JPH0818657B2 - 垂直ベルトコンベア装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、石炭、鉱石等のばら物又は粉粒体を垂直に
搬送するベルトコンベア装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の垂直ベルトコンベア装置は、ほぼ垂直に上昇す
る２枚合せのコンベアベルトの間にばら物を挟みつけて
一定速度で上方に搬送し、所定方向に向つて固定した上
端の排出口より上記コンベアベルトで搬送したばら物を
排出するように構成されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

この従来の垂直ベルトコンベア装置では、上端の排出
口が所定方向に向つて固定されているので、２種類以上
のばら物を選択的に排出することができない。敢てこれ
を可能にしようとすると、排出口に対峙する２種類以上
の受入側コンベアベルト又はサイロとの間に、排出方向
を選択するための切換弁内蔵の分岐シユートとホツパー
を設け、垂直ベルトコンベアの排出口からばら物を一旦
このホツパーに落し、切換弁によつて分岐シユートを所
望の受入側コンベアベルト又はサイロと連通するように
切換えて、ホツパーに落したばら物を分岐シユートを通
して所望の受入側に排出させる装置を設置する必要があ
り、その上垂直ベルトコンベアの排出口をホツパーの上
方に位置させるため、垂直ベルトの高さをさらに高くし
なければならず、全体として嵩高となり、構成が複雑と
なる上、製作費が高価となる欠点がある。

そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑み、これを
解決すべくなされたものであつて、排出口と複数の受入
側との間に特別な装置を設けることなく、確実に選別排
出でき、嵩張らず、堅牢にして安価な垂直ベルトコンベ
ア装置を得るにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係る垂直ベルトコンベア装置は、２組のコン
ベアベルト間に搬送物を収納保持して垂直方向に移送す
る垂直ベルトコンベアにおいて、ケーシングの下端に供
給側ガイドリング、その上端に排出側ガイドリング、そ
の中間に複数個の中間ガイドリングを夫々水平方向に設
け、上記２組のコンベアベルトの下端を円周方向に回動
不能に固定ローラー支持台で供給側ガイドリングに固定
し、その上端を排出側用旋回ローラー支持台により排出
側ガイドリング内で円周方向に旋回可能に支持し、その
中間を旋回ローラー支持台により中間ガイドリング内で
円周方向に旋回可能に支持し、２組のコンベアベルトに
捻れを与え、上端排出部の排出方向を円周方向に選択的
に変更可能としたことを特徴とする。

〔実施例〕

本発明の具体的構成を図面に示す実施例について以下
詳細に説明する。

１は円筒状のケーシングであつて、該ケーシング１の
下端に供給側ガイドリング２、上端に排出側ガイドリン
グ３、その中間には複数個の中間ガイドリング４を夫々
水平方向に設ける。

５は垂直ベルトコンベアであつて、公知の垂直ベルト
コンベアと同様に、無端コンベアベルトである２組のコ
ンベアベルト６、６を、上記ケーシング１の垂直な空間
1a内に配置し、両コンベアベルト６、６の互いに内側に
面するベルトを上昇側6a、6a、外側に面するベルトを下
降側6b、6bとなし、上昇側6a、6aにはベルトの両側端を
ガイドローラー7a、7aによつて互いに圧接し、中央部に
はばら物等の搬送物Ａを搬送する収納部８を形成するよ
うにガイドローラー7a、7aを配置して２枚合せに形成
し、一方下降側6b、6bはガイドローラー7c、7cによつて
ガイドする。さらに両コンベアベルト６、６の上下の折
返し端部は夫々上記ガイドローラー7a、7b、7c群によつ
て水平方向に誘導され、これによつて下端には供給部
９、上端には排出部10を形成する。

11は固定ローラー支持台であつて、上記供給側ガイド
リング２に固定し、該固定ローラー支持台11に上記２組
のコンベアベルト６、６をガイドするガイドローラー7
a、7b、7cを回転自在に支持するように取付けられてい
る。

12は旋回ローラー支持台であつて、上記固定ローラー
支持台11と同様にコンベアベルト６、６をガイドするガ
イドローラー7a、7b、7cを回転自在に支持するように取
付けられているが、その両端には車輪12aが回転自在に
枢着され、中間ガイドリング４の内周に形成したレール
4aに嵌合して、中間ガイドリング４内で旋回可能に取付
けられている。

13は排出側用の旋回ローラー支持台であつて、上記旋
回ローラー支持台12と同様にガイドローラー7a、7b、7c
を回転自在に支持すると共に、排出側ガイドリング３内
周のレール3aに嵌合する車輪13aによつて排出側ガイド
リング３内で旋回可能に取付けられている。

14は旋回駆動機構であつて、排出側ダイドリング３の
一側に旋回駆動用モーター16を取付け、これにピニオン
15を連結する。一方旋回ローラー支持台13より立設した
支持枠13b上に大形の従動歯車17を固定し、該従動歯車1
7を上記ピニオン15と回転可能に噛合させる。

なお、18はフードで、排出部10をカバーするように取
付けられている。19はギヤーカバー、20は受入側コンベ
アであつて、排出部10下方の円周方向に複数個所間隔を
おいて配設する。

この様に構成されているので、旋回駆動用モーター16
を始動し、ピニオン15を回転すると、これに噛合してい
る従動歯車17は回転するので、これと一体の排出側用の
旋回ローラー支持台13は、その車輪13aが排出側ガイド
リング３のレール3a上を回転走行するため、旋回ローラ
ー支持台13は第３図実線矢印方向に旋回する。しかしな
がら、垂直ベルトコンベア５の両コンベアベルト６、６
は、その下端部分が固定ローラー支持台11によつて供給
側ガイドリング２に固定されているので、両コンベアベ
ルト６、６は捻られ、これにつれて中間ガイドリング４
部分の旋回ローラー支持台12も第４図矢印の如く旋回
し、両コンベアベルト６、６は下端の固定ローラー支持
台11の軸線Ｘ−Ｘに対して、中間ガイドリング４部分の
旋回ローラー支持台12は軸線Ｙ−Ｙ方向に旋回し、上端
の排出部10の旋回ローラー支持台13は軸線Ｚ−Ｚ方向に
旋回する。これによつて排出部10は旋回ローラー支持台
13と同時に旋回するので、その円周方向に配設されてい
る複数個所の受入側コンベア20の所望の受入側コンベア
20上に選択的に旋回させることができる。次いで供給部
９より搬送物Ａを供給して垂直ベルトコンベア５を可動
すれば、搬送物Ａは両ベルトコンベア６、６の上昇側6
a、6aの収容部８内を収納され、捻れ状態の両ベルトコ
ンベア６、６によつて上昇し、排出部10に搬送されて所
望の受入側コンベア20に搬送物Ａを送り出すことができ
る。このようにして旋回駆動用モーター16の正逆回転に
より排出部10は第３図の実線矢印又は点線矢印の如く左
右に旋回し、固定ローラー支持台11の軸線Ｘ−Ｘに対し
て、排出部10の旋回ローラー支持台13の軸線Ｚ−Ｚを最
大限左右に約90度首振り可能とすることができ、複数個
所の受入側コンベア20に選択供給することができる。

〔発明の効果〕

以上、実施例について詳述したように、本発明は両コ
ンベアベルト間に搬送体を収納保持した状態で捻れを与
えて上端排出部の旋回角度を自由に変更でき、任意位置
で停止できるので、受入れ側のコンベア又はサイロを多
数且つ自由な位置に配置でき、受入れ側に自由に対応す
ることができる。又排出部と受入れ側との間に特別な選
別切換え装置を設置する必要なく、直接排出部を受入れ
側に対向させ、確実に送り込むことができると共に、垂
直ベルトコンベアも嵩高とならず、堅牢にして安価な垂
直ベルトコンベア装置を提供することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明全体の縦断正面図、第２図は同じく縦断
側面図、第３図は第１図III−III線に沿つた断面図、第
４図は第１図II−II線に沿つた断面図、第５図は第１図
Ｉ−Ｉ線に沿つた断面図、第６図は旋回ローラー支持台
の車輪部分の拡大断面図を示す。 １……ケーシング ２……供給側ガイドリング ３……排出側ガイドリング ４……中間ガイドリング ５……垂直ベルトコンベア ６……コンベアベルト 7a、7b、7c……ガイドローラー ８……収容部、９……供給部 10……排出部 11……固定ローラー支持台 12、13……旋回ローラー支持台 12a、13a……車輪 14……旋回駆動機構、15……ピニオン 16……旋回駆動用モーター 17……従動歯車、Ａ……搬送物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２組のコンベアベルト間に搬送物を収納保
   持して垂直方向に移送する垂直ベルトコンベアにおい
   て、ケーシングの下端に供給側ガイドリング、その上端
   に排出側ガイドリング、その中間に複数個の中間ガイド
   リングを夫々水平方向に設け、上記２組のコンベアベル
   トの下端を円周方向に回動不能に固定ローラー支持台で
   供給側ガイドリングに固定し、その上端を排出側用旋回
   ローラー支持台により排出側ガイドリング内で円周方向
   に旋回可能に支持し、その中間を旋回ローラー支持台に
   より中間ガイドリング内で円周方向に旋回可能に支持
   し、２組のコンベアベルトに捻れを与え、上端排出部の
   排出方向を円周方向に選択的に変更可能としたことを特
   徴とする垂直ベルトコンベア装置。