)10.0g
を90.0gの15重量%トリエチル(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウムハイドロオキサイド水溶液と合わせる
ことによって、10.0重量%の重合体を含有する光学的に
異方性の紡糸ドープを調製した。通常の方法にてわずか
な不溶解粒子を除いた後、このドープを各孔の直径が0.
08mmの孔20個を有する厚さ0.6mmのステンレス製紡糸口
金を通して、圧力0.6Kg/cm2で約0.67ml/分の速度で20℃
に保持された燐酸350gと純水7とから成る凝固浴(長
さ60cm)中に押出した。原繊維を前記の浴を通して7.54
m/分の速度で引出し、8.79m/分の速度でボビンに捕集し
た。次に排出したフィラメントをボビンに巻取ったま
ま、純水が酸性を示さなくなるまで水を換えて、この押
出したフィラメントを純水に浸した。この後ボビンに巻
取ったまま空気乾燥した。乾燥したフィラメントのT/E/
Mi/Den.値は、10.1/6.2/224/4.77であった。
実施例1のコリン水溶液に代えてトリエチル(2−ヒ
ドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド水溶
液を使用した光学的に異方性のドープにおいても、実用
性に優れたポリテレフタル酸ジヒドラジド繊維の製造が
例証された。
比較例1 光学的に異方性の領域の測定 テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液
中のポリテレフタル酸ジヒドラジド(ηinh=7.2)の相
関関係(測定温度25℃)を第3図に示す。
この第3図よりテトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド水溶液濃度が25重量%以上になると、ポリテレ
フタル酸ジヒドラジドはほとんど溶解しないことがわか
る。
この関係は慣用の繰返し実験により容易に決定するこ
とができる。
この比較例により、テトラメチルアンモニウムハイド
ロオキサイド水溶液とポリテレフタル酸ジヒドラジドか
ら得られるドープの光学的に異方性の領域が例証され、
これを第1図と比較することにより、コリン水溶液とポ
リテレフタル酸ジヒドラジドから調製されるドープが広
い光学的に異方性の領域を持っていることがわかる。
比較例2〜4 ドープの調製及び粘度変化の測定 テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液
とポリテレフタル酸ジヒドラジドを本発明の方法に従っ
て調製し、25℃におけるドープの粘度をB型粘度計にて
測定した。測定値を第2表に示す。
この比較例は、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド水溶液とポリテレフタル酸ジヒドラジドから調
製されるドープの粘度を例証し、実施例4〜6との比較
によりコリン水溶液とポリテレフタル酸ジヒドラジドに
より調製されるドープの粘度が低いことがわかる。
比較例5 ドープの調製及び粘度変化の測定 15.0重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド水溶液180.0gと、ポリテレフタル酸ジヒドラジド
(ηinh=7.2)20.0gから10重量%の重合体を含有する
光学的に異方性のドープを調製する。このドープを17日
間にわたり25℃に維持しつつ、ドープ調製後、1日後、
2日後、11日後、17日後等のドープの粘度をB型粘度計
にて測定した。ドープの粘度測定結果を第2図に示す。
この比較例によりテトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド水溶液とポリテレフタル酸ジヒドラジドから
調製されるドープの粘度変化を例証し、実施例3との比
較からコリン水溶液とポリテレフタル酸ジヒドラジドか
ら調製されるドープが安定であることがわかる。
(発明の効果) 本発明によれば、ポリテレフタル酸ジヒドラジドを紡
糸または製膜するにあたり、前記一般式(1)で表わさ
れる化合物を含む溶液を使用することにより、実用性が
高く且つ溶媒性能の優れた加工用溶媒を用いたポリテレ
フタル酸ジヒドラジドのポリマー成形品の製造方法が提
供される。更に、本発明により得られたポリマー成形品
は、高性能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、コリン水溶液中のポリテレフタル酸ジヒドラ
ジド(ηinh=6.4)のドープの相関関係を示す図であ
り、 第2図は、ドープの粘度の測定結果を示す図であり、 第3図は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド水溶液中のポリテレフタル酸ジヒドラジド(ηinh
7.2)の相関関係を示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式、 [R3NCH2CH2OH]・OH- (式中、Rはアルキル基またはアラルキル基を表わし、
    3個のRは同一でも異なっていてもよい) で表わされる第4級アンモニウムハイドロオキサイドを
    含む溶液に、ポリテレフタル酸ジヒドラジドを溶解した
    加工溶液を調製し、この加工溶液を酸性の凝固浴で処理
    することにより紡糸を行うことを特徴とするポリテレフ
    タル酸ジヒドラジド繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】第4級アンモニウムハイドロオキサイドを
    含む溶液が水溶液であることを特徴とする請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記加工溶液は、前記第4級アンモニウム
    ハイドロオキサイドに対応する第3級アミン及びエチレ
    ンオキシドを、ポリテレフタル酸ジヒドラジドの水懸濁
    液に溶解させることにより調製される請求項1記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】ポリテレフタル酸ジヒドラジドの重合工程
    から塩酸を、ポリテレフタル酸ジヒドラジドの紡糸工程
    からのコリンで中和し、生ずる有機塩基の塩化コリンを
    分離することを特徴とするポリテレフタル酸ジヒドラジ
    ド繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】下記一般式、 [R3NCH2CH2OH]・OH- (式中、Rはアルキル基またはアラルキル基を表わし、
    3個のRは同一でも異なっていてもよい) で表わされる第4級アンモニウムハイドロオキサイドを
    含む溶液に、ポリテレフタル酸ジヒドラジドを溶解した
    加工溶液を調製し、この加工溶液を酸性の凝固浴で処理
    することにより製膜を行うことを特徴とするポリテレフ
    タル酸ジヒドラジドフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】第4級アンモニウムハイドロオキサイドを
    含む溶液が水溶液であることを特徴とする請求項5記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】前記加工溶液は、前記第4級アンモニウム
    ハイドロオキサイドに対応する第3級アミン及びエチレ
    ンオキシドを、ポリテレフタル酸ジヒドラジドの水懸濁
    液に溶解させることにより調製される請求項5記載の製
    造方法。
  8. 【請求項8】ポリテレフタル酸ジヒドラジドの重合工程
    からの塩酸を、ポリテレフタル酸ジヒドラジドの製膜工
    程からのコリンで中和し、生ずる有機塩基の塩化コリン
    を分離することを特徴とするポリテレフタル酸ジヒドラ
    ジドフィルムの製造方法。
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