JPH08173808A - 水素化脱硫用ガード触媒 - Google Patents

水素化脱硫用ガード触媒

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JPH08173808A
JPH08173808A JP6337987A JP33798794A JPH08173808A JP H08173808 A JPH08173808 A JP H08173808A JP 6337987 A JP6337987 A JP 6337987A JP 33798794 A JP33798794 A JP 33798794A JP H08173808 A JPH08173808 A JP H08173808A
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JP
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catalyst
metal
carrier
group
periodic table
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JP6337987A
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Inventor
Masami Kubota
雅美 久保田
Yoshiaki Tanaka
良明 田中
Osamu Yamase
修 山瀬
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素化脱硫反応において、反応塔上部触媒床
に堆積する夾雑物を除去し、Δpの解消と触媒床におけ
る触媒活性の維持、強いては安定な運転を保持するため
の水素化脱硫用ガード触媒の提供。 【構成】 (a)周期律表第6族bの金属から選ばれた
少なくとも1種の金属、(b)周期律表第8族の金属か
ら選ばれた少なくとも1種の金属、および(c)周期律
表第7族bの金属から選ばれた少なくとも1種の金属、
からなる活性成分を担体に担持した触媒であって、前記
(c)の金属の分散性がCO吸着率として2〜30%で
あることを特徴とする水素化脱硫用ガード触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油類などの水素化脱
硫反応において、反応塔上部において生じるΔpの解消
および反応に関与する触媒の活性を維持するガード触媒
に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】製油所において通常、常圧蒸
留塔から留出されるナフサ、灯軽油留分、常圧蒸留残
渣、またはそれを真空蒸留にかけ留出される真空軽油留
分は各々の留分に含まれる硫黄化合物を除去するため水
素化脱硫処理が行われる。この際、水素化脱硫反応に供
される反応塔触媒において、触媒粒径や形状に起因する
初期のΔpの上昇と運転中に逐次触媒上に堆積する夾雑
物によるΔpの上昇が生じる。特に後者の触媒上に堆積
する夾雑物によるΔpの上昇はしばしば重要な問題を生
じる。すなわち、反応塔上部の触媒床に夾雑物が堆積し
た結果、反応塔内部の触媒床において偏流を生じ、留分
と触媒との接触不良、水素化脱硫反応が発熱反応である
ことに伴うホットスポットの生成、さらにはホットスポ
ットにおける多環芳香族の脱水素縮合や炭化による触媒
床の閉塞を生じる。
【0003】一方、Δpの上昇はガスコンプレッサーの
負荷を増大させ、ひいては反応塔上部に設置されたデス
トリビュータートレイや触媒を支える触媒トレイの破損
を生じる。Δpに関与する夾雑物の成因は、原料中に僅
かに含まれるNaなどの無機塩類、原料を加熱する際に
発生する硫化水素が装置材料と化合して生成したコロイ
ド状硫化鉄、硫化銅、硫化ニッケルなどで、これらが触
媒床上部に堆積し、触媒を不活性化すると同時に、原料
油中の多環芳香族を脱水素縮合しカーボン状堆積物を生
じる。
【0004】実装置ではこれらの夾雑物の影響を防ぐた
め、スケールキャッチャーを兼ね備えたデストリビュー
タトレイ、あるいは触媒的には不活性なα−アルミナボ
ールなどが触媒床上部に置かれている。しかしながら、
上述したコロイド状金属化合物は、原料油と共に流れ、
触媒床上部に堆積し、Δpの原因となる。このΔpが反
応塔の設計圧近くになり所定量の通油が保持できなくな
ると運転を一時停止し、触媒床上部の夾雑物の堆積部分
の触媒を一部取り除き新触媒と置換する。したがって、
このような堆積物をできるだけ少なくし、運転可能期間
を長くすることが製油所の経済効率上、強く望まれてい
るところである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水素
化脱硫反応において、反応塔上部触媒床に堆積する夾雑
物を除去し、Δpの解消と触媒床における触媒活性の維
持、強いては安定な運転を保持するための水素化脱硫用
ガード触媒を提供する点にある。
【0006】本発明は、(a)周期律表第6族bの金属
から選ばれた少なくとも1種の金属、(b)周期律表第
8族の金属から選ばれた少なくとも1種の金属、および
(c)周期律表第7族bの金属から選ばれた少なくとも
1種の金属、からなる活性成分を担体に担持した触媒で
あって、前記(c)の金属の分散性がCO吸着率として
2〜30%であることを特徴とする水素化脱硫用ガード
触媒に関する。
【0007】本発明のガード触媒における周期律表第6
族b(Cr、Mo、W)、周期律表第8族(Fe、C
o、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、周
期律表第7族b(Mn、Te、Re)の組み合わせは極
めて多数存在するが、とりわけMo−Co−Re−、M
o−Ni−Re、Mo−Co−Ni−Re、W−Ni−
Reの組み合わせが最も好ましく、これらの金属塩とし
てMoの場合はモリブデン酸塩、Wの場合はタングステ
ン酸アンモニウム、Coの場合は硝酸コバルトやシュウ
酸コバルト、Niの場合は硝酸ニッケルやシュウ酸ニッ
ケル、Reの場合は酸化レニウムやアンモニウムパーレ
ネートの型で用いられる。
【0008】これらを用いてガード触媒を調製する場
合、まずモリブデンまたはタングステン酸塩の溶液を作
り、所定量の金属を担体に含浸させ、120℃で3時間
乾燥し、400〜600℃で2時間焼成する。ついで、
これに用意されたコバルトまたはニッケル塩の溶液を用
いて所定量の金属を含浸させる。これを120℃で3時
間乾燥する。ここでこれらの金属を担持したものについ
て単位重量当たりの吸水量を求め、その吸水量に担持す
べき金属に換算した所定量のレニウム塩を溶解させ、そ
の水溶液を真空に脱気しつつ噴霧状で含浸させる。これ
を120℃で3時間乾燥、ついで350℃〜500℃で
1〜2時間焼成してガード触媒とする。
【0009】あるいは、モリブデンまたはタングステン
を焼成、酸化物として固定し、ついでコバルトまたはニ
ツケルを焼成、酸化物として固定した後、上記の方法で
レニウムを担持してガード触媒としてもよい。
【0010】つぎに活性金属の担持量であるが、周期律
表第6族bの金属は酸化物として担体100重量部当た
り10〜25wt%、周期律表第8族の金属は酸化物と
して3〜15wt%、周期律表第7族bの金属は金属と
して0.1〜5wt%の範囲にあることが好ましい。周
期律表第6族bの金属と周期律表第8族の金属の組み合
わせにおいて、それぞれの金属担持量を原子比で見る
と、Mo/Co:1.6〜3.4、Mo/Ni:1.6
〜3.8、W/Ni:1.5〜2.7、Mo/Coおよ
び/またはNi:1.6〜3.8の範囲にあって、これ
らの原子比を保ちながら周期律表第7族bの金属である
レニウムを担体100重量部に対し、0.1〜5wt%
の範囲で担持することが好ましい。
【0011】周期律表第6族bと周期律表第8族の金属
の組み合わせは、石油留分の水素化処理、特に水素化脱
硫触媒の活性金属種として一般に用いられている。この
際の触媒の水素化脱硫反応に関与する活性点の発現は、
例えばCo−Mo触媒を例に挙げれば、酸化状態にある
Co−Mo触媒は、まず所定の条件で硫化処理を行い、
硫化物に変え、ついで所定の条件で留分の水素化脱硫反
応に供される。反応条件下における触媒の状態は、Mo
2、MoS3、CoS、CoAl24、Co−Mo−S
など種々の形態をとることが知られており、これらの中
で、MoS2、CoS、Co−Mo−S相が水素化脱硫
反応に関与するとされている。したがって、高活性な水
素化脱硫触媒を設計する1つの要因として、活性相を触
媒単位体積当たりできる限り多く保持するようにすれば
よい。
【0012】発明者らは、水素化脱硫触媒に更に水素化
能を付加するため、周期律表第7族bの金属を選択し、
その作用効果の研究を進めたところ、周期律表第7族b
の金属の担持とその金属の担体上での分散性が重要であ
ることをつきとめたのである。該金属の分散性は、担持
方法、焼成方法および還元方法など担持操作に影響され
る。同一量の金属を担持しても、溶液量、溶液中金属濃
度、温度条件など担持操作条件が不適当であると、金属
の分散が悪くなり、その活性は十分に発揮されない。一
方、あまりにも超微量に分散された金属は、金属活性点
と反応分子の適切な結合が形成されず、活性を十分に発
揮できない。したがって、該金属の分散性の範囲は、C
o吸着率で2〜30%、好ましくは4〜25%である。
【0013】金属分散性の測定方法として、XRD、T
EM、ガス吸着による方法がある。しかし、このうちX
RDは金属の結晶粒子径の大きいものでなければ測定で
きない。また、TEMでは微小な粒子径の観察は困難で
あり、熟練を要する。そこで、一般にCOガス吸着、な
かでも簡便なCO吸着によるパルス法が担持金属の分散
性を測定するのによく用いられる。ところが、COによ
るガス吸着法は、脱硫活性金属により測定が阻害される
ので、周期律表第7属bの金属、例えばReだけを担持
した触媒を調製し、脱硫活性金属を担持する以前の状態
で周期律表第7族bの金属、例えばRe分散性を測定し
データとした。測定方法の詳細を以下に述べる。
【0014】試料の調製 まず、ビーカーへγ−アルミナ10gを秤取り、水を加
えた。γ−アルミナに吸収されない上澄みの水を捨て、
吸収された水の質量を測定した。つぎに、水分をたっぷ
り含んだγ−アルミナをろ紙で良く拭きとった後、吸収
されている水分量を測定した。これら2通りで測定した
水分量を参考にして、他の試料調製の水分量を適当に決
め調製した。含浸してから、1晩室温で乾燥し、その後
4〜6時間110℃で乾燥、その後電気炉で、図1に示
した昇温速度、温度および時間で焼成した。
【0015】測定装置 COガスの吸着量の測定法は、COパルス法を用い、装
置は大倉理研製R−6015 CO吸着測定装置を用い
た。キャリヤーガスはヘリウムを使い、ジーエルサイエ
ンス製オキシジェントラップとモイスチャートラップと
を通して装置へ導入した。測定試料は、パイレックス製
のU字反応管の中に入れ、設定した温度で空気処理や還
元処理を行い、50℃で一定体積のCOガスをパルスで
反応管へ送り、吸収されなかったCOガスを熱伝導度検
出器で測定してCO吸着量を求めた。
【0016】試料の前処理と測定 γ−アルミナに担持したレニウムは、そのままの状態で
は酸化されているため、COを吸着させるために還元処
理を行った。また一部の試料では、触媒表面に吸着され
ている有機物を取り除くために空気処理を行った。前処
理の加熱パターンを図1に示す。前処理と測定手順をつ
ぎに示す。 (1)U字反応管の質量を測定する。そこへ測定試料を
約0.5〜2g入れ、質量を測定し、はじめに量ったU
字管の質量を差し引いて、測定試料の質量を求めた。 (2)U字管を装置本体へ取付け、ヘリウムを20ml
/min流しながら、室温から還元温度の温度まで、3
0分かけて昇温した。 (3)反応管へ流すガスをヘリウムから水素ガス(20
ml/min)にきり替えて、還元処理を行った。また
一部の試料では、還元処理の前に空気処理(20ml/
min)を15分間行い、その後ヘリウムガス(20m
l/min)で15分パージしてから、還元処理を行っ
た。 (4)還元温度から測定温度50℃まで、ヘリウム気流
中で30minかけて冷却した。 (5)COガスを1回0.18mlのパルスで数回反応
管へ送り、吸着されずに反応管から出てきたCOガスを
検出した。吸着されなかったCOガスの量が3回連続し
て同じになった時、吸着平衡とみなし、COガスの導入
を終了した。 (6)導入したCOガスの量から、検出されたガスの量
を差引いて、吸着されたガスの量を求めた。
【0017】計算 COガスの吸着率は次式で求めた。 吸着率(%):B=K/R*100 K:CO吸着ガスのmol数 R:試料に含まれるReのmol数 触媒表面で露出したRel原子に対して、CO1分子が
吸着すると仮定すれば、ここで求めた吸着率は、金属分
散度とみなすことができる。
【0018】周期律表第7族bの金属であるMn、T
e、ReのうちではReが最も好ましい。
【0019】担体は無機酸化物であるアルミナ、シリカ
またはゼオライトが好ましく、これらの1種またはそれ
以上の成分であって400℃で脱気したものが、シクロ
ヘキサンなどの非水溶媒中でベンゼンアゾジフェニルア
ミンなどの指示薬で酸性色を示し、ハメツト酸性関数H
0が+1.5以下を示し、かつ担体の細孔分布において
平均細孔半径25〜100Åに占める細孔半径が全体の
細孔容積の25%以上を有するものを使用することが好
ましい。
【0020】前記アルミナとしては、γ−アルミナが好
ましく、アルミナ担体を調製する際の出発原料は硫酸ア
ルミ、アルミン酸ソーダ、アルミニウムアルコキシドな
どを用いることができる。これらの原料物性は中和分解
または加水分解してγ−アルミナの前駆体であるアルミ
ナ水和物とするが、この際、好ましい物理的性状として
比表面積が大きく制御された細孔分布を有する担体を得
るため、適当な分子量を有するアルコール類またはアミ
ン類を共存させ、その濃度、分解温度などを調整する。
このような手法により得られたアルミナ水和物は、熟成
または熟成することなしに120℃で乾燥し擬ベーマイ
トとする。これを粉砕、成型して450℃〜550℃で
焼成しγ−アルミナ担体とする。
【0021】このようにして得られたγ−アルミナ担体
は、全酸量としては十分であるものの、必要とするH0
=+1.5以下の全酸量を得るため、上記擬ベーマイト
ゲルにシリカまたはゼオライトを共存させる。この場合
のゼオライトはフォージャサイト型Y型ゼオライトが好
ましく、Si/Al比が5〜10の範囲にあるものが好
ましい。
【0022】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれにより限定されるものでは
ない。
【0023】実施例1 ガード触媒の調製 特願平4−155583号に開示した方法により、アル
ミニウムイソプロポオキサイドを出発原料として担体を
調製した。まず、ホーロー製5リットルの容器に純水2
リットルとイソプロピルアルコール1リットルの混合溶
液を作り65℃に加温した。それにドライボックス中で
自動乳鉢により粉末状にしたアルミニウムイソプロポオ
キサイド1Kgを加え、20分間激しく撹拌し加水分解
した。得られたヒドロゲルは濾過により過剰の溶液を除
去し、常温で真空乾燥後、120℃で2時間乾燥して擬
ベーマイトゲルとした。これを押出成形機により直径
1.5mmの円柱状に成形、乾燥し、530℃で2時間
焼成して、γ−アルミナ担体とした。このようにして得
られたγ−アルミナ担体の物理的性状は比表面積283
2/g、平均細孔半径38Å、ハメット酸性関数H0
−3.3であった。
【0024】この担体についてあらかじめ単位重量当り
の吸水量を求め、吸水量に対し所定量のモリブデン酸ア
ンモニウムを溶解した水溶液と所定量の硝酸コバルトを
溶解した水溶液とを用意した。そこで担体を真空脱気
し、スプレー噴霧によりモリブデン酸アンモニウム水溶
液を吸収させ、常温で真空乾燥後、120℃で2時間乾
燥後、500℃で1時間焼成しモリブデン酸化物として
固定した。ついで、同様の手法により硝酸コバルトを酸
化物として固定した。更に、レニウムを担持するため、
前述の方法により得られたCo−Mo触媒について単位
重量当たりの吸水量を求め、その吸水量に対し所定量の
アンモニウムパーレネートを溶解させた水溶液を用意
し、スプレー噴霧により水溶液を吸収させ、常温で真空
乾燥の後120℃で2時間乾燥後、400℃で2時間焼
成してReを固定した。
【0025】このようにして得られた触媒の物理的性状
をつぎに示した。
【表1】
【0026】CO吸着率の測定 この担体についてレニウムの分散性をつぎのような方法
で測定した。まず、この担体含浸時の溶液量を決定する
ため吸水量を測定した。ビーカーに担体15gを秤取
り、水を加えた。担体に吸収されない上澄みの水を濾紙
でよく拭き取った後、担体を含む全体の重量を測定し
た。一方、この担体を温度120℃で12時間乾燥し、
デシケータで室温まで冷却後その重量を測定した。この
両者の重量差を担体10g当たりの吸水量とした。この
吸水量を参考に、担体重量に対して吸水量の71wt%
に相当する量の蒸留水を秤取り、これにアルドリッチ
(Aldrich)製の過レニウム酸アンモニウムを担
体に対して0.2wt%に相当する重量のレニウムを溶
解し、水溶液を調製した。この水溶液を用いて、スプレ
ー噴霧で担体に定量的に水溶液を吸収させ含浸した。含
浸してから、一晩室温で乾燥し、さらに温度110℃で
6時間乾燥器を用いて乾燥した。その後電気炉を用いて
温度400℃で120分焼成した。この触媒のレニウム
分散性測定は、CO吸着装置にセットし水素で温度40
0℃で120分還元後に行なった。COの吸着率は5.
52%であった。
【0027】水素化脱硫反応への使用 前記表1の各触媒それぞれ20ccづつ充填した固定床
流通式マイクロ反応装置を用い、所定の方法により触媒
を予備硫化処理後、硫黄分1.04wt%を含有し、沸
点範囲:IBP208℃〜EP367℃の直留軽油留分
を原料として反応温度:350℃、水素分圧:30kg
/cm2、水素ガス/軽油比:2501/1、液空間速
度3hr-1の条件下で水素化脱硫した。通油100時間
後、反応塔上部より5区分して触媒を取りだした。各々
の区分された触媒をトルエンで洗浄、油分を除去し70
℃で減圧乾燥後20分間自動乳鉢にかけ均一な粉末状に
した。ついで、各々の試料について空気流通下で熱天秤
により重量減を求め、それを堆積カーボン量とした。そ
の結果をつぎに示す。
【0028】
【表2】
【0029】前記表2の結果から明らかなように、比較
例1のCo−Mo触媒では、触媒上に堆積したカーボン
は触媒床上部に多く、触媒床下部に行くに従って減少す
る傾向を示した。これに対し、Reを添加し、Reの分
散性が5.52%の実施例1の触媒では触媒床全体にほ
ぼ均一に堆積する傾向を示し、その堆積量も少ない結果
を示した。なお、この間の脱硫軽油中に含まれる硫黄濃
度はいずれも0.046wt%−Sであった。
【0030】実施例2 ガード触媒の調製 実施例1に示されたガード触媒の調製過程で、アルミニ
ウムイソプロポオキサイドを加水分解し、擬ベーマイト
ゲルとした段階でSi/Al比が6であるフォージャサ
イト型Y型ゼオライトの粉末を混合し、5wt%のゼオ
ライトを含有するγ−アルミナ担体を調製した。このよ
うにして得られた担体の物理的性状は比表面積290m
2/g、平均細孔半径32Å、ハメット酸性関数H0=−
4.0であった。
【0031】この担体について実施例1に記載されたと
同様の手法によりCo−Mo触媒およびそれにReを添
加したCo−Mo−Re触媒を調製した。その性状をつ
ぎに示す。
【0032】
【表3】
【0033】CO吸着率の測定 この担体についてレニウムの分散性をつぎのような方法
で測定した。まず、この担体含浸時の溶液量を決定する
ため吸水量を測定した。ビーカーに担体10gを秤取
り、水を加えた。担体に吸収されない上澄みの水を濾紙
でよく拭き取った後、担体を含む全体の重量を測定し
た。一方、この担体を温度120℃で12時間乾燥し、
デシケータで室温まで冷却後その重量を測定した。この
両者の重量差を担体10g当たりの吸水量とした。この
吸水量を参考に、担体重量に対して吸水量の80wt%
に相当する量の蒸留水を秤取り、これにアルドリッチ
(Aldrich)製の過レニウム酸アンモニウムを担
体に対して0.5wt%に相当する重量のレニウムを溶
解し、水溶液を調製した。この水溶液を用いて、スプレ
ー噴霧で担体に定量的に水溶液を吸収させ含浸した。含
浸してから、一晩室温で乾燥し、さらに温度110℃で
6時間乾燥器を用いて乾燥した。その後電気炉を用いて
温度360℃で120分焼成した。この触媒のレニウム
分散性測定は、CO吸着装置にセットし水素で温度45
0℃で120分還元後に行なった。COの吸着率は1
9.5%であった。
【0034】水素化脱硫反応への使用 前記表3の各触媒について実施例1に示されたと同様の
手法により触媒上に堆積したカーボン量を求めた。その
結果をつぎに示す。
【0035】
【表4】
【0036】前記表4の結果から明らかなように、比較
例2のCo−Mo触媒では、触媒上に堆積したカーボン
は触媒床上部に多く、触媒床下部に行くに従って減少す
る傾向を示した。これに対し、Reを添加した触媒では
触媒床全体にほぼ均一に堆積する傾向を示した。また、
その堆積量も少ない傾向を示した。なお、この間の脱硫
軽油中に含まれる硫黄濃度はいずれも0.043wt%
−Sであった。また、実施例1や比較例1に用いられた
触媒に比較して、実施例2や比較例2に示された触媒に
おいていずれもカーボン堆積量が多いのは担体に混合さ
れたゼオライトの影響と思われる。
【0037】実施例3 ガード触媒の調製 特願平4−155583号に開示された方法により、ア
ルミニウムイソプロポオキサイドを出発原料に細孔分布
の制御されたγ−アルミナ担体を調製した。まず、ホー
ロー製5リットルの容器に純水1.8リットルとイソプ
ロピルアルコール0.5リットルおよびn−ブチルアル
コール0.7リットルの混合溶液を取り70℃に加温し
た。それにドライボックス中で自動乳鉢により粉末状に
したアルミニウムイソプロポオキサイド1Kgを加え、
20分間激しく撹拌し、加水分解した。得られたヒドロ
ゲルはろ過により過剰の溶液を除去し、常温で真空乾燥
後、120℃で2時間乾燥して擬ベーマイトとした。こ
れを押出成形機により直径1.5mmの円柱状に成型
し、乾燥530℃で2時間焼成して、γ−アルミナ担体
とした。このようにして得られたγ−アルミナ担体の物
理的性状は比表面積285m2/g、平均細孔半径54
Å、ハメット酸性関数H0=−3.3であった。
【0038】このような担体について実施例1に記載さ
れたと同様な方法により比較例3のCo−Mo触媒およ
びそれにReを添加した実施例3のCo−Mo−Re触
媒を調製した。
【0039】このようにして得られた触媒の物理的性状
をつぎに示した。
【表5】
【0040】CO吸着率の測定 この担体についてレニウムの分散性をつぎのような方法
で測定した。まず、この担体含浸時の溶液量を決定する
ため吸水量を測定した。ビーカーに担体10gを秤取
り、水を加えた。担体に吸収されない上澄みの水を濾紙
でよく拭き取った後、担体を含む全体の重量を測定し
た。一方、この担体を温度120℃で12時間乾燥し、
デシケータで室温まで冷却後その重量を測定した。この
両者の重量差を担体10g当たりの吸水量とした。この
吸水量を参考に、担体重量に対して吸水量の96wt%
に相当する量の蒸留水を秤取り、これにアルドリッチ
(Aldrich)製の過レニウム酸アンモニウムを担
体に対して0.2wt%に相当する重量のレニウムを溶
解し、水溶液を調製した。この水溶液を用いて、スプレ
ー噴霧で担体に定量的に水溶液を吸収させ含浸した。含
浸してから、一晩室温で乾燥し、さらに温度110℃で
6時間乾燥器を用いて乾燥した。その後電気炉を用いて
温度400℃で120分焼成した。この触媒のレニウム
分散性測定は、CO吸着装置にセットし水素で温度40
0℃で120分還元後に行なった。COの吸着率は6.
83%であった。
【0041】水素化脱硫反応への使用 そこで実施例1の手法により得られた比較例1のCo−
Mo触媒(A)、実施例1のCo−Mo−Re触媒
(B)、比較例3のCo−Mo触媒(C)、実施例3の
Co−Mo−Re触媒(D)について、それぞれ500
ccづつ採り、内径10cm、高さ20cmのステンレ
ス製金網で作られたバスケットに入れ、それぞれのバス
ケットを実装置である軽油脱硫装置の反応塔触媒床上部
表面より30cm下方に等間隔で円弧状に設置した。ほ
ぼ1年間稼働後、このバスケットを取り出し、それぞれ
の触媒について堆積物の分析を行なった。分析に際して
はまず触媒表面上の堆積物をn−ヘキサン溶剤で洗浄
し、触媒と離脱した堆積物とに分けた。油分を除去し、
乾燥したそれぞれの触媒および離脱堆積物について、カ
ーボンは熱天秤で、金属濃度は原子吸光やICPなどの
機器を用いて分析した。その結果をつぎに示す。
【0042】
【表6】 堆積物の測定結果
【0043】
【表7】 離脱堆積物の測定結果
【0044】前記表6、7の結果から明らかなように、
比較例1と3の(A)、(C)触媒上に堆積したFeの
量は、Reを添加した実施例1と3の(B)、(D)に
比較して多く、またCuは比較例1と3の(A)、
(C)においていずれもFeより多く堆積しているにも
かかわらず、Reを添加した実施例1と3の(B)、
(D)では少ない結果を示した。また堆積したFeとC
uの合計量はいずれもReを添加した触媒においては少
ない。これはReを添加しその分散性をよくしたことに
よる洗いだし効果と思われる。また堆積カーボン量には
著しい相違は見られなかった。一方、離脱堆積物の分析
結果を見ると、それぞれ(A)、(B)、(C)、
(D)触媒に関する離脱堆積物の組成であるFe、C
u、S、Cの比率はほぼ一定であるが、その離脱量につ
いては比較例1の(A)触媒が403mgであるのに対
し、実施例1の(B)触媒は71mgで、比較例1の
(A)触媒は実施例1の(B)触媒の5.7倍の堆積量
を示し、また比較例3の(C)触媒が388mgである
のに対し実施例3の(D)触媒は62mgで、比較例3
の(C)触媒は実施例3の(D)触媒の6.3倍の堆積
量を示した。また、触媒上のカーボン量の分布状態につ
いてみると、比較例1と3の(A)、(C)触媒を用い
た場合は、反応塔上部に多く堆積しており、下部に行く
にしたがって減少する傾向がみられたのに対し、本発明
の実施例1と3の(B)、(D)触媒を用いた場合は、
全体にほぼ均一に堆積する傾向がみられた。
【0045】以下に実施態様を列記する。 1.(a)周期律表第6族bの金属から選ばれた少なく
とも1種の金属、(b)周期律表第8族の金属から選ば
れた少なくとも1種の金属、および(c)周期律表第7
族bの金属から選ばれた少なくとも1種の金属、からな
る活性成分を担体に担持した触媒であって、前記(c)
の金属の分散性がCO吸着率として2〜30%であるこ
とを特徴とする水素化脱硫用ガード触媒。 2.前記(a)の周期律表第6族bの金属は金属酸化物
として10〜25wt%、前記(b)の周期律表第8族
の金属は金属酸化物として3〜15wt%、前記(c)
の周期律表第7族bの金属は金属として0.1〜5wt
%、である前項1記載の水素化脱硫用ガード触媒。 3.前記担体が無機化合物であるアルミナ、シリカおよ
びゼオライトよりなる群から選ばれた1種またはそれ以
上の成分であって、ハメット酸性関数H0=1.5以下
で、かつ平均細孔半径25〜100Åに占める細孔容積
が全体の細孔容積の25%以上である前項1または2記
載の水素化脱硫用ガード触媒。 4.周期律表第6族bの金属がMoおよび/またはWで
ある前項1、2または3記載の水素化脱硫用ガード触
媒。 5.周期律表第8族の金属がCoおよび/またはNiで
ある前項1、2、3または4記載の水素化脱硫用ガード
触媒。 6.周期律表第7族bの金属がReである前項1、2、
3、4または5記載の水素化脱硫用ガード触媒。
【0046】
【効果】
(1)触媒上にカーボン状生成物の生成を抑制する。 (2)スケールと称される装置材料に由来する金属を捕
捉しまたは洗い流す。 (3)原料油中に含まれるニッケルポルフィリン、バナ
ジルポルフィリンなどの有機金属化合物を分解し、それ
らの金属を捕捉する。 (4)触媒上の堆積物の発生量が少ないだけでなく、反
応塔の上部側も下部側もほぼ均一に堆積物が付着する傾
向にあるので、触媒寿命が長く、それだけ反応装置を停
止する期間が短い。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属の分散性に関係するCO吸着率を測定する
ための担体に対して行なう条件を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)周期律表第6族bの金属から選ば
    れた少なくとも1種の金属、(b)周期律表第8族の金
    属から選ばれた少なくとも1種の金属、および(c)周
    期律表第7族bの金属から選ばれた少なくとも1種の金
    属、からなる活性成分を担体に担持した触媒であって、
    前記(c)の金属の分散性がCO吸着率として2〜30
    %であることを特徴とする水素化脱硫用ガード触媒。
  2. 【請求項2】 前記(a)の周期律表第6族bの金属は
    金属酸化物として10〜25wt%、前記(b)の周期
    律表第8族の金属は金属酸化物として3〜15wt%、
    前記(c)の周期律表第7族bの金属は金属として0.
    1〜5wt%、である請求項1記載の水素化脱硫用ガー
    ド触媒。
  3. 【請求項3】 前記担体が無機化合物であるアルミナ、
    シリカおよびゼオライトよりなる群から選ばれた1種ま
    たはそれ以上の成分であって、ハメット酸性関数H0
    1.5以下で、かつ平均細孔半径25〜100Åに占め
    る細孔容積が全体の細孔容積の25%以上である請求項
    1または2記載の水素化脱硫用ガード触媒。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100636432B1 (ko) * 2000-09-25 2006-10-18 차이나 페트로리움 앤드 케미컬 코포레이션 보호 촉매 및 이의 제조 방법
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