JPH08193568A - 水力機械のランナ及びその製造方法 - Google Patents

水力機械のランナ及びその製造方法

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JPH08193568A
JPH08193568A JP7003768A JP376895A JPH08193568A JP H08193568 A JPH08193568 A JP H08193568A JP 7003768 A JP7003768 A JP 7003768A JP 376895 A JP376895 A JP 376895A JP H08193568 A JPH08193568 A JP H08193568A
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runner
hard coating
coating
blade
hydraulic machine
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JP7003768A
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Kiyoto Tani
清人 谷
Ryoji Okada
亮二 岡田
Kazuo Niikura
和夫 新倉
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Hitachi Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Hydraulic Turbines (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、耐摩耗性と耐壞食性をよくし
て寿命を長くした水力機械のランナ及びその製造方法を
提供することにある。 【構成】水力機械のランナにおいてクラウン2,シュラ
ウド3,羽根4の表面の少なくとも一部にクロム炭化
物,タングステン炭化物,チタン炭化物,クロム酸化
物,アルミ酸化物の少なくとも1種類以上のセラミック
スとNi,Cr,Coのうち少なくとも1種類以上の金
属を含む材料からなる硬質被膜を被覆し、硬質被膜形成
後350℃以上で650℃を越えない範囲の温度で、少
なくとも1時間以上加熱することにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性と耐壊食性に
優れた水力機械のランナに関する。
【0002】
【従来の技術】流路を流れる流体を動作流体としている
水力機械には、例えば、水の位置エネルギーを動力源と
して回転するランナを備えた発電用水車,ランナの回転
により流体に運動エネルギーを与えるポンプなどがあ
る。近年、流体機械は条件の悪い場所に使用され、流体
中に固形物、例えば土砂などを含む条件下での使用が増
加してきている。
【0003】このような条件下で運転される水力機械の
ランナにおいては、固形物の衝突による摩耗(以下土砂
摩耗という)、土砂摩耗とキャビテーション壊食とが複
合した損傷が発生する。そのため、損傷発生部にゴム等
の樹脂,高硬度材料,セラミックスなどのライニングあ
るいは溶射が行われている。例えば特開平3−47477号公
報に開示されている。
【0004】また水力機械のランナの製作方法の一つと
して溶接により組み立てる方法がある。これはランナと
しての機械的強度を高めるために、SUS系材料を溶接
により組み合わせるものである。例えば、水車ランナの
場合には、羽根,クラウン,シュラウド若しくはバンド
をSUS系材料で別々に形状を作り、溶接によりランナ
に成形するものである。この時、ランナに成形後、必要
に応じ溶接時の残留応力緩和のため加熱処理が施され
る。この技術として特開平2−140465 号公報を挙げるこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の水力機械のラン
ナは、比較的硬いとされるものでも含Ni−13Cr鋼
で作られているにすぎず、流体中に土砂などの固形物を
含む流路において使用される場合には、ランナの羽根入
口および羽根出口、あるいはシール部に土砂摩耗が発生
する。これは土砂に含まれる例えば石英のような高硬度
の鉱物がランナの表面に衝突し、より軟らかいランナ側
が摩耗されることによるものである。
【0006】また、流れの中の低圧部に発生するキャビ
テーション気泡が高圧部で崩壊するときの衝撃圧によ
り、ランナ表面に壊食が生じる。更に、流体中に土砂な
どの固形物を含む場合には土砂摩耗とキャビテーション
による壊食が複合した損傷も発生し、ランナの寿命が短
い欠点があった。即ち、このようなランナの土砂摩耗お
よび損傷により、水力機械の性能低下,寿命の低下など
の問題が発生する。
【0007】本発明の目的は、耐摩耗性と耐壊食性を良
くしてランナの寿命を長くした水力機械のランナを提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、耐摩耗性と耐壊食性
に優れた水力機械のランナを安価に製造する製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
ランナの構造、及びその製造方法として以下の手段を用
いる。
【0010】ランナは、その表面の一部にクロム炭化
物,タングステン炭化物,チタン炭化物,クロム酸化
物,アルミ酸化物のうち少なくとも1種類以上のセラミ
ックスとNi,Cr,Coのうち少なくとも1種類以上
の金属を含む材料からなるビッカース硬度が1000以
上の硬質被膜を被覆した構造とする。
【0011】ランナの製造方法として、ランナの表面の
一部にクロム炭化物,タングステン炭化物,チタン炭化
物,クロム酸化物,アルミ酸化物のうち少なくとも1種
類以上のセラミックスとNi,Cr,Coのうち少なく
とも1種類以上の金属を含む材料からなる硬質被膜を溶
射法によって硬質被膜を被覆し、硬質被膜形成後350
℃以上で650℃を超えない範囲の温度で、少なくとも
1時間以上加熱処理を行う。
【0012】ランナの製造方法として、クラウンとシュ
ラウド若しくはバンド,羽根の表面の少なくとも一部に
クロム炭化物,タングステン炭化物,チタン炭化物,ク
ロム酸化物,アルミ酸化物のうち少なくとも1種類以上
のセラミックスとNi,Cr,Coのうち少なくとも1
種類以上の金属を含む材料からなる硬質被膜を溶射法に
よって硬質被膜を被覆し、その後クラウンとシュラウド
若しくはバンドとの間に羽根を溶接してランナを形成
し、更にその後、ランナ表面の一部にセラミックスと金
属を含む材料からなる硬質被膜を溶射法によって被覆
し、その後350℃以上で650℃を超えない範囲の温
度で、少なくとも1時間以上の加熱処理を行う。
【0013】
【作用】土砂に含有する石英がランナ表面の硬質被膜に
衝突しても、硬質被膜が土砂摩耗に対して摩耗しにくく
なり、耐摩耗性が大幅に向上し、ランナの寿命が著しく
向上した。
【0014】ビッカース硬度が1000以上の被膜とし
て、クロム炭化物,タングステン炭化物,チタン炭化
物,クロム酸化物,アルミ酸化物など耐食性に優れたセ
ラミックスとNi,Cr,Coなど耐食性に優れた金属
からなる硬質被膜を用いることによって、耐摩耗性の他
に優れた耐食性を得ることができる。
【0015】ビッカース硬度が1000以上の硬質被膜
の製造方法として、溶射法を用いることによって、めっ
き,CVD,PVDなどでは得ることのできない組成,
厚い被膜を被覆することができる。更に、大気中の処理
のため大面積の処理が可能となり、CVD,PVDと比
較してコストの低減となる。
【0016】溶射によって硬質被膜形成後、350℃以
上で650℃を越えない範囲の温度で少なくとも1時間
以上の加熱処理を行うことで、硬質被膜内部でクロム炭
化物,タングステン炭化物,チタン炭化物,クロム酸化
物,アルミ酸化物などのセラミックスとNi,Cr,C
oなどの金属との結合力が増し、硬質被膜の硬さと基盤
との密着力が増す。
【0017】クラウンとシュラウド若しくはバンド,羽
根の状態で表面の一部にセラミックスと金属を含む硬質
被膜を溶射によって被覆するため、溶射処理が容易とな
り、施工時間が短縮し、更に溶射粉末の歩留まりが増
し、製造効率が増す。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図5に
より説明する。
【0019】図1は本発明の一実施例であるフランシス
水車ランナ1の構造を示す縦概斜視図である。フランシ
ス水車ランナ1はクラウン2とシュラウド3(バンドと
も称する場合もあるが、本発明ではシュラウドと称す
る)とが羽根4によって接続された構造となっている。
羽根4を構成する母材6は13%Cr−5%Niを含む
ステンレス材を用いている。
【0020】この実施例では、クラウン2,シュラウド
3,羽根4の表面の一部にCr2−25%NiCr
被膜の硬質被膜5を被覆している。図2,図3に示す羽
根4の表面の一部例えば水流が入出する羽根4の羽根入
口端及び羽根出口端にCr32−25%NiCr被膜の
硬質被膜5を施した一例を示す。つまりCr32−25
%NiCrの硬質被膜5は、土砂粒子の衝突によって土
砂摩耗の発生が予想されるところを中心に被覆してい
る。図4に示した硬質被膜5の厚さは本実施例では約
0.2mm としている。
【0021】この実施例では被膜としてCr32−25
%NiCr被膜を用いたが、土砂摩耗に対する耐摩耗性
を改善するためには、土砂粒子である石英,長石以上の
硬さを有し、かつ耐食性に優れる被膜であればよく、C
32−25%NiCrの組成に限定するものではな
い。各種検討した結果、Cr32−20〜50%NiC
r,WC−20〜50%NiCr,WC−10〜30%
Co,TiC−40〜60%NiCr,Cr23−1〜
10%NiCr,Al23−1〜10%NiCrであっ
ても同様の耐摩耗性と耐食性が得られる。ただし、石英
粒子の多い水中で使用する場合は、より高い被膜硬さを
要求されるためCr32−20〜50%NiCr,WC
−20〜50%NiCr,WC−10〜30%Coが望
ましい。また、更に使用する水のCl濃度が高い、若し
くは腐食性が高い場合には、耐食性の点からCoの使用
は困難であり、Cr32−20〜50%NiCrとWC
−20〜50%NiCrが望ましい。
【0022】また、本実施例では硬質膜厚5は約0.2m
m としているが、本発明はこの膜厚に限定するものでは
ない。硬質膜厚は土砂濃度,流速等の使用環境と許容摩
耗量,材質の摩耗率とによって適宜決定すればよい。
【0023】次に、本発明のフランシス水車ランナ1の
製造方法をを図2ないし図5により説明する。
【0024】図2のクラウン2を下側にシュラウド3を
上側に図示していない治具により支持した状態で、クラ
ウン2とシュラウド3との間に複数の羽根4を所定間隔
に配置し、羽根4の両端とクラウン2及びシュラウド3
との間を溶接によって一体に連結し、図1に示すフラン
シス水車ランナ1を完成する。
【0025】フランシス水車ランナ1は図2,図3に示
す羽根4の表面の一部例えば水流が入出する羽根4の羽
根入口端及び羽根出口端付近にCr32−25%NiC
r被膜の硬質被膜5を施した。つまりCr32−25%
NiCr被膜は、土砂粒子の衝突によって土砂摩耗の発
生が予想されるところの中心に被覆しているが、全面に
硬質被膜5を施してもよい。また硬質被膜5を施す羽根
4の表面の入口端及び出口端付近はサンドブレスト処理
で表面に微細な凹凸を形成してあれば、硬質被膜を強く
被覆できる。
【0026】硬質被膜形成後のフランシス水車ランナ1
0を約500℃で約10時間加熱する。この加熱によっ
て、溶接時の残留応力が除去され、残留応力によるラン
ナ10の強度低下を防ぐことができる。またCr32
25%NiCr硬質被膜は溶射法によって形成するた
め、硬質被膜内部に微細な欠陥と残留応力が存在する。
本発明の加熱によって、硬質被膜内部に微細な欠陥が減
少し、Cr32粒子とNiCrとの密着力が増加する。
その結果、硬質被膜5の硬さが増し、ビッカース硬さ表
示で約1000に達する。また硬質被膜内部の残留応力
が除去されるために、粒子の衝突に対する硬質被膜の強
度が増し、母材との密着力も増加する。以上のような硬
質被膜の硬さ増加と残留応力の除去によって、Cr32
−25%NiCr被膜の対土砂水に対する耐摩耗性が増
し、フランシス水車ランナ1の寿命が著しく向上をす
る。
【0027】図6に加熱処理によるWC−27%NiC
r溶射による硬質被膜5の強度変化を測定した結果の一
例を示す。試験片は80mm×10mm,厚み3mmのSUS403
板に、高速フレーム溶射法を用いて400℃に加熱し、
加熱時間による硬質被膜5の強度変化を3点曲げ試験を
用いて測定した結果である。横軸は加熱時間を示し、縦
軸の強度は、被膜が破断して押し込み荷重が急激に低下
した時点の荷重から算出した破断応力値を示す。
【0028】5時間の加熱によって、一度強度が低下す
るのは、圧縮と考えられる残留歪が除去されるために、
未処理の被膜より見かけ上強度が低下したと考えられ
る。引っ張りである3点曲げ試験では、残留歪は強度向
上に働くが、その他の場合では必ずしも強度向上に働く
とは限らず、上記のごとく耐衝撃性を低下させる等の悪
影響が大きい。加熱時間が約20時間に達すると、未処
理状態の強度を上回る。しかし、未処理とほぼ同等の強
度となる20時間加熱の被膜は、残留歪がなくかつ強度
が高いため、ランナ使用状態では未処理状態に比較しは
るかに高い強度を示している。
【0029】図7に加熱処理によるWC−27%NiC
r溶射による硬質被膜5の硬さ変化を測定した結果の一
例を示す。試験片は50mm×50mm,厚み5mmのSUS403
板に、高速フレーム溶射法を用いて約0.2mm の厚さの
硬質被膜5を片面に被覆したものである。各試験片を5
00℃に加熱し、加熱時間によるWC−27%NiCr溶
射膜の硬さ変化を、マイクロビッカース計を用いて被膜
断面で測定した結果である。横軸は対数軸で加熱時間を
示し、縦軸はビッカース硬さを示す。表示する〇は30
0gの荷重で測定した約20点のビッカース硬度の平均
値であり、線の範囲は最大値と最小値を示す。図7に示
すように約5時間でビッカース硬さ約1100に達し、
その後一定化する。従って、硬質被膜5を500℃で加
熱する場合、5時間以上は必要とする。
【0030】本実施例では加熱処理条件として500℃
で約10時間を用いたが、本発明はこの条件に限定する
ものではない。Cr32−25%NiCr,Cr32
20〜50%NiCr,WC−20〜50%NiCr,
WC−10〜30%Co,TiC−40〜60%NiC
r,Cr23−1〜10%NiCr,Al23−1〜1
0%NiCr組成の被膜の熱膨張率は金属材料に比較し
小さく、加熱によって母材との熱膨張率差から歪が生じ
る。上記被膜材料の熱膨張率と、ランナとなりうるステ
ンレス材との熱膨張率を考慮すると、加熱によって被膜
の破壊が起きない限界は約700℃である。しかし、加
熱炉内部の温度分布などを考慮すると実用上650℃が
上限である。
【0031】加熱によって溶接時の残留応力の除去,被
膜の硬さ増加,残留応力の除去等の効果が生じる温度限
界は、各種検討によれば350℃以上である。しかしな
がら、低温であればあるほど長時間の加熱を必要とす
る。工業上、400℃以上が実用範囲である。
【0032】また本実施例では溶射法として高速フレー
ム溶射法を用いたが、本発明は高速フレーム溶射に限定
することはなく、爆発溶射法,プラズマ溶射法,減圧溶
射法であってもよい。しかし水中で使用する被膜のた
め、被膜欠陥が少ないことが望ましく、高速フレーム溶
射法,減圧溶射法が本発明には向いている。
【0033】図8に本発明の別の実施例であるフランシ
ス水車ランナ1の施工工程の一例を示す。図8は図5と
異なりクラウン2,シュラウド3,羽根4の各単体にサ
ンドブレスト処理で表面に微細な凹凸を形成し、凹凸表
面に高速フレーム溶射法を用いてCr32−25%Ni
Cr等の硬質被膜5を被覆する。ただし、被覆に際し
て、クラウン2,シュラウド3,羽根4の溶接部分に
は、遮蔽板,シール等によって被膜を被覆しないように
する。
【0034】硬質被膜5を被覆した羽根4は、図2に示
すようにクラウン2を下側にシュラウド3を上側に図示
していない治具により支持した状態で、クラウン2とシ
ュラウド3との間に複数の羽根4を所定間隔に配置し、
羽根4の両端とクラウン2及びシュラウド3との間を溶
接によって一体に連結し、図1に示すフランシス水車ラ
ンナ1を完成する。この図8の製造方法によれば、ラン
ナにおける被覆必要部分はすべて、Cr32−25%N
iCrの硬質被膜5を被覆することができる。その後、
ランナを500℃で約10時間加熱する。本加熱によっ
て溶接時の残留応力の除去,被膜の硬さ増加,残留応力
の除去等が生じる機構は前記と同様である。その後は図
5と同じ工程により高硬度ランナ1を完成する。
【0035】この製造方法ではクラウンとシュラウド若
しくはバンド,羽根の状態で表面の一部にセラミックス
と金属を含む硬質被膜5を予め溶射によって被覆するた
め、溶射処理が容易となり、施工時間が短縮し、更に溶
射粉末の歩留まりが増し、製造効率が増すことができる
ようになった。
【0036】尚、クラウン2,シュラウド3,羽根4を
溶接によって連結し、ランナ形状としたのち、Cr32
−25%NiCr被膜の被覆されていない溶接箇所をCr
32−25%NiCrで被覆するか、若しくは、加熱処
理後に樹脂で被覆すると一層信頼性を増すことができ
る。
【0037】本発明の実施例を、フランシス水車ランナ
について説明したが、本発明は他の水力機械のランナ例
えばペルトン,可動翼水車等についても適用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明の水力機械のランナは、耐摩耗性
と耐壊食性に優れるので、動作流体の中に土砂などの固
形物を含む条件下で使用される場合でも、土砂摩耗,キ
ャビテーション壊食、およびそれらが複合した損傷がほ
とんど発生しない。すなわち、摩耗,損傷による形状変
化に起因する性能劣化がなく、従来のランナに比べラン
ナの寿命が著しく延長することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として示したフランシス水車ラ
ンナの構造を示す斜視図である。
【図2】図1を縦断面した断面図である。
【図3】図1及び図2に実施したフランシス水車ランナ
の羽根の硬質被膜を被覆した一例を示す概略図である。
【図4】図3の一部を断面した断面図である。
【図5】本発明のフランシス水車のランナの製造工程を
示すフロー図である。
【図6】加熱処理による硬質被膜の強度変化を測定した
特性図である。
【図7】加熱処理による硬質被膜の硬さ変化を測定した
特性図である。
【図8】本発明のフランシス水車のランナの別の製造工
程を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…フランシス水車ランナ、2…クラウン、3…シュラ
ウド、4…羽根、5…硬質被膜、6…母材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水力機械のランナにおいて、少なくともラ
    ンナ表面の一部にビッカース硬度が1000以上の硬質
    被膜を被覆したことを特徴とする水力機械のランナ。
  2. 【請求項2】水力機械のランナの製造方法において、ク
    ラウンとシュラウド若しくはバンド,羽根等の各部品表
    面の少なくとも一部にセラミックスと金属を含む材料か
    ら成る硬質被膜を被覆した後、各部品を溶接してランナ
    を形成するか、 又は各部品を溶接してランナを形成後、各部品表面の少
    なくとも一部に上記硬質被膜を被覆した後、 ランナを350℃以上で650℃を越えない範囲の温度
    で、少なくとも1時間以上加熱することを特徴とする水
    力機械のランナの製造方法。
  3. 【請求項3】上記硬質被膜は、クロム炭化物,タングス
    テン炭化物,チタン炭化物,クロム酸化物,アルミ酸化
    物の少なくとも1種類以上のセラミックスとNi,C
    r,Coのうち少なくとも1種類以上の金属を含む材料
    から成ることを特徴とする請求項1又は2記載の水力機
    械のランナ及びその製造方法。
  4. 【請求項4】上記羽根の羽根入口及び羽根出口に硬質被
    膜を設けることを特徴とする請求項1,2,3のいずれ
    か1項記載の水力機械のランナ及びその製造方法。
  5. 【請求項5】上記セラミックスと金属を含む材料から成
    る硬質被膜を溶射法によって形成することを特徴とする
    請求項1,2,3,4のいずれか1項記載の水力機械の
    ランナ及びその製造方法。
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