JPH081673Y2 - 製茶装置カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、製茶装置の茶葉に接する部材、例えば、粗
揉機の揉手などのカバーに関するものである。

〔従来の技術〕

製茶装置では、茶葉の処理中に多量の茶しぶが装置に
付着し、熱効率を低下させ、故障の原因となり、あるい
は、装置に付着した茶しぶが剥離して茶葉に混入し、茶
葉の品質を悪化させるという問題がある。

そこで、この茶しぶの付着が多くなると、装置の運転
を中止して茶しぶを除去する必要が生じてくるが、この
除去作業に多大の労力と時間を要する。

そのため、粗揉機の揉手などのように、茶しぶが付着
し易い部材を塩化ビニール樹脂等からなるシートで被覆
することが提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このようなシートによる被覆では、短
時間のうちにカバーが破れてしまい、装置への茶しぶの
付着を防止することができない。シートの破損を防ぐう
えでは、シートを厚くすることも考えられるが、シート
を厚くするとその剛性が大きくなり、取扱い性が悪化し
て交換作業が困難になるという問題が生ずる。

本考案の目的は、かかる従来技術の問題点を解消し、
シートを厚くすることなく、シートの破損による装置へ
の茶しぶの付着を未然に防止することのできる製茶装置
カバーを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ね
た結果、複数枚のシートで、該複数枚のシートを互いに
接着させることなく、多重被覆すればよいことを見出
し、本考案を完成するに至った。

即ち、本考案は、製茶装置の茶葉に接する部材を合成
樹脂からなる複数枚のシートで、該複数枚のシートを互
いに接着っせることなく、多重被覆したことを特徴とす
る製茶装置カバーである。

〔作用〕

本考案の製茶装置カバーによれば、複数枚のシート
で、該複数枚のシートを互いに接着させることなく、多
重被覆しているので、最外層のシートが破れても、内層
のシートで製茶装置部材が被覆されているため該部材に
茶しぶが付着するようなことがなく、この段階で最外層
の破損シートを新しいシートに交換すればよい。

また、本考案のカバーでは、シートを厚くする必要が
なく、剛性が低いので、取扱い性に優れ、部材への着脱
を容易に行うことができる。

更に、外層シートの色と内層シートの色が異ならしめ
ておけば、外層シートが破れて内層シートが露出した際
に、色の違いによってそれを容易に確認することができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について説明する。

なお、実施例では、便宜上粗揉機の揉手について説明
するが、本考案はこれに限定されるものでないことはい
うまでもない。

第１図は、本考案の一例を示す正面図であり、１は、
粗揉機の揉手を示し、ヘラ部２が支持部３へ取り付けら
れ、ヘラ部２は合成樹脂シート４により被覆されてい
る。

合成樹脂シート４は、第２図に示すように、互いに接
着させることなく重ね合わせた２枚の合成樹脂シート4
a、4bからなり、揉手のヘラ部２を多重被覆している。

本考案で用いる合成樹脂シートとしては、塩化ビニー
ル樹脂シート、合成ゴムシート、シリコーンゴムシー
ト、フッ素樹脂シートなどを挙げることができる。特
に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体（FEP樹脂）、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（PFA樹
脂）、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体（ET
FE樹脂）、ポリテトラフルオロエチレン（PTFE樹脂）、
クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体（ECTF
E樹脂）などのフッ素樹脂からなるシートは、耐熱性、
耐久性、茶しぶの付着防止性などの点から好ましく用い
られる。

各合成樹脂シートの厚さは、耐久性及び取扱い性のう
えで、１〜5mm、特に、２〜4mmが好適である。

合成樹脂シートは通常、２枚を重ね合せて使用するだ
けで十分であるが、必要に応じて３枚以上を重ねて使用
してもよい。

また、外層シートの色と内層シートの色を異ならしめ
ておくと、外層シートが破れて内層シートが露出した際
に、色の違いによって、外層シートの破損を容易に知る
ことができるので便利である。例えば、第２図におい
て、内層シート4aを白に着色し、外層シート4bを黒に着
色しておけば外層シート4bが破れると内層シート4aの白
色が現れてくるため、外層シート4bの破損を容易に知る
ことができる。

本考案の製茶装置カバーにおいては、複数枚の合成樹
脂シートが互いに接着されることなく重ね合わされてい
ることが必要であり、もし接着されている場合は、シー
トを厚くしたのと同じ結果となって剛性が高くなり、取
扱い性が悪くなる。更に外層シート内層シートを色違い
にした場合、両シートが接着されていると、外層シート
のみが破れて内層シートが露出するようなことがほとん
どなくなり、色の変化でシートの破損を知ることができ
なくなる。

合成樹脂シートの製茶装置の茶葉に接する部材に多層
に取り付けるには、最下層の合成樹脂シートを接着剤等
により該部材に貼り付け、その上に２枚目以降の合成樹
脂シートをかぶせる等の任意の手段を採用することがで
きる。また、揉手等のように長さ方向に外径に大小があ
ったり、形状の差異があったりするものには、袋形状の
合成樹脂シートをかぶせるようにすると、部材の先端部
を覆うことができ、袋の開口部をインシュロックあるい
は収縮チューブ等によって簡単容易に部材へ取り付ける
ことができ、交換が容易迅速に行なえるので便利であ
る。更に、棒状部材には、収縮性チューブ状合成樹脂シ
ートをかぶせて、合成樹脂シートを収縮させるようにす
るとシートの密着性が向上し、好適である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、合成樹脂カバーの破損による製茶装
置部材への茶しぶの付着を未然に防止することができ、
しかも、シートを厚くしなくてもよいので取扱い性が悪
くなるようなことがなく、交換が容易であり、ユーザー
にとって極めて有用な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の製茶装置カバーの一例を示す正面
図、第２図は、第１図のＢ−Ｂ矢視断面図である。 ４、4a、4b……合成樹脂からなるシート

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】製茶装置の茶葉に接する部材を、合成樹脂
   からなる複数枚のシートで、該複数枚のシートを互いに
   接着させることなく、多重被覆したことを特徴とする製
   茶装置カバー。
2. 【請求項２】合成樹脂がフッ素樹脂である請求項１記載
   の製茶装置カバー。
3. 【請求項３】外層シートの色と内層シートの色が異なっ
   ている請求項１又は２記載の製茶装置カバー。