JPH08158020A - 耐食性および高強度を有するステンレス鋼 - Google Patents

耐食性および高強度を有するステンレス鋼

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JPH08158020A
JPH08158020A JP30255394A JP30255394A JPH08158020A JP H08158020 A JPH08158020 A JP H08158020A JP 30255394 A JP30255394 A JP 30255394A JP 30255394 A JP30255394 A JP 30255394A JP H08158020 A JPH08158020 A JP H08158020A
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JP
Japan
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stainless steel
corrosion resistance
weight
high strength
less
Prior art date
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Application number
JP30255394A
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English (en)
Inventor
Yutaka Tomono
裕 友野
Masaharu Fukushima
正治 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 Cが0.04重量%以下、Siが0.4重量
%以下、Mnが1.00重量%以下、Pが0.03重量
%以下、Sが0.03重量%以下、Niが4.0〜6.
0重量%、Crが10.0〜13.0重量%、Moが
0.9〜1.40重量%、およびNが0.03〜0.0
8重量%含むことを特徴とする耐食性および高強度を有
するステンレス鋼。 【効果】 ステンレス鋼としての耐食性を損なわずにか
つ溶接性も損なわずに、高強度を有せしめることがで
き、したがって海水環境下にさらされる河口堰などのゲ
ートに使用した場合に、ゲートの長寿命化を図ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば海水との境界部
の河口堰に設けられるゲート用材料として使用される耐
食性および高強度を有するステンレス鋼に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば、水門およびゲート(以下、単に
ゲートという)の耐用年数は、50〜100年と設定さ
れており、その構成材料には、耐食性および高強度が要
請される。
【0003】特に、河口に近い所では、海水環境にさら
されるため、このような河口堰に設けられるゲートで
は、耐食性が重視されており、したがってステンレス鋼
が使用されている。
【0004】そして、従来、この種のステンレス鋼とし
ては、オーステナイト系ステンレス鋼(JIS規格:S
US304,SUS316)またはマルテンサイト系ス
テンレス鋼(JIS規格:SUS420J2)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したオー
ステナイト系ステンレス鋼では、耐力すなわち引張力が
低いという欠点があり、またマルテンサイト系ステンレ
ス鋼では、炭素含有量が高いため、溶接性が良好でない
という問題があった。
【0006】そこで、本発明は上記問題を解消し得る耐
食性および高強度を有するステンレス鋼を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の耐食性および高強度を有するステンレス鋼
は、Cが0.04重量%以下、Siが0.4重量%以
下、Mnが1.00重量%以下、Pが0.03重量%以
下、Sが0.03重量%以下、Niが4.0〜6.0重
量%、Crが10.0〜13.0重量%、Moが0.9
〜1.40重量%、およびNが0.03〜0.08重量
%含むものである。
【0008】
【作用】上記のような組成にすることにより、ステンレ
ス鋼としての耐食性を損なわずにかつ溶接性も損なわ
ず、高強度を有せしめることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
本発明に係るステンレス鋼、すなわち本実施例における
ステンレス鋼の組成は、Cが0.04重量%以下、Si
が0.4重量%以下、Mnが1.00重量%以下、Pが
0.03重量%以下、Sが0.03重量%以下、Niが
4.0〜6.0重量%、Crが10.0〜13.0重量
%、Moが0.9〜1.40重量%、およびNが0.0
3〜0.08重量%となるように構成されたものであ
る。
【0010】ところで、Cを0.04重量%以下にした
のは、耐溶接割れ感受性を低減させるためであり、また
C量を減少させることにより、熱影響部でのクロム炭化
物の生成が抑制されて、耐食性が確保される。
【0011】また、Siの量を増やすと、フェライト量
が増大して靱性が低下する。本実施例では、強度を減少
させずに、少量のフェライトを析出させて、溶接割れを
防止するために、Siの量を、0.4重量%以下にし
た。
【0012】一方、Cの量が少ないので、Niを添加し
て焼入れ性の向上を図るようにしている。Niを添加す
ることにより、空冷でマルテンサイト化をすることがで
きる。本実施例における組成では、Niの量が6.0重
量%を超えるとオーステナイトとの2相組成になり、
4.0重量%未満では、フェライトの析出量が多くなる
ので、Niの量を、4.0〜6.0重量%の範囲に設定
した。
【0013】Crの量は、耐食性を有するマルテンサイ
ト領域を確保するために、10.0〜13.0重量%の
範囲とした。また、Moは、焼戻し2次硬化による耐力
向上を図るために、0.9〜1.4重量%添加した。
【0014】さらに、Nは、0.03重量%以上添加す
るこにより、強度が増加する。但し、Nの増加につれ
て、延性(伸び,絞り)が落ちるので、本実施例では、
0.03〜0.08重量%の範囲とした。また、NはC
の代替として、固溶強化に寄与する。
【0015】ここで、本発明に係るステンレス鋼の具体
例(4例)と、従来品である比較例(4例)とを、それ
ぞれ引張特性、孔食特性、衝撃特性について調べた結果
を、[表3]および[表4]に示す。
【0016】なお、[表1]に本発明に係る具体例(番
号1〜4)の組成を示し、[表2]に比較例(番号5〜
8)の組成をそれぞれ示す。なお、各値は重量%を示し
ている。また、比較例の番号8については、ステンレス
鋼ではなく、高張力鋼であるが、本発明品を使用する河
口堰の水門に適していない材料として例示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】[表3]より、本実施例に係るステンレス
鋼が、良好な強度特性および衝撃値を有しているのが良
く分かる。このように、衝撃値が10kgf-m 以上あれ
ば、溶接性が優れていることを示している。
【0022】また、[表4]の孔食特性についても、比
較例に比べて、良好な値を示していることが良く分か
る。すなわち、耐食性が良いことを示している。なお、
孔食特性については、JIS規格G0577に基づき、
孔食電位の測定を行った。この孔食電位の値が、小さい
もの程、孔食されやすいことを示している。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明のステンレス鋼によ
ると、ステンレス鋼としての耐食性を損なわずにかつ溶
接性も損なわずに、高強度を有せしめることができ、し
たがって海水環境下にさらされる河口堰などのゲートに
使用した場合に、ゲートの長寿命化を図ることができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cが0.04重量%以下、Siが0.4重
    量%以下、Mnが1.00重量%以下、Pが0.03重
    量%以下、Sが0.03重量%以下、Niが4.0〜
    6.0重量%、Crが10.0〜13.0重量%、Mo
    が0.9〜1.40重量%、およびNが0.03〜0.
    08重量%含むことを特徴とする耐食性および高強度を
    有するステンレス鋼。
JP30255394A 1994-12-07 1994-12-07 耐食性および高強度を有するステンレス鋼 Pending JPH08158020A (ja)

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