JPH08169311A - 車両の側面洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の側面を効率的に洗浄すると共に、洗浄
液の給水ホースと電源用の電気コードを床面に接触する
ことなくコンパクトに収納する。 【構成】 車両Ａの両側方の床面に並設したレール１上
を移動する移動台車２と、該移動台車２上に設置され前
記車両Ａの側面に高圧洗浄水を噴出するノズル３に洗浄
水を供給源より供給する給水ホース８と動力源の電気コ
ード９を巻掛けし前記移動台車２の移動に応じて互いが
近ずいたり離れたりする複数のリール群５ａ、５ｂを移
動可能に内部に設けた箱体５と、前記移動台車２と共に
移動し前記ノズル３を回転させると共に上下方向に移動
可能に設けた支持体４とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両、特に大型車両の側
面及び下面を洗浄するのに好適な車両の側面洗浄装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の装置として上下方向に複数
のノズルが設けられた移動台車を車両の両側に立設し
て、該台車を移動させながらノズルより高圧洗浄水を噴
出して車両の側面を洗浄していたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるにこの従来の洗
浄装置によれば、複数のノズルが上下方向に固定されて
いるので、車両の側面の上下部分に均等に効率よく噴出
するには多量の洗浄液の供給を可能にする大容量の供給
源が必要であり、又ノズルは上下方向のみであったので
タイヤやタイヤハウスや車体下の汚泥や雪等は必ずしも
洗浄できない問題点があった。

【０００４】更に、移動台車には移動しながら洗浄水と
動力用の電源を供給する必要があり、これら洗浄水用の
ホースリール及び電源用の電気コードリールのそれぞれ
は前記移動台車から離れた床面に固定設置され、支持軸
を中心に回転しているので、ホースリースは液体用の又
電気コードリールは電気用のスイベル機構をそれぞれ必
要とすると共に、リール径が大きくなってスペースをと
り、又ホース及び電気コードを引き出した際に、それら
が床面で擦られて耐久性の劣化を生ずる問題点があっ
た。

【０００５】本発明は、これらの問題点を解消し、車両
を効率的に洗浄し、ホースやコードを傷めない洗浄装置
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成すべく、車両の両側方の床面に並設したレール上を移
動する移動台車と、該移動台車上に設置され前記車両の
側面に高圧洗浄水を噴出するノズルに洗浄水を供給源よ
り供給する給水ホースと動力源の電気コードを巻掛けし
前記移動台車の移動に応じて互が近ずいたり離れたりす
る複数のリール群を移動可能に内部に設けた箱体と、前
記移動台車と共に移動し前記ノズルを上下方向に移動可
能に設けた支持体とからなることを特徴とする。

【０００７】

【作用】請求項１の車両の側面洗浄装置において、移動
台車の移動に応じて、該移動台車上に設置された箱体内
で、洗浄水の、給水ホースと動力源の電気コードを巻掛
けした複数のリール群間の距離を調整してこれらホース
とコードが常時張られた状態にするようにしたので、移
動台車の移動に応じてホース等の収納をスペースをとら
ずに円滑にすることができると共に、ホース等が床面に
接触して擦れることがなくなり、又移動台車に高圧洗浄
水を噴出するノズルを上下方向に移動可能に設けたの
で、車両の側面を効率的に洗浄することができる。

【０００８】請求項２の車両の側面洗浄装置において、
ノズルを装備した移動体のガイドの下方部を車両側に湾
曲したことにより、車両の側面だけでなくタイヤハウス
等の車両の下方部迄洗浄することができる。

【０００９】請求項３の車両の側面洗浄装置において、
ノズルを具備する補助箱体に、該補助箱体を車両の側面
に向って移動させる移動手段を設けたことにより、車両
巾に合わせて車両の側面とノズルとの間隔を略一定に設
定し、車両の大小にかかわらずノズルから噴出される洗
浄水の衝撃力を等価的に確保してムラなく車両の側面を
洗浄することができる。

【００１０】請求項４の車両の側面洗浄装置において、
給水ホースと電気コードを巻掛けした上下のリール群に
おいて、上方を固定リール群に下方を移動リール群にし
たので、該移動リール群の自重により前記ホース及び電
気コードは移動台車がいずれの位置にあっても張力のか
かった張られた状態になり、床面にたれ下がって擦られ
るようなことがない。

【００１１】請求項５の車両の側面洗浄装置において、
ポンプと温水ボイラーを具備したことにより、高圧温水
洗浄水をノズルに供給して汚泥や雪等を洗浄することが
できる。

【００１２】請求項６の車両の側面洗浄装置において、
ノズルが回転式であるので、車両の側面を広範囲に効率
的に洗浄できる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の１実施例を図１乃至図４によ
り説明する。

【００１４】図１において、１、１はレールを示し、こ
れらレール１、１は車両Ａの両側の床面に並設されてい
る。

【００１５】２、２は該レール１、１上を移動する移動
台車を示し、該各移動台車２には、車両Ａの側面に洗浄
水を噴出するためのノズル３を有する補助箱体であるノ
ズルボックス４と、該ノズル３に洗浄水を供給するため
の給水ホース８と各種動力源のための電気コード９を巻
架してこれらを収納する複数のリール群を内部に有する
箱体であるリールボックス５が設けられている。

【００１６】６は洗浄液の供給源である供給ボックスを
示し、該供給ボックス６内に洗浄水を温水にするための
ボイラーや高圧にするためのポンプが内蔵されており、
前記リールボックス５とは給水ホース８と電気コード９
によって接続されている。

【００１７】尚、図１において供給ボックス６は２個設
置されているが、供給能力が許せば１個でもよい。

【００１８】７は本装置を作動させるための制御ボック
ス、１０ａ、１０ｂは車両Ａの車長に合わせて前記移動
台車２の移動位置を設定するためのリミットスイッチ、
１１は車両の停止線を示す。

【００１９】図２乃至図４において、本発明の主要部で
ある前記移動台車２及びノズルボックス４とリールボッ
クス５について説明する。

【００２０】先ず前記移動台車２はノズルボックス４と
リールボックス５が載置する中央部分が凹んだ板状をな
し、両端部に駆動車輪２ａが軸支されており、該車輪２
ａの側面に併設されたスプロケット２ｂと板状部の上面
に設置されたギャードモータ２ｃに軸止したスプロケッ
ト２ｄをチェーン２ｅが巻回して、移動台車２はギャー
ドモータ２ｃによって駆動されてレール１上をノズルボ
ックス４とリールボックス５を載置して移動するように
した。

【００２１】又凹んだ前記中央部のノズルボックス４が
載置する個所に、該ノズルボックス４が車巾方向に移動
するためのチャンネル形のスライドガイド２ｆが並列に
溶接などにより固着されている。

【００２２】尚、車輪２ａだけでは移動台車２は倒れる
ので、リールボックス５やノズルボックス４の下面に車
輪やキャスターが取付けられていて床面を移動するよう
にした。

【００２３】次に前記ノズルボックス４には、洗浄水を
噴出するノズル３が装備されている移動体３ａを上下方
向に導くための板状のガイド４ａが設けられており、該
ガイド４ａは下方部が車巾方向に湾曲している。

【００２４】前記移動体３ａは複数のローラで前記ガイ
ド４ａに保持され、該ガイド４ａに沿って円滑に上下動
ができる。

【００２５】更に該移動体３ａには洗浄水を噴出するた
めの前記ノズル３が軸支され、該ノズル３はギャードモ
ータ３ｂとスプロケット３ｃ、３ｄとチェーン３ｅによ
って回転されると共に、リールボックス５より給水ホー
ス８が接続されてスイベルジョイント３ｆによりノズル
先端より洗浄水が噴出される。

【００２６】又前記移動体３ａは前記ノズルボックス４
の上部に設置されたギャードモータ４ｂとスプロケット
４ｃ、４ｄとチェーン４ｅによってガイド４ａに沿って
上下方向に移動するが、ガイド４ａの上下端に設けられ
たリミットスイッチ４ｆによって上下動を制限されてい
る。

【００２７】更に前記ノズルボックス４は前記移動台車
２に設けられたチャンネル形のスライドガイド２ｆと下
部両側面に設けられたローラ（図示せず）によって車巾
方向に移動可能に構成されている。

【００２８】又前記ノズルボックス４の下面には車巾方
向とレール方向の双方向に移動可能なためキャスター３
ｇが取付けられている。

【００２９】又前記リールボックス５は、該リールボッ
クス５の上部に軸が軸止された複数の単位リールからな
る固定リール群５ａと、リールガイド５ｃに上下方向に
軸が摺動しながら移動する複数の単位リールからなる移
動リール群５ｂとから構成されている。

【００３０】前記供給ボックス６より接続された給水ホ
ース８と電気コード９は、ホースとコードの第１方向変
換リール５ｄに巻掛けされてから固定リール群５ａの単
位リールを巻回してから下方の移動リール群５ｂの単位
リールに巻回される如く、順次数回繰返して巻回されて
から最後の固定リール群５ａの単位リールを巻回して第
２方向変換リール５ｅを巻掛けされて前記回転ノズルに
接続されている。

【００３１】尚、給水ホース８と電気コード９は交互に
順次各単位リールに巻架しているので、移動リール群５
ｂの単位リール数は固定リール群５ａより単位リール数
が１個少ない。

【００３２】次に、上記実施例の動作を説明する。

【００３３】車両Ａをレール１、１の中間部に車両前部
を停止線１１に合わせて停め、車両の後部の長さにリミ
ットスイッチ１０ｂを合わせてセットする。

【００３４】又、車両巾に合わせてノズルボックス４を
車巾方向に移動して調節する。

【００３５】しかる後、制御ボックス７を操作して運転
を開始すると、制御ボックス７よりの指令で移動台車２
のギャードモータ２ｃの駆動によりスプロケット２ｂ、
２ｄとチェーン２ｅの伝達で駆動車輪２ａが回動して移
動台車２がレール１上を移動する。

【００３６】該移動台車２がゆっくり移動しながらギャ
ードモータ３ｂの駆動により回転するノズル３より洗浄
水をスイベルジョイント３ｆを介して噴出すると共にノ
ズル３が車両Ａの側面に上下動しながらこれらの相互作
用で効率的に洗浄する。

【００３７】ノズル３が下方に移動してくるとガイド４
ａの下方が車巾方向に湾曲しているので、ノズル３はや
や上方に向って洗浄水を噴出してタイヤハウスや車体下
の汚泥や凍り付いた雪等を洗い流すことができる。

【００３８】特に汚れが著しい場合には最初に制御ボッ
クス７を操作する時に、往復或いは２往復にセットして
運転すればよい。

【００３９】通常は往動のみでよく、移動台車２が車両
Ａの後部迄移動すると先に車長を設定したリミットスイ
ッチ１０ｂにより洗浄水の噴出を止める。

【００４０】更に移動台車２は次の洗浄作業に備えて前
方迄復動してリミットスイッチ１０ａにより停止する。

【００４１】ここで移動台車２が移動する際、ノズル３
に洗浄水を供給する給水ホース８と各種のモータを駆動
するための電気コード９は供給ボックス６から第１方向
変換リール５ｄを通り固定リール群５ａの各単位リール
から移動リール群５ｂの各単位リールへ、と言う様に単
位リール間を数回巻回して最後に固定リール群５ａの単
位リールから第２方向変換リール５ｅを通ってノズル３
や各種モータに接続しているので、移動台車２が車両Ａ
の前部から後部に移動するのに伴い、給水ホース８と電
気コード９の張力が大となって、移動リール群５ｂは上
方に移動して給水ホース８と電気コード９の長さをリー
ルボックス５から延長する。

【００４２】又移動台車２が車両Ａの後部から前部に移
動するのに伴い、給水ホース８と電気コード９の張力が
下がって移動リール群５ｂは自重で下方に下がって給水
ホース８と電気コード９をリールボックス５内に速やか
に収納することができて、給水ホース８と電気コード９
が床面を擦って傷つくことがない。

【００４３】

【発明の効果】上記のように本発明によれば、洗浄ノズ
ルは回転すると共に上下動し、下方ではガイドが車巾方
向に湾曲しているので、車両の側面から下方部迄をムラ
なく洗浄することができ、又洗浄ノズルと被洗浄車両の
側面との間隔を車幅に応じて調整できるので、車両の大
小にかかわらず最適な洗浄力が確保でき、更に移動台車
に設置した箱体内に設けた給水ホースと電気コードの複
数のリール群を固定リール群と移動リール群とにより構
成したので、これらリール群の単位リールを液体的にも
電気的にもスイベル機構を必要とせずに小型化でき、か
くて給水ホースと電気コードをこれらの張力に応じて箱
体内へ床面に接触することなく小型に円滑に収納するこ
とができて、装置を簡略化して小型に安価にできる効果
を有する

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の斜視図である。

【図２】要部の断面平面図である。

【図３】要部の一部を截除した断面側面図である。

【図４】要部の断面正面図である。

【符号の説明】

１ レール ２ 移動台車 ３ ノズル 3a 移動体 ４ 箱体 4a ガイド ５ 支持体、補助箱体 5a 固定リール群 5b 移動リール群 ６ 供給源 ８ 給水ホース ９ 電気コード Ａ 車両

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の両側方の床面に並設したレール上
   を移動する移動台車と、該移動台車上に設置され前記車
   両の側面に高圧洗浄水を噴出するノズルに洗浄水を供給
   源より供給する給水ホースと動力源の電気コードを巻掛
   けし前記移動台車の移動に応じて互が近ずいたり離れた
   りする複数のリール群を移動可能に内部に設けた箱体
   と、前記移動台車と共に移動し前記ノズルを上下方向に
   移動可能に設けた支持体とからなることを特徴とする車
   両の側面洗浄装置。
2. 【請求項２】 前記支持体を内側に開口を有する箱状の
   補助箱体に形成し、該箱体内に、前記ノズルを装備した
   移動体を上下方向に導くガイドを設けると共に、該ガイ
   ドの下方部を車両側に湾曲したことを特徴とする請求項
   １に記載の車両の側面洗浄装置。
3. 【請求項３】 前記補助箱体に、該補助箱体を前記車両
   の側面に向って移動させる移動手段を設けたことを特徴
   とする請求項１に記載の車両の側面洗浄装置。
4. 【請求項４】 前記複数のリール群は、位置固定に軸支
   された上方の固定リール群と上下位置可変に軸支された
   下方の移動リール群とからなり、これらリール群間を前
   記給水ホースと電気コードを交互に順次各リールに巻架
   し、該給水ホースと電気コードの張力と前記移動リール
   群の自重に応じて該移動リール群が上下方向に移動する
   ことを特徴とする請求項１に記載の車両の側面洗浄装
   置。
5. 【請求項５】 前記供給源はポンプと温水ボイラーを具
   備していることを特徴とする請求項１に記載の車両の側
   面洗浄装置。
6. 【請求項６】 前記ノズルは回転ノズル式であることを
   特徴とする請求項１に記載の車両の側面洗浄装置。