JPH08193342A

JPH08193342A - 浄水システム

Info

Publication number: JPH08193342A
Application number: JP643295A
Authority: JP
Inventors: Yoshinori Chiku; 義則知久; Takeshi Fukumori; 健福森
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1995-01-19
Filing date: 1995-01-19
Publication date: 1996-07-30

Abstract

(57)【要約】【目的】１つの浄水器で集中的に浄水を供給するとき
に、細菌の繁殖を防止することができる浄水システムを
提供する。【構成】水道管１から供給される水を分岐管４に分岐
し、水に含まれる殺菌剤を除いて浄水を生成する処理を
少なくとも行う浄水器５０を、分岐管４に設置した浄水
システムにおいて、浄水器５０内で浄水が接触する面、
および浄水器５０からの浄水が流れる分岐管４の配管４
Ｄの内面を、抗菌剤を含む樹脂でコーティングした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、住宅等に供給される
水から不純物を除いて、使用者に浄水を供給する浄水シ
ステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】水道管からの水（以下、水道水と記す）
には、有機物や殺菌剤として塩素などの不純物が含まれ
る。水道水に含まれる殺菌剤の量が多いと、水に臭いが
付くことがあり、このような水道水は、飲料用として不
適当である。また、トリハロメタンなどの有機物は、人
体に有害である。そこで、使用者は、浄水器を用いて、
水道水から不純物を除き、浄水を生成する。そして、こ
の浄水を飲料水や、料理用、洗顔用、風呂用の水として
用いる。

【０００３】しかし、住宅内に蛇口などのような、水道
水の吐出口が複数ある場合、浄水を必要とする吐出口
に、浄水器をそれぞれ設置していたのでは、浄水器の維
持費が高くなり、利用者に負担となる。そこで、各吐出
口に対する浄水器の設置を不要にしたシステムがある。
このシステムでは、住宅等の水道管に分岐配管を接続す
る。この分岐管の途中に、水道水から不純物を除く浄水
器を設置する。さらに、浄水器による圧力損出を補うポ
ンプ装置を、分岐管に設置する。

【０００４】このシステムにより、飲料用や料理用の浄
水が、トイレの洗浄用や洗濯用などの水（以下、中水と
記す）と別に供給される。また、１つの浄水器で集中的
に水道水から不純物を除くので、浄水器の維持費が安く
なる。このようなシステムは、特開平５−１５６６７０
号公報に示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、浄水器を用
いると、有機物と共に殺菌剤が水道水から除かれる。こ
のために、先に述べたシステムでは、浄水器から分岐管
の出口までの間に、浄水が長時間、溜められた状態が発
生すると、浄水が接触する部分には、浄水に含まれる細
菌が繁殖しやすくなる。特に、夏には、この傾向が強く
なる。細菌が繁殖すると、水道水から不純物を除いたに
もかかわらず、細菌が浄水に混合し、飲料用に適さない
水を利用者に供給することになる。

【０００６】この発明の目的は、このような欠点を除
き、１つの浄水器で集中的に浄水を供給するときに、細
菌の繁殖を防止することができる浄水システムを提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、その目的を
達成するため、水道管から供給される水を分岐管に分岐
し、水に含まれる殺菌剤を除いて浄水を生成する処理を
少なくとも行う浄水器を、分岐管に設置した浄水システ
ムにおいて、浄水器内で浄水が接触する面、および浄水
器からの浄水が流れる分岐管の内面を、抗菌剤を含む樹
脂でコーティングしたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】この発明は、水道管から住宅等に供給される水
を分岐管に分岐し、この分岐管に浄水器を設置したシス
テムに適用される。

【０００９】このシステムでは、浄水器内で水が接触す
る部分、および浄水器からの浄水が流れる分岐管の内面
を、抗菌剤を含む樹脂でコーティングする。これによ
り、殺菌剤が除かれた浄水が、少ない使用頻度のため
に、浄水器から分岐管の間に長時間、溜められても、抗
菌剤を含む樹脂でコーティングされているので、浄水器
や分岐管に細菌が繁殖することを防止することができ
る。

【００１０】

【実施例】次に、この発明の実施例を、図面を用いて説
明する。

【００１１】図１は、この発明の一実施例を示す基本構
成図である。この浄水システムは、水道管１に接続され
た配水管２を備える。住宅１００内の配水管２には、吐
出口として蛇口３Ａ，３Ｂが接続され、この蛇口３Ａ，
３Ｂから、水道管１の水道水が中水として住宅１００に
供給される。

【００１２】配水管２には、配管４Ａの一端が接続さ
れ、配管４Ａの他端には、ポンプ装置１０が接続されて
いる。ポンプ装置１０の吐出口１０Ａには、配管４Ｂの
一端が接続され、配管４Ｂの他端には、逆止弁２０が接
続されている。逆止弁２０には、配管４Ｃの一端が接続
され、配管４Ｃの他端には、浄水器５０の給水管５４Ａ
が接続されている。浄水器５０の吐出管５４Ｂには、配
管４Ｄの一端が接続され、配管４Ｄの他端側は、住宅１
００内に布設され、吐出口として蛇口４Ｅ，４Ｆを備え
る。これらの配管４Ａ〜４Ｄが分岐管４を構成する。

【００１３】また、配管４Ｃには、圧力タンク３０と圧
力スイッチ４０とが接続されている。

【００１４】ポンプ装置１０は、浄水器５０を設置した
ために発生する圧力不足を補う。逆止弁２０は、ポンプ
装置１０の吐出口１０Ａから排出される水道水の逆流を
防ぐ。圧力タンク３０は、ポンプ装置１０により圧力が
加えられた水道水を一時的に蓄えて、常時、圧力が加え
られた水道水を浄水器５０に供給する。圧力スイッチ４
０は、配管４Ｃの水道水の水圧を検出する。そして、検
出した水圧が、あらかじめ設定された値より低くなる
と、圧力スイッチ４０は、ポンプ装置１０を作動させ
る。

【００１５】浄水器５０は、水道水から塩素や有機物を
除く。この浄水器５０を図２に示す。浄水器５０は、円
筒状の円筒部５１を備える。円筒部５１は、下側に底部
５２を備え、上側にＯ−リング５３を介して上蓋部５４
を備える。これらの円筒部５１、底部５２および上蓋部
５４により、浄水器５０のハウジングが構成される。

【００１６】浄水器５０の上蓋部５４には、給水管５４
Ａと吐出管５４Ｂとが設けられている。給水管５４Ａと
吐出管５４Ｂには、配管４Ｃ，４Ｄがそれぞれ接続され
ている。

【００１７】吐出管５４Ｂの端は、円筒部５１の内側に
突出している。吐出管５４Ｂの端には、水道水から塩素
や有機物を除くためのフィルタ部５５が取り付けられて
いる。フィルタ部５５としては、たとえば、活性炭と中
空糸膜を用いたものや、活性炭と不織布を用いたものな
どがある。

【００１８】浄水器５０内では、給水管５４Ａから浄水
器５０内に流れ込んだ水道水は、点線１１１，１１２に
示すように、フィルタ部５５に流れる。そして、水道水
から塩素や有機物を除かれて生成された浄水は、吐出管
５４Ｂから配管４Ｄに流れる。

【００１９】浄水器５０で、殺菌剤としての塩素が除か
れると、浄水に含まれる細菌が繁殖しやすくなる。特
に、夏場の夜間などに、浄水が長時間、使用されない
と、浄水が浄水器５０の吐出管５４Ｂと、分岐管４の配
管４Ｄとの中に留まり、細菌が吐出管５４Ｂや配管４Ｄ
の内面側に繁殖しやすい状態となる。

【００２０】そこで、細菌の繁殖を防ぐため、浄水器５
０の吐出管５４Ｂおよび配管４Ｄの内面側を、銀を混入
した樹脂でコーティングする。銀は、細菌に対する抗菌
剤であり、銀を含む樹脂のコーティングにより、浄水器
５０の吐出管５４Ｂおよび配管４Ｄの内面側が抗菌作用
をもつ。これにより、細菌の繁殖が防止される。

【００２１】さらに、浄水が長時間、吐出管５４Ｂや配
管４Ｄ内に蓄えられていると、浄水がフィルタ部５５を
少しずつ逆流し、浄水器５０のハウジング内の水道水と
混合する可能性がある。この場合の細菌の繁殖を防ぐた
めに、水道水が接触する浄水器５０の各面を、銀が混入
する樹脂で同様にコーティングする。

【００２２】つまり、円筒部５１、底部５２および上蓋
部５４の内側の各面５１Ａ，５２Ａ，５４Ａと、フィル
タ部５５のハウジングの外側の面５５Ａと、浄水器５０
内に在る吐出管５４Ｂの外側の面５４Ｃとをコーティン
グする。また、フィルタ部５５のハウジングの内側の面
（図示を省略）をコーティングする。さらに、浄水を吐
出する蛇口４Ｅ，４Ｆの内側の面をコーティングする。

【００２３】このように、浄水が流れる流路である上水
系配管のコーティングにより、浄水が長時間、使用され
なくても、浄水に含まれる細菌の繁殖を防ぐことができ
る。この結果、細菌に汚染されていない浄水を、分岐管
４の蛇口４Ｅ，４Ｆから利用者に供給することができ
る。

【００２４】

【発明の効果】以上、説明したように、この発明は、浄
水器内で水が接触する部分を、抗菌剤を含む樹脂でコー
ティングをする。また、浄水器からの浄水が流れる分岐
管の内面を、同じく抗菌剤を含む樹脂でコーティングを
する。

【００２５】この結果、浄水器により殺菌剤が除かれた
浄水が、少ない使用頻度のために、浄水器から分岐管の
間に長時間、溜められても、抗菌剤を含む樹脂でコーテ
ィングされているので、細菌が浄水器や分岐管で繁殖す
ることを防止することができる。これにより、細菌が浄
水に混合することがないので、細菌で汚染されていない
浄水を、常に供給することができる。

【００２６】なお、この実施例では抗菌剤として銀を用
いたが、特にこれに限定されない。例えば、食品の保存
料や包装材として用いられる無機化合物や有機化合物の
抗菌剤がある。無機化合物の抗菌剤としては、銀ゼオラ
イト、銀イオン交換リン酸カルシウムなどがあり、有機
化合物の抗菌剤としては、ソルビン酸系、イミダゾール
系の殺菌剤などがある。

【００２７】さらに、この他にも、天然の抗菌剤とし
て、ヒノキチオールやキトサンなどを用いることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す基本構成図である。

【図２】浄水器の一例を示す断面図である。

【符号の説明】

１水道管４分岐管４Ｄ配管５０浄水器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水道管から供給される水を分岐管に分岐
し、水に含まれる殺菌剤を除いて浄水を生成する処理を
少なくとも行う浄水器を、分岐管に設置した浄水システ
ムにおいて、浄水器内で浄水が接触する面、および浄水器からの浄水
が流れる分岐管の内面を、抗菌剤を含む樹脂でコーティ
ングしたことを特徴とする浄水システム。