JPH0817522A - 同軸コネクタおよびその組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接続を無半田として絶縁体への熱ストレスを
解消させ、且つ、ＶＳＷＲの変化を回避できる同軸コネ
クタおよびその組立体を提供する。 【構成】 ケース６に固定される同軸コネクタ８の中心
導体１にねじを形成しておき、ケース６の内側に配置さ
れるストリップライン５の端部にねじ穴を設けている。
この中心導体１を、接続相手のストリップライン５に形
成されたねじ穴に、ねじ込むことによって、同軸コネク
タ８とストリップライン５とが接続される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波回路のスト
リップラインに挿入接続する同軸コネクタに関し、特
に、無半田接続とする同軸コネクタおよびその組立体に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の同軸コネクタでは、マイ
クロ波回路におけるトリプレート構造のストリップライ
ンに対して半田付けによる接続方法が採用されている。

【０００３】より詳細に述べると、図３に示されるよう
に、同軸コネクタ９は中心導体１１を備え、中心導体１
１の一端はストリップライン１５に接続されている。ま
た、同軸コネクタ９の中心導体１１のうち、露出されて
いない部分は絶縁体１２で被覆されている。ケース６の
外側に配置される同軸コネクタ９の部分は、絶縁体１２
の露出部分に接してケース６に固定するためのフランジ
１３が設けられており、フランジ１３は同軸ケーブルを
外部に接続する嵌合ねじ１４部分に連結されている。

【０００４】ストリップライン１５は、先端部で中心線
に沿って同軸コネクタ９の中心導体１１を挿入できる大
きさの径を有する挿入穴を備え、更に、側面からこの挿
入口まで貫通する半田穴１６を備えている。ストリップ
ライン１５と同軸コネクタ９とは、挿入口に中心導体１
１を挿入した状態で半田穴１６から半田１０を流し込む
ことによって接続される。

【０００５】同軸コネクタ９とケース６とは、ケース６
の取付け穴に同軸コネクタ９の絶縁体１２部分が差込ま
れ、フランジ１３がケース６にねじ止めされることによ
って固定されると共に、電気的に接続される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の同軸コ
ネクタは、ストリップラインとの接続の際、上記したよ
うに半田１０が使用されている。更に、ストリップライ
ンはアルミニウムのような導電体によって構成されてお
り、熱容量も大きいため、半田鏝だけでは半田付けする
ことは困難である。従って、半田付けは、ストリップラ
インの全体を加熱することによって行われており、この
ようにストリップライン全体を加熱した場合、同軸コネ
クタにおける中心導体と外部導体との間に具備される絶
縁体に熱ストレスが加わり、絶縁破壊を引起こすという
問題点がある。

【０００７】また、ストリップラインの周囲外に半田が
流出固着した状態では、ストリップライン周囲空間の状
態を変形させるので、ストリップラインのＶＳＷＲ（電
圧定在波比）が大きく変化してしまうという問題点があ
る。

【０００８】本発明の課題は、接続を無半田として絶縁
体への熱ストレスを解消させ、且つ、ＶＳＷＲの変化を
回避できる同軸コネクタおよびその接続方法を提供する
ことである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による同軸コネク
タは、ストリップラインに挿入接続する中心導体を一方
に備える同軸コネクタにおいて、前記中心導体にねじが
形成されている。また、ストリップラインは端部を有
し、当該端部がねじ穴を有している。

【００１０】更に、本発明のストリップライン構造体
は、ストリップラインとケースとを、中心導体を備える
同軸コネクタにより固定することによって構成されるス
トリップライン構造体において、前記ストリップライン
の端部がねじ穴を有すると共に、前記中心導体は前記ね
じ穴に嵌合するねじを有している。

【００１１】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。

【００１２】図１は本発明の一実施例を示す同軸コネク
タの斜視図（Ａ）、および取付け説明図（Ｂ）である。
尚、図１（Ｂ）は、同軸コネクタ８の側面を示し、スト
リップライン５およびケース６については断面を示して
いる。

【００１３】図１（Ａ）に示されているように、本発明
の一実施例にかかわる同軸コネクタ８は、先端に突出し
た中心導体１、この中心導体１を被覆した絶縁体２、こ
の絶縁体２に連結されたフランジ３、及びこのフランジ
３に連結された嵌合ねじ４とを備えている。図１（Ａ）
からも明らかなように、同軸コネクタ８の中心導体１の
露出部分には雄ねじが形成されている。

【００１４】図１（Ｂ）を併せ参照すると、図１（Ａ）
に示された同軸コネクタ８は、図１（Ｂ）に示すよう
に、ストリップライン構造体に接続される。具体的に言
えば、図１（Ｂ）に示されたストリップライン構造体
は、図の右端に開口を備えたケース６とケース６内部に
配置されたストリップライン５とを含むトリプレート
（三層）構造を形成しており、図示されたストリップラ
イン５の、同軸コネクタ８との、接続部分には、同軸コ
ネクタ８の中心導体１と嵌合するように雌ねじが形成さ
れている。

【００１５】図１に示された同軸コネクタ８をストリッ
プライン構造体に取付ける際、同軸コネクタ８の先端を
ケース６の開口を通して、ケース６の内部に導く。この
状態で、中心導体１の雄ねじをストリップライン５の雌
ねじに、同軸コネクタ８を回転させることにより、ねじ
込む。

【００１６】同軸コネクタ８のフランジ３がケース６の
側壁と合致するまで同軸コネクタ８をねじ込むことによ
り、同軸コネクタ８はケース６に固着され、同軸コネク
タ組立体を構成する。この状態では、図１（Ｂ）に示す
ように、ケース６の側壁と同軸コネクタ８の中心導体１
との間に絶縁体２が配置された状態になる。同軸コネク
タ８のフランジ３とケース６の側壁とが接触した後、フ
ランジ３はケース６にねじ止めされる。これによって、
同軸コネクタ８はケース６内のストリップライン５に電
気的に接続され、且つ、ケース６にも電気的に接続さ
れ、機械的にも確実に固定される。

【００１７】次に、図２を参照して、更に確実性のある
接続について説明する。

【００１８】この構成は、図に示されるように、ケース
６とストリップライン５との間に、ケース６とは間隔を
もって、固定用ナット７が差込まれている。この構成で
は、中心導体１に嵌合した状態でストリップライン５と
固定用ナット７とを締付けることによって、ストリップ
ライン５と同軸コネクタ８とが電気的にも、機械的に
も、更に、確実に接続できる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、同
軸コネクタの中心導体が雄ねじを形成し、この中心導体
を、接続相手のストリップラインに形成されたねじ穴
に、ねじ込むことによって、同軸コネクタとストリップ
ラインとを接続している。この構造では、無半田接続が
できるので、絶縁体への熱ストレスを解消させることが
できると共に、ＶＳＷＲの変化を回避することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図（Ａ）および取
付け説明図（Ｂ）である。

【図２】本発明の別の実施例を示す取付け説明図であ
る。

【図３】従来の一例を示す部分断面図である。

【符号の説明】

１ 中心導体 ２ 絶縁体 ３ フランジ ４ 嵌合ねじ ５ ストリップライン ６ ケース ７ 固定用ナット ８ 同軸コネクタ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ストリップラインに挿入接続する中心導
   体を一方に備える同軸コネクタにおいて、前記中心導体
   にねじが形成されていることを特徴とする同軸コネク
   タ。
2. 【請求項２】 端部を有するストリップラインにおい
   て、前記端部がねじ穴を有していることを特徴とするス
   トリップライン。
3. 【請求項３】 ストリップラインとケースとを、中心導
   体を備える同軸コネクタにより固定することによって構
   成されるストリップライン構造体において、前記ストリ
   ップラインの端部がねじ穴を有すると共に、前記中心導
   体は前記ねじ穴に嵌合するねじを有していることを特徴
   とするストリップライン構造体。